JP2015134468A - インクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法 Download PDF

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【課題】記録ヘッドの自動メンテナンスを、吐出不良の発生確率に適応させた適切な間隔で実施することができるインクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法を提供すること。【解決手段】記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値を検出する累積値検出手段と、累積要素の累積値を、自動メンテナンスの実施時期を示すメンテナンス指標と対比し、該メンテナンス指標に達した場合にメンテナンス手段を稼働して記録ヘッドの自動メンテナンスを実施すると共に、画像記録の継続に伴い、累積要素の累積値と対比するメンテナンス指標を、第1のメンテナンス指標から、該第1のメンテナンス指標よりも小さい第2のメンテナンス指標への置き換えを少なくとも1回行う制御手段とを有する。【選択図】図3

Description

本発明はインクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法に関し、詳しくは、記録ヘッドの自動メンテナンスを適切な間隔で実施することができるようにしたインクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法に関する。
記録ヘッドのノズルから記録媒体上にインク滴を吐出することによって所定の画像を記録するインクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出不良による画像劣化を防止するために記録ヘッドのメンテナンスが必要となる。記録ヘッドの吐出不良には、ノズル内のインクの増粘、固化やノズルへのゴミの付着等によってノズルが詰まるノズル欠や、出射方向が曲がる出射曲がり等がある。このような吐出不良を回復させるための記録ヘッドのメンテナンスは、記録ヘッドの各ノズルを駆動させて強制的にインク滴を吐き捨てるインク吐き捨て、記録ヘッド内を加圧してインクをノズルから強制的に排出するフラッシング、記録ヘッド内のインクをノズルから強制的に吸引するインク吸引等のようにインク消費を伴うメンテナンスに加え、ノズル面をゴムブレード等によって拭き取るワイピング等によって行われる。
従来、記録ヘッドのノズルから吐出されるインク滴の有無を検査するためのノズル欠センサを設けたインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置は、ノズル欠センサによって定期的に記録ヘッドのノズル欠や出射曲りの有無を検査し、ノズル欠や出射曲りがあることを検出した場合にメンテナンスを実施するようにしている。しかし、ノズル欠センサを設置する分、装置が大型化し、コストもかかる問題がある。
一方、このようなノズル欠センサを設ける代わりに、記録ヘッドのメンテナンスを自動で定期的に実施するようにしたインクジェット記録装置も知られている。ノズル欠センサを設置しないため、それだけ装置をコンパクト化できると共に、コストを抑えることができるが、記録ヘッドの吐出不良を直接検査するわけではないため、吐出不良の発生を未然に防止できるように、自動で実施される定期的なメンテナンス時期を適切に設定することが望まれる。
従来、特許文献1には、記録領域の内外を移動しながら記録ヘッドから記録媒体に液滴を噴射して記録領域内に画像を記録する液体噴射装置において、記録ヘッドが記録領域外で加減速移動している時及び記録領域内で定速移動している時とでそれぞれ微振動パルスを印加し、ノズル内のインクの増粘を防止することが記載されている。この装置は、加減速移動時間及び定速移動時間に対し、それぞれの移動中の微振動パルスによる振動エネルギーの比に応じて重み付けし、重み付けされた各時間の合計が判定値を超えた場合にノズルから液滴を強制的に吐出させる動作を実行することにより、記録ヘッドが定速移動を行っている記録領域の大きさに応じて強制吐出動作の間隔を最適化するようにしている。
特開2006−142676号公報
上記特許文献1記載の技術では、記録領域の大きさに応じて強制吐出動作の間隔が変更されるものの、例えば同一サイズの記録媒体を使用し続けることによって記録領域の大きさに変化がない場合は、強制吐出動作の間隔は常に一定となる。一般に、このように一定の間隔で自動メンテナンスを定期的に行う場合、吐出不良防止の確度を上げるため、実施間隔は短く設定される。
しかし、本発明者が確認したところ、記録ヘッドの吐出不良の発生確率は、装置の稼働開始後や記録ヘッドの新規交換後等から常に一定ではなく、記録ヘッドの使用状況等に応じて様々に変化することにより、以下のような問題が生じることがわかった。
通常、装置の稼働開始直後や記録ヘッドの新規交換直後にはメンテナンスが実施されるため、このよう稼働開始や新規交換からさほど時間が経過しておらず、プリント数が少ない状況下では、記録ヘッドに吐出不良が発生する確率は低く、必ずしもメンテナンスは必要とされない。にもかかわらず、一定間隔毎の定期的なメンテナンスの実施時期が来ると、メンテナンスが実施されてしまうことにより、メンテナンス実施による時間の無駄やメンテナンスによって消費されるインクの無駄が多くなるという問題がある。
また逆に、画像記録動作が長時間に亘ってプリント数も多くなると、ノズル使用頻度に差が生じてくることにより、使用頻度の低いノズル内のインクが増粘し易くなってノズル詰りを発生させたり、また、記録ヘッドのノズル面に付与されている撥水性能の経時的な低下に伴ってノズル面にインクが付着し、ノズルから吐出されるインク滴がノズル面に付着したインクに引っ張られて出射曲りが発生し易くなったりすることにより、記録ヘッドの吐出不良が発生する確率が高くなる。このような状況下では、実際には早急にメンテナンスが必要であるのに、次の定期的な実施時期が来るまでメンテナンスがなかなか実施されず、吐出不良が発生して画像品質の低下したプリントが大量に出力されてしまうおそれがあるという問題がある。
そこで、本発明は、記録ヘッドの自動メンテナンスを、吐出不良の発生確率に適応させた適切な間隔で実施することができるインクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.記録ヘッドのノズルから記録媒体上にインク滴を吐出することによって画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、
画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値を検出する累積値検出手段と、
前記累積要素の累積値を、自動メンテナンスの実施時期を示すメンテナンス指標と対比し、該メンテナンス指標に達した場合に前記メンテナンス手段を稼働して前記記録ヘッドの自動メンテナンスを実施すると共に、画像記録の継続に伴い、前記累積要素の累積値と対比する前記メンテナンス指標を、第1のメンテナンス指標から、該第1のメンテナンス指標よりも小さい第2のメンテナンス指標への置き換えを少なくとも1回行う制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
2.自動メンテナンスの実施時期を示す複数のメンテナンス指標が記憶された記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記録媒体に対する画像記録が継続するにつれて、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記記憶手段に記憶された前記複数のメンテナンス指標のうちの前記第1のメンテナンス指標から前記第2のメンテナンス指標に置き換えることにより、前記記録ヘッドの自動メンテナンスの実施時期を段階的に短くしていくことを特徴とする前記1記載のインクジェット記録装置。
3.前記記録ヘッドの周囲の環境の温度と湿度の少なくともいずれかを検出する環境値検出手段を有し、
前記制御手段は、前記環境値検出手段の検出値を予め設定された範囲と対比し、該範囲から外れたことを判別した場合に、前記メンテナンス指標に重み付けをすると共に、前記累積値を該重み付けがされた後の前記メンテナンス指標と対比することを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録装置。
4.前記制御手段は、前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲を下回ったことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより大きくなるように重み付けをし、前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲を超えたことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより小さくなるように重み付けをすることを特徴とする前記3記載のインクジェット記録装置。
5.前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲から外れている継続時間を計時する計時手段を有し、
前記制御手段は、前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲から外れたことを判別した場合に、前記計時手段によって計時された継続時間が長くなる程、前記重み付けの値がより大きくなるように重み付けをすることを特徴とする前記3又は4記載のインクジェット記録装置。
6.前記メンテナンス手段によるメンテナンスを任意のタイミングで実施させる任意実施手段を備え、
前記制御手段は、前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、該メンテナンスの実施後に画像記録を再開した時点を、前記累積値検出手段によって前記累積値を検出する際の起点とすることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
7.前記制御手段は、前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記任意稼働手段によってメンテナンスが実施された以前の前記メンテナンス指標よりも小さくなるように変更することを特徴とする前記6記載のインクジェット記録装置。
8.前記累積要素は、前記記録媒体の出力数、インク消費量、前記記録ヘッドの駆動時間のいずれかであることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
