JP6549894B2 - 口腔内接触圧力測定装置,口腔内接触圧力測定システム,及び口腔内接触圧力測定方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された口腔用筋圧測定装置は、力測定装置と、側方歯群用マウスピースと、を備えている。
側方歯群用マウスピースは、力測定装置に接続されたシャフトに連結軸を介して設けられた外側マウスピースと、力測定装置に接続されたマウスピース取り付け金具に連結軸を介して取り付けられた内側マウスピースと、を有する。
そして、外側マウスピース及び内側マウスピースを、被験者の頬と側方歯群との間に配置し、被験者が唇を閉じたときにシャフトに作用する力を、頬筋圧として力測定装置で測定するようになっている。
そこで、咀嚼力及び嚥下力と、その加齢に伴う経時変化と、を、口腔周囲筋圧値を利用するなどして客観的に把握する手法の検討が研究者によって進められているものの、確立した手法はまだ得られていない。
しかしながら、その口腔用筋圧測定装置での測定は、マウスピースを口腔内に収めたときの姿勢や位置が、測定の度に変わって安定しにくく、信頼性の高い測定方法とは言いにくい。
また、二つのマウスピースを、頬と側方歯群との間の狭いスペースに配置するため、自然な咀嚼運動を行いにくく、咀嚼力を示す測定値として必ずしも好適とは言えない。
1) 歯列における隣接する複数の歯の歯冠に着脱可能であると共に、前記複数の歯の歯冠に装着した状態で前記複数の歯の噛み合わせ面が露出するよう形成された環状のマウスピースと、
感圧素子を有し前記マウスピースの外側面に取り付けられて前記感圧素子により前記マウスピースの厚さ方向に加わる力を検出するセンサ片部と、
を備え、
前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記感圧素子により、前記歯の表側面と頬の内面との接触圧力又は前記歯の裏側面と舌の側部との接触圧力を検出可能であることを特徴とする口腔内接触圧力測定装置である。
2) 前記歯の表側面と前記頬の内面との接触圧力を検出可能であって、
前記複数の歯には少なくとも第1大臼歯及び第2大臼歯を含み、前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記感圧素子は、前記第1大臼歯又は前記第2大臼歯の表側に対応した位置にあることを特徴とする1)に記載の口腔内接触圧力測定装置である。
3) 歯列における隣接する複数の歯の歯冠に着脱可能であると共に、前記複数の歯の歯冠に装着した状態で前記複数の歯の噛み合わせ面が露出するよう形成された環状のマウスピースと、
感圧素子を有し前記マウスピースの外側面に取り付けられて前記感圧素子により前記マウスピースの厚さ方向に加わる力を検出するセンサ片部と、
を備え、
前記センサ片部は、
前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記複数の歯の表側と裏側とに対応するように前記外側面に取り付けられると共に、前記感圧素子として、前記複数の歯の表側に対応する第1の感圧素子と裏側に位置する第2の感圧素子とを有して、前記歯の表側面と頬の内面との接触圧力及び前記歯の裏側面と舌の側部との接触圧力を検出することを特徴とする口腔内接触圧力測定装置である。
4) 前記複数の歯には少なくとも第1大臼歯及び第2大臼歯を含み、前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記第1の感圧素子は、前記第1大臼歯又は前記第2大臼歯の表側に対応した位置にあり、前記第2の感圧素子は、前記第1大臼歯又は前記第2大臼歯の裏側に対応した位置にあることを特徴とする3)に記載の口腔内接触圧力測定装置。
5) 前記感圧素子は、前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記歯列の歯並び方向に複数配列されていることを特徴とする1)〜4)のいずれか一つに記載の口腔内接触圧力測定装置である。
6) 前記感圧素子から出力される検出信号を、有線又は無線により外部に送出する信号送出部を備えたことを特徴とする1)〜5)のいずれか一つに記載の口腔内接触圧力測定装置である。
7) 6)に記載の口腔内接触圧力測定装置と、
