JP2015140878A - 車両のエンジンから補機への動力伝達構造 - Google Patents

車両のエンジンから補機への動力伝達構造 Download PDF

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律 上原
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Abstract

【課題】エンジンの振動に起因した補機の振動による騒音を抑制する。
【解決手段】連結部材33は、第1リンク部材34と、第2リンク部材35と、第1リンク部材34と第2リンク部材35とを回転自在に連結する連結軸36とを有する。第1リンク部材34は、エンジン2側の一端がクランクプーリ7の中央部(クランクシャフト6の後端部)に回転自在に連結され、テンションプーリ27側の他端が連結軸36を介して第2リンク部材35の一端に回転自在に連結される。第2リンク部材35は、他端がテンションプーリ27の中央部に回転自在に連結される。テンションプーリ27を支持する第1ガイド部材28は、床パネル5に固定されることによって左右のサイドフレーム4に対して支持される。連結軸36を支持する第2ガイド部材39は、床パネル5に固定されることによって左右のサイドフレーム4に対して支持される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のエンジンから補機への動力伝達構造に関する。
特許文献1には、リヤエンジンバスのエンジンルーム内に配設されたラジエータ冷却装置に対して適用されたエンジンルームの冷却装置が記載されている。このラジエータ冷却装置の構造は、ラジエータファンと、ラジエータファンの回転軸に固定されたファンプーリと、ラジエータファンの回転軸を中心として少なくとも所定角度揺動可能に固定された矩形板状のプーリブラケットと、プーリブラケットの先端部に回転可能に固定されたアイドラプーリとを含んで構成される。ファンプーリには、アイドラプーリを介してエンジンのクランクプーリから2つのベルトによりファン駆動力が伝達される。エンジンとプーリブラケットとは、長さ調整可能なロッドに連結される。クランクプーリとアイドラプーリとに掛け回されるベルトの張力がロッドによって任意に調整できる。
特開2007−62684号公報
特許文献1に記載のラジエータ冷却装置の構造では、エンジンとプーリブラケットとをロッドによって連結するので、エンジンが駆動した際に、クランクの回転変動やエンジンの剛体振動等(以下、単にエンジンの振動という)がロッドを介してラジエータ冷却装置のラジエータファン(補機)へ入力される。ラジエータファンへ入力されたエンジンの振動は、ラジエータ冷却装置のマウント部や車体フレーム等を介してキャブ等へ入力され、車内の騒音を悪化させるおそれがある。
そこで、本発明は、エンジンの振動に起因した補機の振動による騒音を抑制することが可能な車両のエンジンから補機への動力伝達構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両のエンジンから補機への動力伝達構造は、第1回転軸とエンジン側プーリと第2回転軸と補機側プーリとベルトとテンションプーリと連結部材とを備える。第1回転軸は、車両に搭載されたエンジンによって駆動回転される。エンジン側プーリは、第1回転軸を中心として回転自在に設けられる。第2回転軸は、第1回転軸から離間して設けられると共に車両に搭載された補機を駆動回転する。補機側プーリは、第2回転軸を中心として回転自在に設けられる。ベルトは、エンジン側プーリと補機側プーリとに掛け渡され、エンジン側プーリに連動して補機側プーリを従動回転させてエンジンの動力を補機に伝達する。テンションプーリは、エンジン側プーリと補機側プーリとを結ぶ第1の所定方向と交叉する第2の所定方向へスライド移動自在に車両の車体フレームに対して支持され、スライド移動に応じてベルトの張力を増減させる。連結部材は、エンジンとテンションプーリとを連結しており、ベルトの張力の変動を抑制するように、第1の所定方向に沿った第1回転軸と第2回転軸との相対距離の変動に応じてテンションプーリを第2の所定方向にスライド移動させる。
上記構成では、テンションプーリが車体フレームに対して支持されるので、エンジンの振動に起因した補機の振動が抑制され、補機の振動による騒音を低減することができる。
また、エンジンの振動等に起因して第1回転軸と第2回転軸との相対距離が変動すると、連結部材がベルトの張力の変動を抑制するようにテンションプーリをスライド移動させるので、エンジンの振動等に起因するエンジンから補機への動力の伝達効率の低下を防止することができる。
