JP2015144095A - 二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反転板と集電端子とをレーザー溶接により接合する場合であっても、高精度にこれらを溶接する。【解決手段】溶接工程は、回折光学素子により分岐されて形成された複数のレーザービームを異なる箇所に同時に照射することによって、集電端子21および反転板30同士が相互に仮止めされた複数の仮止め部51〜54を形成する工程と、複数のレーザービームを複数の仮止め部51〜54の各々から円弧状に照射することによって、複数の仮止め部51〜54の各々を起点として円弧状に延在する複数の溶接軌道51T〜54Tを形成する工程とを含む。【選択図】図9
Description
この発明は、電流遮断機構を備えた二次電池の製造方法に関する。
一般的な二次電池は、電流遮断装置を備えている。電流遮断装置は、電池要素に電気的に接続された集電端子、この集電端子に接合された反転板、およびこの反転板に電気的に接続された外部端子などから構成される。反転板が内圧を受け、反転板が集電端子から遠ざかる方向に反転変形することにより、電池要素と外部端子との間の導通が遮断される。二次電池とは技術分野が異なるが、特開2003−094190号公報(特許文献1)には、レーザー溶接に関する技術が開示されている。
反転板と集電端子とをレーザー溶接により接合する際、熱歪みに起因して溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下する場合がある。すなわち、レーザー照射を受けて一旦軟化した溶接箇所は、再び凝固する際に収縮するため、系全体に傾きや変形を及ぼす恐れがある。傾きや変形が生じた場合、電流遮断装置が遮断動作するときの作動圧もばらつきやすくなる。
本発明は、反転板と集電端子とをレーザー溶接により接合する場合であっても、高精度にこれらを溶接可能な二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
二次電池の製造方法は、反転板の反転動作により電池要素と外部端子との間の導通を遮断する電流遮断機構を有する二次電池の製造方法であって、上記電池要素に電気的に接続される集電端子と、上記外部端子に電気的に接続される上記反転板とを準備する準備工程と、レーザー溶接により上記集電端子を上記反転板に接合する溶接工程と、を備え、上記溶接工程は、回折光学素子により分岐されて形成された複数のレーザービームを異なる箇所に同時に照射することによって、上記集電端子および上記反転板同士が相互に仮止めされた複数の仮止め部を形成する工程と、複数の上記レーザービームを複数の上記仮止め部の各々から円弧状に照射することによって、複数の上記仮止め部の各々を起点として円弧状に延在する複数の溶接軌道を形成する工程と、を含む。
上記構成によれば、溶接部の形成に先だって、仮止め部によって集電端子および反転板同士は相互に仮止めされた状態を形成するため、溶接部を形成する際に熱歪みに起因して溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することは効果的に抑制される。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。同一の部品および相当部品には、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
図1〜図6を参照して、実施の形態1における二次電池100について説明する。二次電池100の製造方法については、図7〜図10を参照して後述する。図1および図2は、それぞれ二次電池100を示す平面図および断面図である。二次電池100は、外装体10、電極体13(図2)、正極用の外部端子20および集電端子21(図2)、ならびに負極用の外部端子24および集電端子25(図2)を備える。
図1〜図6を参照して、実施の形態1における二次電池100について説明する。二次電池100の製造方法については、図7〜図10を参照して後述する。図1および図2は、それぞれ二次電池100を示す平面図および断面図である。二次電池100は、外装体10、電極体13(図2)、正極用の外部端子20および集電端子21(図2)、ならびに負極用の外部端子24および集電端子25(図2)を備える。
