JP2015126585A - 多相電動機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位相誤差と振幅誤差を抑制でき、安定して電流制御を行うことが可能な多相電動機駆動装置を提供する。
【解決手段】複数相の巻線を有した多相電動機1と、複数台の単相インバータ21、・・・2Nと、上位制御装置3とで構成する。単相インバータ21は、電流検出器51と、制御装置6を具備する。制御装置6は、電流振幅指令を2軸の指令に展開する電流指令演算手段61と、実電流の振幅と等しく、実電流の位相と直交する仮想余弦波を生成する仮想余弦波生成手段と、実電流と仮想余弦波を用いて直交回転座標変換する直交回転座標変換手段68を有し、電流指令演算手段61によって得られた2軸の電流指令に、直交回転座標変換手段68によって得られた2軸の電流成分が夫々追従するように電流制御を行なうと共に、直交回転座標変換手段68の基準位相は、多相電動機1の各巻線の位相差に応じて、各々の単相インバータで個別にシフトした位相角を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、安定した電流制御を行なうことのできる多相電動機駆動装置に関する。
多相電動機は、各巻線の相互間が電気的に絶縁されており、単相インバータを各巻線に接続して交流電力を供給することで駆動する。各々の単相インバータに用いる電流制御手法は、電動機の各巻線に流れる実電流をフィードバックし、交流の電流指令と実電流との偏差を電流制御器にて比例積分制御等の電流制御を行ない、電圧基準を得ることで実現する。
単相インバータでの交流電流指令による電流制御方法として、速度制御器からの電流振幅指令を回転子と同期した各相の電流パターン(正弦波または矩形波)と乗算器で乗算して電流指令を得、電流検出器で検出された実際の電流信号が電流指令と一致するように、その偏差に応じてインバータの電圧指令を与えることが行われていた(例えば特許文献1参照。)。
また、直交回転座標に座標変換(DQ変換)することを利用した電流制御方法として、位置検出器で検出された回転子位置と、電動機電流とから、D軸電流とQ軸電流を算出し、これらの電流と各々の電流指令との夫々の偏差が最小となるように2軸の電圧指令を得、これを逆変換して電動機に与える電圧指令を算出する手法があった(例えば特許文献2参照。)。
特開平8−242587号公報(全体) 特開2005−269818号公報(全体)
特許文献1に示された手法によれば、インバータを用いた多相電動機駆動装置において、電流指令が交流であるため定常的に電流指令と実電流の間に位相誤差と振幅誤差が発生する。この誤差を極力小さくするため、電流制御器の応答ゲインを上げる手法はあるが、誤差を完全に無くすことはできず、応答ゲインを上げすぎると制御が発振して不安定になる問題がある。位相誤差と振幅誤差が発生すると電流指令どおりに電流が流れないため、トルクリプルが大きくなり、多相電動機駆動装置の振動や騒音が大きくなる問題がある。また振幅誤差が発生して電流指令よりも実電流が高くなれば、過大な電流が流れてしまう問題がある。
また、特許文献2においては、全単相インバータの実電流を一括して直交回転座標上にDQ変換しており、このため、多相電動機を駆動する複数の単相インバータの内、何台かが停止したとき制御が不安定になる問題がある。また、全単相インバータの実電流を共通の制御装置に実電流の信号を送る必要があり、装置が複雑となるばかりでなく、信号の伝達遅れによる不安定現象が発生する問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、位相誤差と振幅誤差を抑制でき、安定して電流制御を行うことが可能な多相電動機駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の多相電動機駆動装置は、互いに絶縁された複数相の巻線を有する多相電動機と、前記各巻線に各々接続され、交流電力を出力する複数台の単相インバータと、前記単相インバータに電流振幅指令を与える上位制御装置から構成され、前記単相インバータは、前記巻線に流れる実電流を検出する電流検出器と、前記電流振幅指令に基づいて巻線に流す電流を制御する制御装置を具備し、前記制御装置は、前記電流振幅指令を直交回転座標上の2軸の電流指令に展開する電流指令演算手段と、前記電流振幅指令または前記実電流の振幅と等しく、且つ前記電流振幅指令または前記実電流と直交する位相を持つ仮想余弦波を生成する仮想余弦波生成手段と、前記実電流と前記仮想余弦波を用いて直交回転座標変換する直交回転座標変換手段を有し、前記電流指令演算手段によって得られた2軸の電流指令に、前記直交回転座標変換手段によって得られた2軸の電流成分が夫々追従するように電流制御を行なうと共に、前記直交回転座標変換手段の基準位相は、前記多相電動機の各巻線の位相差に応じて、各々の前記単相インバータで個別にシフトした位相角を用いることを特徴としている。
