JP2015127077A - 歯車加工装置 - Google Patents

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Masao Higaki
雅男 檜垣
哲智 川西
Akitomo KAWANISHI
哲智 川西
大谷 昌弘
Masahiro Otani
昌弘 大谷
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Abstract

【課題】切粉を確実に除去することができる歯車加工装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、被加工歯車の側面のバリ及び余肉除去を行う除去加工ユニットを有する歯車加工装置であって、前記除去加工ユニットは、円板状の第1カッター及び第2カッターと、前記第1カッターと第2カッターとが対向するように、当該第1カッター及び第2カッターをそれぞれ支持する第1カッター支持体及び第2カッター支持体と、前記各カッターの周縁の径方向外方に配置するよう第1カッター支持体及び第2カッター支持体に備えられて当該周縁の少なくとも一部に作用する第1ノズル及び第2ノズルと、前記第1ノズル及び第2ノズルから切粉を吸引する第1及び第2吸引機構と、を備え、前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体は、前記第1カッター及び第2カッターの隙間が前記被加工歯車の厚さに対応するように、近接離間可能に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯車加工装置に関する。
歯車を加工する際には、仕上げ時に歯車の側面に生じるバリや余肉の除去が行われる。このような歯車加工装置としては、例えば、特許文献1のようなものがある。この文献に開示されている歯車加工装置は、対向配置された一対のカッターを備え、両カッターの隙間を被加工歯車の厚みと同じになるように調整した上で、両カッターで被加工歯車を挟むようにしてバリを除去するようになっている。
特開2013−180351号公報
ところで、歯車のバリ取りを行う際には、切粉が発生する。このような切粉は、加工の妨げになり、加工精度を低下させることになるため、加工部位から除去する必要がある。そのため、一般的には、空気を吹き付けるなどして、切粉を加工部位から除去することが行われている。しかしながら、この方法では、単に空気を吹き付けているだけで、切粉の流れはコントロールされていないため加工部位付近での除去には有効であるが、除去された切粉は質量が軽いため装置全体に飛散する。したがって、シールドで密閉された歯車加工装置の内は清掃する必要があり、また切粉が歯車加工装置に付随する様々な可動部に挟まって動作不良を起こす原因となる等、切粉の問題の根本的な解決にはなっておらず、切粉を確実に除去する方法が望まれていた。本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、切粉を確実に除去することができる歯車加工装置を提供することを目的とする。
本発明は、被加工歯車の側面のバリ及び余肉除去を行う除去加工ユニットを有する歯車加工装置であって、前記除去加工ユニットは、円板状の第1カッター及び第2カッターと、前記第1カッターと第2カッターとが対向するように、当該第1カッター及び第2カッターをそれぞれ支持する第1カッター支持体及び第2カッター支持体と、前記各カッターの周縁の径方向外方に配置するよう第1カッター支持体及び第2カッター支持体に備えられて当該周縁の少なくとも一部に作用する第1ノズル及び第2ノズルと、前記第1ノズル及び第2ノズルから切粉を吸引する第1及び第2吸引機構と、を備え、前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体は、前記第1カッター及び第2カッターの隙間が前記被加工歯車の厚さに対応するように、近接離間可能に構成されている。
この構成によれば、各カッターの径方向外方に、カッターの周縁に沿って配置したノズルにより、切粉を吸引するようにしているため、加工時に発生した切粉を加工部位から確実に除去すると共に所定の場所に集めることができる。
上記歯車加工装置においては、前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体を前記被加工歯車に対して近接離間可能に構成すると共に、前記第1ノズル及び第2ノズルは、前記各カッターの周縁方向に沿って延びた円弧状に形成してもよい。
第1カッター及び第2カッターは被加工歯車の歯部側面に重合摺接させてバリ及び余肉除去を行うが、被加工歯車がそれまでとは径が異なる場合には、両カッターの位置を被加工歯車に対して近接離間させることで、歯部側面の重合摺接状態を維持できバリ及び余肉除去を継続できる。そのとき被加工歯車の歯部側面に対する重合摺接位置はカッターの周縁方向に沿って移動する。前記第1ノズル及び第2ノズルが上記の円弧形状をしていることにより吸引力低下を抑制しつつも吸引エリアを効率的に広げ、径が異なる被加工歯車に対してもそこから発生する切粉を確実に吸引することができる。
前記第1及び第2吸引機構は、種々の構成にすることができるが、例えば、前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体に設けられ、前記第1及び第2ノズルから、それぞれ通じる切粉の吸引流路と、当該第1カッター支持体及び第2カッター支持体の外部に開口し、前記各吸引流路を通過した切粉を排出する排出口と、を備えるように構成することができる。
このようにすることで、吸引された切粉は、各カッター支持体を貫通して排出口から排出されるため、切粉を加工部位から確実に除去することができる。
このとき、切粉の吸引は、種々の方法で行うことができるが、例えば、前記第1及び第2吸引機構が、前記各吸引流路の途中から前記排出口へ向けて負圧用空気を圧送することで、前記各吸引流路内に負圧を生じさせるように構成することができる。また、この負圧用空気は、歯車加工装置の各所で使用される空圧機器用の動力源を用いて発生させることができ、特別な動力を不要とし低コスト化が図れる。
上記各歯車加工装置においては、前記第1カッター支持体を着脱自在に固定する第1支持本体と、前記第2カッター支持体を着脱自在に固定する第2支持本体と、をさらに備え、前記負圧用空気は、前記第1支持本体及び前記第2支持本体から前記各吸引流路へそれぞれ圧送するように構成することができる。この構成により、カッターを交換する場合には、各カッター支持体を各支持本体から取り外せばよい。そして、負圧用の空気は、各支持本体に設けられるため、負圧用空気の供給経路を新たに設ける必要がない。したがって、装置の省スペース化が可能となる。
上記各歯車加工装置においては、前記第1吸引機構に、前記第1カッター支持体の排出口に連結され、切粉を案内する第1案内管を設けるとともに、前記第2吸引機構は、前記第2カッター支持体の排出口に連結され、切粉を案内する第2案内管を設け、前記第1排出管及び第2排出管を連結可能とすることができる。これにより、各案内管から個別に切粉を排出するのではなく、両案内管から排出される切粉を1箇所にまとめて集塵でき、省スペース化が可能となる。
本発明に係る歯車加工装置によれば、切粉を確実に除去し所定の場所に集めて装置内の清掃回数を低減させることができる。
本発明の一実施形態に係る加工装置及び交換装置の概略構成を示す正面図である。 加工装置の主軸ユニット及び交換装置の断面図である。 主軸ユニット及びこれに取り付けられた治具及びワークの拡大正面図である。 面取り加工ユニットの拡大側面図である。 図4のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 図5に示す支持フレームの拡大図(a)及びそのC−C線断面図(b)である。 面取り加工具の拡大断面図である。 面取り加工具の交換を説明する図である。 面取り加工ユニットの動作を説明する平面図である。 図5のD−D線矢視図である。 除去加工ユニットの一部側面図であり、除去加工具のクランプの動作を示している。 切粉排出機構の側面図である。 図13の縦断面図である。 図14の横断面図である。 切粉排出機構の分解斜視図である。 図13の動作説明図である。 除去加工ユニットの動作を説明する平面図である。 回転機構を下方から見た平面図及び動作図である。 固定機構の平面図である。 固定機構を主軸ユニット側から見た側面図である。 治具の交換を示す動作説明図である。 ワークの交換を示す動作説明図である。 ワークの加工を示す平面図である。 面取り加工具の交換を示す動作説明図である。 除去加工具の交換を示す動作説明図である。 他の例を示す、主軸ユニット及びこれに取り付けられた治具及びワークの拡大断面図である。 他の例を示す、主軸ユニット及びこれに取り付けられた治具及びワークの拡大断面図である。