9.前記メンテナンス手段は、前記ノズルからインクを強制的に吐き捨てるインク吐き捨て手段と、前記記録ヘッド内のインクを強制的に排出するフラッシング手段と、前記記録ヘッド内のインクをノズルから吸引するインク吸引手段の少なくともいずれかの手段を含むことを特徴とする前記1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
10.ノズルから記録媒体上にインク滴を吐出することによって画像を記録する記録ヘッドのメンテナンス方法において、
画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値を検出し、該累積値を、自動メンテナンスの実施時期を示すメンテナンス指標と対比し、該メンテナンス指標に達した場合に前記記録ヘッドの自動メンテナンスを実施すると共に、画像記録の継続に伴い、前記累積要素の累積値と対比する前記メンテナンス指標を、第1のメンテナンス指標から、該第1のメンテナンス指標よりも小さい第2のメンテナンス指標への置き換えを少なくとも1回行うことを有することを特徴とする記録ヘッドのメンテナンス方法。
11.自動メンテナンスの実施時期を示す複数のメンテナンス指標を記憶手段に記憶させておき、
前記記録媒体に対する画像記録が継続するにつれて、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記記憶手段に記憶された前記複数のメンテナンス指標のうちの前記第1のメンテナンス指標から前記第2のメンテナンス指標に置き換えることにより、前記記録ヘッドの自動メンテナンスの実施時期を段階的に短くしていくことを特徴とする前記10記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
12.前記記録ヘッドが配置されている環境の温度と湿度の少なくともいずれかの検出値を予め設定された範囲と対比し、該範囲から外れたことを判別した場合に、前記メンテナンス指標に重み付けをすると共に、前記累積値を該重み付けがされた後の前記メンテナンス指標と対比することを特徴とする前記10又は11記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
13.前記検出値が予め設定された範囲を下回ったことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより大きくなるように重み付けをし、前記検出値が予め設定された範囲を超えたことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより小さくなるように重み付けをすることを特徴とする前記12記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
14.前記検出値が予め設定された範囲から外れたことを判別した場合に、該範囲から外れている継続時間を計時し、該継続時間が長くなる程、前記重み付けの値がより大きくなるように重み付けをすることを特徴とする前記12又は13記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
15.前記記録ヘッドのメンテナンスを任意のタイミングで実施させる任意実施手段を備え、
前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、該メンテナンスの実施後に画像記録を再開した時点を、前記累積値を検出する際の起点とすることを特徴とする前記10〜14のいずれかに記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
16.前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記任意実施手段によってメンテナンスが実施される以前の前記メンテナンス指標よりも小さくなるように変更することを特徴とする前記15記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
17.前記累積要素は、前記記録媒体の出力数、インク消費量、前記記録ヘッドの駆動時間のいずれかであることを特徴とする前記10〜16のいずれかに記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
18.前記記録ヘッドのメンテナンスは、前記ノズルからインクを強制的に吐き捨てるインク吐き捨てと、前記記録ヘッド内のインクを強制的に排出するフラッシングと、前記記録ヘッド内のインクをノズルから吸引するインク吸引の少なくともいずれかを含むことを特徴とする前記10〜17のいずれかに記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
本発明によれば、記録ヘッドの自動メンテナンスを、吐出不良の発生確率に適応させた適切な間隔で実施することができるインクジェット記録装置及び記録ヘッドのメンテナンス方法を提供することができる。
第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の一例を示す斜視図 図1に示すインクジェット記録装置の主要部のブロック図 自動メンテナンスを実施する際に参照されるデータテーブルの一例を示す図 自動メンテナンスを実施する際の制御動作の一例を説明するフローチャート マニュアルメンテナンスが実施された場合の制御動作の一例を説明するフローチャート マニュアルメンテナンスが実施された場合のメンテナンス間隔を説明する図 マニュアルメンテナンスが実施された後に自動メンテナンスを実施する際に参照されるデータテーブルの一例を示す図 マニュアルメンテナンスが実施された後に自動メンテナンスを実施する際に参照されるデータテーブルの他の一例を示す図 第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の一例を示す斜視図 図9に示すインクジェット記録装置の主要部のブロック図 メンテナンス間隔に重み付けを行う場合に参照される重み付けデータテーブルの一例を示す図 メンテナンス間隔に重み付けを行う場合に参照される重み付けデータテーブルの他の一例を示す図 メンテナンス間隔に重み付けを行う場合に参照される重み付けデータテーブルの更に他の一例を示す図 メンテナンス間隔に重み付けを行う場合の好ましい制御動作の一例を説明 するフローチャート インクジェット記録装置の他の一例を示す全体構成図 インクジェット記録装置の更に他の一例を示す全体構成図 インクジェット記録装置の更に他の一例を示す全体構成図 累積値をインク消費量とした場合に参照されるデータテーブルの一例を示す図 累積値を駆動時間とした場合に参照されるデータテーブルの一例を示す図 自動メンテナンスを実施する際に参照されるデータテーブルの更に他の一例を示す図 モードに応じてメンテナンス間隔に重み付けを行う場合に参照される重み付けデータテーブルの一例を示す図 モードに応じてメンテナンス間隔に重み付けを行う場合に参照される重み付けデータテーブルの他の一例を示す図 インク吸引を行うメンテナンス手段の一例を説明する図 フラッシングを行うメンテナンス手段の一例を説明する図
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の一例を示す斜視図、図2はそのインクジェット記録装置の主要部のブロック図である。
インクジェット記録装置10Aにおいて、1は記録ヘッドであり、ここではそれぞれ異なる色のインク滴、例えばYMCKの各色のインク滴を吐出する4つの記録ヘッド1a〜1dによって構成され、共通のキャリッジ2に搭載されている。各記録ヘッド1a〜1dには、不図示のインクタンクからそれぞれインクが供給されるようになっている。キャリッジ2は、図1中の矢印で示す主走査方向Aに沿って延びる平行な2本のガイドレール3に沿ってスライド可能に設けられており、図1中には示されていないキャリッジモータ101(図2参照)の駆動よってガイドレール3に沿って往復移動する。
ガイドレール3に沿ってリニアエンコーダ4が設けられている。キャリッジ2には、図1中には示されていないエンコーダセンサ102(図2参照)が設けられており、このエンコーダセンサ102によってリニアエンコーダ4からキャリッジ2の主走査方向Aにおける位置情報が取得されるようになっている。
キャリッジ2の下方にはベルト搬送部5が配設されている。ベルト搬送部5は、図1中の矢印で示す副走査方向Bに所定間隔をおいて配置された2本の搬送ローラ51、52の間に搬送ベルト53が掛け渡されることによって構成されている。いずれか一方の搬送ローラ51又は52には、図1には示されていない搬送モータ103(図2参照)が駆動力を伝達可能に接続されており、この搬送モータ103が回転駆動することで、搬送ベルト53が回転し、その上に載置される紙、プラスチックフィルム、布等の記録媒体Pを副走査方向Bに搬送する。ここでは記録媒体Pとして所定サイズに裁断されたシート状の記録媒体Pを使用している。
ベルト搬送部5よりも副走査方向Bの下流側に記録媒体検出センサ6が配置されている。記録媒体検出センサ6は、非接触式(光学式)又は接触式のセンサによって構成され、ベルト搬送部5によって搬送される記録媒体Pの先端と後端のいずれか一方又は両方を検出することによって、画像記録済みの記録媒体Pが出力されたことを検出する。
このインクジェット記録装置10Aは、図2に示す制御手段としてのコントローラ(CPU)100がキャリッジモータ101を駆動することによりキャリッジ2を主走査方向Aに沿って往復移動させる。この往復移動の過程で、コントローラ100がヘッド駆動部104を制御することにより、画像データに応じた所定のタイミングで記録ヘッド1a〜1dを駆動し、記録ヘッド1a〜1dの各ノズルから搬送ベルト53上の記録媒体Pに向けてインク滴を吐出すると共に、搬送モータ103の駆動を制御することにより、搬送ベルト53を副走査方向Bに沿って所定量ずつ間欠的に移動させる。そして、キャリッジ2の主走査方向Aへの移動と、搬送ベルト53の副走査方向Bへの間欠的な移動との協働によって、記録媒体P上に所定の画像を記録する。
所定の画像記録が終了した記録媒体Pは、搬送ベルト53の移動によって該搬送ベルト53上から排出される。排出された記録媒体Pの先端又は後端もしくは先端及び後端が記録媒体検出センサ6によって検出され、その検出信号がコントローラ100に送信される。この記録媒体検出センサ6の検出信号をカウントすることによって、出力された記録媒体Pのプリント数が検出できる。
図1中の符号7はメンテナンス部であり、キャリッジ2が主走査方向Aに沿って搬送ベルト53上から外れた非記録位置に到達したときに、該キャリッジ2の直下となる位置に配置されている。