また、上記連結部材は、エンジン側の一端が第1回転軸に連結されると共にエンジンに対して回転自在であってもよい。
上記構成では、連結部材の一端が第1回転軸に連結されると共にエンジンに対して回転自在であるので、第1回転軸の動きと連動させることができ、第1回転軸の動きに応じてテンションプーリをスライド移動させることができる。
また、上記第1回転軸は、エンジンの出力軸であってもよい。
上記構成では、第1回転軸がエンジンの出力軸であるので、エンジンが出力軸を中心として回転方向に振動した場合の第1回転軸と第2回転軸との相対距離の変動を防止することができる。
また、第1回転軸がエンジンの出力軸であり、且つ連結部材の一端が第1回転軸を中心としてエンジンに対して回転自在に連結される場合には、エンジンが出力軸を中心として回転方向に振動しても、該振動によって第1回転軸及び連結部材の一端がともに移動せず、テンションプーリもスライド移動しない。従って、第1回転軸と第2回転軸との相対距離の変動が発生していないにもかかわらず、テンションプーリがスライド移動してしまうことがなく、テンションプーリの不的確なスライド移動を防止することができる。
また、上記連結部材は、エンジン側に連結される第1のリンク部材と、テンションプーリ側に連結される第2のリンク部材と、第1のリンク部材と第2のリンク部材とを回転自在に連結する連結軸とからなり、連結軸は、スライド移動自在に車体フレームに対して支持されてもよい。
上記構成では、第1回転軸と第2回転軸との相対距離の変動量とテンションプーリのスライド移動の変位量との関係を、ベルトの張力の変化を好適に抑制可能な状態に設定することができる。
また、連結軸が車体フレームに対して支持されているので、エンジンの振動に起因した補機の振動が抑制され、補機の振動による騒音を低減することができる。
また、上記車両のエンジンから補機への動力伝達構造は、テンションプーリの第2の所定方向に対する初期位置を、第1回転軸及び第2回転軸に対して変更する初期位置変更手段を備えてもよい。
上記構成では、初期位置変更手段によってテンションプーリの初期位置が第1回転軸及び第2回転軸に対して変更されると、ベルトの張力も変更される。このため、ベルトの張力を調節するためのアイドラプーリ等の特別なプーリを別途設けることなく、初期位置変更手段によってベルトの張力を調節することができる。
本発明によれば、エンジンの振動に起因した補機の振動による騒音を抑制することができる。
本実施形態に係る車両のエンジンから補機への動力伝達構造が適用されるバスの後面図である。 図1の要部の後面図である。 図2をIII方向から視た側面図である。 他の実施形態に係るガイド部材の模式的な後面図であり、(a)は下方へ縮めた状態を、(b)は、上方へ伸ばした状態を示す。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示し、一点鎖線CLはエンジンの回転軸を示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両のエンジンから補機への動力伝達構造10は、リヤエンジンバス(車両)1の後端部に搭載されるエンジン2とラジエータユニット3とに対して適用される。図2に示すように、リヤエンジンバス1(以下、単にバスという)は、車幅方向両側でバス1の前後に亘って延びる左右1対のサイドフレーム(車体フレーム)4と、左右のサイドフレーム4の後端部に下方から支持された床パネル5とを備える。エンジン2とラジエータユニット3とは、車幅方向に並んでそれぞれの間に間隙を設けた状態でそれぞれ床パネル5に支持される。なお、床パネル5を備えることなく、左右のサイドフレーム4にエンジン2やラジエータユニット3が直接的、又はブラケット等を介して間接的に支持されてもよい。
図2及び図3に示すように、エンジン2は、エンジン2の出力軸であるクランクシャフト(第1回転軸)6と、クランクシャフト6の後端に固定される円板状のクランクプーリ(エンジン側プーリ)7とを有し、バス1の後端部の車幅方向中央部に配置され、エンジンマウント52を介して左右のサイドフレーム4の後端部に下方から支持される。クランクシャフト6及びクランクプーリ7は、エンジン2の回転軸CL(図3参照)を中心として回転自在であり、エンジン2によって駆動回転される。
ラジエータユニット3は、ラジエータ8とラジエータファン(補機)9とシュラウド11とを有し、エンジン2の右側に配置され、床パネル5に固定される基台12に対してブラケット42や防振ゴム43を介して固定される。
