JP2015128954A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】無段変速装置を備えたハイブリッド車両において、加速感演出制御中に車両が降坂路を走行する場合に、ユーザに与える違和感およびバッテリSOCの増加を抑制する。
【解決手段】エンジンとモータと無段変速装置とを備えた車両において、ECUは、ユーザによる加速要求があった場合に、車速上昇および時間経過の少なくとも一方に応じてエンジン回転速度を増加させる加速感演出制御を行なうとともに、加速感演出制御によって生じるエンジン出力の過不足分をモータ出力で補正する。ECUは、加速感演出制御を開始する際、車両が降坂路を走行していない場合(S61BにてNO)、エンジン回転速度の初期値を基本初期値に設定する(S61C)。一方、ECUは、車両が降坂路を走行している場合(S61BにてYES)、エンジン回転速度の初期値を基本初期値よりも所定値だけ低い値に設定する(S61D)。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両に関し、特に、無段変速装置を備えたハイブリッド車両に関する。
特開2003−254421号公報(特許文献1)には、エンジンと無段変速機とを備えた車両において、無段変速機が加速時変速モードで制御される場合、エンジン回転速度の増加に追従して車速が上昇する点が開示されている。
特開2003−254421号公報
エンジンと、蓄電装置から供給される電力で駆動されるモータとの少なくとも一方の動力で走行可能なハイブリッド車両のなかには、エンジンと駆動輪との間に無段変速装置を備えるものがある。このようなハイブリッド車両において、ユーザによる加速要求時に、車速の上昇に応じてエンジン回転速度を増加させることで加速感を演出しようとする場合、加速感の演出によってエンジン出力が車両要求パワーに対して不足あるいは超過したときには、その過不足をなくすようにモータの出力を調整することができる。たとえば、エンジン出力の不足をモータの力行パワー(モータの消費電力、すなわち蓄電装置の放電電力)でアシストすることができる。また、エンジン出力の超過をモータの回生パワー(モータの発電電力、すなわち蓄電装置の充電電力)で打ち消すことができる。
しかしながら、このような加速感の演出中に車両が降坂路を走行する場合、重力加速度の影響により車速が想定以上に上昇し、これに伴ってエンジン回転速度も想定以上に増加する。そのため、ユーザに違和感を与えるおそれがある。
また、降坂路ではそもそもモータの回生によって蓄電装置の蓄電量が増加し易い傾向にあるが、加速感の演出によってエンジン回転速度が想定以上に増加すると、エンジン出力の超過量(蓄電装置の充電量)が増加するため、蓄電装置の蓄電量がさらに増加し易くなる。この影響で蓄電装置の蓄電量が早期に上限値に達してしまうと、モータの発電電力を蓄電装置に十分に回収できず、燃費が悪化するおそれがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、無段変速装置を備えたハイブリッド車両において、加速感演出制御中に車両が降坂路を走行する場合に、ユーザに違和感を与えることを抑制するとともに、蓄電装置の蓄電量が増加するのを抑制することである。
(1) この発明に係る車両は、エンジンおよびモータの少なくともいずれかの動力を用いて走行可能な車両であって、エンジンと駆動輪との間に設けられた無段変速装置と、
エンジン、モータおよび無段変速装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、ユーザによる加速要求があった場合、車速上昇および時間経過の少なくとも一方に応じてエンジンの回転速度を増加させるようにエンジンおよび無段変速装置を制御する加速感演出制御を行なう。制御装置は、加速感演出制御によって、エンジンの回転速度と、車両に要求されるパワーをエンジンが最も効率よく出力可能な最適燃費回転速度とが乖離することで生じるエンジンの出力の過不足分をモータの出力で補正する。制御装置は、加速感演出制御中に車両が降坂路を走行している場合、車両が降坂路を走行していない場合よりもエンジンの回転速度を低い値にする補正処理を行なう。
このような構成によれば、加速感演出制御中に車両が降坂路を走行する場合には、補正処理によって、エンジンの回転速度が車両が降坂路を走行していない場合よりも低い値にされる。これにより、降坂による車速上昇に伴ってエンジン回転速度が想定以上に増加するのを抑制することができる。そのため、ユーザに違和感を与えることを抑制することができる。また、補正処理によってエンジン出力も抑制されるため、エンジン出力の不足を補うためのモータ力行パワー(すなわち蓄電装置の放電量)を増加させたり、エンジン出力の超過を打ち消すためのモータ回生パワー(すなわち蓄電装置の充電量)を減少させたりすることができる。そのため、蓄電装置の蓄電量の増加を抑制することができる。その結果、無段変速装置を備えたハイブリッド車両において、加速感演出制御中に車両が降坂路を走行する場合においても、ユーザに違和感を与えることを抑制するとともに、蓄電装置の蓄電量が増加するのを抑制することができる。
(2) 好ましくは、補正処理は、加速感演出制御を開始する時のエンジンの回転速度の初期値を、車両が降坂路を走行していない場合よりも低くする処理を含む。
このような構成によれば、補正処理によって加速感演出制御を開始する時のエンジンの回転速度の初期値を低くする。これにより、加速感演出制御の開始当初から、エンジン出力を抑制して蓄電装置の放電量を増加させることができる。
(3) 好ましくは、補正処理は、エンジンの回転速度の増加率を、車両が降坂路を走行していない場合よりも小さくする処理を含む。
