JP2015142595A - セルロースの可溶化方法 - Google Patents

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亨 上坊寺
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Abstract

【課題】反応容器内の全圧が飽和水蒸気圧未満であって、加圧熱水が存在しない高温低圧領域においてセルロースを可溶化する反応を提供する。【解決手段】この発明のセルロースの可溶化方法は、セルロースを含有する原料を飽和水蒸気圧未満の全圧において触媒の存在しない条件下で水と反応させて水可溶成分に分解するセルロースの可溶化方法であって、反応温度は100℃以上300℃未満であり、全圧が飽和水蒸気圧未満となるように圧力が制御される。【選択図】 図3

Description

本発明は、セルロースを含有する原料を触媒の存在しない条件下で水と反応させて、水に可溶な成分に分解し、更にその成分を回収する装置及びその方法に関する。
近年、石油代替燃料としてバイオ燃料が注目され、サトウキビやとうもろこし等のバイオマスを原料としたバイオエタノールの生産が実用化されている。しかし、食料品をバイオエタノールの原料とした場合、食料品との競合によって価格が大きく変動する等の問題が生ずる。このため、木材、草、稲わらなど非食料品であるセルロース系バイオマスを原料としたバイオ燃料の生産が望まれている。
ところが、強固なセルロースを糖にまで加水分解するのは容易ではない。硫酸等の液体の強酸を用いてセルロースを糖化する手法が古くから知られているが、強酸によって装置が腐食したり、中和処理された強酸から石膏等が廃棄物として大量に発生したりするなどの問題があり、実用化に至っていない。
こうした問題を解決すべく、近年、触媒を用いることなく、加圧熱水によってセルロースを水に可溶な低分子量多糖類とする水熱処理が注目されている(例えば特許文献1、2)。この水熱処理では「加圧熱水」が用いられる。加圧熱水とは、飽和蒸気圧以上に加圧されることにより、液体状態で存在する高温高圧の水をいう。加圧熱水はイオン積が増加するため、セルロースの加水分解反応を促進すると考えられている(特許文献1 段落番号[0024]参照)。このため、水熱処理法は、特別な薬品を使うことなく、短時間でセルロース原料を可溶化することができるという長所を有しており、環境に対する負荷も小さいセルロース原料の可溶化法であるということができる。
セルロースを化学的分解する方法が特許文献3に開示されている。
特開2010−166831号公報 特開2010−279255号公報 特開2008−248466号公報
しかし、上記従来の水熱処理によるセルロースの可溶化では、可溶化物がさらに反応して乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物を多量に生じるという問題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために、水によるセルロースの加水分解反応の条件について再検討した。従来の水熱処理の原理は、全圧を高めることにより水の沸点を高くし、100℃以上の高温においても液体の状態を保つ加圧熱水を存在させることにある。前述したように、水は高温下においてイオン積が増加し(250〜300℃付近で最大となる)、水素イオンや水酸化イオンの濃度が高まることから、セルロースの加水分解反応が促進されるものと考えられている。このため、100℃以上の高温で、且つ、全圧を高くして水の沸点を高め、液体状態の加圧熱水が存在できる条件下で反応を行うことが当業者の技術的常識であった。
ところが、発明者らは、全圧が飽和蒸気圧未満であって(すなわち、水が沸騰する条件下であって)、加圧熱水が存在し得ない(すなわち、水が液体状態を保ち得ない)高温低圧領域内においても、セルロースの加水分解が促進される領域が存在するという、驚くべき事実を発見した。
この条件でセルロースの加水分解を行うと、可溶化成分(糖類)の過分解が抑制されることもわかった。