以下、本発明に係る歯車加工装置を、歯車加工システムに適用した場合の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。この歯車加工システムは、ワークである歯車の両側縁の面取り加工、及び面取りにより生じたバリ及び余肉を除去する除去加工を行うためのものである。具体的には、歯車を加工する歯車加工装置と、加工対象である歯車及び加工具を交換する交換装置(交換ユニット)とで構成されている。以下では、まず、歯車加工装置について説明し、その後、交換装置について説明する。なお、以下の説明では、図5の上側を「前」又は「前面側」、下側を「後」又は「背面側」と称するとともに、ワークに近い側を「先端側」、その反対側を「後端側」と称することがある。
図1は、本実施形態に係る歯車加工装置及び交換装置の概略構成を示す正面図である。図1に示すように、本実施形態に係る歯車加工装置1は、内部空間111及びこの内部空間111の上部を塞ぐ頂部112を有する基台11を備えている。そして、この基台11には、ワークWである歯車を支持する主軸ユニット12と、この主軸ユニット12との間でワークWを挟持する心押しユニット13とが設けられている。さらに、基台11上には、ワークWに対して面取り加工を行う面取り加工ユニット14、及びバリ及び余肉の除去を行う除去加工ユニット18(図5参照)が前記面取り加工ユニット14の裏側に設けられている。また、主軸ユニット12を挟んでこれら加工ユニット14・18と対向するように交換装置2を配置する。以下、これら各ユニットについて詳細に説明する。
図2は、加工装置の主軸ユニット及び交換装置の断面図である。図2に示すように、主軸ユニット12は、基台11の頂部112に固定される筒状の基部121と、この基部121の内部に挿通される筒状の回転スリーブ122と、を備えている。基部121の下端部は、頂部112に固定されており、ここから上方へと延びている。そして、回転スリーブ122は、軸方向に離れて配置された一対の軸受123を介して、基部121の内部に回転自在に取り付けられている。また、回転スリーブ122の上下の両端部は、基部121の上端及び下端からそれぞれ突出している。このうち、回転スリーブ122の下端部は、基台11の内部空間111に突出し、この突出部分に第1プーリー124が固定されている。また、基台11の内部空間111には、回転スリーブ122と平行に延びる回転軸を有する駆動モータ125が配置され、この駆動モータ125の回転軸には第2プーリー126が取り付けられている。そして、第1及び第2プーリー124,126には伝動ベルト127が掛け渡されており、駆動モータ125を駆動することで、回転スリーブ122が軸周りに回転するようになっている。
回転スリーブ122の内部には、軸方向に上下動可能な可動ロッド128が設けられている。また、回転スリーブ122の上端部には、後述するワーク用治具Zを固定するためのチャック部(固定部)120が設けられている。このチャック部120には、後述するように、チャック部120の上面及び外周面を覆うように配置されるワーク用及び加工具用治具が取り付けられるようになっており、チャック部120の外周面に配置した可動係止部(図示せず)を治具の内壁面を径方向外方に進出・退避させることで、治具をチャック部120に固定・解除するようになっている。具体的には、上述した可動ロッド128が、下方からチャック部120の内部を押圧することで、チャック部120の外周面が治具の固定を解くように構成されており、可動ロッド128が下降すると、チャック部120が治具を固定するようになっている。チャック部120としては、公知のコレットチャックなどを用いることができる。
可動ロッド128の下端部は、回転スリーブ122の下端から下方に突出しており、この突出部分に支持板129が取り付けられている。支持板129と回転スリーブ122との間には、可動ロッド128の外周面に巻き付くようにバネ1290が配置されており、このバネ1290によって支持板129が下方に押し下げられている。また、支持板129には、可動ロッド128を囲むように周方向に上方へ突出する複数の支持棒1291が配置されている。各支持棒1291は、第1プーリー124の下面に形成された穴にそれぞれ挿入され、上下動可能となっている。したがって、第1プーリー124が回転すると、支持棒1291を介して連結された支持板129も回転し、これに伴って可動ロッド128も回転する。すなわち、可動ロッド128は回転スリーブ122とともに軸周りに回転する。
支持板129の下方には、支持板129を上方に押し上げるための押し上げ機構15が設けられている。この押し上げ機構15は、支持板129の下方に配置された複数の押し上げ棒151を備えており、これら押し上げ棒151が基板152によって支持されている。基板152の下方には油圧シリンダ153が配置されており、この油圧シリンダ153の作動によって基板152が上方に押し上げられる。これにより、押し上げ棒151が支持板129を上方に押し上げ、可動ロッド128がチャック部120に作用する。すなわち、チャック部120と治具の固定状態が解除される。一方、油圧シリンダ153の非作動時に押し上げ棒151が降下すると、可動ロッド128も下降し、チャック部120と治具が固定される。押し上げ棒151が降下すると、可動ロッド128はバネ1290によって下方に付勢されているため、チャック部120とワーク用治具Zとの固定状態が維持される。なお、油圧シリンダ153の非作動時、押し上げ棒151の上端と支持板129との間には隙間が形成されており、接触しないようになっている。そのため、支持板129は押し上げ棒151と干渉せず、可動ロッド128とともに回転可能となる。
また、この主軸ユニット12には、チャック部120に対して空気を供給するための空気供給機構が設けられている。具体的には、以下の通りである。まず、支持板129の下面に、スイベルジョイント16が回転可能に連結されており、このスイベルジョイント16を介して、可動ロッド128内にエアを供給できるようになっている。可動ロッド128の内部には、軸方向に延びる貫通孔1281が形成されており、貫通孔1281の下端部が上述したスイベルジョイント16に連結されている。この貫通孔1281は、可動ロッド128の上端付近で径方向に延び、回転スリーブ122の内部に開口している。このエアの流通路は、上方に延び、チャック部120の上面で開口している。このように形成されたエアの流通路からはエアが排出され、これによってチャック部120の上面のゴミを吹き飛ばすことができる。したがって、治具を正確に取り付けることができる。また、流通路1221とは別の流通路(図示せず)が可動ロッド128に設けられ、チャック部120に治具が装着されると、流通路(図示せず)が治具によって塞がれ、エアが排出されないようになるため、スイベルジョイント16にエアを供給する供給源(図示省略)が、これを検出することで、治具が装着されたことを検知することができる。この点については、図27及び図28を用いて後述する。
図1に示すように、心押しユニット13は、基台11上に配置され、上方に延びる支持部131と、この支持部131に沿って上下動可能な心押し部132とを備えている。支持部131の上端には、モータ133が取り付けられており、このモータ133の回転軸に、下方へ延びるボールねじ134が連結されている。ボールねじ134には、ナット135が螺合しており、このナット135に心押し部132が取り付けられている。また、支持部131には、ボールねじ134と平行に、上下方向に延びるガイドレール136が取り付けられており、心押し部132は、このガイドレール136によってガイドされつつ上下動するようになっている。また、心押し部132の下端には、後述するように、治具を押圧する棒状の押圧部材1321が取り付けられている。
図3は主軸ユニット及びこれに取り付けられたワーク用治具及びワークの拡大正面図である。同図に示すように、本実施形態のワーク用治具Zは、ワークWを支持するためのものであり、上述したように、主軸ユニット12のチャック部120に取り付けられる。ワーク用治具Zは、主として3つの部位で構成されている。すなわち、下方から上方へ一体的に構成された、固定部Z1、テーパ部Z2、及び挿通軸部Z3を備えている。固定部Z1は、概ね円筒状に形成され、その下面にはチャック部120が挿入される開口Z11が形成されている。また、固定部Z1の外周面には、周方向に延びる環状溝Z12が形成されている。この環状溝Z12には、後述する交換装置2のアーム176が係合するようになっており、これによってワーク用治具Zはアーム176により挟持されて、搬送される。そして、固定部Z1の上端には上方に延びるテーパ部Z2が一体的に連結されており、上方にいくにしたがってワーク用治具Zの径が小さくなる。テーパ部Z2の上端には、径の小さい挿通軸部Z3が設けられ、この挿通軸部Z3がワークWの中心穴W1に挿入される。挿通軸部Z3には、上方から心押しユニット13の押圧部材1321によって押圧されると、径方向外向きに移動する可動係止部(図示省略)が設けられており、この可動係止部がワークWの中心穴W1を内側から押圧することで、ワークWが挿通軸部Z3に固定される。このような挿通軸部Z3としては、例えば、公知のコレットチャックを用いることができる。
