JP2009261120A - 蓄電池制限装置,これを備える動力出力装置,その動力出力装置を搭載する車両及び蓄電池制限装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池の劣化の進行を適切に抑制する。
【解決手段】バッテリの端子間電圧Vbに基づいて、放電期間におけるバッテリの最低電圧Vbminを把握し(ステップS300〜S340)、把握した最低電圧Vbminが規定電圧Vf未満のときは、最低電圧Vbminと同じ電圧までの放電をバッテリが繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する放電回数である許容放電回数Nbを導出し、許容放電回数Nbに基づいて最低電圧Vbminで放電が1回行われたことによりバッテリ50の劣化がどの程度進行したかを表す値である劣化値Kを導出し、劣化値Kの積算値Aを導出して閾値Aref1,Aref2と比較し、バッテリの劣化が進行して積算値Aが大きくなるほど高くなる傾向に下限電圧Vbloを設定する(ステップS350〜S420)。そして、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときには、バッテリ50の出力を通常より制限する。
【選択図】図8

Description

本発明は、蓄電池制限装置,これを備える動力出力装置,その動力出力装置を搭載する車両及び蓄電池制限装置の制御方法に関する。
従来、内燃機関と発電電動機と蓄電池とを備え、内燃機関及び発電電動機の双方を走行用駆動源として併用するハイブリッド車が提案されている。このようなハイブリッド車では発電電動機の動作に伴って蓄電池が充放電されるため、放電又は充電の一方が連続的に行われて蓄電池が過放電又は過充電となることを防止する保護装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この保護装置では、放電電圧が低いほど又は充電電圧が高いほど、高いポイントを一定時間ごとに加算し、ポイントの加算結果が所定値を超えた場合に電流を遮断又は制限する。これにより過放電又は過充電を防止している。
特開2000−223161号公報
ところで、蓄電池は所定の動作電圧範囲より低い電圧での放電や高い電圧での充電が行われるほど劣化が進行する。そのため、こうした低い電圧での放電や高い電圧での充電がなるべく行われないようにして劣化の進行を適切に抑制する必要がある。
そこで、本発明の蓄電池制限装置,これを備える動力出力装置,その動力出力装置を搭載する車両及び蓄電池制限装置の制御方法は、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制することを主目的とする。
本発明の蓄電池制限装置,これを備える動力出力装置,その動力出力装置を搭載する車両及び蓄電池制限装置の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の蓄電池制限装置は、
蓄電池の出力を制限する蓄電池制限装置であって、
前記蓄電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
1回の放電期間において最も電圧が低下したときの電圧である最低電圧を把握する最低電圧把握手段と、
前記把握した最低電圧に基づいて、該最低電圧まで前記蓄電池が放電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出する劣化値導出手段と、
前記劣化値が導出される度に該劣化値を積算して記憶する積算値記憶手段と、
前記蓄電池の下限電圧を設定するにあたり、前記積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記下限電圧を高く設定する下限電圧設定手段と、
前記蓄電池の出力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記設定された下限電圧より低いときには、前記蓄電池の電圧が前記下限電圧より高いときに比べて前記蓄電池の出力を大きく制限する出力制限手段と、
を備えることを要旨とする。
蓄電池は、1回の放電期間における最低電圧が低いほど劣化が進行する。そこで、蓄電池の劣化の進行度は、放電期間における最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を積算することにより推定できる。本発明の第1の蓄電池制限装置では、この積算値が所定の劣化領域に入った場合に蓄電池の下限電圧を高く設定し、蓄電池の電圧が下限電圧より低い状態になりやすくする。そして、蓄電池の電圧が下限電圧より低いときに蓄電池の出力を大きく制限して蓄電池の放電を抑制する。これにより、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制することができる。
こうした本発明の第1の蓄電池制限装置において、前記劣化値導出手段は、前記把握した最低電圧が所定の規定電圧を下回ったときのみ前記劣化値を導出する手段であるものとすることもできる。一般に、蓄電池の放電期間における最低電圧が一定値以上である場合には蓄電池の劣化はほとんど進行しない。そのため、放電期間における最低電圧が所定の規定電圧を下回ったときのみ劣化値を導出するようにすることで、劣化の進行度を推定する処理の精度を保ちつつ、その処理を簡略化することができる。
また、本発明の第1の蓄電池制限装置において、前記劣化値は、前記把握した最低電圧と同じ電圧までの放電を前記蓄電池が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する放電回数に基づく値であり、且つ、該放電回数が少ないほど大きくなる傾向にある値であるものとすることもできる。こうすれば、より適切に劣化値を導出することができる。
また、本発明の第1の蓄電池制限装置において、前記出力制限手段は、前記蓄電池の電圧が前記設定した下限電圧より低いときには、前記蓄電池の電圧が低いほど制限が大きくなる傾向となるように前記蓄電池の出力を制限する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電池の電圧が低いほど蓄電池の出力が制限されて蓄電池の電圧が低下しにくくなるため、蓄電池の電圧が急激に低下することを防止でき、蓄電池の劣化の進行をより適切に抑制することができる。
本発明の第2の蓄電池制限装置は、
蓄電池の入力を制限する蓄電池制限装置であって、
前記蓄電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
1回の充電期間において最も電圧が上昇したときの電圧である最高電圧を把握する最高電圧把握手段と、
前記把握した最高電圧に基づいて、該最高電圧まで前記蓄電池が充電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最高電圧が高いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出する劣化値導出手段と、
前記劣化値が導出される度に該劣化値を積算して記憶する積算値記憶手段と、
前記蓄電池の上限電圧を設定するにあたり、前記積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記上限電圧を低く設定する上限電圧設定手段と、
前記蓄電池の入力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記設定した上限電圧より高いときには、前記蓄電池の電圧が前記上限電圧より低いときに比べて前記蓄電池の入力を大きく制限する入力制限手段と、
を備えることを要旨とする。
蓄電池は、1回の充電期間における最高電圧が高いほど劣化が進行する。そこで、蓄電池の劣化の進行度は、充電期間における最高電圧が高いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を積算することにより推定できる。本発明の第2の蓄電池制限装置では、この積算値が所定の劣化領域に入った場合に蓄電池の上限電圧を低く設定し、蓄電池の電圧が上限電圧より高い状態になりやすくする。そして、蓄電池の電圧が上限電圧より高いときに蓄電池の入力を大きく制限して蓄電池の充電を抑制する。これにより、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制することができる。
こうした本発明の第2の蓄電池制限装置において、前記劣化値導出手段は、前記把握した最高電圧が所定の規定電圧を上回ったときのみ前記劣化値を導出する手段であるものとすることもできる。一般に、蓄電池の充電期間における最高電圧が一定値以下である場合には蓄電池の劣化はほとんど進行しない。そのため、充電期間における最高電圧が所定の規定電圧を上回ったときのみ劣化値を導出するようにすることで、劣化の進行度を推定する処理の精度を保ちつつ、その処理を簡略化することができる。