このメンテナンス部7におけるメンテナンスはインク消費を伴うメンテナンスである。ここでは各記録ヘッド1a〜1dを駆動して各ノズルからインクを強制的に吐き捨てるインク吐き捨てを行うものを示している。メンテナンス部7には、各記録ヘッド1a〜1dのノズルから吐き捨てられたインクを受け入れるインク受け皿71が配置されており、キャリッジ2がインク受け皿71の真上のメンテナンス位置まで移動してきた時に、インク受け皿71が記録ヘッド1a〜1dの直下に配置されるようになっている。インク受け皿71に受け入れられた廃インクは不図示の廃インクタンクに送られる。
図2において、符号105aは第1のカウンタ、符号105bは第2のカウンタであり、記録媒体Pに所定の画像記録が終了した後に記録媒体検出センサ6によって検出された記録媒体Pのプリント数(出力数)をそれぞれカウントする。この記録媒体Pのプリント数は、本発明における画像記録の継続に伴って増加する累積要素の一例であり、記録媒体検出センサ6は、本発明における累積値検出手段の一例である。
第1のカウンタ105aは、記録媒体Pに対する画像記録が継続されるのに伴って次々に出力されるプリント数をカウントする。この第1のカウンタ105aのカウント値(累積値)は、記録ヘッド1a〜1dのメンテナンスが実施されても通常はリセットされない。この第1のカウンタ105aがリセットされて0に戻された後に新たなカウントを開始する起点は、例えば装置の稼働開始(装置電源オン)時や記録ヘッド1a〜1dの新規交換時が挙げられる。
第2のカウンタ105bも、記録媒体Pに対する画像記録が継続されるのに伴って次々出力されるプリント数をカウントするが、そのカウント値(累積値)は、記録ヘッド1a〜1dのメンテナンスが実施される度にリセットされて0に戻されるようになっている。従って、第2のカウンタ105bによって新たなカウントを開始する起点は、前回のメンテナンスの実施後である。
図2において、符号106はメンテナンス駆動部である。メンテナンス駆動部106は、コントローラ100の制御によって立ち上げられ、所定のシーケンスに従って記録ヘッド1a〜1dのメンテナンスを実施する。ここではインク受け皿71にインク吐き捨てを行うように、搬送モータ103の制御によるキャリッジ2の移動及びヘッド駆動部104の制御による記録ヘッド1a〜1dの駆動を行う。
図2において、符号107は記録ヘッド1a〜1dのメンテナンスを任意のタイミングで実施させる任意実施手段としてのマニュアルメンテナンス操作部である。ここではオペレータの手動操作によってメンテナンスを任意に実施するものを示しており、例えばオペレータによる操作が可能な不図示の操作スイッチ、タッチパネルキー等によって構成されている。オペレータによってマニュアルメンテナンス操作部107が操作されると、その操作がなされたタイミング、又は、操作がなされた時点で継続中の画像記録動作が終了したタイミングで、コントローラ100の制御によってメンテナンス駆動部106が立ち上げられ、記録ヘッド1a〜1dのメンテナンス(マニュアルメンテナンス)を実施するようになっている。マニュアルメンテナンスは、自動メンテナンスと同じメンテナンス動作を行うものであり、ここではインク吐き捨てを行う。
図2において、符号108は記憶手段としてのROMであり、複数のメンテナンス指標を規定したデータテーブルが記憶されている。ここで、メンテナンス指標とは、自動メンテナンスを実施する際のタイミングを示す指標であり、画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値と対比される設定値のことである。本実施形態では記録媒体Pのプリント数のカウント値を累積値としているため、この場合のメンテナンス指標はプリント数のカウント値の設定値となる。自動メンテナンスは、このメンテナンス指標のタイミングで実施されるため、メンテナンス指標は自動メンテナンスの間隔と同義である。
コントローラ100は、記録媒体検出センサ6によって検出されるプリント数のカウント値(累積値)をこのデータテーブルに規定されたメンテナンス指標と対比することにより、そのメンテナンス指標で示される所定のタイミングが来たときに、メンテナンス駆動部106を立ち上げ、記録ヘッド1a〜1dの自動メンテナンスを実施するようになっている。
このデータテーブルの一例を図3に示す。このデータテーブルDT1は、画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値として記録媒体Pのプリント数(p)が例示されている。従って、メンテナンス指標は記録媒体のプリント数(p)の設定値として設定されている。
データテーブルDT1には、複数の第1の設定値領域da1〜da4と複数の第2の設定値領域db1〜db4とが、互いに対応づけられて規定されている。
第1の設定値領域da1〜da4は、第1のカウンタ105aのカウント値と対比される領域であり、記録済みの記録媒体Pの出力の累積値であるプリント数(p)が所定の範囲で設定されている。
第2の設定値領域db1〜db4は、第2のカウンタ105bのカウント値と対比される領域であり、第1の設定値領域da1〜da4に1対1に対応している。第2の設定値領域db1〜db4には、自動メンテナンスを実施するメンテナンス指標としてのプリント数(p)の設定値が設定されている。第2の設定値領域db1〜db4の各設定値はそれぞれ値が大小異なっており、第2の設定値領域db1から第2の設定値領域db4に行くに従って設定値は小さくなっている。
第1の設定値領域da1〜da4及びこれと対応づけられる第2の設定値領域db1〜db4の数は、図示する4つに限らず、メンテナンス指標としての設定値が大小異なる少なくとも2つの設定値(第1のメンテナンス指標と第2のメンテナンス指標)の領域が設けられることにより、第2のカウンタ105bのカウント値と対比されるメンテナンス指標としての設定値が、それまでの設定値(第1のメンテナンス指標)よりも値が小さい別の設定値(第2のメンテナンス指標)に少なくとも1回置き換えられるようになっていればよい。
第2の設定値領域db1〜db4にそれぞれ設定されている設定値は、対応する第1の設定値領域da1〜da4に設定されるプリント数の範囲が大きい値である程、小さい設定値が対応づけられている。すなわち、データテーブルDT1には、出力されるプリント数が段階的に大きくなる程、メンテナンス指標としての設定値は小さくなり、それだけ自動メンテナンスの間隔が段階的に短くなるように対応づけられている。
ここでは、第2の設定値領域db1〜db4の設定値は、第1のカウンタ105aでカウントされるプリント数が「4999p以下」の場合は「500p」であり、「5000p以上9999p以下」の範囲の場合は「400p」であり、「10000p以上14999p以下」の範囲の場合は「300p」であり、「15000p以上」の場合は「200p」となるように対応づけられているものを例示しているが、具体的な数値は一例であり、何ら限定されるものではない。
次に、このデータテーブルDT1を使用した実際のメンテナンス動作の一例について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
画像記録の開始後、記録媒体Pへの画像記録が継続され、記録済みの記録媒体Pが次々出力されると(S1)、記録媒体Pの出力がある度に記録媒体検出センサ6によってプリント数がカウントされ、第1のカウンタ105aのカウント値と第2のカウンタ105bのカウント値がそれぞれ「+1」ずつ加算される(S2)。
コントローラ100は、記録媒体検出センサ6からの検出信号の入力がある度にROM108に格納されているデータテーブルDT1を参照する。ここでは、第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」であり、第2のカウンタ105bによってカウントされる前回のメンテナンス実施からのプリント数のカウント値が「300p」であるものとする。
コントローラ100は、まず、第1のカウンタ105aのカウント値とデータテーブルDT1の第1の設定値領域da1〜da4とを対比し、第1のカウンタ105aのカウント値に対応するのが第1の設定値領域da1の「4999p以下」であることを判別する(S3)。
次いで、この第1の設定値領域da1に対応づけられている第2の設定値領域db1の設定値「500p」を読み出すと共に、この設定値と第2のカウンタ105bのカウント値「300p」とを対比し、カウント値がこの設定値に達しているか否かを判別する(S4)。
その結果、ここでは未だ設定値「500p」に達していないため、コントローラ100は自動メンテナンスの実施時期ではないと判断し(S5においてN)、自動メンテナンスを実施しない。そして、ステップS1からの制御を繰り返す。
一方、記録媒体Pに対する画像記録が更に継続されてプリント数が増加した結果、ステップS4において、第1のカウンタ105aのカウント値が「1500p」となり、且つ、第2のカウンタ105bのカウント値も「500p」になると、コントローラ100は、第2の設定値領域db1の設定値「500p」に達したことを判別し、自動メンテナンスの実施時期であると判断する(S5においてY)。これにより記録ヘッド1a〜1dの自動メンテナンスを実施する(S6)。
自動メンテナンスは、コントローラ100がメンテナンス駆動部106を立ち上げ、キャリッジモータ101を駆動させ、エンコーダセンサ102によって検出されるキャリッジ2の位置情報に基づいて、該キャリッジ2を非記録位置にあるインク受け皿71の真上まで移動、停止させる。そして、その後、全ての記録ヘッド1a〜1dを駆動させて全ノズルからインク受け皿71に向けて所定量のインクを強制的に吐き捨てるインク吐き捨てを行う。これによってノズル詰りの原因となる増粘したインク等の異物が排出され、記録ヘッド1a〜1dのノズル回復がなされる。
所定のシーケンスに従って自動メンテナンスが実施された後、コントローラ100は第2のカウンタ105bのカウント値のみをリセットし(S7)、ステップS1からの制御を繰り返す。
その後、コントローラ100は記録媒体Pが出力される度にデータテーブルDT1を参照し、第1のカウンタ105aのカウント値が、データテーブルDT1の第1の設定値領域da1に設定される「4999p以下」である場合は、上記同様にして、第2のカウンタ105bのカウント値が、第2の設定値領域db1の設定値「500p」に一致したことが判別される度に自動メンテナンスを実施する。すなわち、第1のカウンタ105aのカウント値が「4999p以下」である場合、自動メンテナンスはプリント数「500p」毎の間隔で実施されることになる。
画像記録の継続に伴ってプリント数が更に増加し、第1のカウンタ105aのカウント値が「5000p」を超えると、コントローラ100は、そのカウント値に応じて、データテーブルDT1で参照する領域を第1の設定値領域da1からda2、da3、da4へと順次移行させ、その結果、第2のカウンタ105bのカウント値と対比する設定値を、第2の設定値領域db2、db3、db4にそれぞれ設定される「400p」、「300p」、「200p」という具合に段階的に小さい値に置き換えていき、自動メンテナンスの間隔を段階的に短くしていく。
