JP2015142674A - 物品吊支構造及び物品収納什器 - Google Patents

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拓哉 岡村
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Abstract

【課題】使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる物品吊支構造及び物品収納什器を提供すること。
【解決手段】前方に向かって開口された物品収納空間の上方に配置された物品支持部11の下面に、物品を吊支するための物品吊支構造であって、物品支持部11の下面から下方に向かう垂下片12と、垂下片12の左右いずれか一方の側面に取り付けられたレール部13の固定部17と、固定部17に対して移動可能なレール部13の移動部18と、レール部13の移動部18の一方側の側面の略全域を閉塞する平板状の基片40、基片40の下端部から他方側に向かって延設されて下面に物品を吊下げ可能な吊支部材44が設けられた水平片39、及び水平片39の他方側の端部から上方に向かって延設された立片41によって正面視上向きコ字状とされた吊支具16と、を備え、吊支具16がレール部13の移動部18に取り付けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、物品吊支構造及び物品収納什器に関する。
物品収納什器の一例として、箱体の内面に沿って設けられた前後方向を向く支持レールによって支持された引出しを備えるものがある。たとえば、箱体の内部両側面において支持レールの一方を構成する固定部と、支持レールの他方を構成し固定部に対してスライド移動する移動部とを引出しの両側部に設有する物品収納什器が知られている。
ている。
特許第4877958号公報
通常、オフィス、病院、介護施設等の公共施設の執務空間において使用される什器においては、収容する物品によっては、物品を吊支した状態で支持する吊支部が設けられている。このような物品を吊支するための物品吊支構造としては、什器に設けられた構造部下面から下方に向かって垂下して物品吊下げ用フック部を形成し、これによって、物品を吊下げ支持可能としたものがある。このような物品吊支構造によれば、非常に簡易的かつ安価に物品吊支構造を構成することができる。
しかし、このような物品吊支構造では、物品吊支部分が什器の構造部下面に設けられているため、吊支した物品の視認性が悪くなるとともに、吊下げや取り外し作業における作業性が悪くなってしまうという問題を有していた。このような問題を鑑みて、什器の構造部下面に前後に延出自在とされたサスペンションレールの固定部を取り付けるとともに、下面に物品吊下げ用フック部が形成された支持部材の上面にサスペンションレールの移動部を取り付けるものが提案されている。
サンペンションレールを備えた物品吊支構造によって、支持部材を前後方向に引出し可能にできる。そのため、このような物品吊支構造によれば、支持部材を前方に引き出した状態で吊下げや取り外し作業を行うことによって、作業性を良好に保つことができる。また、支持部材の前後方向において複数のフック部を支持部材に形成した場合には、サスペンションレールを有していることによって、後方のフック部に吊下げた物品を取り出しやすくすることができる。
しかしながら、このような物品吊支構造の場合、支持部材引出し状態においてサスペンションレールの上面が外部に露呈することになってしまう。このため、什器としての体裁が悪くなってしまうとともに、使用者の手がサスペンションレールに触れてしまうおそれがあり、使用上の安全性が確保できないという問題を有していた。また、このような物品吊支構造の場合、サスペンションレール部に異物が入ってしまい、動作が悪くなってしまうことがありうる。
また、引出しの両側部に支持レールを構成する移動部が取り付けられている場合、引き出しを引き出したときに、移動部が外部に露呈することとなる。そのため、体裁が悪くなってしまうとともに、使用者の手が移動部に触れてしまうおそれがあり、使用上の安全性が確保できないという問題を有し、移動部に異物が入ってしまい、動作が悪くなってしまうことがありうる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる物品吊支構造及び物品収納什器を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、前方に向かって開口された物品収納空間における上方に配置された物品支持部の下面に、物品を吊支するための物品吊支構造であって、前記物品支持部の下面から下方に向かう垂下片と、前記垂下片の左右いずれか一方の側面に取り付けられたレール部の固定部と、前記固定部に対して移動可能な前記レール部の移動部と、前記レール部の前記移動部の一方側の側面を閉塞する平板状の基片、前記基片の下端部から他方側に向かって延設されて下面に物品を吊下げ可能な吊支部材が設けられた水平片、及び前記水平片の他方側の端部から上方に向かって延設された立片によって正面視上向きコ字状とされた吊支具と、を備え、前記吊支具が前記レール部の前記移動部に取り付けられていることを特徴とする物品吊支構造である。