また、本発明の第2の蓄電池制限装置において、前記劣化値は、前記把握した最高電圧と同じ電圧までの充電を前記蓄電池が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する充電回数に基づく値であり、且つ、該充電回数が少ないほど大きくなる傾向にある値であるものとすることもできる。こうすれば、より適切に劣化値を導出することができる。
また、本発明の第2の蓄電池制限装置において、前記入力制限手段は、前記蓄電池の電圧が前記設定した上限電圧より高いときには、前記蓄電池の電圧が高いほど制限が大きくなる傾向となるように前記蓄電池の出力を制限する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電池の電圧が高いほど蓄電池の入力が制限されて蓄電池の電圧が上昇しにくくなるため、蓄電池の電圧が急激に上昇することを防止でき、蓄電池の劣化の進行をより適切に抑制することができる。
本発明の動力出力装置は、
上述した各態様のいずれかの本発明の蓄電池制限装置と、
内燃機関と、
駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
前記蓄電池制限装置による制限の範囲内で前記電動機及び前記電力動力入出力手段と電力のやり取りが可能な蓄電池と、
前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
前記蓄電池制限装置による制限の範囲内で前記蓄電池と電力のやり取りを行うよう前記電動機及び前記電力動力入出力手段を制御し、且つ、前記設定された要求トルクに基づくトルクを前記駆動軸に出力するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力動力入出力手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、要求トルクに基づくトルクを駆動軸に出力するよう内燃機関と電動機と電力動力入出力手段を制御するにあたり、上述した各態様のいずれかの蓄電池制限装置による制限の範囲内で蓄電池と電力のやり取りを行うよう電動機及び電力動力入出力手段を制御するから、本発明の蓄電池制限装置が奏する効果と同様、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制する効果などを奏することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段とを備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、上述した各態様のいずれかの本発明の蓄電池制限装置と、内燃機関と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記電動機及び前記電力動力入出力手段と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、前記蓄電池制限装置による制限の範囲内で前記蓄電池と電力のやり取りを行うよう前記電動機及び前記電力動力入出力手段を制御し、且つ、前記設定された要求トルクに基づくトルクを前記駆動軸に出力するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力動力入出力手段とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなる
ことを要旨とする。
この本発明の車両は、上述した各態様のいずれかの動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制する効果などを奏することができる。車両は、要求トルクの変動が比較的大きく、蓄電池の充放電が頻繁に繰り返されることから、本発明を適用する意義が高い。
本発明の第1の蓄電池制限装置の制御方法は、
蓄電池の出力を制限する蓄電池制限装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電池の電圧を検出するステップと、
(b)1回の放電期間において最も電圧が低下したときの電圧である最低電圧を把握するステップと、
(c)前記ステップ(b)で把握した最低電圧に基づいて、該最低電圧まで前記蓄電池が放電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出するステップと、
(d)前記ステップ(c)で導出した劣化値を積算して積算値記憶手段に記憶するステップと、
(e)前記蓄電池の下限電圧を設定するにあたり、前記ステップ(d)で記憶した積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記下限電圧を高く設定するステップと、
(f)前記蓄電池の出力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記ステップ(e)で設定した下限電圧より低いときには、前記蓄電池の電圧が前記下限電圧より高いときに比べて前記蓄電池の出力を大きく制限するステップと、
を含むことを要旨とする。
蓄電池は、1回の放電期間における最低電圧が低いほど劣化が進行する。そこで、蓄電池の劣化の進行度は、放電期間における最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を積算することにより推定できる。本発明の第1の蓄電池制限装置の制御方法では、この積算値が所定の劣化領域に入った場合に蓄電池の下限電圧を高く設定し、蓄電池の電圧が下限電圧より低い状態になりやすくする。そして、蓄電池の電圧が下限電圧より低いときに蓄電池の出力を大きく制限して蓄電池の放電を抑制する。これにより、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制することができる。なお、この第1の蓄電池制限装置の制御方法は、上述したいずれかの第1の蓄電池制限装置の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明の第2の蓄電池制限装置の制御方法は、
蓄電池の入力を制限する蓄電池制限装置の制御方法であって、
(a)前記蓄電池の電圧を検出するステップと、
(b)1回の充電期間において最も電圧が上昇したときの電圧である最高電圧を把握するステップと、
(c)前記ステップ(b)で把握した最高電圧に基づいて、該最高電圧まで前記蓄電池が充電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最高電圧が高いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出するステップと、
(d)前記ステップ(c)で導出した劣化値を積算して積算値記憶手段に記憶するステップと、
(e)前記蓄電池の上限電圧を設定するにあたり、前記ステップ(d)で記憶した積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記上限電圧を低く設定するステップと、
(f)前記蓄電池の入力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記ステップ(e)で設定した上限電圧より高いときには、前記蓄電池の電圧が前記上限電圧より低いときに比べて前記蓄電池の入力を大きく制限するステップと、
を含むことを要旨とする。
