JP4812648B2 - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動軸に出力される動力により走行する車両およびその制御方法に関する。
従来、この種の車両としては、エンジンと、エンジンの出力軸に接続された第1ロータと駆動軸に接続された第2ロータとを有するクラッチモータと、駆動軸に動力を出力するアシストモータとを備え、上り坂での発進時などに、エンジンから出力されるエネルギを駆動軸に要求されるエネルギよりも大きくすると共に発生する余剰エネルギがバッテリの最大充電電力よりも大きくなるときには最大充電電力を超える電力をモータ冷却用ファンやエアコン用コンプレッサ,冷却水循環用ポンプなどの電力消費機器で消費するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、余剰エネルギが生じるときにバッテリの最大充電電力を超える電力を電力消費機器で消費させることにより、バッテリを過大な電力による充電で破損させるのを防止している。
特開平09−266601号公報
このように、エンジンから出力されるエネルギを駆動軸に要求されるエネルギよりも大きくするときに生じる余剰エネルギを適切に管理することは、バッテリへの過大な電力による充電を抑制したり車両全体のエネルギ効率を向上させたり走行性能を確保したりする上で重要な課題として考えられている。
本発明の車両およびその制御方法は、蓄電装置の過大な電力による充電を抑制しながら内燃機関からの動力を用いて発進性能をより向上させることを目的の一つとする。また、本発明の車両およびその制御方法は、無駄なエネルギ消費を抑制することを目的の一つとする。
本発明の車両及びその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
駆動軸に出力される動力により走行可能な車両であって、
内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力し、該第3の軸側で受けもつ反力を用いて該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する3軸式動力入出力手段と、
前記第3の軸に動力を入出力する第1電動機と、
前記駆動軸に動力を入出力する第2電動機と、
前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
前記第3の軸上の動力を機械的な機構により消費する動力消費手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記車両の発進時には、前記動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し、該設定した目標消費動力に基づいて前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し、前記動力消費手段による前記目標消費動力の消費を伴って前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御する発進時制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、発進時には、動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し、設定した目標消費動力に基づいて蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し、動力消費手段による目標消費動力の消費を伴って目標機関動力が内燃機関から出力されると共に要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機と動力消費手段とを駆動制御する。したがって、発進時に、蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを抑制しながら内燃機関からの動力を用いて要求駆動力に対応することができる。この結果、発進性能をより向上させることができる。ここで、「動力消費手段」には、半係合が可能なクラッチが含まれる。
こうした本発明の車両において、路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段を備え、前記発進時制御手段は、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配に基づいて前記動力消費手段の目標消費動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面勾配に拘わらず発進性能をより向上させることができると共に動力消費手段による無駄な動力消費を抑制することができる。この場合、前記発進時制御手段は、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として大きいほど大きくなる傾向に前記目標消費動力を設定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の車両において、前記蓄電手段の状態に基づいて前記入力制限を設定する入力制限設定手段を備え、前記発進時制御手段は、前記入力制限設定手段により設定された入力制限に基づいて前記動力消費手段の目標消費動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、発進性能をより向上させることができると共に動力消費手段による無駄な動力消費を抑制することができる。この場合、前記発進時制御手段は、前記入力制限設定手段により設定された入力制限が厳しいほど大きくなる傾向に前記目標消費動力を設定する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明の車両において、前記動力消費手段により動力消費するか否かを判定する動力消費可否判定手段を備え、前記発進時制御手段は、前記動力消費可否判定手段により前記動力消費手段で動力消費すると判定されたときには該動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し該設定した目標消費動力に基づいて前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し前記動力消費手段による前記目標消費動力の消費を伴って前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御し、前記動力消費可否判定手段により前記動力消費手段で動力消費しないと判定されたときには該動力消費手段で動力消費しない状態で前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し前記動力消費手段による動力消費を伴わずに前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、発進時に常に動力消費手段で動力消費するものに比してエネルギ効率をより向上させることができる。この場合、路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段を備え、前記動力消費可否判定手段は、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配に基づいて前記動力消費手段で動力消費するか否かを判定する手段であるものとすることもできるし、前記蓄電手段の状態に基づいて前記入力制限を設定する入力制限設定手段を備え、前記動力消費可否判定手段は、前記入力制限設定手段により設定された入力制限に基づいて前記動力消費手段で動力消費するか否かを判定する手段であるものとすることもできる。
