JP2015131583A - ハンドル - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重によるフックの係合面とワイヤとの係合の外れを確実に防止できるとともに、フックの係合面とワイヤとの係合を意図的に着脱するときにはワイヤを容易に移動させることができるステアリングホイールを提供する。
【解決手段】基板部71を貫通する開口部101を備える。係合面57aと交差する方向に沿って開口部101に挿通するフック43を備える。開口部101に対向する位置に、開口部101へのフック43の挿通方向に対して交差する所定方向に付勢して、開口部101に挿通したフック43の係合面57aに係合してフック43を保持するワイヤ84,85を備える。ワイヤ84,85の一部が開口部101へのフック43の挿通方向と反対方向へのフック43の係合面57aからの荷重により変形したときに嵌合する溝部105を、開口部101に連続しワイヤ84,85の一部に対向させて基板部71に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、モジュールの取付部材をハンドル本体の支持部に対向させた状態でモジュールをハンドル本体に取り付けたハンドルに関する。
従来、自動車のハンドルすなわちステアリングホイールとして、ステアリングホイール本体を構成する支持部であるボス部(ボス芯金)に、折り畳まれたエアバッグ、このエアバッグにガスを供給するインフレータ、これらエアバッグとインフレータとが取り付けられたベースプレート、及び、エアバッグとインフレータとを覆いベースプレートと連結されたカバー体などを備えたエアバッグ装置などのモジュールを取り付けて構成されるものが知られている。
そして、このようなエアバッグ装置として、モジュールのケース体のベースプレートに設けた貫通孔の背面側の両側部及び下部の3箇所にそれぞれ配置されたU字状の係合部材であるスナップロックばね(ワイヤ)に対して、ステアリングホイール本体のボス部に設けた係合部である複数のフックを貫通孔にそれぞれ押し込んでスナップロックばねに引っ掛けることで、モジュールをボス部にワンタッチで取り付ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−255753号公報 (第7−8頁、図9)
上記のような構成の場合、エアバッグが膨張展開する際には、このエアバッグがカバー体を押し上げ、その圧力によって、カバー体に予め形成された破断予定部(テアライン)を破断させることで、カバー体に突出口を開口させる。したがって、このカバー体と連結されたベースプレートには、エアバッグの展開によりステアリングホイール本体から離間される方向に荷重が加わる。このため、この荷重によって、剛体であるフックに対してスナップロックばねが逃げてフックとの係合が外れ、モジュールがステアリングホイール本体から外れないようにすることが求められる。
一方で、スナップロックばねは、モジュールをステアリングホイール本体から取り外す際に、付勢に抗して変形させることでフックとの係合を外す必要があるため、スナップロックばねの変形を妨げるように保持することは好ましくない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、荷重によるフックの係合面と係合部材との係合の外れを確実に防止できるとともに、フックの係合面と係合部材との係合を意図的に着脱するときには係合部材を容易に移動させることができるハンドルを提供することを目的とする。
請求項1記載のハンドルは、支持部を備えたハンドル本体と、取付部材を備えたモジュールと、前記取付部材を前記支持部に対向させた状態で前記モジュールを前記ハンドル本体に支持する支持手段とを具備し、前記支持部と前記取付部材とのいずれか一方は、取付面部を有し、前記支持手段は、前記取付面部を貫通して設けられた孔部と、係合面を有しこの係合面と交差する方向に沿って前記孔部に挿通されるフックを備え、前記支持部と前記取付部材との他方に取り付けられた支持部材と、前記孔部に対向する位置に配置され、前記孔部への前記フックの挿通方向に対して交差する所定方向に付勢され、前記孔部に挿通された前記フックの係合面に係合されてこのフックを保持する係合部材とを備え、前記孔部に連続し前記係合部材の一部に対向して前記取付面部に位置し、前記係合部材の一部が前記孔部への前記フックの挿通方向と反対方向への前記フックの係合面からの荷重により変形したときに嵌合する溝部が設けられたものである。
請求項2記載のハンドルは、請求項1記載のハンドルにおいて、溝部は、孔部から離間されるほど深さが浅くなるように設けられたものである。
