JP2015125816A - 複合負極活物質体、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 - Google Patents

複合負極活物質体、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ケイ素系負極活物質を用いつつ、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させ得る非水電解質二次電池用複合負極活物質体、当該複合負極活物質体を用いた非水電解質二次電池用負極、ならびに、当該負極を用いた非水電解質二次電池を提供すること。【解決手段】ケイ素系負極活物質からなるケイ素粒上にCコート層を設け、ケイ素粒とCコート層との間に遷移金属層を設けて複合負極活物質体を構成する。遷移金属層はタングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)から選ばれる少なくとも一種を含むようにし、ケイ素粒の質量を100質量%としたときのC量が0.25質量%以上10.0質量%以下の範囲内であるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は非水電解質二次電池用の負極活物質を含む複合負極活物質体、当該複合負極活物質体を用いた非水電解質二次電池用負極、および、当該負極を用いた非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノート型パソコンといった幅広い分野で用いられている。また、近年、リチウムイオン二次電池を車両の駆動源として用いることも検討されている。
非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池は、電荷担体であるリチウム(Li)を挿入および脱離できる活物質を正極と負極とに持ち、Liが正負極間を移動することによって動作する。近年、リチウムイオン二次電池用の負極活物質として、ケイ素(Si)を含有する材料(以下、本明細書においてはケイ素系負極活物質と呼ぶ)を用いる技術が提案されている。SiはLiと合金可能な元素であり、理論容量が大きいため、リチウムイオン二次電池用の負極活物質として有用であると考えられている。しかしその一方で、Siは、充放電時のLiの吸蔵・放出に伴って大きく体積変化する。この体積変化により、Siが微粉化して集電体から脱落または剥離する可能性があり、電池の充放電サイクル寿命を大きく向上させ難い。
例えば、負極活物質として、ケイ素酸化物(SiO:一般に、xは0.5≦x≦1.5程度)の使用が検討されている。SiOは金属ケイ素(Si)と二酸化ケイ素(SiO)とを原料として得られる非晶質のケイ素酸化物の総称を表す一般式である。SiOは熱処理されると、ケイ素(Si)と二酸化ケイ素(SiO)とに分解することが知られている。これは不均化反応といい、SiとOとの比が概ね1:1の均質な固体の一酸化ケイ素(SiO)であれば、固体の内部反応によりケイ素(Si)相と二酸化ケイ素(SiO)相の二相に分離する。分離して得られるSi相は、非常に微細であり、SiO相の中に分散している。また、Si相を覆うSiO相は電解液の分解を抑制する働きを持つ。したがって、SiとSiOとに分解したSiOからなる負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れる。つまり、SiOを負極活物質として用いることで、Siを負極活物質として用いる場合に比べて、充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化を抑制することができる。
ところでSiOは比較的導電性に劣る。このため、SiOを負極活物質として含む負極もまた導電性に劣る。したがってSiOを含む負極の導電性を向上させることが望まれている。例えば、黒鉛や非晶質の炭素材料等を原料とする炭素(C)コート層を負極活物質層上に設け、複合負極活物質体を形成することで、Cコート量に応じた導電性を負極に付与できると考えられる。例えば特許文献1には、SiOからなる負極活物質層の表面にCコート層を設ける技術が提案されている。
特開2006−196247号公報
ところで、上記したケイ素酸化物を負極活物質として用いる場合にも、非水電解質二次電池の充放電に伴う負極の膨張および収縮を完全に抑制することはできない。したがって、例えばケイ素酸化物からなる負極活物質をCコート層で覆っても、負極の導電性を向上させ得るだけで、負極の耐久性を向上させるのは困難であった。つまり、サイクル経過後には、負極活物質層の膨張および収縮に追従できなかったCコート層が、負極活物質層から剥離する可能性があった。そして、Cコート層が剥離してしまえば、非水電解質二次電池の電池容量が低下する可能性があった。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、ケイ素系負極活物質を用いつつ、サイクル経過後の電池の放電特性(以下、サイクル特性と呼ぶ)を向上させ得る複合負極活物質体、当該複合負極活物質体を用いた非水電解質二次電池用負極、および、当該負極を含む非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、ケイ素系負極活物質を含む負極活物質層上にCコート層を形成するにあたり、Cコート層と負極活物質層との間に遷移金属層を介在させるとともに、Cコート層の量を最適化することで、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させ得ることを見出した。つまり、上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池用複合負極活物質体は、ケイ素(Si)を含むケイ素系負極活物質からなるケイ素粒と、
タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)から選ばれる少なくとも一種を含み前記ケイ素粒上に設けられている遷移金属層と、前記遷移金属層上に設けられているCコート層と、で構成され、前記ケイ素粒の質量を100質量%としたときの前記Cの量は、0.25質量%以上10.0質量%以下であるものである。
本発明の非水電解質二次電池用複合負極活物質体は、以下の(1)〜(3)の何れかを含むのが好ましく、複数を含むのがより好ましい。
(1)前記ケイ素粒の質量を100%としたときの前記遷移金属の元素量は0.5質量%以上5.0質量%以下である。
(2)前記ケイ素粒の質量を100質量%としたときの前記Cの量は0.5質量%以上5.0質量%以下である。
(3)前記ケイ素系負極活物質はSiO(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物からなる。
上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池用負極は、上記した本発明の非水電解質二次電池用複合負極活物質体の何れかを含むものである。
上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池は、上記した本発明の非水電解質二次電池用負極を含むものである。
本発明の非水電解質二次電池用複合負極活物質体によると、ケイ素系負極活物質を用いつつ非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させ得る。
本発明の非水電解質二次電池用複合負極活物質体および非水電解質二次電池用負極を模式的に表す説明図である。 Cコート層の量(炭素含有量)と導電率との関係を表すグラフである。 Cコート層の量(炭素含有量)と導電率との関係を表すグラフである。 試料4〜試料10の非水電解質二次電池の初期効率を表すグラフである。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の非水電解質二次電池用負極を含み、本発明の非水電解質二次電池用負極は複合負極活物質体を含む。以下、特に説明の無い場合には、本発明の非水電解質二次電池用負極を単に本発明の負極と呼び、本発明の非水電解質二次電池用複合負極活物質体を単に本発明の複合負極活物質体と呼ぶ。
本発明の複合負極活物質体は、図1に模式図を示すように、ケイ素系負極活物質からなるケイ素粒11の上に遷移金属層12を設け、当該遷移金属層12の上にさらにCコート層13を設けたものである。本発明の負極1は、上記した複合負極活物質体10を含むものである。複合負極活物質体10は、例えば導電助剤やバインダ等の添加剤(図略)とともに集電体15上に配置することができる。
Cコート層は、炭素(C)元素を含み、負極の導電性向上に寄与する。遷移金属層は、Cコート層とケイ素粒との間に介在し、両者の密着性向上に寄与する。遷移金属層は、ケイ素粒における表面の全面を覆っても良いし、ケイ素粒における表面の一部のみを覆っても良い。Cコート層は、遷移金属層における表面の全面を覆っても良いし、遷移金属層における表面の一部のみを覆っても良い。さらに、遷移金属層がケイ素粒における表面の一部のみを覆う場合、露出しているケイ素粒の表面の一部または全体をCコート層が覆っても良い。但し、Cコート層の量は適正な範囲内にある必要がある。具体的には、前記ケイ素粒の質量を100質量%としたときの前記Cの量は、0.25質量%以上10.0質量%以下である。炭素の理論容量約372mAh/gに対して、シリコンは約4200mAh/gであるため、活物質中のカーボン量が増加すると活物質の理論容量が低下する。そのため、Cの量が過大であれば、複合負極活物質体におけるSiの割合が大きく低減し、その結果、非水電解質二次電池の容量が低下する可能性があった。用途や目指すべき容量にもよるが、Cの量がこの範囲内であれば、複合負極活物質体におけるSiの割合は十分に大きく、非水電解質二次電池の容量低下を抑制できる。また、Cの量がこの範囲内にあれば、複合負極活物質体の導電率(S/cm)が炭素(C)と同等に高くなる。好ましくは、ケイ素粒の質量を100質量%としたときの炭素量は、0.5質量%以上5.0質量%以下であるのが良い。