このような構成によれば、補正処理によってエンジンの回転速度の増加率を小さくする。これにより、降坂による車速上昇に伴ってエンジンの回転速度が急増するのを抑えることができる。また、加速感演出制御の途中で降坂路になった場合であっても、エンジン回転速度の増加を抑制することができる。
(4) 好ましくは、補正処理は、エンジンの回転速度の上限値を、車両が降坂路を走行していない場合よりも低くする処理を含む。
このような構成によれば、加速感演出制御の途中で降坂路になった場合であっても、エンジン回転速度を即座に低下させることができる。
車両の全体構成を示す図である。 エンジン回転速度NE、第1モータ回転速度NM1および第2モータ回転速度NM2の関係を、動力分割装置の共線図に示した図である。 ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。 燃費最適制御による最適燃費回転速度NEefおよび最適燃費トルクTEefの算出手法を模式的に示す図である。 加速感演出制御による指令エンジン回転速度NEcomおよび指令エンジントルクTEcomの設定手法を模式的に示す図である。 エンジン回転速度の初期値NEiniの算出処理(図3のS61の処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。 初期値補正処理によるエンジン回転速度NEの変化態様の一例を模式的に示す図である。 エンジン回転速度の増加率ΔNEの算出処理(図3のS63の処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。 増加率補正処理によるエンジン回転速度NEの変化態様の一例を模式的に示す図である。 エンジン回転速度の下限値NEminおよび上限値NEmaxの算出処理(図3のS65の処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。 上限値補正処理によるエンジン回転速度NEの変化態様の一例を模式的に示す図である。 加速感演出制御中に後述する補正処理を行なわずに車両が降坂路を走行する場合のエンジン回転速度NEの変化態様の一例(本発明に対する比較例)を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本明細書において「電力」という用語は、狭義の電力(仕事率)を意味する場合と、広義の電力である電力量(仕事量)または電気エネルギを意味する場合とがあり、その用語が使用される状況に応じて弾力的に解釈される。
<車両の全体構成>
図1は、本実施の形態による車両1の全体構成を示す図である。車両1は、エンジン10と、駆動軸16と、第1モータジェネレータ(以下「第1モータ」という)20と、第2モータジェネレータ(以下「第2モータ」という)30と、動力分割装置40と、減速機58と、PCU(Power Control Unit)60と、バッテリ70と、駆動輪80と、ECU(Electronic Control Unit)200とを含む。
この車両1は、エンジン10および第2モータ30の少なくとも一方の動力によって走行可能なハイブリッド車両である。
エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって、駆動軸16(駆動輪80)へ伝達される経路と第1モータ20へ伝達される経路とに分割される。
第1モータ20および第2モータ30は、PCU60によって駆動される三相交流回転電機である。第1モータ20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電可能である。第2モータ30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1モータ20により発電された電力の少なくともいずれか一方を用いて動力を発生可能である。第2モータ30が発生する動力は駆動軸16を介して駆動輪80へ伝達される。また、第2モータ30は、駆動軸16の回転エネルギを用いて発電することによって回生ブレーキとしても機能する。第2モータ30により発電された電力はPCU60を経由してバッテリ70に充電される。
動力分割装置40は、サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ、およびキャリアを含む遊星歯車機構である。サンギヤは第1モータ20に連結される。リングギヤは駆動軸16を介して第2モータ30および駆動輪80に連結される。ピニオンギヤはサンギヤおよびリングギヤの各々と噛み合う。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン10のクランク軸に連結される。
図2は、エンジン10の回転速度(以下「エンジン回転速度NE」という)、第1モータ20の回転速度(以下「第1モータ回転速度NM1」という)および第2モータ30の回転速度(以下「第2モータ回転速度NM2」という)の関係を、動力分割装置40の共線図に示した図である。
エンジン10、第1モータ20および第2モータ30が遊星歯車からなる動力分割装置40を介して連結されることで、エンジン回転速度NE、第1モータ回転速度NM1および第2モータ回転速度NM2は、図2に示すように、動力分割装置40の共線図において直線で結ばれる関係(いずれか2つの値が決まれば残りの1つの値も一義的に決まる関係)になる。
