JP2015141950A - フレキシブル配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂フィルム基材の少なくとも片面に接着剤を介せずに形成した下地金属層と銅層からなる金属層を順次形成したメタライジング基板自体の耐折れ性を向上させた耐折れ性に優れためっき基板である耐折れ性に優れたフレキシブル配線板を提供する。
【解決手段】樹脂フィルム基板1の表面に、接着剤を介することなくニッケル合金からなる下地金属層2と、その表面に備えられた銅層5とからなる金属積層体7の配線が設けられたフレキシブル配線板6において、その金属積層体の配線が、「JIS C−5016−1994に規定の耐折れ性試験」の実施前後において得られる銅層の結晶配向比の[(200)/(111)]配向の比の差dが0.03以上で、配線の幅方向断面の底部幅Bと頂部幅Tと、底部及び頂部の略中央の中央部幅Mが、「B≧M≧T」の関係を有し、且つ底部幅Bが50μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線を構成する銅層の一部を銅電気めっき法で析出させ、耐折れ性を改良したフレキシブル配線板に関する。
フレキシブル配線板は、その屈曲性を活かしてハードディスクの読み書きヘッドやプリンターヘッドなど電子機器の屈折ないし屈曲を要する部分や、液晶ディスプレイのドライバICを実装したICパッケージの屈折配線などに広く用いられている。特に、液晶ディスプレイのICパッケージでは、液晶ディスプレイの表面側(画像が表示される側)の端部から液晶ディスプレイの裏面側に屈曲されて装着されている。
係るフレキシブル配線板の製造には、銅層と樹脂層を積層したフレキシブル配線用基板(フレキシブル銅張積層板、FCCL:Flexible Copper Clad Laminationとも称す)を、サブトラクティブ法やセミアディティブ法を用いて配線加工する方法が用いられている。
このサブトラクティブ法とは、一般に銅張積層板の銅層を化学エッチング処理して不要部分を除去する方法である。
即ち、フレキシブル配線用基板の銅層のうち導体配線として残したい部分の表面にレジストを設け、銅に対応するエッチング液による化学エッチング処理と水洗を経て、銅層の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成するものである。
一方、セミアディティブ法とは、銅張積層板の下地金属層および極薄銅層の上にレジスト層を形成し、フォトリソグラフィーにより、レジスト層をパターニングし、配線を形成したい箇所のレジスト層を除去して得られる極薄銅層が露出した開口部分に銅めっきを施し、配線を形成する。その配線の形成後、レジスト除去を行い、極薄銅層および下地金属層を化学エッチング処理して極薄銅層および下地金属層部分を除去する方法である。
即ち、フレキシブル配線用基板の銅層のうち導体配線を形成したい部分の表面にレジストを形成せず、電気銅めっき法で銅を析出させ、極薄銅層および下地金属層に対応するエッチング液による化学エッチング処理と水洗を経て、極薄銅層および下地金属層の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成するものである。
ところで、フレキシブル配線用基板(FCCL)は、3層フレキシブル配線用基板(以下、3層FCCLと称す。)と2層フレキシブル配線用基板(2層FCCLと称す。)に分類することができる。
3層FCCLは、電解銅箔や圧延銅箔をベース(絶縁層)の樹脂フィルムに接着した構造(銅箔/接着剤層/樹脂フィルム)となっている。一方、2層FCCLは、銅層若しくは銅箔と樹脂フィルム基材とが積層された構造(銅層若しくは銅箔/樹脂フィルム)となっている。
また、上記2層FCCLには大別して3種のものがある。
即ち、樹脂フィルムの表面に下地金属層と銅層を順次めっきして形成したFCCL(通称メタライジング基板)、銅箔に樹脂フィルムのワニスを塗って絶縁層を形成したFCCL(通称キャスト基板)、及び銅箔に樹脂フィルムをラミネートしたFCCL(通称ラミネート基板)でがある。
その中でメタライジング基板、即ち樹脂フィルムの表面に下地金属層と銅層を順次めっきして形成したFCCLは、銅層の薄膜化が可能で、且つポリイミドフィルムと銅層界面の平滑性が高いため、キャスト基板やラミネート基板あるいは3層FCCLと比較して、配線のファインパターン化に適している。
例えば、メタライジング基板の銅層は、乾式めっき法及び電気めっき法により層厚を自由に制御できるのに対し、キャスト基板やラミネート基板あるいは3層FCCLは使用する銅箔によって、その厚みなどは制約されてしまうからである。
また、一方、フレキシブル配線板の配線に用いられる銅箔については、例えば、銅箔に熱処理を施す方法(特許文献1参照)や、圧延加工を行う方法(特許文献2参照)により、耐屈折れ性の向上が図られている。
しかし、これらの方法は、3層FCCLの圧延銅箔や電解銅箔、2層FCCLのうちのキャスト基板とラミネート基板に用いられる銅箔自体の処理に関するものである。