本発明によれば、位相誤差と振幅誤差を抑制でき、安定して電流制御を行うことが可能な多相電動機駆動装置を提供できる。
本発明の実施例1に係る多相電動機駆動装置のブロック構成図。 多相電動機の誘起電圧と電流の位相関係を説明する図。 実施例1における電流ベクトルの位相関係を示す図。 制御D軸、制御Q軸で回転座標変換した場合の電流ベクトルの位相関係を示す図。 本発明の実施例2に係る多相電動機駆動装置のブロック構成図。 本発明の実施例3に係る多相電動機駆動装置の上位制御装置のブロック構成図。 力率1達成のための電流進み角を示すベクトル図。 埋め込み磁石型同期電動機の電流ベクトルと等トルク曲線を示す図。
以下、この発明の実施例を、図面を参照して説明する。
図1は実施例1に係る多相電動機駆動装置の全体を示すブロック構成図である。多相電動機1は、各相を構成する複数個の巻線を備えており、各巻線の相互間が電気的に絶縁されている。これらの、各々の巻線に単相インバータ21、22、・・・2Nの出力を接続して交流電力を供給することによって多相電動機1が駆動される。本実施例では、多相電動機1の界磁を永久磁石型として説明しているが、電磁石型であっても励磁の磁極方向を永久磁石型の磁石方向に置き換えれば実現可能である。
共通に設けられた上位制御装置である速度制御装置3は、多相電動機1が速度指令に応じた回転速度となるように電流振幅指令を各単相インバータ21、22、・・・2Nに送る。そして各単相インバータ21、22、・・・2Nは、電流振幅指令に応じた交流電流を多相電動機1の巻線に流す。多相電動機1の軸に取り付けた回転角度検出器4によって機械角を検出し、速度制御装置3に入力する。この機械角を速度検出回路31で微分することによって実速度を演算する。そして減算器32によって、速度指令と実速度との速度偏差を求め、速度制御器33に入力する。速度制御器においては、速度偏差が最小となるように比例積分制御などを行なって、電流振幅指令を出力する。電気角演算回路34では、多相電動機1の極数に応じて機械角から電気角を演算し、この電気角を各単相インバータ21、22、・・・2Nに出力する。また、電流位相演算回路35は、電流振幅指令またはそのトルク成分に応じて最適な多相電動機1の巻線電流の電流進み角を演算し、この電流進み角を各単相インバータ21、22、・・・2Nに出力する。例えば多相電動機1の端子電圧と巻線電流と力率を所望の値とするため、誘起電圧位相に対して電流進み角を変化させる。この詳細については実施例3で説明する。
次に各単相インバータ21、22、・・・2Nの内部構成について説明する。複数台の単相インバータは基本的に同一構成であるので、単相インバータ21についての説明を行う。単相インバータ21はインバータ主回路5と制御回路6とで構成される。インバータ主回路5は直流電源をスイッチング素子のブリッジ回路で交流に変換して出力し、多相電動機1の対応する巻線を駆動する。インバータ主回路5の出力には電流検出器51が設けられ、この検出電流は制御回路6に与えられる。
以下、制御回路6の内部構成について説明する。速度制御装置3から与えられた電流振幅指令は電流指令演算器61に入力される。電流指令演算器61では、この電流振幅指令を、電流進み角を基準位相として真D軸方向のD軸電流指令と、これとは直交する成分である真Q軸方向のQ軸電流指令に直交回転座標上に展開する。すなわち、この電流振幅指令を真Q軸から電流進み角分位相の進んだ電流指令ベクトルと見做し、その電流指令ベクトルを真D軸と真Q軸に投影する。ここで、多相電動機1の界磁極である永久磁石の磁束ベクトルの方向を真D軸、それと直交する界磁極による誘起電圧ベクトルの方向を真Q軸としている。すなわち、多相電動機1の巻線に流す電流のベクトル方向は真Q軸より電流進み角だけ位相を進めた方向となる。この位相関係を図2及び図3に示す。図2は、(a)に誘起電圧波形を、(b)にその位相を、(c)に電流波形を、そして(d)に電流位相を示している。これにより、誘起電圧位相に対し、電流位相は電流進み角分だけ進んだ位相となっていることが分かる。これをDQ直交回転座標で表わすと図4が得られる。すなわち、Q軸電流と同相の誘起電圧に対し、電流指令ベクトルは電流進み角分だけ位相が進んでいる。尚、図3に示すベクトル図は、以下に説明するように指令通りに制御された実運転状態も示しているので、この場合電流指令ベクトルは、実電流も示す意味で単に電流ベクトルと呼称する。
