JP2015140957A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置において、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図る。【解決手段】空気調和装置(1)は、室外ユニット(2)と、室内熱交換器(42、52)及び室内ファン(43、53)を有する室内ユニット(4、5)とを備えており、室内ファン(43、53)の風量設定を手動で指示可能である。そして、ここでは、室内ファン(43、53)の風量設定を手動で指示した状態で、室内ファン(43、53)の風量設定を外気温度に応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和装置、特に、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置に関する。
従来より、室外ユニットと室内ユニットとを有しており、冷房運転時における冷媒の蒸発温度や暖房運転時における冷媒の凝縮温度が目標蒸発温度や目標凝縮温度になるように圧縮機の容量制御を行う空気調和装置がある。そして、このような空気調和装置として、特許文献1(特開2002−147823号公報)に示すような、目標蒸発温度や目標凝縮温度を外気温度に応じて変化させるようにしたものがある。
上記特許文献1の空気調和装置では、目標蒸発温度や目標凝縮温度を外気温度に応じて変化させつつ圧縮機の容量制御を行うようにしているため、圧縮機の消費動力を低減することができる。これにより、圧縮機の消費動力の低減による通年エネルギー消費効率(APF)の向上は図ることができる。
しかし、上記特許文献1の空気調和装置では、室内ユニットにおける室内ファンの風量設定がリモートコントローラなどで手動指示された状態になっていると、不必要に風量が多い場合であっても、手動指示された風量設定が維持されてしまい、室内ファンが無駄に動力を消費してしまい、APFの向上が不十分になるおそれがある。
本発明の課題は、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置において、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることにある。
第1の観点にかかる空気調和装置は、室外ユニットと、室内熱交換器及び室内ファンを有する室内ユニットとを備えており、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置である。そして、ここでは、室内ファンの風量設定を手動で指示した状態で、室内ファンの風量設定を外気温度に応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行うようにしている。
ここでは、上記のように、室内ファンの風量設定が手動指示された状態で室内風量制限制御を行うことによって、外気温度から見て不必要に室内ファンの風量が多い状態である場合に、室内ファンの風量を強制的に少なくすることができる。
これにより、ここでは、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。
第2の観点にかかる空気調和装置は、第1の観点にかかる空気調和装置において、室外ユニット又は室内ユニットが、室内熱交換器を流れる冷媒の流量を調節する室内流量調節弁を有しており、室内流量調節弁の開度が風量制限許可開度以下である場合に、室内風量制限制御を行う。
室内の空調負荷が大きい場合には、外気温度から見て室内ファンの風量が多い状態であったとしても、室内ファンの風量設定を低風量側に制限することは、室内の空調負荷を処理しにくくするため、この場合に室内風量制限制御を行うことは好ましくない。そして、室内の空調負荷が大きい場合には、室内熱交換器を流れる冷媒の流量が増加する傾向にある。
そこで、ここでは、上記のように、室内熱交換器を流れる冷媒の流量が増加するにつれて大きくなる室内流量調節弁の開度によって、室内の空調負荷が大きい場合であるかどうかを判定するようにしている。
これにより、ここでは、外気温度だけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
第3の観点にかかる空気調和装置は、第1又は第2の観点にかかる空気調和装置において、外気温度に応じて変更可能な室内ファンの風量上限を設け、室内ファンの風量上限を低下させることによって室内風量制限制御を行う。
第4の観点にかかる空気調和装置は、第3の観点にかかる空気調和装置において、冷房運転時には、外気温度の低下に応じて室内ファンの風量上限を低下させ、及び/又は、暖房運転時には、外気温度の上昇に応じて室内ファンの風量上限を低下させる。
ここでは、上記のように、室内ファンの風量上限を設けることで室内風量制限制御を行うようにしているため、手動で指示された室内ファンの風量設定が風量上限よりも高風量である場合に、室内ファンの風量設定を強制的に風量上限まで低下させることができる。一方、手動で指示された室内ファンの風量設定が風量上限以下の風量である場合には、室内ファンの風量設定を手動で指示された室内ファンの風量設定のままで維持することができる。
これにより、ここでは、手動で指示された室内ファンの風量設定をできるだけ維持しながら、室内風量制限制御を行うことができる。
第5の観点にかかる空気調和装置は、第1〜第4の観点の空気調和装置のいずれかにおいて、室内温度が目標室内温度から離れる場合には、室内ファンの風量設定の低風量側への制限を緩和する。
室内風量制限制御を行っている際に、室内の空調負荷が大きくなる等の運転状況の変化が発生すると、室内温度が目標室内温度から離れる場合があるため、この場合に室内ファンの風量設定を低風量側に過度に制限したままにすることは好ましくない。
そこで、ここでは、上記のように、室内温度が目標室内温度から離れる場合には、室内ファンの風量設定の低風量側への制限を緩和するようにしている。
これにより、ここでは、外気温度だけでなく室内温度の変化も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる空気調和装置では、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。
第2の観点にかかる空気調和装置では、外気温度だけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
第3及び第4の観点にかかる空気調和装置では、手動で指示された室内ファンの風量設定をできるだけ維持しながら、室内風量制限制御を行うことができる。
第5の観点にかかる空気調和装置では、外気温度だけでなく室内温度の変化も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。 空気調和装置の制御ブロック図である。 室内風量制限制御を示すフローチャートである。 冷房運転時における外気温度と室内ファンの風量上限との関係を示す図である。 暖房運転時における外気温度と室内ファンの風量上限との関係を示す図である。 変形例<A>にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。 変形例<B>にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。 変形例<C>にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。
以下、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる空気調和装置の実施形態の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)空気調和装置の基本構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の空調に使用される装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、複数(ここでは、2台)の室内ユニット4、5とが接続されることによって構成されている。ここで、室外ユニット2と複数の室内ユニット4、5とは、液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7を介して接続されている。すなわち、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、複数の室内ユニット4、5とが冷媒連絡管6、7を介して接続されることによって構成されている。
<室内ユニット>
室内ユニット4、5は、屋内に設置されている。室内ユニット4、5は、冷媒連絡管6、7を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室内ユニット4、5の構成について説明する。尚、室内ユニット5は、室内ユニット4と同様の構成を有するため、ここでは、室内ユニット4の構成のみ説明し、室内ユニット5の構成については、それぞれ、室内ユニット4の各部を示す符号を40番台から50番台に読み替えて、各部の説明を省略する。
室内ユニット4は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室内側冷媒回路10a(室内ユニット5では、室内側冷媒回路10b)を有している。室内側冷媒回路10aは、主として、室内膨張弁41と、室内熱交換器42とを有している。
室内膨張弁41は、室内側冷媒回路10aを流れる冷媒を減圧して冷媒の流量の調節する室内流量調節弁である。室内膨張弁41は、室内熱交換器42の液側に接続された電動膨張弁である。
室内熱交換器42は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。室内熱交換器42の近傍には、室内熱交換器42に室内空気を送るための室内ファン43が設けられている。室内ファン43によって室内熱交換器42に対して室内空気を送風することにより、室内熱交換器42では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。室内ファン43は、室内ファンモータ43aによって回転駆動されるようになっている。これにより、室内熱交換器42は、冷媒の放熱器や冷媒の蒸発器として機能するようになっている。また、室内ファンモータ43aは、回転数を変化させることによって、室内ファン43の風量を可変することが可能になっている。ここでは、室内ファン43の風量は、室内ファンモータ43aの回転数を変更することによって、最も回転数が大きく大風量の風量H、風量Hの回転数よりも小さく中程度の風量の風量M、風量Mの回転数よりもさら小さく小風量の風量L、及び、風量Lの回転数よりもさら小さく最小風量の風量LLの間で4段階に変更可能である。ここで、風量H、風量M、及び、風量Lの3つの風量設定は、リモートコントローラ48から手動で指示可能であるが、風量LLは、リモートコントローラ48からの手動で指示することができない。尚、ここでは、室内ファン43の風量設定は、風量LLを含めて風量H、風量M、及び、風量Lの4段階で切り換えられるが、5段階以上であってもよい。
また、室内ユニット4には、各種のセンサが設けられている。室内熱交換器42の液側には、液状態又は気液二相状態の冷媒の温度Trla(室外ユニット5では、Trlb)を検出する液側温度センサ44が設けられている。室内熱交換器42のガス側には、ガス状態の冷媒の温度Trga(室外ユニット5では、Trgb)を検出するガス側温度センサ45が設けられている。室内ユニット4には、室内ユニット4が対象とする空調空間の室内空気の温度、すなわち、室内温度Tra(室外ユニット5では、Trb)を検出する室内温度センサ46が設けられている。また、室内ユニット4は、室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する室内側制御部47を有している。そして、室内側制御部47は、室内ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内ユニット4を個別に操作するためのリモートコントローラ48との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。尚、リモートコントローラ48は、手動による室内ファン43の風量設定を含む空調運転に関する各種指示や運転/停止指示を行う機器である。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、屋外に設置されている。室外ユニット2は、冷媒連絡管6、7を介して室内ユニット4、5に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室外ユニット2の構成について説明する。
室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路10cを有している。この室外側冷媒回路10cは、主として、圧縮機21と、切換機構22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24とを有している。
圧縮機21は、ケーシング内に図示しない圧縮要素及び圧縮要素を回転駆動する圧縮機モータ21aが収容された密閉型圧縮機である。圧縮機モータ21aは、図示しないインバータ装置を介して電力が供給されるようになっており、インバータ装置の周波数(すなわち、回転数)を変化させることによって、運転容量を可変することが可能になっている。
