JP6011313B2 - 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電装置に用いられる負極活物質とその製造方法、その負極活物質を用いた二次電池、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電装置に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極及び負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をリチウムイオンが移動することによって動作する。
リチウムイオン二次電池には、正極の活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が用いられ、負極の活物質としては多層構造を有する炭素材料が主に用いられている。リチウムイオン二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。なかでも活物質を形成する活物質材料の研究開発が活発に行われている。例えば負極活物質材料として炭素よりも高容量なケイ素またはケイ素酸化物が検討されている。
ケイ素を負極活物質として用いることにより、炭素材料を用いるよりも高容量の電池とすることができる。しかしながらケイ素は、充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化が大きい。そのためケイ素が微粉化して集電体から脱落または剥離し、電池の充放電サイクル寿命が短いという問題点がある。そこでケイ素酸化物を負極活物質として用いることにより、ケイ素よりも充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化を抑制することができる。
例えば、負極活物質として、酸化ケイ素(SiOx:xは0.5≦x≦1.5程度)の使用が検討されている。SiOxは熱処理されると、SiとSiO2とに分解することが知られている。これは不均化反応といい、固体の内部反応によりSi相とSiO2相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。また、Si相を覆うSiO2相が電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、SiとSiO2とに分解したSiOxからなる負極活物質を用いた二次電池は、サイクル特性に優れる。
上記したSiOxのSi相を構成するシリコン粒子が微細であるほど、それを負極活物質として用いた二次電池はサイクル特性が向上する。そこで特許第3865033号(特許文献1)には、金属シリコンとSiO2を加熱して昇華させて酸化珪素ガスとし、それを冷却してSiOxを製造する方法が記載されている。この方法によれば、Si相を構成するシリコン粒子の粒径を1-5nmのナノサイズとすることができる。
また特開2009-102219号公報(特許文献2)には、シリコン原料を高温のプラズマ中で元素状態まで分解し、それを液体窒素温度まで急冷してシリコンナノ粒子を得、このシリコンナノ粒子をゾルゲル法などでSiO2-TiO2マトリクス中に固定する製造方法が記載されている。
ところが特許文献1に記載の製造方法では、マトリクスが昇華性の材料に限られる。また特許文献2に記載の製造方法では、プラズマ放電のために高いエネルギーが必要となる。さらにこれらの製造方法で得られたシリコン複合体では、Si相のシリコン粒子の分散性が低く凝集し易いという不具合がある。Si粒子どうしが凝集して粒径が大きくなると、それを負極活物質として用いた二次電池は初期容量が低く、サイクル特性も低下する。
ところで近年、半導体、電気・電子等の各分野への利用が期待されるナノシリコン材料が開発されている。例えばPhysical Review B(1993),vol48,8172-8189(非特許文献1)には、塩化水素(HCl)と二ケイ化カルシウム(CaSi2)とを反応させることで組成式(SiH)nで示される層状ポリシランを合成する方法が記載され、こうして得られる層状ポリシランは、発光素子などに利用できることが記載されている。
そして特開2011-090806号公報(特許文献3)には、層状ポリシランを負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
一方、特開2002-083504号公報(特許文献4)などには、非晶質シリコン薄膜電極及び微結晶シリコン薄膜電極をはじめとするシリコンを主体とする薄膜電極が記載されている。しかしシリコンを主体とする薄膜電極は、高容量であるものの高率放電特性が不十分であった。これは、シリコンの電子伝導度が低く抵抗率が高いことに起因している。
