JP2015140125A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行レンジへのセレクト操作時から十分な駆動力で走行可能にする。【解決手段】S11でイグニッションスイッチがONされたと判定し、S13でモータを駆動可能と判定する時、S31でエンジンを始動させ、無段変速機構(CVT)を回転可能にする。S32でCVT実変速比Ratioを取得し、S33でモータ最大駆動力Tmmaxおよび路面勾配θから、問題となる駆動力不足なしに発進可能となすのに必要な発進用CVT要求変速比tRatioを算出する。S34〜S37でCVTをtRatioとなるようロー戻し変速させ、Ratio=tRatioになったら、S39でクラッチCLを締結状態にしてCVTを車輪に駆動結合し、その後S40でモータを最大駆動力Tmmaxが発生するよう駆動させ、Tmmaxとの協働によりエンジンが発進時アクセル操作に応じた要求トルクを実現するようエンジンをトルク制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンおよび電動モータを動力源として搭載され、電動モータのみによる電気走行モード(EVモード)と、電動モータおよびエンジンによるハイブリッド走行モード(HEVモード)とを選択可能なハイブリッド車両の制御装置に関し、特にエンジン動力による車両の発進時にエンジン駆動系の無段変速機が最ロー変速比よりもハイ側の変速比となっている所謂ハイ発進時の駆動力不足を改善する技術に関するものである。
ハイブリッド車両としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
このハイブリッド車両は、一方の動力源であるエンジンの出力を無段変速機による無段変速下にクラッチを介して適宜車輪に伝達可能となるようこれらエンジンおよび車輪間を駆動結合し、他方の動力源である電動モータを当該車輪に常時駆動結合した型式のものである。
かかるハイブリッド車両は、エンジンを停止すると共に上記クラッチを解放することで電動モータのみにより車輪を駆動・回生制動するEVモードでの電気走行(EV走行)が可能である一方、エンジンを始動させると共に上記クラッチを締結することで電動モータおよびエンジンにより車輪を駆動するHEVモードでのハイブリッド走行(HEV走行)が可能である。
なお、上記無段変速機およびクラッチの変速制御および断接制御に当たっては、エンジンにより駆動される機動ポンプからの作動媒体を用いて当該無段変速機の変速制御およびクラッチの断接制御を行う。
特開2000−199442号公報
上記ハイブリッド車両の場合、EVモードではエンジンが停止されているため、エンジン駆動される機動ポンプも停止して、作動媒体を吐出しないことから、無段変速機の変速制御およびクラッチの断接制御が不能である。
そのため、EVモードで停車して無段変速機を走行レンジから非走行レンジに切り替え、そのままイグニッションスイッチのOFFによりハイブリッド制御システムを非作動となした場合、無段変速機は以後、EVモードへの移行によりエンジンが停止され、上記クラッチが解放された時(EVモードへ移行した時)の変速比に保持される。
ところで、EVモードへの移行時に無段変速機の変速比が、発進用の最ロー変速比に戻る保証はない。
例えば、HEVモードでの前進走行中に急制動を行った場合、要求駆動力がHEV走行域の正トルクからEV回生域の負トルクに切り替わるが、HEV走行域からEV回生域への移行時に無段変速機のダウンシフトが間に合わず、無段変速機が発進用の最ロー変速比に戻る前にエンジンが停止すると共にクラッチが解放されて、無段変速機が変速不能なEVモードとなり、無段変速機が最ロー変速比よりもハイ側の、EV回生域移行時(EVモード移行時)における変速比に保持されたまま停車に至る。
かかるEVモードの停車状態で、そのままイグニッションスイッチのOFFによりハイブリッド制御システムを非作動となした場合、その後イグニッションスイッチのONによりハイブリッド制御システムを起動させると共に無段変速機を非走行レンジから走行レンジに切り替え、アクセル操作により車両を発進させるとき、当該発進用にエンジンを始動させると共にエンジン駆動される機動ポンプからの作動媒体でクラッチを締結しても、当該クラッチの締結で、無段変速機出力軸の回転が停車中故に0に拘束され、無段変速機内を回転不能に保つため、無段変速機は相変わらず変速不能であってEVモード移行時のハイ側変速比に保持されることから、無段変速機が発進用最ロー変速比よりもハイ側の変速比のままで発進するのを余儀なくされる。
このハイ発進時は、発進用アクセル操作を行っても最ロー変速比で得られるべき規定のトルクを車輪に向かわせることができず、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題を生ずる。
なお、当該不足した駆動力での発進により車両が走行を開始すると、無段変速機の内部が回転するため、機動ポンプからの作動媒体による無段変速機の変速が可能となって無段変速機は発進用最ロー変速比に向けダウンシフトされるものの、このダウンシフトが完了するまでの間は上記の駆動力不足が続いて、発進応答が悪くなるという問題をも生ずる。
本発明は、イグニッションスイッチのONによるハイブリッド制御システムの起動時に、走行レンジへのセレクト操作を待つことなく、上記クラッチ(断接要素)の解放とエンジン始動とにより無段変速機を変速可能状態となして、無段変速機を発進困難な、または発進不能なハイ側変速比からダウンシフトさせることで、上記発進駆動力不足の問題や、発進応答の悪化に関する問題を解消可能にしたハイブリッド車両の制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両の制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず本発明の前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンのほかに電動モータを具え、前記エンジンにより駆動される機動ポンプからの作動媒体で制御される断接要素を介して、前記エンジンおよび無段変速機より成るエンジン駆動系が車輪に切り離し可能に駆動結合され、該断接要素を解放すると共に前記エンジンを停止させることで前記電動モータのみにより前記車輪を駆動する電気走行が可能であるほか、前記エンジンを始動させると共に前記断接要素を締結することで前記電動モータおよびエンジンにより前記車輪を駆動するハイブリッド走行が可能な車両である。
本発明は、かかるハイブリッド車両に対し以下のようなハイブリッド制御システム起動検知手段と、エンジン始動手段と、変速手段と、断接要素締結手段とを設けた構成に特徴づけられる。
ハイブリッド制御システム起動検知手段は、前記電気走行モードでの停車中に、前記両走行モードの選択を司るハイブリッド制御システムが起動されたのを検知するものである。
エンジン始動手段は、該ハイブリッド制御システム起動検知手段によりハイブリッド制御システムの起動が検知されたとき、前記エンジンの始動により前記無段変速機を変速可能状態となすもので、また、
変速手段は、該変速可能状態の無段変速機を、エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比へ向けて変速させるものである。
そして断接要素締結手段、該変速手段による変速の完了後に、前記無段変速機の走行レンジへのセレクト操作に呼応して前記断接要素を締結させるものである。
本発明によるハイブリッド車両の制御装置においては、
電気走行モードでの停車中にハイブリッド制御システムが起動されたのを受けて、エンジンの始動により無段変速機を変速可能状態となし、当該変速可能状態の無段変速機を、エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比へ向けて変速させ、かかる変速の完了後に、無段変速機の走行レンジへのセレクト操作に呼応して断接要素を締結させるため、以下の効果が奏し得られる。
つまり、ハイブリッド制御システムの起動時に、走行レンジへのセレクト操作(発進開始準備)を待つことなく、断接要素の解放とエンジン始動とにより無段変速機を変速可能状態となして、無段変速機を発進困難な、または発進不能なハイ側変速比から上記所定変速比tRatioへダウンシフトさせることとなり、上記した発進駆動力不足の問題や、発進応答の悪化に関する問題を解消することができる。