請求項1記載のハンドルによれば、係合部材の一部が孔部へのフックの挿通方向と反対方向へのフックの係合面からの荷重により変形したときに嵌合する溝部を孔部に連続し係合部材の一部に対向させて取付面部に設けることで、孔部へのフックの挿通方向と反対方向へのモジュール側からの荷重によりフックの係合面によって変形された係合部材が溝部に引っ掛け保持されるので、フックの係合面からの係合部材の逃げを防止して、荷重によるフックの係合面と係合部材との係合の外れを確実に防止できるとともに、取付面部に対して窪んでいるので、通常の状態で取付面部に沿う係合部材の移動を妨げることがなく、各フックの係合面と係合部材との係合の着脱時には、係合部材を容易に移動させることができる。
請求項2記載のハンドルによれば、請求項1記載のハンドルの効果に加え、溝部を、孔部から離間されるほど徐々に浅くすることで、孔部に対向する位置でフックの係合面からの荷重を受けた係合部材を、溝部に沿ってより変形しやすくできる。
本発明のハンドルの第1の実施の形態の一部を模式的に示す断面図であり、(a)は荷重が加わる前の状態を示し、(b)は荷重が加わって係合部材が変形した状態を示す。 同上ハンドルの取付部材を示す平面図である。 (a)は同上取付部材の一部を拡大して示す平面図、(b)は他の一部を拡大して示す平面図である。 同上ハンドルの一部を模式的に示す断面図である。 同上ハンドルの支持部材の分解斜視図である。 同上ハンドルのモジュールの分解斜視図である。 同上ハンドルのハンドル本体の分解斜視図である。 同上ハンドルの正面図である。 本発明のハンドルの第2の実施の形態の一部を模式的に示す断面図であり、(a)は荷重が加わる前の状態を示し、(b)は荷重が加わって係合部材が変形した状態を示す。 本発明のハンドルの第3の実施の形態の一部を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のハンドルの第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図8において、10はハンドルとしてのステアリングホイールで、このステアリングホイール10は、自動車の運転席の乗員の前方に配置され、ハンドル本体としてのステアリングホイール本体11と、このステアリングホイール本体11の乗員側に装着されたモジュール12となどから構成されている。
なお、ステアリングホイール10は、通常傾斜した状態で備えられる図示しない操縦装置としてのステアリングシャフトに装着されるものであるが、以下、モジュール12側を乗員側、正面側あるいは後側、ステアリングシャフト側を車体側、背面側あるいは前側とし、このステアリングシャフトに沿った前後方向を軸方向とし、その他、このステアリングホイール10が備えられる車体の直進方向を基準として、前後方向及び上下方向などの方向を説明する。
ステアリングホイール本体11は、円環状をなすリム部(リング部)15と、このリム部15の内側に位置するボス部(マウント部)16と、これらリム部15とボス部16とを連結する複数、例えば本実施の形態では3本のスポーク部17とから構成されている。
そして、このステアリングホイール本体11は、金属製の芯金21と、この芯金21の一部を一体的に覆う軟質の被覆部22と、この芯金21の背面側を覆う被覆部材としてのカバー体となどを備えている。
芯金21は、リム部15、ボス部16及びスポーク部17に対応し、リム芯金25、支持部としてのボス芯金26、及び連結部としてのスポーク芯金27を備え、全体として略左右対称に形成されている。
ボス芯金26は、ボスプレート、あるいはハブコアなどとも呼ばれるもので、ステアリングシャフトに嵌着される円筒状のボス31を中央部に一体的に有し、両側部及び下部がそれぞれスポーク芯金27と連続している。また、このボス芯金26には、ボス31の外方で、かつ、各スポーク部17(各スポーク芯金27)に対応する位置、すなわち両側及び下側に、円孔状の取付開口33がそれぞれ開口されており、これら取付開口33に、支持部材としてのユニット部34がそれぞれ取り付けられている。さらに、このボス芯金26には、ホーンスイッチを構成する複数の固定接点36が設けられている。そして、このボス芯金26は、ボス31を金型に配置しマグネシウム合金などのインサート成形により、円環状のリム芯金25及び両側方向に放射状に配置されるスポーク芯金27と一体的に形成されている。
ユニット部34は、ワンタッチユニットとも呼ばれるもので、台座部41と、取付開口33に嵌着される筒状の装着部材42と、台座部41に支持される係合体であるフック43と、このフック43の周囲に配置された付勢部材としてのコイルばね44と、フック43の先端側の周囲に取り付けられた介在部材としてのカラー45とを備えている。