なお、銅箔の耐屈折れ性の評価には、「JIS C−5016−1994」等や「ASTM D2176」で規格されたMIT耐屈折度試験(Folding Endurance Test)が工業的に使用されている。
この試験では、試験片に形成した回路パターンが断線するまでの屈折回数をもって評価し、この屈折回数が大きいほど耐屈折れ性が良いとされている。
特開平8−283886号公報 特開平6−269807号公報
本発明が対象とする2層フレキシブル配線板は、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に接着剤を介せずに形成した下地金属層と銅薄膜層と銅電気めっき層からなる金属層を順次形成したメタライジング基板であるため、先行技術文献に開示されるような銅めっき層のみの熱処理や圧延加工を施して耐折れ性を向上させることは困難である。それゆえ、メタライジング基板自体の耐折れ性を向上させた耐折れ性に優れたメタライジング基板が望まれていた。
このような状況に鑑み、本発明は、耐折れ性に優れた2層フレキシブル配線板と、その製造方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するために、めっき法によりポリイミド樹脂層に形成した銅層の耐折れ性について鋭意研究した結果、耐折れ性前後での結晶配向性の変化が耐折れ性試験結果に与える影響を確認し、本発明に至った。
本発明の第1の発明は、樹脂フィルム基板の表面に、接着剤を介することなくニッケル合金からなる下地金属層と、前記下地金属層の表面に備えられた銅層とからなる金属積層体の配線が設けられたフレキシブル配線板において、その金属積層体の配線が「JIS C−5016−1994に規定の耐折れ性試験」の実施前後において得られる銅層の結晶配向比の[(200)/(111)]配向の比の差d[(200)/(111)]が、0.03以上で、前記配線の幅方向における断面形状の底部幅Bと頂部幅Tと、底部及び頂部のほぼ中央の中央部幅Mが、下記(1)式の関係を有し、且つ底部幅Bが50μm以下であることを特徴とするフレキシブル配線板である。
Figure 2015141950
本発明の第2の発明は、第1の発明における底部幅Bと頂部幅Tと銅層の厚みCが、下記(2)式の関係を有すること特徴とするフレキシブル配線板である。
Figure 2015141950
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における下地金属層の膜厚が、3nm〜50nmであることを特徴とするフレキシブル配線板である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における銅層の膜厚が、5μm〜12μmであることを特徴とするフレキシブル配線板である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における樹脂フィルム基板が、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた少なくとも1種以上の樹脂フィルムであることを特徴とするフレキシブル配線板である。
樹脂フィルム基板表面に、接着剤を介さず下地金属層および銅層を積層して形成した配線となる金属積層体を設け、耐折れ性試験(「JIS C−5016−1994」に規定される耐折れ性試験)の実施前後において得られる銅層の結晶配向比の[(200)/(111)]配向の比の差d[(200)/(111)]が0.03以上を示す本発明に係るフレキシブル配線板によれば、基板の耐折れ性が著しく改善され、工業上顕著な効果を奏するものである。
特に、耐折れ性に優れる本発明に係るフレキシブル配線板は、従来品に比べ、より小半径で屈曲させることができ、液晶ディスプレイのドライバICパッケージに用いた場合には、小半径で屈曲可能なことから液晶ディスプレイの周囲で屈曲するICパッケージの液晶ディスプレイからの迫り出しを小さくでき、液晶ディスプレイの筐体を小さくする意匠的効果を有するものである。
本発明で用いるメタラインジング法で作製した2層フレキシブル配線用基板の断面模式図である。 本発明のフレキシブル配線板に用いられる2層フレキシブル配線用基板の下地金属層および銅薄膜層を成膜するロール・ツー・ロールスパッタリング装置を示す概要図である。 本発明のフレキシブル配線板に用いられる2層フレキシブル配線用基板の製造において、電気めっきを行うロール・ツー・ロール方式の連続めっき装置を示す概要図である。 本発明におけるPR電流の時間と電流密度を模式的に示した図である。
本発明に係るフレキシブル配線板は、2層フレキシブル配線用基板をサブトラクティブ法、又はセミアディティブ法で配線加工して得られる。
そこで、サブトラクティブ法を用いて2層フレキシブル配線用基板に配線加工を施して作製した本発明に係るフレキシブル配線板を用いて、本発明を説明する。なお、本発明に係るフレキシブル配線板の結晶構造と配線の断面形状が達成できれば製法は限定されない。
(1)2層フレキシブル配線用基板
まず、本発明のフレキシブル配線板に用いた2層フレキシブル配線用基板について説明する。