そこでWO2005/008809号公報(特許文献5)には、TiSi2などの合金相を含む堆積膜からなるリチウムイオン二次電池用負極が提案されている。シリコンを合金化することで電子伝導度が向上するため、高率放電特性に優れる。
特許第3865033号公報 特開2009-102219号公報 特開2011-090806号公報 特開2002-083504号公報 WO2005/008809号公報
Physical Review B(1993),vol48,8172-8189
ところが特許文献3に記載された組成式(SiH)nで示される層状ポリシランからなる負極活物質は、比表面積が大きく、SiO2成分が多く含まれているために、二次電池の負極活物質材料としては好ましくないという不具合があった。例えばリチウムイオン二次電池の負極においては、比表面積が大きいと、電解液の分解を促進させるために負極で消費される不可逆容量が大きくなり、高容量化が困難である。またSiであれば問題がないが負極活物質中にSiO2成分が多く含まれると、不可逆容量となるLiが形成されるなど初期特性の劣化を引き起こすことが知られている。
また特許文献5に記載の技術では、堆積膜からなる負極であるために合金化の手法として蒸着法が採用されている。蒸着法を採用すれば、ミクロの視点で合金化することができ、シリコン以外の金属を必要最低限の添加量で合金化することができるので、シリコンによる特性が低下するのを抑制することができる。しかし蒸着法では、大量生産や電池の大型化には不向きである。またシリコン粒子を活物質とする負極の場合には、シリコン粒子の結晶径の制御が困難であるため、蒸着法による合金化は困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、粒径がナノレベルで制御されたシリコン−金属複合体を主体とする負極活物質と、その負極活物質を負極に用いた蓄電装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の負極活物質の特徴は、ケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造をなし組成式(SiH)nで示される層状ポリシランを熱処理することで製造されたナノシリコン材料と、
Pt,Ir,Pd,Cu,W及びTiから選ばれた少なくとも一種の金属よりなりナノシリコン材料のSiと複合化した複合化金属と、からなり、複合化金属はナノシリコン材料100質量部に対して0.1〜12質量部含まれることにある。
ナノシリコン材料は、比表面積が53m2/g以下、含まれる酸素量が30質量%以下であることが望ましい。
層状ポリシランは、ラマンスペクトルにおいてラマンシフトの341±10cm-1、360±10cm-1、498±10cm-1、638±10cm-1にピークが存在することが望ましい。
また、ナノシリコン材料のナノシリコンの結晶子は、X線回折測定結果の(111)面の回折ピークの半値幅からシェラーの式より算出される結晶粒径が11〜50nmであることが望ましい。
そして本発明の蓄電装置の特徴は、本発明の負極活物質を含む負極を有することにある。
本発明の負極活物質によれば、シリコンが他の金属と複合化しているため、シリコンのみの場合に比べて導電性が向上する。またシリコンはナノレベルの粒径を有しているのでミクロな視点での複合化が可能であり、複合化金属の添加量を必要最低限とすることができ電池特性に及ぼす悪影響を最低限とすることができる。
層状ポリシランのラマンスペクトルである。 単結晶シリコンのラマンスペクトルである。 実施例1に係る層状ポリシランのラマンスペクトルである。 実施例1に係るナノシリコン粉末のXRDスペクトルである。 実施例1,2及び比較例1に係るリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示す。 実施例3,4及び比較例2に係るリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示す。 実施例5及び比較例3に係るリチウムイオン二次電池の充放電曲線を示す。
本願発明者らは、非特許文献1及び特許文献3に記載されたケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造をなし組成式(SiH)nで示される層状ポリシランに関して鋭意研究を行い、そのラマンスペクトルに着目した。一般的にラマンシフトは高周波側へシフトすると結合が強くなり、低周波側へシフトすると結合が切れやすくなることが知られている。この層状ポリシランのラマンスペクトルを図1に、単結晶シリコンのラマンスペクトルを図2に示す。図1と図2の比較から、単結晶シリコンにおいて520cm-1に観測されるSi-Si結合のピークを見ると、層状ポリシランでは単結晶シリコンに比べて低周波側の320cm-1付近にシフトしたことがわかった。
