JP6190967B2 - 発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、発電システムに関し、特に、交流励磁機の界磁巻線が多相巻線である交流励磁ブラシレス励磁装置を備えた発電システムに関するものである。
一般に、同期発電機は回転子界磁巻線に直流電流を供給し、回転子側で作る磁束により発生する誘導起電力を固定子側で出力する。回転子界磁巻線を励磁する代表的な方法としてサイリスタ励磁方式とブラシレス交流励磁方式がある。
このうちブラシレス励磁方式は、固定子側の界磁巻線と発電機の回転軸と直結している回転子側の電機子巻線からなる交流励磁機の電機子巻線に誘起する電流を回転整流器で整流して発電機の界磁巻線に供給するものである。一般に発電機定格運転時に交流励磁機の界磁巻線に印加する電圧は直流である。
同期発電機の起動方法として、発電機を静止型周波数変換器(SFC:Static Frequency Converter。以下SFCと略記する)を用いて発電機の電機子電流の周波数を徐々に上昇させていく、すなわち電動機として加速していく方法がある。
ブラシレス励磁方式では交流励磁機の界磁巻線に印加する電圧が直流で界磁電流を一定に保った場合、発電機の静止時には発電機の界磁電流を流すことができず、発電機速度に応じて発電機の界磁電流が変化する。このため、発電機の起動時には交流励磁機に直流励磁を適用することはできない。
SFCを用いて起動する場合に交流励磁機を使用するために、巻線形誘導電動機を交流励磁機として使用しているものがある(例えば特許文献1参照)。発電機の回転数が所定値以下のとき交流励磁機の界磁巻線に交流電圧を印加し、所定値以上のとき交流励磁機の界磁巻線の接続を変更してサイリスタ励磁装置から直流電圧を印加している。また、発電機の始動時に交流励磁機の三相巻線に固定側と逆の交流磁界が発生する構成としているものがある(例えば特許文献2参照)。また、低速回転時に使用するブラシレス励磁機用のSFCを設けているものがある(例えば特許文献3参照)。ブラシレス励磁機用のSFCは、回転子からみた回転磁界の相対的な回転速度を常に定格回転速度に保つような周波数で、一定振幅の電流を励磁機の固定子界磁巻線に印加している。
特開平4−96698号公報 特開2013−236480号公報 特開平7−245998号公報
このような交流ブラシレス励磁装置および発電システムにおいては、発電機をSFCで起動する間は交流励磁機の多相界磁巻線に交流電圧を与え、定格運転時には交流励磁機の多相界磁巻線に直流電圧を与えることが求められ、交流励磁と直流励磁で交流励磁機の界磁巻線結線を変更することになる。しかしながら、結線を変更することにより、各界磁巻線の負荷にアンバランスが生じるという問題があった。更には発電機回転数の変化に伴いブラシレス励磁装置の出力特性が変化してしまうという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、多相界磁巻線を有する交流励磁機を直流励磁する際にも各界磁巻線の負荷を均等に保ち、発電機回転数が変化しても出力を一定に制御することのできるブラシレス励磁装置を備えた発電システムを得ることを目的としている。
この発明に係る発電システムは、
電源から供給される交流電力を可変電圧あるいは可変周波数の三相交流電力として出力する電力変換器と、
一次側に三相巻線を、二次側に第一の単相巻線と第二の単相巻線を有し、前記三相巻線は前記電力変換器の出力端に接続され、前記電力変換器からの三相交流電力を入力すると前記第一の単相巻線と前記第二の単相巻線に互いに位相差を有する交流電力を出力するスコット変圧器と、
電源から供給される交流電流を整流するサイリスタ励磁装置と、
一次側にd軸巻線とq軸巻線、二次側に回転型多相巻線を有する交流励磁機と、
一次側に、前記サイリスタ励磁装置の出力線、前記第一の単相巻線、および前記第二の単相巻線が接続され、二次側に、前記d軸巻線とq軸巻線が接続されるとともに、前記d軸巻線と前記第一の単相巻線または前記第二の単相巻線とを接続し、前記q軸巻線と他方の単相巻線とを接続する第一の接続、あるいは前記d軸巻線とq軸巻線とを直列に接続し、その両端に前記サイリスタ励磁装置の出力線を接続する第二の接続の何れかを選択して励磁方式の切替えを行う励磁方式切替え装置と、
前記回転型多相巻線に接続され、前記交流励磁機からの多相出力を整流する回転整流器と、
同期発電機界磁巻線、同期発電機電機子巻線を有し、前記同期発電機界磁巻線が前記回転整流器の出力端子に接続される同期発電機と、
前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記同期発電機の回転子の位置に応じた周波数と位相の電流出力を前記同期発電機電機子巻線に流すように駆動される静止型周波数変換器と、
を備え、
前記静止型周波数変換器が前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記励磁方式切替え装置で前記第一の接続を選択して前記d軸巻線とq軸巻線がdq直交軸を構成して、前記d軸巻線とq軸巻線に可変電圧あるいは可変周波数の電圧を印加することで前記交流励磁機を交流励磁し、前記同期発電機の定常運転時には、前記サイリスタ励磁装置で電源からの交流電流を整流するとともに、前記励磁方式切替え装置で前記第二の接続を選択して前記d軸巻線と前記q軸巻線を直列接続して前記交流励磁機を直流励磁するものである。
また、この発明に係る発電システムは、
電源から供給される交流電力を可変電圧あるいは可変周波数の二組の単相交流電力として出力する第一の単相出力と第二の単相出力を有する電力変換器と、
前記第一の単相出力が一次巻線に接続される第一の単相変圧器と、前記第二の単相出力が一次巻線に接続される第二の単相変圧器と、
電源から供給される交流電流を整流するサイリスタ励磁装置と、