切換機構22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための四路切換弁である。切換機構22は、空調運転の1つとしての冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として、かつ、室内熱交換器42、52を室外熱交換器23において放熱した冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス冷媒連絡管7とを接続し(放熱切換状態、図1の切換機構22の実線を参照)、空調運転の1つとしての暖房運転時には、室内熱交換器42、52を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として、かつ、室外熱交換器23を室内熱交換器42、52において放熱した冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡管7とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続することが可能である(蒸発切換状態、図1の切換機構22の破線を参照)。尚、切換機構22は、四路切換弁ではなく、三方弁や電磁弁等を組み合わせて同じ機能を果たすように構成したものであってもよい。
室外熱交換器23は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。室外熱交換器23の近傍には、室外熱交換器23に室外空気を送るための室外ファン25が設けられている。室外ファン25によって室外熱交換器23に対して室外空気を送風することにより、室外熱交換器23では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。室外ファン25は、室外ファンモータ25aによって回転駆動されるようになっている。これにより、室外熱交換器23は、冷媒の放熱器や冷媒の蒸発器として機能するようになっている。
室外膨張弁24は、室外側冷媒回路10cを流れる冷媒を減圧する弁である。室外膨張弁24は、室外熱交換器23の液側に接続された電動膨張弁である。
また、室外ユニット2には、各種のセンサが設けられている。室外ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力Psを検出する吸入圧力センサ31と、圧縮機21の吐出圧力Pdを検出する吐出圧力センサ32と、圧縮機21の吸入温度Tsを検出する吸入温度センサ33と、圧縮機21の吐出温度Tdを検出する吐出温度センサ34とが設けられている。室外熱交換器23には、気液二相状態の冷媒の温度Tolを検出する室外熱交温度センサ35が設けられている。室外ユニット2には、室外ユニット2が配置される外部空間の室外空気の温度、すなわち、外気温度Taを検出する室外温度センサ36が設けられている。また、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外側制御部37を有している。そして、室外側制御部37は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ、メモリや圧縮機モータ21aを制御するインバータ装置等を有しており、室内ユニット4、5の室内側制御部47、57との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管6、7は、空気調和装置1を設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、室外ユニット2及び室内ユニット4、5の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
<制御部>
室内ユニット4、5を個別に操作するためのリモートコントローラ48、58と、室内ユニット4、5の室内側制御部47、57と、室外ユニット2の室外側制御部37とは、図1に示すように、空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部8を構成している。制御部8は、図2に示されるように、各種センサ31〜36、44〜46、54〜56等の検出信号を受けることができるように接続されている。そして、制御部8は、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21a、22、24、26、41、51、43a、53aを制御することによって、空調運転(冷房運転及び暖房運転)を行うことができるように構成されている。また、ここでは、制御部8は、主として、室外能力制御手段81と、室内能力制御手段82とを有している。室外能力制御手段81は、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Te又は凝縮温度Tcが目標蒸発温度Tes又は目標凝縮温度Tcsになるように室外ユニット2の空調能力を制御する手段である。室内能力制御手段82は、各室内ユニット4、5が対象とする空調空間の室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsになるように各室内ユニット4、5の機器及び弁41、43a、51、53aを制御する手段である。ここで、図2は、空気調和装置1の制御ブロック図である。
以上のように、空気調和装置1は、複数(ここでは、2台)の室内ユニット4、5が室外ユニット2に接続されることによって構成される冷媒回路10を有している。また、空気調和装置1は、室内ユニット4、5に室内熱交換器42、52及び室内ファン43、53を有しており、室内ファン43、53の風量設定を手動で指示可能になっている。そして、空気調和装置1では、制御部8によって、以下のような空調運転及び制御が行われるようになっている。
(2)空気調和装置の基本動作及び基本制御
次に、空気調和装置1の空調運転(冷房運転及び暖房運転)の基本動作について、図1を用いて説明する。
<冷房運転>
リモートコントローラ48、58から冷房運転の指示がなされると、切換機構22が放熱運転状態(図1の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン25及び室内ファン43、53が起動する。ここでは、室内ファン43、53の風量設定は、ユーザーの嗜好に応じて、リモートコントローラ48、58から風量H、風量M、及び、風量Lのいずれかに手動で指示されている。
すると、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構22を経由して室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23において、室外ファン25によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、室外膨張弁24及び液冷媒連絡管6を経由して、室外ユニット2から室内ユニット4、5に送られる。
室内ユニット4、5に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁41、51によって減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器42、52に送られる。室内熱交換器42、52に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器42、52において、室内ファン43、53によって供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を経由して、室内ユニット4、5から室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、切換機構22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
<暖房運転>
リモートコントローラ48、58から暖房運転の指示がなされると、切換機構22が蒸発運転状態(図1の切換機構22の破線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン25及び室内ファン43、53が起動する。ここでは、室内ファン43、53の風量設定は、ユーザーの嗜好に応じて、リモートコントローラ48、58から風量H、風量M、及び、風量Lのいずれかに手動で指示されている。
すると、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構22及びガス冷媒連絡管7を経由して、室外ユニット2から室内ユニット4、5に送られる。
室内ユニット4、5に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器42、52に送られる。室内熱交換器42、52に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室内熱交換器42、52において、室内ファン43、53によって供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、室内膨張弁41、51によって減圧される。室内膨張弁41、51によって減圧された冷媒は、液冷媒連絡管6を経由して、室内ユニット4、5から室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた冷媒は、室外膨張弁24に送られ、室外膨張弁24によって減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器23において、室外ファン25によって供給される室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、切換機構22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
<基本制御>
上記の空調運転(冷房運転及び暖房運転)においては、まず、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Te又は凝縮温度Tcが目標蒸発温度Tes又は目標凝縮温度Tcsになるように室外ユニット2の空調能力が制御される。また、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、各室内ユニット4、5が対象とする空調空間の室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsになるように各室内ユニット4、5の室内膨張弁41、51が制御される。尚、各室内ユニット4、5における目標室内温度Tras、Trbsの設定は、リモートコントローラ48、58によって行われる。また、室外ユニット2の空調能力制御は、制御部8の室外能力制御手段81によって行われ、各室内ユニット4、5の空調能力制御は、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
−冷房運転時−
空調運転が冷房運転である場合において、制御部8の室内能力制御手段82は、各室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度SHra、SHrbが目標過熱度SHras、SHrbsになるように、各室内膨張弁41、51の開度を制御している(以下、この制御を「室内膨張弁による過熱度制御」とする)。ここで、過熱度SHra、SHrbは、吸入圧力センサ31によって検出される吸入圧力Ps、及び、ガス側温度センサ45、55によって検出される室内熱交換器42、52のガス側の冷媒の温度Trga、Trgbから算出される。より具体的には、まず、吸入圧力Psを冷媒の飽和温度に換算して、冷媒回路10における蒸発圧力Peに等価な状態量である蒸発温度Teを得る。ここで、蒸発圧力Peとは、冷房運転時において、室内膨張弁41、51の出口から室内熱交換器42、52を経由して圧縮機21の吸入側に至るまでの間を流れる低圧の冷媒を代表する圧力を意味している。そして、各室内熱交換器42、52のガス側の冷媒の温度Trga、Trgbから蒸発温度Teを差し引くことによって過熱度SHra、SHrbを得る。
また、空調運転が冷房運転である場合において、制御部8の室外能力制御手段81は、冷媒回路10における蒸発圧力Peに相当する蒸発温度Teが目標蒸発温度Tesに近づくように、圧縮機21の運転容量を制御している(以下、この制御を「圧縮機による蒸発温度制御」とする)。ここで、圧縮機21の運転容量の制御は、圧縮機モータ21aの周波数を変更することによって行われる。また、ここでは、制御対象の状態量を蒸発温度Teとしているが、蒸発圧力Peであってもよい。この場合には、目標蒸発温度Tesに相当する目標蒸発圧力Pesを使用すればよい。すなわち、蒸発圧力Peと蒸発温度Te、及び、目標蒸発圧力Pesと目標蒸発温度Tesは、文言自体は異なるが、実質的に同じ状態量を意味している。
このように、冷房運転においては、その基本制御として、室内膨張弁41、51による過熱度制御、及び、圧縮機21による蒸発温度制御が行われるようになっている。そして、空気調和装置1では、このような冷房運転の基本制御によって、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、目標室内温度Tras、Trbsになるようにしている。
−暖房運転時−
空調運転が暖房運転である場合において、制御部8の室内能力制御手段82は、各室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度SCra、SCrbが目標過冷却度SCras、SCrbsになるように、各室内膨張弁41、51の開度を制御している(以下、この制御を「室内膨張弁による過冷却度制御」とする)。ここで、過冷却度SCra、SCrbは、吐出圧力センサ32によって検出される吐出圧力Pd、及び、液側温度センサ44、54によって検出される室内熱交換器42、52の液側の冷媒の温度Trla、Trlbから算出される。より具体的には、まず、吐出圧力Pdを冷媒の飽和温度に換算して、冷媒回路10における凝縮圧力Pcに等価な状態量である凝縮温度Tcを得る。ここで、凝縮圧力Pcとは、暖房運転時において、圧縮機21の吐出側から室内熱交換器42、52を経由して室内膨張弁41、51に至るまでの間を流れる高圧の冷媒を代表する圧力を意味している。そして、凝縮温度Tcから各室内熱交換器42、52の液側の冷媒の温度Trla、Trlbを差し引くことによって過冷却度SCra、SCrbを得る。