ラジエータ8は、上部タンク13、下部タンク14と、上部タンク13と下部タンク14とに挟まれたコア部15とを有する板状の構造体である。エンジン2等によって加熱されたエンジン2等の冷却液が、上部タンク13から下部タンク14へ向かって流下し、コア部15を上方から下方へ流下する際にコア部15の前面から後面へ通過する冷却風との間で熱交換が行われることによって冷却される。冷却された冷却液は、下部タンク14へ流入し、下部タンク14に接続されるラジエータホース16からエンジン2等へ送り込まれる。
シュラウド11は、板状部20と筒状部21とによって一体的に形成され、ラジエータ8のコア部15の後面側の周縁部にボルト等(図示省略)によって固定される。板状部20は、矩形状であって中央部に円形開口を有する。筒状部21は、板状部20の円形開口から連続して後方へ延びる円筒状に形成される。
ラジエータファン9は、ラジエータ8の後面側に配置される軸流ファンであって、ハブ17と、ハブ17の外周から略放射状に延びる複数の羽根18と、ハブ17の中央部から後方へ延びるファン回転軸(第2回転軸)19と、ファン回転軸19の後端部に中央部が固定される円板状のファンプーリ(補機側プーリ)22とを有し、支持部材23によってシュラウド11及びラジエータ8に対して回転自在に支持される。ハブ17と羽根18とは、一体形成され、シュラウド11の筒状部21の内側に配置される。羽根18の先端は、シュラウド11の筒状部21の内周面の近傍に配置される。ファン回転軸19は、エンジン2のクランクシャフト6から第1の所定方向(本実施形態では、右斜め上方向)に離間した位置でエンジン2のクランクシャフト6(エンジン2の回転軸CL)と略平行に延びる。支持部材23は、ファン回転軸19を支持する矩形状の支持板部24と複数の脚部25(本実施形態では4本)とを一体的に有し、複数の脚部25の先端側がシュラウド11の板状部20の後面に固定される。支持部材23の支持板部24は、中央部に円形の貫通孔(図示省略)を有し、該貫通孔にファン回転軸19を挿通させてファン回転軸19をシュラウド11に対して回転自在に支持する。ファン回転軸19は、後述するVベルト26から伝達されるエンジン2の動力によって回転し、ラジエータファン9(ハブ17及び羽根18)を駆動回転する。
エンジン2のクランクプーリ7の外周面、及びラジエータファン9のファンプーリ22の外周面には、周方向に沿って溝部(図示省略)がそれぞれ形成される。エンジン2のクランクプーリ7とラジエータファン9のファンプーリ22とは、環状のVベルト26によって連結される。
Vベルト26は、強靭な心線(図示省略)が内蔵されるゴム製の環状体であって、断面台形状に形成されてクランクプーリ7及びファンプーリ22の溝部(図示省略)に係合する山部(図示省略)を有し、クランクプーリ7とファンプーリ22とに掛け渡される。Vベルト26は、エンジン2に駆動回転されるクランクプーリ7に連動してファンプーリ22を従動回転させてエンジン2の動力をラジエータファン9に伝達する。なお、Vベルト26に代えて、Vリブドベルト等の他の形状のベルトを用いてもよい。
クランクプーリ7とファンプーリ22とに掛け渡されるVベルト26の内側には、第1ガイド部材28に支持されるテンションプーリ27が配置される。クランクプーリ7とファンプーリ22とテンションプーリ27とは、前後方向に略同じ位置に配置される(図3参照)。
第1ガイド部材28は、Vベルト26とシュラウド11との間で前後方向に交叉して上下方向に延びる板状体であって、上部にスライド溝31を有し、ブラケット29や防振ゴム30を介して下部が床パネル5に固定される。すなわち、第1ガイド部材28は、床パネル5に固定されることによって左右のサイドフレーム4に対して支持される。スライド溝31は、クランクシャフト6とファン回転軸19とを結ぶ第1の所定方向に交叉する第2の所定方向に沿って延びる。なお、第1ガイド部材28の形状は、板状に限定されるものではなく、後述するスライド軸32をスライド移動自在に支持できる形状であればよい。
テンションプーリ27は、円板状に形成され、その中央部を挿通するスライド軸32に回転自在に支持される。スライド軸32は、エンジン2の回転軸CLと略平行に後方へ延び、その前端が第1ガイド部材28のスライド溝31に挿入される。スライド軸32の前端部が第1ガイド部材28のスライド溝31に挿入されることによって、テンションプーリ27が第1ガイド部材28に第2の所定方向にスライド移動自在に支持される。すなわち、テンションプーリ27は、スライド軸32を介して第1ガイド部材28に回転自在、且つスライド移動自在に支持される。スライド軸32は、テンションプーリ27よりも後方まで延び、その後端部には後述する連結部材33が連結される。テンションプーリ27の外周面には周方向に沿って溝部(図示省略)が形成される。テンションプーリ27は、クランクプーリ7とファンプーリ22との間でVベルト26に内接し、第2の所定方向へのスライド移動に応じてVベルト26の張力を増減させる。