Cコート層の形成方法は特に限定せず、蒸着、スパッタ、メカニカルミリング処理等の既知の方法を用いれば良い。炭素材料としては、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン等、一般的な炭素材料を用いれば良い。これらの炭素材料は各々単独で用いることもできるし、複数種を混合して用いることもできる。
遷移金属層はタングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)から選ばれる少なくとも一種を含めば良く、複数種の遷移金属を含む場合の各遷移金属の配合割合等も特に限定しない。遷移金属の量は特に限定しないが、前記ケイ素粒の質量を100%としたときの遷移金属の元素量は、0.5質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましい。遷移金属層の量が過小であれば、ケイ素粒とCコート層との間に介在する遷移金属層の量が過小になる場合がある。また、遷移金属層の量が過大であると、複合負極活物質体におけるSiの割合が大きく低減する可能性があり、またバインダの凝集が起こる可能性がある。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、ケイ素系負極活物質からなるケイ素粒を含む。ケイ素系負極活物質は、負極活物質として機能するとともにケイ素(Si)元素を含む既知の負極活物質を用いることができる。例えば、ケイ素系負極活物質としては、Si単体、上述したSiO、シリコンナノシート(シロキセン)等を用いることができるが、これに限定されない。なお、SiO、シリコンナノシートに関しては以下に詳説する。
SiO(0.3≦x≦1.6)は、上述したように、Si相とSiO相との2相に不均化されたものを用いるのが好ましい。Si相は、ケイ素単体からなり、Liイオンを吸蔵および放出し得る。このSi相は、Liイオンの吸蔵および放出に伴って体積変化(すなわち膨張および収縮)する。SiO相は、SiOからなり、Si相の膨張および収縮を吸収し得る。このようなSiO相による緩衝作用を十分に発揮するためには、Si相をSiO相で被覆するのが好ましい。さらには、微細化した複数のSi相をSiO相により被覆して、Si相とSiO相とが一体となった粒子を形成するのが特に好ましい。なお、xが下限値未満であると、Siの比率が過大になるため、充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。一方、xが上限値を超えると、Si比率が過小になってエネルギ密度が低下する。xの範囲は0.5≦x≦1.5であるのがより好ましく、0.7≦x≦1.2であるのがさらに好ましい。
SiOにおいて、Si相に対するSiO相の質量は、Si相の1〜3倍であるのが好ましい。このSiO相の質量がSi相の質量よりも小さい場合、つまり、SiO相の質量がSi相の質量に満たない場合には、SiOの体積変化が大きくなる。この体積変化が過大であれば、SiOを含む負極にクラックが生じるおそれがある。一方、SiO相の質量がSi相の質量の3倍を超える場合には、負極活物質のLiイオンの吸蔵および放出量が少なく、電池容量が低くなるおそれがある。主としてSi相がLiイオンの吸蔵および放出に関与するためである。好ましくは、SiとSiOとを1:1(モル比)で含むのが良い。
SiOとしては、一般的な方法で製造したものを用いることができる。例えば、一酸化ケイ素(SiO)を含む原料粉末を用いることができる。この場合、原料粉末中のSiOを、SiO相とSi相との二相に不均化する。SiOはSiとOとの原子比が概ね1:1の均質な固体(SiO:nは0.5≦n≦1.5)であるが、SiOの不均化では、この固体内部に反応が生じ、SiO相とSi相との二相に分離する。この不均化により、SiO相とSi相とを含むSiO粉末を得ることができる。この不均化は、原料粉末にエネルギを与えることにより進行する。例えば、原料粉末を加熱する、ミリングする、等である。
原料粉末を加熱する場合、一般に、酸素を絶った状態であれば800℃以上でほぼ全てのSiOが不均化して二相に分離するとされている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料粉末に対して、真空中又は不活性ガス中等の不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことにより、非結晶性のSiO相と結晶性のSi相の二相を含むSiO粉末を得ることができる。
原料粉末をミリングする場合には、ミリングの機械的エネルギの一部が、原料粉末の固相界面における化学的な原子拡散に寄与することで、SiOをSiO相およびSi相に不均化する。具体的には、低圧な不活性ガス雰囲気下(例えばアルゴンガス中)で混合機を用いて原料粉末を混合する。混合機としては、V型混合機、ボールミル、アトライタ、ジェットミル、振動ミル、高エネルギボールミル等に代表される既知の装置を用いれば良い。ミリング後にさらに熱処理を施すことで、SiOの不均化をさらに促進しても良い。