一次側にd軸巻線とq軸巻線、二次側に回転型多相巻線を有する交流励磁機と、
一次側に、前記サイリスタ励磁装置の出力線、前記第一の単相変圧器の二次巻線、および前記第二の単相変圧器の二次巻線が接続され、二次側に、前記d軸巻線とq軸巻線が接続されるとともに、前記d軸巻線と前記第一の単相変圧器の二次巻線または前記第二の単相変圧器の二次巻線とを接続し、前記q軸巻線と他方の二次単相巻線とを接続する第一の接続、あるいは前記d軸巻線とq軸巻線とを直列に接続し、その両端に前記サイリスタ励磁装置の出力線を接続する第二の接続の何れかを選択して励磁方式の切替えを行う励磁方式切替え装置と、
前記回転型多相巻線に接続され、前記交流励磁機からの多相出力を整流する回転整流器と、
同期発電機界磁巻線、同期発電機電機子巻線を有し、前記同期発電機界磁巻線が前記回転整流器の出力端子に接続される同期発電機と、
前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記同期発電機の回転子の位置に応じた周波数と位相の電流出力を前記同期発電機電機子巻線に流すように駆動される静止型周波数変換器と、
を備え、
前記静止型周波数変換器が前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記励磁方式切替え装置で前記第一の接続を選択して前記d軸巻線とq軸巻線がdq直交軸を構成して、前記d軸巻線とq軸巻線に可変電圧あるいは可変周波数の電圧を印加することで前記交流励磁機を交流励磁し、前記同期発電機の定常運転時には、前記サイリスタ励磁装置で電源からの交流電流を整流するとともに、前記励磁方式切替え装置で前記第二の接続を選択して前記d軸巻線と前記q軸巻線を直列接続して前記交流励磁機を直流励磁するものである。
この発明によれば、交流励磁機の入力を可変電源とすることで、SFC起動時における発電機回転速度上昇に伴う発電機界磁電流の変動を抑制し、一定値に制御することが可能となる。
本発明の実施の形態1による交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの一例を示す構成図である。 本発明の実施の形態2による交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの構成図である。 図2の電力変換器の構成図である。 図3のインバータ制御部のブロック図である。 図4の発電機界磁電圧制御部のブロック図である。 図4のインバータ電流制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態3による交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの構成図である。 図7の電力変換器の構成図である。 図8のインバータ制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態3による同期発電機のdq軸等価回路である。 図9の発電機界磁電流推定部のブロック図である。 図9の発電機界磁電流制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態4による交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの構成図である。
以下に、本発明にかかる交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この発明は、この実施の形態だけに限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの一例を示す構成図である。発電システム100は、同期発電機1と交流ブラシレス励磁装置2と回転整流器3と静止型周波数変換器(SFC)4を備えるものである。同期発電機1は、界磁巻線型で同期発電機電機子巻線21と同期発電機界磁巻線22を備えるものである。交流ブラシレス励磁装置2の交流出力は、回転整流器3に接続され、回転整流器3で整流された後、同期発電機界磁巻線22を直流励磁する。通常の発電時は、発電電力を同期発電機電機子巻線21の出力線6を介して送電している。開閉器5は通常の発電時は開路されている。同期発電機1の起動時は、開閉器5を閉路して電源7から電力を供給されるSFC4を同期発電機電機子巻線21に接続し、加速していく。ここで、電源7は例えば発電所内の電源系統に接続された図示しない変圧器の出力に相当する。変圧器の出力電圧はSFC4の入力に適合する電圧となっている。
交流ブラシレス励磁装置2は、交流励磁機11と、電力変換器12と、励磁方式切替え装置13と、サイリスタ励磁装置14と、三相交流から2組の単相交流を得ることができる変圧器であるスコット変圧器15を備える。
交流励磁機11は、交流励磁機電機子巻線23と交流励磁機d軸界磁巻線24と交流励磁機q軸界磁巻線25で構成される。以降では交流励磁機界磁巻線24、25とまとめて呼ぶことがある。交流励磁機電機子巻線23は回転子であって、同期発電機1の回転軸と直結されている。交流励磁機電機子巻線23は三相巻線で交流ブラシレス励磁装置2の交流出力となっている。交流励磁機界磁巻線24、25は固定子である。これらの固定子は二相巻線構成であって、励磁方式切替え装置13と接続されている。なお、上記交流励磁機界磁巻線24、25のd軸、q軸は、入れ替わっても同様の説明が成り立つ。
励磁方式切替え装置13は、交流励磁機界磁巻線24、25の直流励磁と交流励磁を切替える装置である。直流励磁を行う際は、開閉器34a、34bを開路し、35a、35b、35cを閉路する。このとき交流励磁機界磁巻線24、25は直列接続される。交流励磁を行う際は、開閉器34a、34bを閉路し、35a、35b、35cを開路する。このとき交流励磁機界磁巻線24、25は、上述のように交流励磁機のdq直交軸を構成する。励磁方式切替え装置13の入力部には、サイリスタ励磁装置14の出力とスコット変圧器15の出力とが接続される。直流励磁を行う際には、サイリスタ励磁装置14の出力が交流励磁機界磁巻線24、25に接続される。交流励磁を行う際には、スコット変圧器15の出力が交流励磁機界磁巻線24、25に接続される。