しかも、走行レンジへのセレクト操作(発進開始準備)前に無段変速機の上記ダウンシフトが終えていることとなり、当該ダウンシフトに要する時間が発進待ち時間にならず、発進の意志を表す操作が行われたら直ちに発進を開始させることができ、発進遅れ時間の発生を皆無となし得てこれによる運転性の悪化に関した問題が生ずることもない。
本発明の第1実施例になる制御装置を具えたハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。 本発明の制御装置を適用可能な他の型式のハイブリッド車両を示し、 (a)は、当該ハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略システム図、 (b)は、当該ハイブリッド車両の駆動系におけるVベルト式無段変速機に内蔵された副変速機の変速摩擦要素の締結論理図である。 図1におけるハイブリッドコントローラが実行するハイ発進防止制御プログラムを示すフローチャートである。 図1におけるハイブリッド車両の走行モード領域線図である。 図3のハイ発進防止制御に際し、目標エンジントルクを設定する要領を説明するための説明図である。 図5の要領で目標エンジントルクを設定した場合における、エンジン運転点の遷移状況を説明するためのエンジン性能線図である。 図3の制御プログラムによるハイ発進防止制御の動作タイムチャートである。 本発明の第2実施例になる制御装置のハイ発進防止制御に先だって実行するハイ発進判定要領を示すフローチャートである。 図8のハイ発進判定結果に応答して実行されるハイ発進防止制御プログラムを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる制御装置を具えたハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。
ハイブリッド車両は、エンジン1および電動モータ2を動力源として搭載され、エンジン1は、スタータモータ3により始動する。
エンジン1は、Vベルト式無段変速機4を介して駆動車輪5に適宜切り離し可能に駆動結合し、Vベルト式無段変速機4は、概略を以下に説明するようなものとする。
このVベルト式無段変速機4は、プライマリプーリ6と、セカンダリプーリ7と、これらプーリ6,7間に掛け渡したVベルト8とからなる無段変速機構CVTを主たる構成要素とする。
プライマリプーリ6はトルクコンバータT/Cを介してエンジン1のクランクシャフトに結合し、セカンダリプーリ7はクラッチCL(断接要素)およびファイナルギヤ組9を順次介して駆動車輪5に結合する。
かくしてクラッチCLの締結状態で、エンジン1からの動力はトルクコンバータT/Cを経てプライマリプーリ6へ入力され、その後Vベルト8、クラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次経て駆動車輪5に達して、ハイブリッド車両の走行に供される。
かかるエンジン動力伝達中、プライマリプーリ6のプーリV溝幅を小さくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を大きくすることで、Vベルト8がプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を大きくされると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を小さくされ、Vベルト式無段変速機4はハイ側プーリ比へのアップシフトを行う。
逆にプライマリプーリ6のプーリV溝幅を大きくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を小さくすることで、Vベルト8がプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を小さくされると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を大きくされ、Vベルト式無段変速機4はロー側プーリ比へのダウンシフトを行う。
電動モータ2はファイナルギヤ組11を介して駆動車輪5に常時結合し、この電動モータ2は、バッテリ12の電力によりインバータ13を介して駆動する。
インバータ13は、バッテリ12の直流電力を交流電力に変換して電動モータ2へ供給すると共に電動モータ2への供給電力を加減して、電動モータ2を駆動力制御および回転方向制御する。
なお電動モータ2は、上記のモータ駆動のほかに発電機としても機能し、後で詳述する回生制動の用にも供する。
この回生制動時はインバータ13が、電動モータ2に回生制動力分の発電負荷をかけてこれを発電機として作用させ、電動モータ2の発電電力をバッテリ12に蓄電する。
図1につき上記した駆動系を具えるハイブリッド車両は、クラッチCLを解放してエンジン1を停止させた状態で、電動モータ2を駆動すると、電動モータ2の動力のみがファイナルギヤ組11を経て駆動車輪5に達し、ハイブリッド車両は電動モータ2のみによる電気走行(EV走行)を行うことができる。
この間、クラッチCLを解放していることで、停止状態のエンジン1と無段変速機構CVTとを連れ回すことがなく、EV走行中の電力消費を抑制することができる。
上記のEV走行状態においてエンジン1をスタータモータ3により始動させると共にクラッチCLを締結させると、エンジン1からの動力がトルクコンバータT/C、プライマリプーリ6、Vベルト8、セカンダリプーリ7、クラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次経て駆動車輪5に達するようになり、ハイブリッド車両はエンジン1および電動モータ2によるハイブリッド走行(HEV走行)を行うことができる。
ハイブリッド車両を上記の走行状態から停車させたり、この停車状態に保つに際しては、駆動車輪5と共に回転するブレーキディスク14をキャリパ15により挟圧して制動することで目的を達する。
キャリパ15は、運転者が踏み込むブレーキペダル16の踏力に応動して負圧式ブレーキブースタ17による倍力下でブレーキペダル踏力対応のブレーキ液圧を出力するマスターシリンダ18に接続し、このブレーキ液圧でキャリパ15を作動させてブレーキディスク14の制動を行う。
なお上記のブレーキ液圧は、アンチスキッド制御時や、後述する回生制動時に、制動力が過大にならないよう、適宜に減圧される。
ハイブリッド車両はEVモードおよびHEVモードのいずれにおいても、運転者がブレーキペダル16を踏み込んで指令する制動力指令またはアクセルペダル19を踏み込んで指令する駆動力指令に応じた制駆動トルクで車輪5を制駆動され、運転者の要求に応じた制駆動力をもって走行される。
ハイブリッド車両の走行モード選択と、エンジン1の出力制御と、電動モータ2の回転方向制御および出力制御と、無段変速機4の変速制御およびクラッチCLの締結、解放制御と、バッテリ12の充放電制御はそれぞれ、ハイブリッドコントローラ21が、対応するエンジンコントローラ22、モータコントローラ23、変速機コントローラ24、およびバッテリコントローラ25を介して当該制御を遂行する。
そのためハイブリッドコントローラ21には、ブレーキペダル16を踏み込む制動時にその踏力Fbrを検出するブレーキペダル踏力センサ26からの信号と、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ27からの信号と、無段変速機4のシフトレバー28が駐車(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進走行(D)レンジのどの位置に操作されているのかを検出する選択レンジセンサ29からの信号と、路面勾配θを検出する勾配センサ30からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21は更に、エンジンコントローラ22、モータコントローラ23、変速機コントローラ24、およびバッテリコントローラ25との間で、内部情報のやり取りを行って、本発明が狙いとする後述のハイ発進防止制御に資する。
エンジンコントローラ22は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答して、エンジン1を出力制御し、
モータコントローラ23は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答してインバータ13を介し電動モータ2の回転方向制御および出力制御を行う。