台座部41は、円形板状の基部47と、この基部47の中央部からこの基部47の厚さ方向に突出する円柱状の突出部48とを一体に備えている。そして、この突出部48の先端部が、段差状に縮径された挿入部48aとなっており、この挿入部48aがフック43に挿入されている。
装着部材42は、取付開口33の内縁部に外周面が当接する円筒状の装着部材本体51と、この装着部材本体51の両端部からフランジ状に突出してボス芯金26の正面及び背面にそれぞれ係止される抜止部52,53とを一体的に備えている。そして、この装着部材42は、台座部41の基部47とフック43とによって軸方向に挟持されている。
フック43は、モジュール12とステアリングホイール本体11とを着脱可能に係止するとともに、モジュール12をステアリングホイール本体11に対して正面背面方向に沿ってガイドするもので、例えば金属などにより柱状に形成されており、基端側をなす円筒状の取付受部55と、この取付受部55の先端から同軸状に突出する円柱状の接続部56と、この接続部56の先端部に段差状に拡開されたフック本体57とを一体に備えている。
取付受部55は、台座部41の挿入部48aが挿入接続される部分である。なお、この取付受部55と挿入部48aとの接続は、例えばねじ込みや圧入など、任意の方法を適用できる。
接続部56は、カラー45に挿通されている部分であり、取付受部55よりも縮径されている。
フック本体57は、接続部56の外周面から軸直方向に延びる係合面57aを基端部に備えている。また、このフック本体57は、先端側へと徐々に縮径される截頭円錐状に形成されている。
コイルばね44は、モジュール12をステアリングホイール本体11に対して正面側に付勢するためのものであり、装着部材42とカラー45との間に軸方向に支持され、フック43の周囲に離間されている。
カラー45は、モジュール12に一体的に固定されることで、ステアリングホイール本体11とモジュール12との相対的な位置を設定するものであり、例えば合成樹脂などの部材により一体成形され、フック43が内部に挿通される略円筒状の介在部材本体としてのカラー本体61と、このカラー本体61の基端側の外周面からフランジ状に突出する当接保持部62と、この当接保持部62からカラー本体61の先端部の外周面に向けてリブ状に形成された複数のリブ部63とを備えている。
当接保持部62は、円形板状に形成されており、カラー45中で最も径寸法が大きい位置である。この当接保持部62は、装着部材42の抜止部52との間でコイルばね44を支持している。また、この当接保持部62の外周面62aは、後述するモジュール12側に当接して保持される当接保持面となっている。
各リブ部63は、カラー本体61及び当接保持部62の周方向に略等角度(略等間隔)でそれぞれ配置しており、当接保持部62からカラー本体61の外周面へと、徐々に径方向への突出量が小さくなるように形成されている。すなわち、各リブ部63は、外側面63aが基端側から先端側へとカラー45(カラー本体61)の中心軸に徐々に接近するようにカラー45(カラー本体61)の軸方向に対して傾斜している。したがって、これらリブ部63によって、カラー45は、外周が基端側から先端側へと徐々に縮径されている。
固定接点36は、導電性を有する金属などの部材により形成されており、ボス芯金26の両側部及び下部にそれぞれ配置され、正面側に向けて突出している。
スポーク芯金27は、ボス芯金26の上側部の両側及び下部に形成され、ボス芯金26と連続する一端部から、リム芯金25と連続する他端部へと、正面方向に向けて徐々に突出するように縦壁状に屈曲されている。
一方、モジュール12は、本実施の形態では、収納体としての取付部材であるベースプレート65及び被覆体としてのエアバッグカバー66を備え折り畳まれたエアバッグ67を収納したケース68、このケース68に配置されたインフレータ69、及び、図示しないリテーナなどを備えたエアバッグ装置(エアバッグモジュール)である。
ベースプレート65は、バックプレート、あるいはバックホルダなどとも呼ばれるもので、ホーン機構のホーンプレートを兼ねており、例えば合成樹脂にて一体に射出成形されている。そして、このベースプレート65は、ケース本体としての取付面部である基板部71と、この基板部71の表面側の周縁部の全体に亘って正面側に立ち上げられた周壁部72とを備えている(図2)。
