JP2015131282A - 光触媒、コーティング剤、及び内装材 - Google Patents

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靖 黒田
Yasushi Kuroda
黒田  靖
康弘 細木
Yasuhiro Hosoki
康弘 細木
世継 和也
Kazuya Yotsugi
和也 世継
俊輔 柳井
Toshisuke Yanai
俊輔 柳井
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Abstract

【課題】 変色することが抑制されている光触媒を提供することを課題としている。
【解決手段】 酸化タングステンに銅が担持されてなる銅担持酸化タングステンと、酸化チタンに鉄が担持されてなる鉄担持酸化チタンとを含む光触媒などを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光触媒、該光触媒を含むコーティング剤、及び、該光触媒を含む内装材に関する。
従来、光が照射されることにより触媒作用を発揮する光触媒としては、様々な種類のものが知られ、例えば、紫外光の照射によって触媒作用を発揮し、アセトアルデヒドやトルエンなどの環境汚染物質を分解できるものが知られている。
この種の光触媒としては、例えば、酸化タングステン粒子と酸化チタン粒子とを含むものが提案されている(特許文献1)。
上記の光触媒は、特許文献1の実施例に記載されているように、少なくとも酸化タングステンに白金(Pt)などの金属が担持されているものであり、斯かる光触媒によれば、光触媒作用によってトルエンなどの環境汚染物質を分解できる。
特開2011−020009号公報
しかしながら、上記の光触媒においては、紫外線の照射によって青く変色するという問題がある。上記の光触媒における変色の原因は、必ずしも十分に明らかにされているわけではないが、酸化タングステンにおける6価のタングステン(W6+)が、青紫色を有する5価のタングステン(W5+)に還元されることによるものと考えられる。上記の光触媒は、皮脂などの有機物が共存する条件下において、特に変色し得る。
本発明は、上記問題点等に鑑み、変色することが抑制された光触媒を提供することを課題とする。また、該光触媒を含むコーティング剤、内装材を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る光触媒は、酸化タングステンに銅が担持されてなる銅担持酸化タングステンと、酸化チタンに鉄が担持されてなる鉄担持酸化チタンとを含むことを特徴とする。
本発明に係るコーティング剤は、前記光触媒を含むことを特徴とする。
本発明に係る内装材は、前記光触媒を含むことを特徴とする。
本発明に係る光触媒、コーティング剤、内装材は、変色することが抑制されているという効果を奏する。
光照射による変色の評価結果を示すグラフ。
以下、本発明に係る光触媒の一実施形態について説明する。
本実施形態の光触媒は、酸化タングステンに銅が担持されてなる銅担持酸化タングステンと、酸化チタンに鉄が担持されてなる鉄担持酸化チタンとを含むものである。好ましくは、酸化タングステン粒子に銅が担持されてなる銅担持酸化タングステン粒子と、酸化チタン粒子に鉄が担持されてなる鉄担持酸化チタン粒子とを含むものである。
前記光触媒が前記銅担持酸化タングステンと前記鉄担持酸化チタンとを含むことにより、前記光触媒が青色に変色することが抑制される。変色が抑制される原理は、十分に解明されているわけではないが、紫外線照射により、酸化タングステン及び酸化チタンから励起した電子が助触媒である銅表面及び酸化チタン表面での消費量を超え過剰となり酸化タングステンを自己還元することによるものと考えられる。
前記銅担持酸化タングステンは、化学式WO3で表される結晶を含有する酸化タングステンに、塩化銅などの銅化合物を担持させることなどにより、銅が担持されてなる。なお、前記銅担持酸化タングステンは、粒子状で前記光触媒に含まれていることが好ましい。
また、酸化タングステンの結晶構造としては、単斜晶系が好ましい。
前記銅担持酸化タングステンにおける銅の含有量は、特に限定されるものではないが、0.0001〜3質量%であることが好ましい。斯かる含有量が0.0001質量%以上であることにより、触媒活性がより高まるという利点があり、3質量%以下であることにより、酸化タングステンの活性点が相対的に減少することが抑制され、銅担持による触媒活性をより得やすくなるという利点がある。
前記銅担持酸化タングステン粒子の平均一次粒子径は、通常、10nm〜90nmであり、光照射による触媒作用がより高まるという点で、20nm〜60nmであることが好ましい。
前記鉄担持酸化チタンは、化学式TiO2で表される結晶を含有する酸化チタンに、塩化鉄などの鉄化合物を担持させることなどにより、鉄が担持されてなる。なお、前記鉄担持酸化チタンは、粒子状で前記光触媒に含まれていることが好ましい。