連結部材33は、エンジン2側に連結される第1リンク部材(第1のリンク部材)34と、テンションプーリ27側に連結される第2リンク部材(第2のリンク部材)35と、第1リンク部材34と第2リンク部材35とを回転自在に連結する連結軸36とを有する。第1リンク部材34は、中央部に第1ターンバックル(初期位置変更手段)37を有する棒状体であって、エンジン2側(一側)の一端がクランクプーリ7の中央部(クランクシャフト6の後端部)に回転自在に連結される。テンションプーリ27側(他側)の第1リンク部材34の他端は、連結軸36を介して第2リンク部材35の一端に回転自在に連結される。第2リンク部材35は、中央部に第2ターンバックル(初期位置変更手段)38を有する棒状体であって、他端がテンションプーリ27の中央部(スライド軸32の後端部)に回転自在に連結される。第1及び第2リンク部材34,35は、それぞれのターンバックル37,38の一端側と他端側とにナット(図示省略)を有する。ターンバックル37,38による第1及び第2リンク部材34,35の伸縮は、ナットをターンバックル37,38側に締め付けることによって規制され、該ナットを緩めることによって許容される。連結軸36は、エンジン2の回転軸CLと略平行に延びる棒状体であって、第1及び第2リンク部材34,35よりも前方へ延び、その前端部が後述する第2ガイド部材39にスライド移動自在に支持される。なお、第1リンク部材34の一端側は、エンジン2に対して回転自在であればよく、例えば、クランクプーリ7の中央部に回転自在に連結される他の部品に対して固定されてもよい。
第2ガイド部材39は、前後方向に交叉して上下方向に延びる板状体であって、上部にスライド溝40を上部に有し、第1ガイド部材28よりもエンジン2側に配置され、ブラケット41や防振ゴム44を介して下部が床パネル5に固定される。すなわち、第2ガイド部材39は、床パネル5に固定されることによって左右のサイドフレーム4に対して支持される。スライド溝40は、クランクシャフト6とファン回転軸19とを結ぶ第1の所定方向に沿って延びる。第2ガイド部材39のスライド溝40に連結軸36の前端部が挿入されることによって、連結軸36が第2ガイド部材39に第1の所定方向にスライド移動自在に支持される。なお、第2ガイド部材39の形状は、板状に限定されるものではなく、連結軸36をスライド移動自在に支持できる形状であればよい。
クランクプーリ7とテンションプーリ27とを連結する連結部材33は、スライド溝31(第2の所定方向)に対するテンションプーリ27の位置を初期位置に規定する。第1リンク部材34や第2リンク部材35は、それぞれの長さを第1ターンバックル37や第2ターンバックル38によって調節することができ、テンションプーリ27の第2の所定方向の初期位置をクランクシャフト6及びファン回転軸19に対して変更することができ、Vベルト26の張力を所定の張力に設定可能である。上記所定の張力は、Vベルト27に対して各種プーリ(クランクプーリ7、ファンプーリ22、及びテンションプーリ27)が空転することなく、エンジン2の動力がラジエータファン9に効率良く伝達されるように実験やシミュレーションや計算などによって求められる。
次に、エンジン2の振動等によってクランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離が変動した場合の連結部材33及びテンションプーリ27の動きについて説明する。エンジン2が振動すると、エンジン2のクランクシャフト6に連結される連結部材33(第1リンク部材34)の一端は、クランクシャフト6と共にファン回転軸19に対して変位する。エンジン2の振動中にクランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離が縮まった場合には、第1リンク部材34の他端側の連結軸36がスライド溝40(第1の所定方向)に沿ってファン回転軸19側(他側)へスライド移動し、第2リンク部材35の他端がスライド溝31(第2の所定方向)に沿って下方側へスライド移動する。