JP2015132205A - 内燃機関の振動低減構造 - Google Patents

内燃機関の振動低減構造 Download PDF

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Abstract

【課題】重心を変化させることなく、簡易な構造で、一次慣性偶力を低減する内燃機関の振動低減構造を提供する。【解決手段】クランクシャフト3の中心軸に直交してV字型に配設される一対のシリンダー4f,4rを有するエンジン1の振動低減構造であって、各シリンダー4f,4r内で往復運動するように、コネクティングロッドを介してクランクシャフトの中心軸方向に位置ずれしてクランクシャフトに連結される一対のピストン5f,5rと、一対のピストン5f,5rの往復運動に連動してクランクシャフトと一体に回転するようにクランクシャフトの軸方向端部に取り付けられるマグネトー27と、を備え、マグネトー27には、ピストン5f(5r)の往復運動に基づく一次慣性力による一次慣性偶力を低減する慣性力を発生させる不釣合い形状部35が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、自動二輪車に好適に用いられる内燃機関の振動低減構造に関する。
振動を低減するための構造を備えた内燃機関が広く知られている。
例えば、特許文献1には、ピストンが連結したクランク軸と、クランク軸の端部に固着した冷却ファンと、を備えた内燃機関が開示されている。冷却ファンは、ディスクの一側面に多数の羽根を設け、ディスクの他側面に第1重錘を設け、クランク軸の軸線を挟んで第1重錘の反対側に位置する羽根の一部を第2重錘としている。この内燃機関では、クランク軸の回転に伴う両重錘の遠心力の合力がピストンの往復運動の慣性力と釣り合うと共に、両重錘がクランク軸に及ぼす偶力が釣り合うようになっている。
また、例えば、特許文献2には、クランクシャフトの回転数の2倍の速さで回転する二次バランス軸を備えたV型2気筒エンジンが開示されている。このエンジンでは、二次バランス軸によって二次慣性力による鉛直および水平方向の振動の発生を防止するようになっている。
特開平04−034250号公報 特開2006−002613号公報
特許文献1に記載の技術では、両重錘が所謂カウンタウェイトとして機能して、単気筒内燃機関のピストンの慣性力と釣り合うようになっている。しかしながら、この両重錘は、クランク軸の端部に配置した冷却ファンに設けられているため、内燃機関の重心が、クランク軸の端部側に大きくずれるという問題があった。また、第2重錘となる羽根と他の羽根とは別々の材料で構成されるため、構造の複雑化およびコストアップを招いていた。
特許文献2に記載の技術では、内燃機関の重心がずれるという問題は少ないものの、二次バランス軸を設けるため、依然として構造の複雑化およびコストアップという問題があった。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、重心を変化させることなく、簡易な構造で、一次慣性偶力を低減する内燃機関の振動低減構造を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の振動低減構造は、クランクシャフトの中心軸に直交してV字型に配設される一対のシリンダーを有する内燃機関の振動低減構造であって、前記各シリンダー内で往復運動するように、コネクティングロッドを介して前記クランクシャフトの中心軸方向に位置ずれして前記クランクシャフトに連結される一対のピストンと、前記一対のピストンの往復運動に連動して前記クランクシャフトと一体に回転するように前記クランクシャフトの軸方向端部に取り付けられるマグネトーと、を備え、前記マグネトーには、前記ピストンの往復運動に基づく一次慣性力による一次慣性偶力を低減する慣性力を発生させる不釣合い形状部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、クランクシャフトに位置ずれして連結されるピストンが往復運動したときに発生する一次慣性偶力(モーメント)を、不釣合い形状部によって低減することができる。これにより、内燃機関の振動を抑制することができる。また、内燃機関の重心から離れて配設されるマグネトーに不釣合い形状部が形成されているため、不釣合い形状部によって小さな慣性力を発生させることで一次慣性偶力を打ち消すためのモーメントが生じる。したがって、不釣合い形状部は、マグネトーの回転バランスを僅かに不均衡にする程度の小さな重量変化をもたらすもので足りる。これにより、不釣合い形状部を設けたとしても、内燃機関の重心変化を小さくすることができる。