他方、セルロースの種類や量は原料により変化するので、バッチ処理においてその最適な分解反応の条件(特に反応時間)を特定することは困難である。
この発明はかかるセルロースの加水分解反応に適した新規な装置を提供することを目的とする。
この発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。
即ち、セルロースを含有する原料を収容して密閉する反応容器と、
該反応容器内に設けられ、前記原料を粉砕するための粉砕部と、
前記反応容器を回転する回転機構部と、
前記反応容器内を所望の温度に制御する温度制御部と、
前記反応容器内を所望の圧力に制御する圧力制御部と、
前記反応容器内に液体の水を供給する水供給部と、
前記原料中のセルロースを含む可溶化液を前記反応容器から排出して回収する水回収部と、
を備えたことを特徴とするセルロースの分解回収装置。
このように規定される第1の局面のセルロースの分解回収装置によれば、温度制御部及び圧力制御部により反応容器内の温度及び圧力が制御されるので、反応容器内において粉砕部により破砕された原料中のセルロースは水に可溶な成分(以下、水可溶成分ということがある)にまで分解される。
その後、水供給部より液状の水を反応容器へ供給して反応容器内に生成された可溶化成分へ液状の水を接触させ、これを溶解する。
次に、水回収部を介して、可溶化成分を溶解させた液状の水を反応容器の外部へ排出し、これを回収する。
ここに、原料に含まれるセルロースは、その種類及び量を特定することは困難である。従って、反応時間の調整が難しく、反応に過度の時間を費やすと、可溶化成分(糖類)の過分解につながるおそれがある。
第1の局面のセルロール分解回収装置によれば、反応容器内にセルロースを含む原料を存在させた状態で、任意の時間に液状の水供給及びその回収が可能である。従って、可溶化成分の過分解を確実に防止できる時間に、液状の水を供給・回収して、可溶化成分を反応容器から回収し、その過分解を防止する。
これにより、原料に含まれるセルロースの種類や量、更には他の条件に左右される分解反応の進行状況の如何にかかわらず、可溶化成分の過分解を防止してこれを回収することが可能である。
可溶化成分の回収後には、反応容器内において継続してセルロースを分解させる。
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定のセルロースの分解回収装置において、前記水回収部は、前記反応容器の内壁に形成され水を排出するためのフィルターと、該フィルターを開閉可能なシャッターと、前記反応容器を囲繞し前記反応容器から排出された水を回収する回収容器と、備えることを特徴とする。
このように規定される第2の局面のセルロースの分解回収装置によれば、シャッタによりフィルターの開閉を制御できる。即ち、シャッタによりフィルターを閉の状態にしておけば、分解反応が進行中において反応容器の内容物がフィルターを介して外部に漏出することを未然に防止できる。他方、シャッタによりフィルターを開の状態にしておけば、反応容器内の液状の水をフィルターを介して外部へ排出し、もってこれを回収できる。
この発明の第3及び第4の局面は次のように規定される。即ち、
セルロースを含有する原料を飽和水蒸気圧未満の全圧において触媒の存在しない条件下で水と反応させて水可溶成分に分解するセルロースの可溶化方法であって、
反応温度は100℃以上300℃未満であり、全圧が飽和水蒸気圧未満となるように圧力制御するセルロースの可溶化方法。
第3の局面に規定のセルロースの可溶化方法において、前記圧力制御は密閉した反応容器に設けられた圧力調整弁によって行うことを特徴とする。
セルロースの可溶化方法を示す工程図である。 水の状態図である。 実施例のセルロース分解回収装置の構成を示す概念図である。
本発明のセルロースの可溶化方法の実施形態では、図1に示すように、セルロースを含有する原料を粉砕(前粉砕処理工程S1)した後、全圧を飽和水蒸気圧未満に制御しつつ粉砕しながら熱処理を行う(圧力制御加熱粉砕S2)。そして、熱処理によって加水分解されて水溶性となった原料に水を加えて抽出し(抽出工程S3)、固液分離して固形分と水溶液に分ける(固−液分離工程S4)。以下、工程ごとに詳述する。
(原 料)