続いて、ワークの面取り加工を行う面取り加工ユニット14について、図4〜図6を参照しつつ説明する。図4は面取り加工ユニットの拡大側面図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図5のB−B線断面図、図7は図5に示す支持フレームの拡大図(a)及びそのC−C線断面図(b)である。図1,図4〜図7及びに示すように、面取り加工ユニット14は、心押しユニット13の支持部131に設けられた第1フレーム138に沿って、水平方向に移動可能なベースプレート141を有している。第1フレーム138の前面には、上下方向に所定間隔をおいて平行に配置され、水平方向に延びる一対のガイドレール1411が設けられており、このガイドレール1411に沿ってベースプレート141がワークWに対して進退可能となっている。第1フレーム138内には、水平方向に延びるボールねじ1412が配置されており、このボールねじ1412に螺合するナット1413がベースプレート141の背面(図4の上側)に固定されている。また、ボールねじ1412の端部、つまりワークWとは反対側の端部(図4の右側)には、モータ1414が取り付けられており、このモータ1414が駆動することで、ボールねじ1412が回転し、ナット1413とともにベースプレート141が移動する。
ベースプレート141の前面(図5の下側)には、環状の支持フレーム142が平面視で斜めに配置されている。より詳細には、図5に示すように、ワークWとは反対側の端部が、ベースプレート141から離れるように斜めに配置されている(なお、ベースプレート141と支持フレーム142とは一体的に形成することもできる)。そして、この支持フレーム142の内部には、歯がベースプレート141を向くように第1ベベルギア1421が回転自在に設けられている。この第1ベベルギア1421は、支持フレーム142の傾きに対応するように、ベースプレート141の垂線から傾いた軸線V周りに回転可能となっている。また、図7に示すように、第1ベベルギア1421の外周面には、周方向6箇所において等間隔に凹部1422が形成されているが、これについては後述する。さらに、第1ベベルギア1421の前面には、円形の加工具支持部143が固定されており、第1ベベルギア1421とともに回転するようになっている。そして、この加工具支持部143の外周面には、等間隔に複数(本実施形態では6個)の面取り加工具(第1加工具)144が取り付けられており、加工具支持部143が回転することで、いずれかの面取り加工具144がワークWに対向配置されて、ワークWを加工するように構成されている。以下、この位置をワーク加工位置と称する。
なお、図5に示すように、この面取り加工ユニット14は、面取り加工具144が進退する際に、面取り部材1442の回転中心が通る線上に、ワークWの回転中心が位置していない。すなわち、面取り部材1442は、ワークWの中心からずれた位置、つまりワークWの前面側(図5の下側)に当接するようになっている。そして、ワークの背面側(図5の上側)には、後述するように、除去加工ユニット18のカッター1846が揺動により接触する。
次に、面取り加工具144の選択について説明する。支持フレーム142は、ベースプレート141に対して斜めに取り付けられているが、図5に示すように、この取り付けによりベースプレート141と支持フレーム142との間に形成される隙間には、第1ベベルギア1421と噛み合う第2ベベルギア1423が設けられ、支持フレーム142に回転自在に支持される。第2ベベルギア1423の回転軸1424は上記隙間から軸方向外方へ延びるように配置されている。そして、その外端部にはモータ1425が連結されている。したがって、このモータ1425が回転することで、両ベベルギア1421,1423が回転し、これに伴って、加工具支持部143も回転する。なお、1432は加工具支持部143を回転支持する固定軸である。また、図7に示すように、第1ベベルギア1421の外周面に形成された凹部1422には、プッシュピン1426が係合するようになっている。より詳細に説明すると、このプッシュピン1426は、支持フレーム142に進退自在に支持されるとともに、第1ベベルギア1421から径方向外方に延びるように配置されているが、第2ベベルギア1423の回転軸1424とは、周方向にずれて配置されている。すなわち、図6に示すように、第2ベベルギア1423の回転軸1424が水平に延びているのに対し、上記プッシュピン1426は斜め上方に延びるように配置されている。そして、プッシュピン1426の外端部には、油圧シリンダ1427が配置されており、これによって、プッシュピン1426の内端部を第1ベベルギア1421の凹部1422に押し込み、第1ベベルギア1421を所定の回転位置に固定できるようになっている。すなわち、いずれかの面取り加工具144がワーク加工位置にあるときに、この状態をプッシュピン1426により固定できるようになっている。
次に、面取り加工具について、図8及び図9を参照しつつ説明する。図8は面取り加工具の拡大断面図であり、図9は面取り加工具の交換を説明する図である。図8に示すように、各面取り加工具144は、筒状の基材1441と、この基材1441の軸方向の両端に固定される一対の面取り部材1442とを備えており、さらに基材1441を回転自在に支持する支軸1443が設けられている。支軸1443は、面取り部材1442の回転中心から突出するように軸方向に延びている。両面取り部材1442は、ワークWに噛み合うように歯車状に形成されており、ワークWの両側縁を押圧できるような間隔で平行に配置されている。また、図9に示すように、各面取り加工具144の支軸1443の両端には、矩形状の突部1444がそれぞれ設けられており、この突部1444が加工具支持部143に形成された矩形状の凹部1431に嵌まるようになっている。なお、面取り加工具144がワーク加工位置にあるときには、支軸1443が鉛直方向に延びて、両面取り部材1442が水平となるように配置される。
そして、突部1444が凹部1431から離脱しないように、加工具支持部143には、加工具144の固定部材145が取り付けられている。この固定部材145は、L字型に形成された一対の固定片1451と、両固定片1451を連結する連結片1452とを備えている。各固定片1451は、加工具支持部143の外周にピン1454を介して揺動自在に取り付けられており、一端部が凹部1431を塞ぐように構成され、他端部同士が連結片1452によって連結されている。そして、固定片1451は揺動により、加工具144の回転軸1443の突部1444が凹部1431に嵌まったときに、凹部1431を覆って突部1444の抜け止めを行う第1の位置(図9(a))と、凹部1431から突部1444が離脱できるように凹部1431を開放する第2の位置(図9(b))とをとり得るようになっている。そして、通常は、バネ1453によって固定片1451が付勢され、第1の位置を取るようになっている。その一方で、連結片1452が押圧され、バネ1453の付勢力に抗して固定片1451が揺動すると、第2の位置をとり得るようになっている。
連結片1452の押圧は、押圧シリンダ146により行われる。押圧シリンダ146は、図5に示すように、加工具支持部143の固定軸1432に取り付けられ、加工具支持部143が回転しても、これに追随しないように固定されている。そして、加工具支持部143が回転したときに、ワーク加工位置にある加工具144を固定する連結片1452に対してのみ、押圧できるようになっている。そして、図9(b)に示すように、押圧シリンダ146が固定部材145の連結片1452を押圧すると、固定片1451は第2の位置に変位し、突部1444が凹部1431から離脱できるようになる。これにより、加工具144が加工具支持部143から取り外し可能となる。
取り外し可能となった加工具144は、主軸ユニット12に取り付けられる面取り加工具用治具Uに引き渡し可能となっており、他の面取り加工具に交換することができる。この点について、図10も参照しつつ説明する。図10は面取り加工ユニットの動作を説明する平面図である。図8に示すように、面取り加工具用治具Uは、上述した主軸ユニット12のチャック部120に取り付けられるものであり、ワーク用治具Zの固定部Z1と同一構成の固定部U1を有している。固定部U1の上端には、支持部U2が設けられ、この支持部U2に、面取り加工具144の回転軸1443を挟持する一対の把持アームU3が取り付けられている。これら把持アームU3は、面取り加工具144の回転軸1443を挟持するように、上下方向に間隔をおいて配置されている。図9に示すように、各把持アームU3は、揺動可能な一対のアーム片U31を有し、回転軸1443を挟持する一端側とは反対の端部にバネU32が設けられている。このバネU32は、アーム片U31の他端部を離間するように付勢している。また、各アーム片U31において、互いに対向する面には、回転軸1443を挟持できるように円弧状の切り欠きU311が形成されている。これにより、常時は、バネU32によってアーム片U31の一端側が近接し、回転軸1443を挟持できるようになっている。