この場合、前記不釣合い形状部は、前記マグネトーの一部を切り欠いて形成されていることが好ましい。
この構成によれば、マグネトーの一部を切り欠くことで不釣合い形状部が形成されるため、マグネトーの回転バランスを不均衡にするために、部材の追加や交換を省略することができると共に、製造コストを削減することができる。これにより、簡易な構成で、内燃機関の軽量化等を図りつつ、一次慣性偶力を低減することができる。
この場合、前記不釣合い形状部は、前記ピストンが上死点または下死点にあるときに、前記クランクシャフトの軸方向から見て、前記シリンダーの軸線上に位置するように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ピストンの往復運動での一次慣性力によって生じる一次慣性偶力を、より有効に低減することができる。
本発明によれば、重心を変化させることなく、簡易な構造で、一次慣性偶力を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの外観を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの内部構造を示す側方断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの内部構造を示す後方断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンのマグネトーを示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンのマグネトーを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの前気筒内のピストンが上死点にあるときにクランクシャフトに作用する力を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの前気筒内のピストンが下死点にあるときにクランクシャフトに作用する力を示す説明図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るエンジンのマグネトーを示す側面図である。 本発明の一実施形態の他の変形例に係るエンジンのマグネトーを示す断面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、図1ないし図5を参照して、本実施形態に係る内燃機関としてのエンジン1について説明する。ここで、図1はエンジン1の外観を示す側面図である。図2および図3はエンジン1の内部構造を示す側方断面図および後方断面図である。図4および図5はマグネトー27を示す側面図および断面図である。なお、図1および図2に矢印で示す「Fr」は、エンジン1(自動二輪車)の前方を示している。
図1に示すように、エンジン1は、例えば、自動二輪車に搭載されるV型2気筒エンジンである。エンジン1は、自動二輪車の車体フレーム100に形成されるブラケット等に複数のエンジン固定ボルトB1によって固定されている。車体フレーム100の前部には、エンジン1内を循環する冷却水を冷却するためのラジエーター101が固定されている。
図1および図2に示すように、エンジン1は、クランクケース2の内部で軸支されるクランクシャフト3の中心軸に直交してV字型に配設される一対のシリンダー4f,4rを有している。
一対のシリンダー4f,4rは、互いに前後方向に90度の挟み角を有して、クランクケース2上に設けられている。一方のシリンダー4f(「前気筒4f」とも呼ぶ。)は、クランクケース2の前部から斜め上前方に延設され、他方のシリンダー4r(「後気筒4r」とも呼ぶ。)は、クランクケース2の上部から斜め上後方に延設されている。なお、一対のシリンダー4f,4rは、それぞれ、略同様の構成を有しているため、以下、一方のシリンダー4fについてのみ説明し、他方のシリンダー4rの説明は省略する。また、以下の説明および図面において、シリンダー4f側の各構成の符号には「f」を付し、シリンダー4r側の各構成の符号には「r」を付すこととする。