酸化チタンの結晶の型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型が挙げられる。なかでも酸化チタンの結晶の型としては、光照射による触媒作用に優れているという点で、ルチル型、又は、アナターゼ型が好ましく、ルチル型がより好ましい。
鉄を担持させる前の酸化チタンとしては、酸化チタンにおける酸素(O)サイトの一部をTi及びO以外の元素で置換しTi及びO以外の元素を含有させるドープ処理をした酸化チタン、又は、斯かるドープ処理をしていない酸化チタンが挙げられる。
前記鉄担持酸化チタンにおける鉄の含有量は、特に限定されるものではないが、0.1〜1.5質量%であることが好ましく、0.5〜1.0質量%であることがより好ましい。斯かる含有量が0.1質量%以上であることにより、光触媒反応により励起した電子をより効率的に消費できるという利点があり、1.5質量%以下であることにより、可視光のみが照射される条件下であっても、有機性環境汚染物質を二酸化炭素まで分解する光触媒の性能がより高まるという利点がある。
また、前記鉄担持酸化チタンにおける鉄の含有量が0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.5〜1.0質量%であることにより、光触媒の変色がより確実に抑制されるという利点がある。
前記鉄担持酸化チタン粒子の平均一次粒子径は、通常、5nm〜50nmであり、光照射による触媒作用がより高まるという点で、5nm〜40nmであることが好ましい。
前記銅担持酸化タングステンと前記鉄担持酸化チタンとの質量比は、銅担持酸化タングステン:鉄担持酸化チタン=3:7〜9:1の質量比であることが好ましく、6:4〜9:1の質量比であることがより好ましく、6:4〜8:2の質量比であることがさらに好ましい。斯かる質量比であることにより、可視光のみが照射される条件下であっても、有機性環境汚染物質を二酸化炭素まで分解する光触媒の性能がより高まるという利点がある。
なお、前記光触媒は、前記銅担持酸化タングステン及び前記鉄担持酸化チタンのほかに、ケイ素、ジルコニウムなどの金属元素の酸化物を含み得る。
また、前記光触媒は、粉体状の態様であってもよく、前記銅担持酸化タングステン及び前記鉄担持酸化チタンのほかに溶媒を含んでなるスラリー状の態様であってもよい。
次に、前記光触媒の製造方法について説明する。
前記光触媒は、例えば、酸化タングステンに銅が担持されてなる銅担持酸化タングステンと、酸化チタンに鉄が担持されてなる鉄担持酸化チタンとを、一般的な方法によって混合することにより製造することができる。
前記銅担持酸化タングステンは、酸化タングステンに銅を担持させることにより調製することができる。
銅を担持させる前の酸化タングステンは、例えば、金属タングステンを直接酸化することにより、又は、パラタングステン酸アンモニウム(APT)等のタングステン化合物を空気中で熱分解することにより、酸化タングステン粒子の態様で得ることができる。
そして、前記銅担持酸化タングステンは、例えば、酸化タングステン粒子に硫酸銅や硝酸銅などの銅化合物の水溶液又はエタノール溶液を加えて混合し、水やエタノールを揮発させてから、焼成することにより、銅担持酸化タングステン粒子の態様で得ることができる。
なお、銅担持酸化タングステン粒子としては、市販されているものを用いることができる。
前記鉄担持酸化チタンは、酸化チタンに鉄を担持させることにより調製することができる。
鉄を担持させる前の酸化チタンは、例えば、オキシ硫酸チタン、硫酸チタン、オキシ塩化チタン、塩化チタンなどのチタン化合物の水溶液と、アンモニアやアミンなどの塩基とを反応させて得た生成物を焼成することにより酸化チタン粒子の態様で得ることができる。
また、鉄を担持させる前の酸化チタンとしては、例えば、四塩化チタンを気化させ500℃以上の温度で酸素などを含む酸化性ガスと接触させる“気相法”によって得られた酸化チタン粒子を用いることもできる。
そして、前記鉄担持酸化チタンは、例えば、酸化チタン粒子に、硫酸鉄、硝酸鉄、又は塩化鉄などの鉄化合物の水溶液又はエタノール溶液を加えて混合し、水やエタノールを揮発させてから、焼成することにより、鉄担持酸化チタン粒子の態様で得ることができる。
なお、鉄担持酸化チタン粒子としては、市販されているものを用いることができる。
鉄を担持させる前の酸化チタンとしては、例えば、窒素がドープ処理されてなる上述した窒素ドープ酸化チタンを用いることもできる。
該窒素ドープ酸化チタンは、例えば、窒酸化チタン、酸化チタン、及び金属チタンのうち少なくとも1種をターゲット材料とし、この材料を窒素ガスを含む雰囲気中で蒸着又はイオンプレーティングした後、アンモニアガスを含む雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で熱処理すること、又は、酸化チタン又は含水酸化チタンを、アンモニアガスを含む雰囲気、窒素ガスを含む雰囲気、もしくは窒素ガス及び水素ガスの混合雰囲気中で熱処理すること等により調製することができる。