すなわち、Vベルト26を緩める方向へクランクシャフト6が移動した場合には、Vベルト26を張る方向へテンションプーリ27を連結部材33がスライド移動させる。一方、エンジン2の振動中にクランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離が離れた場合には、第1リンク部材34の他端側の連結軸36がスライド溝40(第1の所定方向)に沿ってファン回転軸19から離れる方向へスライド移動し、第2リンク部材35の他端がスライド溝31(第2の所定方向)に沿って上方側へスライド移動する。すなわち、Vベルト26を張る方向へクランクシャフト6が移動した場合には、Vベルト26を緩める方向へテンションプーリ27を連結部材33がスライド移動させる。このように、連結部材33は、第1の所定方向に沿ったクランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離の変動に応じて第2の所定方向にVベルト26の張力の変動を抑制するようにテンションプーリ27をスライド移動させる。なお、Vベルト26の張力の変動を抑制するとは、Vベルト26の張力を一定に維持する場合に限られず、各種プーリ(クランクプーリ7、ファンプーリ22、及びテンションプーリ27)の空転を防止できる範囲内でのVベルト26の張力の変化を許容する場合も含む。
第1,第2リンク部材34,35の長さやスライド溝31,40の延びる方向を変更すると、クランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離の変動量に対するテンションプーリ27のスライド移動の変位量が変化する。すなわち、クランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離の変動量とテンションプーリ27のスライド移動の変位量との関係は、各リンク部材34,35の長さやスライド溝31,40の延びる方向によって決まる。この各リンク部材34,35の長さやスライド溝31,40の延びる方向は、クランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離の変動時にVベルト26の張力の変動を抑制できるような長さや方向を実験やシミュレーションや計算などによって求めて設定される。
上記のように構成された車両のエンジンから補機への動力伝達構造10では、エンジン2の振動が連結部材33へ入力され、連結部材33へ入力された振動が連結軸36及びテンションプーリ27から第2ガイド部材39及び第1ガイド部材28へ入力される。第2ガイド部材39及び第1ガイド部材28が左右のサイドフレーム4に対して支持されるので、連結部材33へ入力したエンジン2の振動は、ラジエータファン9には直接入力されず、左右のサイドフレーム4に入力する。従って、エンジン2の振動に起因したラジエータファン9の振動が抑制され、ラジエータファン9の振動による騒音を低減することができる。
また、第1ガイド部材28や第2ガイド部材39は、比較的軽量なので、減衰能力の高い柔らかい防振ゴム30,43を使用することができ、左右のサイドフレーム4に入力する振動を効果的に減衰することができる。このため、エンジン2の振動に起因した騒音をさらに低減することができる。
従って、本実施形態によれば、エンジン2の振動に起因したラジエータファン9の振動による騒音を抑制することができる。
また、エンジン2の振動等に起因してクランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離が変動すると、連結部材33がVベルト26の張力の変動を抑制するようにテンションプーリ27をスライド移動させるので、エンジン2の振動等に起因するエンジン2からラジエータファン9への動力の伝達効率の低下を防止することができる。
また、クランクプーリ7の軸(第1回転軸)がエンジン2の出力軸であるクランクシャフト6であるので、エンジン2がクランクシャフト6を中心として回転方向に振動しても、該振動によってクランクプーリ7の軸は移動しない。このため、エンジン2がクランクシャフト6を中心として回転方向に振動した場合のクランクプーリ7の軸とファン回転軸19との相対距離の変動を防止することができる。
また、第1リンク部材34(連結部材33)の一端がクランクシャフト6に連結されると共にエンジン2に対して回転自在であるので、クランクシャフト6の動きと連動させることができ、クランクシャフト6の動きに応じてテンションプーリ27をスライド移動させることができる。