このようにインクジェット記録装置10Aは、自動で行うメンテナンス間隔を一定間隔とすることなく、記録媒体Pに対する画像記録が継続されることによって出力されるプリント数が増加していく程、このプリント数と対比されるメンテナンス指標は、それまでのメンテナンス指標(第1のメンテナンス指標)から、該メンテナンス指標よりも小さい別のメンテナンス指標(第2のメンテナンス指標)に置き換えられていき、自動メンテナンスの間隔が段階的に短くなるように設定される。
一般に、プリント数が増加する程、記録ヘッドのノズル面の撥水性の機能低下に起因する出射曲りや、使用頻度が少ないノズルを有する記録ヘッドにノズル詰り等の吐出不良が発生する確率が高くなり、一定間隔毎の自動メンテナンスではインクの無駄な消費や吐出不良の未然の防止を図ることが困難となるが、本発明によれば、プリント数が増加する程、自動メンテナンスの間隔は段階的に短くなるため、記録ヘッド1a〜1dの自動メンテナンスを、吐出不良の発生確率に適応させた適切な間隔で実施することができるようになる。
なお、第1のカウンタ105aのカウント値は、例えば装置の稼働開始(装置電源オン)や記録ヘッド1a〜1dの新規交換等の第1のカウンタ105aのリセットトリガーによってリセットされ、その後に新たなカウントが開始される。これにより、データテーブルDTで参照される第1の設定値領域は最上段の設定値領域da1となることにより、メンテナンス指標は最も長い間隔(第2の設定値領域db1の設定値)となるように戻されるため、早期に不必要な自動メンテナンスが実施されることはなく、それによってインクが無駄に排出されるようなことはない。
次に、マニュアルメンテナンス操作部107によるマニュアルメンテナンスについて説明する。
このインクジェット記録装置10Aは、出力された記録媒体Pの画像をオペレータが直接目視確認することにより、吐出不良に起因する白スジ等の画像欠陥を発見したとき等の任意のタイミングで、マニュアルメンテナンス操作部107を操作することによってマニュアルメンテナンスを実施することができる。自動メンテナンスによらず、オペレータの判断で任意にメンテナンスを実施することができるため、不測の事態にも早急に対処可能となり、ノズルの早期回復を図ることができ、画像品質が低下したプリント出力を抑制することができる。
このマニュアルメンテナンスについて、図5に示すフローチャートを用いて更に説明する。
画像記録の継続中にオペレータによってマニュアルメンテナンス操作部107が操作されると、コントローラ100は直ちに画像記録動作を中断し、または、操作時点で記録中の画像の記録動作が終了したとき、自動メンテナンスとは別にメンテナンス駆動部106を立ち上げて、メンテナンスを実施する(S10)。
ここで、上記同様、第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」、第2のカウンタ105bのカウント値が「300p」であり、データテーブルDT1によると第2の設定値領域db1の設定値「500p」毎の間隔で自動メンテナンスが実施される状況下で、オペレータによってマニュアルメンテナンス操作部107が操作されたものとする。この場合、コントローラ100は、第2のカウンタ105bのカウント値をリセットする(S11)。このリセットのタイミングは、マニュアルメンテナンスの終了時点でもよいし、マニュアルメンテナンス操作部107の操作後でマニュアルメンテナンスの開始前でもよい。その後、図4に示したフローチャートにおけるステップS1からの制御を繰り返す。
このように第2のカウンタ105bのカウント値がリセットされることにより、それまでのカウント値にかかわらず、マニュアルメンテナンスが実施された後に画像記録を再開した時点が、その後に第2のカウンタ105bによるカウントを新たに開始する起点とされる。すなわち、マニュアルメンテナンスが実施された後に画像記録を再開した時点が自動メンテナンスの間隔をカウントする際の起点となる。例えば、第1のカウンタ105aのカウント値が「4999p以下」である場合、マニュアルメンテナンス実施後に第2のカウンタ105bのカウント値がリセットされ、画像記録の再開によって新たにプリント数が「1p」からカウントされ始め、そのカウント値が「500p」となった時に次の自動メンテナンスが実施されることになる。
しかし、このようにマニュアルメンテナンスが実施された場合、そのマニュアルメンテナンス実施後に第2のカウンタ105bのカウント値と対比される第2の設定値領域db1〜db4の設定値は、マニュアルメンテナンス実施前のデータテーブルDT1中の第2の設定値領域db1〜db4の設定値よりも小さくなる(自動メンテナンスの間隔が短くなる)ように変更されることが好ましい。
すなわち、図6に示すように、N回目の自動メンテナンスと次のN+1回目の自動メンテナンスとの間の間隔が、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1によって「500p」に設定されている場合に、N回目の自動メンテナンスの実施後でN+1回目の自動メンテナンスの実施時期が来る前にマニュアルメンテナンスが実施されると、コントローラ100は、そのマニュアルメンテナンスの実施後に画像記録が再開された時点からカウントされる次の(N+1)’回目の自動メンテナンスまでの間隔を「500p」毎の間隔よりも短くなるように変更する。
このような設定値の変更は、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1〜db4の設定値の全てに対して行うことが好ましい。
出力された画像に白スジ等の吐出不良が発生している場合、吐出不良の発生確率が高くなる何らかの要因(例えば予期しない記録ヘッドの性能劣化等)が存在していると考えられる。この場合、マニュアルメンテナンス実施後の自動メンテナンスの間隔を、データテーブルDT1によって規定される間隔よりも短い間隔となるように変更することで、吐出不良の発生確率に適応させた、より適切な間隔でメンテナンスを実施することができるようになる。
このマニュアルメンテナンス実施後に自動メンテナンスの間隔を変更するには、例えばコントローラ100のROM108に、データテーブルDT1とは別に、図7(a)に示すように、第2の設定値領域db1〜db4の設定値を例えば「−100p」ずつ小さい値とした別のデータテーブルDT2を格納しておき、マニュアルメンテナンス操作部107が操作された際に、参照先をデータテーブルDT1からこのデータテーブルDT2に変更することによって行うことができる。
また、図7(b)に示すように、当初から、第1の設定値領域da1〜da4に対応する第2の設定値領域db1〜db4に、マニュアルメンテナンス実施前のメンテナンス間隔Aと、マニュアルメンテナンス実施後のメンテナンス間隔Bとの2種類の間隔を規定したデータテーブルDT3を使用してもよい。この場合、通常はメンテナンス間隔Aに規定される間隔で自動メンテナンスを実施し、マニュアルメンテナンスが実施された場合は、それ以後参照する自動メンテナンスの間隔を、メンテナンス間隔Aから、それよりも間隔が短く設定されたメンテナンス間隔Bに変更することによって行うことができる。
その他、マニュアルメンテナンス実施後、データテーブルDT1で参照される第2の設定値領域db1〜db4の設定値を読み出し、その設定値を例えば「−100p」ずつ減算した後、この減算された設定値をROM108又は他のメモリに新たに格納し、この新たに格納された減算後の設定値を参照することによって、以後の自動メンテナンスを実施するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の一例を示す斜視図、図10はそのインクジェット記録装置の主要部のブロック図である。第1の実施形態に係るインクジェット記録装置10Aと同一符号の部位は同一構成の部位であり、それらの機能及び動作も第1の実施形態に係るインクジェット記録装置10Aと同一であるため、それらの説明は第1の実施形態の説明を援用し、ここでは省略する。
このインクジェット記録装置10Bには、記録ヘッド1a〜1dの周囲の環境値を検出するための環境値検出手段としての環境値検出センサ8が設けられている。環境値検出センサ8としては、記録ヘッド1a〜1dが配置されているその周囲の環境を数値化して検出できるものであれば問わないが、一般には湿度センサと温度センサのいずれか一方又は両方を用いることができる。
環境値検出センサ8は、ここではキャリッジ2上に設けられているが、記録ヘッド1a〜1dの周囲の環境値を検出することができるものであれば、キャリッジ2上に設置されるものに限定されない。
環境値検出センサ8による環境値の検出は常時連続して行うようにしてもよいし、予め設定された時間間隔毎、記録媒体Pの出力毎、キャリッジ2の所定回数の主走査移動毎等のように定期的に行うようにしてもよい。環境値検出センサ8の検出値はコントローラ100に送られる。
ROM108には、この環境値検出センサ8の検出値の設定範囲が予め記憶されている。この設定範囲は、記録ヘッド1a〜1dに吐出不良が発生し易いか否かの判断の基準となる環境値の範囲である。コントローラ100は、環境値検出センサ8から検出値の入力があると、その検出値をROM108に記憶されている設定範囲と対比し、設定範囲から外れたか否かを監視している。そして、設定範囲から外れた場合、それを判別した時点で、自動メンテナンスの間隔に重み付けをするように制御する。
図11〜図13は自動メンテナンスの間隔に重み付けをする際に参照される重み付けデータテーブルのそれぞれ一例を示している。このような重み付けデータテーブルWDT1〜WDT3もROM108に格納しておくことができる。各重み付けデータテーブルWDT1〜WDT3中の具体的な数値は一例であり、何ら限定されるものではない。
図11は、環境値検出センサ8として湿度センサのみを使用した場合の重み付けデータテーブルWDT1を示している。ここでは環境値の設定範囲が湿度20%RHと80%RHの間に設定されている。
この重み付けデータテーブルWDT1では、20%RH以下の低湿度となったことが検出された場合、図3、図7、図8に示したデータテーブルDT1〜DT3中に規定されるメンテナンス間隔に「−30p」の重み付けをするように対応づけられて設定されている。これは、低湿度になる程、ノズル内のインクの乾燥、固化が進み易くなり、吐出不良の発生確率が高くなると想定されるためである。