面取り加工具144を面取り加工具用治具Uに引き渡すときは、まず、図10(a)に示すように、主軸ユニット12に面取り加工具用治具Uを配置するとともに、交換対象となる面取り加工具144をワーク加工位置に配置する。この状態で、ベースプレート141を前進させ、把持アームU3のアーム片U31の間に加工具144の回転軸1443を押し込む。回転軸1443の押し込みにより、アーム片U31の一端部はバネU32に抗して押し広げられ、ベースプレート141がさらに前進することで、回転軸1443が切り欠きU311に嵌まる。そして、図10(b)に示すように、回転軸1443が切り欠きU311に嵌まると、ベースプレート141の前進を停止する。こうして、回転軸1443は、把持アームU3に固定される。この状態で、押圧シリンダ146を駆動し、固定部材145の連結片1452を押圧すると、回転軸1443が加工具支持部143から離脱可能な状態となる。そして、ここからベースプレート141を後退させると、図9(b)に示すように、面取り加工具144は治具Uに固定されたまま、加工具支持部143から離脱する。その後、初期位置までベースプレート141を後退させた後、押圧シリンダ146の駆動を停止する。
続いて、除去加工ユニット18について、図11も参照しつつ説明する。図11は図5のD−D線矢視図である。
図5及び図11に示すように、心押しユニット13の支持部131には、上述した第1フレーム138と隣接して(第1フレームの背面側)、第2フレーム139が設けられている。第2フレーム139内には、水平方向に延びるボールねじ181が設けられており、このボールねじ181において、ワークWと反対側の端部には、モータ1811が取り付けられている。また、このボールねじ181には、ナット1812が螺合しており、このナット1812には、ワークW側に延びる2つの押圧ロッド182が取り付けられている。両押圧ロッド182は、上下方向に所定間隔をあけて平行に配置されており、ワークW側の端部には、上下方向に延び、両押圧ロッド182を連結する第1連結棒1821が進退自在に取り付けられている。第1連結棒1821の上下両端部には、揺動プレート1822が揺動自在に取り付けられており、さらに各揺動プレート1822の先端には、上下方向に延びる第2連結棒1823が揺動自在に取り付けられている。第2連結棒1823の上下両端部には、概ね三角形を成す第1及び第2支持プレート1831,1832の一端部が取り付けられており、両支持プレート1831,1832の間に、概ね三角形を成す支持ブロック1861,1862を介して除去加工具184が設けられている。各支持プレート1831,1832には、上下方向に延びる揺動軸185が遊嵌されており、この揺動軸185の上下の端部が、第2フレーム139のワークW側の端部に回転自在に取り付けられている。これにより、第1連結棒1821が進退移動するとき、支持プレート1831,1832は、揺動軸185を揺動中心として揺動し、これによって、除去加工具184が、背面側からワークWへ近接するようになっている。
図11に示すように、除去加工具184は、上下方向に配置されるブロック状の第1基部1841及び第2基部1842を備えている。第1基部1841は下側に配置され、上面に円板状の第1カッター1843が配置され、その上面に第1固定部材1844が配置されている。第1カッター1843は、その回転軸が下方向に延びて第1基部1841に支持されている。また、第1固定部材1844は第1カッター1843と同心位置にあり、筒状に形成された係合部18441と、この係合部18441の上面から上方に突出する突出部18442を備えている。係合部18441には、外周面に環状溝が形成されており、この環状溝に後述する除去加工具用治具Rの挟持アームの1つが固定可能とされる。また、第1基部1841において、揺動軸185側には、第2固定部材1845が配置されている。この第2固定部材1845は、第1固定部材1844とほぼ同様の構成である、筒状に形成された係合部18451と、この係合部18451の上面から上方に突出する突出部18452を備えている。
一方、第2基部1842は、第1基部1841と向かい合って配置され、第1カッター1843と同心位置に円板状の第2カッター1846が配置されており、第2カッター1846の中央には、第1固定部材1844の突出部18442が嵌まる係合穴(図示省略)が形成されている。また、第2基部1842において、第2固定部材1845と対向する位置には、突出部18452が嵌まる係合穴(図示省略)が形成されている。第1基部1841及び第2基部1842は、次に説明する第1及び第2支持ブロック1861,1862にそれぞれ支持されており、互いに近接離間可能となっている。これにより、両カッター1843,1846の間の隙間をワークWの厚さに対応するように調節可能となっている。また、両カッター1843,1846の間に第1固定部材1844が設けられているため、両カッター1843,1846が最も近接しても、第1固定部材1844の係合部18441の高さだけ、両カッター1843,1846の間には隙間が形成される。そして、この状態で、両固定部材1844,1845の係合部18441,18451が外部に露出した状態となる。
次に、両基部1841,1842を支持する支持ブロック1861,1862について、図12も参照しつつ説明する。図12は除去加工ユニットの一部側面図であり、第1基部及び第2基部を除去加工具用治具に固定した状態で除去加工具のクランプの動作を示している(クランプ状態(a)、クランプ解除状態(b))。図11及び図12に示すように、第1支持ブロック(第1支持本体)1861は、第1基部1841の下側に配置され、第1基部1841を上下動させるように支持する。この第1支持ブロック1861には、揺動軸185及び第2連結棒1823が貫通しており、これらに沿って上下動するようになっている。また、第2支持プレート1831の下面には第1駆動シリンダ1871が取り付けられており、この第1駆動シリンダ1871のピストン部が第1支持ブロック1861の下側に連結されている。したがって、第1駆動シリンダ1871のピストン部が伸縮することで、第1支持ブロック1861が第1基部1841とともに上下動するようになっている。また、図14に示すように、第1支持ブロック1861と、第1基部1841とは、第1油圧クランプ1881によって着脱自在に固定されている。すなわち、第1支持ブロック1861に連結されたクランプ用給油管1883から供給される作動油によって、第1油圧クランプ1881が作動すると第1支持ブロック1861と第1基部1841とが固定され、第1油圧クランプ1881が解除されると第1支持ブロック1861から第1基部1841が上下方向で離脱可能となる。そのときに図12(b)では、第1駆動シリンダ1871を駆動して第1支持ブロック1861を下降させることで、第1支持ブロック1861から第1基部1841を離脱させた状態が示されている。
第2支持ブロック1862(第2支持本体)も、第1支持ブロック1861と同様の構成であり、揺動軸185及び第2連結棒1823が貫通し、これらに沿って上下動するようになっている。また、第2支持プレート1832の上面に配置された第2駆動シリンダ1872のピストン部によって、第2支持ブロック1862が上下動するようになっている。また、第2油圧クランプ1882が内蔵されており、これによって第2支持ブロック1862と第2基部1842とが着脱自在に固定されている。以上のような構成により、除去加工具184は、除去加工ユニット18から取り外し可能となっており、交換することができる。
続いて、加工時に発生した切粉を除去するための切粉排出機構について、図13〜図17を参照しつつ説明する。図13は切粉排出機構の側面図、図14は図13の縦断面図、図15は図14の横断面図、図16は切粉排出機構の分解斜視図、図17は図13は切粉排出機構の側面図である。なお、上述した図11及び図12には、説明の便宜のため、切粉排出機構を示していない。
第1カッター1843側に設けられる切粉排出機構と第2カッター1846側に設けられる切粉排出機構との相違は主として上下が反転したことであるため、ここでは、主として第2カッター1846側に設けられた切粉排出機構について説明する。
図13〜図16に示すように、この切粉排出機構は、上述した第2基部1842に取り付けられる第2吸引ブロック42を備えている。図16に示すように、第2基部1842は、第2カッター1846を支持する支持部18421と、この支持部18421に隣接し、第2支持ブロック1862に固定される固定部18422と、を備えている。固定部18422の上面には、上述した第2油圧クランプ1882が挿入される一対の穴18423が形成されている。一方、支持部18421は、ブロック状に形成され、下面に第2カッター1846が回転自在に取り付けられている支持部本体18424と、この支持部本体18424の後端部に一体形成され、板状で上下幅の薄い空気導入部18425と、を備えている。空気導入部18425には上下方向に延びる貫通孔18426が形成され、この貫通孔18426には接続カプラ18427が設けられている。