また、空調運転が暖房運転である場合において、制御部8の室外能力制御手段81は、冷媒回路10における凝縮圧力Pcに相当する凝縮温度Tcが目標凝縮温度Tcsに近づくように、圧縮機21の運転容量を制御している(以下、この制御を「圧縮機による凝縮温度制御」とする)。ここで、圧縮機21の運転容量の制御は、圧縮機モータ21aの周波数を変更することによって行われる。また、ここでは、制御対象の状態量を凝縮温度Tcとしているが、凝縮圧力Pcであってもよい。この場合には、目標凝縮温度Tcsに相当する目標凝縮圧力Pcsを使用すればよい。すなわち、凝縮圧力Pcと凝縮温度Tc、及び、目標凝縮圧力Pcsと目標凝縮温度Tcsは、文言自体は異なるが、実質的に同じ状態量を意味している。
このように、暖房運転においては、その基本制御として、室内膨張弁41、51による過冷却度制御、及び、圧縮機21による凝縮温度制御が行われるようになっている。そして、空気調和装置1では、このような暖房運転の基本制御によって、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、目標室内温度Tras、Trbsになるようにしている。
(3)室内風量制限制御
上記のような基本制御を伴う空調運転(冷房運転及び暖房運転)を行うと、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、目標室内温度Tras、Trbsになるように制御される。
ここで、特許文献1のように、圧縮機21による蒸発温度制御や凝縮温度制御に使用される目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsを外気温度Taに応じて変化させることが考えられる。すなわち、冷房運転時においては、外気温度Taが高いほど目標蒸発温度Tesを低くし(逆に、外気温度Taが低いほど目標蒸発温度Tesを高くし)、暖房運転時においては、外気温度Taが低いほど目標凝縮温度Tcsを高くする(逆に、外気温度Taが高いほど目標凝縮温度Tcsを低くする)ことが考えられる。そして、このような目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsの可変を行うと、冷房運転時に外気温度Taが低くて室内ユニット4、5の空調能力が小さい傾向にある場合には、目標蒸発温度Tesが高くなり、暖房運転時に外気温度Taが高くて室内ユニット4、5の空調能力が小さい傾向にある場合には、目標凝縮温度Tcsが低くなるため、室外ユニット2の空調能力の過多が抑制される、すなわち、圧縮機21の運転容量が小さくなる。そうすると、圧縮機21の消費動力を低減することができ、これにより、APFの向上を図ることができる。
しかし、上記のような基本制御を伴う空調運転において、圧縮機21による蒸発温度制御や凝縮温度制御に使用される目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsを外気温度Taに応じて変化させたとしても、室内ユニット4、5における室内ファン43、53の風量設定がリモートコントローラ48、58で手動指示された状態になっていると、不必要に風量が多い場合(例えば、風量Lで十分であるにもかかわらず、風量Hに設定されている場合)であっても、手動指示された風量設定が維持されてしまい、室内ファン43、53の消費動力が無駄になってしまう。
このように、上記のような基本制御を伴う空調運転において、目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsを外気温度Taに応じて変化させるだけでは、圧縮機21の消費動力を低減させる分に応じたAPFの向上を図ることはできるものの、室内ファン43、53の風量が不必要に多い場合には、室内ファン43、53が無駄に動力を消費してしまい、APFの向上が不十分になるおそれがある。
そこで、ここでは、無駄な室内ファン43、53の消費動力を低減して、APFの向上を図ることができるようにするために、室内ファン43、53の風量設定を手動で指示した状態で、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行うようにしている。ここでは、室内風量制限制御として、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを設け、室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを低下させることによって室内風量制限制御を行うようにしている。より具体的には、冷房運転時には、外気温度Taの低下に応じて室内ファン43、53の風量上限Gcxを低下させ、暖房運転時には、外気温度Taの上昇に応じて室内ファン43、53の風量上限Ghxを低下させるようにしている。
次に、室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図5を用いて説明する。ここで、図3は、室内風量制限制御を示すフローチャートであり、図4は、冷房運転時における外気温度Taと室内ファン43、53の風量上限Gcxとの関係を示す図であり、図5は、暖房運転時における外気温度Taと室内ファン43、53の風量上限Ghxとの関係を示す図である。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、まず、ステップST0において、現在の空調運転が冷房運転であるか暖房運転であるかを判定する。そして、ステップST0において、現在の空調運転が冷房運転であると判定された場合には、ステップST1の処理に移行し、現在の空調運転が暖房運転であると判定された場合には、ステップST11の処理に移行する。
次に、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があるかどうかを判定する。ここでは、冷房運転時における外気温度Taが第3外気温度Ta3以下であるかどうかを判定する。ここで、第3外気温度Ta3は、冷房運転時における室内ファン43、53の風量上限Gcxを風量H(すなわち、風量制限なし)から風量Mに制限するかどうかの閾値である(図4参照)。また、暖房運転時においては、外気温度Taが第4外気温度Ta4以上であるかどうかを判定する。ここで、第4外気温度Ta4は、暖房運転時における室内ファン43、53の風量上限Ghxを風量H(すなわち、風量制限なし)から風量Mに制限するかどうかの閾値である(図5参照)。そして、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があると判定された場合には、ステップST2及びST12の処理に移行する。一方、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要がないと判定された場合には、室内ファン43、53の風量設定が制限されない(実質的には、風量上限Gcx、Ghxが風量Hになる)。このため、リモートコントローラ48、58から手動で指示された室内ファン43、53の風量設定が維持されたままで冷房運転や暖房運転が継続されることになる。
次に、ステップST2及びST12において、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを決定する。具体的には、冷房運転時には、図4に示すように、外気温度Taが第2外気温度Ta2〜第3外気温度Ta3の間の温度である場合には、風量上限Gcxを風量Mにし、外気温度Taが第1外気温度Ta1〜第2外気温度Ta2の間の温度である場合には、風量上限Gcxを風量Lにし、外気温度Taが第1外気温度Ta1以下の温度である場合には、風量上限Gcxを風量LLにする。このように、冷房運転時には、外気温度Taの低下に応じて室内ファン43、53の風量上限Gcxを低下させるようにしている。また、暖房運転時には、図5に示すように、外気温度Taが第4外気温度Ta4〜第5外気温度Ta5の間の温度である場合には、風量上限Ghxを風量Mにし、外気温度Taが第5外気温度Ta5〜第6外気温度Ta6の間の温度である場合には、風量上限Ghxを風量Lにし、外気温度Taが第6外気温度Ta6以上の温度である場合には、風量上限Ghxを風量LLにする。このように、暖房運転時には、外気温度Taの上昇に応じて室内ファン43、53の風量上限Ghxを低下させるようにしている。
そして、ステップST2及びステップST12において、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを決定した後は、ステップST3及びステップST13の処理に移行して、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行う。すなわち、室内ファン43、53の風量上限Gcx、GhxをステップST2及びステップST12で決定された風量に設定する。例えば、外気温度Taが第1外気温度Ta1〜第2外気温度Ta2の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で冷房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST2において風量上限Gcxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Hから風量上限Gcxである風量Lに制限される。また、外気温度Taが第5外気温度Ta5〜第6外気温度Ta6の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で暖房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST12において風量上限Ghxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Hから風量上限Ghxである風量Lに制限される。一方、上記の外気温度Taの想定で室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Lに指示された状態で冷房運転や暖房運転を行う場合には、ステップST2及びステップST12において風量上限Gcx、Ghxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Lが維持されることになる。
上記のように、ここでは、室内ファン43、53の風量設定が手動指示された状態で室内風量制限制御を行うことによって、外気温度Taから見て不必要に室内ファン43、53の風量が多い状態である場合に、室内ファン43、53の風量を強制的に少なくすることができる。
これにより、ここでは、無駄な室内ファン43、53の消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。
また、ここでは、上記のように、室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを設けることで室内風量制限制御を行うようにしているため、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定が風量上限Gcx、Ghxよりも高風量である場合に、室内ファン43、53の風量設定を強制的に風量上限Gcx、Ghxまで低下させることができる。一方、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定が風量上限Gcx、Ghx以下の風量である場合には、室内ファン43、53の風量設定を手動で指示された室内ファン43、53の風量設定のままで維持することができる。
これにより、ここでは、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定をできるだけ維持しながら、室内風量制限制御を行うことができる。
尚、上記のような室内風量制限制御は、上記のような利点があるものの、ユーザーが手動で指示した室内ファン43、53の風量設定を無視する場合を発生させるものであるため、室内風量制限制御を適用することを望まないユーザーも存在し得る。
そこで、ここでは、ユーザーの嗜好に応じて室内風量制限制御を適用するかどうかを選択できるようにするために、図2に示すように、室内風量制限設定手段83を制御部8に設けるようにしている。ここでは、室内風量制限設定手段83は、制御部8の室外側制御部37に設けられたメモリであり、空気調和装置1の各種制御設定等を行うための外部機器からの通信によって、室内風量制限制御を適用するかどうかや、外気温度Taと風量上限Gcx、Ghxとの関係値等を設定することができるようになっている。尚、室内風量制限設定手段83は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、室外側制御部37に設けられたディップスイッチ等のように、室内風量制限制御を適用するかどうかや外気温度Ta−風量上限Gcx、Ghxの関係値などを設定することができるものであればよい。
(4)変形例
<A>
上記実施形態の室内風量制限制御を行っている際に、室内の空調負荷が大きくなる等の運転状況の変化が発生すると、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れる場合があるため、この場合に室内ファン43、53の風量設定を低風量側に過度に制限したままにすることは好ましくない。
そこで、ここでは、室内風量制限制御を行っている際に、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れる場合には、室内ファン43、53の風量設定の低風量側への制限を緩和するようにしている。