また、エンジン2がクランクシャフト6を中心として回転方向に振動しても、該振動によってクランクプーリ7の軸(第1回転軸)及び第1リンク部材34の一端が移動しないので、テンションプーリ27もスライド移動しない。従って、エンジン2がクランクシャフト6を中心として回転方向に振動した際に、クランクプーリ7の軸とファン回転軸19との相対距離の変動が発生していないにもかかわらず、テンションプーリ27がスライド移動してしまうことがなく、テンションプーリ27の不的確なスライド移動を防止することができる。
また、第1,第2リンク部材34,35の長さやスライド溝31,40の延びる方向がVベルト26の張力の変化を好適に抑制可能な長さや方向に設定されるので、クランクシャフト6とファン回転軸19との相対距離の変動時のエンジン2からラジエータファン9への動力の伝達効率の低下を防止することができる。
また、第1ターンバックル37や第2ターンバックル38によってテンションプーリ27の第2の所定方向の初期位置がクランクシャフト6及びファン回転軸19に対して変更されると、Vベルト27の張力も変更される。このため、Vベルト27の張力を調節するためのアイドラプーリ等の特別なプーリを別途設けることなく、第1ターンバックル37や第2ターンバックル38によってVベルト27の張力を調節することができる。これにより、例えば、Vベルト27を交換する際のVベルト27の張力の調節を、第1ターンバックル37や第2ターンバックル38によって行うことができる。
なお、本実施形態では、テンションプーリ27や連結部材33の連結軸36を2つのガイド部材(第1ガイド部材28、第2ガイド部材39)が支持したが、これに限定されるものではなく、エンジン2やラジエータファン9(ラジエータユニット3)とは別体のガイド部材であれば、テンションプーリ27及び連結部材33の連結軸36の双方を1つのガイド部材が支持してもよい。
また、テンションプーリ27をVベルト26の外側に配置してVベルト26に外接させてもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、車両のエンジンから補機への動力伝達構造10をリヤエンジンバス1に対して適用したが、これに限定されるものではなく、エンジンと別体に補機を備えている車両であれば、様々な車両に適用することができる。
また、動力伝達構造10を適用可能な補機は、ラジエータファン9に限定されず、エンジンと別体であればよい。例えば、エンジンと別体のオルタネータ、A/Cコンプレッサ、パワーステアリングポンプ等に対して、ラジエータファン9の場合と同様に動力伝達構造10を適用することができる。
また、第1リンク部材34と第2リンク部材35と連結軸36とを有する態様の連結部材33を説明したが、クランクプーリ7の中央部(クランクシャフト6の後端部)とテンションプーリ27の中央部(スライド軸32の後端部)とを連結する1本の連結部材であってもよい。
また、連結部材33の一端がクランクプーリ7の中央部(クランクシャフト6の後端部)に連結された態様について説明したが、連結部材の一端をクランクプーリ7の中央部以外のエンジン2の他の部分に回転自在に連結してもよい。
また、エンジン側プーリの第1回転軸がエンジン2の出力軸(クランクシャフト6)である態様について説明したが、これに限定されるものではなく、エンジン側プーリの第1回転軸は、エンジン2に支持されてエンジン2によって駆動回転されるものであれば他の軸であってもよい。例えば、エンジン2の回転軸CL(クランクシャフト6の軸)とは異なる中心軸の第1回転軸であってもよい。
また、初期位置変更手段として第1ターンバックル37と第2ターンバックル38とを設けたが、初期位置変更手段(第1ターンバックル37、第2ターンバックル38)を省略してもよい。また、第1ターンバックル37及び第2ターンバックル38を省略し、図4に示すように、第1ガイド部材28に代えて上下方向に伸縮可能なガイド部材45を設け、ガイド部材45を初期位置変更手段として機能させてもよい。ガイド部材45は、下側の基部46と上側のガイド部47とハンドル部48とナット51と有し、テンションプーリ27をスライド移動自在に支持する。基部46は、上面に円形の貫通孔(図示省略)を有し、円筒状のハンドル部48を下方から回転自在に支持する。ハンドル部48の内径は、基部46の貫通孔よりも僅かに小さく形成される。ハンドル部48の内周面には雌ネジ(図示省略)が形成されている。ガイド部47は、テンションプーリ27を支持するスライド溝49と、下面から下方へ延びる雄ネジ50(図4(b)参照)を有する。ガイド部47の雄ネジ50は、ハンドル部48の内周面の雌ネジ及びナット51の雌ネジと螺合する。