すなわち層状ポリシラン構造とすることで、Si-Siの結合が弱くなり、穏和な条件でのナノシリコン化が可能となることが予測された。そして、窒素ガスを除く非酸化性雰囲気下にて100℃を超える温度で層状ポリシランを熱処理することで、ナノシリコン材料が得られることを見出した。非特許文献1に記載された層状ポリシランは、ケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造をなし組成式(SiH)nで示される層状ポリシランを基本骨格としている。この層状ポリシランを非酸化性雰囲気下にて100℃を超える温度で熱処理することにより、平均粒径が5nm程度のナノシリコン材料が得られた。100℃未満の熱処理では、層状ポリシランの構造がそのまま維持され、ナノシリコンは得られない。熱処理時間は熱処理温度によって異なるが、500℃以上の熱処理であれば1時間で十分である。
しかし非特許文献1及び特許文献3に記載された層状ポリシランは、比表面積が20m2/g程度と小さいものの、含まれる酸素量が多いため、上述したように負極活物質としては適さない。
そこで鋭意研究の結果、層状ポリシランの製造条件によって、得られる層状ポリシランの比表面積及び酸素量が変化し、それを熱処理して得られるナノシリコンの比表面積及び酸素量も変化することが明らかとなった。非特許文献1及び特許文献3では、塩化水素(HCl)と二ケイ化カルシウム(CaSi2)とを反応させて層状ポリシランを得ている。二ケイ化カルシウム(CaSi2)は、ダイヤモンド型のSiの(111)面の間にCa原子層が挿入された層状結晶をなし、酸との反応でカルシウム(Ca)が引き抜かれることによって層状ポリシランが得られる。
しかしCaを引き抜く酸として、フッ化水素(HF)と塩化水素(HCl)の混合物を用いることで、得られる層状ポリシラン及びナノシリコン材料の比表面積が増大するものの酸素量は少なくなることが明らかとなった。
本発明では、フッ化水素(HF)と塩化水素(HCl)との混合物と、二ケイ化カルシウム(CaSi2)と、を反応させることで製造された層状ポリシランを熱処理することで得られるナノシリコン材料を用いている。二ケイ化カルシウム(CaSi2)は、ダイヤモンド型のSiの(111)面の間にCa原子層が挿入された層状結晶をなし、酸との反応でカルシウム(Ca)が引き抜かれることによって層状ポリシランが得られる。
フッ化水素(HF)を用いることで、合成中あるいは精製中に生成するSiO2成分がエッチングされ、これにより比表面積が大きいものの、酸素量が低減される。フッ化水素(HF)のみを用いた場合でも層状ポリシランが得られるものの、活性が高く微量の空気によって酸化され、逆に酸素量が増大するため好ましくない。また塩化水素(HCl)のみを用いた場合は非特許文献1と同様であり、酸素量が多い層状ポリシランしか得られない。
フッ化水素(HF)と塩化水素(HCl)との組成比は、モル比でHF/HCl=1/1〜1/100の範囲が望ましい。フッ化水素(HF)の量がこの比より多くなるとCaF2、CaSiO系などの不純物が生成し、この不純物と層状ポリシランとを分離するのが困難であるため好ましくない。またフッ化水素(HF)の量がこの比より少なくなると、HFによるエッチング作用が弱く、層状ポリシランに酸素が多く残存する場合がある。
フッ化水素(HF)と塩化水素(HCl)との混合物と二ケイ化カルシウム(CaSi2)との配合比は、当量より酸を過剰にすることが望ましい。また反応雰囲気は、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。なお本発明の製造方法によれば、非特許文献1の製造方法に比べて反応時間が短くなることも明らかとなった。反応時間が長すぎるとSiとHFがさらに反応してSiF4が生じてしまうため、反応時間は0.25〜24時間程度で充分である。反応温度は、室温でも容易に反応する。
反応によりCaCl2などが生成するが、水洗によって容易に除去することができ、層状ポリシランの精製は容易である。
製造された層状ポリシランを、非酸化性雰囲気下にて100℃以上の温度で熱処理することで、比表面積が減少し酸素量も少ないナノシリコン材料が得られる。非酸化性雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、真空雰囲気が例示される。窒素ガス雰囲気では、窒化ケイ素が生成する場合があるので好ましくない。
また熱処理温度は、100℃〜1000℃の範囲が好ましく、400℃〜600℃の範囲が特に好ましい。100℃未満ではナノシリコンが生成しない。特に400℃以上で熱処理されて形成されたナノシリコン材料を負極活物質とするリチウムイオン二次電池は初期効率が向上する。
<ナノシリコン材料>
ナノシリコン材料のSi結晶子は、蓄電装置の電極活物質として用いるには、0.5nm〜300nmが好ましく、1nm〜100nm、1nm〜50nm、更には1nm〜10nmの範囲が特に望ましい。