たとえば、第1モータ回転速度NM1と第2モータ回転速度NM2とが決まれば、残りのエンジン回転速度NEは一義的に決まる。言い換えれば、第2モータ回転速度NM2が一定であっても、第1モータ回転速度NM1を調整することによってエンジン回転速度NEを自由に変更することができる。ここで、第2モータ30は駆動輪80に連結されているため、第2モータ回転速度NM2は車速Vに応じた値となる。したがって、車速Vに対するエンジン回転速度NEの比は、第1モータ回転速度NM1を調整することによって無段階に切り替えることができる。つまり、車両1において、第1モータ20および動力分割装置40は、車速Vに対するエンジン回転速度NEの比を無段階に切り替えることができる電気式の無段変速装置として機能する。なお、本発明が適用可能な車両は、電気式の無段変速装置を備えた車両に限定されず、機械式(たとえばベルト式)の無段変速機を備えた車両にも適用可能である。
また、図2には、エンジン10および第2モータ30の双方の動力で車両1を前進走行させる場合の、エンジン10のトルク(以下「エンジントルクTE」という)、第1モータ20のトルク(以下「第1モータトルクTM1」という)および第2モータ30のトルク(以下「第2モータトルクTM2」という)の関係の一例も示されている。
エンジン10を運転させると、エンジントルクTEが動力分割装置40のキャリアに作用する。エンジントルクTEの反力を受け持つ第1モータトルクTM1を動力分割装置40のサンギヤに作用させることで、動力分割装置40のリングギヤにはエンジンから伝達されるトルク(以下「エンジン直達トルクTEc」という)が作用する。また、第2モータトルクTM2は、動力分割装置40のリングギヤに直接的に作用する。これにより、リングギヤには、エンジン直達トルクTEcと第2モータトルクTM2との合計トルクが作用する。この合計トルクによって駆動輪80が回転されて車両1が走行される。
図1に戻って、PCU60は、ECU200からの制御信号に基づいて、バッテリ70、第1モータ20および第2モータ30の間で電力変換を行なう電力変換装置である。
バッテリ70は、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等を含んで構成される二次電池である。バッテリ70の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ70は、上述したように第1モータ20および/または第2モータ30により発電された電力を用いて充電される。なお、バッテリ70は、第1モータ20および第2モータ30との間で電力を入出力可能な蓄電装置であればよく、たとえば大容量キャパシタに変更してもよい。
さらに、車両1には、路面勾配センサ2、車速センサ3が設けられる。路面勾配センサ2は、車両1が走行している路面勾配を検出する。車速センサ3は、車輪の回転速度から車速Vを検出する。さらに、図示していないが、車両1には、アクセル開度A(ユーザによるアクセルペダル操作量)、エンジン回転速度NE、第1モータ回転速度NM1、第2モータ回転速度NM2、第2モータ30の温度、バッテリ70の状態(電流、電圧、温度)など、車両1を制御するために必要なさまざまな物理量を検出するための複数のセンサが設けられる。これらのセンサは、検出結果をECU200に送信する。
ECU200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニットである。ECU200は、各センサからの情報およびメモリに記憶された情報に基づいて所定の演算処理を実行し、演算結果に基づいて車両1の各機器を制御する。ECU200は、エンジン10およびPCU60等を制御することによって、車両駆動力を制御する。
<車両駆動力の制御>
図3は、ECU200が車両駆動力を制御する場合に実行する処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、予め定められた演算周期ΔTで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、ECU200は、アクセル開度Aおよび車速Vに基づいて、ユーザが要求する車両駆動力(以下「ユーザ要求パワー」という)Preqを算出する。
S20にて、ECU200は、バッテリ70の蓄電量(以下「バッテリSOC」ともいう)に基づいて、バッテリ70の充電あるいは放電に必要なパワー(以下「バッテリ要求パワー」という)PBreqを算出する。なお、本実施の形態では、バッテリ要求パワーPBreqは、バッテリ70を充電する必要がある場合に正の値となり、バッテリ70から放電する必要がある場合に負の値となるものとする。バッテリSOCは、バッテリ70の状態に基づいてECU200によって算出される。
S30にて、ECU200は、ユーザ要求パワーPreqとバッテリ要求パワーPBreqとの合計(車両1に要求されているトータルパワー、すなわち「車両要求パワー」)を、エンジン要求パワーPEreqに設定する。
S40にて、ECU200は、アクセル開度Aがしきい値を超えているか否かを判定する。この判定は、指令エンジン回転速度NEcomと指令エンジントルクTEcomとで決まる指令エンジン動作点を、燃費最適制御(後述するS50およびS51の処理)によって設定するのか、それとも加速感演出制御(後述するS60〜S67の処理)によって設定するのかを決めるための処理である。本処理の「しきい値」は、たとえば50%〜70%の範囲内のいずれかのアクセル開度に設定することができる。
アクセル開度Aがしきい値を超えていない場合(S40にてNO)、ECU200は、指令エンジン動作点をS50およびS51に示す燃費最適制御によって設定する。本実施の形態において、燃費最適制御とは、エンジン10が最も効率よくエンジン要求パワーPEreqを出力するように指令エンジン動作点を設定する処理である。