変速機コントローラ24は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答し、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルを媒体として、無段変速機4(Vベルト式無段変速機構CVT)の変速制御およびクラッチCLの締結、解放制御を行う。
バッテリコントローラ25は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答し、バッテリ12の充放電制御を行う。
なお図1では、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合するため、無段変速機4に専用のクラッチCLを設けたが、
図2(a)に例示するごとく無段変速機4が、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間に副変速機31を内蔵している場合は、副変速機31の変速を司る摩擦要素(クラッチや、ブレーキなど)を流用して、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合することができる。
この場合、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合する専用のクラッチを追設する必要がなくてコスト上有利である。
図2(a)の副変速機31は、複合サンギヤ31s-1および31s-2と、インナピニオン31pinと、アウタピニオン31poutと、リングギヤ31rと、ピニオン31pin, 31poutを回転自在に支持したキャリア31cとからなるラビニョオ型プラネタリギヤセットで構成する。
複合サンギヤ31s-1および31s-2のうち、サンギヤ31s-1は入力回転メンバとして作用するようセカンダリプーリ7に結合し、サンギヤ31s-2はセカンダリプーリ7に対し同軸に配置するが自由に回転し得るようにする。
サンギヤ31s-1にインナピニオン31pinを噛合させ、このインナピニオン31pinおよびサンギヤ31s-2をそれぞれアウタピニオン31poutに噛合させる。
アウタピニオン31poutはリングギヤ31rの内周に噛合させ、キャリア31cを出力回転メンバとして作用するようファイナルギヤ組9に結合する。
キャリア31cとリングギヤ31rとをハイクラッチH/C(断接要素)により適宜結合可能となし、リングギヤ31rをリバースブレーキR/B(断接要素)により適宜固定可能となし、サンギヤ31s-2をローブレーキL/B(断接要素)により適宜固定可能となす。
副変速機31は、変速摩擦要素であるハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを、図2(b)に○印により示す組み合わせで締結させ、それ以外を図2(b)に×印で示すように解放させることにより前進第1速、第2速、後退の変速段を選択することができる。
ハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを全て解放すると、副変速機31は動力伝達を行わない中立状態であり、
この状態でローブレーキL/Bを締結すると、副変速機31は前進第1速選択(減速正回転出力)状態となり、
ハイクラッチH/Cを締結すると、副変速機31は前進第2速選択(直結正回転出力)状態となり、
リバースブレーキR/Bを締結すると、副変速機31は後退変速段選択(減速逆回転出力)状態となる。
図2の無段変速機4は、全ての変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bを解放して副変速機31を中立状態にすることで、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離すことができる。
従って図2の無段変速機4は、副変速機31の変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bが図1におけるクラッチCL、つまり本発明における断接要素に相当し、図1におけるようにクラッチCLを追設することなく、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合することができる。
図2(a)に示すように無段変速機4は、エンジン駆動されるオイルポンプO/P(機動ポンプ)からのオイルを作動媒体とし、変速機コントローラ24がライン圧ソレノイド35、ロックアップソレノイド36、プライマリプーリ圧ソレノイド37、ローブレーキ圧ソレノイド38、ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39およびスイッチバルブ41を介して、以下のように制御する。
なお変速機コントローラ24には、図1につき前述した信号に加えて、車速VSPを検出する車速センサ32からの信号、および車両加減速度Gを検出する加速度センサ33からの信号を入力する。
ライン圧ソレノイド35は、変速機コントローラ24からの指令に応動し、オイルポンプO/Pからのオイルを車両要求駆動力対応のライン圧PLに調圧し、このライン圧PLを常時セカンダリプーリ7へセカンダリプーリ圧として供給することにより、セカンダリプーリ7がライン圧PLに応じた推力でVベルト8を挟圧するようになす。
ロックアップソレノイド36は、変速機コントローラ24からのロックアップ指令に応動し、ライン圧PLを適宜トルクコンバータT/Cに向かわせることで、トルクコンバータT/Cを適宜入出力要素間が直結されたロックアップ状態にする。
プライマリプーリ圧ソレノイド37は、変速機コントローラ24からのCVT変速比指令に応動してライン圧PLをプライマリプーリ圧に調圧し、これをプライマリプーリ6へ供給することにより、プライマリプーリ6のV溝幅と、ライン圧PLを供給されているセカンダリプーリ7のV溝幅とを、CVT変速比が変速機コントローラ24からの指令に一致するよう制御して変速機コントローラ24からのCVT変速比指令を実現する。
ローブレーキ圧ソレノイド38は、変速機コントローラ24が副変速機31の第1速選択指令を発しているとき、ライン圧PLをローブレーキ圧としてローブレーキL/Bに供給することによりこれを締結させ、第1速選択指令を実現する。
ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39は、変速機コントローラ24が副変速機31の第2速選択指令または後退選択指令を発しているとき、ライン圧PLをハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧としてスイッチバルブ41に供給する。
第2速選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをハイクラッチ圧としてハイクラッチH/Cに向かわせ、これを締結することで副変速機31の第2速選択指令を実現する。
後退選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをリバースブレーキ圧としてリバースブレーキR/Bに向かわせ、これを締結することで副変速機31の後退選択指令を実現する。
<ハイ発進防止制御>
上記ハイブリッド車両を、EVモード(エンジン1を停止し、図1の場合クラッチCLを開放状態、図2の場合副変速機31を中立状態にしたモード)での停車中、一旦イグニッションスイッチのOFFにより図1,2のハイブリッド制御システムを非作動にした後、再起動させ、その後に走行(D)レンジへのセレクト操作により車両を発進させるとき、無段変速機4(無段変速機構CVT)が当該発進時に本来選択されるべき最ロー変速比でない場合(所謂ハイ発進時)における駆動力不足および発進応答遅れの問題を解消するため、図1,2のハイブリッドコントローラ21は図3に示すハイ発進防止制御を遂行する。
このハイ発進防止制御を簡単のため、ハイブリッド車両の駆動系が図1に示すようなものである場合につき以下に説明する。
図3に示すハイ発進防止制御を説明する前に、先ずハイ発進状態が発生するシーンの一例を図4に基づき説明する。
図4は、横軸に車速VSP、縦軸に車両の駆動力を目盛ったハイブリッド車両の運転モード領域線図で、上側座標には、比較的低車速および低駆動力域にEV走行域(EVモードによる前進駆動走行域)が、また比較的高車速および大駆動力域にHEV走行域(HEVモードによる前進駆動走行域)が存在する。