セルロースを含有する原料となるのは、セルロースを含む植物系の原料であり、セルロースの他に、でん粉、ヘミセルロース、ペクチンなど、セルロース以外の多糖を含むものであっても用いることができる。具体的には、稲わら、麦わら、バガス等の草類、竹、笹などの間伐材、おがくず、チップ、端材などの木材加工木屑、街路樹剪定材、木質建築廃材、樹皮、流木等の木質系バイオマス、古紙等のセルロース製品からのバイオマス等が挙げられる。また、セルロースを原料として使用可能な程度含むものであれば、汚泥、畜糞、農業廃棄物、都市ゴミ等も用いることができる。
(前粉砕処理工程)S1
具体的な前処理の粉砕方法としては特に限定されず、原料の形態に応じて適当な方法を適宜選択すればよいが、まず数〜数十mm程度に粗粉砕してハンドリングし易い状態にしてから、さらに細かく粉砕すると、微粉砕を効率的に行なうことができる。粗粉砕にはハンマーミルやカッターミルなどの汎用粉砕機が使用できる。また、微粉砕には、振動ミル、ボールミル、ロッドミル、ローラーミル、コロイドミル、ディスクミル、ジェットミルなどの汎用粉砕機が使用でき、原料を数〜数十ミクロンに微細化するとともに、セルロース結晶性を低下させることができる。微粉砕処理は、乾式、湿式いずれの方式も適用できるが、セルロースの結晶性を低下させる面で、乾式粉砕が望ましい。原料の含水量が多い場合には、あらかじめ遠心脱水や熱風乾燥などで含水率を30%以下にしてから乾式粉砕を行うことで、セルロースの結晶性を効率的に低下させることができる。
(圧力制御加熱粉砕処理工程)S2
次に、実施形態のセルロースの可溶化方法では、従来行われていた温度−圧力の領域とは全く異なった温度−圧力の領域において粉砕等によりセルロースの結晶化度を下げる処理を行う(圧力制御加熱粉砕処理工程S2)。すなわち、従来の加圧熱水法では、図2に示した亜臨界領域や超臨界領域で処理を行っている。亜臨界領域では飽和水蒸気圧よりも全圧が高い領域であり、換言すれば水が水蒸気以外に液体の水として安定に共存する領域である。このため、亜臨界領域でのセルロースの加水分解反応は、イオン積が大きくなっている液体の水によって進行するものと推定される。また、超臨界領域でのセルロースの加水分解反応は、気−液の区別ができなくなった超臨界状態という特殊な状態の水による加水分解反応である。
これに対して、実施形態のセルロースの可溶化方法では、反応容器内部の温度と圧力を制御できる加熱粉砕機を用いる。具体的には、反応容器内の温度は100℃以上300℃未満であって、且つ、全圧が飽和水蒸気圧未満という高温−低圧の領域で加水分解反応を行う。このような領域は、図2における斜線内の部分で示され、亜臨界領域や超臨界領域とは全く異なる状況である。この差異により、本発明のセルロースの可溶化方法では、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物の生成がきわめて少ないというという特徴を有することとなる。
このように、圧力及び温度を制御しつつ粉砕を実行する装置として、圧力調整弁付ボールミルや温度制御可能なリングミルやタンデムリングミルを用いることができる。
これらの粉砕装置のポットが反応容器となる。
(抽出工程)S3
以上のようにして製造された可溶化成分は、水に溶解して抽出できる。こうして得られた可溶化成分抽出液には、オリゴ糖等の低分子量多糖類や、グルコースが主成分として含まれている。このとき、乳酸や酢酸やヒドロキシメチルフルフラール(HMF)等の過分解物も生成するが、その割合は上述した加圧熱水法に比べて極めて少ない。
(固−液分離工程)S4
以上のようにして得られた可溶化成分抽出液には、水に溶けない不溶性物質も含まれているため、反応液に対して0.1〜500倍量となるように水を加えて混合し、固液分離装置で固液分離を行う。固液分離装置としては、例えば、重力沈降方式、遠心分離方式、膜分離方式、凝集分離方式、浮上分離方式等を用いた装置が挙げられる。
この発明では、圧力制御加熱粉砕処理工程S2、抽出工程S3、更には固−液分離工程S4を同一の装置で行う。
反応容器を回転させることにより、反応容器の内容物を遠心分離し、もって可溶化成分抽出液を効率よく分離することができる。