蓄電池は、1回の充電期間における最高電圧が高いほど劣化が進行する。そこで、蓄電池の劣化の進行度は、充電期間における最高電圧が高いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を積算することにより推定できる。本発明の第2の蓄電池制限装置の制御方法では、この積算値が所定の劣化領域に入った場合に蓄電池の上限電圧を低く設定し、蓄電池の電圧が上限電圧より高い状態になりやすくする。そして、蓄電池の電圧が上限電圧より高いときに蓄電池の入力を大きく制限して蓄電池の充電を抑制する。これにより、蓄電池の劣化の進行を適切に抑制することができる。なお、この第2の蓄電池制限装置の制御方法は、上述したいずれかの第2の蓄電池制限装置の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリン又は軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60及びデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1及びモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線及び負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vb,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51bからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図2に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutの基本値との関係の一例を示し、図3にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポート及び通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッドECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1及びモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部又はその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1及びモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図4はハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
このルーチンが実行されると、ハイブリッドECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の端子間電圧Vb,バッテリ50の電池温度Tb,バッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなどの制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、端子間電圧Vb及び電池温度Tbは、電圧センサ51a及び温度センサ51bにより検出されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量(SOC)などに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、充放電要求パワーPb*は、放電要求を正側とし、充電要求を負側とするものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*とロスLossとを用いて式(1)により計算するものとした。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めたりすることができる。
Pe*=Tr*・Nm2/Gr-Pb*+Loss (1)
続いて、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行われる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いてモータMG1の目標回転数Nm1*を式(2)により計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいてモータMG1の仮モータトルクTm1tmpを式(3)により計算する(ステップS130)。ここで、式(2)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*は、この共線図における回転数の関係を用いることにより容易に導くことができる。なお、図7におけるR軸上の上向きの2つの太線矢印は、エンジン22から出力されるトルクTeがリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。式(3)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(3)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=(Ne*・(1+ρ)−Nm2/Gr)/ρ (2)
Tm1tmp=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt (3)
次に、ハイブリッドECU70は、下限電圧Vbloを設定する下限電圧設定ルーチンを実行する(ステップS140)。下限電圧Vbloは出力制限Woutを補正するために用いられる制御上の電圧であり、詳しくは後述するが、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときに出力制限Woutが小さくなるように補正される。以下、図4の駆動制御ルーチンの説明を一旦中断し、図8の下限電圧設定ルーチンについて説明する。
下限電圧設定ルーチンが実行されると、ハイブリッドECU70は、まず、前述のステップS100において電圧センサ51aで今回の駆動制御ルーチン実行時に検出された端子間電圧Vbが前回の駆動制御ルーチン実行時に検出された端子間電圧Vbより高いか否かを判定する(ステップS300)。これにより、バッテリ50が充電しているか否かを判定するのである。そして、ステップS300で今回の端子間電圧Vbが前回の端子間電圧Vbより高い、すなわち、バッテリ50が充電していると判定されたときは、フラグFを値1に設定し(ステップS310)、ステップS300で今回の端子間電圧Vbが前回の端子間電圧Vb以下である、すなわち、バッテリ50が放電していると判定されたときは、フラグFを値0に設定する(ステップS320)。そして、ステップS310でフラグFを値1に設定したときは、前回の下限電圧設定ルーチン実行時に設定したフラグFが値0であるか否かを判定する(ステップS330)。これにより、バッテリ50が前回の下限電圧設定ルーチン実行時は放電し今回の下限電圧設定ルーチン実行時は充電しているか否か、すなわちバッテリ50の放電期間が終了して充電に切り替わったか否かを判定するのである。
ステップS330で前回のフラグFが値0であると判定されたときは、最低電圧Vbminに前回の駆動制御ルーチン実行時に検出された端子間電圧Vbの値を設定する(ステップS340)。放電期間中において最も電圧が低くなるのはその放電期間の最後の電圧である。そのため、放電期間の最後の電圧である前回の端子間電圧Vbの値を最低電圧Vbminとして設定するのである。
ステップS340で最低電圧Vbminを設定すると、最低電圧Vbminが規定電圧Vf未満であるか否かを判定する(ステップS350)。規定電圧Vfは、放電時に蓄電池の劣化がほとんど進行しないとみなせる端子間電圧の下限値である。この規定電圧Vfは、バッテリ50の放電時の電圧と劣化の進行度との関係から実験的に求めることができる。
ステップS350で最低電圧Vbminが規定電圧Vf未満であると判定されると、最低電圧Vbminに基づいて許容放電回数Nbを導出する(ステップS360)。許容放電回数Nbとは、最低電圧Vbminと同じ電圧までの放電をバッテリ50が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する放電回数である。実施例では、許容放電回数Nbと最低電圧Vbminとの関係をあらかじめ実験的に求めて許容放電回数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、最低電圧Vbminが与えられると記憶したマップから対応する許容放電回数Nbを導出するものとした。図9に許容放電回数設定用マップの一例を示す。図9に示すように、許容放電回数Nbは最低電圧Vbminが高いほど多くなる傾向になっている。なお、所定の程度までの劣化とは、例えば、放電を繰り返して蓄電池の容量維持率が80%以下になることとしてもよい。
ステップS360で許容放電回数Nbを導出すると、導出した許容放電回数Nbに基づいて劣化値Kを導出する(ステップS370)。劣化値Kは最低電圧Vbminで放電が1回行われたことによりバッテリ50の劣化がどの程度進行したかを表す値である。実施例では、最低電圧Vbminに対応する許容放電回数Nbが少ないほど、その最低電圧Vbminでの放電1回あたりの劣化が大きく進行するものとして、式(4)により劣化値Kを導出している。
K=1/Nb (4)
ステップS370で劣化値Kを導出すると、RAM76に記憶された積算値Aに劣化値Kを加算し、加算結果を積算値Aとして記憶する(ステップS380)。すなわち、ステップS370で劣化値Kが導出される度に劣化値Kを積算して、バッテリ50の劣化の進行度を表す積算値AとしてRAM76に記憶するのである。なお、劣化値Kが式(4)で導出されているため、積算値Aが値1になると所定の程度までバッテリ50の劣化が進行したと推定することができる。また、一度も下限電圧設定ルーチンが実行されていないときは、積算値Aは初期値として値0に設定されている。