非特許文献1に記載の製造方法で製造された層状ポリシランを熱処理することで得られたナノシリコンの比表面積は約7m2/gと小さいが、上記の製造方法で製造された層状ポリシランを熱処理することで得られたナノシリコンは、比表面積が53m2/g以下と大きいものの、層状ポリシランより小さく負極活物質として十分に利用可能な範囲にある。
そして非特許文献1に記載の製造方法で製造された層状ポリシランを熱処理することで得られたナノシリコンの酸素量は約33%と大きいが、上記の製造方法で製造された層状ポリシランを熱処理することで得られたナノシリコンの酸素量は30%以下と小さい。
<複合化>
上記のナノシリコン材料に、複合化金属が複合化される。複合化とは、シリコン粒子と複合化金属の粒子とが微細な状態で均一に混合された状態であってもよいし、シリコンと複合化金属とが反応して金属間化合物となっていてもよいし、シリコンと複合化金属とが合金となっていてもよいし、これらの複数相が共存していてもよい。シリコン粒子がナノレベルの粒径を有しているので、混合状態である場合には複合化金属の粒径もナノレベルであることが望ましい。また合金となっている場合には、合金相の粒径がナノレベルであるのが望ましい。
複合化金属は、Pt,Ir,Pd,Cu,W及びTiから選ばれた少なくとも一種の金属よりなる金属である。複合化金属は、ナノシリコン材料100質量部に対して0.1〜12質量部含まれている。複合化金属の含有量が0.1質量部未満では複合化した効果が発現されず、12質量部を超えるとナノシリオン材料の量が相対的に減少するため蓄電装置とした場合に容量が低下してしまう。複合化金属の量は必要最低限とするのが望ましく、例えばPtの場合にはナノシリコン材料100質量部に対して0.5質量部程度が望ましい。また例えばCuの場合には、ナノシリコン材料100質量部に対して1.5質量部程度が望ましい。
複合化金属を複合化するには、複合化金属又は複合化金属化合物の微粒子をナノシリコン材料と混合して焼成する方法がある。しかしこの方法では、複合化金属又は複合化金属化合物の微粒子化が困難な場合があり、そうすると均一なナノレベルでの複合化が困難となる。
そこで本発明の製造方法では、複合化金属の化合物を溶解した溶液をナノシリコン材料と混合して熱処理している。溶液として混合することで、複合化金属の化合物をナノシリコン材料に均一に混合することができ、溶媒が蒸散すれば複合化金属の化合物が微細に析出し、それを熱処理することで微細な複合化金属がナノシリコンと複合化してナノレベルのシリコン−金属複合体が形成される。
上述したように、複合化金属化合物は溶媒に溶解するものを選択することが好ましい。このような複合化金属化合物と溶媒の組み合わせは種々存在するが、溶媒はTHFなど除去しやすいものが望ましく、THFなどに溶解する有機金属錯体、金属酢酸塩、金属硝酸塩などから選択することが望ましい。
シリコン−金属の複合状態は、MSi2で表される金属シリサイド構造ではなく、結晶構造を有しない非晶質構造であることが望ましい。
<蓄電装置の負極>
上記ナノレベルのシリコン−金属複合体からなる負極活物質を用いて、例えば非水系二次電池の負極を作製するには、負極活物質粉末と、炭素粉末などの導電助剤と、バインダーと、適量の有機溶剤を加えて混合しスラリーにしたものを、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの方法で集電体上に塗布し、バインダーを乾燥あるいは硬化させることによって作製することができる。
バインダーは、なるべく少ない量で活物質等を結着させることが求められるが、その添加量は活物質、導電助剤、及びバインダーを合計したものの0.5wt%〜50wt%が望ましい。バインダーが0.5wt%未満では電極の成形性が低下し、50wt%を超えると電極のエネルギー密度が低くなる。
バインダーには、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリル酸(PAA)等が例示される。
バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いると負極の電位を下げることができ蓄電装置の電圧向上が可能となる。またバインダーとしてポリアミドイミド(PAI)又はポリアクリル酸(PAA)を用いることで初期効率と放電容量が向上する。
集電体は、放電或いは充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体のことである。集電体は箔、板等の形状を採用することができるが、目的に応じた形状であれば特に限定されない。集電体として、例えば銅箔やアルミニウム箔を好適に用いることができる。