本発明の車両の制御方法は、
内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と車軸に接続された駆動軸と第3の軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力し該第3の軸側で受けもつ反力を用いて該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する第1電動機と、前記駆動軸に動力を入出力する第2電動機と、前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、前記第3の軸上の動力を機械的な機構により消費する動力消費手段とを備える車両の制御方法であって、
(a)前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
(b)前記車両の発進時には、前記動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し、該設定した目標消費動力に基づいて前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し、前記動力消費手段による前記目標消費動力の消費を伴って前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御する
ことを要旨とする。
この本発明の車両の制御方法によれば、発進時には、動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し、設定した目標消費動力に基づいて蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し、動力消費手段による目標消費動力の消費を伴って目標機関動力が内燃機関から出力されると共に要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機と動力消費手段とを駆動制御する。したがって、発進時に、蓄電手段に入力制限を超える電力が入力されるのを抑制しながら内燃機関からの動力を用いて要求駆動力に対応することができる。この結果、発進性能をより向上させることができる。ここで、「動力消費手段」には、半係合が可能なクラッチが含まれる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、半係合によりモータMG1の回転軸に制動力を出力可能なクラッチCLと、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。また、サンギヤ31にはクラッチCLも接続されており、キャリア34から入力されサンギヤ31側とリングギヤ32側に分配されたエンジン22からの動力の一部を消費できるようになっている。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,勾配センサ89からの路面勾配θなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、サンギヤ31に制動力を出力するクラッチCLへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、発進時の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,勾配センサ89からの路面勾配θなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。ここで、要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。
次に、アクセル開度Accが所定開度Arefよりも大きく車速Vが値0近傍にあるか否か、即ちアクセルペダル83が踏み込まれて車両が発進する発進時か否かを判定する(ステップS120)。発進時でないと判定されたときには、エンジン22とモータMG1,MG2とを駆動制御する際のモータMG1のロスLoss_mg1とモータMG2のロスLoss_mg2と動力分配統合機構30や減速ギヤ35のロスLoss_grとの和により全体のロスLossを設定すると共に(ステップS130)、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*と設定したロスLossとの和としてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し(ステップS140)、クラッチCLから出力すべき目標クラッチトルクTclに値0を設定する(ステップS150)。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
要求パワーPe*を設定すると、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS220)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*を設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)により目標トルクTm1tmpを計算し(ステップS230)、計算した目標トルクTm1tmpから設定した目標クラッチトルクTclを減じたものをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定する(ステップS240)。即ち、モータMG1からのトルクTm1*とクラッチCLからのトルクTcl*との和が目標トルクTm1tmpとなるようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するのである。これにより、モータMG1で発電される電力はクラッチCLから出力されるトルクTcl*の分だけ小さくなる。