具体的には、ECU200は、エンジン要求パワーPEreqと燃費ラインとを用いて最適エンジン動作点(最適燃費回転速度NEefおよび最適燃費トルクTEef)を算出し(S50)、算出された最適エンジン動作点を指令エンジン動作点に設定する(S51)。すなわち、ECU200は、最適燃費回転速度NEefを指令エンジン回転速度NEcomに設定し、最適燃費トルクTEefを指令エンジントルクTEcomに設定する。
図4は、燃費最適制御による最適燃費回転速度NEefおよび最適燃費トルクTEefの算出手法を模式的に示す図である。図4に示される燃費ラインは、エンジン回転速度NEおよびエンジントルクTEをパラメータとしてエンジン10が最も効率よく(すなわち最適な燃費で)運転可能な動作点を繋ぎ合わせた動作ラインである。横軸をエンジン回転速度NEとし、縦軸をエンジントルクTEとすると、燃費ラインは図4に示すような曲線となる。一方、エンジンパワーPEはエンジン回転速度NEとエンジントルクTEとの積である(PE=NE×TEである)ことから、PE=PEreq(一定)となる曲線は、図4に示すような反比例曲線で示される。
ECU200は、燃費ラインを示す曲線とPE=PEreqを示す反比例曲線との交点から、最適燃費回転速度NEefおよび最適燃費トルクTEefを算出する。このように算出された最適燃費回転速度NEefおよび最適燃費トルクTEefを指令エンジン動作点に設定することによって、エンジン10は最も効率よくエンジン要求パワーPEreqを出力することができる。
図3に戻って、アクセル開度Aがしきい値を超えている場合(S40にてYES)、ECU200は、指令エンジン動作点をS60〜S67に示す加速感演出制御によって設定する。本実施の形態において、加速感演出制御とは、有段変速機と同様の加速感をユーザに与えるために、車速上昇および時間経過の少なくとも一方に応じてエンジン回転速度NEを増加させる処理である。
具体的には、S60にて、ECU200は、今回のサイクルが加速感演出制御の初回であるのか否かを判定する。たとえば、ECU200は、前回サイクルのアクセル開度Aがしきい値未満である場合に、今回のサイクルが加速感演出制御の初回であると判定する。
今回のサイクルが加速感演出制御の初回である場合(S60にてYES)、ECU200は、S61にて、エンジン回転速度の初期値NEiniを算出する。初期値NEiniは、S50で説明した最適燃費回転速度NEefよりも低い値に算出される。なお、初期値NEiniの算出手法については後に詳述する。続くS62にて、ECU200は、初期値NEiniを指令エンジン回転速度NEcomに設定する。
一方、今回のサイクルが加速感演出制御の2回目以降である場合(S60にてNO)、ECU200は、S63にて、前回サイクルから今回サイクルまでの車速上昇量ΔVおよび経過時間(すなわち演算周期)ΔTに基づいて、エンジン回転速度の増加率(経過時間ΔTにおけるエンジン回転速度の増加量)ΔNEを算出する。ECU200は、車速上昇量ΔVが大きいほど大きな加速感をユーザに与えるために、車速上昇量ΔVが大きいほど増加率ΔNE(より詳しくは後述する車速対応増加率ΔNEv)を大きい値に算出する。なお、増加率ΔNEの算出手法については後に詳述する。
そして、ECU200は、S64にて、次式(a)に示すように、S63で算出された増加率ΔNEを前回サイクルの指令エンジン回転速度NEcomに加えた値を、今回サイクルの指令エンジン回転速度NEcomとして算出する。
NEcom=前回NEcom+ΔNE …(a)
したがって、加速感演出制御中においては、指令エンジン回転速度NEcomが増加率ΔNEで徐々に増加される。これにより、ユーザに加速感を与えることができる。
S62あるいはS64にて指令エンジン回転速度NEcomが算出された後、ECU200は、S65にて、エンジン回転速度の下限値NEminおよび上限値NEmaxを算出する。下限値NEminおよび上限値NEmaxは、第1モータ20や動力分割装置40の過回転を防止したりバッテリ70の過充電および過放電を防止したりするために、エンジン回転速度NEの変動範囲を制限するための値である。下限値NEminおよび上限値NEmaxの算出手法については後に詳述する。
S66にて、ECU200は、S65で算出された下限値NEminおよび上限値NEmaxを用いて、S62あるいはS64にて算出された指令エンジン回転速度NEcomを制限する処理(以下「上下限ガード処理」ともいう)を行なう。上下限ガード処理においては、指令エンジン回転速度NEcomが下限値NEminを下回る場合には指令エンジン回転速度NEcomは下限値NEminに更新される。指令エンジン回転速度NEcomが上限値NEmaxを超える場合には指令エンジン回転速度NEcomは上限値NEmaxに更新される。指令エンジン回転速度NEcomが下限値NEminと上限値NEmaxとの間の値である場合には指令エンジン回転速度NEcomはそのまま維持される。
S67にて、ECU200は、上下限ガード処理後の指令エンジン回転速度NEcomと燃費ラインとを用いて、指令エンジントルクTEcomを算出する。
図5は、加速感演出制御による指令エンジン回転速度NEcomおよび指令エンジントルクTEcomの設定手法を模式的に示す図である。
加速感演出制御の初回においては、指令エンジン回転速度NEcomが最適燃費回転速度NEefよりも低い初期値NEiniに設定され、燃費ラインを用いて初期値NEiniに対応する指令エンジントルクTEcomが算出される。したがって、加速感演出制御の初回におけるエンジンパワーPEは、エンジン要求パワーPEreqよりも小さい値となる。
加速感演出制御の2回目以降においては、指令エンジン回転速度NEcomが増加率ΔNEで増加され、増加後の指令エンジン回転速度NEcomと燃費ラインとで指令エンジントルクTEcomが決められる。そのため、エンジンパワーPEも徐々に増加していく。