負極活物質として、上記したナノレベルのシリコン−金属複合体に、グラファイト、ハードカーボン、ケイ素、炭素繊維、スズ(Sn)、酸化ケイ素など公知のものを混合することもできる。中でもSiOx(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物が特に好ましい。このケイ素酸化物粉末の各粒子は、不均化反応によって微細なSiと、Siを覆うSiO2とに分解したSiOxからなる。xが下限値未満であると、Si比率が高くなるため充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。またxが上限値を超えると、Si比率が低下してエネルギー密度が低下するようになる。0.5≦x≦1.5の範囲が好ましく、0.7≦x≦1.2の範囲がさらに望ましい。
一般に、酸素を断った状態であれば1000℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化ケイ素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で1000〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO2相および結晶性のSi相の二相を含むケイ素酸化物粉末が得られる。
またケイ素酸化物として、SiOxに対し炭素材料を1〜50質量%で複合化したものを用いることもできる。炭素材料を複合化することで、サイクル特性が向上する。炭素材料の複合量が1質量%未満では導電性向上の効果が得られず、50質量%を超えるとSiOxの割合が相対的に減少して負極容量が低下してしまう。炭素材料の複合量は、SiOxに対して5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに望ましい。SiOxに対して炭素材料を複合化するには、CVD法などを利用することができる。
ケイ素酸化物粉末は平均粒径が1μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。平均粒径が10μmより大きいと非水系二次電池の充放電特性が低下し、平均粒径が1μmより小さいと凝集して粗大な粒子となるため同様に非水系二次電池の充放電特性が低下する場合がある。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて添加することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、活物質100質量部に対して、20〜100質量部程度とすることができる。導電助剤の量が20質量部未満では効率のよい導電パスを形成できず、100質量部を超えると電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。なお炭素材料が複合化されたケイ素酸化物を活物質として用いる場合は、導電助剤の添加量を低減あるいは無しとすることができる。
有機溶剤には特に制限はなく、複数の溶剤の混合物でも構わない。N-メチル-2-ピロリドン及びN-メチル-2-ピロリドンとエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等)あるいはグライム系溶媒(ジグライム、トリグライム、テトラグライム等)の混合溶媒が特に好ましい。
本発明の蓄電装置がリチウムイオン二次電池の場合、負極には、リチウムがプリドーピングされていることもできる。負極にリチウムをドープするには、例えば対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電極化成法などを利用することができる。リチウムのドープ量は特に制約されない。
本発明の蓄電装置がリチウムイオン二次電池の場合、特に限定されない公知の正極、電解液、セパレータを用いることができる。正極は、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。正極は、集電体と、集電体上に結着された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質と、バインダーとを含み、さらには導電助剤を含んでも良い。正極活物質、導電助材およびバインダーは、特に限定はなく、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。
<蓄電装置の正極>
正極活物質としては、金属リチウム、LiCoO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、Li2MnO3、硫黄などが挙げられる。集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、リチウムイオン二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよい。導電助剤は上記の負極で記載したものと同様のものが使用できる。