前記信号送出部から送出された前記検出信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記検出信号を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記検出信号の時間変化を視認可能な画像の画像データを生成する信号処理部と、
前記信号処理部で生成された画像データを出力する出力装置と、
を含んで構成されたことを特徴とする口腔内接触圧力測定システムである。
8) 口腔内接触圧力測定装置を用いて口腔内接触圧力を測定する、口腔内接触圧力測定方法であって、
前記口腔内接触圧力測定装置を、
歯列における隣接する複数の歯の歯冠に着脱可能であると共に、前記複数の歯の歯冠に装着した状態で前記複数の歯の噛み合わせ面が露出するよう形成された環状のマウスピースと、
感圧素子を有し前記マウスピースの外側面に取り付けられて前記感圧素子により前記マウスピースの厚さ方向に加わる力を検出するセンサ片部と、
前記感圧素子から出力される検出信号を、有線又は無線により外部に送出する信号送出部と、
を備え、
前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記感圧素子により、前記歯の表側面と頬の内面との接触圧力を検出可能なものとし、
前記マウスピースを被験者における前記複数の歯の歯冠に装着し、
被咀嚼物を所定回数咀嚼する咀嚼運動又は嚥下運動を実行したときの前記検出信号の変化を、前記歯の表側面と前記頬の内壁との接触圧力である頬側方圧の変化として取得することを特徴とする口腔内接触圧力測定方法である。
9) 3)を引用する6)に記載の口腔内接触圧力測定装置を用いて口腔内接触圧力を測定する、口腔内接触圧力測定方法であって、
前記マウスピースを被験者における前記複数の歯の歯冠に装着し、
被咀嚼物を所定回数咀嚼する咀嚼運動又は嚥下運動における、前記第1の感圧素子から出力される第1の検出信号の変化を、歯の表側面と頬の内壁との接触圧力である頬側方圧の変化として取得し、前記第2の感圧素子から出力される第2の検出信号の変化を、歯の裏側面と舌の側部との接触圧力である舌側方圧の変化として取得することを特徴とする口腔内接触圧力測定方法である。
まず、実施例1の測定装置51の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
図1〜図3は、測定装置51のそれぞれ斜視図,平面図,及び側面図である。図1では、測定装置51を装着する下顎の歯列TLの一部も併せて示されている。
図4は、測定装置51の使用状態を説明するための平面図であり、下顎の歯列TL及び歯列TLの一部に取り付けられた測定装置51を上方から見た図である。
フレーム部1は、図4に示されるように、下顎の歯列TLにおける隣接する複数の歯に対して、位置ずれがなく着脱自在に取り付けられるように形成された樹脂製の帯環状部材である。
隣接する複数の歯は、例えば、左4番〜7番の歯、すなわち、第1小臼歯L4,第2小臼歯L5,第1大臼歯L6,及び第2大臼歯L7とされる。以下、フレーム部1が装着される隣接する複数の歯である歯群を、装着歯群TG1とも称する。
まず、装着歯群TG1の歯型を取り、その歯型から装着歯群TG1の模型を石膏で作成する。そして、石膏の模型に樹脂シートを被せて吸引し歯頚側を切断することで、装着歯群TG1の歯冠に被せて装着できる有底のマウスピースを作成する。樹脂シートの材質は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)である。
次に、作成した有底のマウスピースにおける、装着歯群TG1の先端側に対応する底壁を、加工によって削除して帯環状のマウスピースであるフレーム部1が完成する。この加工方法によれば、フレーム部1の内面は、装着歯群TG1の歯冠部の外面に対応した形状で形成される。フレーム部1の平均肉厚は、例えば1.0mmとされる。
これにより、図3に二点鎖線で示されるように、装着歯群TG1と、それに対応する上顎の左4番〜7番の歯群TGaと、の噛み合わせにおいて、装着歯群TG1は、フレーム部1が装着されていても歯群TGaと直接接触する。
センサ片部3aは、例えば、幅W3(図3)が約4mmで、長さLeは20mm以上とされる。