また下側座標は、EV回生域(EVモードによる回生制動走行域)である。
運転点A1でのHEV走行中、急制動により運転点がA2に移動すると、要求駆動力がHEV走行域の正トルクからEV回生域の負トルクに切り替わるが、HEV走行域からEV回生域への移行時に無段変速機4(無段変速機構CVT)のダウンシフトが間に合わず、無段変速機4(無段変速機構CVT)が発進用の最ロー変速比に戻る前にEVモードの運転点A2への移行によりエンジン1が停止されると共にクラッチCLが解放状態にされ、無段変速機4(無段変速機構CVT)が回転しなくなることで、それ以上ダウンシフトし得ずに、発進用の最ロー変速比よりもハイ側の、A1→A2移行時(EVモード移行時)における変速比に保持されたまま、EV回生により車両は減速されて、運転点A3で停車に至る。
かかるEVモードの停車状態(運転点A3)で、運転者が一旦イグニッションスイッチのOFFにより図1のハイブリッド制御システムを非作動にした後、このハイブリッド制御システムをイグニッションスイッチのONにより再起動させ、その後に車両の発進を希望して無段変速機4(無段変速機構CVT)を走行(D)レンジにセレクト操作した時、発進用にエンジン1を始動させ、エンジン駆動されるオイルポンプO/PからのオイルでクラッチCLを解放状態から締結状態にするのでは、以下の理由からハイ発進になる。
クラッチCLが上記の通り締結にされると、運転点A3の停車(車速VSP=0)状態であるため、無段変速機4(無段変速機構CVT)内が回転不能であって、無段変速機4(無段変速機構CVT)は変速不能のままであり、上記した最ロー変速比よりもハイ側の変速比に保持される。
このため、図4の運転点A3において車両を発進させるべく、ハイブリッド制御システムをイグニッションスイッチのONにより再起動させ、次いで無段変速機4(無段変速機構CVT)を走行(D)レンジにセレクト操作した後、アクセルペダル19の踏み込みにより車両を矢A4で示すように発進させたとき(図4では矢A4がEV走行域を通過するが、本実施例では電動モータ2が低出力モータでこれのみによる発進が不能であることから、発進時はモータ最大駆動力とエンジントルクとで発進駆動力を賄うものとする)、当初は無段変速機4が発進用最ロー変速比よりもハイ側の変速比のままでのハイ発進を余儀なくされる。
このハイ発進時は、発進用アクセル操作を行っても最ロー変速比で得られるべき規定のトルクを車輪に向かわせることができず、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題を生ずる。
なお、当該不足した駆動力での発進により車両が走行を開始すると、無段変速機4(無段変速機構CVT)の内部が回転するため、オイルポンプO/Pからのオイルによる無段変速機4(無段変速機構CVT)の変速が可能となって無段変速機4(無段変速機構CVT)は発進用の最ロー変速比に向けダウンシフト(ロー戻し変速)されるものの、このダウンシフトが完了するまでの間は上記の駆動力不足が続いて、発進応答が悪くなるという問題をも生ずる。
ハイ発進によるこれら駆動力不足および発進応答遅れの問題を解消するため図1のハイブリッドコントローラ21が実行する図3のハイ発進防止制御を以下に説明する。
ステップS11においては、EVモード(エンジン1が停止され、クラッチCLが解放状態)で、無段変速機4(無段変速機構CVT)が非走行(P,N)レンジにされた停車状態において、イグニッションスイッチのOFF→ONによりハイブリッド制御システムが起動されたか否かをチェックする。
従ってステップS11は、本発明におけるハイブリッド制御システム起動検知手段および非走行レンジセレクト状態検知手段に相当する。
ステップS11で、EVモード、非走行(P,N)レンジ停車中において、イグニッションスイッチのONによるハイブリッド制御システムの起動があったと判定するまでの間は、本発明が狙いとするハイ発進防止制御を行わないことから、制御をステップS12に進め、ここで現在のエンジン停止状態およびクラッチCLの開放状態を継続し、制御をそのまま終了する。
ステップS11で、EVモード、非走行(P,N)レンジ停車中において、イグニッションスイッチのONによるハイブリッド制御システムの起動があったと判定したとき、制御をステップS13に進めて、本発明が狙いとするハイ発進防止制御を以下のごとくに遂行する。
ステップS13においては、電動モータ2が駆動可能か否かをバッテリ2の蓄電状態SOCや、電動モータ2を含むモータ駆動系の異常判定結果や、電動モータ2自身の温度およびモータ制御系の温度からチェックする。
従ってステップS13は、本発明におけるモータアシスト可否判定手段に相当する。
ステップS13において、バッテリ蓄電状態SOCの不足や、電動モータ2を含むモータ駆動系の異常や、電動モータ2自身の温度上昇またはモータ制御系の温度上昇で電動モータ2を駆動させ得ないと判定する場合は、電動モータ2から発進時の助勢力(アシストトルク)を得られず、エンジン1のみによる発進となるため、制御をステップS21〜ステップS30に進めて、エンジン1のみによる発進時のハイ発進防止制御を遂行する。
ステップS13で電動モータ2が駆動可能であると判定する場合は、電動モータ2からの発生可能な駆動力を最大限、発進時の助勢力(アシストトルク)として利用しつつ、エンジン1により車両を発進させることとし、かかる発進のもとでハイ発進が防止されるよう制御をステップS31〜ステップS41に進めて、エンジン1および電動モータ2による発進時のハイ発進防止制御を遂行する。
先ずステップS21〜ステップS30で行う、エンジン1のみによる発進時のハイ発進防止制御を説明する。
ステップS21においては、エンジン1をスタータモータ3により始動させ、クラッチCLの開放状態と相まって、無段変速機4(無段変速機構CVT)をエンジン1により回転可能となし、無段変速機4(無段変速機構CVT)を変速可能な状態にする。
従ってステップS21は、本発明におけるエンジン始動手段に相当する。
ステップS22においては、変速機コントローラ24の内部情報から無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioを取得する。
なお本実施例では、変速機コントローラ24がプライマリプーリ6およびセカンダリプーリ7の回転数から無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioを演算するため、このCVT実変速比Ratioを、上記エンジン1による無段変速機4(無段変速機構CVT)の回転が開始されてからでないと演算し得ず、従ってCVT実変速比Ratioの取得は、ステップS21によるエンジン始動後のステップS22ではじめて取得可能となる。
ステップS23においては、路面勾配θから発進用CVT要求変速比tRatioを算出する。
この発進用CVT要求変速比tRatioは、発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力を受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、Dレンジでの発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における発進用要求変速比であり、路面勾配θが急であるほど最ロー変速比に近い大きな変速比に定め、路面勾配θが緩やかであるほど最ロー変速比から遠いハイ側の変速比に定めること、勿論である。
ステップS24においては、ステップS22で取得した無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioと、ステップS23で算出した発進用CVT要求変速比tRatioとを比較し、CVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比か否かをチェックする。
ステップS24でCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio未満のハイ側変速比であると判定した場合は、発進時の駆動力不足およびこれによる発進応答不良が問題になるハイ発進であることから、ステップS25において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、そのCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatioに向かうようダウンシフトさせる。