本発明で用いた2層フレキシブル配線用基板は、ポリイミドフィルムのような樹脂フィルム基板の少なくとも片面に接着剤を介さずに下地金属層と銅層が逐次的に積層された積層構造の金属積層体を備え、そして、その銅層は、銅薄膜層と銅電気めっき層により構成されている。
図1は、メタラインジング法で作製された2層フレキシブル配線用基板6の断面を示した模式図で、本発明に係るフレキシブル配線板における配線部の断面図でもある。
樹脂フィルム基板1にポリイミドフィルムを用い、そのポリイミドフィルム1の少なくとも一方の面には、ポリイミドフィルム1側から下地金属層2、銅薄膜層3、銅電気めっき層4の順に成膜され積層されている。なお、銅薄膜層3と銅電気めっき層4から銅層5が構成され、この銅層5と下地金属層2を含めて金属積層体7を形成している。
使用する樹脂フィルム基板1としては、ポリイミドフィルムのほかに、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルムなどを用いることができる。
特に、機械的強度や耐熱性や電気絶縁性の観点から、ポリイミドフィルムが特に好ましい。
さらに、フィルムの厚みが12.5〜75μmの上記樹脂フィルム基板が好ましく使用することができる。
下地金属層2は、樹脂フィルム基板と銅などの金属層との密着性や耐熱性などの信頼性を確保するものである。従って、下地金属層の材質は、ニッケル、クロム又はこれらの合金の中から選ばれる何れか1種とするが、密着強度や配線作製時のエッチングのしやすさを考慮すると、ニッケル・クロム合金が適している。
そのニッケル・クロム合金の組成は、クロム15重量%以上、22重量%以下が望ましく、耐食性や耐マイグレーション性の向上が望める。
このうち20重量%クロムのニッケル・クロム合金は、ニクロム合金として流通し、マグネトロンスパッタリング法のスパッタリングターゲットとして容易に入手可能である。また、ニッケルを含む合金には、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルト等を添加しても良い。
さらに、クロム濃度の異なる複数のニッケル・クロム合金の薄膜を積層して、ニッケル・クロム合金の濃度勾配を設けた下地金属層を構成しても良い。
下地金属層2の膜厚は、3nm〜50nmが望ましい。
下地金属層の膜厚が3nm未満では、ポリイミドフィルムと銅層の密着性を保てず、耐食性や耐マイグレーション性で劣る。一方、下地金属層の膜厚が50nmを越えると、サブトラクティブ法で配線加工する際に、下地金属層の十分な除去が困難な場合が生じる。その下地金属層の除去が不十分な場合は、配線間のマイグレーション等の不具合が懸念される。
銅薄膜層3は、主に銅で構成され、その膜厚は、10nm〜1μmが望ましい。
銅薄膜層の膜厚が10nm未満では、銅薄膜層上に銅電気めっき層を電気めっき法で成膜する際の導電性が確保できず、電気めっきの際の外観不良に繋がる。銅薄膜層の膜厚が1μmを越えても2層フレキシブル配線用基板の品質上の問題は生じないが、生産性が劣る問題がある。
(2)下地金属層と銅薄膜層の成膜方法
下地金属層および銅薄膜層は、乾式めっき法で形成することが好ましい。
乾式めっき法には、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等が挙げられる。乾式めっき法では、シード層の組成の制御等の観点から、スパッタリング法が望ましい。
樹脂フィルム基板にスパッタリング成膜するには公知のスパッタリング装置を用いて成膜すれば良く、長尺の樹脂フィルム基板の場合も公知のロール・ツー・ロールスパッタリング装置で行うことができる。このロール・ツー・ロールスパッタリング装置を用いれば、長尺のポリイミドフィルムの表面に、下地金属層および銅薄膜層を連続して成膜することができる。
図2は、使用するロール・ツー・ロールスパッタリング装置の一例である。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置10は、その構成部品のほとんどを収納した直方体状の筐体12を備えている。
筐体12は円筒状でも良く、その形状は問わないが、10−4Pa〜1Paの範囲に減圧された状態を保持できれば良い。
この筐体12内には、長尺の樹脂フィルム基板であるポリイミドフィルムFを、供給する巻出ロール13、キャンロール14、スパッタリングカソード15a、15b、15c、15d、前フィードロール16a、後フィードロール16b、テンションロール17a、テンションロール17b、巻取ロール18を有する。
巻出ロール13、キャンロール14、前フィードロール16a、巻取ロール18にはサーボモータによる動力を備える。巻出ロール13、巻取ロール18は、パウダークラッチ等によるトルク制御によってポリイミドフィルムFの張力バランスが保たれるようになっている。
テンションロール17a、17bは、表面が硬質クロムめっきで仕上げられ張力センサーが備えられている。