この接続カプラ18427には、図14に示すように、第2支持ブロック1862に設けられた接続カプラ18621が嵌め込まれるようになっている。そして、第2支持ブロック1862の接続カプラ18621には、第2支持ブロック1862を上下方向に貫通する通路を介して空気供給パイプ18622が接続されている。上述したように、第2支持ブロック1862と第2基部1841とは、第2油圧クランプ1882を介して着脱自在に接続されているが、両者が接続されているときに、空気供給パイプ18622からの空気が、両接続カプラ18621、18427を介して、空気導入部18425に導入される。
そして、この第2基部1842に取り付けられる第2吸引ブロック42は、次のように構成されている。図16に示すように、この第2吸引ブロック42は、固定板421とブロック本体422とを備えている。ブロック本体422は、支持部18421の側面に隣接する直方体状の第1部4221と、この第1部4221に連結され空気導入部18425の下側に重合配置される平面視三角形状の第2部4222とが一体的に形成さている。そして、上述した固定板421は第1部4221の前端面に備えられ、第1部4221の前端面に固定されており、固定板421と第2部4222とが第1部4221を挟んで対向するように配置されている。これにより形成される固定板421と第2部4222との隙間に、第2基部1842の支持部18421が嵌め込まれている。このとき、固定板421は、第2カッター1846の直上に配置される。
図14及び図15に示すように、第2吸引ブロック42の内部には、第1部4221及び第2部4222を貫通する吸引流路423が形成されており、この吸引流路423は第1部4221の前端面及び第2部4222の後端面に開口している。そして、第1部4211の前端面の開口が切粉の吸引口4231を構成し、第2部4222の後端面の開口が切粉の排出口4232を構成する。吸引口4231は、固定板421に形成された貫通孔を介して露出している。また、この吸引流路423の途中には、空気が供給される空気供給路424が連結されている。空気供給路424は、第2吸引ブロック42の内部で水平方向に延び、第2部4222の上面に開口(424a)している。そして、この開口424aは、空気導入部18425の貫通孔18426と一致している。空気導入部18425の貫通孔18426より導入された空気が、空気供給路424を通過して吸引流路423に合流した後、排出口4232へ流れる向きとなるように、排出口4232直前には、フロー制御バルブFVが装着される。該バルブFVは筒状で外周面から内周面にかけて貫通する複数の斜通路(図示せず)を有し、この斜通路に空気を通すことで排出口4232に向けて空気の流れが指向され、吸引流路423における吸引口4231側には負圧が生じる。そのため、吸引流路423には、吸引口4231から排出口4232へ向かう空気の流れが形成される。
また、固定板421の前面には、板状に形成された内壁部材4251と外壁部材4252が固定されている。図14に示すように、内壁部材4251は、排出口4232の下側に配置され水平方向に延びる水平部と、水平部の先端から垂直方向に延びる垂直部とで断面L字型に形成されている。水平部は、固定板421から第2カッター1846の径方向外方まで延びており、垂直部は第2カッター1846の外周縁に沿って円弧状に延びるように形成されている。そして、垂直部の下端は、第2カッター1846の下面とほぼ同じ位置まで延びている。一方、外壁部材4252は、排出口4232の上側に配置され水平方向に延びる水平部と、水平部の先端から垂直方向に延びる垂直部とで断面L字型に形成されている。水平部は、固定板421からやや下方に傾斜しつつ、内壁部材4251の水平部を越えて第2カッター1846の径方向外方まで延びている。また、垂直部は、内壁部材4251の垂直部よりも径方向外方に配置されており、第2カッター1846の外周縁に沿って円弧状に延びるように形成されている。そして、垂直部の下端は、第2カッター1846の下面とほぼ同じ位置まで延びている。このように形成された内壁部材4251及び外壁部材4252の各々の水平部は、吸引口4231を挟むように配置されており、さらに、外壁部材4252の水平部両側端には、内壁部材4251の両側部を覆う側壁部材が一体形成され、吸引ノズル425を構成している。すなわち、内壁部材4251の垂直部の下端と外壁部材4252の垂直部の下端とで、第2カッター1846の外周縁に沿う円弧状のノズル425の開口を構成している。そして、内壁部材4251と外壁部材4252との間に形成される空間を介して、第2吸引ブロック42の吸引口4231へ切粉が吸引される。
以上の構成により、カッター1846による被加工歯車の一側面のバリ及び余肉除去加工時には、空気供給パイプ18622からの空気が、第2吸引ブロック42の空気供給路424を介して、排出口4323へ流れ込み、これによって吸引流路423の吸引口4231側には負圧が生じる。その結果、カッター1846による加工で生じた切粉がノズル425から吸引される。吸引された切粉は、吸引流路423に流れ込み、その後、空気供給路424からの空気の流れに沿って排出口4232から排出される。以上のような第2基部1842、第2支持ブロック1862、及び第2吸引ブロック42の構成は、上下が反転しただけで、第1基部1841側でも同じ構成であり、第1カッター1843により生じた切粉は、吸引ノズル415より第1吸引ブロック41内の吸引流路に流れ込み、排出口4132から排出される。
図13に示すように、第2支持ブロック1862には、取付ステー432を介して、L字型の第2案内パイプ442が取り付けられており、この第2案内パイプ442の上端側の開口が、第2吸引ブロック42の排出口4232と対向するように配置されている。したがって、排出口4232から排出された切粉は、第2案内パイプ442へ流れ込むようになっている。但し、第2案内パイプ442の上端側の開口と、第2吸引ブロック42の排出口4232との間にはわずかな隙間が形成されており、接続されていない。これにより、カッター1846の交換時には、第2案内パイプ442は残したまま、第2吸引ブロック42を第2基部1842とともに、第2支持ブロック1862から容易に取り外すことができる。
一方、第1支持ブロック1861にも、第1案内パイプ441が取付ステー431を介して取り付けられている。この第1案内パイプ441は、上下方向に延びる断面矩形状のパイプであり、上下方向の途中に第1吸引ブロック41の排出口4132と対向する流入路4411が連結されている。流入路4411は、排出口4132とは接続されておらず、わずかな隙間をあけて対向している。その理由は、上述したとおりであり、カッター1843の交換時に、第1案内パイプ441は残したまま、第1基部1841が、第1吸引ブロック41とともに、第1支持ブロック1861から容易に取り外せるようにするためである。また、第1案内パイプ441の上端部は開口しており、この開口には、第2案内パイプ442の下端部が挿入可能となっている。より詳細には、ワークWを加工するために、第1基部1841と第2基部1842とが近接した場合には、第1案内パイプ441に第2案内パイプ442が挿入される。これにより、加工時には、第1及び第2吸引ブロック41,42の双方から吸引された切粉が、第1案内パイプ441に集合排出される。なお、第1案内パイプ441の下端部は、下方に向いており、第1案内パイプから下方へ排出された切粉は、図11に示すように、除去加工ユニット18の下方にある切粉排出穴48に向かって投下され図外のダストボックス内に集められる。
なお、第1基部1841と第1吸引ブロック41が本発明の第1カッター支持体に相当し、第2基部1842と第2吸引ブロック42が本発明の第2カッター支持体に相当する。
次に、除去加工具184の交換について説明する。取り外し可能な除去加工具184は、主軸ユニット12に取り付けられる除去加工具用治具Rに引き渡し可能となっており、新しい除去加工具に交換することができる。この点について、図18も参照しつつ説明する。図18は除去加工ユニットの動作を説明する平面図である。図12及び図18に示すように、除去加工具用治具Rは、上述した主軸ユニット12のチャック部120に取り付けられるものであり、ワーク用治具Zの固定部Z1と同一構成の固定部R1を有している。固定部R1の上端には、支持部R2が設けられ、この支持部R2に、面取り加工具の基材を挟持する一対の把持アームR3が取り付けられている。これら把持アームR3は、除去加工具184の各係合部18441,18451の環状溝を挟持するものであり、水平方向に所定間隔をおいて配置されている。各把持アームR3の構成は、面取り加工用治具Uの把持アームU3とほぼ同じであるため、説明を省略する。