ステップS26においては、上記のダウンシフト(ロー戻し変速制御)により無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatioに一致したか否かをチェックし、まだ一致していない間は制御を元に戻してステップS25でのダウンシフト(ロー戻し変速)を継続させ、この継続的なダウンシフトによりRatio=tRatioになったとき制御をステップS27に進めて上記ダウンシフトによるロー戻し変速制御を終了する。
従ってステップS25およびステップS26は、本発明における変速手段に相当する。
当該ロー戻し変速制御の終了時に制御をステップS24に戻すが、この時ステップS24はRatio=tRatioの判定により制御をステップS28に進める。
このステップS28では、ステップS11での判定結果である非走行(P,N)レンジから発進意志を表す走行(D)レンジへのセレクト操作があったか否かをチェックし、走行(D)レンジセレクト操作がなされるまでは、上記のダウンシフト(ロー戻し変速制御)終了時の状態を保つ。
ステップS28で走行(D)レンジセレクト操作があったと判定する時、制御をステップS29に進め、このステップS29では、EVモード故に解放状態であったクラッチCLをDレンジに呼応した締結状態に切り替えるのを許可する。
かかるクラッチCLの締結状態への切り替えは、ステップS25およびステップS26による上記ダウンシフト(ロー戻し変速制御)の完了およびステップS28でのDレンジ検出まで遅延させていたものであるが、ステップS29での許可を受けてクラッチCLの締結状態への切り替えは実行されることとなる。
従ってステップS29は、本発明における断接要素締結手段に相当する。
かかるクラッチCLの開放状態から締結状態への切り替えにより、セカンダリプーリ7が車輪5に対し駆動結合される。
ステップS29によるクラッチCLの締結状態と、前記ステップS21によるエンジン1の始動と相まって、車両はエンジン1からの動力のみによりDレンジ発進され得る状態となる。
この発進時におけるアクセル操作に応じたエンジントルク制御は、ステップS30において以下のごとくに行われる。
ステップS30での発進時エンジントルク制御は、基本的には、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)と車速VSP(CVT出力回転)とからエンジン回転数Neを求め、このエンジン回転数Neと、アクセル開度APOとから、発進時のアクセル操作に応じた目標エンジントルクtTeを求め、この目標エンジントルクtTeをエンジンコントローラ22に指令して、エンジン1をその出力トルクが目標エンジントルクtTeに一致するよう制御する。
但し本実施例のステップS30においては、CVT変速比Ratio(=tRatio)ごとに、アクセル開度APOと、車速VSPと、目標エンジントルクtTeとの関係に係わるマップを予め用意しておき、これらマップのうち、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)に対応するマップを基にアクセル開度APOおよび車速VSPから目標エンジントルクtTeを求め、これをエンジンコントローラ22に指令してエンジン1のトルク制御に資することとする。
次に、ステップS13で電動モータ2が駆動可能であると判定した場合にステップS31〜ステップS41で行われる、電動モータ2からのアシスト力およびエンジン1からのトルクによる発進時のハイ発進防止制御を説明する。
この発進時は前記した通り、電動モータ2からの発生可能な駆動力を最大限、発進時の助勢力(アシストトルク)として利用しつつ、エンジン1により車両を発進させることとし、かかるエンジン1および電動モータ2による発進時のハイ発進を以下のごとくに防止する。
ステップS13で電動モータ2が駆動可能であると判定した場合に選択されるステップS31においては、エンジン1をスタータモータ3により始動させて、無段変速機4(無段変速機構CVT)の内部を回転させることにより、無段変速機4(無段変速機構CVT)を変速可能な状態にする。
従ってステップS32は、本発明におけるエンジン始動手段に相当する。
次のステップS32においては、変速機コントローラ24の内部情報から無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioを取得する。
なお本実施例では、ステップS22につき前述したように、変速機コントローラ24がプライマリプーリ6およびセカンダリプーリ7の回転数から無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioを演算するため、このCVT実変速比Ratioを、上記エンジン1による無段変速機4(無段変速機構CVT)の回転が開始されてからでないと演算し得ず、従ってCVT実変速比Ratioの取得は、ステップS31によるエンジン始動後のステップS32ではじめて取得可能となる。
ステップS33においては、電動モータ2を含むモータ駆動系が発生可能な最大駆動力Tmmaxおよび路面勾配θから発進用CVT要求変速比tRatioを算出する。
この発進用CVT要求変速比tRatioは、発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力と、電動モータ2(モータ駆動系)が発生可能な最大正転駆動力Tmmaxとの合計トルクを受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、Dレンジでの発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における発進用要求変速比であり、路面勾配θが急であるほど最ロー変速比に近い大きな変速比に定め、路面勾配θが緩やかであるほど最ロー変速比から遠いハイ側の変速比に定める。
ステップS34においては、ステップS32で取得した無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioと、ステップS33で算出した発進用CVT要求変速比tRatioとを比較し、CVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比か否かをチェックする。
ステップS34でCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio未満のハイ側変速比であると判定した場合は、発進時の駆動力不足およびこれによる発進応答不良が問題になるハイ発進であることから、ステップS35において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、そのCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatioに向かうようダウンシフトさせる。
ステップS36においては、上記のダウンシフト(ロー戻し変速制御)により無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatioに一致したか否かをチェックし、まだ一致していない間は制御を元に戻してステップS35でのダウンシフトを継続させ、この継続的なダウンシフトによりRatio=tRatioになったとき制御をステップS37に進めて上記ダウンシフトによるロー戻し変速制御を終了する。
従ってステップS35およびステップS36は、本発明における変速手段に相当する。
当該ロー戻し変速制御の終了時に制御をステップS34に戻すが、この時ステップ34はRatio=tRatioの判定により制御をステップS38に進める。
このステップS38では、ステップS11での判定結果である非走行(P,N)レンジから発進意志を表す走行(D)レンジへのセレクト操作があったか否かをチェックし、走行(D)レンジセレクト操作がなされるまでは、上記のダウンシフト(ロー戻し変速制御)終了時の状態を保つ。
ステップS38で走行(D)レンジセレクト操作があったと判定する時、制御をステップS39に進め、このステップS39では、EVモード故に解放状態であったクラッチCLをDレンジに呼応した締結状態に切り替えるのを許可する。
かかるクラッチCLの締結状態への切り替えは、ステップS35およびステップS36による上記ダウンシフト(ロー戻し変速制御)の完了およびステップS38でのDレンジ検出まで遅延させていたものであるが、ステップS39での許可を受けてクラッチCLの締結状態への切り替えは実行されることとなる。