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1tmp=前回Tm1tmp+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS250)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS260)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS270)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図7の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信すると共に目標クラッチトルクTclが出力されるようクラッチCLを制御して(ステップS280)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS120で発進時と判定されると、入力した路面勾配θとバッテリ50の入力制限WinとがクラッチCLを作動させるべきクラッチ作動領域内にあるか否かを判定する(ステップS160)。この判定は、実施例では路面勾配θと入力制限Winとクラッチ作動領域との関係を予め求めてマップとしてRAM76に記憶しておき、路面勾配θと入力制限Winとが与えられるとマップから領域内か領域外かのいずれかを判定するものとした。このマップの一例を図8に示す。なお、図8の例では、入力制限Winはマイナスの符号として定めているから(図3参照)、その絶対値を用いて作成した。
路面勾配θと入力制限Winとがクラッチ作動領域内にあると判定されたときには、路面勾配θと入力制限Winとに基づいてクラッチCLにより消費すべきパワーとしての必要ロスパワーLoss_clを設定し(ステップS170)、設定した必要ロスパワーLoss_clと前述したモータMG1のロスLoss_mg1とモータMG2のロスLoss_mg2と動力分配統合機構30や減速ギヤ35のロスLoss_grとの和により全体のロスLossを設定し(ステップS190)、設定したロスLossを入力制限Winに負の符号を付したものに加えてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し(ステップS200)、設定した必要ロスパワーLoss_clをクラッチCLで消費させるために必要ロスパワーLoss_clを入力したモータMG1の回転数Nm1で割ったものをクラッチCLから出力すべき目標クラッチトルクTclに設定する(ステップS210)。ここで、必要ロスパワーLoss_clは、実施例では、路面勾配θと入力制限Winと必要ロスパワーLoss_clとの関係を予め求めて必要ロスパワー設定用マップとしてRAM76に記憶しておき、路面勾配θと入力制限Winとが与えられるとマップから対応する必要ロスパワーLoss_clを導出して設定するものとした。このマップの一例を図9に示す。図示するように、必要ロスパワーLoss_clは、路面勾配θが登り勾配として大きいほど、入力制限の絶対値(|Win|)が小さいほど大きくなるよう設定される。いま、発進時を考えているから、モータMG2の回転は停止している。この状態で発進のためにモータMG2から比較的大きなトルクが出力されるものとしても、モータMG2で消費されるエネルギはロスLoss_mg2分だけとなり、エンジン22から出力されるパワー(エネルギ)はすべてモータMG1で発電され、この発電電力はロスLoss分を除いてすべてバッテリ50に充電される。このため、エンジン22の要求パワーPe*はバッテリ50の入力制限Winの範囲内でしか設定することができず、入力制限Winによっては要求パワーPe*として大きな値を設定することができない場合が生じたり、路面勾配θによっては要求パワーPe*として比較的大きな値を設定しても不十分な場合が生じ、場合によっては発進が困難となる。路面勾配θが登り勾配として大きいほど入力制限の絶対値(|Win|)が小さいほど大きくなるよう必要ロスパワーLoss_clを設定するのは、必要ロスパワーLoss_clによって要求パワーPe*を大きく設定できるようにして入力制限Winが厳しいときや路面勾配θが登り勾配として大きいときでもスムーズに発進できるようにするためである。図10に、クラッチCLを半係合した状態で発進する際の動力分配統合機構30の回転数およびトルクの力学的な関係の一例を示す共線図を示す。図示するように、クラッチCLを半係合した状態での発進する際には、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクは、クラッチCLから出力されるクラッチトルクTclとモータMG1から出力されるトルクTm1との和のトルクに基づいてリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2からリングギヤ軸32aに出力されるトルクとなる。このとき、クラッチCLはクラッチトルクTclと回転数Nm1に応じたエネルギを消費する。
ステップS160で路面勾配θと入力制限Winとがクラッチ作動領域内にないと判定されたときには、路面勾配θが緩やかで要求パワーPe*を大きくしなくてもスムーズな発進が可能な状態にあるか入力制限Winに十分な余裕があるために入力制限Winの範囲内で要求パワーPe*を大きくすることができる状態にあると判定し、クラッチCLによる無駄なエネルギの消費を抑制するために、必要ロスパワーLoss_clに値0を設定し(ステップS180)、前述したモータMG1のロスLoss_mg1とモータMG2のロスLoss_mg2と動力分配統合機構30や減速ギヤ35のロスLoss_grとの和により全体のロスLossを設定し(ステップS190)、設定したロスLossを入力制限Winに負の符号を付したものに加えてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し(ステップS200)、必要ロスパワーLoss_clを回転数Nm1で割ったものを目標クラッチトルクTclに設定、即ち、必要ロスパワーLoss_clが値0であるから目標クラッチトルクTclに値0を設定し(ステップS210)、ステップS220〜S280の処理を実行して本ルーチンを終了する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、車両の発進時には、モータMG1が接続されたサンギヤ31に制動力を出力するクラッチCLで消費すべき必要ロスパワーLoss_clを設定し、必要ロスパワーLoss_clの分だけ大きくした全体のロスLossに基づいてバッテリ50の入力制限Winの範囲内でエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し、クラッチCLによる必要ロスパワーLoss_clの消費を伴って要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを駆動制御するから、バッテリ50が過大な電力により充電するのを抑制しながらエンジン22から比較的大きなパワーが出力でき、要求トルクTr*により確実に対応することができる。