スパッタリングカソード15a〜15dは、マグネトロンカソード式でキャンロール14に対向して配置される。スパッタリングカソード15a〜15dのポリイミドフィルムFの巾方向の寸法は、長尺樹脂フィルムポリイミドフィルムFの巾より広ければよい。
ポリイミドフィルムFは、ロール・ツー・ロール真空成膜装置であるロール・ツー・ロールスパッタリング装置10内を搬送されて、キャンロール14に対向するスパッタリングカソード15a〜15dで成膜され、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2に加工される。
キャンロール14は、その表面が硬質クロムめっきで仕上げられ、その内部には筐体12の外部から供給される冷媒や温媒が循環し、略一定の温度に調整される。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置10を用いて下地金属層と銅薄膜層を成膜する場合、下地金属層の組成を有するターゲットをスパッタリングカソード15aに、銅ターゲットをスパッタリングカソード15b〜15dにそれぞれ装着し、ポリイミドフィルムを巻出ロール13にセットした装置内を真空排気した後、アルゴン等のスパッタリングガスを導入して装置内を1.3Pa程度に保持する。
また、下地金属層をスパッタリングで成膜した後に、銅薄膜層を蒸着法で成膜しても良い。
(3)銅電気めっき層とその成膜方法
銅電気めっき層は、電気めっき法により成膜される。その銅電気めっき層の膜厚は、1μm〜20μmが望ましい。
ここで、使用する電気めっき法は、鉄イオンを含む硫酸銅のめっき浴中にて、不溶性アノードを用いて電気めっきを行う銅電気めっきで、使用する銅めっき浴の組成は、通常用いられるフレキシブル配線板のスルーホールめっきなどで使用されるハイスロー硫酸銅めっき浴でも良い。
図3は、本発明のフレキシブル配線板に用いる2層フレキシブル配線用基板の製造に使用できるロール・ツー・ロール連続電気めっき装置(以下めっき装置20という。)の一例である。
下地金属層と銅薄膜層を成膜して得られた銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、巻出ロール22から巻き出され、電気めっき槽21内のめっき液28への浸漬を繰り返しながら連続的に搬送される。なお、28aはめっき液の液面を指している。
銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、めっき液28に浸漬されている間に電気めっきにより金属薄膜の表面に銅層が成膜され、所定の膜厚の銅層が形成された後、金属化樹脂フィルム基板である2層フレキシブル配線用基板Sとして、巻取ロール29に巻き取られる。なお、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2の搬送速度は、数m〜数十m/分の範囲が好ましい。
具体的に説明すると、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、巻出ロール22から巻き出され、給電ロール26aを経て、電気めっき槽21内のめっき液28に浸漬される。電気めっき槽21内に入った銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、反転ロール23を経て搬送方向が反転され、給電ロール26bにより電気めっき槽21外へ引き出される。
このように、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2が、めっき液への浸漬を複数回(図3では10回)繰り返す間に、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2の金属薄膜上に銅層を形成するものである。
給電ロール26aとアノード24aの間には電源(図示せず)が接続されている。
給電ロール26a、アノード24a、めっき液、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2および前記電源により、電気めっき回路が構成される。
ここで、使用するアノードは、不溶性アノードが良く、また特別な不溶性アノードを必要とせず、導電性セラミックで表面をコーティングした公知の不溶性アノードでよい。なお、電気めっき槽21の外部に、めっき液28に銅イオンを供給する機構を備える。
めっき液28への銅イオンの供給は、酸化銅水溶液、または水酸化銅水溶液、炭酸銅水溶液等で供給する。もしくはめっき液中に微量の鉄イオンを添加して、無酸素銅ボールを溶解して銅イオンを供給する方法もある。銅の供給方法は上記のいずれかの方法を用いることができる。
めっき中における電流密度は、アノード24aから搬送方向下流に進むにつれて電流密度を段階的に上昇させ、アノード24oから24tで最大の電流密度となるようにする。
このように電流密度を上昇させることで、銅層の変色を防ぐことができる。特に銅層の膜厚が薄い場合に電流密度が高いと銅層の変色が起こりやすいために、めっき中の電流密度は、後述するPR電流の反転電流を除き0.1A/dm〜8A/dmが望ましい。電流密度が高くなると銅電気めっき層の外観不良が発生する。