<蓄電装置の他の要素>
電解液は、有機溶媒に電解質であるリチウム金属塩を溶解させたものである。電解液は、特に限定されない。有機溶媒として、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiI、LiClO4、LiCF3SO3等の有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いることができる。
例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム金属塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
セパレータは、非水系二次電池に使用されることができるものであれば特に限定されない。セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
本発明の蓄電装置が非水系二次電池である場合、その形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施態様を具体的に説明する。
<層状ポリシランの合成>
濃度46質量%のHF水溶液7mlと、濃度36質量%のHCl水溶液56mlとの混合溶液を氷浴中で0℃とし、アルゴンガス気流中にてそこへ3.3gの二ケイ化カルシウム(CaSi2)を加えて撹拌した。発泡が完了したのを確認した後に室温まで昇温し、室温でさらに2時間撹拌した後、蒸留水20mlを加えてさらに10分間撹拌した。このとき黄色粉末が浮遊した。
得られた混合溶液を濾過し、残渣を10mlの蒸留水で洗浄した後、10mlのエタノールで洗浄し、真空乾燥して2.5gの層状ポリシランを得た。そのラマンスペクトルを図3に示す。ラマンシフトの341±10cm-1、360±10cm-1、498±10cm-1、638±10cm-1にピークが存在した。
<ナノシリコンの合成>
この層状ポリシランを1g秤量し、O2を1体積%以下の量で含むアルゴンガス中にて500℃で1時間保持する熱処理を行い、ナノシリコン粉末を得た。このナノシリコン粉末に対してCuKα線を用いたX線回折測定(XRD測定)を行った。その回折スペクトルを図4に示す。XRD測定によれば、Si微粒子由来と考えられるハローを観測した。Si微粒子は、X線回折測定結果の(111)面の回折ピークの半値幅からシェラーの式より算出される結晶粒径が約7nmであった。
<負極活物質の合成>
得られたナノシリコン粉末500mgに対し、アルゴンガス雰囲気下において塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)のテトラヒドロフラン溶液10ml(塩化白金酸六水和物として7mg)を加え、60℃で6時間加熱撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去した後、アルゴンガス雰囲気下において500℃で焼成してナノレベルのシリコン−金属複合体からなる負極活物質粉末を得た。
この負極活物質粉末には、ナノシリコン材料100mgに対して0.53mgのPtが含まれている。
<負極の形成>
得られた負極活物質粉末45質量部と、天然黒鉛粉末40質量部と、アセチレンブラック5質量部と、バインダー溶液33質量部とを混合してスラリーを調製した。バインダー溶液には、ポリアミドイミド(PAI)樹脂がN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に30質量%溶解した溶液を用いている。このスラリーを、厚さ約20μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。これを200℃で2時間真空乾燥し、負極活物質層の厚さが16μmの負極を形成した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記の手順で作製した負極を評価極として用い、リチウムイオン二次電池(ハーフセル)を作製した。対極は金属リチウム箔(厚さ500μm)とした。
対極をφ14mm、評価極をφ11mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルター及びCelgard社製「Celgard2400」)を両者の間に介装して電極体電池とした。この電極体電池を電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容した。電池ケースには、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した非水電解液を注入し、電池ケースを密閉してリチウムイオン二次電池を得た。