しかも、路面勾配θや入力制限Winに基づいてクラッチCLで消費すべき必要ロスパワーLoss_clを設定するから、クラッチCLによる無駄なエネルギ消費を抑制すると共にバッテリ50を効率的に充電することができ、車両全体のエネルギ効率をより向上させることができる。また、路面勾配θが登り勾配として小さいときや入力制限Winの絶対値が大きいときなど路面勾配θと入力制限Winとがクラッチ作動領域内にないときには必要ロスパワーLoss_clを値0として入力制限Winの範囲内で要求パワーPe*を設定し、クラッチCLによるエネルギ消費を伴わずに要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを駆動制御するから、無駄なクラッチCLによるエネルギ消費を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、発進時には路面勾配θと入力制限Winとに基づいてクラッチCLを作動させるか否かを判定するものとしたが、路面勾配θだけに基づいてクラッチCLを作動させるか否かを判定するものとしてもよいし、入力制限Winだけに基づいてクラッチCLを作動させるか否かを判定するものとしてもよいし、路面勾配θや入力制限Winに拘わらず発進時には常にクラッチCLを作動させるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、路面勾配θと入力制限Winとに基づいて必要ロスパワーLoss_clを設定するものとしたが、路面勾配θだけに基づいて必要ロスパワーLoss_clを設定するものとしてもよいし、入力制限Winだけに基づいて必要ロスパワーLoss_clを設定するものとしてもよいし、路面勾配θと入力制限Winとに拘わらず必要ロスパワーLoss_clに所定値を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「第1電動機」に相当し、モータMG2が「第2電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、クラッチCLが「動力消費手段」に相当し、駆動制御ルーチンでアクセル開度Accや車速Vに基づいて要求トルクTr*を設定するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、駆動制御ルーチンで発進時にはクラッチCLで消費すべき必要ロスパワーLoss_clを設定し、設定した必要ロスパワーLoss_clを加えた全体のロスLossとバッテリ50の入力制限Winに負の符号を付したものとの和としてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し、クラッチCLによる必要ロスパワーLoss_clの消費を伴ってエンジン22から要求パワーPe*が出力されると共に要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを駆動制御するハイブリッド用電子制御ユニット70やエンジンECU24,モータECU40が「発進時制御手段」に相当する。ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30に限定されるものではなく、内燃機関の出力軸と駆動軸と第3の軸の3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力し第3の軸側で受けもつ反力を用いて内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力するものであれば如何なるものでも構わない。「第1電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、第3の軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「第2電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、第1電動機および第2電動機と電力のやり取りが可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「動力消費手段」は、クラッチCLに限定されるものではなく、第3の軸上の動力を機械的な機構により消費可能なものであれば如何なるものであっても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものとしたり、走行位置に基づいて要求トルクを設定するものとするなど、駆動軸に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「発進時制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40との組み合わせによるものに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「発進時制御手段」としては、車両の発進時には、モータMG1が接続されたサンギヤ31に制動力を出力するクラッチCLで消費すべき必要ロスパワーLoss_clを路面勾配θと入力制限Winとに基づいて設定し必要ロスパワーLoss_clの分だけ大きくした全体のロスLossに基づいてバッテリ50の入力制限Winの範囲内でエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定しクラッチCLによる必要ロスパワーLoss_clの消費を伴って要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを駆動制御するものに限定されるものではなく、車両の発進時には動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し設定した目標消費動力に基づいて蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し動力消費手段による目標消費動力の消費を伴って目標機関動力が内燃機関から出力されると共に要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機と動力消費手段とを駆動制御するものであれば如何なるものであっても構わない。「路面勾配検出推定手段」としては、勾配センサ89により路面勾配θを検出するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accと車速Vと加速度センサからの加速度などに基づいて演算するなど、路面勾配を検出または推定するものであれば如何なるものであっても構わない。「入力制限設定手段」としては、電池温度Tbと残容量SOCとに基づいて入力制限Winを設定するものに限定されるものではなく、電池温度Tbだけに基づいて入力制限を設定したり、残容量SOCだけに基づいて入力制限を設定したり、端子間電圧に基づいて入力制限を設定するものなど、蓄電手段の状態に基づいて入力制限を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 クラッチ作動領域判定用マップの一例を示す説明図である。 必要ロスパワー設定用マップの一例を示す説明図である。 クラッチCLを半係合した状態で発進する際の動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 勾配センサ、MG1,MG2 モータ CL クラッチ。