同期発電機1の通常運転時には電源9から供給される交流電流をサイリスタ励磁装置14で整流し、交流励磁機11は直流励磁で動作させる。ここで、電源9は例えば交流励磁機11の回転軸に直結された図示しない永久磁石発電機により供給される。また、発電所内の電源系統から図示しない変圧器を介して供給することもできる。
次に、同期発電機1の起動時について説明する。電源8は電力変換器12に電力を供給する。電源8は例えば発電所内の電源系統から図示しない変圧器を介して得る。電力変換器12は例えばダイオード整流器31と平滑コンデンサ32と電圧形三相インバータ33からなる。電圧形三相インバータは例えば自己消弧型半導体スイッチング素子であるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と逆並列に接続されたダイオードにより構成される。さらに、ここには示さないが、IGBTのゲート信号を生成したり、保護機能を担ったりする制御部を有することも明らかである。制御部はさらに発電システム100内の図示しない検出器や他の制御手段との信号の授受を行う機能を備えることもある。また、ダイオード整流器31の入力や出力にリアクトルが接続されることもあるのは言うまでもない。
電源8から供給された交流電力はダイオード整流器31で整流される。電力変換器12の出力は電圧形三相インバータ33の出力であって、可変電圧あるいは可変周波数三相交流をスコット変圧器15に入力する。
スコット変圧器15は三相交流から2組の単相交流を得ることができる変圧器であるが、具体的には90°の位相差を持った二相(dq軸)の交流を得る手段として使用している。スコット変圧器15の出力の片方を交流励磁機d軸界磁巻線24に、他方を交流励磁機q軸界磁巻線25に印加することにより、交流励磁機11はdq軸交流励磁で動作させる。なお、電圧形三相インバータ33の出力電圧は矩形波状であるから、高調波成分を除去して交流励磁機界磁巻線24、25にサージ電圧が印加されることを防いだり、電圧を正弦波状にしたりする目的で、スコット変圧器15の入力側または出力側に高周波成分を除去するフィルタを設けることがある。
次に、交流励磁機11を交流励磁した場合に交流励磁機電機子巻線23に出力電圧が発生する仕組みを説明する。交流励磁機11の極対数をp、交流励磁機界磁巻線24、25に印加する励磁周波数をf1[Hz]とおいた場合、同期速度Ns[r/min]は式(1)のようになる。すべりsは回転速度をN[r/min]とした場合、式(2)で表せる。
Ns=60×f1/p ・・・(1)
s=(Ns−N)/Ns ・・・(2)
静止しているN=0においてはs=1、回転方向と同方向に回転磁界を励磁した場合には、すべりsが減少していき、同期速度N=Nsで回転しているとs=0となる。回転方向と逆方向に回転磁界を励磁した場合にはすべりsが増加していき、N=−Nsで回転しているとs=2となる。交流励磁機電機子巻線23の電圧、すなわち回転整流器3の入力電圧をE2[V]、交流励磁機界磁巻線24、25に印加する電圧をE1[V]としたとき、E2は式(3)のように表せる。
E2=K1×f1×s×E1 ・・・(3)
ただし、K1は一定値である。
さらに、回転方向と逆方向に回転磁界を励磁するとき(N≦0)、回転周波数f2[Hz]は式(4)で示すことができ、f1とf2を用いてすべりを表現すると式(5)のようになる。
f2=−N×p/60 ・・・(4)
s=(f1+f2)/f1 ・・・(5)
なお、E2の周波数はすべり周波数となるから、式(6)で示せる。
s×f1=f1+f2 ・・・(6)
式(3)と式(6)によれば、静止中(s=1)であっても交流励磁(f1≠0)を行えばE2が得られ、回転整流器3の入力に励磁周波数f1[Hz]の交流電流を流すことができるのである。さらに、式(3)によれば、E1が一定であるならばE2は励磁周波数f1とすべりsの積に比例することが明らかである。このため、静止時(s=1)に所定のE2を得たい場合にはf1を大きくとればE1を小さくすることができる。また、回転方向と逆方向に回転磁界を励磁すれば加速に伴いすべりsが大きくなっていくので、f1を一定に保てばE1は小さくなっていく。
次に、起動時の発電システム100の動作を説明する。同期発電機1は、起動開始時には図示しない外部の装置により機械的にトルクを与えられ、例えば3r/min(3min−1)といった極低速で回転している。同期発電機界磁巻線22に起動時に必要な同期発電機界磁電流Ifが流れるような同期発電機界磁電圧Vfが印加されるよう、交流ブラシレス励磁装置2は交流励磁機電機子巻線23の電圧E2を出力する。必要なE2が決定されれば式(3)より交流励磁機界磁巻線24、25に印加する電圧E1が決定する。電力変換器12は決定したE1を得られるような励磁周波数f1、振幅Vinvの電圧を出力する。式(3)からf1を高くすればVinvを小さくできることは明らかである。同期発電機界磁電流Ifが上昇してくると、SFC4は同期発電機の回転子の位置を検出ないしは推定し、それに応じた周波数と位相の電流を出力し、同期発電機電機子巻線21に印加する。これにより、同期発電機1は徐々に加速していく。