従ってステップS39は、本発明における断接要素締結手段に相当する。
かかるクラッチCLの開放状態から締結状態への切り替えにより、セカンダリプーリ7が車輪5に対し駆動結合される。
ステップS39によるクラッチCLの締結状態と、前記ステップS31によるエンジン1の始動と相まって、エンジン1からの動力により車両を発進させ得る状態となり、この発進に際しては、先ずステップS40において、電動モータ2(モータ駆動系)の最大正転駆動力Tmmaxで発進駆動力のアシストを行うべく、電動モータ2の最大正転駆動力Tmmaxをモータコントローラ23に指令する。
これにより電動モータ2(モータ駆動系)は、最大駆動力Tmmaxを発生するよう正転駆動され、この最大正転駆動力Tmmaxで車両の発進を助勢する。
他方で発進時におけるアクセル操作に応じたエンジントルク制御は、ステップS41において以下のごとくに行われる。
ステップS41での発進時エンジントルク制御は、基本的には、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)と車速VSP(CVT出力回転)とからエンジン回転数Neを求め、このエンジン回転数Neと、アクセル開度APOとから、発進時のアクセル操作に応じた要求駆動力tTdを求める。
或るエンジン回転数Ne(CVT変速比Ratioと車速VSPとの組み合わせ)について、アクセル開度APOと発進時要求駆動力tTdとの関係を示した図5を基に説明すると、アクセル開度APOが「APO_1」である場合における発進時要求駆動力tTdは「tTd_1」である。
なお図5のエンジンアイドル分Teiは、エンジン1が自立運転するのに必要なトルク分であるため、発進時のアシストトルクには使えない。
次に、この発進時要求駆動力tTd(=tTd_1)から電動モータ2(モータ駆動系)の最大正転駆動力Tmmaxを差し引いて目標エンジントルクtTeを求め、この目標エンジントルクtTeをエンジンコントローラ22に指令して、エンジン1をその出力トルクが目標エンジントルクtTeに一致するよう制御する。
かくして当該エンジン出力トルク(tTe)は、電動モータ2(モータ駆動系)からの最大正転駆動力Tmmaxとで、発進時要求駆動力tTd(=tTd_1)を実現し、車両をアクセル開度APOごとに、問題となる駆動力不足および発進応答遅れなしに発進させることができる。
ただし本実施例のステップS41においては、CVT変速比Ratio(=tRatio)ごとに、アクセル開度APOと、車速VSPと、目標エンジントルクtTeとの関係に係わるマップを予め用意しておき、これらマップのうち、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)に対応するマップを基にアクセル開度APOおよび車速VSPから目標エンジントルクtTeを求め、これをエンジンコントローラ22に指令してエンジン1のトルク制御に資することとする。
上記した通り、電動モータ2(モータ駆動系)の最大正転駆動力Tmmaxによるアシスト下に行われる発進時エンジントルク制御によれば、
図6のエンジン性能線図において、HP_2等馬力線上の運転点B1を、電動モータ2(モータ駆動系)の最大正転駆動力Tmmaxによるアシスト分だけ小さなHP_1等馬力線上の運転点B2に移動でき、更に、電動モータ2(モータ駆動系)の最大正転駆動力Tmmaxによるアシスト分だけ発進用CVT要求変速比tRatioをハイ側の変速比に設定し得ることから、エンジン回転数Neがその分(ΔNe)だけ低下して運転点をB2からB3へと移動させることができる。
本実施例では、これらエンジン出力の低下(HP_2→HP_1)およびエンジン回転数Neの低下(ΔNe)により、エンジンの燃費を向上させることができる。
<第1実施例の効果>
上記した本実施例のハイ発進防止制御によれば、エンジン1を停止させ、クラッチCLを解放状態にしたEVモードで、一旦イグニッションスイッチのOFFにより図1のハイブリッド制御システムを非作動にした停車中、イグニッションスイッチのONによりハイブリッド制御システムが起動させるとき(ステップS11)、エンジンの始動(ステップS21またはステップS31)により無段変速機4(無段変速機構CVT)を回転状態(変速可能状態)となし、当該変速可能状態の無段変速機4(無段変速機構CVT)を、エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比tRatioへ向けてダウンシフトさせ(ステップS25およびステップS26、またはステップS35およびステップS36)、かかるロー戻し変速の完了後に(ステップS24またはステップS34)、無段変速機4(無段変速機構CVT)の走行(D)レンジへのセレクト操作(ステップS28またはステップS38)に呼応してクラッチCLを締結させるため(ステップS29またはステップS39)、以下の効果が奏し得られる。
つまり、イグニッションスイッチのONによるハイブリッド制御システムの起動時に、走行(D)レンジへのセレクト操作(発進開始準備)を待つことなく、クラッチCLの解放(ステップS11:EVモード)とエンジン始動(ステップS21またはステップS31)とにより無段変速機4(無段変速機構CVT)を変速可能状態となして、無段変速機4(無段変速機構CVT)を発進困難な、または発進不能なハイ側変速比から所定変速比tRatioへダウンシフト(ロー戻し変速)させることとなり、上記した発進駆動力不足の問題や、発進応答の悪化に関する問題を解消することができる。
しかも、走行(D)レンジへのセレクト操作(発進開始準備)前に無段変速機4(無段変速機構CVT)の上記ダウンシフト(ロー戻し変速)が終えていることとなり、当該ダウンシフト(ロー戻し変速)に要する時間が発進待ち時間にならず、発進の意志を表す操作が行われたら直ちに発進を開始させることができ、発進遅れ時間の発生を皆無となし得てこれによる運転性の悪化に関した問題が生ずることもない。
上記した本実施例の効果を図7の動作タイムチャートにより付言するに、この図7は、EVモード(エンジン1が停止され、クラッチCLがクラッチ圧Pc=プリロード相当圧により解放状態)で、一旦イグニッションスイッチのOFFにより図1のハイブリッド制御システムを非作動にし、且つブレーキ操作により停車した状態において、運転者が発進を希望し、イグニッションスイッチのONによりハイブリッド制御システムを起動させたのを受け(ステップS11)、当該ハイブリッド制御システム起動瞬時t1にエンジン始動指令(ステップS31)が発せられた場合の動作タイムチャートである。
本実施例によれば、EVモード(エンジン1が停止され、クラッチCLが解放状態)での停車中、運転者がイグニッションスイッチのONによりハイブリッド制御システムを起動させたのを受け(ステップS11)、当該ハイブリッド制御システム起動瞬時t1から瞬時t2の間にエンジン1を始動させて運転状態となし(ステップS31)、オイルポンプO/Pからの吐出オイルでクラッチCLおよび無段変速機構CVTを制御可能にする。
而して当初はその後もクラッチCLはクラッチ圧Pc=プリロード相当圧により解放状態のままとし、これにより停車状態であっても無段変速機4(無段変速機構CVT)を、内部がエンジン1により回転されて変速可能な状態となす。
その後、瞬時t3においてエンジン駆動による発進時に要求される発進用CVT要求変速比tRatioを算出する(ステップS33)。
そして、瞬時t3〜t5において上記のように変速可能な状態にされた無段変速機4(無段変速機構CVT)を発進用CVT要求変速比tRatioに向かうようダウンシフト(ロー戻し変速)制御することで(ステップS35およびステップS36)、CVT実変速比Ratioを瞬時t4〜t5において発進用CVT要求変速比tRatioに近づけ、最終的に瞬時t5にCVT実変速比Ratioを発進用CVT要求変速比tRatioに一致させる。
瞬時t3〜t5における無段変速機4(無段変速機構CVT)のダウンシフト(ロー戻し変速)制御によりCVT実変速比Ratioが図7に示した時系列変化をもって発進用CVT要求変速比tRatioに向かうことで、図7に実線で示したエンジン回転数Neに対しプライマリプーリ回転数Npri、セカンダリプーリ回転数Nsecおよび副変速機出力回転数Noはそれぞれ、図7に一点鎖線、二点鎖線および破線で示したように時系列変化する。
運転者が発進意志を表すDレンジセレクト操作(ステップS38)を行う瞬時t6より、クラッチCLを図7に示したクラッチ圧Pcの上昇により締結進行させ、瞬時t7にクラッチCLの解放状態から締結状態に切り替える(ステップS39)。