Claims (10)

  1. 駆動軸に出力される動力により走行可能な車両であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力し、該第3の軸側で受けもつ反力を用いて該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記第3の軸に動力を入出力する第1電動機と、
    前記駆動軸に動力を入出力する第2電動機と、
    前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
    前記第3の軸上の動力を機械的な機構により消費する動力消費手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記車両の発進時には、前記動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し、該設定した目標消費動力に基づいて前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し、前記動力消費手段による前記目標消費動力の消費を伴って前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御する発進時制御手段と
    を備える車両。
  2. 請求項1記載の車両であって、
    路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段を備え、
    前記発進時制御手段は、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配に基づいて前記動力消費手段の目標消費動力を設定する手段である
    車両。
  3. 前記発進時制御手段は、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として大きいほど大きくなる傾向に前記目標消費動力を設定する手段である請求項2記載の車両。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の車両であって、
    前記蓄電手段の状態に基づいて前記入力制限を設定する入力制限設定手段を備え、
    前記発進時制御手段は、前記入力制限設定手段により設定された入力制限に基づいて前記動力消費手段の目標消費動力を設定する手段である
    車両。
  5. 前記発進時制御手段は、前記入力制限設定手段により設定された入力制限が厳しいほど大きくなる傾向に前記目標消費動力を設定する手段である請求項4記載の車両。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の車両であって、
    前記動力消費手段により動力消費するか否かを判定する動力消費可否判定手段を備え、
    前記発進時制御手段は、前記動力消費可否判定手段により前記動力消費手段で動力消費すると判定されたときには該動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し該設定した目標消費動力に基づいて前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し前記動力消費手段による前記目標消費動力の消費を伴って前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御し、前記動力消費可否判定手段により前記動力消費手段で動力消費しないと判定されたときには該動力消費手段で動力消費しない状態で前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し前記動力消費手段による動力消費を伴わずに前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御する手段である
    車両。
  7. 請求項6記載の車両であって、
    路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段を備え、
    前記動力消費可否判定手段は、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配に基づいて前記動力消費手段で動力消費するか否かを判定する手段である
    車両。
  8. 請求項6または7記載の車両であって、
    前記蓄電手段の状態に基づいて前記入力制限を設定する入力制限設定手段を備え、
    前記動力消費可否判定手段は、前記入力制限設定手段により設定された入力制限に基づいて前記動力消費手段で動力消費するか否かを判定する手段である
    車両。
  9. 前記動力消費手段は、半係合が可能なクラッチである請求項1ないし8いずれか記載の車両。
  10. 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と車軸に接続された駆動軸と第3の軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力し該第3の軸側で受けもつ反力を用いて該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する第1電動機と、前記駆動軸に動力を入出力する第2電動機と、前記第1電動機および前記第2電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、前記第3の軸上の動力を機械的な機構により消費する動力消費手段とを備える車両の制御方法であって、
    (a)前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
    (b)前記車両の発進時には、前記動力消費手段で消費すべき目標消費動力を設定し、該設定した目標消費動力に基づいて前記蓄電手段に入力される電力が入力制限の範囲内となるよう前記内燃機関から出力すべき目標機関動力を設定し、前記動力消費手段による前記目標消費動力の消費を伴って前記設定した目標機関動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機と前記動力消費手段とを駆動制御する
    車両の制御方法。
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