図1および図2に示すように、一方のシリンダー4f(前気筒4f)は、下部から順に、シリンダーブロック10fと、シリンダーヘッド11fと、シリンダーヘッドカバー12fと、を有している。
図2に示すように、シリンダーブロック10fとシリンダーヘッド11fとの間には、燃焼室13fが形成されている。シリンダーヘッド11fには、燃焼室13fに連通する吸気ポート14fと排気ポート15fとが形成されている。吸気ポート14fは、吸気動弁機構16fを介して吸気バルブ17fを駆動することによって所定のタイミングで開閉される。排気ポート15fは、排気動弁機構18fを介して排気バルブ19fを駆動することによって所定のタイミングで開閉される。混合気は、開放された吸気ポート14fから燃焼室13fに供給され、燃焼室13fからの排気は、開放された排気ポート15fから排出される。なお、ラジエーター101から延びるパイプ102は、シリンダーヘッド11fに形成される冷却水ポート20fに接続されている(図1参照)。冷却水ポート20fを介して送られた冷却水は、シリンダー4fに形成されるウォータージャケット(図示せず)を通過してエンジン1を冷却する。
図2および図3に示すように、前気筒4fと後気筒4rとの内部には、それぞれ、ピストン5f、5rが往復動可能に設けられている。各ピストン5f,5rの下部には、コネクティングロッド6f,6rの上端部に形成される小端部21f,21rがピストンピン22f,22rを介して連結されている。各コネクティングロッド6f,6rの下端部には、大端部23f,23rが形成されている。
図3に示すように、クランクシャフト3の軸方向中間部には、クランクシャフト3の中心軸から偏心する位置にクランクピン24が形成されている。クランクピン24には、2つのコネクティングロッド6f,6rが連結されている(所謂同位相クランク)。詳細には、図3において、クランクピン24の軸方向左側(後述するマグネトー27の配置側)には、前気筒4f内のコネクティングロッド6fの大端部23fが連結し、その軸方向右側(マグネトー27が配置されていない側)には、後気筒4r内のコネクティングロッド6rの大端部23rが連結されている。したがって、一対のピストン5f,5rは、コネクティングロッド6f,6rを介してクランクシャフト3の中心軸方向に互いに位置ずれしてクランクシャフト3に連結されている。詳細には、ピストン5f(前気筒4f)は、ピストン5r(後気筒4r)に対して左側(マグネトー27の配置側)にオフセットされている。なお、オフセット量Gは、少なくとも大端部23fの軸方向厚さに相当する。
また、クランクシャフト3には、クランクピン24の軸方向両端部からクランクピン24の偏心方向とは反対方向に延びるバランスウェイト25が形成されている。
図3において、クランクシャフト3の軸方向右端部には、プライマリギア26が固定されている。図示は省略するが、プライマリギア26は、クラッチ機構を介してトランスミッションに連結されている。各ピストン5f,5rの往復運動は、コネクティングロッド6f,6rを介してクランクシャフト3の回転運動に変換され、クランクシャフト3の回転は、トランスミッションによって変速されてエンジン1の出力として取り出されるようになっている。
図3において、クランクシャフト3の軸方向左端部には、マグネトー27が取り付けられている。つまり、クランクシャフト3の軸方向に沿って、左側から、マグネトー27、クランクシャフト3の左側軸受け、左側のバランスウェイト25、前気筒4fのコネクティングロッド6f、後気筒4rのコネクティングロッド6r、右側のバランスウェイト25、クランクシャフト3の右側軸受け、プライマリギア26の順に配置されている。なお、マグネトー27は、クランクケース2に取り付けられるカバー28で覆われる配設室R内に収容されている。
図3ないし図5に示すように、マグネトー27は、一対のピストン5f,5rの往復運動に連動してクランクシャフト3と一体に回転するフライホイール30と、フライホイール30の内側に設けられるステーター31と、を有している。
図3に示すように、フライホイール30は、有底円筒状に形成され、クランクシャフト3の軸方向端部にホイール固定ボルトB2によって固定されている。フライホイール30は、内周面に固着する永久磁石32を有し、軸方向外側に開口部を向けた状態でクランクシャフト3に固定されている。