そして、指令エンジン回転速度NEcomが最適燃費回転速度NEefに達すると、エンジンパワーPEがエンジン要求パワーPEreqに一致する。
その後、指令エンジン回転速度NEcomがさらに増加して最適燃費回転速度NEefよりも高くなると、エンジンパワーPEはエンジン要求パワーPEreqよりも大きい値となる。
このように、加速感演出制御を行なうことによって、エンジンパワーPEは、エンジン要求パワーPEreqに対して過不足が生じる場合がある。なお、この過不足分は後述するS70の処理で第2モータ30の出力によって補正されるため、ユーザが要求する車両駆動力が実現される。
図3に戻って、燃費最適制御(S50、S51の処理)あるいは加速感演出制御(S61〜S67の処理)によって指令エンジン動作点が設定されると、ECU200は、S70にて、エンジン10を指令エンジン動作点で運転したときに車両要求パワー(=Preq+PBreq)が駆動輪80に伝達されるように、第1モータ指令トルクTM1com、第2モータ指令トルクTM2comを算出する。
上述したように、燃費最適制御中には、エンジンパワーPEはエンジン要求パワーPEreqとなる(図4参照)。一方、加速感演出制御中には、エンジンパワーPEはエンジン要求パワーPEreqに対して過不足が生じる場合がある(図5参照)。S70の処理では、この過不足分を第2モータの出力(力行パワーあるいは回生パワー)で補正するように、第2モータ指令トルクTM2comが算出される。
具体的には、加速感演出制御の初期においてエンジンパワーPEがエンジン要求パワーPEreq未満である場合(すなわちNEcom<NEefの場合)には、パワー不足分を補う正トルク(力行トルク)を第2モータ30が発生するように第2モータ指令トルクTM2comが算出される。この場合、パワー不足分に相当する電力がバッテリ70から第2モータ30に放電されることになる。
一方、加速感演出制御の進行に伴ってエンジンパワーPEがエンジン要求パワーPEreqを超えた場合(すなわちNEcom>NEefの場合)には、パワー超過分を打ち消す負トルク(回生トルク)を第2モータ30が発生するように第2モータ指令トルクTM2comが算出される。この場合、パワー超過分に相当する電力が第2モータ30で発電され、バッテリ70が充電されることになる。
S80にて、ECU200は、エンジン10が指令エンジン回転速度NEcom、指令エンジントルクTEcomからなる動作点で運転されるようにエンジン10の吸入空気量、燃料噴射量、点火時期、吸気バルブの開閉タイミングなどを制御する。また、ECU200は、第1モータ20が第1モータ指令トルクTM1comを出力し、第2モータ30が第2モータ指令トルクTM2comを出力するように、PCU60を制御する。
<加速感演出制御中における指令エンジン回転速度NEcomの補正処理>
以上のように、車両1において、ユーザによる加速要求があった場合(アクセル開度Aがしきい値を超えた場合)、ユーザに加速感を与えるために、加速感演出制御によって指令エンジン回転速度NEcomが増加率ΔNEで増加される。この影響で、加速感演出制御中においては、指令エンジン回転速度NEcomが最適燃費回転速度NEefから乖離し、エンジン要求パワーPEreqに対するエンジンパワーPEの過不足が生じる場合がある(図5参照)。この過不足分をなくすように第2モータ30の出力調整(バッテリ70の充放電)が行なわれる。
しかしながら、加速感演出制御中に車両1が降坂路を走行する場合、ユーザに違和感を与えたり、第2モータ30の発電電力をバッテリ70に十分に回収できなくなったりするおそれがある。この現象について図12を参照して説明する。
図12は、加速感演出制御中に後述する補正処理を行なわずに車両1が降坂路を走行する場合のエンジン回転速度NEの変化態様の一例(本発明に対する比較例)を示す図である。
加速感演出制御が開始される時刻t31では、指令エンジン回転速度NEcomは最適燃費回転速度NEefよりも低い初期値NEiniに設定される。その後、指令エンジン回転速度NEcomは増加率ΔNEで徐々に増加される。そのため、加速感演出制御中においては、指令エンジン回転速度NEcomが最適燃費回転速度NEefよりも低くなったり高くなったりする。
指令エンジン回転速度NEcomが最適燃費回転速度NEefよりも低い期間では、エンジンパワーPEの不足分が第2モータ30の力行パワー(TM2>0)によって補われる。この際、バッテリ70から第2モータ30に放電される。
一方、指令エンジン回転速度NEcomが最適燃費回転速度NEefよりも高い期間では、エンジンパワーPEの超過分が第2モータ30の回生パワー(TM2<0)によって打ち消される。この際、第2モータ30で発電された電力がバッテリ70に充電される。
ところが、車両1が降坂路を走行している場合には、重力加速度が車両進行方向に作用することよって車速Vが想定以上に上昇する。これに伴ってエンジン回転速度の増加率(増加傾き)ΔNEも想定以上に大きくなる。この影響で、エンジン回転速度NEが想定以上の値にまで急増し、ユーザに違和感を与えるおそれがある。
さらに、降坂路では、平坦路よりも、指令エンジン回転速度NEcomが急増し最適燃費回転速度NEefを早期に超えてしまう。そのため、降坂路では、平坦路よりも、加速感演出制御中におけるエンジンパワーPEの不足量(バッテリ70の放電量)が減少し、エンジンパワーPEの超過量(バッテリ70の充電量)が増加する。つまり、降坂路では、平坦路よりも、バッテリSOCの収支が充電側に偏る。降坂路では、そもそも第2モータ30の回生発電によってバッテリSOCが増加し易い傾向にあるが、加速感演出制御を行なうことによってバッテリSOCがさらに増加し易くなる。この影響でバッテリSOCが早期に上限値に達してしまうと、第2モータ30の発電電力をバッテリ70に十分に回収できずにエネルギの無駄が発生し、燃費が悪化することになる。