既述のように、セルロースを可溶化成分にまで分解するに際し、その過分解を抑制するため、何ら触媒や強酸を添加することなく、反応容器内を図2に示す所定の温度及び圧力範囲としてセルロースを分解する。このとき、液体の水は存在しない。
反応容器内の全てのセルロースを分解するには長い時間を要する。その結果、初期段階においてセルロースから分解された成分は長く反応条件にさらされるので、その分解がさらに進む(即ち、過分解される)おそれがある。
そこで、この発明では、任意のタイミングの反応容器内に液体の水を供給し、反応容器中に存在する可溶化成分をその水に溶解させ、さらにこの水を外部へ回収することにより、可溶化成分の過分解を未然に防止する。
なお、液状の水の供給量を調節し、更には温度制御部及び圧力制御部により反応容器内の環境を制御することにより、セルロースの分解反応を継続させつつ、液状の水の供給及びその回収を行うことができる。
(液状の水の供給方式)
セルロースの分解反応に適した条件に反応容器内をできるだけ維持する見地から、反応容器を開放することなく、液状の水の供給は反応容器に設けられた逆止弁を介して、ポンプ等により強制的に行うことが好ましい。
供給された水と反応容器内の原料との接触機会を増やし、可溶化成分の抽出を促進する見地から、液状の水は反応容器の上部から、シャワー状(液滴状)に供給することが好ましい。
反応容器内の水可溶化性成分と水との接触機会は、反応容器の回転に伴い確保される。もって、反応容器内の可溶化成分の溶解が促進される。
水の供給は任意のタイミングで行うことができるが、セルロースを分解して得た可溶化成分の過分解を確実に防止できるタイミングとすることが好ましい。例えば、所定のタイミング(例えば30分〜2時間ごと)で液状の水を供給し、この水にセルロースの分解により得られた可溶化成分を順次溶解させることにより、原料中のセルロースの種類や量が不明な場合においても、可溶化成分の過分解を確実に防止できる。
(水供給後の反応容器内の環境制御)
反応容器に液状の水を供給するすると、反応容器内の環境(温度及び圧力)が変化する。供給した水の少なくとも一部が液状を維持できるように、温度制御部及び圧力制御部を作動させて、反応容器内の環境を制御する。
反応容器内においてセルロースの加水分解を維持するため、反応容器内の温度範囲を100℃以上300℃未満とすることが好ましい。また、同様に、反応容器の全圧を0.05MPa以上10MPa未満することが好ましい。
(水回収)
反応容器内の液状の水の回収は反応容器の内側に配設され、水を選択的に透過させるフィルターを介して行うことができる。
フィルターをカバーするようにシャッタを設け、その開閉を制御する。反応容器内においてセルロースの分解反応を行っているとき、及び供給された液状の水へ可溶化成分を溶解しているときは、シャッタを閉めてフィルターから反応容器内の成分が漏出しないようにする。
他方、反応容器から液状の水を抜くときは、シャッタを開いてフィルターを開放する。
シャッタを開いたとき、液状の水以外の成分が併せて排出される。当該成分の除去は既述の固−液分離装置により行う。
水の回収を促進させるため、反応容器の回転速度を増加させたり、反応容器内の全圧を上昇させてもよい。
図3の実施例のセルロースの分解回収装置1を示す概念図である。
この分解回収装置1は回収容器としての外ケース3と反応容器としての内ケース11とを備える。
外ケース3は蓋部5を備え、蓋部5には圧縮機6、水噴射ポンプ7及びリリーフ弁(調圧弁)8が付設されている。外ケース3には温度制御部4が付設される。
圧縮機6、水噴射ポンプ7及びリリーフ弁8は反応容器としての内ケース11内に開口する。圧縮機6及びリリーフ弁8は圧力調整部を構成する。水噴射ポンプ7は水供給部を構成する。
内ケース11は二重構造とされ、その内周の全域に液状の水を選択的に透過させるフィルター13が配設される。外周側にはフィルタシャッタ15が設けられ、フィルタシャッタ15が閉の状態で内ケース11は完全密閉状態となり、フィルタシャッタ15が開の状態でフィルター13は液体(より具体的には液状の水)を透過させるが、内ケース11内の原料は透過させない。