図4に示すように、ステーター31は、円環状の鉄芯33に対し、周方向に等間隔で複数のコイル34を並設して構成されている。ステーター31は、鉄芯33の内側部を貫通するステーター固定ボルトB3によってカバー28の内側底部に固定されている(図3参照)。
エンジン1の作動時には、ステーター31の周囲をフライホイール30が回転し、フライホイール30に固着した永久磁石32とステーター31との間の電磁誘導作用によって発電が行われる。なお、詳細な説明は省略するが、マグネトー27による発電時には発熱が伴うため、マグネトー27は、エンジンオイルによって冷却される。エンジンオイルは、フライホイール30の回転によって、配設室R内において霧状に拡散し、マグネトー27全体を冷却するようになっている。
ここで、上記したバランスウェイト25の重量は、ピストン5f,5r等の往復部重量に対するクランクシャフト3等の回転部重量の割合を示すクランクバランス率を1気筒当たり50%となるように設定されている。クランクバランス率を50%とすることで、挟み角90度のV型2気筒のエンジン1において、2つのピストン5f,5r等の往復運動によって生じる一次慣性力と、クランクシャフト3等の回転運動によって生じる一次慣性力と、が相殺される。これにより、一次慣性力に基づく振動を理論上打ち消すことができる。
ところが、上記したように、本実施形態に係るエンジン1は、自動二輪車に搭載されるV型2気筒エンジンであって、一対のピストン5f,5rは、それぞれ、同一のクランクピン24にコネクティングロッド6f,6rにて連結される所謂同位相クランクを備えている。つまり、一対のピストン5f,5rは互いにクランクシャフト3の軸方向に位置ずれしているため、例えば、前気筒4f内のピストン5fが上死点または下死点に達したときに、一次慣性力によって一次慣性偶力(モーメント)が発生する。そして、この一次慣性偶力が、エンジン1に振動を発生させる。そこで、本実施形態に係るエンジン1は、一次慣性偶力に起因する振動を抑制するための振動低減構造を採用している。
図4および図5に示すように、振動低減構造は、上記したような一対のピストン5f,5rがクランクシャフト3の軸方向にずれて配置されたV型2気筒のエンジン1において、クランクシャフト3の軸方向左端部に取り付けられたマグネトー27に形成される不釣合い形状部35を含んで構成されている。すなわち、エンジン1の重心から離れて設けられるマグネトー27には、各ピストン5f,5rの往復運動に基づく一次慣性力による一次慣性偶力を低減する慣性力を発生させる不釣合い形状部35が形成されている。
不釣合い形状部35は、マグネトー27のフライホイール30の一部を切り欠いて形成されている。詳細には、不釣合い形状部35は、フライホイール30の軸方向外側かつ径方向外側において、接線方向に沿って切り欠かれている。不釣合い形状部35は、クランクシャフト3の軸方向から見て扇状に形成されている(図4参照)。したがって、フライホイール30は、クランクシャフト3の軸心を挟んで不釣合い形状部35に対向する反対側が相対的に重くなるように形成されている。
また、不釣合い形状部35は、ピストン5fが上死点または下死点にあるときに、クランクシャフト3の軸方向から見て(側面視で)、シリンダー4f(前気筒4f)の軸線(図4の一点鎖線参照)上に位置するように形成されている。
一例として、図6および図7を参照しつつ、前気筒4f内のピストン5fが往復運動するときの後気筒4r(ピストン5r)に作用する力について説明する。ここで、図6および図7はクランクシャフト3に作用する力を示す説明図であって、図6はピストン5fが上死点にあるときを示し、図7はピストン5fが下死点にあるときを示している。なお、図6および図7では、前気筒4fの軸、後気筒4rの軸およびクランクシャフト3の軸の位置関係を模式的に示している。具体的には、横軸が前気筒4fの軸(ピストン5fの運動方向)を示し、縦軸が後気筒4rの軸(ピストン5rの運動方向)を示し、傾斜軸がクランクシャフト3の軸(回転軸)を示している。前気筒4fの軸(横軸)とクランクシャフト3の軸(傾斜軸)は直交し、後気筒4rの軸(縦軸)とクランクシャフト3の軸(傾斜軸)は直交している。そして、前気筒4fの軸(横軸)と後気筒4rの軸(縦軸)とは、クランクシャフト3の軸(傾斜軸)方向にオフセット量Gだけクランクシャフト3の軸(傾斜軸)方向にオフセットしている。前気筒4fの軸(横軸)と後気筒4rの軸(縦軸)とは、クランクシャフト3の軸(傾斜軸)方向から見て直交している。また、マグネトー27(不釣合い形状部35)は、後気筒4rの軸(縦軸)に対して前気筒4fの軸(横軸)が配置される側であって、前気筒4fの軸(横軸)から離れた(遠い)クランクシャフト3の端部に取り付けられている。
