JP2015127802A - 液晶表示素子用シール剤、及び、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用シール剤、及び、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供する。また、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。【解決手段】硬化性樹脂と、熱ラジカル重合開始剤と、イオン捕捉剤とを含有する液晶表示素子用シール剤。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているような光熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式が主流となっている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。
ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種液晶パネル付きモバイル機器が普及している現代において、装置の小型化は最も求められている課題である。小型化の手法として、液晶表示部の狭額縁化が挙げられ、例えば、シール部の位置をブラックマトリックス下に配置することが行われている(以下、「狭額縁設計」ともいう)。
しかしながら、滴下工法で狭額縁設計の液晶表示素子を製造すると、ブラックマトリックスによりシール部に光の当たらない箇所が存在するため、充分に光照射されず硬化が進行しない光硬化性樹脂の部分が生じ、仮硬化工程後に未硬化の光硬化性樹脂が溶出してしまい、液晶が汚染されることがあるという問題があった。
そこで、シール剤を熱硬化性樹脂と熱硬化剤とを含有するものとし、光の当たらない箇所のシール剤を加熱によって硬化させることが検討されてきたが、この場合でも熱硬化途中のシール剤が液晶に溶出することによって液晶が汚染されることがあるという問題があった。
特開2001−133794号公報 国際公開第02/092718号
本発明は、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、熱ラジカル重合開始剤と、イオン捕捉剤とを含有する液晶表示素子用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、シール剤に熱ラジカル重合開始剤を配合して速やかに熱硬化性樹脂を硬化させることにより、硬化途中のシール剤が液晶に溶出することによる液晶汚染を抑制することを検討した。しかしながら、熱ラジカル重合開始剤を用いた場合、高温高湿環境下で保管した後の液晶表示素子の周辺部に表示むらが発生しやすくなるという問題があった。
本発明者は、反応性の高い熱ラジカル重合開始剤は水溶性イオンを多く含むため、高温高湿環境下においてシール剤中に浸入した水分が該水溶性イオンを伴って画素中にまで侵食し、その結果、液晶表示素子の周辺部において表示むらが発生していると考えた。
そこで本発明者は、熱ラジカル重合開始剤を含有するシール剤にイオン捕捉剤を配合することにより、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂を含有することが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂を意味する。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物を意味する。
上記エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシアクリレートは、レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸210重量部を、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、5時間反応させることによって得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネート化合物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、具体的には例えば、トリメチロールプロパン134重量部に、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、及び、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、2時間反応させることにより得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6LPA、U−6HA、U−10H、U−15HA、U−122A、U−122P、U−108、U−108A、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4100、UA−4000、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AI−600、AH−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、液晶への悪影響を抑える点で、−OH基、−NH−基、−NH基等の水素結合性のユニットを有するものが好ましい。
上記硬化性樹脂は、得られる液晶表示素子用シール剤の接着性を向上させること等を目的として、更に、エポキシ樹脂を含有してもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、UVACURE1561(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂として上記エポキシ樹脂を含有する場合、上記硬化性樹脂全体における(メタ)アクリロイル基とエポキシ基との合計量に対するエポキシ基の比率の好ましい上限は50モル%である。上記エポキシ基の比率が50モル%を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の液晶に対する溶解性が高くなって液晶汚染を引き起こし、得られる液晶表示素子が表示性能に劣るものとなることがある。上記エポキシ基の比率のより好ましい上限は20モル%である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、熱ラジカル重合開始剤を含有する。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、アゾ化合物を含有することが好ましく、水溶性アゾ化合物を含有することが好ましい。上記水溶性アゾ化合物は、反応性に優れるものの、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生原因となりやすい。本発明の液晶表示素子用シール剤は、後述するイオン捕捉剤を含有することにより、上記熱ラジカル重合開始剤として上記水溶性アゾ化合物を用いる場合であっても、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができる。
なお、本明細書において上記「水溶性アゾ化合物」とは、カルボキシル基やヒドロキシル基等の親水性官能基を有し、水に溶解するアゾ化合物を指す。
上記水溶性アゾ化合物としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールとの重縮合物等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、V−501、VPE−0201(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記アゾ化合物の数平均分子量の好ましい下限は5000、好ましい上限は10万である。上記アゾ化合物の数平均分子量が5000未満であると、アゾ化合物が液晶に悪影響を与えることがある。上記アゾ化合物の数平均分子量が10万を超えると、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有する硬化性樹脂へ混合することが困難になることがある。上記アゾ化合物の数平均分子量のより好ましい下限は15000、より好ましい上限は9万である。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度の好ましい下限は50℃、好ましい上限は90℃である。上記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が50℃未満であると、得られる液晶表示素子用シール剤の貯蔵安定性が悪くなることがある。上記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が90℃を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の硬化に高温かつ長時間を要し、パネルの生産性に影響を与えることがある。
なお、本明細書において上記10時間半減期温度とは、不活性ガスの存在下において、一定の温度で10時間熱分解反応を行った際に熱ラジカル重合開始剤の濃度が反応前の濃度の半分になるときの温度である。