除去加工具184を除去加工具用治具Rに引き渡すときは、まず、図18(a)に示すように、主軸ユニット12に除去加工具用治具Rを配置する。この状態で、モータ1811によりボールねじ181を回転させ、ナット1812、両押圧ロッド182、第1及び第2連結棒1821,1823を主軸ユニット12方向に前進させ、支持プレート1831,1832を揺動軸185を中心として紙面反時計まわりに揺動させる。これにより、図18(b)に示すように、除去加工具用治具Rの両挟持アームR3に、除去加工具184の各係合部18441,18451がそれぞれ係合する。このとき、両挟持アームR3に固定されるのは第1基部1841の両係合部18441,18451であるが、第2基部1842は、両突出部18442,18452により第1基部1841上に載置された状態となっているため、第2基部1842も除去加工具用治具Uに支持された状態となる。その後、図12(b)に示すように、両油圧クランプ1881,1882を解除し、両駆動シリンダ1871,1872を駆動して、各支持ブロック1861,1862をそれぞれ各基部1841,1842から離間させる。これにより、除去加工具184が除去加工ユニット18から離脱する。この状態で、モータ1811を逆回転すれば、支持プレート1831,1832が揺動し、初期状態に復帰する。
続いて、交換装置について説明する。図2に示すように、交換装置2は、基台11に固定される筒状の基部21と、この基部21に挿通される昇降ロッド22を有しており、これらは主軸ユニット12と隣接して配置されている。交換装置2の基部21の下端部は、頂部112に固定されており、ここから上方へ延びている。昇降ロッド22は、基部21の内部で軸周りに回転可能で、且つ昇降可能であり、その下半分にはスプライン加工が施されたスプライン部221を構成している。そして、このスプライン部221が基部21の下端から基台11の内部空間111へ延び、その下端部には、スイベルジョイント23が回転可能で、かつ軸方向移動不能に取り付けられている。昇降ロッド22の内部には、4つの貫通孔(図16参照)が軸方向に形成されており、スイベルジョイント23を介して4つの貫通孔にエアが供給されるようになっている。
次に、昇降ロッド22を上下方向に移動させる移動機構について説明する。まず、スイベルジョイント23の側面には固定部材231を介して第1油圧シリンダ24のピストン部が取り付けられており、さらに、この第1油圧シリンダ24の下端には、第2油圧シリンダ25のピストン部が取り付けられている。両油圧シリンダ24,25の各ピストン部は、上下方向に伸縮するように構成されており、第2油圧シリンダ25の下端部が第2頂部1122から垂下させた取付ステーに固定されている。このような2つの油圧シリンダ24,25により、昇降ロッド22は、上下方向に3つの位置を取り得る。すなわち、第1及び第2油圧シリンダ24,25がともに縮んだ第1の位置、第2油圧シリンダ25が伸長し第1油圧シリンダ24が縮んだ第2の位置、及び第1及び第2油圧シリンダ24,25がともに伸長した第3の位置、の3つの位置を取り得る。
続いて、昇降ロッド22を軸周りに回転させるための回転機構について、図2及び図19を参照しつつ説明する。図19は、回転機構を下方から見た平面図及び動作図である。昇降ロッド22のスプライン部221には、基部21の下方においてスプラインナット222が螺合しており、このスプラインナット222の外周面には歯車が形成されている。また、スプラインナット222には、その約2倍の径の駆動歯車223が噛合している。この駆動歯車223の回転軸224は、基台11の頂部112の下面に取り付けられている。すなわち、駆動歯車223が頂部112の下面から回転自在に吊り下げられた状態となっている。また、駆動歯車223の下面には、平面視円形のカム225が一体的に取り付けられている。このカム225には、径方向に延びる切欠き2251が形成されており、この切欠き2251には後述するカムフォロワー226が係合している。また、カム225の径は、駆動歯車223よりもやや大きく、駆動歯車223の外形よりも径方向に突出した部分にスプラインナット222が支持されている。カム225に隣接する位置には、平面視L字型のリンク部材229が設けられている。このリンク部材229は、頂部112の下面から下方へ延びる回転軸227に回転自在に支持されており、この回転軸227がリンク部材229の屈曲部分に連結されている。リンク部材229の一端部には、上述したカムフォロワー226が取り付けられ、他端部には、油圧シリンダ228が取り付けられている。油圧シリンダ228は、ピストン部2281とこれを収容するシリンダ本体2282によって構成され、シリンダ本体2282は固定部材2283を介して頂部112の下面に固定されている。また、ピストン部2281の先端は、リンク部材229の他端部に揺動自在に取り付けられている。
図19(a)に示すように、油圧シリンダ228のピストン部2281は初期状態で伸長しており、図19(b)に示すように、ピストン部2281がシリンダ本体2282内に収容されることでリンク部材229が回転軸227周りに約90度揺動する。これに伴って、カムフォロワー226と係合するカム225が約90度回転し、これによってスプラインナット222は昇降ロッド22とともに約180度正回転する。一方、この状態からピストン部2281が伸長すると、昇降ロッド22は、約180度逆回転し、初期状態に復帰する。また、リンク部材229には、初期状態でストッパ220が当接しており、これによって初期状態を維持する。一方、リンク部材229が揺動すると、ストッパ220からリンク部材229が離間し、ピストン部2281の動作端で回転した位置を維持する。
次に、昇降ロッドの上端部に設けられた固定機構について、図20及び図21も参照しつつ説明する。図20は固定機構の平面図であり、図21はこの固定機構を主軸ユニット12側から見た側面図である。この固定機構17は、主軸ユニット12に取り付けられたワークWや治具Zを交換するためのものである。図21に示すように、この固定機構17は、昇降ロッド22の上端部に取り付けられる支持板171を備えている。この支持板171は、初期状態において、一方の面が主軸ユニット12側を向くように配置されている。以下、この面を第1面1711と称し、反対側の面を第2面1712と称することとする。また、支持板171の両面の構成は同じであるため、ここでは図21に示す第1面について説明する。但し、以下では、同一部材であっても、第1面に配置された部材にa,第2面に配置された部材にbを付して説明することがある。
図21に示すように、支持板171の第1面1711には、上下方向の中央付近に水平方向に延びるガイドレール172が取り付けられている。ガイドレール172には、図21の左側に第1アーム支持部材174、右側に第2アーム支持部材175が取り付けられ、それぞれがガイドレール172に沿って水平方向に移動可能となっている。各アーム支持部材174,175の下端部には、棒状のアーム176がそれぞれ取り付けられている。各第1アーム176は、支持板171から水平方向に突出しており、両アーム176によってワークWや治具Zを挟持可能となっている。図20に示すように、各アーム176において互いに対向する面には、平面視三角形状の切欠き1761が形成されており、この切欠き1761によってワークWなどを挟持しやすくなっている。
支持板171において、ガイドレール172の上方にはピニオンギア173が回転自在に取り付けられており、第1アーム支持部材174の上端部には、ピニオンギア173に下側から噛み合うラック1741が水平方向に延びるように設けられている。一方、第2アーム支持部材175の上端部には、第1アーム支持部材174側へ水平方向に延びるラック1751が取り付けられている。このラック1751は、ピニオンギア173に上方から噛み合うように配置され、さらに、支持板171には、このラック1751を挟んでピニオンギア173の上方にガイドローラ177が回転自在に取り付けられている。このようにピニオンギア173を上下から挟むように、各アーム支持部材174,175にはラック1741,1751が設けられており、これによって各アーム支持部材174,175は互いに近接離間するようになっている。
また、支持板171の上端部には、ピストン部1781と、このピストン部1781を収容するシリンダ本体1782とで構成された複動型のエアシリンダ178が取り付けられている。具体的には、ピストン部1781の進退方向がガイドレール172と平行に延びるようにシリンダ本体1782が支持板171に固定され、ピストン部1781の先端が第2アーム支持部材175に固定されている。これにより、ピストン部1781の進退とともに、第2アーム支持部材175がガイドレール172に沿って水平方向に移動し、これと同期して第1アーム支持部材174も移動する。これに伴って、上述したように、両アーム176は互いに近接離間するようになっている。なお、両アーム176が最も離れたとき、両者の距離は、治具Zの最大径またはワークWよりも大きく、治具Zに干渉しないようになっており、両アーム176が近接したときには、後述するように、治具Zの環状溝Z12またはワークWを挟持するようになっている。
上述したように、昇降ロッド22の内部には、4つの貫通孔が形成されているが、図21に示すように、この貫通孔179i〜179ivは、支持板171の内部に形成された4つの流通路1710に連通している。そのうちの2つ179i,179iiは、流通路1710及び連結チューブ(図示省略)などを介して、支持板171の第1面1711に設けられたエアシリンダ178aに接続され、残りの2つは、同様に流通路1710及び連結チューブ(図示省略)などを介して、支持板171の第2面1712に設けられたエアシリンダ178bに接続されている。すなわち、各エアシリンダ178a,178bには、4つの流路からエアが供給され、上述したように複動式のエアシリンダとして機能する。