図6に示すように、前気筒4f内のピストン5fが上死点にあるとき、ピストン5fの一次慣性力はクランクシャフト3の回転軸中心から離れる右方向(実際には斜め上前方向)に作用する(図6に示す右向きの白抜き矢印参照)。このとき、各バランスウェイト25の一次慣性力は、左方向(実際には斜め下後方向)に作用する(図6に示す2つの左向きの白抜き矢印参照)。すなわち、各バランスウェイト25の一次慣性力は、ピストン5fの一次慣性力を打ち消すようにクランクシャフト3の回転軸中心に関して前気筒4fの反対方向に作用する。また、上記したピストン5fの一次慣性力とバランスウェイト25の一次慣性力とによって一次慣性偶力(後気筒4rの軸周りのモーメント)が発生する(図6に示す後気筒4rの軸周りの破線矢印参照)。
また、このとき(前気筒4f内のピストン5fが上死点にあるとき)、マグネトー27はクランクシャフト3と一体回転し、フライホイール30に形成された不釣合い形状部35は、クランクシャフト3の軸(傾斜軸)方向から見て、前気筒4fの軸線上に位置している(図4参照(図4では不釣合い形状部35が切欠きで形成されているため、不釣合い形状部35はクランクシャフト3の軸を基準に前気筒4f側に配置される。))。したがって、フライホイール30の不釣合いによる慣性力は、前気筒4f内のピストン5fと反対方向となる左方向(実際には斜め下後方向)に作用する(図6に示す左向きの黒塗り矢印参照)。すなわち、フライホイール30の慣性力は、上記したピストン5fの一次慣性力とバランスウェイト25の一次慣性力とによる一次慣性偶力(モーメント)を打ち消すように作用する。
続いて、図7に示すように、前気筒4f内のピストン5fが下死点にあるとき、ピストン5fの一次慣性力はクランクシャフト3の回転軸中心に接近する左方向に作用する(図7に示す左向きの白抜き矢印参照)。このとき、各バランスウェイト25の一次慣性力は、ピストン5fの一次慣性力を打ち消すように反対方向(右方向(前気筒4f側))に作用する(図7に示す2つの右向きの白抜き矢印参照)。また、上記したように、ピストン5fの一次慣性力とバランスウェイト25の一次慣性力とによって一次慣性偶力(後気筒4rの軸周りのモーメント)が発生する(図7に示す後気筒4rの軸周りの破線矢印参照)。
また、このとき(前気筒4f内のピストン5fが下死点にあるとき)、マグネトー27はクランクシャフト3と一体回転し、フライホイール30に形成された不釣合い形状部35が切欠きで形成されているため、不釣合い形状部35は、クランクシャフト3の軸(傾斜軸)方向から見て、クランクシャフト3の軸を挟んで前気筒4fの反対側となる前気筒4fの軸線上に位置している。したがって、フライホイール30の慣性力は、一次慣性偶力(モーメント)を打ち消すように(右向きに)作用する(図7に示す右向きの黒塗り矢印参照)。
以上のように、不釣合い形状部35を形成したマグネトー27(フライホイール30)がクランクシャフト3と一体回転することによって、ピストン5fの一次慣性力による一次慣性偶力(後気筒4rの軸周りのモーメント)を有効に低減することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、例えば、後気筒4r内のピストン5rが上死点または下死点に達したときに、前気筒4fの軸周りのモーメントとなる一次慣性偶力が発生する場合には、図8に示すように、クランクシャフト3の軸方向から見て、シリンダー4r(後気筒4r)の軸線(図8の一点鎖線参照)上であって、一次慣性偶力(モーメント)を打ち消す位置に不釣合い形状部35を形成する(切り欠く)。
以上説明した本実施形態に係るエンジン1の振動低減構造によれば、クランクシャフト3に位置ずれして連結されるピストン5f(5r)が往復運動したときに発生する一次慣性偶力(モーメント)を、不釣合い形状部35によって低減することができる。これにより、エンジン1の振動を抑制することができる。また、エンジン1の重心(正確には、一次慣性偶力の発生位置)から離れて配設されるマグネトー27に不釣合い形状部35が形成されている。このため、不釣合い形状部35によって小さな慣性力を発生させることで一次慣性偶力を打ち消すためのモーメントが生じる。したがって、不釣合い形状部35は、マグネトー27の回転バランスを僅かに不均衡にする程度の小さな重量変化をもたらすもので足りる。これにより、不釣合い形状部35を設けたとしても、エンジン1の重心変化を小さくすることができる。なお、不釣合い形状部35を小さくしてエンジン1の重心変化を小さくするためには、エンジン1の重心位置から可能な限り引き離した位置に不釣合い形状部35を設けることが好ましい。