基板部71には、略中央部に円孔状のインフレータ取付孔74が開口されているとともに、このインフレータ取付孔74を囲んで4カ所の取付孔75がそれぞれ開口されている。また、基板部71には、モジュール12をステアリングホイール本体11に対して各ユニット部34を介して進退可能に取り付ける固定部76が背面側に突設されている。さらに、この基板部71には、可動接点77を設定する導電性の導電プレート78が一体的に取り付けられている。
固定部76は、基板部71の両側部に設けられた(第1及び第2の取付機構としての)側部固定部81,81と、基板部71の下側部に設けられた(第3の取付機構としての)下部固定部82とを備えている。そして、側部固定部81,81間、及び、下部固定部82には、それぞれ係合部材としてのワイヤ84,85が取り付けられている。
ここで、ワイヤ84,85は、それぞれワンタッチワイヤとも呼び得るもので、弾性変形可能な金属などの線材にて形成されている。
ワイヤ84は、互いに離間された腕部88,88と、腕部88,88の一端部間を直線状に連結する連結部である付勢部89とを一体に備えた略コ字状に形成され、これら腕部88,88と付勢部89とが連続する角部が、フック43の係合面57aと係合されてフック43に対して軸直方向に付勢力を与えるフック取付部であるフック係合部90となっている。
各腕部88は、ワイヤ84とフック43との係合を外す際に押し操作される操作部であり、例えば上下方向に沿って直線状に配置されている。
付勢部89は、各腕部88に対して交差(直交)する両側方向に直線状に延びており、各腕部88に対して、これら腕部88が互いに離反する方向へと付勢力を付与している。
フック係合部90は、各腕部88及び付勢部89に対してそれぞれ傾斜している。
また、ワイヤ85は、コイル状に巻回された付勢部94と、この付勢部94の一端部から接線方向に沿って直線状に延びる腕部95と、付勢部94の他端部から接線方向に沿って腕部95と交差(直交)する方向に直線状に延びる取付部96とを一体に備えた略L字状に形成されている。
付勢部94は、ベースプレート65の基板部71に保持される被保持部であり、腕部95と取付部96とに対して、これら腕部95と取付部96とが互いになす角度が略90°となる方向へと付勢力を付与している。
腕部95は、例えば両側方向に沿って配置されている。この腕部95は、ワイヤ85とフック43との係合を外す際に押し操作される操作部となっているとともに、基端寄りの位置に、フック43の係合面57aと係合されてフック43に対して軸直方向に付勢力を与えるフック係合部98が設定されている。
取付部96は、下部固定部82に引っ掛けられて保持されている。
そして、各ワイヤ84,85は、腕部88,88,95を露出させた状態で各固定部81,81,82に保持されており、これら腕部88,88,95をベースプレート65(モジュール12)の外方から内方に向けて付勢力に抗して図示しないマイナスドライバなどの係合解除工具によって押し操作することで、フック係合部90,90,98とフック43との係合が解除可能となっている。
さらに、各固定部81,81,82には、ワイヤ84,85のフック係合部90,98が露出する円形状の孔部としての開口部101と、この開口部101の外縁部に連続してベースプレート65の基板部71から背面方向へと突出する滑り防止部としての壁部102とがそれぞれ設けられている。
各開口部101は、ユニット部34のフック43が後方から前方へと挿通されるとともにカラー45が嵌着されるもので、ベースプレート65の基板部71を厚さ方向である前後方向に貫通して設けられている。この開口部101は、カラー45の外側面63aと接触する内壁部が後方から前方へと、すなわちフック43の挿通方向に沿って徐々に縮径するように傾斜した截頭円錐面状(テーパ状)に形成されている。換言すれば、この開口部101は、ボス芯金26とベースプレート65との他方であるボス芯金26側に向けて拡開状となっている。また、各開口部101において、ワイヤ84,85のフック係合部90,90,98は、それぞれこれら開口部101の中心位置を通らないように配置されている。具体的に、側部固定部81,81の開口部101,101(第1の開口部101a,101a)では、ワイヤ84のフック係合部90,90が、開口部101,101内の両側方向の中心側の下方に偏って、上側から下側へと外側方に傾斜して位置している。したがって、正面から見て、フック係合部90,90はハ字状に配置されている。また、下部固定部82の開口部101(第2の開口部101b)では、ワイヤ85のフック係合部98が開口部101の上方に偏って位置している。このため、各開口部101に挿通された各フック43が、各フック係合部90により、これらフック係合部90と交差(直交)する方向である上側外側方に向けて付勢され、フック係合部98により、このフック係合部98と交差(直交)する方向である下方に向けて付勢されるようになっている。