シリコンナノシートは、シロキセンとも呼ばれるケイ素系の層状化合物である。具体的には、シリコンナノシートは、シリケートからなるマトリクスと、当該マトリクス中に分散したナノサイズのシリコン粒子とからなる。そして、シリコン粒子とシリケートのうち、少なくともシリコン粒子がアモルファス状態である。
このようなシリコンナノシートは、例えば“‘Layerd polysilane:thermolysis and photoluminescence’ J.He,J.S.Tse,*D.D.Klug and K.F.Preston J.Mater.Chem.,1998,8(3),705−710”等に開示されている層状ポリシランを原料として製造することができる。詳しくは、この層状ポリシランは、ケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造を基本骨格とし、このうちケイ素原子には水酸基および水素基の少なくとも一方が結合した層状構造をなすものである。
この層状ポリシランを原料としてシリコンナノシートを製造するためには、先ず、層状ポリシランとアルコキシシランとを有機溶媒中で混合し、層状ポリシランの層間にアルコキシシランが滲入した層状化合物を得る。このとき用いられるアルコキシシランは、一般式Si(OR)で表される。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基等のアルケン基、エチニル基、アセチル基等のアルキン基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の芳香族基、アシル基等が例示される。また、このとき用いられる有機溶媒としては、アルコキシシランと反応せずかつアルコキシシランを溶解可能なものを使用できる。このような有機溶媒としては、例えば、アルコール類が挙げられる。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を単独で、或いは、複数種組み合わせて用いることができる。この工程においては、アルコキシシランを溶解した溶液が層状ポリシランの層間に滲入することで、アルコキシシランが層状ポリシランの層間に導入された層状化合物が形成される。また、このとき60℃程度に加温すれば、溶液が層状ポリシランの層間に比較的容易に滲入すると考えられる。アルコキシシランの一部が層状ポリシランの層間で凝集すると考えられるためである。
次いで、アルカリ化合物の水溶液と層状化合物とを混合して、層状ポリシランの層間においてアルコキシシランを加水分解するとともにシリケートを形成する。詳しくは、このとき、層状ポリシランの層間でアルコキシシランが加水分解されてゲル化するとともに、アルカリ化合物と反応してシリケートが形成される。その後、反応系に含まれる有機溶媒や、アルコキシシランの加水分解によって生じたアルコール等が除去されて、シリコンナノシートの前駆体が得られる。この前駆体は、ポリシラン層とシリケート層とが略交互に積層された状態になっている。なお、このときのアルカリ化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、カルボン酸塩等、水に可溶なものを好ましく使用できる。例えば、シリコンナノシートをリチウムイオン二次電池用の負極活物質として用いる場合には、アルカリ化合物として、水酸化リチウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウム、アルコキシリチウム等を特に好ましく使用できる。
次いで、上記の前駆体を非酸化雰囲気で加熱する。すると、層状ポリシランが分解してアモルファス状態のシリコン粒子が得られる。このシリコン粒子は互いに凝集しようとするが、ポリシラン層同士の間に介在するシリケート層によって、シリコン粒子の凝集は抑制される。その結果、シリコン粒子の粒成長が抑制され、ナノサイズの微粒シリコン粒子が得られる。つまり、上記の方法で得られるシリコンナノシートは、シリケートからなるマトリクスと、当該マトリクス中に分散したナノサイズのシリコン粒子とからなり、少なくとも当該シリコン粒子はアモルファス状態である。より好ましくは、シリケートもアモルファス状態であるのが良い。シリコン粒子がアモルファス状態にあることで、非水電解質二次電池の初期容量が増大する。また、シリケートがアモルファス状態にあることで、非水電解質二次電池のサイクル特性が向上する。なお、シリコンナノシートの少なくとも一部がアモルファス状態であることは、XRD回折により確認できる。また、シリコンナノシートにSi−Si結合が存在することはラマンスペクトル分析によって確認できる。
シリコンナノシートにおけるシリコン粒子の粒径は0.5nm〜20nm程度であるのが好ましく、1nm〜10nm程度であるのがより好ましい。この粒径は、TEM等で観察した数平均粒径やXRDのピークからシェラーの式で求めた粒径であっても良いし、その他の方法で測定した平均粒径であっても良い。シリコン粒子とシリケートとのモル比は、シリコン粒子1モルに対してシリケート0.1〜1.5モル程度であるのが好ましい。シリコン粒子1モルに対してシリケート0.5〜1.0モル程度であるのがより好ましい。