センサ部3として、例えば、Pressure Profile Systems社製のセンサ#5601を使用できる。
基部3bには、感圧素子S1〜S12を駆動する駆動部3b1が基板に搭載されて収められている。
駆動部3a1は、検出信号S51を、ケーブル3cを介して外部に送出する。
詳しくは、駆動部3b1は、感圧素子S1〜S12を駆動させると共に感圧素子S1〜S12からの検出信号Sg1〜Sg12を、ケーブル3cを介して検出信号S51として外部に出力する。
すなわち、駆動部3a1とケーブル3cは、検出信号S51を外部に送出する信号送出部3dとして機能する。
ケーブル3cは、駆動部3a1への外部からの電源供給にも用いられる。もちろん基部3bに電源を備えていてもよい。
これにより、フレーム部1を装着歯群TGに取り付けたときに、センサ片部3aが、装着歯群TGの各歯の上端から上方に突出することがなく、装着歯群TG1との噛み合わせに影響を与えない。
固定部材2は、例えば両面粘着テープや接着剤である。
フレーム部1の長手方向に沿う外側面1aは、装着歯群TGの四本の歯における頬側の側面に沿い、通常、全体として緩やかに湾曲して形成される。センサ片部3aをその湾曲に沿うように曲げることで、固定部材2を介して良好に装着することができる。
具体的には、図4及び図5に示されるように、下顎の右側の歯列における4番〜7番の歯、すなわち、第1小臼歯R4,第2小臼歯R5,第1大臼歯R6,及び第2大臼歯R7(以下、装着歯群TG2とも称する)に対して着脱自在な測定装置52を、測定装置51と同様の方法で装着歯群TG2の歯型を取って作成する。
図5に示されるように、測定装置52〜54は、測定装置51と同様にそれぞれ検出信号S52〜S54を出力する。検出信号S52〜S54は、それぞれ検出信号S51と同様に、独立した12種の検出信号が含まれている。
詳しくは、図3からも明らかなように、感圧素子S1〜S6により第2大臼歯と左頬の内壁Baとの接触圧力が測定され、感圧素子S7〜S12により第1大臼歯と左頬の内壁Baとの接触圧力が測定される。
図5は、本発明の実施の形態に係る口腔内の接触圧力測定システムの実施例である測定システム71を説明するためのブロック図である。
測定ブロック82は、測定装置51〜54の少なくとも一つを含む。図5に示された例は測定装置51〜54のすべてを含む)。
信号処理ブロック81は、例えば測定装置51〜54から出力された検出信号S51〜S54を受信してコンピュータ71bで受け入れ可能な形式の信号に変換するインタフェース71aと、インタフェース71aから出力された信号S71を受信する受信部71b1を備えたコンピュータ71bと、を含んで構成される。
また、コンピュータ71bには、検出信号S51〜S54に基づいて種々のデータ処理を実行させるためのソフトウエア71cがインストールされる。すなわち、CPU71b2は、このソフトウエア71cによってデータ処理を行うデータ処理部71b4としても機能する。
また、コンピュータ71bには、入力装置71d,出力装置としての画像表示装置71e,印刷装置71fなどが接続される。
CPU71b2は、ソフトウエア71cのプログラムに基づいて、記憶部71b3に記憶された検出信号S51〜S54を読み出す。また、データ処理部71b4として、検出信号S51〜S54の時間変化を視認可能とする画像の画像データを生成する。
生成した画像データは、画像表示装置71e又は印刷装置71fなどの出力装置に送られ、画像として出力される。
測定では、被験者が、装着歯群TG1〜TG4に、それぞれ測定装置51〜54を装着した状態で、被咀嚼物としてのグミを左右いずれかの歯列で所定回数(例えば20回)咀嚼した後、嚥下する、という一連の動作を行う。そして、この一連の動作における検出信号S51〜S52を取得して記憶する。
測定装置51〜54から延び出る4本のケーブル3cは、口から外部に引き出されてインタフェース71aに接続される。
得られた測定値例として、グミを左側の歯列で20回咀嚼して嚥下する運動において、測定装置51から出力された検出信号S51に基づく頬側方圧PB1の時間変化を図6に示す。時間変化の分解能に相当するスキャンレートは、100Hzである。