一般に、SFC4は、同期発電機1が極低速で回転しているときに、同期発電機1の電機子電圧が運転周波数に比例して増加するように出力電流を与える。これにより、同期発電機1の運転周波数が上昇して、同期発電機1は加速する。このとき、f1を一定に保つ場合には加速するにつれVinvを低減して同期発電機界磁電圧Vfが一定になるようにする。あるいは、Vinvを一定に保ちf1を低減してもよいし、f1とVinv両方を変化させて同期発電機界磁電圧Vfが一定になるようにしてもよい。そして、同期発電機1の運転周波数が上昇し運転モード切替え周波数fsg1に達したときの電機子電圧をVsg1とする。この場合の電機子電圧Vsg1は、同期発電機1の電機子電圧の定格値未満であって、例えばSFC4の定格出力電圧である。その後、運転周波数がfsg1を超す領域では電機子電圧が一定になる条件で運転する。このとき、電機子電圧をVsg1の一定量に保つために運転周波数に応じてVfを低減していくので、加速するにつれ一層、Vinvやf1を低減していくことができる。Vf、Ifは直流量であるから、定常的にはVfとIfは比例関係にあるとみなしてよいので、上記ではVfに着目してf1やVinvを決定することを説明したが、Ifに着目してもよい。また、ここではVfを一定値から可変値に切替える基準を運転周波数としたが、電機子電圧としてもよいし、発電システム100内の他の制御手段から与えられる信号としてもよいのは言うまでもない。
このように、電力変換器12は、可変電圧または可変周波数を出力することができるから、スコット変圧器15では、90°の位相差を持った二相の可変電圧または可変周波数の出力が得られる。スコット変圧器15の出力電圧は励磁方式切替え装置13に入力され、その出力が交流励磁機界磁巻線24、25に印加される。したがって、交流励磁機界磁巻線24、25には90°の位相差を有する可変電圧または可変周波数を入力することができる。交流励磁機界磁巻線24、25の入力電圧を変化させると回転整流器3の入力となる交流ブラシレス励磁装置2の交流出力が変化するから、VfやIfを上記に説明したようなSFC4による同期発電機1の起動に適した値に制御することができる。なお、ここではSFC4を同期発電機1の起動に用いた場合について説明したが、起動以外の目的でSFC4を用いて同期発電機1を駆動する際にも本交流ブラシレス励磁装置2を使用することができるのは明らかである。
以上に説明したように、本実施の形態にかかる交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100は、交流励磁機d軸界磁巻線24と交流励磁機q軸界磁巻線25と励磁方式切替え装置13を設けて、交流励磁機11を同期発電機1の起動時に交流励磁し、定常運転時に直流励磁できる。さらには直流励磁を行う際には交流励磁機d軸界磁巻線24と交流励磁機q軸界磁巻線25を直列接続して直流電流を流すことから、交流励磁機界磁巻線24、25に流れる電流が等しく、両者で発生する損失がバランスし、温度変化を均等に保つという効果を示す。
本実施の形態の交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100は電力変換器12を備えるため、交流励磁機11の交流励磁機界磁巻線24、25に可変電圧または可変周波数電圧の交流励磁を行うことができる。このため、同期発電機起動時の同期発電機界磁電圧Vfや同期発電機界磁電流Ifの制御性が良い。
また、電力変換器12が可変周波数電圧を出力できるため、商用周波数よりも高い周波数で交流励磁機11の交流励磁機界磁巻線24、25を励磁することができる。このため、低速時の励磁容量低減が図れるというこれまでにない顕著な効果を奏する。その結果、電力変換器12の容量も低減でき、小型低コスト化が図れる。
更には、直流励磁を行う交流電流をサイリスタ励磁装置14は定常運転時のみ使用するため、従来と同じ仕様のものを適用できる。
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2にかかる交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの構成図である。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分のみ述べる。図1の交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100と異なるのはスリップリング26と電流検出器16a、16bを有し、検出値を電力変換器12に入力している点である。
図2の発電システム100においては、スリップリング26を用いて同期発電機界磁電圧Vfを検出している。これにより、回転している同期発電機界磁巻線22に印加される電圧の検出値を静止している電力変換器12に入力することができる。交流ブラシレス励磁装置2には、さらに電力変換器12の出力電流Iiu、Iiwを検出する電流検出器16a、16bが設けられている。残り一相のIivについては電力変換器12が三相3線式であることから式(7)で演算することにしているが、電流検出器を設けてもよいのは言うまでもない。
Iiv=−Iiu−Iiw ・・・(7)
図3は図2の電力変換器12の構成図である。図3の電力変換器12はインバータ制御部36を備える。インバータ制御部36には検出値であるVf、Iiu、Iiwが入力され、電圧形三相インバータ33のゲート信号が出力される。
以下でインバータ制御部36の構成を説明する。図4は図3のインバータ制御部36のブロック図である。
同期発電機界磁電圧指令値Vfrefは、例えばインバータ制御部36の内部に固定値として保持している。あるいは図示しない他の制御手段から同期発電機1の定数や周囲温度などの状態に応じた値を受け取る場合もある。界磁電圧一定制御時にはVfrefは一定値となるが、回路は誘導性であるから電圧形三相インバータ33の停止状態が解除され出力電流が0の状態から電圧を出力する初期には過電流を防ぐためVfrefを徐々に上昇させていくとよい。Vfrefと同期発電機界磁電圧Vfは同期発電機界磁電圧制御部41に入力される。図5は図4の同期発電機界磁電圧制御部41のブロック図である。同期発電機界磁電圧制御部41はフィードバック制御を行い、インバータ電流振幅指令値Iirefを出力する。同期発電機界磁電圧制御器45は例えば比例積分制御器である。