電流指令演算器61の出力であるD軸電流指令とQ軸電流指令は、夫々減算器62と減算器64によって直交座標変換器68から与えられるD軸電流及びQ軸電流と比較され、その各々の偏差がD軸電流制御器63及びQ軸電流制御器65に夫々与えられる。D軸電流制御器63及びQ軸電流制御器65においては、夫々の入力偏差が最小となるように個別に比例積分制御等を行い、D軸電圧指令及びQ軸電圧指令を夫々出力し直交座標逆変換器66に与える。直交座標逆変換器66においては、与えられたD軸電圧指令及びQ軸電圧指令を、DQ位相θを基準位相として直交座標逆変換を行い、得られた電圧指令をPWM回路67に入力する。この場合、以下に説明するようにA軸に入力した実電流を同一のDQ位相θを用いて直交座標変換と逆変換を行っているので、この電圧指令は実電流と同位相のA軸分のみとなる。PWM回路67では電圧指令と三角波キャリアとの比較によるパルス幅変調を行ない、ゲートパルス信号を生成してインバータ主回路5に送り、単相インバータ21の出力電圧を制御する。
ここで、直交座標変換について簡単に説明する。直交座標変換器68は、入力端子としてA及びB、出力端子としてDとQを有し、DQ位相θを基準位相として、以下の(1)及び(2)式によって直交固定座標から直交回転座標への座標変換(DQ変換)を行なう。
D=Acosθ+Bsinθ (1)
Q=−Asinθ+Bcosθ (2)
そして、直交座標逆変換器66は同じDQ位相θを基準位相として、以下の(3)及び(4)式によって直交回転座標から直交固定座標への座標変換(逆DQ変換)を行なう。
A=Dcosθ−Qsinθ (3)
B=Dsinθ+Qcosθ (4)
また、DQ位相θは以下のように決める。
まず、多相電動機1の各巻線の電気的な位相は、多相電動機1の設計に応じて一定の位相差を有しているため、各巻線すなわち各相に通電すべき電流の位相は、相毎にこの位相差分だけずれた波形となる。例えば相数が20の典型的な多相電動機の場合、位相差=360/20=18度となり、18度ずつ位相をずらした電流を各相に通電すればよいことになる。従って、速度制御装置3の電気角演算回路34から与えられた電気角に対して、相間位相差補正回路70で定められた単相インバータ21特有の補正位相を加算器69によって加算することにより誘起電圧位相を求め、これを基準のDQ位相とする。ただし、この実施例1の場合、加算器71によって誘起電圧位相をπだけ進めて基準のDQ位相としている。これは一般的な3相インバータのDQ変換に用いる演算手法と符号を合わせるためである。
次に、直交座標変換器68の入力について説明する。直交座標変換器68のA端子には電流検出器51で検出された交流量である実電流が与えられる。そして直交座標変換器68のB端子には、この実電流の指令値である電流指令ベクトルと大きさが等しく直交する位相を有する電流を与える。このため、加算器71の出力であるDQ位相に対し、加算器72によって電流進み角を加算し、その余弦(cos)を余弦演算器73でとり、その出力をD軸電流指令及びQ軸電流指令から振幅演算器74によって得られる電流指令振幅と乗算器75によって掛け合わせることによって仮想余弦波を生成する。仮想余弦波は電流指令ベクトルの振幅と等しく、且つ電流指令ベクトルの位相と直交するように求めるようにすれば、上位装置から入力される電流振幅指令を用いるなど他の演算手法でも良い。また、実電流の振幅と位相の情報を用いて仮想余弦波を生成しても構わない。理想的には実電流の振幅と位相を用いる方がよいが、単相交流電流値から振幅と位相の情報を抽出するには、相応の複雑な演算処理が必要になる。良好に制御できている定常状態においては、電流指令ベクトルの振幅と位相で十分代用できるため、電流指令ベクトルを用いる構成とした方が現実的であると言える。