前記光触媒の製造においては、例えば、上記のごとく調製された前記銅担持酸化タングステン粒子及び前記鉄担持酸化チタン粒子を溶媒に分散させて分散液を得る。
次に、上記のごとく調製した分散液に粉砕処理を施すことによりスラリーを得て、前記銅担持酸化タングステン粒子と前記鉄担持酸化チタン粒子と溶媒とを含むスラリーを得る。
次いで、スラリーから前記溶媒を除去し、粉体状の光触媒を製造することができる。
前記溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、又はアルコール、ケトンなどの有機溶媒等を用いることができ、取り扱いが容易である点、溶媒除去後に触媒作用に悪影響を及ぼしにくい点で、水を用いることが好ましい。
前記溶媒には、粒子の分散安定性を高めるべく、適宜、pH調整剤、分散剤(界面活性剤)等を添加することができる。
前記分散液を作製するための分散方法としては、手撹拌による分散、ホモジナイザーによる分散などの方法を採用することができる。
前記粉砕処理は、前記銅担持酸化タングステン粒子及び前記鉄担持酸化チタン粒子の二次粒子をより小さい二次粒子にするために行う。
前記粉砕処理としては、例えば、互いに衝突することでせん断力を生じる粉砕媒体の存在下で粉砕媒体の衝突に伴うせん断力によって粉砕を行う粉砕処理、粒子同士の衝突力によって粉砕を行う粉砕処理(湿式ジェットミルなど)、超音波洗浄機などを用いて超音波を照射することによって粉砕を行う粉砕処理、乳鉢と乳棒との間で生じる圧搾力により粉砕を行う粉砕処理などが採用され得る。
具体的には、前記粉砕処理としては、例えば、ビーズミルによる粉砕処理、湿式ボールミルによる粉砕処理などを採用することができる。
前記スラリーから溶媒を除去する方法としては、例えば、溶媒が揮発する温度にスラリーを置く方法などを採用することができる。
前記溶媒が除去された後に得られた光触媒は、必ずしも焼成される必要はなく、焼成されなくとも光照射によって触媒作用を発揮し得る。前記光触媒は、製造時のコストを抑制できるという点で、焼成されることなく製造されることが好ましい。なお、焼成とは、有機物が分解し得る温度にまで加熱し、前記銅担持酸化タングステン粒子及び前記鉄担持酸化チタン粒子といった被焼成物を焼結させることである。具体的には、焼成は、例えば、酸素の存在下又は酸素の非存在下で被焼成物を200℃以上に加熱することにより行うことができる。
上記のごとく製造された光触媒は、例えば、太陽光、又は、蛍光灯などの各種ランプからの光が照射される条件下で用いられ、光照射によって触媒作用を発揮し、アセトアルデヒドなどの有機性環境汚染物質をより低分子量の二酸化炭素などの化合物へ分解し得る。
続いて、本発明のコーティング剤の一実施形態について説明する。
本実施形態のコーティング剤は、前記光触媒を含み、コーティング対象物を被覆するために用いられるものである。
具体的には、本実施形態のコーティング剤は、例えば、前記光触媒と、液状塗料又は粉体塗料などの塗料とを含み、コーティング対象物に塗布されて使用される。
前記コーティング剤は、前記光触媒を含んでいるため、紫外光などの光が照射される環境下において、該コーティング剤を塗布してなるコーティング塗膜が青色に変色することが抑制されている。
前記塗料は、塗布後の塗膜を形成する基材を含み、該基材としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトシキシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類の4官能性物質;アルコキシシランメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロキシシラン、エチルトリプロキシシラン等のアルコキシシラン類の3官能性物質といったシリコーン系のものが好適に用いられるが、それらに限定されるものではない。
前記塗料の基材としては、他にも、カイナー型、ルミフロン型等のフッ素樹脂系のもの、水硬性石灰、ポルトランドセメント、アルミナセメント、混合セメント等の水硬化セメントや石灰、石こう等の気硬性セメントといったセメント系のもの、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、アクリル−スチレン系、アクリル系、エポキシ系、アルキド系、アクリル−アルキド系のもの等を用いることができる。
なお、前記塗料の基材は、1種が単独で、又は2種以上が組み合わされて用いられ得る。
前記塗料としては、前記塗料の基材が有機溶剤に溶解したもの、又は、前記塗料の基材が水に分散された水性エマルジョンなどを用いることができる。
前記コーティング剤によれば、例えば該コーティング剤をコーティング対象物に塗布することにより、前記光触媒をコーティング対象物の表面付近に保持せしめることができる。該コーティング対象物に前記コーティング剤が塗布されてなる光触媒部材は、紫外光などの光が照射されることによって、空気中の有機性有害物質や有機性汚染物質等をより低分子量の二酸化炭素などの化合物へ分解することができる。