ここで、第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」で、第2のカウンタ105bのカウント値が「300p」であり、図3に示したデータテーブル200の第2の設定値領域db1によると、あと「200p」だけカウントされた後に自動メンテナンスの実施時期を迎えようとしている状況下で、環境値検出センサ8によって20%RH以下の低湿度となったことが検出されたものとする。この場合、コントローラ100は、この重み付けデータテーブルWDT1に基づいて、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1の設定値「500p」に「−30p」の重み付けを実行することになる。その結果、対比されるメンテナンス間隔は「470p」となり、第2のカウンタ105bによってあと「170p」だけカウントされた後に自動メンテナンスを実施することとなり、自動メンテナンスの間隔がそれだけ短くなる。
一方、80%RH以上の高湿度となったことが検出された場合、図3、図7、図8に示したデータテーブルDT1〜DT3中に規定されているメンテナンス間隔に「+30p」の重み付けをするように対応づけられて規定されている。これは、高湿度環境下では、特にノズル内のインクの増粘に起因する吐出不良が比較的発生しにくくなると想定されるためである。
同様に、第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」で、第2のカウンタ105bのカウント値が「300p」であり、図3に示したデータテーブル200の第2の設定値領域db1によると、あと「200p」だけカウントされた後に自動メンテナンスの実施時期を迎えようとしている状況下で、環境値検出センサ8によって80%RH以上の高湿度となったことが検出されたものとする。この場合、コントローラ100は、重み付けデータテーブルWDT1に基づいて、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1の設定値「500p」に「+30p」の重み付けを実行することになる。その結果、対比されるメンテナンス間隔は「530p」となり、第2のカウンタ105bによってあと「230p」だけカウントされた後に自動メンテナンスを実施することとなり、自動メンテナンスの間隔はそれだけ長くなる。
図12は、環境値検出センサ8として温度センサのみを使用した場合の重み付けデータテーブルWDT2の一例を示している。ここでは設定範囲が温度10℃と30℃の間に設定されている。
この重み付けデータテーブル301では、10℃以下の低温度となったことが検出された場合、図3、図7、図8に示したデータテーブルDT1〜DT3中に規定されているメンテナンス間隔に「−30p」の重み付けをするように対応づけられて規定されている。これは、低温度になる程、インクの粘度が増加して、特にノズル内のインクの増粘に起因する吐出不良の発生確率が高くなると想定されるためである。
ここで、第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」で、第2のカウンタ105bのカウント値が「300p」であり、図3に示したデータテーブルDT1の第2の設定値領域db1によると、あと「200p」だけカウントされた後に自動メンテナンスの実施時期を迎えようとしている状況下で、環境値検出センサ8によって10℃以下の低温度となったことが検出されたものとする。この場合、コントローラ100は、重み付けデータテーブルWDT2に基づいて、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1の設定値「500p」に「−30p」の重み付けを実行することになる。その結果、対比されるメンテナンス間隔は「470p」となり、第2のカウンタ105bによってあと「170p」だけカウントされた後に自動メンテナンスを実施することとなり、自動メンテナンスの間隔はそれだけ短くなる。
一方、30℃以上の高温度となったことが検出された場合、図3、図7、図8に示したデータテーブルDT1〜DT3中に規定されているメンテナンス間隔に「+30p」の重み付けをするように対応づけられて規定されている。これは、高温度環境下ではインク粘度が増加し難く、特にノズル内のインクの増粘に起因する吐出不良が比較的発生しにくくなると想定されるためである。
同様に、第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」で、第2のカウンタ105bのカウント値が「300p」であり、図3に示したデータテーブル200の第2の設定値領域db1によれば、あと「200p」だけカウントされた後に自動メンテナンスの実施時期を迎えようとしている状況下で、環境値検出センサ8によって30℃以上の高温度となったことが検出されたものとする。この場合、コントローラ100は、データテーブルWDT2に基づいて、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1の設定値「500p」に「+30p」の重み付けを実行することになる。その結果、対比されるメンテナンス間隔は「530p」となり、第2のカウンタ105bによってあと「230p」だけカウントされた後に自動メンテナンスを実施することとなり、自動メンテナンスの間隔はそれだけ長くなる。
図13は、環境値検出センサ8として湿度センサと温度センサの両方を使用した場合の重み付けデータテーブルWDT3の一例を示している。ここでは設定範囲が湿度20%RHと80&RHの間、及び、温度10℃と30℃の間に設定されている。
この重み付けデータテーブルWDT3では、20%RH以下の低湿度となったことが検出された場合、検出された温度が10℃以下の低温度では、最も低温低湿環境となってノズル内のインクが増粘し易く、吐出不良の発生確率が最も高いと想定されるため、上記同様にして、メンテナンス間隔に「−50p」の重み付けをし、検出された温度が30℃以上の高温度では、上記低温低湿環境ほどではないにしても吐出不良の発生確率はやや高いと想定されるため、上記同様にして、メンテナンス間隔に「−30p」の重み付けをすることになる。
一方、80%RH以上の高湿度となったことが検出された場合、検出された温度が10℃以下の低温度でも、低温低湿環境に比べて吐出不良の発生確率はやや低いと想定されるため、上記同様にして、メンテナンス間隔に「+30p」の重み付けをし、検出された温度が30℃以上の高温度では、高温高湿環境となってノズル内のインクは増粘しにくく、吐出不良の発生確率は最も低いと想定されるため、上記同様にして、メンテナンス間隔に「+50p」の重み付けをすることになる。
このようにコントローラ100が環境値検出センサ8の検出値に基づいて自動メンテナンスの間隔に重み付けを行うことにより、刻々と変化する記録ヘッド1a〜1dの周囲の環境に応じて、より適切な間隔で自動メンテナンスを実施することができる。このため、吐出不良の発生をより効果的に抑えることができるようになると共に、吐出不良の発生確率が低くなる環境下でのメンテナンス間隔を長くすることで、無駄なメンテナンスを実施することによるインク消費も抑えることができる。
以上のように重み付けをする場合、コントローラ100は、例えば図3に示したデータテーブルDT1で参照される第2の設定値領域db1〜db4の設定値に対して重み付けを実行した後の新たな設定値をROM108又は他のメモリに格納し直し、環境値検出センサ8の検出値が重み付け不要な値であると判断されるようになるまで、この重み付け後の新たな設定値を参照することによって、以後の自動メンテナンスの実施を制御していくようにすればよい。
なお、重み付けは、以上のように、データテーブルDT1〜DT3のメンテナンス間隔の設定値に対して行う他に、第2のカウンタ105bのカウント値に対して行うようにしてもよい。カウント値に対して重み付けする場合、自動メンテナンスの間隔を短くするように重み付けする場合は、第2のカウンタ105bのカウント値に対して「+」の重み付け(カウント値の加算)を行い、間隔を長くするように重み付けをする場合は、第2のカウンタ105bのカウント値に対して「−」の重み付け(カウント値の減算)を行うようにすればよい。
また、重み付けした結果、重み付け後の次回の自動メンテナンスの実施時期が既に経過している場合には、コントローラ100は、その時点で直ちに自動メンテナンスを実施するように制御する。
図11〜図13に示した各重み付けデータテーブルWDT1〜WDT3では、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れた場合に行う重み付けの大きさが所定の値に設定されているが、この重み付けの大きさは、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れている間の継続時間に応じて調整することも好ましい。
図10に示す符号109は、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れている間の継続時間を計測するため、一定間隔毎のパルス信号を継続して発生するパルス発生部であり、符号110は、このパルス発生部109から出力されるパルス信号をカウントするパルスカウンタである。これらパルス発生部109及びパルスカウンタ110によって本発明における計時手段が構成される。
この場合、コントローラ100は、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れたことを検出したときに、パルスカウンタ110によって、パルス発生部109から出力される一定間隔毎のパルス信号のカウントをスタートさせ、そのカウント値(継続時間)が設定値(設定時間)を超えた場合に、重み付けの大きさが「+」方向又は「−」方向に大きくなるように調整することができる。パルス信号のカウント値の設定値は、例えばROM108又は他のメモリに予め設定することができる。
図14にその具体的なフローチャートの一例を示す。
コントローラ100は、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れたと判断すると、パルスカウンタ110によってパルス発生部109から出力されるパルス信号のカウントを開始して計時をスタートさせる(S20)。コントローラ100はパルスカウンタ110のカウント値がこの設定値を超えたか否かを監視し(S21)、設定値を超えたと判断した場合、図11〜図13に例示される重み付けデータテーブルWDT1〜WDT3中の重み付け量の大きさを1ポイント増加させる(S22)。
ここで、1ポイントとして例えば「+」方向又は「−」方向に「5p」のプリント数が設定されているものとすると、図11に示す重み付けデータテーブルWDT1によって重み付けする例では、環境値検出センサ8の検出値が20%RH以下の低湿度となったことを検出した際にメンテナンス間隔に対して「−30p」の重み付けをすべきところ、この重み付け量を、同じ「−」方向に更に「5p」だけ増加させ、合計して「−35p」の重み付けとなるように調整し、自動メンテナンスの間隔が更に短くなるようにする。記録ヘッド1a〜1dが低湿状態に晒される時間が長くなる程、吐出不良の発生確率は高くなると想定されるためである。