以上の構成において、多相電動機1が同期電動機の場合は、定常状態においては多相電動機1の回転位相と同期した実電流が各巻線に流れる。多相電動機1が誘導電動機であっても、電動機の回転周波数にすべり周波数を加算して得られる一次側周波数を積分して回転角度を得ることにより、この角度が通電すべき電流の位相角となるため、本実施例と同様の構成により制御することが可能である。また本実施例の電流位相は電流指令ベクトルの位相を用いているが、実電流の位相誤差や変動を補正して求めた位相であっても良い。
この実施例1においては、電流指令演算器61に与える基準位相を電流進み角とした。そして、この場合直交座標変換器68及び直交座標逆変換器66の基準位相であるDQ位相を誘起電圧位相とすることによって、図3に示したように電流指令ベクトルを真D軸と真Q軸に展開し、これらの2軸に対して所謂フィードバック電流制御を行うことが可能となった。
図4は、一般化された制御D軸と制御Q軸の概念を導入し、この制御DQ軸が真のDQ軸に対して回転位相補正角分進んだ位相となっている場合の電流ベクトルの位相関係を示したものである。電流進み角は真Q軸からの電流ベクトルの進み角であるので、この場合電流指令演算器61に与える基準位相は電流進み角から回転位相補正角を減算した位相角となる。そしてこの位相角で電流指令ベクトルを制御D軸と制御Q軸上に展開してD軸電流指令とQ軸電流指令を求める。フィードバック側の電流位相をこれらと合わせる為、直交座標変換器68及び直交座標逆変換器66に与える基準位相であるDQ位相を、与えられた共通の電気角に対して、相間位相差補正回路70で定められた個別にシフトした位相角を加算した誘起電圧位相に、更に回転位相補正角を加算した値とする。このようにして、真D軸と真Q軸とは回転位相補正角分ずれたDQ軸による制御が可能となる。実施例1は、制御DQ軸と真のDQ軸が一致した場合である。また、電流進み角と回転位相補正角が一致した場合については実施例2で述べる。
この実施例1によれば、D軸電流、Q軸電流、及び電流振幅指令の全てが直流量であるため、電流指令ベクトルに対する実電流の位相誤差と振幅誤差は発生しない。位相誤差を抑制できると電流指令ベクトルどおりの実電流を流すことができるため、電流波形を改善し、力率も改善できる。尚、力率改善の詳細については実施例3で述べる。また、各単相インバータで個別にDQ変換するため、全単相インバータの内、何台か停止しても残りの単相インバータで安定した電流制御を行うことにより、運転を継続できる。また、電流制御を各単相インバータ個別で行うため、装置を簡略化できる。更に、特許文献1に示されているような従来の多相電動機駆動装置を本発明の手法に変更する際に制御装置内の回路を変更するだけで済むので、簡単に置き換え可能となる。
図5は本発明の実施例2に係る多相電動機駆動装置のブロック構成図である。この実施例2の各部について、図1の本発明の実施例1に係る多相電動機駆動装置のブロック構成図の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。この実施例2が実施例1と異なる点は、電流指令演算器61を省いた点、これに従い振幅演算器74も省き、Q軸電流指令を直接乗算器75に与える構成とした点、誘起電圧位相に加算器76によって電流進み角を加えて電流位相とし、これを加算器71に加える構成とした点、加算器72を省きDQ位相をそのまま余弦演算器73に加える構成とした点である。
図4において、電流進み角と回転位相補正角を等しく設定すると、電流ベクトルと制御Q軸の方向が一致する。そして、D軸電流指令は常に0となる。電流指令演算器61に与える基準位相は電流進み角から回転位相補正角を減算することによって0となるので、電流指令演算器61は不要となり、電流振幅指令がそのままQ軸電流指令の大きさとなる。そしてD軸電流指令に常に0を与えた状態で制御DQ軸上での制御が可能となる。この場合、図5に示すようにDQ位相θを実施例1で説明した誘起電圧位相に電流進み角を加えた基準位相としてフィードバック側の電流位相を指令側と合わせるようにする。そして、電流指令演算器61が不要となったため加算器72が不要となっている。
この実施例2によれば、D軸電流は常時0に制御すれば良いので、実施例1で述べた効果を維持した状態で制御を簡素化することができる。