このような問題を解消するために、本実施の形態によるECU200は、加速感演出制御中における指令エンジン回転速度NEcomを路面勾配に応じて補正する処理(以下「補正処理」という)を行なう。
本実施の形態では、補正処理として、(i)加速感演出制御開始時のエンジン回転速度の初期値NEiniを補正する処理(以下「初期値補正処理」という)、(ii)加速感演出制御中におけるエンジン回転速度の増加率ΔNEを補正する処理(以下「増加率補正処理」という)、(iii)加速感演出制御中におけるエンジン回転速度の上限値NEmaxを補正する処理(以下「上限値補正処理」という)、の3つの補正処理を行なう。以下、これらの補正処理について詳しく説明する。
<< (i)初期値補正処理 >>
図6は、エンジン回転速度の初期値NEiniの算出処理(図3のS61の処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。初期値NEiniの算出処理中において、上述した初期値補正処理が行なわれる。
S61Aにて、ECU200は、アクセル開度Aおよび車速Vに基づいてエンジン回転速度の基本初期値NEini_baseを算出する。たとえば、ECU200は、ユーザに与える加速感を考慮して、アクセル開度Aが大きいほどかつ車速Vが高いほど基本初期値NEini_baseを大きい値に算出する。この際、基本初期値NEini_baseは、前回サイクルの指令エンジン回転速度NEcomよりも高く、かつ、今回サイクルの最適燃費回転速度NEefよりも低い値となるように算出される。なお、今回サイクルの最適燃費回転速度NEefは、上述した図3のS50の処理と同様の処理によって算出される(図4参照)。
S61Bにて、ECU200は、路面勾配(路面勾配センサ2の検出値)がしきい勾配よりも小さいか否かを判定する降坂判定を行なう。この降坂判定は、車両1が降坂路(より具体的にはしきい勾配よりも急な勾配の降坂路)を走行しているか否かを判定する処理の一例である。
路面勾配がしきい勾配よりも小さくない場合(S61BにてNO)、すなわち車両1が降坂路を走行していない場合、ECU200は、S61Cにて、基本初期値NEini_baseを初期値NEiniに設定する。
一方、路面勾配がしきい勾配よりも小さい場合(S61BにてYES)、すなわち車両1が降坂路を走行している場合、ECU200は、S61Dにて、基本初期値NEini_baseから所定値αを減じた値を、初期値NEiniに設定する。
このように、車両1が降坂路を走行している場合の初期値NEini(=NEini_base−α)は、車両1が降坂路を走行していない場合の初期値NEini(=NEini_base)よりも低下される。これらの一連の処理が上述した初期値補正処理である。
図7は、初期値補正処理によるエンジン回転速度NEの変化態様の一例を模式的に示す図である。図7には、時刻t1にて車両1が降坂路を走行し始め、その後の時刻t2にて加速感演出制御が開始される例が示されている。この場合、加速感演出制御が開始される時刻t2にて既に路面勾配がしきい勾配よりも小さいため、加速感演出制御開始時のエンジン回転速度の初期値NEiniが基本初期値NEini_base(=降坂路を走行していない場合の初期値NEini)よりも所定値αだけ低下される。これにより、降坂による車速上昇に伴ってエンジン回転速度の増加率ΔNEが想定以上に増加したとしても、エンジン回転速度NEが想定以上に増加するのを抑制することができる。そのため、ユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
さらに、初期値NEiniを低下させることによって、加速感演出制御の開始当初からエンジンパワーPEの不足量すなわちバッテリ70の放電量を増加させることができる。これにより、バッテリSOCの増加を抑制し、バッテリSOCが上限値に達し難くすることができる。
<< (ii)増加率補正処理 >>
図8は、エンジン回転速度の増加率ΔNEの算出処理(図3のS63の処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。増加率ΔNEの算出処理中において、上述した増加率補正処理が行なわれる。
S63Aにて、ECU200は、車速上昇量ΔVに対応するエンジン回転速度の増加率(以下「車速対応増加率」という)ΔNEvと、経過時間ΔTに対応するエンジン回転速度の増加率(以下「時間対応増加率」という)ΔNEtとを算出する。
ECU200は、車速上昇量ΔVが大きいほど大きな加速感をユーザに与えるために、車速上昇量ΔVが大きいほど車速対応増加率ΔNEvを大きい値に算出する。また、ECU200は、時間対応増加率ΔNEtを、車速上昇量ΔVがほぼ零の時(登坂路などで車速Vがほとんど上昇しない時)の車速対応増加率ΔNEvよりも大きく、車速上昇量ΔVが比較的高い時(平坦路や降坂路で車速Vが上昇し易い時)の車速対応増加率ΔNEvよりも小さい値に算出する。なお、時間対応増加率ΔNEtを固定値として予め記憶しておいてもよい。
S63Bにて、ECU200は、次式(b)に示すように、車速対応増加率ΔNEvと時間対応増加率ΔNEtとのうち、大きい方の増加率をエンジン回転速度の基本増加率ΔNE_baseとする。
ΔNE_base=max(ΔNEv、ΔNEt) …(b)
S63Cにて、ECU200は、路面勾配がしきい勾配よりも小さいか否かを判定する降坂判定を行なう。
路面勾配がしきい勾配よりも小さくない場合(S63CにてNO)、すなわち車両1が降坂路を走行していない場合、ECU200は、S63Dにて、基本増加率ΔNE_baseを増加率ΔNEに設定する。