図4(a)に示すように、下方へ縮めた状態のガイド部材45では、ガイド部47の雄ネジ50の根元までナット51とハンドル部48の雌ネジとを螺合させている。この状態で、ナット51をハンドル部48へ向かって締め付けることによって、ハンドル部48の動きを規制する。ガイド部材45を上方へ伸ばすには、ハンドル部48に対してナット51を緩め、ハンドル部48の動きの規制を解除する。ハンドル部48の動きの規制を解除した状態で、ハンドル部48を回してガイド部47を上昇させる。図4(b)に示すように、上方へ伸ばした状態で、ナット51をハンドル部48へ向かって締め付けることによって、ハンドル部48の動きを規制する。これにより、テンションプーリ27の初期位置を上下方向に変更することが可能となり、Vベルト26の張力を調節することができる。
1:リヤエンジンバス(車両)
2:エンジン
3:ラジエータユニット
4:左右1対のサイドフレーム(車体フレーム)
6:クランクシャフト(エンジンの出力軸、第1回転軸)
7:クランクプーリ(エンジン側プーリ)
9:ラジエータファン(補機)
10:車両のエンジンから補機への動力伝達構造
19:ファン回転軸(第2回転軸)
22:ファンプーリ(補機側プーリ)
26:Vベルト(ベルト)
27:テンションプーリ
28:第1ガイド部材
33:連結部材
34:第1リンク部材(第1のリンク部材)
35:第2リンク部材(第2のリンク部材)
36:連結軸
37:第1ターンバックル(初期位置変更手段)
38:第2ターンバックル(初期位置変更手段)
39:第2ガイド部材
45:ガイド部材(初期位置変更手段)

Claims (5)

  1. 車両に搭載されたエンジンによって駆動回転される第1回転軸と、
    前記第1回転軸を中心として回転自在に設けられたエンジン側プーリと、
    前記第1回転軸から離間して設けられると共に前記車両に搭載された補機を駆動回転する第2回転軸と、
    前記第2回転軸を中心として回転自在に設けられた補機側プーリと、
    前記エンジン側プーリと前記補機側プーリとに掛け渡され、前記エンジン側プーリに連動して前記補機側プーリを従動回転させて前記エンジンの動力を前記補機に伝達するベルトと、
    前記エンジン側プーリと前記補機側プーリとを結ぶ第1の所定方向と交叉する第2の所定方向へスライド移動自在に前記車両の車体フレームに対して支持され、前記スライド移動に応じて前記ベルトの張力を増減させるテンションプーリと、
    前記エンジンと前記テンションプーリとを連結しており、前記ベルトの張力の変動を抑制するように、前記第1の所定方向に沿った前記第1回転軸と前記第2回転軸との相対距離の変動に応じて前記テンションプーリを前記第2の所定方向にスライド移動させる連結部材と、を備える
    ことを特徴とする車両のエンジンから補機への動力伝達構造。
  2. 請求項1に記載の動力伝達構造であって、
    前記連結部材は、前記エンジン側の一端が前記第1回転軸に連結されると共に前記エンジンに対して回転自在である
    ことを特徴とする車両のエンジンから補機への動力伝達構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の動力伝達構造であって、
    前記第1回転軸は、前記エンジンの出力軸である
    ことを特徴とする車両のエンジンから補機への動力伝達構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の動力伝達構造であって、
    前記連結部材は、前記エンジン側に連結される第1のリンク部材と、前記テンションプーリ側に連結される第2のリンク部材と、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材とを回転自在に連結する連結軸とからなり、
    前記連結軸は、スライド移動自在に前記車体フレームに対して支持される
    ことを特徴とする車両のエンジンから補機への動力伝達構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の動力伝達構造であって、
    前記テンションプーリの前記第2の所定方向に対する初期位置を、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に対して変更する初期位置変更手段を備える
    ことを特徴とする車両のエンジンから補機への動力伝達構造。
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