次に、本変形例における室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図6を用いて説明する。ここで、図6は、本変形例にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、上記実施形態と同様に、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、ステップST3及びST13の室内風量制限制御を行っている際に、ステップST4及びST14の処理を追加して、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れているかどうかを判定する。ここでは、冷房運転時における室内温度Tra、Trbから目標室内温度Tras、Trbsを差し引いた温度差、又は、暖房運転時における目標室内温度Tras、Trbsから室内温度Tra、Trbを差し引いた室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であるかどうかを判定する。そして、ステップST4及びST14において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であると判定された場合には、ステップST5及びST15の処理を追加して、ステップST5及びST15の処理に移行する。一方、ステップST4及びST14において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrsよりも小さいと判定された場合には、ステップST3及びST13で設定された室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを維持する。
次に、ステップST5及びST15において、室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを緩和する。ここでは、ステップST3及びST13で設定された室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxから1段階又はそれ以上風量を増加させるようにする。例えば、外気温度Taが第1外気温度Ta1〜第2外気温度Ta2の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で冷房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST2において風量上限Gcxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、ステップST3において、手動指示された風量Hから風量上限Gcxである風量Lに制限される。しかし、ステップST4において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であると判定された場合には、ステップST5において、風量上限Gcxを風量Lから風量Mに増加させることで、低風量側への制限が緩和される。また、外気温度Taが第5外気温度Ta5〜第6外気温度Ta6の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で暖房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST12において風量上限Ghxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Hから風量上限Ghxである風量Lに制限される。しかし、ステップST14において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であると判定された場合には、ステップST15において、風量上限Ghxを風量Lから風量Mに増加させることで、低風量側への制限が緩和される。
これにより、ここでは、外気温度Taだけでなく室内温度Tra、Trbの変化も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
<B>
上記実施形態やその変形例において、室内の空調負荷が大きい場合には、外気温度Taから見て室内ファン43、53の風量が多い状態であったとしても、室内ファン43、53の風量設定を低風量側に制限することは、室内の空調負荷を処理しにくくするため、この場合に室内風量制限制御を行うことは好ましくない。そして、室内の空調負荷が大きい場合には、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れる傾向にある。
そこで、ここでは、外気温度Taから見て室内ファン43、53の風量が多い状態において、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsに近い場合に、室内風量制限制御を行い、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れている場合には、室内風量制限制御を行わないようにしている。
次に、本変形例における室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図7を用いて説明する。ここで、図7は、本変形例にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、上記実施形態や変形例<A>と同様に、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があると判定された場合に、ステップST6及びST16の処理を追加して、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsに近いかどうかを判定する。ここでは、冷房運転時における室内温度Tra、Trbから目標室内温度Tras、Trbsを差し引いた温度差、又は、暖房運転時における目標室内温度Tras、Trbsから室内温度Tra、Trbを差し引いた室内温度差ΔTrが風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定する。そして、ステップST6及びST16において、室内温度差ΔTrが風量制限許容温度差ΔTrss以下であると判定された場合には、ステップST2及びST12の処理に移行する。一方、ステップST6及びST16において、室内温度差ΔTrが風量制限許容温度差ΔTrssよりも大きいと判定された場合には、室内ファン43、53の風量設定を制限せずに、リモートコントローラ48、58から手動で指示された室内ファン43、53の風量設定を維持したままで冷房運転や暖房運転を継続する。
これにより、ここでは、外気温度Taだけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
また、ステップST6及びステップST16における室内温度差ΔTrの判定については、各室内ユニット4、5で判定してもよいし、また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの代表値を使用してまとめて判定してもよい。例えば、各室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの平均値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの最大値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの最小値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの加重平均値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。ここで、加重平均値としては、各室内ユニット4、5の運転容量を考慮した値、例えば、Σ(各室内ユニットの運転容量×室内温度差ΔTr)÷室内ユニット数を使用することができる。
<C>
上記実施形態やその変形例において、室内の空調負荷が大きい場合には、外気温度Taから見て室内ファン43、53の風量が多い状態であったとしても、室内ファン43、53の風量設定を低風量側に制限することは、室内の空調負荷を処理しにくくするため、この場合に室内風量制限制御を行うことは好ましくない。そして、室内の空調負荷が大きい場合には、室内熱交換器42、52を流れる冷媒の流量が増加する傾向にある。
そこで、ここでは、ここでは、室内熱交換器42、52を流れる冷媒の流量が増加するにつれて大きくなる室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbによって、室内の空調負荷が大きい場合であるかどうかを判定するようにしている。
次に、本変形例における室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図8を用いて説明する。ここで、図8は、本変形例にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、上記実施形態や変形例<A>、<B>と同様に、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があると判定された場合に、または、ステップST1及びST11による判定に加えてステップST6及びステップST16において、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsに近いものと判定された場合に、ステップST7及びST17の処理を追加して、室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbが風量制限許可開度MVas、MVbs以下であるかどうかを判定する。そして、ステップST7及びST17において、室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbが風量制限許可開度MVas、MVbs以下であると判定された場合には、ステップST2、ST12の処理に移行する。一方、ステップST7及びステップST17において、室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbが風量制限許可開度MVas、MVbsよりも大きいと判定された場合には、室内ファン43、53の風量設定を制限せずに、リモートコントローラ48、58から手動で指示された室内ファン43、53の風量設定を維持したままで冷房運転や暖房運転を継続する。
これにより、ここでは、外気温度Taだけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
<D>
上記実施形態やその変形例では、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限を設けることで、室内風量制限制御を行うようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定を、室内風量制限制御が必要と判定された場合に、1段階又はそれ以上低風量側に低下させるようにしてもよい。
<E>
上記実施形態やその変形例では、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うことが可能な空気調和装置1に本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、冷房専用の空気調和装置や暖房専用の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
<G>
上記実施形態やその変形例では、各室内ユニット4、5が室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51を有する空気調和装置1に本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、室外ユニット2に室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51を有する空気調和装置に本発明を適用してもよい。
<H>
上記実施形態やその変形例では、複数の室内ユニット4、5が室外ユニット2に接続された空気調和装置1に本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、1台の室内ユニットが室外ユニットに接続された空気調和装置に本発明を適用してもよい。
本発明は、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置に対して、広く適用可能である。
1 空気調和装置
2 室外ユニット
4、5 室内ユニット
41、51 室内膨張弁(室内流量調節弁)
42、52 室内熱交換器
43、53 室内ファン
特開2002−147823号公報
本発明は、空気調和装置、特に、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置に関する。
従来より、室外ユニットと室内ユニットとを有しており、冷房運転時における冷媒の蒸発温度や暖房運転時における冷媒の凝縮温度が目標蒸発温度や目標凝縮温度になるように圧縮機の容量制御を行う空気調和装置がある。そして、このような空気調和装置として、特許文献1(特開2002−147823号公報)に示すような、目標蒸発温度や目標凝縮温度を外気温度に応じて変化させるようにしたものがある。
上記特許文献1の空気調和装置では、目標蒸発温度や目標凝縮温度を外気温度に応じて変化させつつ圧縮機の容量制御を行うようにしているため、圧縮機の消費動力を低減することができる。これにより、圧縮機の消費動力の低減による通年エネルギー消費効率(APF)の向上は図ることができる。