前記コーティング剤は、従来公知の一般的な方法によって製造される。また、例えば、後述する内装材を作製するために用いられる。
さらに、本発明の内装材の一実施形態について説明する。
本実施形態の内装材は、前記光触媒を含み、内装の用途で用いられるものである。本実施形態の内装材は、前記光触媒を含むため、紫外光などの光が照射される環境下において青色に変色することが抑制されている。
前記内装材の用途としては、具体的には、例えば、壁材、壁紙、天井材、天井板、床材、カーテン、棚材、エアーフィルター等をはじめとする様々なものが挙げられる。
前記内装材は、内装用途で使用される内装用部材と前記光触媒とを含み、例えば、前記内装用部材の少なくとも表面側に前記光触媒が配されて構成されている。なお、前記内装材に含まれる前記光触媒は、光触媒作用が発揮される量で用いられる。
前記内装材を製造する方法としては、前記光触媒を塗料中に分散させたコーティング剤を内装用部材の表面に塗布する方法など、従来公知の様々な方法を採用することができる。
なお、内装材の耐久性を高める観点から、内装材における光触媒の一部が、光触媒作用の影響を実質的に受けない物質、例えば、シリカ等によりマスクされていてもよい。
前記内装材は、前記光触媒を含有しているため、紫外光などの光が照射される環境下において優れた光触媒作用を示す。従って、前記内装材によれば、室内の有害物質をより低分子量の二酸化炭素などの化合物に分解することができ、例えば、シックハウス症候群や化学物質アレルギー等を防止することができる。
本実施形態の光触媒、コーティング剤、及び内装材は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の光触媒、コーティング剤、及び内装材に限定されるものではない。
また、一般の光触媒、コーティング剤、及び内装材において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
光触媒を製造すべく、まず、下記の原料を用意した。
[原料]
・銅担持酸化タングステン粒子:商品品番「HP−CW091」
(昭和タイタニウム社製)
二次粒子径 D10=0.493μm、D50=5.294μm、D90=22.03μm
・酸化チタン粒子:商品名「スーパータイタニアF−10」(昭和タイタニウム社製)
ドープ処理なし ルチル型結晶
二次粒子径 D10=0.138μm、D50=0.386μm、D90=0.900μm
・酸化チタン粒子:商品名「スーパータイタニアF−2」(昭和タイタニウム社製)
ドープ処理なし アナターゼ型結晶
二次粒子径 D10=0.215μm、D50=0.878μm、D90=8.267μm
[粒子径の測定方法]
原料粒子:粒度分布測定装置(機器名「マイクロトラックMT−3000」
日機装社製)で測定
原理:レーザー回折・散乱法
スラリー中の粒子:粒度分布測定装置(機器名「FPER−1000」
大塚電子社製)で測定
原理:動的光散乱法
測定条件(使用プローブ→濃厚系プローブ、測定時間→120秒、
ダストカット→有、カット回数→10回、
カットレベルUpper→20%、カットレベルLower→20%)
粒度分布の解析条件(散乱強度から求めた累積粒子径分布により、
D10,D50,及びD90を算出、
解析手法→Marquardt、解析幅設定→自動)
[鉄担持酸化チタン(ルチル型)粒子の作製]
上記のルチル型酸化チタン粒子をHClにてpH2に調整したFeCl3水溶液中に加え、90℃で1時間撹拌後、濾過、洗浄したあと、120℃で1晩乾燥することにより、鉄担持量が1.0質量%又は0.1質量%の鉄担持酸化チタン粒子を作製した。
[鉄担持酸化チタン(アナターゼ型)粒子の作製]
上記と同様にして、上記のアナターゼ型酸化チタン粒子に鉄を担持させることにより、鉄担持酸化チタン粒子を作製した。
[銅担持酸化チタン(ルチル型)粒子の作製]
上記のルチル型酸化チタン粒子をCuCl2・2H2O水溶液中に加え、90℃で1時間撹拌後、濾過、洗浄したあと、120℃で1晩乾燥することにより、銅担持酸化チタン粒子を作製した。
[銅担持酸化チタン(アナターゼ型)粒子の作製]
上記のアナターゼ型酸化チタン粒子をCuCl2・2H2O水溶液中に加え、90℃で1時間撹拌後、濾過、洗浄したあと、120℃で1晩乾燥することにより、銅担持酸化チタン粒子を作製した。
(実施例1)
上記の銅担持酸化タングステン粒子と上記の鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型)とを銅担持酸化タングステン粒子:鉄担持酸化チタン粒子=7:3の質量比で合計10質量%濃度になるようにホモジナイザーによって純水に分散させ、pHが10になるまでアンモニア水溶液を加えつつ、分散液を調整した。
次に、分散液にビーズを加え、ビーズミルによって粉砕処理を行った。
そして、得られたスラリーをビーズと分離し、光触媒を含むスラリーを得た。