Iirefは電流振幅として得ているからインバータ電流指令値生成部42でインバータの各相瞬時値を生成する。インバータ電流指令値生成部42には、さらにインバータ周波数指令値f1refを入力する。Iirefとf1refを用いて式(8)〜式(10)のようにインバータ電流指令値Iiuref、Iivref、Iiwrefを生成する。
Iiuref=Iiref×sin(360°×f1ref×t)
・・・(8)
Iivref=Iiref×sin(360°×f1ref×t−120°)
・・・(9)
Iiwref=Iiref×sin(360°×f1ref×t+120°)
・・・(10)
ここで、tは時刻であって、必ずしもSFC4などと同期させる必要はなく、内部で作成してよい。位相に関しても式(8)〜式(10)のように決定する必要はなく、三相平衡であればよい。f1refは固定値として内部で持っていてもよいし、回転速度などシステム状態に応じて変化させてもよい。正弦波演算に関しても、逐次演算を行ってもよいしテーブル参照で求めてもよい。
インバータ電流指令値Iiuref、Iivref、Iiwrefと出力電流Iiu、Iiv、Iiwはインバータ電流制御部43に入力される。図6は図4のインバータ電流制御部43のブロック図である。インバータ電流制御部43はフィードバック制御を行い、インバータ電圧指令値Viuref、Vivref、Viwrefを出力する。相電流制御部46a、46b、46cは同じ構成であるから、U相の相電流制御部46aを代表例とし、これについて説明する。相電流制御部46aはIiurefとIiuを入力し、フィードバック制御を行いViurefを出力する。インバータ電流制御器47は比例積分制御器あるいは比例制御器で実現できる。
インバータ電圧指令値Viuref、Vivref、Viwrefはゲート信号生成部44に入力され、電圧形三相インバータ33のIGBTのゲート信号が出力される。ゲート信号生成部44は電圧形三相インバータ33の出力相電圧がインバータ電圧指令値Viuref、Vivref、Viwref相当になるようにゲート信号を生成する。例えば、電圧利用率を向上させるため零相電圧を重畳した後、平滑コンデンサ32両端の電圧で規格化し、三角波キャリアと比較する。
なお、ここではインバータ電流指令値生成部42で三相の電流指令値を生成して、インバータ電流制御部43では三相個別に電流制御を行う例を示したが、dq軸上の電流指令値を生成しdq軸上で電流制御を行った後、dq軸から三相に変換してインバータ電圧指令値Viuref、Vivref、Viwrefを求めてもよい。
また、検出値はハードウェアまたはソフトウェアによるローパスフィルタを設けてノイズや制御に不要な高周波成分を除去してもよい。
以上に説明したように、本実施の形態2にかかる交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100はスリップリング26で同期発電機界磁電圧Vfを検出し、電流検出器16a、16bを設けて電力変換器12の出力電流Iiu、Iiwを検出し、これらを電力変換器12のインバータ制御部36に入力するようにしたため、実施の形態1にかかる交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100の効果に加えて、同期発電機1の加速に伴い交流励磁機11のすべりが変化した場合にも同期発電機界磁電圧Vfを一定に制御できる。
したがって、交流励磁機11を用いて同期発電機1を励磁していても、SFC4が同期発電機1の電機子電圧が運転周波数に比例して増加するように出力電流を与えている期間に同期発電機界磁電圧Vfを一定に保つことで同期発電機界磁電流Ifを一定に保つことができ、良好に同期発電機1を加速できる。
さらに、同期発電機界磁電圧Vfを一定に制御しながら同期発電機1の加速に伴い交流励磁機11の励磁周波数f1を変化させて励磁容量を調整することも可能となる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3にかかる交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの構成図である。以下、実施の形態1、2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分のみ述べる。図2の交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100と異なるのはスリップリング26の代わりに速度検出器27、電流検出器28、計器用変圧器29を備えるところである。速度検出器27は同期発電機1の回転角速度ωを検出する。電流検出器28は同期発電機1の電機子電流Is、計器用変圧器29は電機子電圧Vsを検出する。計器用変圧器29の低圧側の電圧を、ここではVtとする。なお、速度検出器27を設ける代わりに電機子電圧Vsまたは電機子電流Isの周波数から回転角速度ωを求めてもよい。
図8は図7の電力変換器12の構成図である。図8の電力変換器12は図3の電力変換器12と異なりインバータ制御部36の代わりにインバータ制御部37を備える。インバータ制御部37には検出値であるω、Is、Vt、Iiu、Iiwが入力され、電圧形三相インバータ33のゲート信号が出力される。なお、Isは二相または三相を検出し、Isu、Isv、Iswの三相電流を得る。
以下でインバータ制御部37の構成を説明する。図9は図のインバータ制御部37のブロック図である。図4のインバータ制御部36と異なるのは、同期発電機界磁電圧制御部41の代わりに同期発電機界磁電流推定部48と同期発電機界磁電流制御部49を備えることである。同期発電機界磁電流制御部49の出力はインバータ電流振幅指令値Iirefであり、これ以降はインバータ制御部36と同様であるので説明は省略する。