また、各開口部101には、溝部105が連続してそれぞれ形成されている。これら溝部105は、エアバッグ67の膨張展開による正面方向への荷重によって変形したワイヤ84,85の一部が嵌合するもので、ベースプレート65の基板部71の表面側(前面側)に形成されており、それぞれワイヤ84,85と対向している。すなわち、側部固定部81,81の開口部101,101(第1の開口部101a,101a)のそれぞれに形成された溝部105,105(第1の溝部105a,105a)は、フック係合部90,90に対向している。したがって、これら溝部105,105(第1の溝部105a,105a)は、開口部101,101(第1の開口部101a,101a)の下部に、上下方向に対して傾斜した直線状に形成されている(図3(a))。なお、側部固定部81,81は両側方向に略対称であるため、図3中には一方のみ図示する。また、下部固定部82の開口部101(第2の開口部101b)に形成された溝部105(第2の溝部105b)は、フック係合部98を含む腕部95に対向している。したがって、この溝部105(第2の溝部105b)は、開口部101(第2の開口部101b)の両側部に両側方向に沿って直線状に延びている(図3(b))。さらに、これら溝部105は、それぞれ開口部101に対して離間されるほど、深さが浅くなるテーパ状に形成されている。したがって、これら溝部105は、それぞれ開口部101に対して離間されるほど幅狭となるように形成されている。このため、これら溝部105の開口部101から最も離間された位置は、基板部71の表面に対して鈍角状に屈曲する屈曲部107となっている。そして、これら溝部105の最も深さが深い位置(開口部101と連続する部分)の深さ及び幅は、ワイヤ84,85の線径の半分以上に設定されている。
壁部102は、ユニット部34(カラー45)がその軸方向(フック43の軸方向)に対して交差(直交)する方向にずれないようにカラー45の周囲を保持するもので、開口部101の全周を囲む円筒状に形成されている。
そして、これら固定部81,82を含む、開口部101、壁部102、ワイヤ84,85及びユニット部34により、モジュール12をステアリングホイール本体11に対してベースプレート65(基板部71)をボス芯金26に対向させた状態で支持する支持手段112が構成される。
各可動接点77は、ステアリングホイール本体11側に配置されたホーン機構の固定接点36と対向し、これら固定接点36とともにホーンスイッチを構成している。すなわち、可動接点77は、ベースプレート65の基板部71の両側部及び下部にそれぞれ位置している。
導電プレート78は、導電性の金属などによって板状に形成されている。なお、この導電プレート78は、基板部71に爪などによって固定されていてもよいし、ベースプレート65を成形する際にインサート成形されて可動接点77を除く部分が基板部71に埋め込まれていてもよい。
周壁部72は、折り畳まれた状態のエアバッグ67を囲むもので、エアバッグ67の突出方向に沿う方向に位置している。そして、この周壁部72の外部には、エアバッグカバー66を係合保持するための複数のフック部115及び複数の係止受部116がそれぞれ設けられている。
一方、エアバッグカバー66は、絶縁性を有する合成樹脂にて一体に形成され、ステアリングホイールの一部の正面側を覆うカバー本体としての表板部118と、この表板部118の背面側である前面側から角筒状に下方へと突設された取付壁部としての取付板部119とを備えている。
表板部118の背面である前面には、取付板部119に囲まれた位置に、厚さ寸法の小さい溝状の図示しない破断予定部であるテアラインが例えば正面視で略H字状に形成されており、エアバッグの膨張時に、エアバッグの展開圧力によってテアラインに沿って開裂して展開するように構成されている。
取付板部119は、ベースプレート65の周壁部72の外方に位置するもので、この周壁部72の外形に沿って形成されている。さらに、取付板部119には、ベースプレート65のフック部115がそれぞれ挿入係合される図示しない挿入開口部、及び、各係止受部116にそれぞれ係合される図示しない係止突起がそれぞれ設けられている。
エアバッグ67は、例えば、単数、あるいは複数の基布によって扁平な袋状に形成されているとともに、図示しないが、ベースプレート65の基板部71と同様に、円孔状のインフレータ取付孔と、このインフレータ取付孔を囲んで設けられた4カ所の取付孔とが形成されている。