ステップS380で積算値Aが記憶されると、積算値Aと閾値Aref1,Aref2とを比較する(ステップS390)。閾値Aref1,Aref2は、式(5)を満たす実数である。そして、ステップS390で積算値Aが閾値Aref1未満であるときは、バッテリ50の劣化はそれほど進行していないと判定して下限電圧Vbloを値Vblo1に設定し(ステップS400)、積算値Aが閾値Aref1以上且つ閾値Aref2未満であるときは、バッテリ50の劣化がある程度進行したと判定して下限電圧Vbloを値Vblo2に設定し(ステップS410)、積算値Aが閾値Aref2以上であるときは、バッテリ50の劣化がさらに進行したと判定して下限電圧Vbloを値Vblo3に設定して(ステップS420)、本ルーチンを終了する。ここで、値Vblo1,Vblo2,Vblo3は式(6)を満たす実数である。すなわち、バッテリ50の劣化が進行して積算値Aが大きくなるほど下限電圧Vbloを高くなる傾向に設定するのである。
0<Aref1<Aref2<1 (5)
Vf<Vblo1<Vblo2<Vblo3 (6)
一方、ステップS320でフラグFを値0に設定したときや、ステップS330で前回のフラグFが値0でないと判定されたときや、ステップS350で最低電圧Vbminが規定電圧Vf以上であると判定されたときは、放電によるバッテリ50の劣化の進行はほとんどないと判断し、下限電圧Vbloを前回の下限電圧設定ルーチン実行時に設定した下限電圧Vbloと同じ値に設定して(ステップS430)、本ルーチンを終了する。なお、一度も下限電圧設定ルーチンが実行されていないときは、下限電圧Vbloは初期値として値Vblo1に設定されている。
ここで、図10に示す時刻tと端子間電圧Vbとの関係の一例を用いて下限電圧設定ルーチンについて説明する。図10で、時刻t2以前及び時刻t4〜t6はバッテリ50が放電している期間であり、時刻t2〜t4及び時刻t6以降はバッテリ50が充電している期間である。例えば、時刻t1では、端子間電圧Vbの値V1は前回の時刻t0における端子間電圧Vbの値V0よりも小さいため、ステップS300で否定的な判定がなされてステップS320でフラグFが値0に設定されてステップS430に進み、下限電圧Vbloを前回の下限電圧Vbloと同じ値に設定して本ルーチンを終了する。時刻t2でも、端子間電圧Vbの値V2は前回の端子間電圧Vbの値V1よりも小さいためステップS320でフラグFが値0に設定されてステップS430の処理を実行し、本ルーチンを終了する。時刻t3では、端子間電圧Vbの値V3は前回の端子間電圧Vbの値V2よりも大きいため、ステップS300で肯定的な判定がなされてステップS310でフラグFが値1に設定され、前回の時刻t2におけるフラグFは値0であったためステップS330で肯定的な判定がなされる。続いて、ステップS340で前回の端子間電圧Vbの値V2が最低電圧Vbminの値に設定される。そして、最低電圧Vbminの値V2は規定電圧Vf未満であるためステップS350で肯定的な判定がなされ、上述したステップS360〜S380の処理が実行されて最低電圧Vbminの値V2に対応する劣化値Kが積算値Aに加算され、ステップS390で積算値Aと閾値Aref1,Aref2とを比較してステップS400〜S420のいずれかの処理を実行して本ルーチンを終了する。このようにして、放電期間が終了したときの端子間電圧Vbを最低電圧Vbminとして把握し、その値に基づいて劣化値Kを導出して積算値Aに加算し、積算値Aに基づいて下限電圧Vbloを設定するのである。また、時刻t3を過ぎてから時刻t6まではフラグFの値が前回値0で今回値1となることがないためいずれもステップS430の処理を実行して本ルーチンを終了する。さらに、時刻t7においては、ステップS330で肯定的な判定がなされ、ステップS340で前回の端子間電圧Vbの値V6が最低電圧Vbminの値に設定されるが、最低電圧Vbminの値V6は規定電圧Vfより高いためステップS350で否定的な判定がなされ、ステップS430の処理を実行して本ルーチンを終了する。このように、放電期間が終了したときであってもその最低電圧Vbminの値が規定電圧Vf以上であるときには、バッテリ50の劣化の進行はほとんどないものとして下限電圧Vbloを前回の下限電圧Vbloと同じ値に設定するのである。
図4の駆動制御ルーチンの説明に戻る。駆動制御ルーチンのステップS140で実行された上述の下限電圧設定ルーチンが終了すると、端子間電圧Vbが下限電圧設定ルーチンで設定された下限電圧Vbloの値以上であるか否かを判定する(ステップS150)。そして、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloの値以上であると判定されたときは、バッテリ50の出力制限Woutを補正する必要はないと判断して、出力制限補正値ΔWoutを値0に設定し(ステップS160)、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloの値未満であると判定されたときは、バッテリ50の出力制限Woutをより小さい値に補正して出力を大きく制限する必要があると判断して、端子間電圧Vbと下限電圧Vbloとの差に基づいて出力制限補正値ΔWoutを式(7)により導出する(ステップS170)。ここで、式(7)は、端子間電圧Vbと下限電圧Vbloとの差に基づくフィードバック制御の式であり、関数PIDはフィードバック制御における比例項や積分項あるいは微分項によって構成されている。これにより、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いほど出力制限補正値ΔWoutは大きい値に設定される。
ΔWout=PID(Vb,Vblo) (7)
ステップS160又はS170において出力制限補正値ΔWoutが設定されると、出力制限Woutから出力制限補正値ΔWoutを減じることにより補正後出力制限Woutfを計算し(ステップS180)、式(8)及び式(9)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS190)、ステップS130で設定した仮モータトルクTm1tmpを式(10)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS200)。ここで、式(8)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係式であり、式(9)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutfによる制限の範囲内となる関係式である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図11に示す。一方、ステップS160で出力制限補正値ΔWoutが値0に設定されたときは、トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中の実線の斜線及び波線の斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができ、Tm1maxは値Tm1aとなる。ステップS170で出力制限補正ΔWoutが式(7)によって値0でない値に設定されたときは、トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中の実線の斜線で示した領域内のトルク指令Tm1の最大値と最小値として求めることができ、Tm1maxは値Tm1aより小さい値Tm1bとなる。すなわち、出力制限補正ΔWoutによって補正後出力制限Woutfが出力制限Woutより小さい値になっているときは、MG1から出力してよいトルクの上限としてのトルク制限Tm1maxが小さい値となり、Tm1*がより制限される。
0≦−Tm1/ρ+Tm2・Gr≦Tr* (8)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Woutf (9)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (10)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(11)により計算すると共に(ステップS210)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutfと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(12)及び式(13)により計算し(ステップS220)、設定した仮モータトルクTm2tmpを式(14)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS230)。ここで、式(13)において、出力制限補正ΔWoutによって補正後出力制限Woutfが出力制限Woutより小さい値になっているときは、MG2から出力してよいトルクの上限としてのトルク制限Tm2maxが小さい値となり、Tm2*がより制限される。なお、式(11)は、図7の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (11)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (12)