本発明に係るフレキシブル配線板を得るためには、配線となる銅電気めっき層の膜厚の表面から10%以上の範囲でPeriodic Reverse電流(以下PR電流ということがある。)を用いて形成する。
PR電流を使用する場合、反転電流は正電流の1〜9倍の電流を加えると良い。
反転電流時間割合としては1〜10%程度が望ましい。
また、PR電流の次の反転電流が流れる周期は、10m秒以上が望ましく、より望ましくは20m秒〜300m秒である。
図4はPR電流の時間と電流密度を模式的に示したものである。
なお、めっき電圧は、上述の電流密度が実現できるように適宜調整すればよい。
本発明で用いる2層フレキシブル配線用基板を、ロール・ツー・ロール連続電気めっき装置(めっき装置20)で製造するには、搬送経路の下流側から1つ以上のアノードでPR電流を流せばよく、PR電流を流すアノード数は、銅電気めっき層の表面からポリイミドフィルム側にPR電流で成膜する範囲の割合をどのようにするかで決まる。すなわち、少なくともアノード24tはPR電流が流れ、必要に応じてアノード24s、アノード24r、アノード24qにPR電流が流れることとなる。
なお、全アノードにPR電流を流してもよいが、PR電流用の整流器が高価な為、製造コストが増加する。そこで、本発明に係る2層フレキシブル配線用基板では、銅電気めっき層の表面からポリイミド方向に膜厚の10%をPR電流で成膜すれば、耐折れ性試験(JIS C−5016−1994)の実施前後で、その銅層の結晶配向比[(200)/(111)]の差d[(200)/(111)]が0.03以上となるので、結果的に耐折れ性試験(MIT試験)の向上が望める。
PR電流を使用した銅電気めっきが望ましい理由は、電流を反転させると、銅電気めっき層の銅の結晶粒径を200nm程度以上とすることができ結晶粒界を少なくできるので、粒界で発生するクラックの起点を少なくすることができるためである。
一般に銅電気めっきでは、析出する銅は、銅めっきされる基材の表面の影響を受けるが、銅電気めっき層の表面から膜厚の10%以上をPR電流で成膜すれば、結晶粒界を制御でき、銅電気めっき層の耐折れ性に対する効果を得ることができる。従って、2層フレキシブル配線用基板の銅電気めっき層の表面から膜厚の10%以上が、耐折れ性に合致した結晶になっていれば、銅電気めっき層の耐折れ性に対する効果が得られ、本発明の課題を達成することができる。
(4)銅電気めっき層の特徴
本発明のフレキシブル配線板における銅層を主として構成する銅電気めっき層の特徴は、1.2以上の銅の(111)結晶配向度指数を示すことである。
この状態では、MIT耐折れ試験(JIS C−5016−1994)において、結晶が滑りやすくなる。なお、本発明で用いるフレキシブル配線板の銅層には(111)配向のほかに(200)、(220)、(311)配向も含むが、そのうち(111)配向が殆どを占め、その結晶配向度指数が1.20以上を示すということである。
さらなる特徴は、MIT耐折れ性試験(JIS C−5016−1994)前後における結晶の配向比[(200)/(111)]の差d[(200)/(111)]が0.03以上の結晶状態となることである。この状態は、MIT耐折れ試験をすることで結晶が滑り、再結晶が起こったものと考えられる。
表面の光沢性は、表面の凹凸が切り欠きの要因とならないよう光沢膜が好ましい。
また、平均結晶粒径の大きさは、大きいほど良いが、銅張積層基板をサブトラクティブ法でフレキシブル配線用基板に配線加工する際の銅層のエッチングにも影響するので留意する必要がある。
サブトラクティブ法での銅層のエッチングに塩化第二鉄水溶液を用いる場合には、銅層の結晶粒径は影響しないこともあるが、銅層の結晶粒子の粒界をエッチングする場合には、結晶粒径が配線の形状にも影響するのである。平均結晶粒径としては、200nm〜400nm程度が望ましい。
平均結晶粒径が、200nm以下であると結晶粒界が多く、破断の起点となるクラックが入りやすくなり、400nm以下とするのは、金属表面の平滑性を保つためである。
さらに破断の起点となるクラックが入らないように表面粗さからRa0.2μm以下にすることが必要である。
即ち、本発明のフレキシブル配線板の銅層は、上記銅層の成膜方法で得られ、(111)結晶配向度指数が1.2以上で、MIT耐折れ試験前後における結晶配向比[(200)/(111)]の差d[(200)/(111)]が0.03以上であるという特性等を有する銅層となる。なお、銅電気めっき層の結晶配向はX線回折のWilsonの配向度指数から知ることができる。
さらに、上記方法で得られた銅層の銅結晶は、屈折時に常温下での動的再結晶効果を有する。耐折れ性試験後の平均結晶粒径は再結晶で100nm〜200nm程度となる傾向である。
一般に、銅の電気めっきによる膜は、常温下で動的再結晶しないと考えられてきた。しかし、本発明のフレキシブル配線板においては、常温下で動的再結晶するので、結果的に、MIT試験のような屈折試験を行うと試料が切れ難い。銅層の平均結晶粒径と常温下での動的再結晶は、断面SIM像での観察することができる。
(5)フレキシブル配線板