このような物品吊支構造においては、レール部の移動部は、吊支具の基片と、水平片と、立片、とによって包囲されるために、外部から直視できない。したがって、このような物品吊支構造によって、使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる。
前記垂下片の他方の側面に第2レール部の固定部が取り付けられているとともに、前記吊支具の前記立片の一方側の面に前記第2レール部の移動部が取り付けられていてもよい。
これにより、このような物品吊支構造においては、物品をより安定的に吊支することができるとともに耐荷重が高められ、重量物を支障なく吊下げることができる。
前記吊支具の前記基片の上端から他方側に向かって、上部閉塞片が延設されていてもよい。
これにより、このような物品吊支構造においては、体裁を良好なものとすることができるともに、レール部に異物が侵入するのを防止して動作を良好に維持することができる。
また、本発明の別の態様は、上記物品吊支構造を有する物品収納什器である。
これにより、このような物品収納什器においては、使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる。
本発明によれば、使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる物品吊支構造及び物品収納什器を提供することができる。
本発明の物品吊支構造を有する物品収納什器の一例の斜め前方から視た外観斜視図である。 同物品吊支構造の縦断面図である。 同物品吊支構造の収納時の側面図である。 同物品吊支構造の引出し時の側面図である。 同実施形態の変形例の物品吊支構造の縦断面図である。
以下、本発明に係る物品吊支構造及び物品収納什器の一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、模式的に記載するとともに、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
図1は、本発明の物品吊支構造を有する物品収納什器の一例の斜め前方から視た外観斜視図である。
図1に示すように、物品収納什器100は、什器本体101と、物品収納空間102と、物品吊支構造を構成する物品吊支部10と、を備える。物品収納什器100は、たとえば、病院、介護施設等のナースステーション等に設置される。
什器本体101は、前方が開放された箱形状に形成されている。什器本体101の外形寸法は、什器本体101に収納される対象となる物品の大きさや形状に対応して適宜選択されてよい。本実施形態における什器本体101は、たとえば医療用のカテーテルセットを吊り下げて収納することができるように、高さ寸法が、例えば210cmを有し、幅寸法が、例えば90cmを有し、奥行き寸法が、例えば60cmを有する。これらの寸法は、物品収納什器100が設置される場所における間取りを効率よく利用できるように適宜変更されてよい。
什器本体101は、一対の側板103と、後板104と、天板105と、底板106と、を有する。什器本体101の上部には、蛇腹状のシャッター107を有する収納庫108を備える。
物品収納空間102は、底板106の上方に配置されている。この物品収納空間102には物品を収納することができる。たとえば、物品収納空間102には、不図示のカテーテルセット等の医療物品が収納される。
物品吊支部10は、物品支持部11を有する。物品支持部11は、物品収納空間102の上部において一対の側板103と後板104とに固定されている。物品支持部11の上面には、物品支持部11の耐荷重の範囲内で任意の物品を適宜載置して収納することが可能である。たとえば、医療用のカテーテルセットと共に利用される物品であって吊り下げによる収納に適さない物品、たとえば注射器、針、手袋その他の医療器具類が物品支持部11に載置されてよい。
次に、物品吊支部10の詳細について説明する。図2は、物品吊支部10の縦断面図である。図2に示すように、物品吊支部10は、第1垂下片12と、第1レール部13と、第2垂下片14と、第2レール部15と、吊支具16と、を備える。
第1垂下片12は、前後方向に長さを有する板部材であって、物品支持部11の一方側の下面に固定されることにより、物品支持部11から下方に向けて垂下する。
第1レール部13は、第1固定部17と、第1移動部18と、を備える。
第1固定部17は、アウターレール19と、インナーレール20と、これらアウターレール19及びインナーレール20の間に保持部材21を介して組み込まれたボール部材22と、を備える。アウターレール19と、インナーレール20とは、前後方向に長さを有する。ボール部材22は、前後方向に複数個が並べられている。第1固定部17は、不図示のボルトとナット23とによって第1垂下片12に固定されている。