Tm2max=(Woutf-Tm1*・Nm1)/Nm2 (13)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (14)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS240)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行う。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutfの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
図12は、放電期間におけるバッテリ50の端子間電圧Vbの時間変化の様子を示す説明図である。図中、実線は下限電圧Vbloに値Vblo2を設定したときの時間変化の様子であり、点線は下限電圧Vbloに値Vblo1を設定したときの時間変化の様子である。積算値Aが閾値Aref1未満である場合、すなわちバッテリ50の劣化がそれほど進行していないと下限電圧設定ルーチンで判定された場合は、下限電圧Vbloは値Vblo1に設定される。このときは、端子間電圧Vbが値Vblo1以上のときは出力制限補正値ΔWoutは値0に設定されるが、バッテリ50が放電し続けて端子間電圧Vbが値Vblo1未満になると出力制限補正値ΔWoutが端子間電圧Vbと下限電圧Vblo(=Vblo1)との差に基づいてモータMG1,MG2から出力されるトルクが制限されるため、放電による電圧の低下が抑制される。一方、積算値Aが閾値Aref1以上且つAref2未満である場合、すなわちバッテリ50が何度も放電されることにより劣化がある程度進行したと下限電圧設定ルーチンで判定された場合は、下限電圧Vbloは値Vblo1よりも高い値Vblo2に設定される。このときは、端子間電圧Vbが値Vblo2未満になると出力制限補正値ΔWoutが端子間電圧Vbと下限電圧Vblo(=Vblo2)との差に基づいてモータMG1,MG2から出力されるトルクが制限されるため、放電による電圧の低下がより抑制される。このように、バッテリ50の劣化が進行するにつれて下限電圧Vbloを高く設定して放電による端子間電圧Vbの低下をより抑制することで、端子間電圧Vbが規定電圧Vfより低くなってバッテリ50の劣化が進行するのを適切に抑制するのである。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、1回の放電期間において最も電圧が低下したときの電圧である最低電圧Vbminを把握し、最低電圧Vbminまで放電したことによるバッテリ50の劣化の程度を表す劣化値Kを導出する。そして、劣化値Kの積算値Aと閾値Aref1,Aref2とを比較して、劣化が進行しているときほど下限電圧Vbloを高く設定する。そして、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときには、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより高いときに比べて出力制限補正値ΔWoutを大きい値に設定してバッテリ50の出力を大きく制限し、その制限の範囲内でモータMG1,MG2からトルクを出力する。これにより、バッテリ50の劣化が進行するにつれて放電による電圧の低下がより抑制され、バッテリ50の劣化の進行を適切に抑制することができる。
また、下限電圧設定ルーチンで劣化値を導出するにあたり、把握した最低電圧Vbminが所定の規定電圧Vfを下回ったときのみ劣化値Kを導出する。これにより、バッテリ50の劣化がほとんど進行しないとみなせるときは劣化値Kを導出しないため、劣化値Kを積算して劣化の進行度を推定する積算値Aの精度を保ちつつ、劣化値K及び積算値Aを導出する処理を簡略化することができる。
さらに、劣化値Kは、把握した最低電圧Vbminと同じ電圧までの放電をバッテリ50が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する許容放電回数Nbに基づく値であり、且つ、許容放電回数Nbが少ないほど大きくなる傾向にある値である。これにより、より適切に劣化値Kを導出することができる。
さらにまた、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときには、端子間電圧Vbが低いほど補正後出力制限Woutfを小さくしてバッテリ50の出力を大きく制限する。これにより、端子間電圧Vbが低いほどバッテリ50の出力が制限されるため、端子間電圧Vbが急激に低下することを防止できる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図4の駆動制御ルーチンにおいて下限電圧Vbloを設定して放電によるバッテリ50の劣化の進行を抑制しているが、上限電圧Vbhiを設定して充電によるバッテリ50の劣化の進行を抑制するものとしてもよい。この場合の駆動制御ルーチンを図13に示す。図13の駆動制御ルーチンは、図4の駆動制御ルーチンにおけるステップS140〜S220をステップS140b〜S220bに変えたものであり、ステップS100〜S130は図4の駆動制御ルーチンと同じであるので説明を省略する。そして、ステップS130の処理の次に、図14に示す上限電圧設定ルーチンを実行する(ステップS140b)。図14の上限電圧設定ルーチンが実行されると、今回の端子間電圧Vbが前回の端子間電圧Vbより高いか否かを判定し(ステップS300b)、高ければフラグFを値1に設定し(ステップS310b)、低ければフラグFを値0に設定する(ステップS320b)。この処理は図8の下限電圧設定ルーチンにおけるステップS300〜S320と同一である。そして、そして、ステップS320bでフラグFを値0に設定したときは、前回のフラグFが値1であるか否か、すなわち、バッテリ50の充電期間が終了して放電に切り替わったか否かを判定する(ステップS330b)。そして、ステップS330bで肯定的な判定がなされたときは、充電期間中の最高電圧Vbmaxとして前回の端子間電圧Vbの値を設定し(ステップS340b)、最高電圧Vbmaxが規定電圧Vf2より高いか否かを判定する(ステップS350b)。規定電圧Vf2は、充電時に蓄電池の劣化がほとんど進行しないとみなせる端子間電圧の上限値である。この規定電圧Vf2は、バッテリ50の充電時の電圧と劣化の進行度との関係から実験的に求めることができる。そして、最高電圧Vbmaxが規定電圧Vf2より高いと判定されると、最高電圧Vbmaxに基づいて許容充電回数Nb2を導出し(ステップS360b)、劣化値Lを導出する(ステップS370b)。許容充電回数Nb2は、最高電圧Vbmaxと同じ電圧までの充電をバッテリ50が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する充電回数であり、最高電圧Vbmaxが低いほど多くなる傾向になっている。許容充電回数Nb2は、許容放電回数Nbと同様に、実験的に最高電圧Vbmaxとの関係を求めた許容充電回数設定用マップから導出することができる。劣化値Lは最高電圧Vbmaxで充電が1回行われたことによりバッテリ50の劣化がどの程度進行したかを表す値であり、式(4)の許容放電回数Nbと劣化値Kとの関係式と同様の関係式から導出することができる。ステップS370bで劣化値Lを導出すると、RAM76に記憶された積算値Bに劣化値Lを加算し、加算結果を積算値BとしてRAM76に記憶し(ステップS380b)、積算値Bと閾値Bref1,Bref2とを比較する(ステップS390b)。閾値Bref1,Bref2は、式(15)を満たす実数である。そして、ステップS390bで積算値Bが閾値Bref1未満であるときは、バッテリ50の劣化はそれほど進行していないと判定して上限電圧Vbhiを値Vbhi1に設定し(ステップS400b)、積算値Bが閾値Bref1以上且つ閾値Bref2未満であるときは、バッテリ50の劣化がある程度進行したと判定して上限電圧Vbhiを値Vbhi2に設定し(ステップS410b)、積算値Bが閾値Bref2以上であるときは、バッテリ50の劣化がさらに進行したと判定して上限電圧Vbhiを値Vbhi3に設定して(ステップS420b)、本ルーチンを終了する。