その他、ケイ素系負極活物質としては、Si相とSiO相とを主成分とし、その他の公知の活物質を含有するものを用いても良い。より具体的には、MeSiである。なお、MeはLi、Ca等であり、w、y、zは整数である。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、2以上のケイ素系負極活物質(例えば、上記したSiO、シリコンナノシートおよびMeSiから選ばれる2種以上)を含んでも良い。また、負極活物質として、例えば黒鉛、カーボン等のケイ素系負極活物質以外のものを含んでも良い。ケイ素粒の粒子径は特に問わないが、ケイ素粒の平均粒子径は0.5μm以上、50μm以下であるのが好ましい。これは50μmを超える粒子が存在すると、粒子内で分極が起こり、クーロン効率の低下につながるためである。なお、ここでいう平均粒子径とは、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均粒子径を指す。
負極は、上述した負極活物質を含む負極合材層と、集電体と、で構成できる。負極合材層は集電体上に積層しても良いし、場合によっては、集電体と一体化した層を構成しても良い。負極合材層と集電体との積層体は、場合によっては、さらに加熱等しても良い。集電体は、例えば、銅や銅合金等の金属製のメッシュや金属箔等の一般的なものを使用できる。負極合材層を構成する負極合材は、上述したケイ素系負極活物質の他に、バインダや導電助剤等を含んでも良い。
バインダは特に限定されず、既知のものを用いれば良い。例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等、高電位においても分解しない樹脂を用いるのが好ましい。バインダの配合割合は、質量比で、負極活物質:バインダ=1:0.05〜1:0.5の範囲であるのが好ましい。バインダが少なすぎると電極の成形性が低下し、また、バインダが多すぎると電極のエネルギ密度が低くなるためである。
導電助剤としては、非水電解質二次電池の電極に一般的に用いられている材料を用いれば良い。例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維、黒鉛、銅等微粉化した金属粒子等を用いても良い。導電助剤の配合割合は、質量比で、負極活物質:導電助剤=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる正極は特に限定されず、非水電解質二次電池の一般的な正極、つまり、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵・放出可能な正極活物質を含むものを用いることができる。
正極活物質としては、例えば、金属リチウムやリチウム含有複合酸化物等を用いることができる。リチウム含有複合酸化物とは、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物等のリチウムと遷移金属との金属複合酸化物である。より具体的には、LiCoO、LiCoNiMn(p+q+r=1、0<p<1、0≦q<1、0≦r<1)、LiMnO、LiMnO等が挙げられる。このうち、LiCoNiMn(p+q+r=1、0<p<1、0≦q<1、0≦r<1)としては、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiCo2/10Ni5/10Mn3/10が好ましく用いられる。正極活物質は、また、リチウムを含まない活物質、例えば硫黄単体、硫黄変性化合物等を用いることもできる。正極、負極ともにリチウム等の電荷担体を含まない場合は、電荷担体をプレドープする必要がある。正極は、正極活物質の他に、バインダ、導電助材等を含んでも良い。また、正極は集電体に一体化しても良い。導電助剤およびバインダは、特に限定はなく、上記した負極用の導電助剤およびバインダと同様に、非水電解質二次電池に使用可能なものであれば良い。
正極用の集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼等、非水電解質二次電池の正極に一般的に使用されるものを用いれば良い。集電体の形状は、負極用の集電体と同様に、メッシュ状や箔状等の一般的な形状であれば良い。
電解液は、有機溶媒に支持電解質(支持塩)を溶解させたものを用いれば良く、特に限定されない。有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。また、支持電解質としては有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いるのが良く、例えば、LiPF、LiBF、LIASF、LiI、LiClO、LiCFSOからなる群から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好適である。支持電解質は、有機溶媒に0.5mol/l〜1.7mol/l程度の濃度で溶解させるのが好ましい。
正極と負極との間には必要に応じてセパレータを挟装すれば良い。セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