第1移動部18は、第1固定部17と同様に、アウターレール24と、インナーレール25と、これらアウターレール24及びインナーレール25の間に保持部材26を介して組み込まれたボール部材27と、を備える。アウターレール24と、インナーレール25とは、前後方向に長さを有する。ボール部材27は、前後方向に複数個が並べられている。第1移動部18は、第1固定部17に対して前後方向にスライド移動可能である。第1固定部17のインナーレール20と、第1移動部18のインナーレール25とは、接合されている。
第2垂下片14は、前後方向に長さを有する板部材であって、物品支持部11の他方側の下面に固定されることにより、物品支持部11から下方に向けて垂下する。
第2レール部15は、第2固定部28と、第2移動部29と、を備える。第2固定部28は、アウターレール30と、インナーレール31と、これらアウターレール30及びインナーレール31の間に保持部材32を介して組み込まれたボール部材33と、を備える。アウターレール30と、インナーレール31とは、前後方向に長さを有する。ボール部材33は、前後方向に複数個が並べられている。第2移動部29は、第2固定部28に対して前後方向にスライド移動可能である。第2固定部28は、不図示のボルトとナット34とによって第2垂下片14に固定されている。
第2移動部29は、第2固定部28と同様に、アウターレール35と、インナーレール36と、これらアウターレール35及びインナーレール36の間に保持部材37を介して組み込まれたボール部材38と、を備える。アウターレール35と、インナーレール36とは、前後方向に長さを有する。ボール部材38は、前後方向に複数個が並べられている。第2固定部28のインナーレール31と、第2移動部29のインナーレール36とは、接合されている。
吊支具16は、水平片39と、基片40と、立片41と、第1上部閉塞片42と、第2上部閉塞片43と、吊支部材44と、を備える。吊支具16の材質は、物品吊支部10に要求される耐荷重に応じて適宜選択されてよい。本実施形態では、吊支具16は金属製である。
水平片39は、物品支持部11から各固定部17、28及び各移動部18、29の高さ寸法及び幅寸法よりも十分に大きい離間寸法をおいた位置において物品支持部11に平行に配置されている。
基片40は、水平片39の左右方向の一方の端部に固定されており、水平片39に対して垂直に物品支持部11に向けて延出されている。本実施形態では、基片40は、水平片39に対してねじ止め固定されており、水平片39の左右方向の一方の端部からさらに左右方向の他方から一方へ向かう方向へ延びた後に上方へ90°折り曲げられて物品支持部11側へ延びている。本実施形態で基片40の上端となる先端部には、第1上部閉塞片42が接続されている。
第1上部閉塞片42は、物品支持部11からわずかに離れた下方の位置において物品支持部11に平行に配置されている。基片40は、第1レール部13の第1移動部18に有するアウターレール24に不図示のボルトとナット45とによって固定されている。
立片41は、水平片39の左右方向の他方の端部(基片40とは反対側の端部)から、水平片39に対して垂直に物品支持部11に向けて延出されている。本実施形態では、立片41は、水平片39に対してねじ止め固定されており、水平片39の左右方向の他方の端部からさらに左右方向の一方から他方へ向かう方向へ延びた後に上方へ90°折り曲げられて物品支持部11側へ延びている。本実施形態で立片41の上端となる先端部には、第2上部閉塞片43が接続されている。
第2上部閉塞片43は、物品支持部11からわずかに離れた下方の位置において物品支持部11に平行に配置されている。立片41は、第2レール部15の第2移動部29に有するアウターレール35に不図示のボルトとナット46とによって固定されている。
吊支部材44は、フック形状に形成されており、水平片39の中央部に下方に向けて延出して固定されている。
そして、水平片39と、基片40と、立片41との前面には、化粧板状のカバー板47が取り付けられている。カバー板47の形状、色彩、あるいは材質等は、特に限定されるものではなく、物品吊支部10の意匠の一部として適宜設定されてよい。
次に、物品吊支部10の動作について説明する。図3は、物品吊支部10の収納時の側面図である。図4は、物品吊支部10の引出し時の側面図である。
図3に示すように、物品吊支部10は、物品が物品収納空間102内に収納される位置にあるときには、吊支具16が両垂下片12、14の外側に重ねられて配置されている。このとき、外部の前方からは什器本体101内にあるカバー板47のみが見え、外部の下方からは什器本体101内にある水平片39のみが見え、外部の側方からは什器本体101内にある基片40または立片41が見える。そのため、各レール部13、15は見えない。
図4に示すように、物品吊支部10は、物品収納空間102内に収納された物品が物品収納空間102外へ引出される際に、各移動部18、29が各固定部17、28に対してスライド移動されていく。そして、物品吊支部10は、引き出された位置において、吊支具16が両垂下片12、14から引き出された状態となる。このとき、外部の側方からは基片40または立片41のみが見え、各レール部13、15の各移動部18、29は、見えない。それは、各レール部13、15の各移動部18、29が、吊支具16の基片40と水平片39と立片41とによって包囲されているからである。