詳しくは、測定装置51からの検出信号S51に含まれる検出信号Sg1〜Sg12における、100Hzのスキャンタイミング毎の最大値を示している。
図6に示される圧力の時間変化は、既述のように、装着歯群TG1である下顎左4番〜7番の歯の表側となる頬側の外側面と、左頬の内壁Baと、の間の接触圧の時間変化である。
また、ソフトウエア1cには、測定装置51〜54から得られた頬側方圧PB1〜PB4の相互比較、感圧素子S1〜S12の相互比較、過去の履歴データとの比較等、種々の演算処理を行う処理機能を持たせるとよい。これにより、得られた頬側方圧PB1〜PB4の絶対評価或いは相対評価、また、被験者間の比較、加齢などによる経時変化の把握、が可能となる。
これにより、測定装置51で得られた頬側方圧PB1は、咀嚼力及び嚥下力を評価する値として好適である。
これは、測定装置52〜54及びそれらで得られた頬側方圧PB2〜PB4においても同様である。
これにより、測定装置51の姿勢や位置が測定の度にずれることはなく、測定毎に同じ姿勢及び位置での測定が可能である。
そのため、時期を隔て繰り返し測定した場合でも、各測定値同士の比較に十分足りる信頼性の高い測定値が得られ、咀嚼力及び嚥下力の加齢などによる経時変化の把握が良好に行える。
これは測定装置52〜54においても同様である。
そのため、測定装置51を用い測定システム71で測定することで、頬側方圧PB1を、本来の咀嚼力の評価に好適な測定値として得ることができる。
測定装置52〜54それぞれを用いた場合も、また、測定装置51〜54の中から二つ以上のものを組み合わせて用いた場合も、同様の効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態に係る口腔内接触圧力装置の実施例2の測定装置61を、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、測定装置61の平面図であり、測定装置51を示した図2に対応する図である。図8は、測定装置61の側面図である。図9は、測定装置61の使用状態を説明するための平面図であり、下顎の歯列TL及び歯列TLの一部に取り付けられた測定装置61を上方から見た図である。図10は、図9におけるSC10−SC10位置での断面図である。
フレーム部11は、測定装置51のフレーム部1と同様に形成される部材であり、装着歯群TG1の外形に対し着脱自在にずれることなく取り付けられるように形成された樹脂製の環状部材である。図9に示されるように、外側面11bは、第2大臼歯の奥側の側面に対応する。
具体的には、センサ片部13aは、センサ片部3aよりも長く、長手方向に離隔した感圧素子群U1Aと感圧素子群U1Bとを備えている。
詳しくは、センサ片部13aが取り付けられたフレーム部11を装着歯群TG1に装着した際に、感圧素子群U1Aは、フレーム部11の外側面11aに対応した位置に、感圧素子群U1Bは、外側面11cに対応した位置にあるように設けられる。
さらに詳しくは、感圧素子群U1Aは、第1大臼歯L6及び第2大臼歯L7の頬側(表側)の側面に対応する位置に設けられ、感圧素子群U1Bは、第1大臼歯L6及び第2大臼歯L7の舌側(裏側)の側面に対応する位置に設けられる。
すなわち、感圧素子群U1Aは、感圧素子S21〜S32を有し、感圧素子群U1Bは、感圧素子S41〜S52を有する。
感圧素子S21〜S32及び感圧素子S41〜S52は、センサ片部13aに対して厚さ方向に加わる圧力を互いに独立して検出し、それぞれ検出信号Sg421〜Sg32及び検出信号Sg41〜Sg52を駆動部13b1に向け出力する。
すなわち、感圧素子群U1A,U1Bからは、それぞれにおいて、各感圧素子Sから独立して出力された12種の検出信号を含む検出信号U1As,U1Bsが出力される(図5参照)。
従って、測定装置61から出力される検出信号U1Asは、下顎左側の装着歯群TG1の表側面と、左頬の内壁Baと、の接触圧力である頬側方圧PB1に対応し、検出信号U1Bsは、装着歯群TG1の裏側面と、舌Cの左側部Caと、の接触圧力である舌側方圧PC1を示す。
駆動部13b1は、検出信号U1As,U1Bsを、ケーブル13cを介して外部に送出する。すなわち、駆動部13b1とケーブル13cは、検出信号U1As,U1Bsを外部に送出する信号送出部13dとして機能する。