従って、例えば第1のカウンタ105aのカウント値が「1300p」、第2のカウンタ105bのカウント値が「300p」であり、図3に示したデータテーブルDT1の第2の設定値領域db1によれば、あと「200p」だけカウントされた後に自動メンテナンスの実施時期を迎えようとしている状況下で、環境値検出センサ8によって20%RH以下の低湿度となったことが検出され、その継続時間がパルス信号のカウント値の設定値を超えた場合、コントローラ100は、データテーブルDT1の第2の設定値領域db1の設定値「500p」に「−35p」の重み付けを実行することになる。その結果、対比されるメンテナンス間隔は「465p」となって、第2のカウンタ105bによってあと「165p」だけカウントされた後に自動メンテナンスを実施することとなり、自動メンテナンスの間隔はそれだけ更に短くなる。
このようにして重み付けの大きさを調整した後、コントローラ100はパルスカウンタ110のカウント値をリセットする(S23)。
その後、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れている間の継続時間が設定値を超える毎に、更に1ポイントずつ重み付け量の大きさが調整されていく。従って、次の自動メンテナンスが実施されるまでの間で環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れている間の継続時間が長くなる程、重み付けの大きさの調整値が1ポイントずつ積み重ねられていき、重み付け量は次第に大きくなるように調整され、それだけ早期に次の自動メンテナンスが実施されるようになる。
また、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れた結果、図11〜図13に示した各重み付けデータテーブルWDT1〜WDT3で規定される重み付け量が「+」の値となるように重み付けする場合は、吐出不良発生確率は比較的低い環境下にあると想定されるため、環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れている間の継続時間に応じて重み付け量を「+」方向に大きくなるように調整することで、次の自動メンテナンスが実施されるまでの間隔が次第に長くなるようにしてもよいことはもちろんである。但し、この場合、自動メンテナンスの間隔が長くなり過ぎないように、「+」方向の重み付け量に所定の上限値を設けておくことが好ましい。
このように環境値検出センサ8の検出値が設定範囲から外れている間の継続時間の長さに応じて、重み付けの大きさを調整することにより、吐出不良の発生確率に適応させたより一層適切な間隔で自動メンテナンスを実施することができるようになる。
(その他の実施形態)
a)全体構成の他の実施形態
以上説明したインクジェット記録装置10A、10Bにおいて、本発明における制御手段であるコントローラ100は、記録ヘッド2やベルト搬送部5等が装備された主要構成部と同一の筐体内に設けられるものに限らない。例えば、図15に示すように、主要構成部200とケーブル接続された別体のPC(パーソナルコンピューター)201にコントローラ100が装備され、このPC201によって主要構成部200が制御される構成としてもよい。
また、図16に示すように、主要構成部200とPC201の双方にそれぞれコントローラ100A、100Bが設けられていてもよい。この場合、制御機能をコントローラ100Aと100Bとに分離させ、両コントローラ100A、100B全体で、上記コントローラ100と同一の機能を発揮するように構成することができる。例えば画像記録に関与する部位の制御機能を主要構成部200内のコントローラ100Aに分担させ、自動メンテナンスに関与する部位の制御機能をPC201内のコントローラ100Bに分担させるようにすることが考えられる。
更に、インクジェット記録装置10A、10Bは、図17に示すようにネットワークNWに接続されていてもよい。ここでは、図15に示したPC201をネットワークNWに接続させた例を示している。
このようにネットワークNWに接続した場合、例えばROM108に格納すべき各種データテーブルを、ネットワークNWに接続されたサーバー300からダウンロードすることもできる。これにより、必要なデータテーブルのみを必要なときだけサーバー300からダウンロードしてROM108に格納すればよく、全てのデータテーブルを格納しておく必要がないため、ROM108の負荷を低減することができる。また、サーバー300からダウンロードすることで、常に最新のデータに更新されたデータテーブルを参照して自動メンテナンスを制御することもできるようになる。
b)累積要素の他の実施形態
以上の説明では、記録媒体Pに対する画像記録の継続に伴って増加する累積要素として、記録媒体検出センサ6によって検出される記録媒体Pの出力数(プリント数)を用いるようにしたが、記録媒体Pに対する画像記録の継続に伴って消費されるインクの消費量を累積要素として用いることもできる。記録媒体Pの出力数と記録ヘッド1a〜1dから吐出されるインクの消費量はほぼ等しいと考えられるためである。これによれば、必ずしもプリント数を検出する必要はないため、記録媒体検出センサ6は不要となり、また、記録媒体Pとして長尺状の記録媒体を使用することもできる。
このように累積値としてインク消費量を検出する場合のデータテーブルDT4の一例を図18に示す。但し、具体的な数値は一例であり、何ら限定されるものではない。
インク消費量を検出する累積値検出手段としては、例えば画像データを解析することによって、画像記録に使用されるインクの消費量を算出する手段、記録ヘッド1a〜1dにインクを供給するインク供給管に流量計を設け、その流量計の検出値からインク消費量の累積値を算出する手段、インクを貯留するインクタンクのインク液面の低下量からインク消費量の累積値を算出する手段、インクタンク重量の減少量からインク消費量の累積値を算出する手段等が考えられる。インク消費量の検出は、いずれか1つの手段のみであってもよいし、2つ以上の手段を併用してもよい。
インク消費量は記録ヘッド1a〜1d毎に検出し、いずれかの記録ヘッドが自動メンテナンスの実施時期を迎えた場合に全記録ヘッド1a〜1dの自動メンテナンスを一括して実施するようにしてもよいし、自動メンテナンスの実施時期を迎えたいずれかの記録ヘッドのみを対象として個別に自動メンテナンスを実施するようにしてもよい。後者の場合は、自動メンテナンスによる無駄なインク消費をより抑えることができる。
また、インク消費量は全記録ヘッド1a〜1dのインク消費量の総量として検出し、そのインク消費量の検出によって自動メンテナンスの実施時期を迎えたことが判別された場合に、全記録ヘッド1a〜1dの自動メンテナンスを一括して実施するようにしてもよい。
その他、記録媒体Pに対する画像記録の継続に伴って増加する累積要素として、記録ヘッド1a〜1dの駆動時間(ヘッド駆動の累積時間)を用いるようにしてもよい。記録媒体Pの出力数とその画像を記録した記録ヘッド1a〜1dの駆動時間はほぼ等しいと考えられるためである。この場合も、必ずしも記録媒体Pのプリント数を検出する必要はないため、記録媒体検出センサ6は不要であり、また、記録媒体Pとして長尺状の記録媒体を使用することもできる。
記録ヘッド1a〜1dの駆動時間を検出する場合のデータテーブルDT5の一例を図19に示す。但し、具体的な数値は一例であり、何ら限定されるものではない。
記録ヘッド1a〜1dの駆動時間を検出する累積値検出手段としては、例えば画像データに基づいて画像記録を行っている継続時間を、例えばパルス発生部109のようなパルス信号発生手段から出力されるパルス信号をカウントすることによって計時する手段、画像記録の継続時間を駆動信号数とみなして、記録ヘッド1a〜1dに印加する駆動信号数(駆動パルス数)をカウントする手段等がある。駆動時間の検出は、いずれか1つの手段のみであってもよいし、2つ以上の手段を併用してもよい。
このような駆動時間の検出も、記録ヘッド1a〜1d毎に行い、いずれかの記録ヘッドが自動メンテナンスの実施時期を迎えた場合に全記録ヘッドの自動メンテナンスを一括して実施するようにしてもよいし、自動メンテナンスの実施時期を迎えたいずれかの記録ヘッドのみを対象として個別に自動メンテナンスを実施するようにしてもよい。
また、駆動時間は全記録ヘッド1a〜1dの駆動時間の総和の駆動時間として検出し、その総和の駆動時間の検出によって自動メンテナンスの実施時期を迎えたことが判別された場合に、全記録ヘッド1a〜1dの自動メンテナンスを一括して実施するようにしてもよい。
c)メンテナンス間隔の設定値の他の実施形態
メンテナンス指標である自動メンテナンスの間隔を規定したデータテーブルとしては、図20に示すようなデータテーブルDT6を用いるようにしてもよい。但し、具体的な数値は一例であり、何ら限定されるものではない。
このデータテーブルDT6では、累積要素として記録媒体Pの出力数(プリント数)を用いた例を示している。このデータテーブルDT6は、自動メンテナンスの間隔としてのプリント数が設定された第1の設定値領域da1、da2・・・と、各第1の設定値領域da1、da2・・・に対応づけられた第2の設定値領域db1、db2・・・とを有している。第1の設定値領域da1、da2・・・に設定された累積値は、第2のカウンタ105bのカウント値と対比される値を規定したものであり、第2の設定値領域db1、db2・・・に設定された数値は、これに対応する自動メンテナンスの実施回数を規定したものである。
コントローラ100は、このデータテーブルDT6で自動メンテナンス制御を行う際、No.1の設定値領域から対比を行う。すなわち、最初に第2のカウンタ105bのカウント値が「500p」毎になると自動メンテナンスを実施する。
これによると、コントローラ100は、第2のカウンタ105bによって記録媒体Pのプリント数をカウントし、そのカウント値がNo.1の第1の設定値領域da1に規定された「500p」に達すると自動メンテナンスを実施する。このとき、メンテナンス駆動部106の起動回数をカウントするカウンタ等の自動メンテナンスの実施回数をカウントするカウンタ(図示せず)を設けておき、コントローラ100はその実施回数をカウント(加算又は減算)していく。そして、自動メンテナンスの実施回数が、No.1の第2の設定値領域db1に規定された「30回」になるまでは、第2のカウンタ105bのカウント値が「500p」になる度に自動メンテナンスを実施する。
その後、自動メンテナンスの実施回数が「30回」に達した場合、コントローラ100は、対比すべき設定値領域をNo.1から、メンテナンス間隔が短くなるNo.2に置き換え、次は第2のカウンタ105bのカウント値が「400p」になる度に自動メンテナンスを実施し、それを「20回」繰り返すという具合に、プリント数が増加するほど自動メンテナンスの間隔を段階的に短くする。
この場合、カウンタは第2のカウンタ105bだけあればよく、第1のカウンタ105aは必ずしも設けなくてもよい。