フレキシブル配線板のMIT耐折れ性試験の結果は、配線幅が細くなると悪化する。
即ち、「JIS C−5016−1994」に従った耐折れ性試験では、その配線幅が1mmであるが、液晶ディスプレイ内の屈曲配線に用いられるフレキシブル配線板では、配線幅が50μm以下であり、さらに高精細な25μm以下の配線幅に移行している。試験用として配線幅1mmのフレキシブル配線板に加工され、十分な耐折れ性を実現できるフレキシブル配線板であっても、実際に用いられる配線幅が50μm以下の配線を有するフレキシブル配線板では十分な耐折れ性を実現できないことがある。
もちろん、配線幅1mmで不十分な耐折れ性となるフレキシブル配線板では、配線幅を50μm以下とした場合でも不十分な耐折れ性の結果となる。
さらに、フレキシブル配線板の配線部の断面形状を適切にすることで、その耐折れ性が改善することを確認した。そのため、本発明に係るフレキシブル配線板は、幅方向の断面形状の底部幅Bと頂部幅Tと底部と頂部のほぼ中央部幅Mとに下記(1)式に示す関係が必要である。
Figure 2015141950
中央部幅Mが底部幅Bと頂部幅Tよりも狭い場合(B、T>M)は、耐折れ性試験の際の応力により、配線にクラックが入り易くなり、耐折れ性が不十分となる。この中央部幅Mが底部幅Bと頂部幅Tより狭い断面形状は、中央部がくびれた形状である。また、中央部幅Mが底部幅Bと頂部幅Tよりも広い場合(B、T<M)も同様である。
底部幅Bが頂部幅Tより狭い場合(B<T)も、耐折れ性試験の際の応力の同様のクラックの問題が生じる他、配線と樹脂フィルム基板との密着面が狭くなり、配線の密着性の低下につながる。
なお、ここで、中央部幅Mとは配線の厚みの略中央での配線幅のことである。
さらに、底部幅Bと頂部幅Tと前記銅層の厚みCと配線ファクターFに、下記(2)式の関係が成立することが望ましい。
Figure 2015141950
配線ファクターFが5以上となると、頂部幅Tが底部幅Bに近い値となるので、耐折れ性試験の応力によるクラックがより入りにくい形状となる。また、配線ファクターが5未満では、底部が幅広く、頂部の幅が狭くなる裾広がりの狭ピッチ化配線には不向きな配線パターンの断面形状となってしまうことがある。
すなわち、配線パターンのピッチ(配線の中心間距離)は、隣接する配線パターンとの絶縁性を確保するため、配線パターン間の間隔を確保し、かつ配線パターンの断面の底部の幅も考慮する必要があり、配線パターンの断面形状が底部に裾広がりであると、底部の幅を考慮するため、狭ピッチ化には不向きである。
上記(1)式を満たすフレキシブル配線板の配線部の断面形状の形成は、フレキシブル配線板の製造方法により対応できる。
上記2層フレキシブル配線用基板を、サブトラクティブ法を用いて配線加工する場合、配線部の形成時のエッチング条件を適切にすることで対応可能である。
例えば、エッチング液のシャワー条件を最適化することも挙げられる。さらに、一般的な比重1.30〜1.45の塩化第二鉄水溶液や比重1.30〜1.45の塩化第二銅水溶液とは異なる商業的に入手可能な塩化第二鉄と塩化第二銅と硫酸銅とを含むエッチング液を用いることが挙げられる。
また、サブトラクティブ法で配線加工するならば、2層フレキシブル配線用基板の結晶状態を制御しても、配線の断面形状が上記(1)式を満足すことができる。
例えば、配線の断面形状が上記(1)式を満足するためにフレキシブル配線用基板6は、樹脂フィルム基板1の表面から金属積層体7の0.4μmまでの膜厚範囲の電子線後方散乱回折法(EBSD)で測定した結晶の001方位の結晶割合OR001に対する111方位の結晶割合OR111との比(OR111/OR001)が7以下とすることができる。
この結晶の001方位の結晶割合OR001に対する111方位の結晶割合OR111との比(OR111/OR001)が7を超えると、配線パターンの断面形状の底部幅Bと頂部幅Tと高さCから下記(3)式で求められる配線ファクターが5未満となる。
Figure 2015141950
そこで、結晶割合OR001に対する111方位の結晶割合OR111との比(OR111/OR001)が7以下とするために、下地金属及び銅を樹脂フィルム基板にスパッタリングする際のスパッタリング雰囲気は、その一例としてアルゴン・窒素混合ガスを用い、その窒素の配合比は、1体積%以上、12体積%以下とすることが望ましいが、巻取式スパッタリング装置の形状など装置固有の影響を受ける可能性があることに留意して定める。
スパッタリング雰囲気がアルゴンのみでは、銅薄膜層のX線回折による結晶のWilsonの配向度指数では面心立方格子構造の(111)面は見られるが、面心立方格子の(200)面、EBSDでは001方位に相当する面は、ほとんど又は全く観測されない。
そこで、スパッタリング雰囲気のアルゴンに窒素を加えていくと、銅薄膜層には面心立方格子の(200)面、EBSDでは001方位に相当する面が観測されるようになる。
このような条件と後述する電気めっきの条件により、配線の頂部と底部の幅の差が少ない本発明に係るフレキシブル配線板が実現可能となる。