本発明の液晶表示素子用シール剤における上記熱ラジカル重合開始剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる液晶表示素子用シール剤の熱重合が充分に進まないことがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなり、塗布性等に悪影響を与えることがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.15重量部、より好ましい上限は8重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、イオン捕捉剤を含有する。
上記イオン捕捉剤は、上記熱ラジカル重合開始剤を含有する液晶表示素子用シール剤中の水溶性イオンを捕捉することで液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制する役割を有する。
上記イオン捕捉剤としては、陽イオンを捕捉する陽イオン捕捉剤、陰イオンを捕捉する陰イオン捕捉剤、並びに、陽イオン及び陰イオンを捕捉する両イオン捕捉剤が挙げられ、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制する効果に優れることから、陽イオンを捕捉するもの、即ち、陽イオン捕捉剤、両イオン捕捉剤が好ましく、陽イオン捕捉剤がより好ましい。
上記イオン捕捉剤としては、例えば、ジルコニウム系化合物、アンチモン系化合物、ビスマス系化合物、マグネシウム系化合物、アルミニウム系化合物等が挙げられる。なかでも、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制する効果に優れることから、ジルコニウム系化合物、アンチモン系化合物、及び、ビスマス系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、陽イオン補足効果のあるジルコニウム系化合物やアンチモン系化合物がより好ましく、ジルコニウム系化合物が更に好ましい。
上記ジルコニウム系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、IXE−100(東亞合成社製)等が挙げられる。
上記アンチモン系化合物としては、例えば、五酸化アンチモン等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、五酸化アンチモン(和光純薬工業社製、試薬)、IXE−300、IXE−600、IXE−633(いずれも東亞合成社製)等が挙げられる。
上記ビスマス系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、IXE−500、IXE−530、IXE−550(いずれも東亞合成社製)等が挙げられる。
上記マグネシウム系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、IXE−700F(東亞合成社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤と上記イオン捕捉剤との含有割合は、重量比で、熱ラジカル重合開始剤:イオン捕捉剤=1:0.05〜1:20であることが好ましい。上記熱ラジカル重合開始剤と上記イオン捕捉剤との含有割合がこの範囲であることにより、イオン成分が液晶中に溶出することなく、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を効果的に抑制することができる。上記熱ラジカル重合開始剤と上記イオン捕捉剤との含有割合は、熱ラジカル重合開始剤:イオン捕捉剤=1:0.1〜1:15であることがより好ましい。
また、本発明の液晶表示素子用シール剤100重量部中における上記イオン捕捉剤の含有量の好ましい下限は0.005重量部、好ましい上限は200重量部である。上記イオン捕捉剤の含有量が0.005重量部未満であると、イオン補足能が不充分となり、周辺部に表示むらが発生することがある。上記イオン捕捉剤の含有量が200重量部を超えると、得られるシール剤の粘度が高くなりすぎ、塗布性が悪化することがある。上記イオン捕捉剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は20重量部、更に好ましい下限は0.2重量部、更に好ましい上限は15重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、上記熱ラジカル重合開始剤に加えて、光ラジカル重合開始剤を含有してもよい。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる液晶表示素子用シール剤の光重合が充分に進行しないことがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、未反応の光ラジカル重合開始剤が多く残り、得られる液晶表示素子用シール剤の耐候性が悪くなることがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は8重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボエチル−5−イソプロピルヒダントイン]、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)、SDH、IDH、ADH(いずれも大塚化学社製)、MDH(日本ファインケム社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1重量部未満であると、得られる液晶表示素子用シール剤を充分に熱硬化させることができないことがある。上記熱硬化剤の含有量が50重量部を超えると、得られるシール剤の粘度が高くなりすぎ、塗布性が悪化することがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の更なる向上等を目的として充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子、コアシェルアクリレート共重合体微粒子等の有機充填剤等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤100重量部中における上記充填剤の含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は70重量部である。上記充填剤の含有量が10重量部未満であると、接着性の改善等の効果が充分に発揮されないことがある。上記充填剤の含有量が70重量部を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなり、塗布性が悪くなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤100重量部中における上記シランカップリング剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は20重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、基板等との接着性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が20重量部を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤が液晶汚染を引き起こすことがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、E型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が10万mPa・s、好ましい上限が60万mPa・sである。上記粘度がこの範囲であることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が塗布性に優れるものとなる。上記粘度のより好ましい下限は15万mPa・s、より好ましい上限は55万mPa・sである。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の液晶表示素子用シール剤に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、上記光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の液晶表示素子用シール剤の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の液晶表示素子用シール剤に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、遮光剤として上記チタンブラックを配合した本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、14M−C(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m/g、好ましい上限は30m/gであり、より好ましい下限は15m/g、より好ましい上限は25m/gである。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記遮光剤の一次粒子径は、液晶表示素子の基板間の距離以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は5μmである。上記遮光剤の一次粒子径が1nm未満であると、得られる液晶表示素子用シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大してしまい、作業性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径が5μmを超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の基板への塗布性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