ここで、値Vbhi1,Vbhi2,Vbhi3は式(16)を満たす実数である。すなわち、バッテリ50の劣化が進行して積算値Bが大きくなるほど上限電圧Vbhiを低くなる傾向に設定するのである。一方、ステップS310bでフラグFを値1に設定したときや、ステップS330bで否定的な判定がなされたときや、ステップS350bで最高電圧Vbmaxが規定電圧Vf2以下であると判定されたときは、充電によるバッテリ50の劣化の進行はほとんどないと判断し、上限電圧Vbhiを前回の上限電圧設定ルーチン実行時に設定した上限電圧Vbhiと同じ値に設定して(ステップS430b)、本ルーチンを終了する。以上のようにして上限電圧Vbhiを設定すると、図13の駆動制御ルーチンに戻り、端子間電圧Vbが上限電圧Vbhiの値以下であるか否かを判定し(ステップS150b)、端子間電圧Vbが上限電圧Vbhiの値以下であると判定されたときは、バッテリ50の入力制限Winを補正する必要はないと判断して、入力制限補正値ΔWinを値0に設定し(ステップS160b)、端子間電圧Vbが上限電圧Vbhiの値より高いと判定されたときは、バッテリ50の入力制限Winの絶対値をより小さく補正する必要があると判断して、端子間電圧Vbと上限電圧Vbhiとの差に基づいて入力制限補正値ΔWinを式(7)と同様の式(17)により導出する(ステップS170b)。これにより、端子間電圧Vbが上限電圧Vbhiより高いほど入力制限補正値ΔWinは絶対値が大きい負の値に設定される。ステップS160b又はS170bにおいて入力制限補正値ΔWinが設定されると、入力制限Winから入力制限補正値ΔWinを減じることにより補正後入力制限Winfを計算し(ステップS180b)、式(8)及び式(18)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS190b)、ステップS130で設定した仮モータトルクTm1tmpを式(10)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS200b)。そして、仮モータトルクTm2tmpを式(11)により計算すると共に(ステップS210b)、トルク制限Tm2min,Tm2maxを式(19)及び式(20)により計算する(ステップS220b)。そして、以降は図4の駆動制御ルーチンのステップS230〜S240と同じ処理を実行する。すなわち、仮モータトルクTm2tmpを式(14)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS230)、設定した各指令値をそれぞれエンジンECU24及びモータECU40に送信して(ステップS240)、駆動制御ルーチンを終了する。このようにすることで、バッテリ50の充電による劣化が進行するにつれて充電による電圧の上昇がより抑制され、バッテリ50の放電による劣化の進行を抑制するのと同様に、バッテリ50の充電による劣化の進行についても適切に抑制することができる。なお、上述したバッテリ50の下限電圧Vbloの設定と上限電圧Vbhiの設定とを共に行い、補正後入出力制限Winf,Woutfを設定して蓄電池の充放電を共に抑制するものとしてもよい。こうすれば、バッテリ50の放電による劣化の進行と充電による劣化の進行とを共に適切に抑制することができる。また、この場合において、バッテリ50の充電によって劣化するものと放電によって劣化するものとが共通な場合には(例えば、充電と放電のどちらを行っても内部抵抗が上昇するなど)、劣化値K,Lを別々に積算値A,Bとして積算するのではなく、共通の積算値として積算して、劣化の進行度を推定してもよい。
0<Bref1<Bref2<1 (15)
0<Vbhi3<Vbhi2<Vbhi1<Vf2 (16)
ΔWin=PID(Vb,Vbhi) (17)
Winf≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (18)
Tm2min=(Winf-Tm1*・Nm1)/Nm2 (19)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (20)
実施例のハイブリッド自動車20では、劣化値Kは、最低電圧Vbminに基づいて導出した許容放電回数Nbを式(4)に代入して導出しているが、最低電圧Vbminが低いほど劣化値Kが大きくなる傾向であれば、どのように導出してもよい。例えば、最低電圧Vbminと劣化値Kとの関係や、規定電圧Vfと最低電圧Vbminとの差と劣化値Kとの関係をあらかじめ実験的に求めた劣化値設定用マップに基づいて導出してもよい。また、複数の閾値と劣化値Kとを対応づけておき、最低電圧Vbminと複数の閾値とを比較して、最低電圧Vbminが下回った閾値に対応する劣化値Kを導出するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、積算値Aと閾値Aref1,Aref2とを比較して下限電圧Vbloを設定しているが、積算値Aが所定の劣化領域に入るときには積算値Aが所定の劣化領域に入らないときと比べて下限電圧Vbloを高く設定するものであれば、どのように設定してもよい。例えば、積算値Aと下限電圧Vbloとの関係をあらかじめ定めた下限電圧設定用マップに基づいて導出してもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、式(7)に基づいて出力制限補正値ΔWoutを導出しているが、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときには端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより高いときに比べてΔWoutを大きい値とするものであれば、どのように出力制限補正値ΔWoutを導出してもよい。例えば、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときの出力制限補正値ΔWoutの値は端子間電圧Vbの値に関わらず一定でもよい。また、端子間電圧Vbと出力制限補正値ΔWoutとの関係をあらかじめ定めた出力制限補正値設定用マップに基づいて導出してもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、積算値Aに基づいて下限電圧Vbloを設定しているが、下限電圧Vbloは一定としておき、式(7)の関数PIDにおける比例項,積分項及び微分項のゲインを設定するものとしてもよい。例えば、積算値Aが大きくなるほど比例項のゲインが大きくなるようにしてもよい。こうすれば、下限電圧Vbloより端子間電圧Vbが低くなったときに、積算値Aが大きいときほどバッテリ50の出力制限Woutをより大きく制限するため、端子間電圧Vbの低下を抑制して劣化の進行を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、端子間電圧Vbの今回値と前回値に基づいて放電期間の最後の電圧である最低電圧Vbminを把握しているが、バッテリ50からの充放電電流の向きやSOCの値の変化によって放電期間を把握し、把握した放電期間において最も電圧が低下したときの端子間電圧Vbを最低電圧Vbminとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、下限電圧Vblo1〜3は式(6)を満たす実数としているが、下限電圧Vblo1〜3は規定電圧Vfより高くなくてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ハイブリッドECU70が図8の下限電圧設定ルーチンを実行しているが、バッテリECU52が実行するものとしてもよい。その場合、バッテリECU52は下限電圧設定ルーチンを所定時間毎(例えば数msec毎)に実行して、電圧センサ51aが検出した端子間電圧Vbに基づいて下限電圧Vbloを設定するものとし、ハイブリッドECU70は図4の駆動制御ルーチンのステップS140で下限電圧設定ルーチンを実行するかわりにバッテリECU52から設定された下限電圧Vbloを通信により入力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図15の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図15における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図16の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、本発明の一実施例としてハイブリッド自動車20として説明したが、自動車以外の車両の形態としても構わないし、駆動軸に動力を入出力可能な動力出力装置の形態や、蓄電池の出力又は入力を制限する蓄電池制限装置の形態としてもよい。