インフレータ69は、円盤状のインフレータ本体部69aと、このインフレータ本体部69aから外周側に突設されたフランジ部69bとを備えている。また、インフレータ本体部69aには、フランジ部69bの正面側に位置して、ガス噴射口69cが設けられ、フランジ部69bには、取付孔69dが4カ所に設けられている。さらに、インフレータ本体部69aの底部には、図示しない接点部が設けられている。この接点部には、図示しないコネクタを介してワイヤハーネスが接続され、このワイヤハーネスを介してインフレータ69が制御装置と電気的に接続されている。
リテーナは、リング状をなし、金属板などにて形成されたリテーナ基部(図示せず)と、このリテーナ基部に固定された4本の取付ボルト121とを備えている。そして、リテーナ基部は、中央部に、円孔状のインフレータ取付孔が形成されている。また、取付ボルト121は、インフレータ取付孔を囲んで背面側に突設され、それぞれナット122が螺合されるようになっている。
そして、エアバッグ67の内側にリテーナを挿入し、このリテーナの取付ボルト121を取付孔から引き出した状態で、エアバッグ67を所定の形状に折り畳む。さらに、折り畳んだエアバッグ67にエアバッグカバー66を被せるとともに、このエアバッグカバー66の取付板部119の挿入開口部及び係止突起を、ベースプレート65の周壁部72のフック部115及び係止受部116に位置合わせしつつ、リテーナの取付ボルト121を取付孔75に挿入しながらベースプレート65側へと押し込むことで、フック部115が挿入開口部に挿入係止されるとともに、係止突起が係止受部116に挿入係止されて、エアバッグカバー66とベースプレート65とが互いにワンタッチで固定される(スナップイン)。
さらに、ベースプレート65の背面側に突出した取付ボルト121に取付孔69dを挿入しながら、ベースプレート65の背面側からインフレータ69を組み合わせ、取付ボルト121にナット122を螺合して締め付ける。この状態で、インフレータ69のガス噴射口69cを設けたインフレータ本体部69aの正面側の部分がインフレータ取付孔74からエアバッグ67の内側に挿入され、モジュール12が構成される。
一方、ステアリングホイール本体11には、ボス芯金26の各取付開口33に、予め組み立てたユニット部34をそれぞれ取り付けるとともに、カバー体を背面側から組み合わせ、カバー体を位置決めしつつステアリングホイール本体11に取り付ける。
ユニット部34は、このユニット部34の装着部材42を取付開口33の内縁部に嵌着することで、ボス芯金26に対してフック43及びカラー45が後方に突出し、カラー45と装着部材42との間にてフック43の外周にコイルばね44が保持された状態で取り付けられる。
そして、このステアリングホイール本体11のボス31をステアリングシャフトに嵌着し、図示しないナットで締め付け固定する。
モジュール12は、ステアリングホイール本体11に正面側から押し込むのみで、いわばワンタッチで取り付けられる。すなわち、モジュール12は、ステアリングホイール本体11に正面側から押し込むと、各開口部101に位置するワイヤ84,85のフック係合部90,90,98に各ユニット部34のフック43が係合し、両側及び下側の3カ所でモジュール12がステアリングホイール本体11に係合して抜け止め支持される。
より詳細には、モジュール12は、最前部、すなわちボス芯金26に対向する位置にあるベースプレート65に開口された各開口部101を、ボス芯金26に取り付けられたユニット部34のカラー45と位置合わせして押し込むと、カラー45が各開口部101の周囲に突出する壁部102によりガイドされて壁部102の内方から各開口部101へと押し込まれて、外側面63aが各開口部101の内壁部に当接するとともに、当接保持部62の外周面62aが壁部102の内周面に当接して、カラー45が開口部101及び壁部102内に嵌着される。また、カラー45から突出する各フック43は各開口部101にこれら開口部101の拡開側であるボス芯金26側から挿通され、これら開口部101の後方に位置するワイヤ84,85のフック係合部90,90,98を、その付勢力に抗してフック本体57がモジュール12を押し込む方向と交差(直交)する方向へと押圧して移動させる。そしてモジュール12を充分に押し込み、フック本体57がフック係合部90,90,98を通過すると、付勢部89,89,94による付勢によってフック係合部90,90,98が復帰変形し、各フック43の接続部56の外周面側へと移動して各フック本体57の係合面57aに係合される(図1(a))。この結果、ワイヤ84,85のフック係合部90,90,98がフック43のフック本体57の係合面57aとモジュール12のベースプレート65(カラー45)との間に挟み込まれてモジュール12がステアリングホイール本体11に対して相対的に上下方向に位置規制されるとともに、各カラー45が各開口部101に挿入嵌着されることでモジュール12がステアリングホイール本体11に対して相対的に左右方向に位置規制される。なお、このとき、ワイヤ84,85のフック係合部90,90,98は、基板部71の背面に沿って位置し、溝部105の内面に対して離間されているので、溝部105によってその移動が妨げられることがなく、円滑に移動する。そして、この状態で、各フック43は、フック係合部90,90,98によって正面方向へと確実に抜け止めされ、モジュール12がステアリングホイール本体11から不意に外れることが防止される。