路面勾配がしきい勾配よりも小さい場合(S63CにてYES)、すなわち車両1が降坂路を走行している場合、ECU200は、S63Eにて、基本増加率ΔNE_baseから所定率ΔNを減じた値を、増加率ΔNEに設定する。
このように、降坂路では、エンジン回転速度の増加率ΔNEが低下される。これらの一連の処理が上述した増加率補正処理である。
図9は、増加率補正処理によるエンジン回転速度NEの変化態様の一例を模式的に示す図である。図9には、時刻t11にて加速感演出制御が開始され、加速感演出制御の途中の時刻t12にて車両1が降坂路を走行し始める例が示されている。この場合、降坂路を走行し始める時刻t12にて路面勾配がしきい勾配よりも小さくなるため、時刻t12以降の増加率ΔNEは、基本増加率ΔNE_base(=降坂路を走行していない場合の増加率ΔNE)よりも低下される。これにより、加速感演出制御の途中で降坂路になった場合であっても、エンジン回転速度NEの増加を抑えることができる。そのため、ユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
さらに、増加率ΔNEを低下させることによって、エンジンパワーPEの超過量すなわちバッテリ70の充電量を低下させることができる。これにより、バッテリSOCの増加を抑制し、バッテリSOCが上限値に達し難くすることができる。
<< (iii)上限値補正処理 >>
図10は、エンジン回転速度の下限値NEminおよび上限値NEmaxの算出処理(図3のS65の処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。下限値NEminおよび上限値NEmaxの算出処理中において、上述した上限値補正処理が行なわれる。
S65Aにて、ECU200は、エンジン回転速度の基本下限値NEmin_baseおよび基本上限値NEmax_baseを算出する。
たとえば、ECU200は、下記の要件1〜要件3のすべてを満足する許容エンジン回転速度領域を算出し、算出された許容エンジン回転速度領域の下限値および上限値をそれぞれ基本下限値NEmin_baseおよび基本上限値NEmax_baseとする。
(要件1) 第1モータ回転速度NM1が、第1モータ20の構造上の許容回転速度領域内に含まれる。
(要件2) 動力分割装置40のピニオンギヤの回転速度が、動力分割装置40の構造で決まる許容回転速度領域内に含まれる。
(要件3) バッテリ70に充電される電力(以下「バッテリ充電電力Pin」という)がバッテリ70のSOCおよび温度で決まる許容充電電力Win未満であり、かつバッテリ70から放電される電力(以下「バッテリ放電電力Pout」という)がバッテリ70のSOCおよび温度で決まる許容放電電力Wout未満である。
S65Bにて、ECU200は、路面勾配がしきい勾配よりも小さいか否かを判定する降坂判定を行なう。
路面勾配がしきい勾配よりも小さくない場合(S65BにてNO)、すなわち車両1が降坂路を走行していない場合、ECU200は、S65Cにて、基本下限値NEmin_baseを下限値NEminに設定し、基本上限値NEmax_baseを上限値NEmaxに設定する。
路面勾配がしきい勾配よりも小さい場合(S65BにてNO)、すなわち車両1が降坂路を走行している場合、ECU200は、S65Dにて、基本下限値NEmin_baseを下限値NEminに設定し、基本上限値NEmax_baseから所定値βを減じた値を上限値NEmaxに設定する。
このように、降坂路では、エンジン回転速度の上限値NEmaxが低下される。これらの一連の処理が上述した上限値補正処理である。
図11は、上限値補正処理によるエンジン回転速度NEの変化態様の一例を模式的に示す図である。図9には、時刻t21にて加速感演出制御が開始され、加速感演出制御の途中の時刻t22にて車両1が降坂路を走行し始める例が示されている。この場合、降坂路を走行し始める時刻t22にて路面勾配がしきい勾配よりも小さくなるため、時刻t22以降の上限値NEmaxは、基本上限値NEmax_base(=降坂路を走行していない場合の上限値NEmax)よりも所定値βだけ低下される。これにより、加速感演出制御の途中で降坂路になった場合であっても、エンジン回転速度NEが想定以上に増加することを即座に抑えることができる。これにより、エンジン回転速度NEの吹け上がり感が気になる領域にまでエンジン騒音が増加するのが抑制されるため、ユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
さらに、上限値NEmaxを低下させることによって、エンジンパワーPEの超過量すなわちバッテリ70の充電量を即座に低下させることができる。これにより、バッテリSOCの増加を抑制し、バッテリSOCが上限値に達し難くすることができる。
以上のように、本実施の形態による車両1は、エンジン10および第2モータ30の少なくともいずれかの動力を用いて走行可能なハイブリッド車両であって、車速Vに対するエンジン回転速度NEの比を無段階に切替可能な無段変速装置(第1モータ20および動力分割装置40)と、ECU200とを備える。ECU200は、ユーザによる加速要求があった場合、車速上昇量ΔVおよび時間経過ΔTの少なくとも一方に応じてエンジン回転速度NEを増加させる加速感演出制御を行なうとともに、加速感演出制御によってエンジン回転速度NEが最適燃費回転速度NEefから乖離することで生じるエンジンパワーPEの過不足分を第2モータ30の出力で補正する。
このような車両1において、ECU200は、加速感演出制御中に車両1が降坂路を走行する場合には、降坂路を走行していない場合よりも指令エンジン回転速度NEcomを低い値にする補正処理を行なう。この補正処理によって、降坂による車速上昇に伴ってエンジン回転速度NEが想定以上に増加するのを抑制することができる。そのため、ユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