また、蓄電池制限装置の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、バッテリ50が「蓄電池」に相当し、電圧センサ51aが「電圧検出手段」に相当し、検出した端子間電圧Vbに基づいて放電期間が終了して充電に切り替わったか否かを判定し、放電期間の最後の端子間電圧Vbを最低電圧Vbminとして設定する図8の下限電圧設定ルーチンのステップS300〜S340の処理を実行するハイブリッドECU70が「最低電圧把握手段」に相当し、把握した最低電圧Vbminに基づいて劣化値Kを導出する図8の下限電圧設定ルーチンのステップS350〜S370の処理を実行するハイブリッドECU70が「劣化値導出手段」に相当し、導出した劣化値Kを図8の下限電圧設定ルーチンのステップS380の処理で積算した積算値Aを記憶するRAM76が「積算値記憶手段」に相当し、積算値Aと閾値Aref1,Aref2とを比較して下限電圧Vbloを設定する図8の下限電圧設定ルーチンのステップS390〜S420の処理を実行するハイブリッドECU70が「下限電圧設定手段」に相当し、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときには端子間電圧Vbと下限電圧Vbloとの差に基づいて出力制限補正値ΔWoutを式(7)により導出し、出力制限Woutから出力制限補正値ΔWoutを減じた補正後出力制限ΔWoutfによってバッテリ50の出力を制限する図4の駆動制御ルーチンのステップS150〜S180の処理を実行するハイブリッドECU70が「出力制限手段」に相当し、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、動力分配統合機構30とモータMG1とが「電力動力入出力手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図4の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッドECU70が「要求トルク設定手段」に相当し、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S120の処理を実行すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS130,S190〜S240の処理を実行するハイブリッドECU70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。また、対ロータ電動機230も「電力動力入出力手段」に相当する。
ここで、「蓄電池」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電力動力入出力手段や電動機と電力のやり取りが可能であれば如何なるものとしても構わない。「電圧検出手段」としては、バッテリ50の端子間に設置されて端子間電圧Vbを検出する電圧センサ51aに限定されるものではなく、バッテリ50を構成する各セルの端子間電圧を検出して合計することにより端子間電圧Vbを導出するものなど、バッテリ50の電圧を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「最低電圧把握手段」としては、検出した端子間電圧Vbに基づいて放電期間が終了して充電に切り替わったか否かを判定し、放電期間の最後の端子間電圧Vbを最低電圧Vbminとして設定する図8の下限電圧設定ルーチンのステップS300〜S340の処理を実行するハイブリッドECU70に限定されるものではなく、1回の放電期間において最も電圧が低下したときの電圧である最低電圧を把握するものであれば如何なるものとしても構わない。「劣化値導出手段」としては、把握した最低電圧Vbminに基づいて劣化値Kを導出する図8の下限電圧設定ルーチンのステップS350〜S370の処理を実行するハイブリッドECU70に限定されるものではなく、把握した最低電圧に基づいて、該最低電圧まで前記蓄電池が放電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出するものであれば如何なるものとしても構わない。「積算値記憶手段」としては、導出した劣化値Kを図8の下限電圧設定ルーチンのステップS380の処理で積算した積算値Aを記憶するRAM76に限定されるものではなく、情報を記憶消去可能なフラッシュROMなど、劣化値が導出される度に該劣化値を積算して記憶するものであれば如何なるものとしても構わない。「下限電圧設定手段」としては、積算値Aと閾値Aref1,Aref2とを比較して下限電圧Vbloを設定する図8の下限電圧設定ルーチンのステップS390〜S420の処理を実行するハイブリッドECU70に限定されるものではなく、蓄電池の下限電圧を設定するにあたり、積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて下限電圧を高く設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「出力制限手段」としては、端子間電圧Vbが下限電圧Vbloより低いときには端子間電圧Vbと下限電圧Vbloとの差に基づいて出力制限補正値ΔWoutを式(7)により導出し、出力制限Woutから出力制限補正値ΔWoutを減じた補正後出力制限ΔWoutfによってバッテリ50の出力を制限する図4の駆動制御ルーチンのステップS150〜S180の処理を実行するハイブリッドECU70に限定されるものではなく、蓄電池の出力を制限するにあたり、蓄電池の電圧が設定された下限電圧より低いときには、蓄電池の電圧が下限電圧より高いときに比べて前記蓄電池の出力を大きく制限するものであれば如何なるものとしても構わない。「内燃機関」としては、ガソリン又は軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「電力動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30とモータMG1とを組み合わせたものや対ロータ電動機230に限定されるされるものではなく、駆動軸に接続されると共に駆動軸とは独立に回転可能に内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って駆動軸と出力軸とに動力を入出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「要求トルク設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、駆動軸に要求される要求トルクを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッドECU70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S120の処理を実行すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutfの範囲内でモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS130,S190〜S240の処理を実行するハイブリッドECU70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とに限定されるものではなく、蓄電池の制限の範囲内で蓄電池と電力のやり取りを行うよう電動機及び電力動力入出力手段を制御し、且つ、設定された要求トルクに基づくトルクを駆動軸に出力するよう内燃機関と電動機と電力動力入出力手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、内燃機関の出力軸と駆動軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
ハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行される下限電圧設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 許容放電回数設定用マップの一例を示す説明図である。 時刻tと端子間電圧Vbとの関係の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min,Tm1maxを設定する様子を説明する説明図である。 放電期間におけるバッテリ50の端子間電圧Vbの時間変化の様子を示す説明図である。 ハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの他の一例を示すフローチャートである。 ハイブリッドECU70により実行される上限電圧設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (13)