また、本実施形態に係るエンジン1の振動低減構造によれば、マグネトー27の一部を切り欠くことで不釣合い形状部35が形成されるため、マグネトー27の回転バランスを不均衡にするために、部材の追加や交換を省略することができると共に、製造コストを削減することができる。これにより、簡易な構成で、エンジン1の軽量化等を図りつつ、一次慣性偶力を低減することができる。
なお、上記した本実施形態に係るエンジン1の振動低減構造では、フライホイール30の軸方向外側を切り欠いて不釣合い形状部35を形成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示すように、フライホイール30の軸方向内側(クランクシャフト3側)かつ径方向外側の一部を切り欠くことによって不釣合い形状部35を形成してもよい。
なお、上記した本実施形態に係るエンジン1の振動低減構造では、マグネトー27のフライホイール30の一部を切り欠いて不釣合い形状部35を形成していたが、本発明はこれに限定されない。図示は省略するが、例えば、切欠きによる不釣合い形状部35ではなく、不釣合い形状部としてフライホイール30の一部に少量の錘を付加してもよい。この場合、錘としての不釣合い形状部は、例えば、ピストン5fが上死点にあるときに、クランクシャフト3の軸に対して前気筒4fの反対側となる軸線上に位置するように設けることが好ましい。すなわち、不釣合い形状部35は、一次慣性偶力(モーメント)を低減可能な慣性力を発生するようにマグネトー27の回転バランスを不均衡とすることができればよい。
なお、上記した本実施形態に係るエンジン1の振動低減構造では、不釣合い形状部35を側面視で扇状に形成したが、これに限らず、不釣合い形状部35の形状は任意である。例えば、側面視で円形や多角形等の切り欠き(または錘)によって不釣合い形状部35を形成してもよい。
なお、上記した本実施形態の説明では、一例として、本発明を自動二輪車に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、四輪車等の車両に対して本発明を適用してもよい。
なお、上記した本発明の各実施形態等の説明は、本発明に係るエンジン1の振動低減構造における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
1 エンジン(内燃機関)
3 クランクシャフト
4f,4r シリンダー
5f,5r ピストン
6f,6r コネクティングロッド
27 マグネトー
35 不釣合い形状部

Claims (3)

  1. クランクシャフトの中心軸に直交してV字型に配設される一対のシリンダーを有する内燃機関の振動低減構造であって、
    前記各シリンダー内で往復運動するように、コネクティングロッドを介して前記クランクシャフトの中心軸方向に位置ずれして前記クランクシャフトに連結される一対のピストンと、
    前記一対のピストンの往復運動に連動して前記クランクシャフトと一体に回転するように前記クランクシャフトの軸方向端部に取り付けられるマグネトーと、を備え、
    前記マグネトーには、前記ピストンの往復運動に基づく一次慣性力による一次慣性偶力を低減する慣性力を発生させる不釣合い形状部が形成されていることを特徴とする内燃機関の振動低減構造。
  2. 前記不釣合い形状部は、前記マグネトーの一部を切り欠いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の振動低減構造。
  3. 前記不釣合い形状部は、前記ピストンが上死点または下死点にあるときに、前記クランクシャフトの軸方向から見て、前記シリンダーの軸線上に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の振動低減構造。
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