(実施例2)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量0.1質量%)を用いた点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(実施例3)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、鉄担持酸化チタン粒子(アナターゼ型 鉄担持量0.1質量%)を用いた点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(比較例1)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、銅担持酸化チタン粒子(ルチル型 銅担持量0.1質量%)を用いた点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(比較例2)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、銅担持酸化チタン粒子(アナターゼ型 銅担持量0.1質量%)を用いた点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(比較例3)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、上記の酸化チタン粒子(ルチル型 担持なし)を用いた点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(比較例4)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、上記の酸化チタン粒子(アナターゼ型 担持なし)を用いた点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(比較例5)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、上記の酸化チタン粒子(ルチル型 担持なし)を用いた点、また、銅担持酸化タングステン粒子:酸化チタン粒子=5:5の質量比に変更した点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
(比較例6)
鉄担持酸化チタン粒子(ルチル型 鉄担持量1質量%)に代えて、上記の酸化チタン粒子(ルチル型 担持なし)を用いた点、また、銅担持酸化タングステン粒子:酸化チタン粒子=9:1の質量比に変更した点以外は、実施例1と同様にして光触媒を含むスラリーを得た。
上記の各実施例及び各比較例における光触媒の構成を表1に示す。
(評価用コーティング剤の調製)
上記のごとく、各実施例及び各比較例にて得られた各スラリー5gと塗料(詳細は後述)2gとを混合して撹拌し、コーティング剤をそれぞれ製造した。
なお、上記の塗料は、以下のようにして調製した。即ち、エタノール10gを回転子で撹拌しつつ、該エタノールにテトラエトキシシラン(商品名:「エチルシリケート28」 コルコート社製)を1.5g添加し、5分間撹拌した。その後、撹拌を続けながら塩酸0.6gを徐々に滴下し、撹拌しつつ24時間重合させることにより、塗料を調製した。
<光照射による青色への変色の評価>
上記のごとく作製したコーティング剤をプラメタル板材(45×45×5mm(厚み))に、溶媒除去後の塗布量が3g/m2となるように塗布し、スラリー中の溶媒を加熱(100℃、20分間)によって揮発させて除去し、評価試験用サンプルを作製した。
次に、人工指紋液(伊勢久社製)を用意し、この人工指紋液を各試験用サンプルのコーティング剤塗布面側に50μL滴下して、滴下した人工指紋液を面上にて広げた。
そして、人工指紋液が液状の状態であるうちに、それぞれの評価試験用サンプルに対して、BLBランプからの光を照射し、照射を5時間継続した。なお、光の強さは、0.8mW/cm2とした。
変色の評価は、具体的には、以下のようにして行った。即ち、光の照射時間がそれぞれ0.5、1、2、3、5時間のときに評価試験用サンプルを取り出し、ハンディタイプの色彩色差計「CR−300」(コニカミノルタ社製)を用いて、コーティング塗膜表面の明度指数(L値)を測定した。
なお、測定は、コーティング塗膜上の中央1箇所、及び、角部4箇所の5箇所で行ない、その平均値を求めた。そして、光照射前のコーティング塗膜のL値と、光照射後のコーティング塗膜のL値との差(ΔL)によって評価を行なった。
上述の方法に従って、変色の評価を行った結果を図1に示す。
図1に示すように、銅担持酸化タングステンと、鉄担持酸化チタンとを含む光触媒によれば、該光触媒を含むコーティング塗膜の変色を抑制することができる。

Claims (3)

  1. 酸化タングステンに銅が担持されてなる銅担持酸化タングステンと、酸化チタンに鉄が担持されてなる鉄担持酸化チタンとを含むことを特徴とする光触媒。
  2. 請求項1に記載の光触媒を含むことを特徴とするコーティング剤。
  3. 請求項1に記載の光触媒を含むことを特徴とする内装材。
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