外装体10は、収容部11および封口板12を含む。外装体10は、内部に電極体13(電池要素)を収容する。外部端子20,24は、封口板12に取り付けられる。電極体13は、正極芯体、負極芯体およびセパレータ(いずれも図示せず)を有し、正極芯体および負極芯体は、セパレータを介して巻回される。電極体13の両端には、正極芯体露出部14および負極芯体露出部15がそれぞれ設けられる。
正極芯体露出部14は、集電端子21および後述する電流遮断機構を介して外部端子20に電気的に接続される。負極芯体露出部15は、集電端子25および電流遮断機構を介して外部端子24に電気的に接続される。正極用の電流遮断機構および負極用の電流遮断機構は同一の構成を有しているため、以下では正極用の電流遮断機構に着目してその詳細を説明する。
図3は、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。図4は、図3に対応する分解斜視図である。便宜上のため、図4中には、集電端子21、反転板30(ダイヤフラムともいう)およびリベット40のみを図示している。図3および図4に示すように、封口板12および外部端子20(図1,図2参照)の近傍には、集電端子21に加えて、ガスケット16,17,18(図3)、導電板19(図3)、反転板30およびリベット40が設けられる。
封口板12には、貫通孔12Hが形成される。ガスケット17,18は、封口板12の内側(外装体10の内部側)に配置される。ガスケット16および導電板19は、封口板12の外側(外装体10の外部側)に配置される。リベット40は、貫通孔12Hに挿通された状態でかしめ(加締め)られ、導電板19およびガスケット16を封口板12に固定する。図3に示す状態では、集電端子21は、反転板30、リベット40および導電板19を通して外部端子20(図1)に電気的に接続される。
リベット40は、かしめ部41、小径部42、接続部43、大径部44、および鍔部45を含む。かしめ部41は、小径部42のうちの接続部43とは反対側に形成される。かしめ部41は、小径部42を貫通孔12H(図3)に挿通したのち、小径部42の端部側を加締めることによって形成される。鍔部45は、大径部44よりも外側に形成された部位であり、全体として環状の形状を有する。接続部43、大径部44および鍔部45の内側の空間は、後述する反転板30が反転することを許容する。
反転板30は、天面部31(反転部)、傾斜部32、および鍔部33を含み、アルミニウム合金などから形成される。天面部31は、円形状の形状を有する。傾斜部32は、天面部31の周囲を取り囲む環状の形状を有する。鍔部33は、傾斜部32よりも外側に形成され、環状の形状を有する。反転板30の鍔部33とリベット40の鍔部45とが互いに溶接されることによって、反転板30はリベット40に固定される。
集電端子21は、平板部21L,21R(図4)、厚肉部22、薄肉部23、貫通孔23Hおよび環状溝23G(図3)を含み、アルミニウム合金などから形成される。平板部21L,21Rは、正極芯体露出部14(図1)に溶接される。当該溶接により、集電端子21は電極体13(図2)に電気的に接続される。薄肉部23は、厚肉部22よりも薄い厚さを有する。反転板30の天面部31は、レーザー溶接によって薄肉部23に接合される(詳細は後述する)。貫通孔23Hおよび環状溝23Gは、いずれも薄肉部23に設けられる(図5および図6参照)。
図5は、図3中のV線に囲まれた領域を拡大して示す断面図である。図6は、図5中の矢印IV方向から集電端子21等を見た際の様子を示す底面図である。便宜上のため、図6中には、集電端子21の厚肉部22は図示しておらず、薄肉部23および薄肉部23よりも内側に構成される部位(環状溝23Gなど)のみ図示している。薄肉部23は、円盤状の形状を有し、その厚さT1(図5)は、たとえば0.1mmである。反転板30の天面部31の厚さT2は、たとえば0.3mmである。
図5および図6に示すように、貫通孔23Hは、円形状の形状を有し、薄肉部23の中央に形成される。環状溝23Gは、貫通孔23Hの周囲を囲うように形成され、環状の形状を有する。環状溝23G(図5参照)は、集電端子21が配置されている側から反転板30が配置されている側に向かって凹むV字状の断面形状を有する。
上述の通り、反転板30の天面部31と集電端子21の薄肉部23とは、レーザー溶接によって互いに接合される。溶接部50は、天面部31と薄肉部23とに溶接が実施されることによって形成され、天面部31と薄肉部23とが一体化した部位である。すなわち、溶接部50は、天面部31と薄肉部23とが互いに接合された箇所に形成される。溶接部50は、貫通孔23Hの周囲を囲うように形成され、環状の形状を有する。溶接部50の中心を通る円を描いた場合、その円の直径Dはたとえば2.0mm〜2.8mmである。