また、この他、自動メンテナンスを実施する場合、データテーブルを使用せず、演算によってメンテナンス指標となる自動メンテナンスの間隔の設定値を求めるようにしてもよい。例えば、累積要素としてプリント数を使用する例では、第2のカウンタ105bのカウント値と対比すべきプリント数の設定値の初期値として「500p」の設定値と、所定の演算式とをROM108に記憶しておき、最初に第2のカウンタ105bのカウント値が「500p」になって自動メンテナンスを実施した後、その初期値に対して所定の演算式に従って演算処理を行い、新たな設定値を演算によって求めることが考えられる。
このときの演算処理は、プリント数が大きくなる程、自動メンテナンスの間隔が段階的に短くなるように新たな設定値を求めるようにすればよい。求められた新たな設定値は初期値と置き換えられ、コントローラ100は、その後の第2のカウンタ105bのカウント値をその新たな設定値と対比すればよい。
この場合も、カウンタは第2のカウンタ105bだけあればよく、第1のカウンタ105aは必ずしも設けなくてもよい。
d)重み付けの他の実施形態
以上の説明では、湿度や温度といった環境値の検出結果や、環境値の設定範囲から外れている継続時間に基づいてメンテナンス間隔に重み付けを行う重み付けデータテーブルWDT1〜WDT3を用いるようにしたが、これらに代えて、又は、これらに付加して、図21、図22に示すようにモードによってメンテナンス間隔に重み付けを行う重み付けデータテーブルWDT4、WDT5を用いるようにしてもよい。但し、具体的な数値は一例であり、何ら限定されるものではない。
図21に示す重み付けデータテーブルWDT4は、モードとして「SUMMERモード」と「WINTERモード」とを有し、各モードで重み付けを軽くする又は重くするようにした例を示している。
「SUMMERモード」は主に夏季に使用されるモードである。夏季は一般に高温多湿な環境下で画像記録を行うことが多いことから、インクの増粘に起因する吐出不良は発生しにくいと想定され、重み付けを軽くする「+50p」の重み付け量が設定されている。このため、このモードに設定された場合、コントローラ100は、例えば図3に示したデータテーブルDT1に規定された各設定値に対し、「+50p」ずつの重み付け量を適用することになる。その結果、第2のカウンタ105bのカウント値と対比されるメンテナンス間隔の各設定値は、重み付け前に比べて大きくなるように調整される。
「WINTERモード」は主に冬季に使用されるモードである。冬季は一般に低温低湿な環境下で画像記録を行うことが多いことから、インクの増粘に起因する吐出不良が発生し易くなると想定され、重み付けを重くする「−50p」の重み付け量が設定されている。このため、このモードに設定された場合、コントローラ100は、例えば図3に示したデータテーブルDT1に規定された各設定値に対し、「−50p」ずつの重み付け量を適用することになる。その結果、第2のカウンタ105bのカウント値と対比されるメンテナンス間隔の各設定値は、重み付け前に比べて小さくなるように調整される。
このようなモードは、切替スイッチ等の操作によってオペレータが適宜切り替えるようにしてもよいし、図15〜図17に示したようにPC201を備える場合は、PC201に搭載されているカレンダー機能等を利用して、予め設定された月又は月日になった場合にコントローラ100が自動的に切り替えるようにしてもよい。
図22に示す重み付けデータテーブルWDT5は、モードとして「高速モード」と「高画質モード」とを有し、各モードで重み付けを軽くする又は重くするようにした例を示している。
メンテナンス実施中は画像記録が中断されるため、その分だけプリント出力速度(時間当たりのプリント出力数)は遅くなる。つまり、全体的なメンテナンス間隔の長短によってプリント出力速度が変わってくることになる。「高速モード」はこのようなプリント出力速度を優先したい場合に使用されるモードであり、メンテナンス間隔を長く調整するために重み付けを軽くする「+50p」の重み付け量が設定されている。このため、このモードに設定された場合、コントローラ100は、この重み付けデータテーブルWDT5に基づいて、例えば図3に示したデータテーブルDT1に規定された各設定値に対し、「+50p」ずつの重み付け量を適用することとなる。その結果、メンテナンス間隔は全体的に長くなるように調整され、それだけプリント出力速度を向上させることができる。
「高画質モード」はプリント出力速度よりも画質を優先したい場合に使用されるモードであり、メンテナンス間隔を短く調整するために重み付けを重くする「−50p」の重み付け量が設定されている。このため、このモードに設定された場合、コントローラ100は、この重み付けデータテーブルWDT5に基づいて、例えば図3に示したデータテーブルDT1に規定された各設定値に対し、「−50p」ずつの重み付け量を適用することとなる。その結果、メンテナンス間隔は全体的に短くなるように調整され、それだけ吐出不良の発生を抑制でき、画像品質の低下を抑制することができる。
このようなモードは、例えば切替スイッチ等の操作によってオペレータが適宜切り替えるようにしてもよいし、画像データと共に送られる画像情報等に基づいてコントローラ100が自動的に切り替えるようにしてもよい。
e) メンテナンス手段の他の実施形態
以上のインクジェット記録装置10A、10Bでは、メンテナンス手段としてインク吐き捨てを行うようにしたが、これに代えて、又は、これに加えて、記録ヘッド1a〜1dの全てのノズルからインクを強制的に吸引するインク吸引や、記録ヘッド1a〜1d内を加圧して内部のインクをノズルから強制的に排出するフラッシングのいずれか一方又は両方を設けるようにしてもよい。
図23は、インク吸引を行うメンテナンス部7の一例を示している。
インク吸引を行うメンテナンス部7は、記録ヘッド1のノズル面11に密着するキャップ72を有している。キャップ72内の空間は吸引管73と連通しており、この吸引管73には吸引ポンプ74が接続されている。メンテナンス駆動部106が立ち上げられると、キャップ72を記録ヘッド1のノズル面11に密着させた後、吸引ポンプ74を駆動させてキャップ72内を減圧することにより、記録ヘッド1のノズル12から該記録ヘッド1内のインク、好ましくは内部のインクの全量を強制的に吸引することによって排出する。排出された廃インクは不図示の廃インクタンクに送られる。
インク吸引を行う場合、記録ヘッド1a〜1dにそれぞれキャップ72を設けてもよいし、1つのキャップ72を複数の記録ヘッド1a〜1dで共用し、記録ヘッド1a〜1d毎にインク吸引動作を順次行うようにしてもよい。
図24は、記録ヘッド1a〜1d内を加圧してインクをノズルから強制的に排出するフラッシングを行うメンテナンス部7の一例を示す概略図である。
記録ヘッド1a〜1dは1つの共通流路部材13に接続されており、この共通流路部材13は開閉弁V1を介して中間タンク14と接続されている。中間タンク14は、インク供給管15を介してインクタンク16から供給されたインクが一旦貯留され、共通流路部材13を介して各記録ヘッド1a〜1dに供給されるようになっている。インク供給管15には開閉弁V2及びインク供給ポンプ17が設けられており、開閉弁V2を開放してインクタンク16から中間タンク14にインクを供給する。
そして、フラッシングを行う際、開閉弁V1を閉じた状態でインク供給ポンプ17を駆動させ、中間タンク14内に所定量のインクを供給し、中間タンク14の内圧を高めた後、開閉弁V1を開放することにより、中間タンク14内のインクを一気に共通流路部材13に流入させ、該共通流路部材13を介して各記録ヘッド1a〜1dに中間タンク14からの加圧力を作用させる。これにより、各記録ヘッド1a〜1d内のインク、好ましくは内部のインクの全量がノズルからインク受け皿71に強制的に排出される。排出された廃インクは不図示の廃インクタンクに送られる。
このようなフラッシングは、インクを使用するものに限らず、フラッシング専用の洗浄液を使用してもよい。例えば、図24に示すように、インク供給管15に開閉弁V3及び洗浄液タンク18を接続しておき、フラッシングを行う際、開閉弁V2を閉じ、開閉弁V3を開放して中間タンク14内を洗浄液タンク18から供給される洗浄液と置換し、この洗浄液を中間タンク14から各記録ヘッド1a〜1dに加圧供給するようにしてもよい。
また、この他、自動メンテナンスには記録ヘッド1a〜1dのノズル面をゴムブレード等によって拭き取るワイピングを付加してもよい。
このような自動メンテナンスは、自動メンテナンスに伴うインク消費量によって、インク消費量が多い強メンテナンスと、この強メンテナンスよりもインク消費量が少ない弱メンテナンスとに分けることができる。例えば、インク吐き捨ては比較的短時間で終了するため、インク消費量が少ない弱メンテナンスに分類することができる。一方、インク吸引やフラッシングは、記録ヘッド1a〜1dから排出されるインク量がインク吐き捨てに比べて遥かに多くなるため、インク消費量が多い強メンテナンスに分類することができる。
これら強メンテナンスと弱メンテナンスの両方をインクジェット記録装置において実施可能に構成した場合、自動メンテナンスに伴うインク消費量を抑える観点から、強メンテナンスよりも弱メンテナンスの方が多く実施されるようにすることが好ましい。例えば、通常の自動メンテナンスを弱メンテナンスで実施し、その弱メンテナンスを所定回数実施する毎に、1回の強メンテナンスを挟むようにすることが考えられる。これにより、自動メンテナンスに伴うインク消費を抑えながらも、強メンテナンスの実施による記録ヘッド1a〜1dのノズル回復効果を向上させることができる。
また、強メンテナンスは、弱メンテナンスに比べて記録ヘッド1a〜1dのノズル回復効果が高いため、この強メンテナンスの実施を第1のカウンタ105aをリセットするリセットトリガーとすることもできる。これにより、強メンテナンスの実施後、自動メンテナンスの間隔は最も長い間隔となるように戻されるため、それだけ無駄なインク消費を抑えることができる。
f)任意実施手段の他の実施形態
以上の説明では、メンテナンスを任意のタイミングで実施させる任意実施手段として、オペレータによって操作されるマニュアルメンテナンス操作部107を設けるようにしたが、これに代えて、又は、これに付加して、通常の自動メンテナンスとは別のタイミングでコントローラ100の制御によって実施するようにしてもよい。
通常の自動メンテナンスとは別のタイミングとしては、例えば記録媒体Pが詰まるジャムが発生したタイミング、インク残量切れによるインクタンクの新規交換のタイミング、記録媒体切れによる記録媒体の新規装填のタイミング等が挙げられる。
これらのタイミングは、一時的に画像記録が中断されることにより、ノズル内のインク乾燥等によってノズル詰りが発生する確率が高まる。このため、コントローラ100がこれらのタイミングを検出した場合に自動メンテナンスを行うことにより、画像品質の維持を図ることができる。
10A、10B:インクジェット記録装置
1、1a〜1d:記録ヘッド