しかし、上記特許文献1の空気調和装置では、室内ユニットにおける室内ファンの風量設定がリモートコントローラなどで手動指示された状態になっていると、不必要に風量が多い場合であっても、手動指示された風量設定が維持されてしまい、室内ファンが無駄に動力を消費してしまい、APFの向上が不十分になるおそれがある。
本発明の課題は、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置において、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることにある。
第1の観点にかかる空気調和装置は、室外ユニットと、室内熱交換器及び室内ファンを有する室内ユニットとを備えており、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置である。そして、ここでは、室内ファンの風量設定を手動で指示した状態で、室内ファンの風量設定を外気温度に応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行うようにしている。
ここでは、上記のように、室内ファンの風量設定が手動指示された状態で室内風量制限制御を行うことによって、外気温度から見て不必要に室内ファンの風量が多い状態である場合に、室内ファンの風量を強制的に少なくすることができる。
これにより、ここでは、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。
具体的には、ここでは、室内風量制限制御は、外気温度に応じて変更可能な室内ファンの風量上限を設け、風量上限を変更することで手動で指示された風量設定が風量上限よりも高風量になる場合には、手動で指示された風量設定から風量上限に低下させ、風量上限を変更しても手動で指示された風量設定が風量上限以下の風量である場合には、手動で指示された風量設定を維持するものである。
ここでは、手動で指示された室内ファンの風量設定が風量上限よりも高風量である場合に、室内ファンの風量設定を強制的に風量上限まで低下させることができる。一方、手動で指示された室内ファンの風量設定が風量上限以下の風量である場合には、室内ファンの風量設定を手動で指示された室内ファンの風量設定のままで維持することができる。
これにより、ここでは、手動で指示された室内ファンの風量設定をできるだけ維持しながら、室内風量制限制御を行うことができる。
第2の観点にかかる空気調和装置は、室外ユニットと、室内熱交換器及び室内ファンを有する室内ユニットとを備えており、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置である。そして、ここでは、室内ファンの風量設定を手動で指示した状態で、室内ファンの風量設定を外気温度に応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行うようにしている。
ここでは、上記のように、室内ファンの風量設定が手動指示された状態で室内風量制限制御を行うことによって、外気温度から見て不必要に室内ファンの風量が多い状態である場合に、室内ファンの風量を強制的に少なくすることができる。
これにより、ここでは、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。
しかも、ここでは、室外ユニット又は室内ユニットが、室内熱交換器を流れる冷媒の流量を調節する室内流量調節弁を有しており、室内流量調節弁の開度が風量制限許可開度以下である場合に、室内風量制限制御を行う。
室内の空調負荷が大きい場合には、外気温度から見て室内ファンの風量が多い状態であったとしても、室内ファンの風量設定を低風量側に制限することは、室内の空調負荷を処理しにくくするため、この場合に室内風量制限制御を行うことは好ましくない。そして、室内の空調負荷が大きい場合には、室内熱交換器を流れる冷媒の流量が増加する傾向にある。
そこで、ここでは、上記のように、室内熱交換器を流れる冷媒の流量が増加するにつれて大きくなる室内流量調節弁の開度によって、室内の空調負荷が大きい場合であるかどうかを判定するようにしている。
これにより、ここでは、外気温度だけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
の観点にかかる空気調和装置は、第1又は第2の観点にかかる空気調和装置において、冷房運転時には、外気温度の低下に応じて室内ファンの風量上限を低下させ、及び/又は、暖房運転時には、外気温度の上昇に応じて室内ファンの風量上限を低下させる。
の観点にかかる空気調和装置は、第1〜第3の観点の空気調和装置のいずれかにおいて、室内温度が目標室内温度から離れる場合には、室内ファンの風量設定の低風量側への制限を緩和する。
室内風量制限制御を行っている際に、室内の空調負荷が大きくなる等の運転状況の変化が発生すると、室内温度が目標室内温度から離れる場合があるため、この場合に室内ファンの風量設定を低風量側に過度に制限したままにすることは好ましくない。
そこで、ここでは、上記のように、室内温度が目標室内温度から離れる場合には、室内ファンの風量設定の低風量側への制限を緩和するようにしている。
これにより、ここでは、外気温度だけでなく室内温度の変化も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1及び第3の観点にかかる空気調和装置では、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。特に、ここでは、手動で指示された室内ファンの風量設定をできるだけ維持しながら、室内風量制限制御を行うことができる。
第2及び第3の観点にかかる空気調和装置では、無駄な室内ファンの消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。しかも、ここでは、外気温度だけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
第4の観点にかかる空気調和装置では、外気温度だけでなく室内温度の変化も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。 空気調和装置の制御ブロック図である。 室内風量制限制御を示すフローチャートである。 冷房運転時における外気温度と室内ファンの風量上限との関係を示す図である。 暖房運転時における外気温度と室内ファンの風量上限との関係を示す図である。 変形例<A>にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。 変形例<B>にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。 変形例<C>にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。
以下、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる空気調和装置の実施形態の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)空気調和装置の基本構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の空調に使用される装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、複数(ここでは、2台)の室内ユニット4、5とが接続されることによって構成されている。ここで、室外ユニット2と複数の室内ユニット4、5とは、液冷媒連絡管6及びガス冷媒連絡管7を介して接続されている。すなわち、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、複数の室内ユニット4、5とが冷媒連絡管6、7を介して接続されることによって構成されている。
<室内ユニット>
室内ユニット4、5は、屋内に設置されている。室内ユニット4、5は、冷媒連絡管6、7を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室内ユニット4、5の構成について説明する。尚、室内ユニット5は、室内ユニット4と同様の構成を有するため、ここでは、室内ユニット4の構成のみ説明し、室内ユニット5の構成については、それぞれ、室内ユニット4の各部を示す符号を40番台から50番台に読み替えて、各部の説明を省略する。
室内ユニット4は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室内側冷媒回路10a(室内ユニット5では、室内側冷媒回路10b)を有している。室内側冷媒回路10aは、主として、室内膨張弁41と、室内熱交換器42とを有している。
室内膨張弁41は、室内側冷媒回路10aを流れる冷媒を減圧して冷媒の流量の調節する室内流量調節弁である。室内膨張弁41は、室内熱交換器42の液側に接続された電動膨張弁である。
室内熱交換器42は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。室内熱交換器42の近傍には、室内熱交換器42に室内空気を送るための室内ファン43が設けられている。室内ファン43によって室内熱交換器42に対して室内空気を送風することにより、室内熱交換器42では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。室内ファン43は、室内ファンモータ43aによって回転駆動されるようになっている。これにより、室内熱交換器42は、冷媒の放熱器や冷媒の蒸発器として機能するようになっている。また、室内ファンモータ43aは、回転数を変化させることによって、室内ファン43の風量を可変することが可能になっている。ここでは、室内ファン43の風量は、室内ファンモータ43aの回転数を変更することによって、最も回転数が大きく大風量の風量H、風量Hの回転数よりも小さく中程度の風量の風量M、風量Mの回転数よりもさら小さく小風量の風量L、及び、風量Lの回転数よりもさら小さく最小風量の風量LLの間で4段階に変更可能である。ここで、風量H、風量M、及び、風量Lの3つの風量設定は、リモートコントローラ48から手動で指示可能であるが、風量LLは、リモートコントローラ48からの手動で指示することができない。尚、ここでは、室内ファン43の風量設定は、風量LLを含めて風量H、風量M、及び、風量Lの4段階で切り換えられるが、5段階以上であってもよい。
また、室内ユニット4には、各種のセンサが設けられている。室内熱交換器42の液側には、液状態又は気液二相状態の冷媒の温度Trla(室外ユニット5では、Trlb)を検出する液側温度センサ44が設けられている。室内熱交換器42のガス側には、ガス状態の冷媒の温度Trga(室外ユニット5では、Trgb)を検出するガス側温度センサ45が設けられている。室内ユニット4には、室内ユニット4が対象とする空調空間の室内空気の温度、すなわち、室内温度Tra(室外ユニット5では、Trb)を検出する室内温度センサ46が設けられている。また、室内ユニット4は、室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する室内側制御部47を有している。そして、室内側制御部47は、室内ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内ユニット4を個別に操作するためのリモートコントローラ48との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。尚、リモートコントローラ48は、手動による室内ファン43の風量設定を含む空調運転に関する各種指示や運転/停止指示を行う機器である。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、屋外に設置されている。室外ユニット2は、冷媒連絡管6、7を介して室内ユニット4、5に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室外ユニット2の構成について説明する。
室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路10cを有している。この室外側冷媒回路10cは、主として、圧縮機21と、切換機構22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24とを有している。
圧縮機21は、ケーシング内に図示しない圧縮要素及び圧縮要素を回転駆動する圧縮機モータ21aが収容された密閉型圧縮機である。圧縮機モータ21aは、図示しないインバータ装置を介して電力が供給されるようになっており、インバータ装置の周波数(すなわち、回転数)を変化させることによって、運転容量を可変することが可能になっている。
切換機構22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための四路切換弁である。切換機構22は、空調運転の1つとしての冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として、かつ、室内熱交換器42、52を室外熱交換器23において放熱した冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス冷媒連絡管7とを接続し(放熱切換状態、図1の切換機構22の実線を参照)、空調運転の1つとしての暖房運転時には、室内熱交換器42、52を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として、かつ、室外熱交換器23を室内熱交換器42、52において放熱した冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡管7とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続することが可能である(蒸発切換状態、図1の切換機構22の破線を参照)。尚、切換機構22は、四路切換弁ではなく、三方弁や電磁弁等を組み合わせて同じ機能を果たすように構成したものであってもよい。