(電流遮断装置の動作)
図3を参照して、集電端子21、反転板30およびリベット40によって電流遮断装置(CID:Current Interrupt Device)が構成される。電流遮断装置が作動する前の二次電池100(図1)の通常の使用状態においては、反転板30は、天面部31が集電端子21(薄肉部23)の側に向かって突出した形状を有し、集電端子21は、反転板30、リベット40および導電板19を通して外部端子20(図1)に電気的に接続される。
図3を参照して、集電端子21、反転板30およびリベット40によって電流遮断装置(CID:Current Interrupt Device)が構成される。電流遮断装置が作動する前の二次電池100(図1)の通常の使用状態においては、反転板30は、天面部31が集電端子21(薄肉部23)の側に向かって突出した形状を有し、集電端子21は、反転板30、リベット40および導電板19を通して外部端子20(図1)に電気的に接続される。
電流遮断機構が作動する前には、電流は、集電端子21(薄肉部23)、反転板30(天面部31)およびリベット40の順に流れる。これにより、二次電池100(図1)から外部へ電力が供給される。充電時にはこれと逆方向に電流が流れる。外装体10(図1)の内圧が上昇した場合には、反転板30の天面部31が外装体10内の気体に押圧される。外装体10(図1)の内圧が設定値(作動圧)よりも高くなった場合、薄肉部23が環状溝23Gを起点として破壊され、反転板30の天面部31は薄肉部23とともに集電端子21から遠ざかる方向に移動する。反転板30のこの反転動作により、集電端子21と反転板30とが離隔し、電極体13(図2)と外部端子20(図1)との間の導通が遮断される。
(二次電池100の製造方法)
図3を参照して、二次電池100を製造する際には、まず、導電板19、ガスケット16,17,18、封口板12およびリベット40などが準備され、リベット40にかしめ部41を形成することによりこれらは一体化される。次いで、レーザー溶接などにより反転板30がリベット40に接合される。その後、熱かしめにより、反転板30およびリベット40などを含む中間品に集電端子21が固定される。熱かしめにより、熱かしめ部28(図3)が形成される。
図3を参照して、二次電池100を製造する際には、まず、導電板19、ガスケット16,17,18、封口板12およびリベット40などが準備され、リベット40にかしめ部41を形成することによりこれらは一体化される。次いで、レーザー溶接などにより反転板30がリベット40に接合される。その後、熱かしめにより、反転板30およびリベット40などを含む中間品に集電端子21が固定される。熱かしめにより、熱かしめ部28(図3)が形成される。
図7を参照して、溶接装置60が準備される。集電端子21および反転板30などは、溶接装置60にセットされる。溶接装置60は、発振器61、回折光学素子62(DOE:Diffractive Optical Element)および反射板63を有する。発振器61は、ファイバー型のレーザーヘッド等から構成され、回折光学素子62に向けてレーザービームを発振する。レーザービームとしては、CO2レーザー、YAGレーザーおよびエキシマレーザーなどを用いることができる。
回折光学素子62は、発振器61が発振したレーザービームを、複数のレーザービームに分岐させる。回折光学素子62により分岐されて形成された複数のレーザービームは、反射板63に入射する。反射板63で反射した複数本のレーザービームは、環状の溶接部50を形成するべき箇所に向けて照射される。
図8を参照して、発振器61がレーザービームを発振したのち、所定の時間が経過するまでは、回折光学素子62(図7)は回転しない。所定の時間の間、回折光学素子62により分岐されて形成された複数の(本実施の形態では4本の)レーザービームは、仮止め部51〜54(図8)を形成するための互いに異なる箇所に同時に照射され続ける。回折光学素子62が回転しない状態でレーザービームが照射され続けることによって、仮止め部51〜54が形成される。仮止め部51〜54は、同一円周上において90°間隔で離れた互いに異なる位置に形成され、これらの仮止め部51〜54によって、集電端子21および反転板30同士は、相互に仮止めされた状態を形成する。この後、回折光学素子62は回転し始める。