図6は図1における速度制御装置3に対応する上位制御装置を一般化して示したものである。上位制御装置3Aには速度指令ではなくトルク指令が入力される。このトルク指令に対応してテーブル36を参照して電流振幅指令を出力する。テーブル36は多相電動機1の諸定数、諸特性のデータが記憶されている。すなわち、トルク指令が与えられたとき、与えられたトルクを実現する他、他の条件にも合致する電流振幅指令を選定してこれを出力する。尚、この場合の電流振幅指令は、DQ軸に分解された電流指令を直接出力するようにしても良い。
電流位相演算回路35は、与えられたトルク指令とテーブル36のデータを参照して、所望の条件に合致する電流進み角を出力する。また、電流位相演算回路35には速度検出回路31によって回転速度情報が与えられている。
図7は、単相インバータ21の出力力率を1にするために電流進み角をどのように設定すればよいかを説明するためのベクトル図である。単相インバータ21の出力電圧をVとすると、この電圧Vは、回路及び巻線の抵抗Rによる電流Iと同相の抵抗降下分RIと回路及び巻線のリアクタンスLによる電流Iと直交するリアクタンス降下分ωLIと磁石による誘起電圧をベクトル的に加算したものである。従って上記関係を維持した状態で電流進み角を変化させる。そして図7に示したように電圧Vと電流Iが同相となったとき単相インバータ21の出力力率が1となるのでこのときの電流進み角が求める値となる。この図7の場合、DQ軸を真のDQ軸とすれば、電流IのQ軸成分がトルク指令または電流振幅指令のトルク成分に相当することになるので、与えられたトルク指令とリアクタンス降下分ωLIで定まる速度の条件で単相インバータ21の出力力率を1に制御することが可能となる。
図8は埋め込み磁石型同期電動機での等トルク線、定電流円、定電圧楕円による電流動作点の決定方法を示している。図8に示した等トルク線はテーブル37に記憶されたデータに対応する。埋め込み磁石型同期電動機の場合は、永久磁石によるトルクのほか、鉄心の突極性によるリラクタンストルクがあるので、図示したようにD軸電流、Q軸電流の変化に対して非線形なグラフとなる。例えば図8の(1)は、電流ベクトルの定電流円と等トルク線の接点を動作点に選ぶことにより、最小の電流で所望のトルクを出力することができることを示している。また、(2)は、定電圧楕円と等トルク線の交点を動作点に選ぶことにより、永久磁石電動機が高速回転し誘起電圧がインバータ最大出力電圧を超えるような場合に、永久磁石磁束を弱める方向に電流を流して弱め磁束制御を行うことができ、より高速まで電動機を運転することができるようになることを示している。この場合、電流ベクトルの大きさを電流振幅指令として出力し、対応する電流進み角をそのまま電流位相演算回路36の出力の電流進み角とすれば良い。尚(2)の場合、上位制御装置3Aには、PWM回路67に入力する電圧指令を入力する構成が必要であるが図示を省略している。
以上、実施例1乃至実施例3について説明したが、これらの実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、図1および図5において、直交座標逆変換器66の出力である電圧指令には(3)式に示したA軸成分を使用し、これに呼応して直交座標変換器68には、実電流をA軸成分として入力し、仮想余弦波をB軸成分として入力しているが、電圧指令に(4)式に示すB軸成分を使用し、直交座標変換器68のB軸成分に実電流を、A軸成分に仮想余弦波を入力する構成も可能である。要は、実電流を制御する軸に直交する軸の成分として仮想余弦波を電流応答として入力すればよい。なお、「仮想余弦波」と記載したが、余弦波/正弦波の違いは、単に位相関係の違いであり上記位相関係に整合する位相で仮想波を作れるのであれば、その演算に余弦(cos演算)/正弦(sin演算)のどちらを用いるかは任意である。
また電流進み角、回転位相補正角は何れも正の値として説明したが、何れかが負であっても両者が負であっても良い。
また、図6に示したテーブル36と電流位相演算回路35は一体のものであっても良い。
更に、図1における電流指令演算器61は制御装置6の内部に設ける構成としたが、上位制御装置である速度制御装置3の内部に設け、D軸電流指令及びQ軸電流指令を単相インバータ21に与える構成としても良い。
1 多相電動機
21、22、・・・2N 単相インバータ
3 速度制御装置
3A 上位制御装置
4 回転角度検出器
5 インバータ主回路
6 制御装置
31 速度検出回路
32 減算器