測定装置62〜64は、測定装置61と同様にそれぞれ感圧素子群U2A,U2B〜感圧素子群U4A,U4Bを有して検出信号U2As,U2Bs〜検出信号U4As,U4Bsを出力する。
測定装置63を装着歯群TG3に装着した状態で得られる検出信号U3Asは、上顎左側の装着歯群TG3の表側面と、左頬の内壁Baと、の接触圧力である頬側方圧PB3を示し、検出信号U3Bsは、装着歯群TG3の裏側面と、舌Cの左側部Caと、の接触圧力である舌側方圧PC3を示す。
測定装置64を装着歯群TG4に装着した状態で得られる検出信号U4Asは、上顎右側の装着歯群TG4の表側面と、右頬の内壁Bbと、の接触圧力である頬側方圧PB4を示し、検出信号U4Bsは、装着歯群TG4の裏側面と、舌Cの右側部Cbと、の接触圧力である舌側方圧PC4を示す。
図5において、測定システム72は、既述の信号処理ブロック81と、測定ブロック83との組み合わせで構成される。
測定ブロック83は、測定装置61〜64の少なくとも一つを含む。
詳しくは、感圧素子群U1では、感圧素子S21〜S26により第2大臼歯の表側面と左頬の内壁Baとの接触圧力が測定され、感圧素子S27〜S32により第1大臼歯の表側面と左頬の内壁Baとの接触圧力が測定される。
また、感圧素子群U2では、感圧素子S41〜S46により第2大臼歯の裏側面と舌の左側部Caとの接触圧力が測定され、感圧素子S47〜S52により第1大臼歯の裏側面と左側部Caとの接触圧力が測定される。
また、測定装置62,64についても同様に、装着歯群TG2,TG4の表側面と、右頬の内壁Bbと、の接触圧力である頬側方圧PB2,PB4と、装着歯群TG2,TG4の裏側面と、舌の右側部Cbと、の接触圧力である舌側方圧PC4と、の両方を測定できる。
すなわち、データ処理部71b4は、検出信号U1As,U1Bs〜検出信号U4As,U4Bsの時間変化を視認可能な画像の画像データを生成する。
生成した画像データは、画像表示装置71e又は印刷装置71fなどの出力装置に送られ、画像として出力される。
これにより、咀嚼力及び嚥下力をより詳細に把握することができる。また、測定装置61〜64は、測定毎に姿勢や位置が変わることなく安定的に装着できるので、咀嚼力の加齢などに伴う変化を高い信頼性の測定値で追跡評価することができる。
これにより、測定装置61で得られた頬側方圧PB1は、咀嚼力及び嚥下力を評価する値として好適である。
これは、測定装置62〜64とそれらで得られた頬側方圧PB2〜PB4においても同様である。
これにより、測定装置61の姿勢や位置が測定の度にずれることはなく、測定毎に同じ姿勢及び位置での測定が可能である。
そのため、時期を隔て繰り返し測定した場合でも、各測定値同士の比較に十分足りる信頼度の高い測定値が得られ、咀嚼力及び嚥下力の加齢などによる経時変化の把握が良好に行える。
これは、測定装置62〜64においても同様である。
そのため、測定装置61を用い測定システム72で測定することで、頬側方圧PB1を、本来の咀嚼力の評価に好適な測定値として得ることができる。
測定装置62〜64それぞれを用いた場合も、また、測定装置61〜64の中から二つ以上のものを組み合わせて用いた場合も、同様の効果が得られる。
すなわち、出力信号の経路は歯列を跨がずに外部に至るものとなっている。
これにより、測定装置61〜64によって、咀嚼動作にほとんど影響を与えることなく歯列の内側部位と舌との接触圧を測ることができ、咀嚼力の評価として高い精度の測定値が得られる。
そのため、図11に変形例として部分断面図が示されるように、感圧素子Sが水や消毒薬の影響を受けないように保護する樹脂層4を、センサ片部3aの表面を覆うように設けてもよい。センサ片部13aについても同様である。
図11は、センサ片部3aに固定部材2としての両面粘着テープを取り付けた状態のセンサ部3を示す部分断面図である。
図3に示される取り付け状態で、第1小臼歯から第2大臼歯までの範囲に対応するように、複数の感圧素子Sがアレイ状に並設されていてもよい。
センサ片部13aについては、二つの感圧素子群U1,U2が形成されている例を説明したが、これに限定されない。複数の感圧素子Sがセンサ片部13aの長手方向全体に亘って並設されていてもよい。