図9を参照して、回折光学素子62が0°から90°までの範囲で回転することによって、複数のレーザービームは、仮止め部51〜54の各々から円弧状に走査される(矢印AR51〜AR54)。仮止め部51〜54の各々を起点(始点)として、円弧状に延在する溶接軌道51T〜54Tが形成される。溶接軌道51T〜54Tは、同一円周上で延在しつつ、徐々にその長さが長くなる。溶接軌道51T〜54Tの長さが長くなる速さは、できるだけ同一に近いことが好ましく、同一であることがより好ましい。
溶接軌道51T〜54Tの各々は、仮止め部52,53,54,51に向かってそれぞれ延びる。その後、溶接軌道51T〜54Tが1つの円環を形成することによって、図6に示す溶接部50が形成される。図10は、実際に溶接部50を形成したのち、溶接部50を撮像したものを示す図である。図10に示す場合では、溶接部50の形成後も、仮止め部51〜54が痕跡として確認できることがわかる。
(作用および効果)
本実施の形態では、仮止め部51〜54によって、集電端子21および反転板30同士は、相互に仮止めされた状態を形成する。この状態で、溶接軌道51T〜54Tが形成される。その後、溶接軌道51T〜54Tが1つの円環を形成することによって、溶接部50が形成される。溶接部50の形成に先だって、集電端子21および反転板30同士が仮止めされているため、熱歪みに起因して溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することは効果的に抑制されている。
本実施の形態では、仮止め部51〜54によって、集電端子21および反転板30同士は、相互に仮止めされた状態を形成する。この状態で、溶接軌道51T〜54Tが形成される。その後、溶接軌道51T〜54Tが1つの円環を形成することによって、溶接部50が形成される。溶接部50の形成に先だって、集電端子21および反転板30同士が仮止めされているため、熱歪みに起因して溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することは効果的に抑制されている。
仮止め部51〜54は、同一円周上において等間隔(本実施の形態では90°間隔)で離れた互いに異なる位置に形成される。仮止め部51〜54を形成している際に仮止め部51〜54の近傍に収縮応力(熱歪み)が発生したとしても、収縮応力は互いに相殺する位置関係にあり、溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することはほとんどない。
仮止め部51〜54を形成した後は、溶接軌道51T〜54Tを従来に比べて短時間で形成してもよい。加工速度を増加させると溶融領域(溶け込む領域)が細くなり、溶融面積が少なくなる。本実施の形態では、仮止め部51〜54の形成によって一定程度の接合力が得られているため、加工速度を増加させたとしても溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することはほとんどない。
本実施の形態では、90°間隔で4つの仮止め部を形成しているが、等間隔であれば、30°間隔、45°間隔、60°間隔、または120°間隔であってもよい。分岐により形成される複数のレーザービームの本数は、多い方が加工に必要な時間が短くなる。回折光学素子62を用いれば、狭いスペースであっても分岐作用によって容易に複数のレーザービームを形成することが可能である。
[比較例]
図11は、比較例における二次電池の製造方法で使用される溶接装置60Aを示す図である。溶接装置60Aは、発振器61および反射板64を有する。反射板64は、いわゆる走査ミラーとして機能する部材であり、発振器61から発振されたレーザービームは、環状の溶接部70を形成するべき箇所に向けて照射される(矢印DR64参照)。
図11は、比較例における二次電池の製造方法で使用される溶接装置60Aを示す図である。溶接装置60Aは、発振器61および反射板64を有する。反射板64は、いわゆる走査ミラーとして機能する部材であり、発振器61から発振されたレーザービームは、環状の溶接部70を形成するべき箇所に向けて照射される(矢印DR64参照)。
図12を参照して、溶接装置60A(図11参照)を用いる場合、始点71に示す部分からレーザー溶接が開始される。図13を参照して、反射板64の動作によって、レーザービームは、始点71から円弧状に走査される(矢印AR71)。始点71を起点として、円弧状に延在する溶接軌道71Tが形成される。溶接軌道71Tは、徐々にその長さが長くなる。図14を参照して、溶接軌道71T(図13)が1つの円環を形成することによって、溶接部70が形成される。