室外熱交換器23は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。室外熱交換器23の近傍には、室外熱交換器23に室外空気を送るための室外ファン25が設けられている。室外ファン25によって室外熱交換器23に対して室外空気を送風することにより、室外熱交換器23では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。室外ファン25は、室外ファンモータ25aによって回転駆動されるようになっている。これにより、室外熱交換器23は、冷媒の放熱器や冷媒の蒸発器として機能するようになっている。
室外膨張弁24は、室外側冷媒回路10cを流れる冷媒を減圧する弁である。室外膨張弁24は、室外熱交換器23の液側に接続された電動膨張弁である。
また、室外ユニット2には、各種のセンサが設けられている。室外ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力Psを検出する吸入圧力センサ31と、圧縮機21の吐出圧力Pdを検出する吐出圧力センサ32と、圧縮機21の吸入温度Tsを検出する吸入温度センサ33と、圧縮機21の吐出温度Tdを検出する吐出温度センサ34とが設けられている。室外熱交換器23には、気液二相状態の冷媒の温度Tolを検出する室外熱交温度センサ35が設けられている。室外ユニット2には、室外ユニット2が配置される外部空間の室外空気の温度、すなわち、外気温度Taを検出する室外温度センサ36が設けられている。また、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外側制御部37を有している。そして、室外側制御部37は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ、メモリや圧縮機モータ21aを制御するインバータ装置等を有しており、室内ユニット4、5の室内側制御部47、57との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管6、7は、空気調和装置1を設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、室外ユニット2及び室内ユニット4、5の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
<制御部>
室内ユニット4、5を個別に操作するためのリモートコントローラ48、58と、室内ユニット4、5の室内側制御部47、57と、室外ユニット2の室外側制御部37とは、図1に示すように、空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部8を構成している。制御部8は、図2に示されるように、各種センサ31〜36、44〜46、54〜56等の検出信号を受けることができるように接続されている。そして、制御部8は、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21a、22、24、26、41、51、43a、53aを制御することによって、空調運転(冷房運転及び暖房運転)を行うことができるように構成されている。また、ここでは、制御部8は、主として、室外能力制御手段81と、室内能力制御手段82とを有している。室外能力制御手段81は、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Te又は凝縮温度Tcが目標蒸発温度Tes又は目標凝縮温度Tcsになるように室外ユニット2の空調能力を制御する手段である。室内能力制御手段82は、各室内ユニット4、5が対象とする空調空間の室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsになるように各室内ユニット4、5の機器及び弁41、43a、51、53aを制御する手段である。ここで、図2は、空気調和装置1の制御ブロック図である。
以上のように、空気調和装置1は、複数(ここでは、2台)の室内ユニット4、5が室外ユニット2に接続されることによって構成される冷媒回路10を有している。また、空気調和装置1は、室内ユニット4、5に室内熱交換器42、52及び室内ファン43、53を有しており、室内ファン43、53の風量設定を手動で指示可能になっている。そして、空気調和装置1では、制御部8によって、以下のような空調運転及び制御が行われるようになっている。
(2)空気調和装置の基本動作及び基本制御
次に、空気調和装置1の空調運転(冷房運転及び暖房運転)の基本動作について、図1を用いて説明する。
<冷房運転>
リモートコントローラ48、58から冷房運転の指示がなされると、切換機構22が放熱運転状態(図1の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン25及び室内ファン43、53が起動する。ここでは、室内ファン43、53の風量設定は、ユーザーの嗜好に応じて、リモートコントローラ48、58から風量H、風量M、及び、風量Lのいずれかに手動で指示されている。
すると、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構22を経由して室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23において、室外ファン25によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、室外膨張弁24及び液冷媒連絡管6を経由して、室外ユニット2から室内ユニット4、5に送られる。
室内ユニット4、5に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁41、51によって減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器42、52に送られる。室内熱交換器42、52に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器42、52において、室内ファン43、53によって供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管7を経由して、室内ユニット4、5から室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、切換機構22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
<暖房運転>
リモートコントローラ48、58から暖房運転の指示がなされると、切換機構22が蒸発運転状態(図1の切換機構22の破線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン25及び室内ファン43、53が起動する。ここでは、室内ファン43、53の風量設定は、ユーザーの嗜好に応じて、リモートコントローラ48、58から風量H、風量M、及び、風量Lのいずれかに手動で指示されている。
すると、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。この高圧のガス冷媒は、切換機構22及びガス冷媒連絡管7を経由して、室外ユニット2から室内ユニット4、5に送られる。
室内ユニット4、5に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器42、52に送られる。室内熱交換器42、52に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室内熱交換器42、52において、室内ファン43、53によって供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮して、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、室内膨張弁41、51によって減圧される。室内膨張弁41、51によって減圧された冷媒は、液冷媒連絡管6を経由して、室内ユニット4、5から室外ユニット2に送られる。
室外ユニット2に送られた冷媒は、室外膨張弁24に送られ、室外膨張弁24によって減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒となる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器23において、室外ファン25によって供給される室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、切換機構22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。
<基本制御>
上記の空調運転(冷房運転及び暖房運転)においては、まず、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Te又は凝縮温度Tcが目標蒸発温度Tes又は目標凝縮温度Tcsになるように室外ユニット2の空調能力が制御される。また、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、各室内ユニット4、5が対象とする空調空間の室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsになるように各室内ユニット4、5の室内膨張弁41、51が制御される。尚、各室内ユニット4、5における目標室内温度Tras、Trbsの設定は、リモートコントローラ48、58によって行われる。また、室外ユニット2の空調能力制御は、制御部8の室外能力制御手段81によって行われ、各室内ユニット4、5の空調能力制御は、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
−冷房運転時−
空調運転が冷房運転である場合において、制御部8の室内能力制御手段82は、各室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度SHra、SHrbが目標過熱度SHras、SHrbsになるように、各室内膨張弁41、51の開度を制御している(以下、この制御を「室内膨張弁による過熱度制御」とする)。ここで、過熱度SHra、SHrbは、吸入圧力センサ31によって検出される吸入圧力Ps、及び、ガス側温度センサ45、55によって検出される室内熱交換器42、52のガス側の冷媒の温度Trga、Trgbから算出される。より具体的には、まず、吸入圧力Psを冷媒の飽和温度に換算して、冷媒回路10における蒸発圧力Peに等価な状態量である蒸発温度Teを得る。ここで、蒸発圧力Peとは、冷房運転時において、室内膨張弁41、51の出口から室内熱交換器42、52を経由して圧縮機21の吸入側に至るまでの間を流れる低圧の冷媒を代表する圧力を意味している。そして、各室内熱交換器42、52のガス側の冷媒の温度Trga、Trgbから蒸発温度Teを差し引くことによって過熱度SHra、SHrbを得る。
また、空調運転が冷房運転である場合において、制御部8の室外能力制御手段81は、冷媒回路10における蒸発圧力Peに相当する蒸発温度Teが目標蒸発温度Tesに近づくように、圧縮機21の運転容量を制御している(以下、この制御を「圧縮機による蒸発温度制御」とする)。ここで、圧縮機21の運転容量の制御は、圧縮機モータ21aの周波数を変更することによって行われる。また、ここでは、制御対象の状態量を蒸発温度Teとしているが、蒸発圧力Peであってもよい。この場合には、目標蒸発温度Tesに相当する目標蒸発圧力Pesを使用すればよい。すなわち、蒸発圧力Peと蒸発温度Te、及び、目標蒸発圧力Pesと目標蒸発温度Tesは、文言自体は異なるが、実質的に同じ状態量を意味している。
このように、冷房運転においては、その基本制御として、室内膨張弁41、51による過熱度制御、及び、圧縮機21による蒸発温度制御が行われるようになっている。そして、空気調和装置1では、このような冷房運転の基本制御によって、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、目標室内温度Tras、Trbsになるようにしている。
−暖房運転時−
空調運転が暖房運転である場合において、制御部8の室内能力制御手段82は、各室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度SCra、SCrbが目標過冷却度SCras、SCrbsになるように、各室内膨張弁41、51の開度を制御している(以下、この制御を「室内膨張弁による過冷却度制御」とする)。ここで、過冷却度SCra、SCrbは、吐出圧力センサ32によって検出される吐出圧力Pd、及び、液側温度センサ44、54によって検出される室内熱交換器42、52の液側の冷媒の温度Trla、Trlbから算出される。より具体的には、まず、吐出圧力Pdを冷媒の飽和温度に換算して、冷媒回路10における凝縮圧力Pcに等価な状態量である凝縮温度Tcを得る。ここで、凝縮圧力Pcとは、暖房運転時において、圧縮機21の吐出側から室内熱交換器42、52を経由して室内膨張弁41、51に至るまでの間を流れる高圧の冷媒を代表する圧力を意味している。そして、凝縮温度Tcから各室内熱交換器42、52の液側の冷媒の温度Trla、Trlbを差し引くことによって過冷却度SCra、SCrbを得る。