また、アルゴン・窒素混合ガスの窒素の配合比が12体積%を超えると、得られた金属積層体をフレキシブル配線板などの配線に利用した場合、その配線の耐熱強度が低下する恐れがあるので、望ましくない。
樹脂フィルム基板上に最終的な電気めっきまで行い得られる金属化樹脂フィルム結晶の001方位の結晶割合OR001に対する111方位の結晶割合OR111の比を確認しながら、スパッタリング雰囲気を適宜検討すればよい。なお、アルゴン・窒素混合ガスによるスパッタリング雰囲気の一例を示しているが、スパッタリング雰囲気は、目的の結晶状態を実現できれば、アルゴン・窒素混合ガスに限定されない。
さらにスパッタリング条件を最適化し、さらに銅電気めっき条件も最適化することが望ましく、その条件として、2層フレキシブル配線用基板の製造の際に下地金属層と銅薄膜層のスパッタリング成膜の雰囲気を、窒素の割合が1体積%〜12体積%含むアルゴン・窒素混合ガスを用い、且つ、銅電気めっき層の銅薄膜層の表面から膜厚1μm〜2.5μmの範囲では電流密度が1A/dmとする成膜方法が挙げられる。
また、金属積層体を配線として備える樹脂フィルム基板をエッチング加工しても、配線の樹脂フィルム基板表面から0.4μmまでの膜厚の範囲の結晶の方位比は変わることは無い。
これまで本発明に係るフレキシブル配線板を、サブトラクティブ法で得る方法を中心に本発明を説明してきた。
本発明に係るフレキシブル配線板をセミアディティブ法で得るには、2層フレキシブル配線用基板に銅電気めっきする際に、上述の2層フレキシブル配線用基板と同様の銅めっき手順を取ることもでき、その銅層の厚みは、セミアディティブ法の銅めっきの膜厚を考慮して適宜定めればよい。
フレキシブル配線板の配線部を構成する銅層の膜厚は、5μm〜12μmが望ましい。
銅層の膜厚が5μm未満では、配線の導電性が不十分となる。一方、銅層が12μmを超えると導電性は十分でも、配線幅50μm以下の配線の形成が困難となる。特にサブトラクティブ法では配線の膜厚が厚くなるほど、精細な配線の加工が難しくなる。
なお、2層フレキシブル配線用基板の銅薄膜層と銅電気めっき層の両者の合計の膜厚(フレキシブル配線板の銅層の膜厚に相当)が12μmを超えることもある。このように2層フレキシブル配線用基板の銅薄膜層と銅電気めっき層の膜厚の合計が12μmを超える場合は、2層フレキシブル配線用基板の銅電気めっき層等を化学研磨などで所定の膜厚にすればよく、所定の膜厚にした後に本発明に係るフレキシブル配線板の銅層の結晶構造を維持できればよい。
配線の表面には、錫めっき、ニッケルめっき、金めっきなどを必要に応じて公知のめっき方法で必要な箇所に施し、公知のソルダーレジストなどで表面が覆われる。そして、半導体素子などの電子部品が実装されて電子装置を形成する。
より具体的に説明すると、配線加工がされたフレキシブル配線板は、錫めっきが施された後、公知のソルダーレジストの被覆、金バンプを介したIC等の素子の実装が行われ、ICパッケージ部品に加工される。
なお、本発明に係るフレキシブル配線板では、錫めっき等の過程、ソルダーレジストの被覆やIC実装を経ても特徴的な結晶構造が維持できるように銅電気めっき等の条件やICパッケージ部品への加工条件を適宜選択すればよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
樹脂フィルム基板にポリイミドフィルムを用いた銅薄膜層付ポリイミドフィルムは、図2に示すロール・ツー・ロールスパッタリング装置10を用いて製造した。
下地金属層を成膜するためのニッケル−20重量%クロム合金ターゲットをスパッタリングカソード15aに、銅ターゲットをスパッタリングカソード15b〜15dにそれぞれ装着し、樹脂フィルム基板に厚み38μmのポリイミドフィルム(カプトン:登録商標/東レ・デュポン社製)をセットした装置内を真空排気した後、装置内を1.3Paに保持して銅薄膜層付ポリイミドフィルムを製造した。下地金属層(ニッケル−クロム合金)の膜厚は20nm、銅薄膜層の膜厚は200nmであった。
得られた銅薄膜層付ポリイミドフィルムに、めっき装置20を用いて銅電気めっきを行い、銅電気めっき層を成膜した。めっき液はpH1以下の硫酸銅水溶液を用い、アノード24mから24tは特に断らない限り最大の電流密度(PR電流の反転電流を除く)となるようにし、最終的に銅電気めっき層の膜厚が8.5μmとなるように電流密度を調整した。
耐折れ性試験は、塩化第二鉄をエッチング液に用いたサブトラクティブ法で、「JIS C−5016−1994」のテストパターンを形成し、同規格に従った評価と、配線幅を20μmとした以外は「JIS C−5016−1994」に準じた評価を行った。
耐折れ性試験前後の銅電気めっき層の結晶配向は、X線回折でWilsonの配向度指数を用い測定した。
スパッタリング雰囲気をアルゴンガスとして銅電気めっき層の表面から10%の膜厚範囲までをPR電流を用いて電気めっきを行うために、アノード24tにPR電流を流して、実施例1の2層フレキシブル配線用基板を作製した。この時の負電流時間割合を10%とした。