このように、本実施形態の物品吊支構造においては、各レール部13、15の各移動部18、29は、吊支具16の基片40と、水平片39と、立片41、とによって包囲されるために、外部から直視できない。したがって、このような物品吊支構造によって、使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる。
また、本実施形態の物品吊支構造においては、第2垂下片14の他方の側面に第2レール部15の第2固定部28が取り付けられているとともに、吊支具16の立片41の一方側の面に第2レール部15の第2移動部29が取り付けられる。したがって、このような物品吊支構造においては、物品をより安定的に吊支することができるとともに、重量物を支障なく吊下げることができる。
また、本実施形態の物品吊支構造においては、吊支具16の基片40の上端から他方側に向かって、第1上部閉塞片42が延設されているために、体裁を良好なものとすることができるともに、各レール部13、15に異物が侵入するのを防止して動作を良好に維持することができる。
このように、本実施形態の物品収納什器100においては、使用上の安全性を確保することができるとともに、体裁を良好にすることができる。
(変形例)
次に、物品吊支構造の変形例について説明する。図5は、本変形例の物品吊支構造の縦断面図である。
図5に示すように、本変形例の物品吊支部50は、第1レール部13を有しておらず、第2レール部15のみで、吊支具16を移動可能に支持している。
この場合、物品吊支部50は引出し位置にあると、吊支具16が両垂下片12、14から引き出された状態となり、外部の側方からは基片40または立片41のみが見え、第2レール部15の第2移動部29は、見えない。
本実施形態の物品吊支構造においては、単一の第2レール部15のみで吊支具16を移動可能に支持しているために、構造の単純化及び軽量化を図ることができる。
なお、本変形例と上記実施形態とは、物品収納空間102内に収納される物品の重量と物品吊支部10,50の耐荷重とを考慮して適宜選択されてよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、水平片39と基片40と立片41とは、図示したコ字形状に組み合わせて形成されるのに代えて、例えば、半円形状等の角のない形状その他曲面を有する構造にすることもできる。
100 物品収納什器
101 什器本体
102 物品収納空間
103 側板
104 後板
105 天板
106 底板
107 シャッター
108 収納庫
10、50 物品吊支部
11 物品支持部
12 第1垂下片
13 第1レール部(レール部)
14 第2垂下片
15 第2レール部(レール部)
16 吊支具
17 第1固定部(固定部)
18 第1移動部(移動部)
19、24、30、35 アウターレール
20、25、31、36 インナーレール
21、26、32、37 保持部材
22、27、33、38 ボール部材
23、34、45、46 ナット
28 第2固定部(固定部)
29 第2移動部(移動部)
39 水平片
40 基片
41 立片
42 第1上部閉塞片
43 第2上部閉塞片
44 吊支部材
47 カバー板

Claims (4)

  1. 前方に向かって開口された物品収納空間における上方に配置された物品支持部の下面に、物品を吊支するための物品吊支構造であって、
    前記物品支持部の下面から下方に向かう垂下片と、
    前記垂下片の左右いずれか一方の側面に取り付けられたレール部の固定部と、
    前記固定部に対して移動可能な前記レール部の移動部と、
    前記レール部の前記移動部の一方側の側面を閉塞する平板状の基片、前記基片の下端部から他方側に向かって延設されて下面に物品を吊下げ可能な吊支部材が設けられた水平片、及び前記水平片の他方側の端部から上方に向かって延設された立片によって正面視上向きコ字状とされた吊支具と、を備え、
    前記吊支具が前記レール部の前記移動部に取り付けられていることを特徴とする物品吊支構造。
  2. 前記垂下片の他方の側面に第2レール部の固定部が取り付けられているとともに、前記吊支具の前記立片の一方側の面に前記第2レール部の移動部が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品吊支構造。
  3. 前記吊支具の前記基片の上端から他方側に向かって、上部閉塞片が延設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の物品吊支構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品吊支構造を有することを特徴とする物品収納什器。
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