また、補正処理によってエンジンパワーPEも抑制されるため、降坂路を走行していない場合よりもエンジンパワーPEの不足量(すなわちバッテリ70の放電量)を増加させたり、エンジンパワーPEの超過量(すなわちバッテリ70の充電量)を減少させたりすることができる。その結果、加速感演出制御中に車両1が降坂路を走行する場合においても、ユーザに違和感を与えることを抑制するとともに、バッテリSOCが増加するのを抑制することをができる。
<変形例>
なお、本実施の形態は、たとえば以下のように変更することもできる。
(1) 上述の実施の形態では、初期値補正処理、増加率補正処理、上限値補正処理の3つの補正処理を行なう場合について説明した。しかしながら、必ずしも3つの補正処理をすべて行なうことに限定されない。
たとえば、上述した3つの補正処理のうちの、いずれか1つの補正処理を行なうようにしてもよいし、いずれか2つの補正処理を行なうようにしてもよい。また、3つの補正処理あるいはいずれか2つの補正処理を、状況に応じて使い分けるようにしてもよい。
また、3つの補正処理あるいはいずれか2つの補正処理を実行可能に構成した上で、各補正処理に優先順位を付けて実行するようにしてもよい。たとえば、増加率補正処理と上限値補正処理とを実行可能に構成した上で、増加率補正処理を上限値補正処理よりも優先的に行なうようにしてもよい。このようにすると、まず増加率補正処理によってエンジン回転速度NEの増加率を緩やかにし、更なる補正が必要な場合には上限値補正処理によってエンジン回転速度NEを即座に低下させることができる。
(2) 上述の実施の形態では、降坂判定(図6のS61Bの処理、図8のS63Cの処理、図10のS65Bの処理)として、路面勾配(路面勾配センサ2の検出値)がしきい勾配よりも小さいか否かを判定したが、降坂判定の手法はこれに限定されない。
たとえば、アクセル開度A、車速V、走行抵抗などから車両1の推定加速度を算出するとともに、車速V(実際の車輪回転速度)を微分して車両1の実加速度を算出し、推定加速度よりも実加速度が所定速度以上大きい場合に、車両1が降坂路を走行していると判定するようにしてもよい。
(3) 上述の実施の形態では、加速感演出制御中において、車速対応増加率ΔNEvと時間対応増加率ΔNEtとのうち大きい方の増加率をエンジン回転速度の基本増加率ΔNE_baseとした(上述の式(b)等参照)。しかしながら、基本増加率ΔNE_baseの決定手法はこれに限定されない。
たとえば、次式(b−1)に示すように、車速対応増加率ΔNEvを基本増加率ΔNE_baseとするようにしてもよい。あるいは、次式(b−2)に示すように、時間対応増加率ΔNEtを基本増加率ΔNE_baseとするようにしてもよい。
ΔNE_base=ΔNEv …(b−1)
ΔNE_base=ΔNEt …(b−2)
あるいは、次式(b−3)に示すように、車速対応増加率ΔNEvと時間対応増加率ΔNEtとのうち大きい方の増加率に、アクセル開度Aに対応するアクセル対応増加率ΔNEaを加えたものを、基本増加率ΔNE_baseとするようにしてもよい。
ΔNE_base=max(ΔNEv、ΔNEt)+ΔNEa …(b−3)
なお、アクセル対応増加率ΔNEaは、アクセル開度Aが大きいほど大きな加速感をユーザに与えるために、アクセル開度Aが大きいほど大きい値となるように算出すればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 路面勾配センサ、3 車速センサ、10 エンジン、16 駆動軸、20 第1モータ、30 第2モータ、40 動力分割装置、58 減速機、70 バッテリ、80 駆動輪、200 ECU。

Claims (4)

  1. エンジンおよびモータの少なくともいずれかの動力を用いて走行可能な車両であって、
    前記エンジンと駆動輪との間に設けられた無段変速装置と、
    前記エンジン、前記モータおよび前記無段変速装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、ユーザによる加速要求があった場合、車速上昇および時間経過の少なくとも一方に応じて前記エンジンの回転速度を増加させるように前記エンジンおよび前記無段変速装置を制御する加速感演出制御を行ない、
    前記制御装置は、前記加速感演出制御によって、前記エンジンの回転速度と、前記車両に要求されるパワーを前記エンジンが最も効率よく出力可能な最適燃費回転速度とが乖離することで生じる前記エンジンの出力の過不足分を前記モータの出力で補正し、
    前記制御装置は、前記加速感演出制御中に前記車両が降坂路を走行している場合、前記車両が降坂路を走行していない場合よりも前記エンジンの回転速度を低い値にする補正処理を行なう、車両。
  2. 前記補正処理は、前記加速感演出制御を開始する時の前記エンジンの回転速度の初期値を、前記車両が降坂路を走行していない場合よりも低くする処理を含む、請求項1に記載の車両。
  3. 前記補正処理は、前記エンジンの回転速度の増加率を、前記車両が降坂路を走行していない場合よりも小さくする処理を含む、請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記補正処理は、前記エンジンの回転速度の上限値を、前記車両が降坂路を走行していない場合よりも低くする処理を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車両。
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