いずれの場合も、ソフトウエア71cを、複数の感圧素子Sからの検出信号の中から、測定対象とする歯(例えば、第1及び第2大臼歯)に対応した感圧素子Sからの検出信号を選択して採用する、などの処理を自由に行うことができるものとして作成しておけばよい。
このセンサ片部ユニット13a1,13a2を有するセンサ片部13aを備えた測定装置61Aでは、基部13bに近い側のセンサ片部13a1に、頬側方圧PB1を測定する感圧素子群U1Aが設けられ、遠い側のセンサ片部13a2に、舌側方圧PC1を測定する感圧素子群U1Bが設けられている。
測定装置61Aは、センサ片部13a1とセンサ片部13a2とが自由に屈曲できるケーブル13c1で連結されているので、フレーム部11へ装着し易く、被験者が感じる装着感も低減される。
信号送出部3d,13dは、有線のケーブル3c,13cを用いるものに限らず、基部3b,13bに電源を備え、無線で外部の受信機に検出信号を出力するものであってもよい。無線を用いると、口からケーブルが3c,13cが引き出されないのでより自然な状態で咀嚼及び嚥下の運動ができるので好ましい。
これにより、特定の被験者での、頬側方圧や舌側方圧の分布やレベルを把握できるにとどまらず、それらの被験者間の違いを良好に把握することができる。
詳しくは、頬側方圧及び舌側方圧については、圧力分布と圧力レベルの被験者間の違いが顕著である。
これは、被験者ごとに、頬筋及び舌を含む口腔周囲筋の形状や位置が異なり、さらには咀嚼動作及び嚥下動作に癖があることによる。
測定装置51,61,61Aなどを用いた測定によって、被験者ごとの違いが明確に把握できるので、例えば、咀嚼力や嚥下力が低下した被験者に対する改善のためのトレーニングや治療の方法を、被験者それぞれに適したプログラムで提供することが可能となる。また、そのトレーニングや治療の結果を、被験者ごとに最適な方法で評価しフィードバックすることができる。
1a,1d,11a,11b,11c 外側面
2,12 固定部
3,13 センサ部
3a,13a センサ片部、 3b,13b 基部
3b1,13b1 駆動部、 3c,13c,13c1 ケーブル
3d,13d 信号送出部
4 樹脂層
51〜54,61〜64,61A 測定装置
71,72 測定システム
71a インタフェース、 71b コンピュータ、 71b1 受信部
71b2 CPU、 71b3 記憶部、 71b4 データ処理部
71c ソフトウエア、 71d 入力装置、 71e 画像表示装置
71f 印刷装置
81 信号処理ブロック、 82,83 測定ブロック
Ba (左頬の)内壁、 Bb (右頬の)内壁
C 舌、 Ca (舌の)左側部、 Cb (舌の)右側部
Le 長さ、 L4,R4 第1小臼歯、 L5,R5 第2小臼歯
L6,R6 第1大臼歯、 L7,R7 第2大臼歯
PB 頬側方圧、 PB1〜PB4 頬側方圧
PC1〜PC4 舌側方圧
S,S1〜S12,S21〜S32,S41〜S52 感圧素子
Sg1〜Sg12,S51〜S54 検出信号、 S71 信号
Ta 歯肉、 Tb (歯冠の)範囲、 TG1〜TG4 装着歯群
TL (下顎の)歯列
U1A,U1B〜U4A,U4B 感圧素子群
U1As,U1Bs〜U4As,U4Bs 検出信号
W3 幅
Claims (9)
- 歯列における隣接する複数の歯の歯冠に着脱可能であると共に、前記複数の歯の歯冠に装着した状態で前記複数の歯の噛み合わせ面が露出するよう形成された環状のマウスピースと、
感圧素子を有し前記マウスピースの外側面に取り付けられて前記感圧素子により前記マウスピースの厚さ方向に加わる力を検出するセンサ片部と、
を備え、
前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記感圧素子により、前記歯の表側面と頬の内面との接触圧力又は前記歯の裏側面と舌の側部との接触圧力を検出可能であることを特徴とする口腔内接触圧力測定装置。 - 前記歯の表側面と前記頬の内面との接触圧力を検出可能であって、
前記複数の歯には少なくとも第1大臼歯及び第2大臼歯を含み、前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記感圧素子は、前記第1大臼歯又は前記第2大臼歯の表側に対応した位置にあることを特徴とする請求項1記載の口腔内接触圧力測定装置。 - 歯列における隣接する複数の歯の歯冠に着脱可能であると共に、前記複数の歯の歯冠に装着した状態で前記複数の歯の噛み合わせ面が露出するよう形成された環状のマウスピースと、