本発明の非水電解質二次電池の形状には特に限定はなく、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に電極体に非水電解液を含浸させて非水電解質二次電池とすると良い。
本発明の非水電解質二次電池の形状もまた、特に限定しない。円筒型、積層型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。何れの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装して電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケース(またはラミネートフィルム)に密閉して電池となる。
本発明の非水電解質二次電池は、例えば、リチウムイオン二次電池であっても良いし、リチウム二次電池であっても良い。或いは、リチウム以外の電荷担体(例えばナトリウム)を用いたものであっても良い。本発明の非水電解質二次電池は、車両に搭載しても良い。本発明の負極を用いた非水電解質二次電池は、大容量、大出力で、長時間使用することができるため、車両用の走行用モータを駆動するのに適している。車両は、その動力源の一部または全部に非水電解質二次電池による電気エネルギを使用している車両であれば良い。具体的には、所謂電気自動車(EV車)、ハイブリッド自動車(HV車)等である。車両に非水電解質二次電池を搭載する場合には、非水電解質二次電池を複数直列に接続した組電池として使用するのが良い。
本発明の非水電解質二次電池は、上述した車両以外にも種々の用途に供することができる。例えば、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器等、電池で駆動される各種の家電製品やオフィス機器、産業機器用の電池として好ましく用いられる。
以下、具体例を挙げて本発明の複合負極活物質体、負極および非水電解質二次電池を説明する。
(試料1)
先ず、市販のSiO粉末をボールミルに入れて、Ar雰囲気下で、回転数450rpmで20時間ミリングした。その後、不活性ガス雰囲気中で、900℃の温度下で、2時間加熱処理を行った。これにより、SiO粉末が不均化されて、粒子状のケイ素酸化物(SiO)が得られた。このSiOについて、CuKαを使用したX線回折(XRD)測定を行ったところ、単体ケイ素と二酸化ケイ素とに由来する特有のピークが確認された。このことから、SiOには単体ケイ素と二酸化ケイ素が生成していること、つまり、SiOが不均化されていることがわかった。SiOの平均粒径D50は、5μm以下であった。
粒子状をなす上記のSiOをケイ素粒として用いた。このケイ素粒の表面に、先ず、遷移金属層を設けた。具体的には、1gのケイ素粒をスパッタリング装置(キヤノントッキ製 SPM−302)の真空チャンバに配置した。また、ターゲットとしてのTaおよびCを、それぞれ当該真空チャンバ内に配置した。そして、1.4Paまで真空引きをおこなった。その後、1Pa程度になるように真空チャンバ内にArガスを流通させつつ、ケイ素粒を収納した容器を回転あるいは振動させることでケイ素粒を流動させて、Taをターゲットとしてスパッタリングをおこなった。ケイ素粒に最大で約10nmのTaスパッタ膜を成膜した後、続けてCをターゲットとしたスパッタリングをおこなった。このときのCスパッタ膜の膜厚は最大で約5nmであった。以上の工程で、負極活物質(SiO)からなるケイ素粒上に遷移金属層(Taスパッタ膜)が設けられ、当該遷移金属層上にCコート層(Cスパッタ膜)が設けられている複合負極活物質体を得た。なお、試料1においては、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、0.5質量%のCを含むとともに、3.0質量%のTaを含む。
上記の複合負極活物質体と黒鉛(SMG)とアセチレンブラック(AB)とポリアミドイミド(PAI)とを、複合負極活物質体:SMG:AB:PAI=45:40:5:10(質量比)となるように量りとり、混合した。そして、得られた混合物(つまり負極合材)を、ドクターブレードを用いて、集電体である銅箔の片面に成膜した。得られた集電体―負極合材の成膜体を、80℃で0.5時間溶媒を蒸発させるために乾燥し、次いで、所定の圧力でプレスし、所定形状に打ち抜いた。その後、200℃で2時間真空乾燥して、放冷した。これにより、集電体表面に負極活物質層が固定されてなる負極(評価極)が得られた。
対極としては、金属リチウム箔を用いた。なお、対極の直径はφ13.0mmであり、評価極の直径はφ11.0mmであった。対極と評価極との間に、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜(厚さ25μm)を挟み込んで、電極体電池とした。この電極体電池を電池ケース(宝泉株式会社製CR2032コインセル)に収容した。電池ケースには、さらに、電解液を注入した。電解液としては、支持電解質としてのLiPFを有機溶媒に1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを30:70(体積比)で混合したものを用いた。電解液を注入した後に電池ケースを密閉して、試料1の非水電解質二次電池を得た。