反応容器としての内ケース11には破砕用媒体としてボールが内蔵されている。
内ケース11と外ケース3とは同軸的に配置され、この軸を傾斜させて外ケース11を図示しない一般的な回転機構で回転させると、その回転に追従して内ケース11も回転する。回転軸が傾斜しているので、ボールが撹拌されながら衝突し、もって内ケース11内の材料が破砕される。実施例の装置1には、外ケース3(即ち、内ケース11)の回転数を制御する回転制御部(図示せず)が備えられる。
圧縮機6及びリリーフ弁8並びに温度制御部4を協働させて内ケース11内を所定温度及び所定圧力とする。
次に、このセルロール分解回収装置1の使用方法について説明する。
(セルロースの分解ステップ)
蓋5を開放した状態で内ケース11内にセルロースを含有する原料(前粉砕処理済)とともに液状の水を加える。この水は、水噴射ポンプ7より加えてもよいし、原料に含ませてもよい。
次に温度制御部4を稼働させて内ケース11内の温度を200℃とし、かつ圧縮機6及びリリーフ弁8を協働させて内ケース11内の圧力を約1.6Paとする。
この状態で内ケース11を回転させると内部のボールが撹拌されつつ衝突し、もって原料を粉砕する。ボールにより破砕された原料中のセルロースは、内ケース11内の温度及び圧力条件において加水分解され、水に可溶性の糖分(可溶化成分)が生成される。
このとき、フィルタシャッタ15は閉の状態である。なお、原料中には液体の水が存在していない。
本発明者らの検討によれば、原料に含まれる全てのセルロースが同時に分解されることはなく、分解されやすいものから順次分解されていく。
(液状の水供給ステップ)
そこでこの実施例では、所定時間(例えば、1時間)ごとに水噴射ポンプ7から液状の水を供給する。この水の少なくとも一部は、内ケース11内において液状を維持している。この液状の水は内ケース11の回転に伴い、原料中に混ざり込む。これにより、原料中の可溶化成分と接触し、もってこれを溶解する。
液状の水の供給は、圧縮機6により内ケース11内を加圧して、内ケース11の水分を液体化することにより行うこともできる。また、内ケース11内を加圧しつつ水噴射ポンプ7から液状の水を供給してもよい。内ケース11内に液状の水を存在させるためにはその温度を低下させることが好ましい。
液状の水を原料中に混ぜ込みこれに可溶化成分を溶解させるには、内ケース11の回転数を小さくして液状の水にかかる遠心力を小さくすることが好ましい。
(液状の水の回収ステップ)
液状の水と原料との混合が十分に行われた後(例えば、液状の水の供給後5分後)、内ケース11の回転数を上げて液状の水に遠心力をあたえる。このときの内ケース11の回転数は、セルロースの加水分解時の回転数より大きくすることができる。
これにより、液状の水はフィルター13を透過して、フィルター13とフィルタシャッタ15の間に集められる。
その後、フィルタシャッタ15のドレインを開放して、外ケース3から外部へ排出される。
液状の水の排出がなくなったら、フィルタシャッタ15を閉として、内ケース11を密閉する。その後、リリーフ弁8を開放して、セルロースの分解反応開始前の条件とする。
その後、既述したセルロースの分解ステップ、液状の水供給ステップ、液状の水に可溶性成分を溶解するステップ、液状の水の回収ステップを繰り返す。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
1 セルロースの分解回収装置
3 外ケース(回収容器)
4 温度制御部
6 圧縮機
7 ポンプ
8 リリーフ弁
13 フィルター
15 フィルタシャッタ

Claims (2)

  1. セルロースを含有する原料を飽和水蒸気圧未満の全圧において触媒の存在しない条件下で水と反応させて水可溶成分に分解するセルロースの可溶化方法であって、
    反応温度は100℃以上300℃未満であり、全圧が飽和水蒸気圧未満となるように圧力制御するセルロースの可溶化方法。
  2. 前記圧力制御は密閉した反応容器に設けられた圧力調整弁によって行うことを特徴とする請求項1に記載のセルロースの可溶化方法。
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