また、空調運転が暖房運転である場合において、制御部8の室外能力制御手段81は、冷媒回路10における凝縮圧力Pcに相当する凝縮温度Tcが目標凝縮温度Tcsに近づくように、圧縮機21の運転容量を制御している(以下、この制御を「圧縮機による凝縮温度制御」とする)。ここで、圧縮機21の運転容量の制御は、圧縮機モータ21aの周波数を変更することによって行われる。また、ここでは、制御対象の状態量を凝縮温度Tcとしているが、凝縮圧力Pcであってもよい。この場合には、目標凝縮温度Tcsに相当する目標凝縮圧力Pcsを使用すればよい。すなわち、凝縮圧力Pcと凝縮温度Tc、及び、目標凝縮圧力Pcsと目標凝縮温度Tcsは、文言自体は異なるが、実質的に同じ状態量を意味している。
このように、暖房運転においては、その基本制御として、室内膨張弁41、51による過冷却度制御、及び、圧縮機21による凝縮温度制御が行われるようになっている。そして、空気調和装置1では、このような暖房運転の基本制御によって、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、目標室内温度Tras、Trbsになるようにしている。
(3)室内風量制限制御
上記のような基本制御を伴う空調運転(冷房運転及び暖房運転)を行うと、各室内ユニット4、5における室内温度Tra、Trbが、目標室内温度Tras、Trbsになるように制御される。
ここで、特許文献1のように、圧縮機21による蒸発温度制御や凝縮温度制御に使用される目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsを外気温度Taに応じて変化させることが考えられる。すなわち、冷房運転時においては、外気温度Taが高いほど目標蒸発温度Tesを低くし(逆に、外気温度Taが低いほど目標蒸発温度Tesを高くし)、暖房運転時においては、外気温度Taが低いほど目標凝縮温度Tcsを高くする(逆に、外気温度Taが高いほど目標凝縮温度Tcsを低くする)ことが考えられる。そして、このような目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsの可変を行うと、冷房運転時に外気温度Taが低くて室内ユニット4、5の空調能力が小さい傾向にある場合には、目標蒸発温度Tesが高くなり、暖房運転時に外気温度Taが高くて室内ユニット4、5の空調能力が小さい傾向にある場合には、目標凝縮温度Tcsが低くなるため、室外ユニット2の空調能力の過多が抑制される、すなわち、圧縮機21の運転容量が小さくなる。そうすると、圧縮機21の消費動力を低減することができ、これにより、APFの向上を図ることができる。
しかし、上記のような基本制御を伴う空調運転において、圧縮機21による蒸発温度制御や凝縮温度制御に使用される目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsを外気温度Taに応じて変化させたとしても、室内ユニット4、5における室内ファン43、53の風量設定がリモートコントローラ48、58で手動指示された状態になっていると、不必要に風量が多い場合(例えば、風量Lで十分であるにもかかわらず、風量Hに設定されている場合)であっても、手動指示された風量設定が維持されてしまい、室内ファン43、53の消費動力が無駄になってしまう。
このように、上記のような基本制御を伴う空調運転において、目標蒸発温度Tesや目標凝縮温度Tcsを外気温度Taに応じて変化させるだけでは、圧縮機21の消費動力を低減させる分に応じたAPFの向上を図ることはできるものの、室内ファン43、53の風量が不必要に多い場合には、室内ファン43、53が無駄に動力を消費してしまい、APFの向上が不十分になるおそれがある。
そこで、ここでは、無駄な室内ファン43、53の消費動力を低減して、APFの向上を図ることができるようにするために、室内ファン43、53の風量設定を手動で指示した状態で、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行うようにしている。ここでは、室内風量制限制御として、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを設け、室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを低下させることによって室内風量制限制御を行うようにしている。より具体的には、冷房運転時には、外気温度Taの低下に応じて室内ファン43、53の風量上限Gcxを低下させ、暖房運転時には、外気温度Taの上昇に応じて室内ファン43、53の風量上限Ghxを低下させるようにしている。
次に、室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図5を用いて説明する。ここで、図3は、室内風量制限制御を示すフローチャートであり、図4は、冷房運転時における外気温度Taと室内ファン43、53の風量上限Gcxとの関係を示す図であり、図5は、暖房運転時における外気温度Taと室内ファン43、53の風量上限Ghxとの関係を示す図である。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、まず、ステップST0において、現在の空調運転が冷房運転であるか暖房運転であるかを判定する。そして、ステップST0において、現在の空調運転が冷房運転であると判定された場合には、ステップST1の処理に移行し、現在の空調運転が暖房運転であると判定された場合には、ステップST11の処理に移行する。
次に、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があるかどうかを判定する。ここでは、冷房運転時における外気温度Taが第3外気温度Ta3以下であるかどうかを判定する。ここで、第3外気温度Ta3は、冷房運転時における室内ファン43、53の風量上限Gcxを風量H(すなわち、風量制限なし)から風量Mに制限するかどうかの閾値である(図4参照)。また、暖房運転時においては、外気温度Taが第4外気温度Ta4以上であるかどうかを判定する。ここで、第4外気温度Ta4は、暖房運転時における室内ファン43、53の風量上限Ghxを風量H(すなわち、風量制限なし)から風量Mに制限するかどうかの閾値である(図5参照)。そして、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があると判定された場合には、ステップST2及びST12の処理に移行する。一方、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要がないと判定された場合には、室内ファン43、53の風量設定が制限されない(実質的には、風量上限Gcx、Ghxが風量Hになる)。このため、リモートコントローラ48、58から手動で指示された室内ファン43、53の風量設定が維持されたままで冷房運転や暖房運転が継続されることになる。
次に、ステップST2及びST12において、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを決定する。具体的には、冷房運転時には、図4に示すように、外気温度Taが第2外気温度Ta2〜第3外気温度Ta3の間の温度である場合には、風量上限Gcxを風量Mにし、外気温度Taが第1外気温度Ta1〜第2外気温度Ta2の間の温度である場合には、風量上限Gcxを風量Lにし、外気温度Taが第1外気温度Ta1以下の温度である場合には、風量上限Gcxを風量LLにする。このように、冷房運転時には、外気温度Taの低下に応じて室内ファン43、53の風量上限Gcxを低下させるようにしている。また、暖房運転時には、図5に示すように、外気温度Taが第4外気温度Ta4〜第5外気温度Ta5の間の温度である場合には、風量上限Ghxを風量Mにし、外気温度Taが第5外気温度Ta5〜第6外気温度Ta6の間の温度である場合には、風量上限Ghxを風量Lにし、外気温度Taが第6外気温度Ta6以上の温度である場合には、風量上限Ghxを風量LLにする。このように、暖房運転時には、外気温度Taの上昇に応じて室内ファン43、53の風量上限Ghxを低下させるようにしている。
そして、ステップST2及びステップST12において、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを決定した後は、ステップST3及びステップST13の処理に移行して、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行う。すなわち、室内ファン43、53の風量上限Gcx、GhxをステップST2及びステップST12で決定された風量に設定する。例えば、外気温度Taが第1外気温度Ta1〜第2外気温度Ta2の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で冷房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST2において風量上限Gcxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Hから風量上限Gcxである風量Lに制限される。また、外気温度Taが第5外気温度Ta5〜第6外気温度Ta6の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で暖房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST12において風量上限Ghxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Hから風量上限Ghxである風量Lに制限される。一方、上記の外気温度Taの想定で室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Lに指示された状態で冷房運転や暖房運転を行う場合には、ステップST2及びステップST12において風量上限Gcx、Ghxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Lが維持されることになる。
上記のように、ここでは、室内ファン43、53の風量設定が手動指示された状態で室内風量制限制御を行うことによって、外気温度Taから見て不必要に室内ファン43、53の風量が多い状態である場合に、室内ファン43、53の風量を強制的に少なくすることができる。
これにより、ここでは、無駄な室内ファン43、53の消費動力を低減して、APFの向上を図ることができる。
また、ここでは、上記のように、室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを設けることで室内風量制限制御を行うようにしているため、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定が風量上限Gcx、Ghxよりも高風量である場合に、室内ファン43、53の風量設定を強制的に風量上限Gcx、Ghxまで低下させることができる。一方、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定が風量上限Gcx、Ghx以下の風量である場合には、室内ファン43、53の風量設定を手動で指示された室内ファン43、53の風量設定のままで維持することができる。
これにより、ここでは、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定をできるだけ維持しながら、室内風量制限制御を行うことができる。
尚、上記のような室内風量制限制御は、上記のような利点があるものの、ユーザーが手動で指示した室内ファン43、53の風量設定を無視する場合を発生させるものであるため、室内風量制限制御を適用することを望まないユーザーも存在し得る。
そこで、ここでは、ユーザーの嗜好に応じて室内風量制限制御を適用するかどうかを選択できるようにするために、図2に示すように、室内風量制限設定手段83を制御部8に設けるようにしている。ここでは、室内風量制限設定手段83は、制御部8の室外側制御部37に設けられたメモリであり、空気調和装置1の各種制御設定等を行うための外部機器からの通信によって、室内風量制限制御を適用するかどうかや、外気温度Taと風量上限Gcx、Ghxとの関係値等を設定することができるようになっている。尚、室内風量制限設定手段83は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、室外側制御部37に設けられたディップスイッチ等のように、室内風量制限制御を適用するかどうかや外気温度Ta−風量上限Gcx、Ghxの関係値などを設定することができるものであればよい。
(4)変形例
<A>
上記実施形態の室内風量制限制御を行っている際に、室内の空調負荷が大きくなる等の運転状況の変化が発生すると、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れる場合があるため、この場合に室内ファン43、53の風量設定を低風量側に過度に制限したままにすることは好ましくない。
そこで、ここでは、室内風量制限制御を行っている際に、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れる場合には、室内ファン43、53の風量設定の低風量側への制限を緩和するようにしている。