(試料2)
試料2の負極は、複合負極活物質体における遷移金属層が膜厚約10nmのTiスパッタ膜であること以外は試料1の負極と同じものである。また、試料2の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料2の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、0.5質量%のCを含むとともに、3.0質量%のTiを含む。
(試料3)
試料3の負極は、複合負極活物質体における遷移金属層が膜厚約10nmのWスパッタ膜であること以外は試料1の負極と同じものである。また、試料3の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料3において、試料3の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、0.5質量%のCを含むとともに、3.0質量%のWを含む。
(試料4)
試料4の負極は、複合負極活物質体にCコート層および遷移金属層を設けなかったこと以外は試料1の負極と同じものである。また、試料4の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
(試料5)
試料5の負極は、複合負極活物質体に遷移金属層を設けなかったことおよびCコート層の量以外は試料1の負極と同じものである。また、試料6の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料5の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、0.25質量%のCを含む。
(試料6)
試料6の負極は、複合負極活物質体に遷移金属層を設けなかったこと以外は試料1の負極と同じものである。また、試料6の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料6の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、0.5質量%のCを含む。
(試料7)
試料7の負極は、複合負極活物質体に遷移金属層を設けなかったこと以外は試料1の負極と同じものである。また、試料7の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料7の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、1.0質量%のCを含む。
(試料8)
試料8の負極は、複合負極活物質体に遷移金属層を設けなかったこと以外は試料1の負極と同じものである。また、試料8の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料8の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、1.5質量%のCを含む。
(試料9)
試料9の負極は、複合負極活物質体に遷移金属層を設けなかったこと以外は試料1の負極と同じものである。また、試料9の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料9の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、3.0質量%のCを含む。
(試料10)
試料10の負極は、複合負極活物質体に遷移金属層を設けなかったこと以外は試料1の負極と同じものである。また、試料10の非水電解質二次電池は、負極以外は試料1の非水電解質二次電池と同じものである。
なお、試料10の負極における複合負極活物質体は、ケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、5.0質量%のCを含む。
試料1〜10の複合負極活物質体におけるCコート層および遷移金属層の組成および量を以下の表1に示す。
Figure 2015125816
(導電性評価試験)
試料4〜10の負極について、導電率(S/cm)を測定した。具体的には、試料4〜10の負極を20mm×50mmに切断したものを測定試料として準備した。三菱化学株式会社製の測定装置(MCP−T610)を用い、この測定試料の負極活物質側から針をあて、四探針法により導電率(S/cm)を測定した。測定結果を図2および図3に示す。なお、図2および図3は、Cコート層の量(炭素含有量)と導電率との関係を表すグラフである。図3に示すように、炭素(C)含有量が0.25質量%以上であれば導電率は十分に高くなる。この導電率は、図2に示すように、C含有量100質量%(つまり、炭素そのもの)に近い値である。なお、C含有量が0.25質量%を超える場合には、負極の導電率は炭素そのものの導電率にさらに近づき、0.5質量で炭素そのものの導電率とほぼ同じになる。このため、導電率を考慮すると、複合負極活物質体に含まれるC量(Cコート層量)は、ケイ素粒の質量を100質量%としたときに、0.25質量%以上であれば良く、0.3質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上であるのがより好ましいといえる。