この状態で、ブレーキペダル16からアクセルペダル19への踏み替えによりアクセル開度APOを図7のごとくに増大させる発進操作を行う瞬時t7以降、電動モータ2をモータトルクTmが最大駆動力Tmmaxとなるよう駆動力制御し(ステップS40)、これによるアシストを受けてエンジン1がアクセル開度APO対応の発進時要求駆動力を実現するようエンジン1をトルク制御して(ステップS41)、車速VSPの時系列変化により示すように車両をDレンジ発進させることができる。
ところで本実施例においては、イグニッションスイッチのONによるハイブリッド制御システムの起動時t1に、走行(D)レンジへのセレクト操作(瞬時t6の発進開始準備)を待つことなく、クラッチCLの解放(ステップS11:EVモード)とエンジン始動(ステップS31)とにより無段変速機4(無段変速機構CVT)を変速可能状態となして、無段変速機4(無段変速機構CVT)を発進困難な、または発進不能なハイ側変速比から発進用要求変速比tRatioへダウンシフトさせるロー戻し変速を完了することとなり、発進駆動力不足の問題や、発進応答の悪化に関する問題を解消することができる。
しかも、走行(D)レンジへのセレクト操作(発進開始準備)瞬時t6よりも前の瞬時t5に無段変速機4(無段変速機構CVT)の上記ダウンシフト(ロー戻し変速)が完了していることから、当該ダウンシフト(ロー戻し変速)に要する時間(t3〜t5の時間)が発進操作瞬時t7に及ばないことから発進待ち時間にとらず、発進の意志を表す操作が行われたら直ちに発進を開始させることができ、発進遅れ時間の発生を皆無となし得てこれによる運転性の悪化に関した問題が生ずることもない。
なお本実施例では、無段変速機4(無段変速機構CVT)が非走行(P,N)レンジにされた停車状態において、イグニッションスイッチのONによりハイブリッド制御システムが起動されたとき(ステップS11)、エンジン始動(ステップS21またはステップS31)とロー戻し変速制御(ステップS25およびステップS26、またはステップS35およびステップS36)とによる上記のハイ発進防止制御を行うようにしたため、Dレンジセレクト操作(発進準備)の目にロー戻し変速制御を完了させることができて、上記の効果を一層確実なものにすることができる。
更に本実施例では、電動モータ2が駆動不能か駆動可能かに応じ(ステップS13)、電動モータ2が駆動可能なら、上記の発進用CVT要求変速比tRatioをステップS33につき前述したように定めるため、
つまり、発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力と、電動モータ2(モータ駆動系)が発生可能な最大駆動力Tmmaxとの合計トルクを受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における発進用要求変速比を発進用CVT要求変速比tRatioと定めるため、
この発進用CVT要求変速比tRatioが、電動モータ2(モータ駆動系)の最大駆動力Tmmaxによるアシストトルク分だけハイ側の変速比となる。
このため、ステップS35およびステップS36による無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速量が、電動モータ2(モータ駆動系)の最大駆動力Tmmaxによるアシストトルク分だけ少なくなって、ステップS35およびステップS36による無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速時間を短縮することができ、ロー戻し変速後に開始されるエンジントルクをも用いた発進の開始タイミングが早まり、その分だけ発進応答を改善することができる。
なお、電動モータ2が駆動不能な場合(ステップS13)、上記の発進用CVT要求変速比tRatioをステップS23につき前述したように定めるため、
つまり、発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力トルクのみを受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における発進用要求変速比を発進用CVT要求変速比tRatioと定めるため、
この発進用CVT要求変速比tRatioが、もともとの発進用変速比である最ロー変速比よりもハイ側の変速比となる。
このため、ステップS25およびステップS26による無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速量が、発進用CVT要求変速比tRatioと最ロー変速比との差分だけ少なくなって、ステップS25およびステップS26による無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速時間を短縮することができ、ロー戻し変速後に開始されるエンジントルクをも用いた発進の開始タイミングが早まり、その分だけ発進応答を改善することができる。
但し、ステップS25およびステップS26による無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速時間が長くても差し支えない場合、発進用CVT要求変速比tRatioに代えて最ロー変速比を用いてもよく、この場合、発進用CVT要求変速比tRatioを演算する必要がなくてハイブリッドコントローラ21の演算負荷を軽減し得るという効果を得ることができる。
加えて本実施例では、ステップS23およびステップS33で求める発進用CVT要求変速比tRatioを、路面勾配θが急であるほど最ロー変速比に近い大きな変速比に定め、路面勾配θが緩やかであるほど最ロー変速比から遠いハイ側の変速比に定めたことで、上記発進応答の改善効果を如何なる路面勾配θのもとでも享受することができる。
<第2実施例の構成>
図8,9は、本発明の第2実施例になる制御装置のハイ発進防止制御プログラムで、図8はハイ発進防止制御を行うべきか否かを判定するハイ発進判定要領を、また図9は、図8でハイ発進防止制御を行うべきとの判定時に実行するハイ発進防止制御要領をそれぞれ示す。
前記した第1実施例では、図3のステップS22およびステップS32において取得するCVT実変速比Ratioを、プライマリプーリ6およびセカンダリプーリ7の回転数から演算するため、このCVT実変速比Ratioを、ステップS21およびステップS31でのエンジン始動にによる無段変速機4(無段変速機構CVT)の回転が開始されてからでないと演算し得ず、従ってハイ発進であるか否かにかかわらず無条件に図3のハイ発進防止制御を開始させることとなる。
しかし、プライマリプーリ6およびセカンダリプーリ7のプーリ溝幅を検出するストロークセンサでCVT実変速比Ratioを検出する場合や、停車時のCVT実変速比Ratioを記憶しておく場合、無段変速機4(無段変速機構CVT)が回転されなくてもCVT実変速比Ratioの検出が可能であり、この場合、前もってハイ発進を判定し、ハイ発進であるとの判定時にのみ図3に対応する図9のハイ発進防止制御を遂行させるようにすることができる。
そのため第2実施例では、ストロークセンサや、停車時の記憶値から得られたCVT実変速比Ratioを用いて図8のハイ発進判定を行い、ハイ発進であるとの判定時に限り、図9のハイ発進防止制御を開始させることとする。
図8のハイ発進判定に際しては、先ずステップS51で上記プーリ溝幅ストロークセンサの検出値から求めた(または、停車時に記憶しておいた)実変速比Ratioを読み込む。
従ってステップS51は、本発明における変速比検出手段に相当する。
ステップS52においては、図3のステップS13におけると同様にして電動モータ2が駆動可能か否かをチェックし、電動モータ2が駆動可能であればステップS53において、図3のステップS33と同様な要領で、また電動モータ2が駆動不能であればステップS54において、図3のステップS23と同様な要領で、発進用CVT要求変速比tRatioを算出する。
ステップS55においては、ステップS51で読み込んだCVT実変速比Ratioと、ステップS53またはステップS54で算出した発進用CVT要求変速比tRatioとを、図3のステップS24およびステップS34におけると同様な要領で対比し、CVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比か否かをチェックする。