また、この状態で、各フック43によりステアリングホイール本体11が正面背面方向に沿って案内される。
さらに、各ユニット部34では、各コイルばね44がステアリングホイール本体11(ボス芯金26)側に固定された装着部材42と、モジュール12(ベースプレート65)側に固定されたカラー45との間に支持され、これらコイルばね44の付勢力により、モジュール12の各可動接点77がステアリングホイール本体11の各固定接点36から離間した状態で支持される。
また、例えばインフレータ69の接点部などに電気的な配線を行うことにより、モジュール12を備えたステアリングホイール10がステアリングシャフトに取り付けられた状態で構成される。
そして、このように構成されたステアリングホイール10は、運転席の乗員がリム部15を把持して回動することにより、走行時の操作が行われる。また、乗員が押動部を兼ねたモジュール12のエアバッグカバー66を各コイルばね44の付勢力に抗して押動することにより、ステアリングホイール本体11(ボス芯金26)側に固定された各フック43に対して各カラー45がモジュール12と一体的に移動して、いずれかの可動接点77が固定接点36に接触すると、車体側のホーン装置が吹鳴される。
また、モジュール12をステアリングホイール本体11から取り外す際には、図示しない係止解除治具を用いて腕部88,88,95の少なくともいずれかをフック43に対する付勢に抗して押圧することでフック係合部90,90,98を移動させて係合面57aから離脱させることにより、フック係合部90,90,98によるフック43の係合が解除され、モジュール12を取り外し可能となる。このとき、各腕部88,88,95は、ベースプレート65の基板部71の背面に沿って位置し、溝部105の内面に対して離間されているので、溝部105によってその移動が妨げられることがなく、円滑に移動する。
一方、車両の正面衝突などの際は、インフレータ69からエアバッグ67の内部にガスが急速に噴射されて、折り畳まれて収納されたエアバッグ67が急激に膨張する。すると、このエアバッグ67の膨張の圧力により、エアバッグカバー66がテアラインに沿って開裂してエアバッグ67の突出口が形成され、この突出口からエアバッグ67が突出して乗員の前方で膨張展開し、乗員を拘束して保護するようになっている。
このとき、エアバッグ67によってエアバッグカバー66が正面方向に押圧されることで、このエアバッグカバー66と連結されているベースプレート65に対して正面方向に例えば約4kgf程度の荷重が加わる。このため、ベースプレート65の基板部71に一体的に取り付けられたワイヤ84,85に対して、各フック43の係合面57aにより正面方向へと相対的に引っ張られるように荷重が作用し、屈曲部107を起点として溝部105に沿って正面方向に変形して溝部105に嵌合することで荷重を逃がすとともに、この溝部105に引っ掛かって保持されて側方に逃げず(図1(b))、フック43の係合面57aからの外れが防止される。
すなわち、本実施の形態では、ワイヤ84,85の一部が開口部101へのフック43の挿通方向と反対方向である正面方向へのフック43の係合面57aからの荷重により変形したときに嵌合する溝部105を開口部101に連続しワイヤ84,85の一部に対向させて基板部71に設けることで、例えばエアバッグ67の膨張展開によりエアバッグカバー66が正面方向へと押圧されてベースプレート65に正面方向へのモジュール12側からの荷重が加わったときに、フック43の係合面57aによってワイヤ84,85が変形されて溝部105に引っ掛け保持されるので、フック43の係合面57aからのワイヤ84,85の逃げを防止して、荷重によるフック43の係合面57aとワイヤ84,85との係合の外れを確実に防止できる。
しかも、溝部105は、ベースプレート65の成形時に同時に成形できるので、形成が容易であるだけでなく、基板部71の背面に対して窪んでいるので、通常の状態で基板部71の背面に沿っているワイヤ84,85の腕部88,88,95の移動を妨げることがなく、各フック43の係合面57aとワイヤ84,85との係合を意図的に着脱するときには、ワイヤ84,85を容易かつ円滑に移動させることができる。