また、昇降ロッド22の上下方向の位置と、アーム176との関係は以下の通りである。図2も参照して説明する。すなわち、昇降ロッド22が最も低い第1の位置にあるとき、アーム176は、治具Zの環状溝Z12と対向する位置に配置され、両アームが近接することでアームが環状溝Z12に係合し、治具Zを挟持することができる。次に、第2の位置にあるときは、アーム176は、治具Zに取り付けられたワークWと対向する位置に配置される。これにより、アーム176によってワークWを挟持可能になる。そして、第3の位置にあるときは、アーム176はワークWよりも上方で、両アーム176が近接してもワークWとは干渉しない位置に配置される。なお、上述した各機構の操作は、図示を省略する制御部によって行われ、次に説明するように動作する。
次に、上記のように構成された歯車加工装置及び交換装置の動作について、図22〜図26を参照しつつ説明する。まず、加工装置1の主軸ユニット12に治具Zが取り付けられていない状態で、スイベルジョイント16から可動ロッド128内にエアを注入する。このエアは、可動ロッド128及び回転スリーブ122の流通路を介して、主軸ユニット12の先端にあるチャック部120の上面から噴射され、チャック部120の上面のゴミを吹き飛ばすと共に治具Zの着座確認を待ち受ける。このようにエアの噴射を継続した状態で、治具Z及びワークWの取り付けを行う。
ワークWの加工準備段階として最初に、図22(a)に示すように、支持板171の第1面1711を主軸ユニット12とは反対側に向け、第3の位置(3)において、ロボットアームなどの搬送装置(図示省略)を介して、アーム176aに治具Zを挟持させる。そして、回転機構により、支持板171を180度回転させ、図22(b)に示すように、第2面1712が主軸ユニット12と対向するようにする。次に、図22(c)に示すように、支持板171を降下させ、アーム176bに挟持された治具Zを主軸ユニット12のチャック部120に装着する。すなわち、治具Zの装着前は、油圧シリンダ153を駆動して、可動ロッド128を上昇させ、チャック部120が治具Zを装着可能な状態とする。そして、治具Zの装着後は、油圧シリンダ153を駆動し、可動ロッド128を降下させる。これにより、チャック部120が治具Zを径方向外方に押圧し、治具Zがチャック部120に固定される。そして、チャック部120の上面への治具Zの着座が確認される。これに続いて、治具にワークを取り付ける。
まず、両アーム176aを開いてアーム176aを治具Zから離した後、支持板171を上昇させ、両アーム176a、176bを第3の位置(3)に配置する。このとき、上述したロボットアームなどを介して、支持板171の第2面1712にあるアーム176bにワークWを挟持させる。これに続いて、支持板171を180度回転させ、図23(a)に示すように、第2面1712を主軸ユニット12に対向させる。この状態で、図23(b)に示すように、支持板171を下降させ、ワークWを挟持したアーム176bを第2の位置(2)に配置する。これにより、ワークWの中心穴に治具Zの挿通軸部Z3が挿通される。これに続いて、両アーム176bを開いてワークWから離した後、支持板171を下降させ、図23(c)に示すように、アーム176a、176bを第1の位置(1)に配置する。続いて、心押しユニット13の心押し部132を下降させ、押圧部材1321で治具Zの挿通軸部Z3を押圧すれば、挿通軸部Z3が径方向外方にワークWの中心穴を押圧し、ワークWが治具Zに固定される。
上記の準備作業の後、またはこの作業と並行して、面取り加工具144の選択を行う。すなわち、図24に示すように、主軸ユニット12に固定されたワークWに対応した面取り加工具144を選択し、面取り加工ユニット14のモータ1425を駆動して加工具支持部143を回転させ、選択した加工具144をワーク加工位置に配置する。この状態で、面取り加工ユニット14のモータ1414を駆動し、面取り加工具144をワークWに向けて前進させる。そして、面取り加工具144の面取り部材1442をワークWに噛み合わせ、主軸ユニット12を回転させつつ、面取り加工具144をワークWに押しつけて、面取り加工を行う。同時に、除去加工ユニット18のモータ1811を駆動し、除去加工具184を矢印方向に揺動させる。そして、除去加工具184により、ワークWの両側面に生じるバリや余肉を削り取る。このとき、両カッター1843,1846を近接させるように、ワークWに対して押しつけて加工を行う。また、切粉排出機構を駆動して、加工により生じた切粉を吸引する。こうして、図24に示すように、面取り加工と除去加工を所定時間行い、加工を完了させた後、面取り加工具144及び除去加工具184をそれぞれワークWから離間させる。その後、主軸ユニット12の駆動を停止させ、図5に示す初期状態に復帰させる。
なお、加工対象のワークWを径の異なるものとする場合のバリや余肉の除去加工は、除去加工ユニット18のモータ1811を制御して除去加工具184の揺動量を適切に調整し、除去加工具184の位置をワークWに対して近接離間させることで、歯部側面の重合摺接状態を維持でき、バリ及び余肉除去を継続できる。
ワークWへの加工が終了すると図23(c)の状態で、心押し部132を上昇させると、挿通軸部Z3とワークWとの固定状態が解除され、ワークWがワーク用治具Zから取り外し可能な状態となる。続いて、アーム176bを第2の位置(2)に移動させた後、両アーム176bを閉じてワークWを挟持する。そして、アーム176bを上昇させ、第3の位置(3)に配置する。このとき、支持板171の第1面1711のアーム176aには次に加工を行うワークWをロボットアーム(図外)を介して挟持させておく。そして、支持板171を180度回転させ、アーム176bに挟持された加工後のワークWを、そこで待機しているロボットアーム(図外)で取り外し、新たなワークWをアーム176bに挟持させ、この新たなワークWに対しても、上述した工程で、加工を施す。
上記のように、ワークWの加工と交換を繰り返した後、異種のワークを加工する場合にはワーク用治具Zの交換も行う。ワーク用治具Zの交換はワークWの交換と同じであり、例えば、アーム176aを第1の位置(1)に移動させて治具Zを挟持し、チャック部120から取り外す。そして、第3の位置(3)までアーム176aを上昇させた後、支持板171を回転させる。このとき、第2面1712のアーム176bには新たなワーク用治具Zが挟持されており、支持板171が回転した後、アーム176bを第1の位置(1)まで下降させ、チャック部120に新たなワーク用治具Zを取り付ける。こうして、ワーク用治具Zの交換が行われると、この治具Zに対応したワークWを取り付け、加工を行う。
次に、面取り加工具の交換について説明する。まず、治具Uの交換を行う。すなわち、主軸ユニット12に取り付けられたワーク用治具Zを取り外し、主軸ユニット12に面取り加工用治具Uを取り付ける。このときの手順は、ワーク用治具Zの交換と同じであり、新たなワーク用治具Zの代わりに面取り加工用治具Uを交換装置2により主軸ユニット12に取り付ける。続いて、上述したように、交換すべき面取り加工具144をワーク加工位置に配置した後、これを、図10に示すように、主軸ユニット12に取り付けられた面取り加工用治具Uに近接させる。そして、上述した手順で面取り加工用治具Uに面取り加工具144を取り付けた後、加工具支持部143をワーク加工位置から後退させる。このとき、ワークWと反対側にある交換装置のアーム176には、新たな面取り加工具144が取り付けられた面取り加工用治具U’を取り付けておく。その後、図25(a)〜図25(c)に示すように、取り外された面取り加工具144が装着された治具Uと、新たな面取り加工具が装着された治具U’とを交換し、新たな治具U’を主軸ユニット12に取り付ける。この後の手順は、図10で示した面取り加工具用治具Uに面取り加工具144を取り付けるのとは反対の手順を行えばよい。すなわち、押圧シリンダ146を駆動させて固定片1451が凹部1431を開放した状態にした後、加工具支持部143を面取り加工具用治具Uに近接させる。そして、開放された凹部1431に新たな面取り加工具144の固定片1444を係合させる。次に、押圧シリンダ146の駆動を停止し、固定片1451によって凹部1431を覆い、凹部1431から固定片1444が抜けないようにする。この状態で、加工具支持部143を治具Uから後退させれば、加工具144は、治具UのバネU32に抗して治具Uから取り外される。こうして、加工具支持部143に新たな加工具144が装着される。