比較例の場合では、溶接部70の形成に先だって、集電端子21および反転板30同士が仮止めされていない。始点71の近傍でレーザー溶接を実施している際、始点71の近傍に収縮応力(熱歪み)が発生し、その影響はたとえば図13中の点線72で囲まれる領域に及ぶ。点線72で囲まれる領域とは、レーザービーム走査の終点付近に位置する領域である。熱歪みは、溶接軌道71Tが形成される終始(1周分の走査の間)にわたって発生し、上述の実施の形態1の場合とは異なり、相殺されること無く蓄積され続ける。熱歪みは、たとえば点線72の付近に顕著にあらわれる。
図15を参照して、溶接部70が形成された後では、熱歪みの蓄積によって浮き73が形成される。浮き73とは、反転板30の天面部31と外部端子20の薄肉部23との間に形成された隙間である。浮き73は、対向配置された反転板30の天面部31と外部端子20の薄肉部23とを接合する場合に発生しやすい。浮き73が発生した場合、電流遮断装置が遮断動作するときの作動圧がばらつきやすくなる。浮き73が発生した場合、溶接の際に溶けた金属が浮き73に流れ込み、いわゆる穴あき不良と言われる現象が発生することもある。
図16を参照して、熱歪みの影響を低減するために、溶接装置60Bを用いることも考えられる。すなわち、溶接装置60Bは、一対の発振器61A,61Bおよび一対の反射板64A,64Bを有する。反射板64A,64Bは、いわゆる走査ミラーとして機能する部材であり、発振器61A,61Bから発振されたレーザービームは、反射板64A,64Bによってそれぞれ反射され、環状の溶接部70を形成するべき箇所に向けて照射される。当該構成の場合、光学系が複数必要となり、機器を配置するためのスペースも確保しなければならず、さらに同期を実現するための制御動作も複雑化し、製造費用の増加を招くおそれがある。
[実験例]
上述の実施の形態1(図7〜図9)の構成と、上述の比較例(図11〜図14)の構成とを比較するために、反転板30と集電端子21とをφ2.3mmの円軌道を有する周回溶接により接合し、その際の不良(穴あき不良)の発生回数を確認した。当該実験例では、実施の形態1の場合も比較例の場合も、溶接装置としてはファイバーレーザーを用い、CW(Continuous Wave)溶接を実施した。
上述の実施の形態1(図7〜図9)の構成と、上述の比較例(図11〜図14)の構成とを比較するために、反転板30と集電端子21とをφ2.3mmの円軌道を有する周回溶接により接合し、その際の不良(穴あき不良)の発生回数を確認した。当該実験例では、実施の形態1の場合も比較例の場合も、溶接装置としてはファイバーレーザーを用い、CW(Continuous Wave)溶接を実施した。
実施の形態1の場合では、回折光学素子62の回転速度が100rpm(加工速度が50mm/secであるものに相当)であり、出力は1000W(1ビーム当たり250W)であるものとした。比較例の場合は、加工速度が50mm/secであり、出力は250Wであるものとした。
その結果、実施の形態1の場合は良品数が50個、穴あきが発生した不良品数が0個であったのに対して、比較例の場合は、良品数が46個、穴あきが発生した不良品数が4個であった。この結果からも、上述の実施の形態1の構成によれば、集電端子21および反転板30同士が仮止めされているため、熱歪みに起因して溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することは効果的に抑制できることがわかる。
[実施の形態2]
図17〜図19を参照して、実施の形態2における二次電池の製造方法について説明する。本実施の形態でも、上述の実施の形態1と同様に溶接装置60(図7参照)が用いられ、回折光学素子62は、発振器61が発振したレーザービームを複数のレーザービームに分岐させる。回折光学素子62により分岐されて形成された複数のレーザービームは、反射板63に入射する。本実施の形態では、反射板63で反射した複数本のレーザービームは、環状の溶接部50A,50B(図17)を形成するべき箇所に向けて照射される。
図17〜図19を参照して、実施の形態2における二次電池の製造方法について説明する。本実施の形態でも、上述の実施の形態1と同様に溶接装置60(図7参照)が用いられ、回折光学素子62は、発振器61が発振したレーザービームを複数のレーザービームに分岐させる。回折光学素子62により分岐されて形成された複数のレーザービームは、反射板63に入射する。本実施の形態では、反射板63で反射した複数本のレーザービームは、環状の溶接部50A,50B(図17)を形成するべき箇所に向けて照射される。