同期発電機界磁電流推定部48と同期発電機界磁電流制御部49の詳細を説明する前に、同期発電機1のdq軸等価回路について説明する。
図10は本実施の形態3にかかる同期発電機1のdq軸等価回路である。同期発電機界磁電圧Vfをd軸にとってある。ここで、Lsは電機子漏れインダクタンス、Rsは電機子抵抗、Lfは界磁漏れインダクタンス、Rfは界磁抵抗、Lmdはd軸電機子反作用インダクタンス、Lmqはq軸電機子反作用インダクタンス、Lkdはd軸ダンパ漏れインダクタンス、Lkqはq軸ダンパ漏れインダクタンス、Rkdはd軸ダンパ抵抗、Rkqはq軸ダンパ抵抗、Vsdはd軸電機子電圧、Vsqはq軸電機子電圧、Vfは同期発電機界磁電圧、Isdはd軸電機子電流、Isqはq軸電機子電流、Ifは同期発電機界磁電流、Imdはd軸励磁電流、Imqはq軸励磁電流、Ikdはd軸ダンパ電流、Ikqはq軸ダンパ電流、φdはd軸上で発生する磁束、φqはq軸上で発生する磁束、ωは回転角速度である。d軸等価回路によれば、ImdはIfとIkdとIsdから式(11)で、d軸上で発生する磁束φdは式(12)で示せる。
Imd=If+Ikd+Isd ・・・(11)
φd=Isd×Ls+Imd×Lmd ・・・(12)
今、同期発電機1が無負荷状態であると仮定すると、電機子電圧Vsはdq軸上では全てq軸成分(Vsd=0、Vsq=Vs)となり、電機子電流Isは零(Isd=0、Isq=0)とみなせる。このとき、式(12)は式(13)で表すことができ、q軸等価回路からは式(14)が成り立つ。
φd=Imd×Lmd ・・・(13)
Vsq=φd×ω ・・・(14)
さらに、d軸等価回路によれば、IfとImdの関係は伝達関数を用いて式(15)のように表現することができる。
If=[{s(Lmd+Lkd)+Rkd}/(sLkd+Rkd)]×Imd
・・・(15)
ところで、同期発電機1が加速するとIs=0とみなすことができなくなる。このときIsdによる電機子反作用の影響が生じ、Ikd=0と仮定するとIfは式(11)を用いて式(16)のように示すことができる。
If=Imd−Isd ・・・(16)
本実施の形態3は同期発電機界磁電圧Vfと同期発電機界磁電流Ifを直接検出することなく同期発電機界磁電流Ifを一定に制御するものである。このため、インバータ制御部37ではまず同期発電機界磁電流推定部48において同期発電機界磁電流推定値Ifhを求める。
図11は図9の同期発電機界磁電流推定部48のブロック図である。入力の一つであるVsqについてはVsq=Vsとみなし、計器用変圧器29の低圧側の電圧から求める。IsdはIsu、Isv、Iswの三相からdq軸に変換したものを入力する。式(14)が成り立つから、除算器51によりVsqをωで除してφdを求める。
次に式(13)が成り立つとしてφdを増幅器52に入力してImdを求める。増幅器52のゲインはK2=1/Lmdである。Imdが求められれば、式(15)から無負荷状態におけるIfを求めることができる。同期発電機界磁電流推定部48においては、位相補償器53にImdを入力して求めている。位相補償器53は式(17)で示される。
G(s)={s(Lmd+Lkd)+Rkd}/(sLkd+Rkd)
・・・(17)
最後に、位相補償器53の出力を電機子反作用補償器54に入力することで電機子反作用を考慮した同期発電機界磁電流推定値Ifhを導出することができる。なお、電機子反作用補償器54は式(16)より、減算器55で構成されている。
図12は図9の同期発電機界磁電流制御部49のブロック図である。同期発電機界磁電流推定値Ifhは同期発電機界磁電流指令値Ifrefと共に同期発電機界磁電流制御部49に入力される。同期発電機界磁電流制御部49はフィードバック制御を行い、インバータ電流振幅指令値Iirefを出力する。同期発電機界磁電流制御器56は例えば比例積分制御器である。Ifrefは例えばインバータ制御部37の内部に固定値として保持している。あるいは図示しない他の制御手段から同期発電機1の定数や周囲温度などの状態に応じた値を受け取る場合もある。Ifrefは電機子電圧が運転周波数に比例して増加する期間には一定値であるが、同期発電機1が図示しない外部の装置により機械的にトルクを与えられ、極低速で回転していてIfが確立するまではIfrefを制限するなどして電圧形三相インバータ33の出力電圧が過電圧とならないようにする。
また、検出値はハードウェアまたはソフトウェアによるローパスフィルタを設けてノイズや制御に不要な高周波成分を除去してもよい。
以上に説明したように、本実施の形態3にかかる交流ブラシレス励磁装置2を備える発電システム100はスリップリング26で同期発電機界磁電圧Vfを検出することなく電機子電圧Vs、回転角速度ω、電機子電流Isを検出することで同期発電機界磁電流Ifを推定できる。このため、実施の形態1または実施の形態2にかかる交流ブラシレス励磁装置2を備える発電システム100の効果に加えて、同期発電機1の加速に伴い交流励磁機11のすべりが変化した場合にも同期発電機界磁電流Ifを一定に制御できる。したがって、交流励磁機11を用いて同期発電機1を励磁していても、SFC4が、同期発電機1の電機子電圧が運転周波数に比例して増加するように、出力電流を与えている期間に、同期発電機界磁電流Ifを一定に保つことができ、良好に同期発電機1を加速できる。
さらに、同期発電機界磁電流Ifを一定に制御しながら、同期発電機1の加速に伴い交流励磁機11の励磁周波数f1を変化させて励磁容量を調整することも可能となる。
また、スリップリング26が不要であるためさらに小型低コスト化を図ることができるうえに保守性も向上する。
実施の形態4.