11:ノズル面
12:ノズル
13:共通流路部材
14:中間タンク
15:インク供給管
16:インクタンク
17:インク供給ポンプ
18:洗浄液タンク
2:キャリッジ
3:ガイドレール
4:リニアエンコーダ
5:ベルト搬送部
51、52:搬送ローラ
53:搬送ベルト
6:記録媒体検出センサ(累積値検出手段)
7:メンテナンス部
71:インク受け皿
72:キャップ
73:吸引管
74:吸引ポンプ
8:環境値検出センサ(環境値検出手段)
100、100A、100B:コントローラ(制御手段)
101:キャリッジモータ
102:エンコーダセンサ
103:搬送モータ
104:ヘッド駆動部
105a:第1のカウンタ(第1の累積値検出手段)
105b:第2のカウンタ(第2の累積値検出手段)
106:メンテナンス駆動部
107:マニュアルメンテナンス操作部(任意稼働手段)
108:ROM
109:パルス発生部
110:パルスカウンタ
DT1〜DT6:データテーブル
da1〜da4:第1の設定値領域
ab1〜db4:第2の設定値領域
WDT1〜WDT5:重み付けデータテーブル

Claims (18)

  1. 記録ヘッドのノズルから記録媒体上にインク滴を吐出することによって画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、
    画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値を検出する累積値検出手段と、
    前記累積要素の累積値を、自動メンテナンスの実施時期を示すメンテナンス指標と対比し、該メンテナンス指標に達した場合に前記メンテナンス手段を稼働して前記記録ヘッドの自動メンテナンスを実施すると共に、画像記録の継続に伴い、前記累積要素の累積値と対比する前記メンテナンス指標を、第1のメンテナンス指標から、該第1のメンテナンス指標よりも小さい第2のメンテナンス指標への置き換えを少なくとも1回行う制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 自動メンテナンスの実施時期を示す複数のメンテナンス指標が記憶された記憶手段を有し、
    前記制御手段は、前記記録媒体に対する画像記録が継続するにつれて、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記記憶手段に記憶された前記複数のメンテナンス指標のうちの前記第1のメンテナンス指標から前記第2のメンテナンス指標に置き換えることにより、前記記録ヘッドの自動メンテナンスの実施時期を段階的に短くしていくことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドの周囲の環境の温度と湿度の少なくともいずれかを検出する環境値検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記環境値検出手段の検出値を予め設定された範囲と対比し、該範囲から外れたことを判別した場合に、前記メンテナンス指標に重み付けをすると共に、前記累積値を該重み付けがされた後の前記メンテナンス指標と対比することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲を下回ったことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより大きくなるように重み付けをし、前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲を超えたことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより小さくなるように重み付けをすることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲から外れている継続時間を計時する計時手段を有し、
    前記制御手段は、前記環境値検出手段の検出値が予め設定された範囲から外れたことを判別した場合に、前記計時手段によって計時された継続時間が長くなる程、前記重み付けの値がより大きくなるように重み付けをすることを特徴とする請求項3又は4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記メンテナンス手段によるメンテナンスを任意のタイミングで実施させる任意実施手段を備え、
    前記制御手段は、前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、該メンテナンスの実施後に画像記録を再開した時点を、前記累積値検出手段によって前記累積値を検出する際の起点とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記任意稼働手段によってメンテナンスが実施された以前の前記メンテナンス指標よりも小さくなるように変更することを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記累積要素は、前記記録媒体の出力数、インク消費量、前記記録ヘッドの駆動時間のいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記メンテナンス手段は、前記ノズルからインクを強制的に吐き捨てるインク吐き捨て手段と、前記記録ヘッド内のインクを強制的に排出するフラッシング手段と、前記記録ヘッド内のインクをノズルから吸引するインク吸引手段の少なくともいずれかの手段を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. ノズルから記録媒体上にインク滴を吐出することによって画像を記録する記録ヘッドのメンテナンス方法において、
    画像記録の継続に伴って増加する累積要素の累積値を検出し、該累積値を、自動メンテナンスの実施時期を示すメンテナンス指標と対比し、該メンテナンス指標に達した場合に前記記録ヘッドの自動メンテナンスを実施すると共に、画像記録の継続に伴い、前記累積要素の累積値と対比する前記メンテナンス指標を、第1のメンテナンス指標から、該第1のメンテナンス指標よりも小さい第2のメンテナンス指標への置き換えを少なくとも1回行うことを有することを特徴とする記録ヘッドのメンテナンス方法。
  11. 自動メンテナンスの実施時期を示す複数のメンテナンス指標を記憶手段に記憶させておき、
    前記記録媒体に対する画像記録が継続するにつれて、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記記憶手段に記憶された前記複数のメンテナンス指標のうちの前記第1のメンテナンス指標から前記第2のメンテナンス指標に置き換えることにより、前記記録ヘッドの自動メンテナンスの実施時期を段階的に短くしていくことを特徴とする請求項10記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  12. 前記記録ヘッドが配置されている環境の温度と湿度の少なくともいずれかの検出値を予め設定された範囲と対比し、該範囲から外れたことを判別した場合に、前記メンテナンス指標に重み付けをすると共に、前記累積値を該重み付けがされた後の前記メンテナンス指標と対比することを特徴とする請求項10又は11記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  13. 前記検出値が予め設定された範囲を下回ったことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより大きくなるように重み付けをし、前記検出値が予め設定された範囲を超えたことが判別された場合に、前記メンテナンス指標をより小さくなるように重み付けをすることを特徴とする請求項12記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  14. 前記検出値が予め設定された範囲から外れたことを判別した場合に、該範囲から外れている継続時間を計時し、該継続時間が長くなる程、前記重み付けの値がより大きくなるように重み付けをすることを特徴とする請求項12又は13記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  15. 前記記録ヘッドのメンテナンスを任意のタイミングで実施させる任意実施手段を備え、
    前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、該メンテナンスの実施後に画像記録を再開した時点を、前記累積値を検出する際の起点とすることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  16. 前記任意実施手段によってメンテナンスが実施された場合に、前記累積値と対比する前記メンテナンス指標を、前記任意実施手段によってメンテナンスが実施される以前の前記メンテナンス指標よりも小さくなるように変更することを特徴とする請求項15記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  17. 前記累積要素は、前記記録媒体の出力数、インク消費量、前記記録ヘッドの駆動時間のいずれかであることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
  18. 前記記録ヘッドのメンテナンスは、前記ノズルからインクを強制的に吐き捨てるインク吐き捨てと、前記記録ヘッド内のインクを強制的に排出するフラッシングと、前記記録ヘッド内のインクをノズルから吸引するインク吸引の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の記録ヘッドのメンテナンス方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018001672A (ja) * 2016-07-06 2018-01-11 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェット式記録装置
US10532576B2 (en) 2017-09-29 2020-01-14 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid jetting apparatus
US10814621B2 (en) 2018-07-31 2020-10-27 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejecting apparatus and liquid ejection controlling method

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