次に、本変形例における室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図6を用いて説明する。ここで、図6は、本変形例にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、上記実施形態と同様に、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、ステップST3及びST13の室内風量制限制御を行っている際に、ステップST4及びST14の処理を追加して、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れているかどうかを判定する。ここでは、冷房運転時における室内温度Tra、Trbから目標室内温度Tras、Trbsを差し引いた温度差、又は、暖房運転時における目標室内温度Tras、Trbsから室内温度Tra、Trbを差し引いた室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であるかどうかを判定する。そして、ステップST4及びST14において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であると判定された場合には、ステップST5及びST15の処理を追加して、ステップST5及びST15の処理に移行する。一方、ステップST4及びST14において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrsよりも小さいと判定された場合には、ステップST3及びST13で設定された室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを維持する。
次に、ステップST5及びST15において、室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxを緩和する。ここでは、ステップST3及びST13で設定された室内ファン43、53の風量上限Gcx、Ghxから1段階又はそれ以上風量を増加させるようにする。例えば、外気温度Taが第1外気温度Ta1〜第2外気温度Ta2の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で冷房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST2において風量上限Gcxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、ステップST3において、手動指示された風量Hから風量上限Gcxである風量Lに制限される。しかし、ステップST4において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であると判定された場合には、ステップST5において、風量上限Gcxを風量Lから風量Mに増加させることで、低風量側への制限が緩和される。また、外気温度Taが第5外気温度Ta5〜第6外気温度Ta6の間の温度で、かつ、リモートコントローラ48、58から室内ファン43、53の風量設定が手動で風量Hに指示された状態で暖房運転を行う場合を想定する。この場合には、ステップST12において風量上限Ghxが風量Lになるため、室内ファン43、53の風量設定は、手動指示された風量Hから風量上限Ghxである風量Lに制限される。しかし、ステップST14において、室内温度差ΔTrが風量制限緩和温度差ΔTrs以上であると判定された場合には、ステップST15において、風量上限Ghxを風量Lから風量Mに増加させることで、低風量側への制限が緩和される。
これにより、ここでは、外気温度Taだけでなく室内温度Tra、Trbの変化も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
<B>
上記実施形態やその変形例において、室内の空調負荷が大きい場合には、外気温度Taから見て室内ファン43、53の風量が多い状態であったとしても、室内ファン43、53の風量設定を低風量側に制限することは、室内の空調負荷を処理しにくくするため、この場合に室内風量制限制御を行うことは好ましくない。そして、室内の空調負荷が大きい場合には、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れる傾向にある。
そこで、ここでは、外気温度Taから見て室内ファン43、53の風量が多い状態において、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsに近い場合に、室内風量制限制御を行い、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsから離れている場合には、室内風量制限制御を行わないようにしている。
次に、本変形例における室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図7を用いて説明する。ここで、図7は、本変形例にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、上記実施形態や変形例<A>と同様に、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があると判定された場合に、ステップST6及びST16の処理を追加して、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsに近いかどうかを判定する。ここでは、冷房運転時における室内温度Tra、Trbから目標室内温度Tras、Trbsを差し引いた温度差、又は、暖房運転時における目標室内温度Tras、Trbsから室内温度Tra、Trbを差し引いた室内温度差ΔTrが風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定する。そして、ステップST6及びST16において、室内温度差ΔTrが風量制限許容温度差ΔTrss以下であると判定された場合には、ステップST2及びST12の処理に移行する。一方、ステップST6及びST16において、室内温度差ΔTrが風量制限許容温度差ΔTrssよりも大きいと判定された場合には、室内ファン43、53の風量設定を制限せずに、リモートコントローラ48、58から手動で指示された室内ファン43、53の風量設定を維持したままで冷房運転や暖房運転を継続する。
これにより、ここでは、外気温度Taだけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
また、ステップST6及びステップST16における室内温度差ΔTrの判定については、各室内ユニット4、5で判定してもよいし、また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの代表値を使用してまとめて判定してもよい。例えば、各室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの平均値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの最大値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの最小値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。また、室内ユニット4、5の室内温度差ΔTrの加重平均値が風量制限許容温度差ΔTrss以下であるかどうかを判定してもよい。ここで、加重平均値としては、各室内ユニット4、5の運転容量を考慮した値、例えば、Σ(各室内ユニットの運転容量×室内温度差ΔTr)÷室内ユニット数を使用することができる。
<C>
上記実施形態やその変形例において、室内の空調負荷が大きい場合には、外気温度Taから見て室内ファン43、53の風量が多い状態であったとしても、室内ファン43、53の風量設定を低風量側に制限することは、室内の空調負荷を処理しにくくするため、この場合に室内風量制限制御を行うことは好ましくない。そして、室内の空調負荷が大きい場合には、室内熱交換器42、52を流れる冷媒の流量が増加する傾向にある。
そこで、ここでは、ここでは、室内熱交換器42、52を流れる冷媒の流量が増加するにつれて大きくなる室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbによって、室内の空調負荷が大きい場合であるかどうかを判定するようにしている。
次に、本変形例における室内ファン43、53の室内風量制限制御について、図1〜図8を用いて説明する。ここで、図8は、本変形例にかかる室内風量制限制御の要部を示すフローチャートである。尚、室内ファン43、53の室内風量制限制御は、上記実施形態や変形例<A>、<B>と同様に、制御部8の室内能力制御手段82によって行われる。
具体的には、ステップST1及びST11において、室内ファン43、53の風量設定を外気温度Taに応じて強制的に低風量側に制限する必要があると判定された場合に、または、ステップST1及びST11による判定に加えてステップST6及びステップST16において、室内温度Tra、Trbが目標室内温度Tras、Trbsに近いものと判定された場合に、ステップST7及びST17の処理を追加して、室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbが風量制限許可開度MVas、MVbs以下であるかどうかを判定する。そして、ステップST7及びST17において、室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbが風量制限許可開度MVas、MVbs以下であると判定された場合には、ステップST2、ST12の処理に移行する。一方、ステップST7及びステップST17において、室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51の開度MVa、MVbが風量制限許可開度MVas、MVbsよりも大きいと判定された場合には、室内ファン43、53の風量設定を制限せずに、リモートコントローラ48、58から手動で指示された室内ファン43、53の風量設定を維持したままで冷房運転や暖房運転を継続する。
これにより、ここでは、外気温度Taだけでなく室内の空調負荷も考慮した上で、適切に室内風量制限制御を行うことができる。
<D>
上記実施形態やその変形例では、外気温度Taに応じて変更可能な室内ファン43、53の風量上限を設けることで、室内風量制限制御を行うようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、手動で指示された室内ファン43、53の風量設定を、室内風量制限制御が必要と判定された場合に、1段階又はそれ以上低風量側に低下させるようにしてもよい。
<E>
上記実施形態やその変形例では、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うことが可能な空気調和装置1に本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、冷房専用の空気調和装置や暖房専用の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
<G>
上記実施形態やその変形例では、各室内ユニット4、5が室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51を有する空気調和装置1に本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、室外ユニット2に室内流量調節弁としての室内膨張弁41、51を有する空気調和装置に本発明を適用してもよい。
<H>
上記実施形態やその変形例では、複数の室内ユニット4、5が室外ユニット2に接続された空気調和装置1に本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、1台の室内ユニットが室外ユニットに接続された空気調和装置に本発明を適用してもよい。
本発明は、室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置に対して、広く適用可能である。
1 空気調和装置
2 室外ユニット
4、5 室内ユニット
41、51 室内膨張弁(室内流量調節弁)
42、52 室内熱交換器
43、53 室内ファン
特開2002−147823号公報

Claims (5)

  1. 室外ユニット(2)と、室内熱交換器(42、52)及び室内ファン(43、53)を有する室内ユニット(4、5)とを備えており、前記室内ファンの風量設定を手動で指示可能な空気調和装置において、
    前記室内ファンの風量設定を手動で指示した状態で、前記室内ファンの風量設定を外気温度に応じて強制的に低風量側に制限する室内風量制限制御を行う、
    空気調和装置(1)。
  2. 前記室外ユニット(2)又は前記室内ユニット(4、5)は、前記室内熱交換器を流れる冷媒の流量を調節する室内流量調節弁(41、51)を有しており、
    前記室内流量調節弁の開度が風量制限許可開度以下である場合に、前記室内風量制限制御を行う、
    請求項1に記載の空気調和装置(1)。
  3. 前記外気温度に応じて変更可能な前記室内ファン(43、53)の風量上限を設け、
    前記室内ファンの風量上限を低下させることによって前記室内風量制限制御を行う、
    請求項1又は2に記載の空気調和装置(1)。
  4. 冷房運転時には、前記外気温度の低下に応じて前記室内ファン(43、53)の風量上限を低下させ、及び/又は、暖房運転時には、前記外気温度の上昇に応じて前記室内ファンの風量上限を低下させる、
    請求項3に記載の空気調和装置(1)。
  5. 室内温度が目標室内温度から離れる場合には、前記室内ファン(43、53)の風量設定の低風量側への制限を緩和する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和装置(1)。
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