  1. 蓄電池の出力を制限する蓄電池制限装置であって、
    前記蓄電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
    1回の放電期間において最も電圧が低下したときの電圧である最低電圧を把握する最低電圧把握手段と、
    前記把握した最低電圧に基づいて、該最低電圧まで前記蓄電池が放電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出する劣化値導出手段と、
    前記劣化値が導出される度に該劣化値を積算して記憶する積算値記憶手段と、
    前記蓄電池の下限電圧を設定するにあたり、前記積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記下限電圧を高く設定する下限電圧設定手段と、
    前記蓄電池の出力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記設定された下限電圧より低いときには、前記蓄電池の電圧が前記下限電圧より高いときに比べて前記蓄電池の出力を大きく制限する出力制限手段と、
    を備える蓄電池制限装置。
  2. 前記劣化値導出手段は、前記把握した最低電圧が所定の規定電圧を下回ったときのみ前記劣化値を導出する手段である、
    請求項1に記載の蓄電池制限装置。
  3. 前記劣化値は、前記把握した最低電圧と同じ電圧までの放電を前記蓄電池が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する放電回数に基づく値であり、且つ、該放電回数が少ないほど大きくなる傾向にある値である、
    請求項1又は2に記載の蓄電池制限装置。
  4. 前記出力制限手段は、前記蓄電池の電圧が前記設定した下限電圧より低いときには、前記蓄電池の電圧が低いほど制限が大きくなる傾向となるように前記蓄電池の出力を制限する手段である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電池制限装置。
  5. 蓄電池の入力を制限する蓄電池制限装置であって、
    前記蓄電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
    1回の充電期間において最も電圧が上昇したときの電圧である最高電圧を把握する最高電圧把握手段と、
    前記把握した最高電圧に基づいて、該最高電圧まで前記蓄電池が充電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最高電圧が高いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出する劣化値導出手段と、
    前記劣化値が導出される度に該劣化値を積算して記憶する積算値記憶手段と、
    前記蓄電池の上限電圧を設定するにあたり、前記積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記上限電圧を低く設定する上限電圧設定手段と、
    前記蓄電池の入力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記設定した上限電圧より高いときには、前記蓄電池の電圧が前記上限電圧より低いときに比べて前記蓄電池の入力を大きく制限する入力制限手段と、
    を備える蓄電池制限装置。
  6. 前記劣化値導出手段は、前記把握した最高電圧が所定の規定電圧を上回ったときのみ前記劣化値を導出する手段である、
    請求項5に記載の蓄電池制限装置。
  7. 前記劣化値は、前記把握した最高電圧と同じ電圧までの充電を前記蓄電池が繰り返したときに所定の程度まで劣化が進行するのに要する充電回数に基づく値であり、且つ、該充電回数が少ないほど大きくなる傾向にある値である、
    請求項5又は6に記載の蓄電池制限装置。
  8. 前記入力制限手段は、前記蓄電池の電圧が前記設定した上限電圧より高いときには、前記蓄電池の電圧が高いほど制限が大きくなる傾向となるように前記蓄電池の出力を制限する手段である、
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の蓄電池制限装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電池制限装置と、
    内燃機関と、
    駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
    前記蓄電池制限装置による制限の範囲内で前記電動機及び前記電力動力入出力手段と電力のやり取りが可能な蓄電池と、
    前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
    前記蓄電池制限装置による制限の範囲内で前記蓄電池と電力のやり取りを行うよう前記電動機及び前記電力動力入出力手段を制御し、且つ、前記設定された要求トルクに基づくトルクを前記駆動軸に出力するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力動力入出力手段とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  10. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段である、
    請求項9に記載の動力出力装置。
  11. 請求項9又は10に記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなる車両。
  12. 蓄電池の出力を制限する蓄電池制限装置の制御方法であって、
    (a)前記蓄電池の電圧を検出するステップと、
    (b)1回の放電期間において最も電圧が低下したときの電圧である最低電圧を把握するステップと、
    (c)前記ステップ(b)で把握した最低電圧に基づいて、該最低電圧まで前記蓄電池が放電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最低電圧が低いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出するステップと、
    (d)前記ステップ(c)で導出した劣化値を積算して積算値記憶手段に記憶するステップと、
    (e)前記蓄電池の下限電圧を設定するにあたり、前記ステップ(d)で記憶した積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記下限電圧を高く設定するステップと、
    (f)前記蓄電池の出力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記ステップ(e)で設定した下限電圧より低いときには、前記蓄電池の電圧が前記下限電圧より高いときに比べて前記蓄電池の出力を大きく制限するステップと、
    を含む蓄電池制限装置の制御方法。
  13. 蓄電池の入力を制限する蓄電池制限装置の制御方法であって、
    (a)前記蓄電池の電圧を検出するステップと、
    (b)1回の充電期間において最も電圧が上昇したときの電圧である最高電圧を把握するステップと、
    (c)前記ステップ(b)で把握した最高電圧に基づいて、該最高電圧まで前記蓄電池が充電することによる前記蓄電池の劣化の程度に関する値であり、前記最高電圧が高いほど大きくなる傾向にある値である劣化値を導出するステップと、
    (d)前記ステップ(c)で導出した劣化値を積算して積算値記憶手段に記憶するステップと、
    (e)前記蓄電池の上限電圧を設定するにあたり、前記ステップ(d)で記憶した積算値が所定の劣化領域に入るときには該積算値が該劣化領域に入らないときと比べて前記上限電圧を低く設定するステップと、
    (f)前記蓄電池の入力を制限するにあたり、前記蓄電池の電圧が前記ステップ(e)で設定した上限電圧より高いときには、前記蓄電池の電圧が前記上限電圧より低いときに比べて前記蓄電池の入力を大きく制限するステップと、
    を含む蓄電池制限装置の制御方法。
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JPWO2013046263A1 (ja) * 2011-09-28 2015-03-26 トヨタ自動車株式会社 非水二次電池の制御装置および制御方法
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