除去加工具の交換も面取り加工具の交換と同じ手順で行われる。まず、主軸ユニット12に除去加工具用治具Rを取り付ける。次に、上述したように、この治具Rに除去加工具184を装着する。続いて、図26(a)〜図26(c)に示すように、取り外された除去加工具184が装着された治具Rと、新たな除去加工具184が装着された治具R’とを交換し、新たな治具R’を主軸ユニット12に取り付ける。この後の手順は、除去加工具用治具Rに除去加工具184を取り付けるのとは反対の手順を行えばよいので、詳しい説明は省略する。
以上のように、本実施形態によれば、各カッター1843,1846の径方向外方に、カッターの周縁に沿って配置したノズル415,425により、切粉を吸引するようにしているため、加工時に発生した切粉を加工部位から確実に除去することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
切粉吸引機構のノズル415,425の構成は特には限定されず、少なくともノズルの開口がカッターの径方向外方に配置され、カッターの外縁に沿う形状であれば、特には限定されない。但し、厳密にカッターの外縁に沿う形状でなくてもよく、切粉の吸引ができる程度に、カッターの外縁に沿っていればよい。
吸引のための機構も、上記実施形態では、空気供給路424からの空気の圧送により吸引流路423内に負圧を生じさせたが、空気の経路は特には限定されない。また、負圧を生じさせて間接的に吸引するのではなく、直接吸引するような構成でもよい。
ワーク用治具Zの構成は、特には限定されず、例えば、次のように構成することができる。この例は、ワークWの着座確認を行うための機構である。図27は、主軸ユニット12にワーク用治具Zを取り付けているときの断面図である。同図に示すように、ワーク用治具Zの上端部には、ワークWの貫通孔W1に挿入される挿通軸部Z3が取り付けられており、この挿通軸部Z3の基端部周縁に空気が排出される空気排出口52が形成されている。この空気排出口52は、ワークWが正しくワーク用治具Zに装着されたときには、ワークWの貫通孔W1を形成するボス部の下端面により塞がれるような位置に形成されている。そして、この空気排出口52に通じる空気の第1流路521は、治具Zの下方へと延び、チャック部120が挿入される開口Z11に通じている。また、この開口Z11から治具Zを貫通する第2流路522が形成されている。第2流路522は、下方へ傾斜して延び、治具Zの外周面に開口している。そして、この開口が空気導入口53となっており、接続カプラ531が取り付けられている。
また、主軸ユニット12の側方には、治具Zの空気導入口53へ空気を導入するための空気導入装置6が取り付けられている。この空気導入装置6は、空気を供給する導入ブロック61を備えており、この導入ブロック61が水平方向へ移動自在に支持されている。導入ブロック61には、図示を省略する空気供給源より空気供給パイプが連結されている。また、導入ブロック61の後端部には、エアシリンダ62の可動部が連結されており、このエアシリンダ62を駆動することで、導入ブロック61が治具Zの空気導入口53に対して近接離間するようになっている。また、導入ブロック61において、空気導入口53と対向する面には、空気排出口63が形成されて、ここに接続カプラ631が取り付けられている。すなわち、導入ブロック61が治具Zに近接すると、空気排出口63の接続カプラ631と、空気導入口53の接続カプラ531が接続されるようになっている。
また、導入ブロック61の下方には空気を排出する排出パイプ64が取り付けられており、排出パイプ64の先端が治具Zの空気導入口53に向けられている。この排出パイプ64から排出される空気は、空気導入口53に異物が混入しないように、吹き付けられるものである。
以上のような構成により、加工前にチャック部120にワーク用治具Zが固定されると、空気導入装置6のエアシリンダ62が駆動し、導入ブロック61が治具Zに向かって前進する。これにより、空気排出口63の接続カプラ631と、空気導入口53の接続カプラ531とが接続される。これに続いて、導入ブロック61から空気が治具Z内に導入される。この空気は、治具Zの第2流路522、開口Z11、及び第1流路521を介して、空気排出口52から排出される。そして、ワークWが治具Zに正確に着座した場合には、空気排出口52が閉じられるため、空気導入の圧力が変化する。この圧力変化を空気の供給源で検知し、これが所定値以上であれば、ワークWが正確に治具Zに着座したと判断し、加工を開始する。一方、圧力変化が所定値以内であれば、ワークWが正確に治具Zに着座していないと判断し、着座の点検を行う。
なお、空気を導入するための経路は、上記のものに限定されず、治具Z内のみを通過して空気排出口52から空気が排出されてもよい。
また、図28に他の例を示す。この例は、軸方向に長い歯車W’を加工する場合の例であり、治具Z’の上部の構成が図27の治具Zと相違しているが、空気の排出の構成は同じである。すなわち、治具Z’の上部の中央に、円錐台状の支持部71と、この支持部71上に設けられ、ワークW’の貫通孔W1’に挿通される細い突出部72とを備えている。ワークW’が着座すると、ワークW’の貫通孔W1’に突出部72が挿入されるとともに、ワークW’の貫通孔W1’の周縁部が支持部71の傾斜面によって支持される。また、ワークW’が正確に着座すると、ワークW’の側面(図28では下面)が、治具Z’の上部に形成された空気排出口52を閉じる。これにより、ワークW’の着座確認を行うことができる。
上記実施形態では、面取り加工ユニットと、除去加工ユニットの駆動方法の一例を示したが、これに限定されるものではなく、ワークに近接離間できるように構成されていれば、種々の方法が適用可能である。
除去加工ユニットは、揺動により除去加工具をワークに近接されているが、上記実施形態の面取り加工ユニットと同様に、除去加工具を直線的にワークに近接離間させるように構成することもできる。
上記実施形態では、面取り加工具144の面取り部材1442を2つ設け、除去加工具184のカッター1843,1846も2つ設けているが、これらは一つでもよく、歯車Wの片面の面取りやバリ取りを行うようにしてもよい。
各ユニットの位置は特には限定されない。すなわち、ワークの周囲のいずれかに配置されていればよい。但し、装置をコンパクトにするには、上述したように隣接させるのがよい。
18 除去加工ユニット
184 除去加工具(第2加工具)
1843 第1カッター
1846 第2カッター
413 吸引流路
4131 排出口
415 ノズル
423 吸引流路
4231 排出口
425 ノズル
W ワーク(被加工歯車)

Claims (6)

  1. 被加工歯車の側面のバリ及び余肉除去を行う除去加工ユニットを有する歯車加工装置であって、
    前記除去加工ユニットは、
    円板状の第1カッター及び第2カッターと、
    前記第1カッターと第2カッターとが対向するように、当該第1カッター及び第2カッターをそれぞれ支持する第1カッター支持体及び第2カッター支持体と、
    前記各カッターの周縁の径方向外方に配置するよう第1カッター支持体及び第2カッター支持体に備えられて当該周縁の少なくとも一部に作用する第1ノズル及び第2ノズルと、
    前記第1ノズル及び第2ノズルから切粉を吸引する第1及び第2吸引機構と、
    を備え、
    前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体は、前記第1カッター及び第2カッターの隙間が前記被加工歯車の厚さに対応するように、近接離間可能に構成されている、歯車加工装置。
  2. 前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体を前記被加工歯車に対して近接離間可能に構成すると共に、前記第1ノズル及び第2ノズルは、前記各カッターの周縁方向に沿って延びた円弧状に形成してある請求項1に記載の歯車加工装置。
  3. 前記第1及び第2吸引機構は、
    前記第1カッター支持体及び第2カッター支持体に設けられ、前記第1及び第2ノズルから、それぞれ通じる切粉の吸引流路と、
    当該第1カッター支持体及び第2カッター支持体の外部に開口し、前記各吸引流路を通過した切粉を排出する排出口と、
    を備えている、請求項1に記載の歯車加工装置。
  4. 前記第1及び第2吸引機構は、前記各吸引流路の途中から前記排出口へ向けて負圧用空気を圧送することで、前記各吸引流路内に負圧を生じさせるように構成されている、請求項2に記載の歯車加工装置。
  5. 前記第1カッター支持体を着脱自在に固定する第1支持本体と、
    前記第2カッター支持体を着脱自在に固定する第2支持本体と、
    をさらに備え、
    前記負圧用空気は、前記第1支持本体及び前記第2支持本体から前記各吸引流路へそれぞれ圧送される、請求項3に記載の加工システム。
  6. 前記第1吸引機構は、前記第1カッター支持体の排出口に連結され、切粉を案内する第1案内管を備え、
    前記第2吸引機構は、前記第2カッター支持体の排出口に連結され、切粉を案内する第2案内管を備え、
    前記第1排出管及び第2排出管は連結可能となっている、請求項2から4のいずれかに記載の歯車加工装置。
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