実施例1で得られたナノシリコン粉末500mgに対し、アルゴンガス雰囲気下において塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)のテトラヒドロフラン溶液10ml(塩化白金酸六水和物として70mg)を加え、60℃で6時間加熱撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去した後、アルゴンガス雰囲気下において500℃で焼成して負極活物質粉末を得た。この負極活物質粉末を用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
この負極活物質粉末には、ナノシリコン材料100mgに対して5.26mgのPtが含まれている。
[比較例1]
Ptを添加することなく、実施例1で得られたナノシリコン粉末をそのまま負極活物質粉末として用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
<比表面積分析>
実施例1で調製されたナノシリコン材料について、比表面積をBET法により測定した。結果を表1に示す。層状ポリシランからナノシリコンを形成することで、比表面積が小さくなることがわかる。
Figure 0006011313
<酸素量分析>
実施例1で調製されたナノシリコン材料について、酸素量をエネルギー分散X線分光法(EDX)にて測定した。結果を表2に示す。実施例1に係る製造方法で得られたナノシリコン材料によれば、酸素濃度は22.0質量%つまり30質量%以下、23.0質量%以下であることがわかる。
Figure 0006011313
<電池特性試験>
実施例1,2、比較例1のリチウムイオン二次電池について、正極活物質の1gあたり50mAに相当する電流値で充放電を行った。このときの放電終止電圧は0V、充電終止電圧は1.0Vであった。初期の充放電曲線を図5に示す。また充放電容量と初期効率(充電容量/放電容量)を算出し、結果を表3に示す。
Figure 0006011313
図5及び表3から、実施例1のリチウムイオン二次電池は比較例に比べて高い充放電容量と高い初期効率を示すことがわかり、これはナノレベルで複合化されたシリコン−Pt複合体を負極活物質として用いたことに起因することが明らかである。また実施例2のリチウムイオン電池の特性が良くないのは、Pt量が多すぎて電極表面にPtが存在し、リチウムイオンの移動が妨げられたと考えられる。
実施例1で得られたナノシリコン粉末500mgに対し、アルゴンガス雰囲気下においてフタロシアニン銅のテトラヒドロフラン溶液10ml(フタロシアニン銅として7.5mg)を加え、60℃で3時間加熱撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去した後、アルゴンガス雰囲気下において500℃で焼成して負極活物質粉末を得た。この負極活物質粉末を用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
この負極活物質粉末には、ナノシリコン材料100mgに対して1.5mgのCuが含まれている。
実施例1で得られたナノシリコン粉末500mgに対し、アルゴンガス雰囲気下においてフタロシアニン銅のテトラヒドロフラン溶液10ml(フタロシアニン銅として50mg)を加え、60℃で3時間加熱撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去した後、アルゴンガス雰囲気下において500℃で焼成して負極活物質粉末を得た。この負極活物質粉末を用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
この負極活物質粉末には、ナノシリコン材料100mgに対して10mgのCuが含まれている。
[比較例2]
銅を添加することなく、実施例1で得られたナノシリコン粉末をそのまま負極活物質粉末として用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
<電池特性試験>
実施例3,4、比較例2のリチウムイオン二次電池について、正極活物質の1gあたり0.2mAに相当する電流値で充放電を行った。このときの放電終止電圧は0.01V、充電終止電圧は1.0Vであった。初期の充放電曲線を図6に示す。また充放電容量と初期効率(充電容量/放電容量)を算出し、結果を表4に示す。
Figure 0006011313
図6及び表4から、実施例3,4のリチウムイオン二次電池は比較例2に比べて高い初期効率を示すことがわかり、これはナノレベルで複合化されたシリコン−Cu複合体を負極活物質として用いたことに起因することが明らかである。また実施例3より実施例4の方が初期効率が高いことから、ナノシリコン材料100質量部に対するCuの添加量は10質量部より1.5質量部の方が好ましいこともわかる。