また、溝部105を、開口部101から離間されるほど徐々に浅くすることで、開口部101に対向する位置でフック43の係合面57aからの荷重を受けて正面方向に相対的に引っ張られるワイヤ84,85を、溝部105に沿ってより変形しやすくできる。
さらに、溝部105の最も深い位置での深さを、ワイヤ84,85の線径の半分以上とすることで、溝部105に引っ掛かったワイヤ84,85が、これら溝部105から、より外れにくくなる。
なお、上記の第1の実施の形態において、溝部105は、開口部101から離間されるほど徐々に浅くなるものだけでなく、例えば図9に示す第2の実施の形態のように、一定の深さのものとすることもできる。この場合には、屈曲部107が、基板部71の表面に対して略直角状に屈曲するように構成される(図9(a))。そして、車両の正面衝突などの際に、インフレータ69からエアバッグ67の内部にガスが急速に噴射されて、折り畳まれて収納されたエアバッグ67が急激に膨張すると、このエアバッグ67によってエアバッグカバー66が正面方向に押圧されることでベースプレート65に対して正面方向に荷重が加わり、各フック43の係合面57aにより正面方向へと相対的に引っ張られるように荷重が作用したワイヤ84,85が屈曲部107を起点として正面方向に変形することで荷重を逃がすとともに、この溝部105に引っ掛かって保持されて側方に逃げず(図9(b))、フック43の係合面57aからの外れが防止されるなど、上記の第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の各実施の形態において、例えば図10に示す第3の実施の形態のように、取付開口33をベースプレート65の基板部71に形成してユニット部34をモジュール12に取り付け、開口部101、壁部102、溝部105及びワイヤ84,85をステアリングホイール本体11の取付面部であるボス芯金26に形成しても同様の作用効果を奏することができる。
そして、係合部材(ワイヤ)は、ステアリングホイール本体11及びモジュール12の左右両側部用の1本と、下部用の1本とで構成したが、例えば両側部用にそれぞれ1本ずつ配置するとともに下部用に1本配置した、3本の構成とすることもできる。
また、ステアリングホイール10は、3本のスポーク部17を備えた構成に限られず、例えば2本や4本のスポーク部17を備えた構成などにも適用できる。
さらに、モジュール12としては、エアバッグ装置に代えて、例えば衝撃吸収体を収納したパッド体などを用いることもできる。
本発明は、例えば自動車のステアリングホイールとして好適に用いることができる。
10 ハンドルとしてのステアリングホイール
11 ハンドル本体としてのステアリングホイール本体
12 モジュール
26 支持部としての取付面部であるボス芯金
34 支持部材としてのユニット部
43 フック
57a 係合面
65 取付部材であるベースプレート
71 取付面部である基板部
84,85 係合部材としてのワイヤ
101 孔部としての開口部
105 溝部
112 支持手段

Claims (2)

  1. 支持部を備えたハンドル本体と、
    取付部材を備えたモジュールと、
    前記取付部材を前記支持部に対向させた状態で前記モジュールを前記ハンドル本体に支持する支持手段とを具備し、
    前記支持部と前記取付部材とのいずれか一方は、取付面部を有し、
    前記支持手段は、
    前記取付面部を貫通して設けられた孔部と、
    係合面を有しこの係合面と交差する方向に沿って前記孔部に挿通されるフックを備え、前記支持部と前記取付部材との他方に取り付けられた支持部材と、
    前記孔部に対向する位置に配置され、前記孔部への前記フックの挿通方向に対して交差する所定方向に付勢され、前記孔部に挿通された前記フックの係合面に係合されてこのフックを保持する係合部材とを備え、
    前記孔部に連続し前記係合部材の一部に対向して前記取付面部に位置し、前記係合部材の一部が前記孔部への前記フックの挿通方向と反対方向への前記フックの係合面からの荷重により変形したときに嵌合する溝部が設けられた
    ことを特徴とするハンドル。
  2. 溝部は、孔部から離間されるほど深さが浅くなるように設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載のハンドル。
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