フレキシブル配線板の耐折れ性を評価するために作製した2層フレキシブル配線用基板を、サブトラクティブ法を用いて「JIS C−5016−1994」のテストパターン(配線幅1mm)の配線、及び配線幅20μmの配線を形成して実施例1に係るフレキシブル配線板を作製して、「JIS C−5016−1994」による評価を行った。
MIT耐折れ性試験前後のX線配向度指数で表す結晶配向比[(200)/(111)]の差は0.04であった。
MIT耐折れ性試験において配線幅1mmで851回、配線幅20μmで45回という良好な結果を得た。
配線幅20μmの配線ファクターFは5.5であった。
なお、底部幅(B)20.0μm、中間幅(M)18.5μm、頂部幅(T)16.9μmであった。
スパッタリング雰囲気を1.3Paのアルゴンと5体積%窒素の混合ガスとした。
銅電気めっき層は、銅層のうち銅薄膜層表面から膜厚1.5μmの範囲を成膜するアノード24a〜24fの電流密度を1A/dm以下にし、銅電気めっき層の表面から10%の膜厚範囲までをPR電流を用いて電気めっきを行う為に、アノード24tにPR電流を流して、実施例2に係る2層フレキシブル配線用基板を作製した。この時の負電流時間割合を10%とした。
MIT耐折れ性試験前後のX線配向度指数で表す結晶配向比[(200)/(111)]の差d[(200)/(111)]は0.04であった。
上記特性を示す実施例2に係るプリント配線板の耐折れ性は、MIT耐折れ性試験において配線幅1mmの時に545回、配線幅20μmでは50回というそれぞれ良好な結果を得た。
配線幅20μmの配線ファクターFは6.3であった。
なお、底部幅(B)20.0μm、中間幅(M)18.7μm、頂部幅(T)17.3μmであった。
(比較例1)
実施例1の2層フレキシブル配線用基板のエッチング液のシャワーの圧力を増して配線幅20μmの比較例1に係る試験片を作成した。
上記特性を有する比較例1に係るプリント配線板の耐折れ性は、配線幅20μmでは20回という振るわない結果を示し、明らかに本発明に係る実施例1より劣っている結果であった。
底部幅(B)は20.0μm、中間幅(M)は16.4μm、頂部幅(T)は17.1μmであった。
表1に配線幅20μmの実施例における、配線形状(底部幅B、中間幅M、頂部幅T、銅膜厚C)とスパッタ雰囲気、及び算出した配線ファクターFを纏めて示す。
Figure 2015141950
1 ポリイミドフィルム(樹脂フィルム基板)
2 下地金属層
3 銅薄膜層
4 銅電気めっき層
5 銅層
6 2層フレキシブル配線用基板
7 金属積層体
10 ロール・ツー・ロールスパッタリング装置
12 筐体
13 巻出ロール
14 キャンロール
15a、15b、15c、15d スパッタリングカソード
16a 前フィードロール
16b 後フィードロール
17a、17b テンションロール
17b テンションロール
18 巻取ロール
20 (ロール・ツー・ロール連続電気)めっき装置
21 電気めっき槽
22 巻出ロール
23 反転ロール
24a〜24t 陽極アノード
26a〜26k 給電ロール
28 めっき液
28a めっき液の液面
29 巻取ロール
F ポリイミドフィルム(樹脂フィルム基板)
F2 銅薄膜層付ポリイミドフィルム
S 2層フレキシブル配線用基板

Claims (5)

  1. 樹脂フィルム基板の表面に、接着剤を介することなくニッケル合金からなる下地金属層と前記下地金属層の表面に備えられた銅層とからなる金属積層体の配線が設けられたフレキシブル配線板において、
    前記金属積層体の配線が、「JIS C−5016−1994に規定される耐折れ性試験」の実施前後において得られる前記銅層の結晶配向比の[(200)/(111)]配向の比の差d[(200)/(111)]が、0.03以上で、
    幅方向の断面形状の底部幅Bと頂部幅Tと前記底部及び頂部のほぼ中央の中央部幅Mが、下記(1)式の関係を有し、且つ前記底部幅Bが50μm以下であることを特徴とするフレキシブル配線板。
    Figure 2015141950
  2. 前記底部幅Bと頂部幅Tと前記銅層の厚みCが、下記(2)式の関係を有すること特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線板。
    Figure 2015141950
  3. 前記下地金属層の膜厚が、3nm〜50nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル配線板。
  4. 前記銅層の膜厚が、5μm〜12μmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキシブル配線板。
  5. 前記樹脂フィルム基板が、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた少なくとも1種以上の樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフレキシブル配線板。
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