本発明の液晶表示素子用シール剤100重量部中における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は5重量部、好ましい上限は80重量部である。上記遮光剤の含有量が5重量部未満であると、充分な遮光性が得られないことがある。上記遮光剤の含有量が80重量部を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の基板に対する密着性や硬化後の強度が低下したり、描画性が低下したりすることがある。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は70重量部であり、更に好ましい下限は30重量部、更に好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサー、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素、イソシアヌルカルボン酸等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他のカップリング剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、熱ラジカル重合開始剤と、イオン捕捉剤と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤に導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては、例えば、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用シール剤又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極と配向膜とを有する基板の一方に、本発明の液晶表示素子用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、液晶の微小滴をシールパターンの枠内全面に滴下塗布し、真空下で他方の基板を重ね合わせる工程、及び、紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜10、比較例1、2)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式攪拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合して実施例1〜10、比較例1、2の液晶表示素子用シール剤を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)塗布性
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用い、ディスペンスノズルを400μm、ノズルギャップを30μm、塗出圧を300kPaに固定し、ガラス基板上に実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤を塗布した。かすれやダレがなく塗布できたものを「○」、かすれやダレが生じたものを「△」、大きな塗布切れや塗布ムラが生じたり、全く塗布できなかったりしたものを「×」として塗布性を評価した。
(2)遮光部硬化性
まず、厚さ0.7mmのコーニングガラスの半面をクロム蒸着した基板(A)と、前面をクロム蒸着した基板(B)とを別途準備した。次に、実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」、5μm)1重量部を分散させ、該シール剤を基板Aの中央部(クロム蒸着部と非蒸着部との境界)に塗布し、基板Bを貼り合わせてからシール剤を充分に押し潰し、基板A側からメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線を30秒照射した。
その後、カッターを用いて基板A及びBを剥がし、顕微IR法によって紫外線直接照射部の際から50μm離れた点上のシール剤についてスペクトルを測定し、シール剤中のアクリロイル基の転化率を以下の方法により求めた。即ち、815〜800cm−1のピーク面積をアクリロイル基のピーク面積とし、845〜820cm−1のピーク面積をリファレンスピーク面積として、下記式によりアクリロイル基の転化率を算出し、転化率が95%以上であったものを「○」、90%以上95%未満であったものを「△」、90%未満であったものを「×」として遮光部硬化性を評価した。
アクリロイル基の転化率={1−(紫外線照射後のアクリロイル基のピーク面積/紫外線照射後のリファレンスピーク面積)/(紫外線照射前のアクリロイル基のピーク面積/紫外線照射前のリファレンスピーク面積)}×100
(3)液晶表示素子の生産性能(液晶漏れ評価)、及び、表示性能(作製直後、及び、高温高湿下で保管した後に駆動した液晶表示素子の色むら評価)
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置にて5Paの減圧下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cmの紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を各シール剤につき5枚ずつ作製した。
シール剤の差し込みがほとんど無く、パネルから液晶が漏れていない場合を「○」、シール剤の差し込みは若干あるものの、パネルから液晶が漏れていない場合を「△」、シール剤の差し込みがあり、パネルから液晶が漏れている場合を「×」として、液晶表示素子の生産性能を評価した。
また、作製直後、及び、温度80℃、湿度90%RHの環境下にて500時間保管した後の液晶表示素子を、AC3.5Vの電圧駆動をさせ、周辺部を目視で観察した。液晶表示素子の周辺部に表示むら(色むら)が全く見られなかった場合を「◎」、少し薄い表示むらが見えた場合を「○」、はっきりとした濃い表示むらがあった場合を「△」、はっきりとした濃い表示むらが周辺部のみではなく、中央部まで広がっていた場合を「×」として液晶表示素子の表示性能を評価した。
Figure 2015127802
本発明によれば、液晶表示素子の周辺部の表示むらの発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂と、熱ラジカル重合開始剤と、イオン捕捉剤とを含有することを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
  2. 熱ラジカル重合開始剤とイオン捕捉剤との含有割合が、重量比で、熱ラジカル重合開始剤:イオン捕捉剤=1:0.05〜1:20であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
  3. イオン捕捉剤は、陽イオンを捕捉するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
  4. イオン捕捉剤は、ジルコニウム系化合物、アンチモン系化合物、及び、ビスマス系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤。
  5. 熱ラジカル重合開始剤は、アゾ化合物を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤。
  6. アゾ化合物は、水溶性アゾ化合物であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子用シール剤。
  7. 光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子用シール剤。
  8. 熱硬化剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶表示素子用シール剤。
  9. 遮光剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の液晶表示素子用シール剤。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の液晶表示素子用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8若しくは9記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項10記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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