図13は本発明の実施の形態4にかかる交流ブラシレス励磁装置を備えた発電システムの構成図である。以下、実施の形態1、2、3と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分のみ述べる。図2の交流ブラシレス励磁装置2を備えた発電システム100と異なるのは、電力変換器12が電圧形三相インバータ33の代わりに電圧形単相インバータ38a、38bを備えることと、スコット変圧器15の代わりに単相変圧器17a、17bを備えることである。
この実施の形態4では、単相変圧器17aの二次巻線が交流励磁機d軸界磁巻線24に接続され、単相変圧器17bの二次巻線が交流励磁機q軸界磁巻線25に接続されている。単相変圧器17aの一次巻線には電圧形単相インバータ38aの出力、単相変圧器17bの一次巻線には電圧形単相インバータ38bの出力が接続されている。電圧形単相インバータ38a、38bは出力電流の振幅と周波数が等しく、90°の位相差を持つように電圧を出力する。これにより、電圧形三相インバータ33とスコット変圧器15を用いて交流励磁機界磁巻線24、25を交流励磁するのと同様に、電圧形単相インバータ38a、38bと単相変圧器17a、17bを用いて交流励磁機界磁巻線24、25を交流励磁することができる。
なお、電圧形単相インバータ38a、38bの出力電圧は矩形波状であるから、高調波成分を除去して交流励磁機界磁巻線24、25にサージ電圧が印加されることを防いだり
、電圧を正弦波状にしたりする目的で、単相変圧器17a、17bの入力側または出力側に高周波成分を除去するフィルタを設けることがある。
また、ここでは、ダイオード整流器31と平滑コンデンサ32は共通としたが、個別に設けることもできる。さらに、異なる電源から電力を供給することもでき、電圧形単相インバータ38a、38bの出力が絶縁されている場合には、単相変圧器17a、17bは省略してもよい。
電圧形単相インバータ38a、38bの制御については、インバータ制御部36または37のインバータ電流指令値生成部42とインバータ電流制御部43を三相ではなくdq軸として扱い、ゲート信号生成部44においてd軸の電圧指令値から電圧形単相インバータ38aのゲート信号、q軸の電圧指令値から電圧形単相インバータ38bのゲート信号を生成すればよい。
以上に説明したように、本実施の形態4にかかる交流ブラシレス励磁装置2を備える発電システム100は、電力変換器12が電圧形三相インバータ33の代わりに電圧形単相インバータ38a、38bを備え、スコット変圧器15の代わりに単相変圧器17a、17bを備えたので、実施の形態1から実施の形態3のいずれかにかかる交流ブラシレス励磁装置2を備える発電システム100の効果に加えて、スコット変圧器15を用いることなく、構造が簡単な単相変圧器17a、17bを用いて交流励磁機界磁巻線24、25を交流励磁することができる。なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 同期発電機、2 交流ブラシレス励磁装置、3 回転整流器、
4 静止型周波数変換器(SFC)、5 開閉器、
6 同期発電機電機子巻線の出力線、7、8、9 電源、
11 交流励磁機、12 電力変換器、13 励磁方式切替え装置、
14 サイリスタ励磁装置、15 スコット変圧器、
16a、16b、28 電流検出器、17a、17b 単相変圧器、
21 同期発電機電機子巻線、22 同期発電機界磁巻線、
23 交流励磁機電機子巻線、24 交流励磁機d軸界磁巻線、
25 交流励磁機q軸界磁巻線、31 ダイオード整流器、
32 平滑コンデンサ、33 電圧形三相インバータ、
34a、34b、35a、35b、35c 開閉器、
36、37 インバータ制御部、
38a、38b 電圧形単相インバータ、100 発電システム。

Claims (7)

  1. 電源から供給される交流電力を可変電圧あるいは可変周波数の三相交流電力として出力する電力変換器と、
    一次側に三相巻線を、二次側に第一の単相巻線と第二の単相巻線を有し、前記三相巻線は前記電力変換器の出力端に接続され、前記電力変換器からの三相交流電力を入力すると前記第一の単相巻線と前記第二の単相巻線に互いに位相差を有する交流電力を出力するスコット変圧器と、
    電源から供給される交流電流を整流するサイリスタ励磁装置と、
    一次側にd軸巻線とq軸巻線、二次側に回転型多相巻線を有する交流励磁機と、
    一次側に、前記サイリスタ励磁装置の出力線、前記第一の単相巻線、および前記第二の単相巻線が接続され、二次側に、前記d軸巻線とq軸巻線が接続されるとともに、前記d軸巻線と前記第一の単相巻線または前記第二の単相巻線とを接続し、前記q軸巻線と他方の単相巻線とを接続する第一の接続、あるいは前記d軸巻線とq軸巻線とを直列に接続し、その両端に前記サイリスタ励磁装置の出力線を接続する第二の接続の何れかを選択して励磁方式の切替えを行う励磁方式切替え装置と、
    前記回転型多相巻線に接続され、前記交流励磁機からの多相出力を整流する回転整流器と、
    同期発電機界磁巻線、同期発電機電機子巻線を有し、前記同期発電機界磁巻線が前記回転整流器の出力端子に接続される同期発電機と、
    前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記同期発電機の回転子の位置に応じた周波数と位相の電流出力を前記同期発電機電機子巻線に流すように駆動される静止型周波数変換器と、