33 速度制御器
34 電気角演算回路
35 電流位相演算回路
36 テーブル
51 電流検出器
61 電流指令演算器
62 減算器
63 D軸電流制御器
64 減算器
65 Q軸電流制御器
66 直交座標逆変換器
67 PWM回路
68 直交座標変換器
69 加算器
70 相間位相差補正回路
71 加算器
72 加算器
73 余弦演算器
74 振幅演算器
75 乗算器

Claims (9)

  1. 互いに絶縁された複数相の巻線を有する多相電動機と、
    前記各巻線に各々接続され、交流電力を出力する複数台の単相インバータと、
    前記単相インバータに電流振幅指令を与える上位制御装置から構成され、
    前記単相インバータは、
    前記巻線に流れる実電流を検出する電流検出器と、
    前記電流振幅指令に基づいて巻線に流す電流を制御する制御装置を具備し、
    前記制御装置は、
    前記電流振幅指令を2軸の電流指令に展開する電流指令演算手段と、
    前記電流振幅指令または前記実電流の振幅と等しく、且つ前記電流振幅指令または前記実電流と直交する位相を持つ仮想余弦波を生成する仮想余弦波生成手段と、
    前記実電流と前記仮想余弦波を用いて直交回転座標変換する直交回転座標変換手段
    を有し、
    前記電流指令演算手段によって得られた2軸の電流指令に、前記直交回転座標変換手段によって得られた2軸の電流成分が夫々追従するように電流制御を行なうと共に、
    前記直交回転座標変換手段の基準位相は、
    前記多相電動機の各巻線の位相差に応じて、各々の前記単相インバータで個別にシフトした位相角を用いることを特徴とする多相電動機駆動装置。
  2. 多相電動機と回転同期した界磁極の方向を真D軸、それと直交し界磁極による誘起電圧の方向を真Q軸とし、前記真Q軸からの電流ベクトルの進み角を電流進み角としたとき、
    前記直交回転座標変換手段の基準位相は、
    前記多相電動機に設けられた回転角度検出器によって検出された回転角度を電気角に換算した値に前記個別にシフトした位相角を加算し、更に回転位相補正角を加算して得るようにし、
    前記電流指令演算手段の基準位相は、前記電流進み角から前記回転位相補正角を減算して得ることを特徴とする請求項1に記載の多相電動機駆動装置。
  3. 前記回転位相補正角を0としたことを特徴とする請求項2に記載の多相電動機駆動装置。
  4. 前記電流進み角と前記回転位相補正角とを等しい値としたことを特徴とする請求項2に記載の多相電動機駆動装置。
  5. 前記仮想余弦波生成手段は、
    前記多相電動機に設けられた回転角度検出器によって検出された回転角度を電気角に換算した値に前記個別にシフトした位相角を加算し、更に前記電流進み角を加算した位相を有し、前記実電流または前記電流振幅指令の振幅を有する余弦波を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の多相電動機駆動装置。
  6. 前記単相インバータの力率が1となるように前記電流進み角の位相を設定したことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の多相電動機駆動装置。
  7. 前記電流振幅指令のトルク成分をトルク指令値としたとき、このトルク指令値に対して、通電する電流の振幅が最も小さくなるように前記電流進み角を設定することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の多相電動機駆動装置。
  8. 前記電流振幅指令のトルク成分をトルク指令値としたとき、このトルク指令に対して、電動機端子電圧が一定になるように前記電流進み角を設定することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の多相電動機駆動装置。
  9. 前記多相電動機の速度を検出する速度検出手段を有し、
    前記上位制御装置は、
    与えられた速度指令と前記速度検出手段によって得られた速度の偏差が最小となるように前記電流振幅指令を出力するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の多相電動機駆動装置。
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