ステップS55でCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio未満のハイ側変速比であると判定した場合は、発進時の駆動力不足およびこれによる発進応答不良が問題になるハイ発進であることから、ステップS56において図9のハイ発進防止制御を遂行するよう指令する。
しかしステップS55でCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比であると判定した場合は、発進時の駆動力不足およびこれによる発進応答不良が問題にならない非ハイ発進であることから、ステップS57において図9のハイ発進防止制御を禁止し、通常の(ロー戻し変速の無い)発進制御を遂行するよう指令する。
従ってステップS57は、本発明におけるハイ発進防止制御禁止手段に相当する。
図9のハイ発進防止制御は、図3からステップS22、ステップS23、ステップS32およびステップS33を除去したもので、それ以外は図3のハイ発進防止制御と同様なものとするため、ここでの重複説明を避けた。
但し、図9のステップS24およびステップS34におけるCVT実変速比Ratioは、図8のステップS51で読み込んだCVT実変速比Ratioを用い、図9のステップS24における発進用CVT要求変速比tRatioは、図8のステップS54で算出した発進用CVT要求変速比tRatioを用い、図9のステップS34における発進用CVT要求変速比tRatioは、図8のステップS553で算出した発進用CVT要求変速比tRatioを用いる。
<第2実施例の効果>
第2実施例のハイ発進防止制御によっても、前記した第1実施例と同様な効果が奏し得られるが、第2実施例では、図8のステップS55でCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio未満のハイ側変速比であると判定した場合のみ、つまり発進時の駆動力不足およびこれによる発進応答不良が問題になるハイ発進である場合のみ、図9のハイ発進防止制御を遂行し、ステップS55でCVT実変速比Ratioが発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比であると判定した場合(発進時の駆動力不足およびこれによる発進応答不良が問題にならない非ハイ発進時)は、図9のハイ発進防止制御を禁止し、通常の(ロー戻し変速の無い)発進制御を遂行することから、不要なハイ発進制御が行われる愚を避けることができる。
<その他の実施例>
なお第1,2の何れの実施例も、ハイブリッド車両の駆動系が図1のようなものであることから、つまり無段変速機4(無段変速機構CVT)と車輪5との間がクラッチCLで断接可能に駆動結合され、エンジン1をDレンジでの前進走行にしか用いないものであることから、Dレンジ前進時のハイ発進防止制御について説明したが、
ハイブリッド車両の駆動系が図2のようなものである場合、つまり無段変速機4(無段変速機構CVT)と車輪5との間が、後退変速段を選択可能な副変速機31で断接可能に駆動結合され、エンジン1をRレンジでの後退走行にも用いるものである場合、Rレンジ後退時のハイ発進防止も同様な考え方に基づき同様に遂行可能である。
1 エンジン(動力源)
2 電動モータ(動力源)
3 スタータモータ
4 Vベルト式無段変速機
5 駆動車輪
6 プライマリプーリ
7 セカンダリプーリ
8 Vベルト
CVT 無段変速機構
T/C トルクコンバータ
CL クラッチ(断接要素)
9,11 ファイナルギヤ組
12 バッテリ
13 インバータ
14 ブレーキディスク
15 キャリパ
16 ブレーキペダル
17 負圧式ブレーキブースタ
18 マスターシリンダ
19 アクセルペダル
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 変速機コントローラ
25 バッテリコントローラ
26 ブレーキペダル踏力センサ
27 アクセル開度センサ
29 選択レンジセンサ
30 路面勾配センサ
O/P オイルポンプ(機動ポンプ)
31 副変速機
H/C ハイクラッチ(断接要素)
R/B リバースブレーキ(断接要素)
L/B ローブレーキ(断接要素)
32 車速センサ
33 車両加速度センサ
35 ライン圧ソレノイド
36 ロックアップソレノイド
37 プライマリプーリ圧ソレノイド
38 ローブレーキ圧ソレノイド
39 ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド
41 スイッチバルブ

Claims (7)

  1. 動力源としてエンジンのほかに電動モータを具え、前記エンジンにより駆動される機動ポンプからの作動媒体で制御される断接要素を介して、前記エンジンおよび無段変速機より成るエンジン駆動系が車輪に切り離し可能に駆動結合され、該断接要素を解放すると共に前記エンジンを停止させることで前記電動モータのみにより前記車輪を駆動する電気走行が可能であるほか、前記エンジンを始動させると共に前記断接要素を締結することで前記電動モータおよびエンジンにより前記車輪を駆動するハイブリッド走行が可能なハイブリッド車両において、
    前記電気走行モードでの停車中に、前記両走行モードの選択を司るハイブリッド制御システムが起動されたのを検知するハイブリッド制御システム起動検知手段と、
    該手段によりハイブリッド制御システムの起動が検知されたとき、前記エンジンの始動により前記無段変速機を変速可能状態となすエンジン始動手段と、
    該変速可能状態の無段変速機を、エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比へ向けて変速させる変速手段と、
    該手段による変速の完了後に、前記無段変速機の走行レンジへのセレクト操作に呼応して前記断接要素を締結させる断接要素締結手段と
    を具備して成ることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記無段変速機が非走行レンジにセレクト操作された状態であるのを検知する非走行レンジセレクト状態検知手段を設け、
    該手段により非走行レンジセレクト状態が検知されていることを条件として前記エンジン始動手段は、前記エンジン始動により無段変速機を変速可能状態となすものであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比は、該発進時に必要な発進時要求駆動力を実現可能な発進用要求変速比であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1または2に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記発進に際し前記電動モータの駆動力を発進アシスト力として利用可能か否かを判定するモータアシスト可否判定手段と、
    該手段により電動モータの発進アシストが可能と判定された場合、前記エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比は、該電動モータからのアシスト力と協働して前記エンジンが、前記発進時に必要な発進時要求駆動力を実現可能な発進用要求変速比であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記電動モータからの発進アシスト力は、該電動モータの電源を含むモータ駆動系が出力可能な最大駆動力であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比は、車両発進路面勾配が緩やかであるほどハイ側の変速比であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記無段変速機の非回転状態で該無段変速機の実変速比を検出可能な変速比検出手段を設け、
    該手段により検出した実変速比が、前記エンジン駆動による発進時に要求される所定変速比以上のロー側変速比であるとき、前記エンジン始動手段、変速手段および断接要素締結手段によるハイ発進防止制御を禁止して、前記エンジンを停止状態に、また前記断接要素を解放状態に保つことで、前記無段変速機の変速が行われないようにするハイ発進防止制御禁止手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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