実施例1で得られたナノシリコン粉末500mgに対し、アルゴンガス雰囲気下において酢酸銅のテトラヒドロフラン溶液10ml(酢酸銅として4.7mg)を加え、60℃で3時間加熱撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去した後、アルゴンガス雰囲気下において500℃で焼成して負極活物質粉末を得た。この負極活物質粉末を用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
この負極活物質粉末には、ナノシリコン材料100mgに対して0.49mgのCuが含まれている。
[比較例3]
銅を添加することなく、実施例1で得られたナノシリコン粉末をそのまま負極活物質粉末として用い、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
<電池特性試験>
実施例5、比較例3のリチウムイオン二次電池について、正極活物質の1gあたり0.2mAに相当する電流値で充放電を行った。このときの放電終止電圧は0.01V、充電終止電圧は1.0Vであった。初期の充放電曲線を図7に示す。また充放電容量と初期効率(充電容量/放電容量)を算出し、結果を表5に示す。
Figure 0006011313
図7及び表5から、実施例5のリチウムイオン二次電池は比較例3に比べて高い初期効率を示すことがわかり、これはナノレベルで複合化されたシリコン−Cu複合体を負極活物質として用いたことに起因することが明らかである。
本発明の蓄電装置は、二次電池、電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどに利用できる。また電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用、パソコン、携帯通信機器、家電製品、オフィス機器、産業機器などに利用される非水系二次電池として有用であり、特に、大容量、大出力が必要な電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. ケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造をなし組成式(SiH)nで示される層状ポリシランを熱処理することでナノシリコン材料を製造する工程と、
    Pt,Ir,Pd,Cu,W及びTiから選ばれた少なくとも一種の金属と、該ナノシリコン材料のSiと複合化して、該金属を複合化金属とする工程と、を含む、
    該複合化金属該ナノシリコン材料100質量部に対して0.1〜12.0質量部含まれる負極活物質の製造方法
  2. 前記ナノシリコン材料は、比表面積が53m2/g以下、含まれる酸素量が30質量%以下である請求項1に記載の負極活物質の製造方法
  3. 前記層状ポリシランは、ラマンスペクトルにおいてラマンシフトの341±10cm-1、360±10cm-1、498±10cm-1、638±10cm-1にピークが存在する請求項1又は請求項2に記載の負極活物質の製造方法
  4. 前記ナノシリコン材料のナノシリコンの結晶子は、X線回折測定結果の(111)面の回折ピークの半値幅からシェラーの式より算出される結晶粒径が0.5〜300nmである請求項1〜3のいずれかに記載の負極活物質の製造方法
  5. フッ化水素(HF)と塩化水素(HCl)との混合物と、二ケイ化カルシウムと、を反応させて得られたケイ素原子で構成された六員環が複数連なった構造をなし組成式(SiH)nで示される層状ポリシランを、窒素ガスを除く非酸化性雰囲気下にて100℃を超える温度で熱処理してナノシリコン材料を得る工程と、
    Pt,Ir,Pd,Cu,W及びTiから選ばれた少なくとも一種の金属の化合物を溶解した溶液を該ナノシリコン材料と混合し熱処理することを特徴とする負極活物質の製造方法。
  6. 前記層状ポリシランを、窒素ガスを除く非酸化性雰囲気下にて400℃以上で熱処理する請求項5に記載の負極活物質の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の負極活物質の製造方法で製造された負極活物質を用いて負極を作製する工程を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法
  8. 前記負極は、集電体と該集電体に形成された負極活物質層とからなり、該負極活物質層にはバインダーとしてポリアミドイミド(PAI)を含む請求項7に記載の蓄電装置の製造方法
  9. 前記負極は、集電体と該集電体に形成された負極活物質層とからなり、該負極活物質層にはバインダーとしてポリアクリル酸(PAA)を含む請求項7に記載の蓄電装置の製造方法
  10. 前記蓄電装置がリチウムイオン二次電池である請求項7〜9のいずれかに記載の蓄電装置の製造方法
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