    を備え、
    前記静止型周波数変換器が前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記励磁方式切替え装置で前記第一の接続を選択して前記d軸巻線とq軸巻線がdq直交軸を構成して、前記d軸巻線とq軸巻線に可変電圧あるいは可変周波数の電圧を印加することで前記交流励磁機を交流励磁し、前記同期発電機の定常運転時には、前記サイリスタ励磁装置で電源からの交流電流を整流するとともに、前記励磁方式切替え装置で前記第二の接続を選択して前記d軸巻線と前記q軸巻線を直列接続して前記交流励磁機を直流励磁することを特徴とする発電システム。
  2. 前記電力変換器の出力電流を検出し、制御信号に変換するための電流検出器を備え、
    前記電力変換器から指令された出力電流指令値と前記電流検出器で検出された前記電力変換器の出力電流とを比較し、これらが等しくなるように駆動パルス信号を出力するインバータ電流制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記同期発電機の界磁電圧を検出するためのスリップリングと、
    検出された前記同期発電機の界磁電圧の電圧値を制御信号に変換するインバータ制御部を備え、
    検出された前記同期発電機の界磁電圧と、前記電力変換器から指令された界磁電圧指令値とを比較し、これらが等しくなるように前記電力変換器の出力電流指令値を制御する同期発電機界磁電圧制御部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発電システム。
  4. 前記同期発電機の電機子電流を検出するための電流検出器と、
    前記同期発電機の電機子電圧を検出するための計器用変圧器と、
    を備え、
    前記同期発電機の回転角速度を検出するための速度検出器または前記計器用変圧器で検出された前記電機子電圧と前記電流検出器で検出された前記電機子電流のいずれかの周波数から、前記同期発電機の回転角速度を求める手段を備え、
    前記計器用変圧器で検出された前記電機子電圧、前記速度検出器で検出されるかまたは前記回転角速度を求める手段により求めた前記回転角速度、および前記電流検出器で検出された前記電機子電流を用いて前記同期発電機の界磁電流を推定し、この推定された推定界磁電流と実際の界磁電流が等しくなるように前記電力変換器の出力電流指令値を前記インバータ電流制御部へ出力可能な界磁電流推定部を有することを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
  5. 前記計器用変圧器で検出された同期発電機端子電圧、前記速度検出器で検出された前記回転角速度、およびd軸励磁インダクタンスから推定されるd軸励磁電流を、前記同期発電機内部構成の伝達関数を考慮して位相補償する界磁電流推定部を有することを特徴とする請求項4に記載の発電システム。
  6. 前記電流検出器で検出された同期発電機電機子電流を用い、前記同期発電機の界磁電流の推定値を補償する界磁電流推定部を有することを特徴とする請求項4に記載の発電システム。
  7. 電源から供給される交流電力を可変電圧あるいは可変周波数の二組の単相交流電力として出力する第一の単相出力と第二の単相出力を有する電力変換器と、
    前記第一の単相出力が一次巻線に接続される第一の単相変圧器と、前記第二の単相出力が一次巻線に接続される第二の単相変圧器と、
    電源から供給される交流電流を整流するサイリスタ励磁装置と、
    一次側にd軸巻線とq軸巻線、二次側に回転型多相巻線を有する交流励磁機と、
    一次側に、前記サイリスタ励磁装置の出力線、前記第一の単相変圧器の二次巻線、および前記第二の単相変圧器の二次巻線が接続され、二次側に、前記d軸巻線とq軸巻線が接続されるとともに、前記d軸巻線と前記第一の単相変圧器の二次巻線または前記第二の単相変圧器の二次巻線とを接続し、前記q軸巻線と他方の二次単相巻線とを接続する第一の接続、あるいは前記d軸巻線とq軸巻線とを直列に接続し、その両端に前記サイリスタ励磁装置の出力線を接続する第二の接続の何れかを選択して励磁方式の切替えを行う励磁方式切替え装置と、
    前記回転型多相巻線に接続され、前記交流励磁機からの多相出力を整流する回転整流器と、
    同期発電機界磁巻線、同期発電機電機子巻線を有し、前記同期発電機界磁巻線が前記回転整流器の出力端子に接続される同期発電機と、
    前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記同期発電機の回転子の位置に応じた周波数と位相の電流出力を前記同期発電機電機子巻線に流すように駆動される静止型周波数変換器と、
    を備え、
    前記静止型周波数変換器が前記同期発電機電機子巻線に接続された場合に、前記励磁方式切替え装置で前記第一の接続を選択して前記d軸巻線とq軸巻線がdq直交軸を構成して、前記d軸巻線とq軸巻線に可変電圧あるいは可変周波数の電圧を印加することで前記交流励磁機を交流励磁し、前記同期発電機の定常運転時には、前記サイリスタ励磁装置で電源からの交流電流を整流するとともに、前記励磁方式切替え装置で前記第二の接続を選択して前記d軸巻線と前記q軸巻線を直列接続して前記交流励磁機を直流励磁することを特徴とする発電システム。
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