感圧素子を有し前記マウスピースの外側面に取り付けられて前記感圧素子により前記マウスピースの厚さ方向に加わる力を検出するセンサ片部と、
を備え、
前記センサ片部は、
前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記複数の歯の表側と裏側とに対応するように前記外側面に取り付けられると共に、前記感圧素子として、前記複数の歯の表側に対応する第1の感圧素子と裏側に位置する第2の感圧素子とを有して、前記歯の表側面と頬の内面との接触圧力及び前記歯の裏側面と舌の側部との接触圧力を検出することを特徴とする口腔内接触圧力測定装置。 - 前記複数の歯には少なくとも第1大臼歯及び第2大臼歯を含み、前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記第1の感圧素子は、前記第1大臼歯又は前記第2大臼歯の表側に対応した位置にあり、前記第2の感圧素子は、前記第1大臼歯又は前記第2大臼歯の裏側に対応した位置にあることを特徴とする請求項3記載の口腔内接触圧力測定装置。
- 前記感圧素子は、前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記歯列の歯並び方向に複数配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔内接触圧力測定装置。
- 前記感圧素子から出力される検出信号を、有線又は無線により外部に送出する信号送出部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の口腔内接触圧力測定装置。
- 請求項6記載の口腔内接触圧力測定装置と、
前記信号送出部から送出された前記検出信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記検出信号を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記検出信号の時間変化を視認可能な画像の画像データを生成する信号処理部と、
前記信号処理部で生成された画像データを出力する出力装置と、
を含んで構成されたことを特徴とする口腔内接触圧力測定システム。 - 口腔内接触圧力測定装置を用いて口腔内接触圧力を測定する、口腔内接触圧力測定方法であって、
前記口腔内接触圧力測定装置を、
歯列における隣接する複数の歯の歯冠に着脱可能であると共に、前記複数の歯の歯冠に装着した状態で前記複数の歯の噛み合わせ面が露出するよう形成された環状のマウスピースと、
感圧素子を有し前記マウスピースの外側面に取り付けられて前記感圧素子により前記マウスピースの厚さ方向に加わる力を検出するセンサ片部と、
前記感圧素子から出力される検出信号を、有線又は無線により外部に送出する信号送出部と、
を備え、
前記マウスピースを前記複数の歯の歯冠に装着した状態で、前記感圧素子により、前記歯の表側面と頬の内面との接触圧力を検出可能なものとし、
前記マウスピースを被験者における前記複数の歯の歯冠に装着し、
被咀嚼物を所定回数咀嚼する咀嚼運動又は嚥下運動を実行したときの前記検出信号の変化を、前記歯の表側面と前記頬の内壁との接触圧力である頬側方圧の変化として取得することを特徴とする口腔内接触圧力測定方法。 - 請求項3を引用する請求項6記載の口腔内接触圧力測定装置を用いて口腔内接触圧力を測定する、口腔内接触圧力測定方法であって、
前記マウスピースを被験者における前記複数の歯の歯冠に装着し、
被咀嚼物を所定回数咀嚼する咀嚼運動又は嚥下運動における、前記第1の感圧素子から出力される第1の検出信号の変化を、歯の表側面と頬の内壁との接触圧力である頬側方圧の変化として取得し、前記第2の感圧素子から出力される第2の検出信号の変化を、歯の裏側面と舌の側部との接触圧力である舌側方圧の変化として取得することを特徴とする口腔内接触圧力測定方法。
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