(充放電試験)
試料1〜10の各非水電解質二次電池について、充電終止電圧0.8Vまで0.2mAで定電流定電圧(CC−CV)充電をおこなった後、放電終止電圧0.08Vまで0.2mAで定電流定電圧放電をおこなった。試料1〜試料4および試料6の非水電解質二次電池については、この充放電を50サイクル繰り返した。初回充放電の結果を基に、試料4〜試料10の非水電解質二次電池について初期効率を算出した。初期効率は、初期放電容量を初期充電容量で除した値の百分率であり、(初期放電容量/初期充電容量)×100で求められる。試料4〜試料10の非水電解質二次電池の初期効率を表すグラフを図4に示す。図4に示すように、複合負極活物質体のC含有量が0.1質量%以上であれば、非水電解質二次電池の初期効率は、ケイ素粒の表面全面をCコート層で覆った試料10の初期効率と同等の値になる。また、複合負極活物質体のC含有量が0.05質量%以上であれば、非水電解質二次電池の初期効率は、試料10の初期効率に近い値になる。つまり、初期効率を考慮すると、複合負極活物質体のC含有量は0.05質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましい。そして、初期効率の面から考えると、複合負極活物質体のC含有量は0.1質量%あれば十分だといえる。換言すると。初期効率を考慮すると、複合負極活物質体のC含有量は0.05質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましい。そして、初期効率の面から考えると、複合負極活物質体の炭素含有量は0.1質量%あれば十分だといえる。
試料1〜試料4および試料6の非水電解質二次電池について、50サイクル経過後の容量維持率を算出した。容量維持率(%)は、(50サイクル経過時の充電容量/初期充電容量)×100で求められる。試料1〜試料4および試料6の非水電解質二次電池における容量維持率を表2に示す。
Figure 2015125816
表2に示すように、ケイ素粒上に遷移金属層を備え、かつ、Cコート層がケイ素粒すなわちSiOの質量を100質量%としたときに、3.0質量%のCを含む試料1〜試料3の非水電解質二次電池は、何れも容量維持率に優れる。具体的には、50サイクル後の容量維持率が89%を超える。これは、Cコート層のみを備え遷移金属層を備えない試料6の非水電解質二次電池の当該容量維持率(85.3%)に比べて、十分に大きい値である。この結果から、ケイ素粒上に遷移金属層を設けることで、サイクル特性が向上することがわかる。これは、Cコート層とケイ素粒の表面との間に遷移金属層が介在することで、ケイ素粒からのCコート層の剥離が抑制されたためだと考えられる。また、表2に示す結果から、初期容量の面から考えると、遷移金属層の少なくとも一部をTaで構成するのが特に好ましいことがわかる。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
1:負極 10:複合負極活物質体
11:ケイ素粒 12:遷移金属層
13:Cコート層 15:集電体

Claims (6)

  1. ケイ素(Si)を含むケイ素系負極活物質からなるケイ素粒と、
    タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)から選ばれる少なくとも一種を含み前記ケイ素粒上に設けられている遷移金属層と、
    炭素(C)を含み前記遷移金属層上に設けられているCコート層と、で構成され、前記ケイ素粒の質量を100質量%としたときの前記Cの量は、0.25質量%以上10.0質量%以下である非水電解質二次電池用複合負極活物質体。
  2. 前記ケイ素粒の質量を100%としたときの前記遷移金属の元素量は、0.5質量%以上5.0質量%以下である請求項1に記載の非水電解質二次電池用複合負極活物質体。
  3. 前記ケイ素粒の質量を100質量%としたときの前記Cの量は、0.5質量%以上5.0質量%以下である請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池用複合負極活物質体。
  4. 前記ケイ素系負極活物質はSiO(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物からなる請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の非水電解質二次電池用複合負極活物質体。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の非水電解質二次電池用複合負極活物質体を含む非水電解質二次電池用負極。
  6. 請求項5に記載の非水電解質二次電池用負極を含む非水電解質二次電池。
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