図17を参照して、発振器61(図7)がレーザービームを発振したのち、所定の時間が経過するまでは、回折光学素子62(図7)は回転しない。所定の時間の間、回折光学素子62により分岐されて形成された複数の(本実施の形態では4本の)レーザービームは、仮止め部51〜54(図8)を形成するための互いに異なる箇所に同時に照射され続ける。回折光学素子62が回転しない状態でレーザービームが照射され続けることによって、仮止め部51〜54が形成される。
本実施の形態では、仮止め部51,53は、同一円周上において180°間隔で離れた互いに異なる位置に形成され、仮止め部52,54は、他の同一円周上において180°間隔で離れた互いに異なる位置に形成される。これらの仮止め部51〜54によって、集電端子21および反転板30同士は、相互に仮止めされた状態を形成する。この後、回折光学素子62は回転し始める。
図18を参照して、回折光学素子62(図7)が0°から180°までの範囲で回転することによって、複数のレーザービームは、仮止め部51〜54の各々から円弧状に走査される(矢印AR51〜AR54)。仮止め部51〜54の各々を起点(始点)として、溶接軌道51T〜54Tが形成される。溶接軌道51T〜54Tは、徐々にその長さが長くなる。溶接軌道51T〜54Tの長さが長くなる速さは、できるだけ同一に近いことが好ましく、同一であることがより好ましい。
溶接軌道51T,53Tの各々は、仮止め部53,51に向かってそれぞれ延びる。溶接軌道52T,54Tの各々は、仮止め部54,52に向かってそれぞれ延びる。その後、溶接軌道51T,53Tが1つの円環を形成し、溶接軌道52T,54Tが他の1つの円環を形成することによって、図19に示す溶接部50A,50Bが形成される。
本実施の形態でも、仮止め部51〜54によって、集電端子21および反転板30同士は、相互に仮止めされた状態を形成する。この状態で、溶接軌道51T〜54Tが形成される。その後、溶接軌道51T〜54Tが2つの円環を形成することによって、溶接部50A,50Bが形成される。溶接部50の形成に先だって、集電端子21および反転板30同士が仮止めされているため、熱歪みに起因して溶接精度(位置や姿勢に関する精度など)が低下することは効果的に抑制されている。
以上、本発明に基づいた実施の形態および実験例について説明したが、今回開示された内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 外装体、11 収容部、12 封口板、12H,23H 貫通孔、13 電極体、14 正極芯体露出部、15 負極芯体露出部、16,17,18 ガスケット、19 導電板、20,24 外部端子、21,25 集電端子、21L,21R 平板部、22 厚肉部、23 薄肉部、23G 環状溝、28,41 かしめ部、30 反転板、31 天面部、32 傾斜部、33,45 鍔部、40 リベット、42 小径部、43 接続部、44 大径部、50,50A,50B,70 溶接部、51,52,53,54 仮止め部、51T,52T,53T,54T,71T 溶接軌道、60,60A,60B 溶接装置、61,61A,61B 発振器、62 回折光学素子、63,64,64A,64B 反射板、71 始点、72 点線、73 浮き、100 二次電池。
Claims (1)
- 反転板の反転動作により電池要素と外部端子との間の導通を遮断する電流遮断機構を有する二次電池の製造方法であって、
前記電池要素に電気的に接続される集電端子と、前記外部端子に電気的に接続される前記反転板とを準備する準備工程と、
レーザー溶接により前記集電端子を前記反転板に接合する溶接工程と、を備え、
前記溶接工程は、
回折光学素子により分岐されて形成された複数のレーザービームを異なる箇所に同時に照射することによって、前記集電端子および前記反転板同士が相互に仮止めされた複数の仮止め部を形成する工程と、
複数の前記レーザービームを複数の前記仮止め部の各々から円弧状に照射することによって、複数の前記仮止め部の各々を起点として円弧状に延在する複数の溶接軌道を形成する工程と、を含む、
二次電池の製造方法。
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