JP2015125393A - 立体像形成装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に製造でき、しかも大量生産が可能な立体像形成装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】一枚の透明板材11の一側及び他側に、それぞれ帯状の光反射面16、17、23、24が平行に立設された第1、第2の光制御部12、13が設けられ、しかも第1の光制御部12の光反射面16、17と、第2の光制御部13の光反射面23、24は、平面視して直交状態で配置され、製造にあっては、透明板材11の一側に第1の光制御部12を形成した後、透明板材11の他側に第2の光制御部13を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、それぞれ帯状の光反射面(鏡面)を一定ピッチで並べて形成した第1、第2の光制御部を用いた立体像形成装置及びその製造方法に関する。
物体表面から発する光を用いて立体像を形成する光学結像装置(立体像形成装置)として、相互に直交する2つの光反射部要素(鏡面要素)を備えた単位光学素子を、多数平面上に規則正しく形成した反射型面対称結像素子からなる光線屈曲面と、この光線屈曲面に向けて配置された光反射部とを具備し、光線屈曲面を挟んで、光反射部とは反対側である観察側に配置した像を、被投影物から発せられる光が光線屈曲面を透過して光反射部に反射し、更に光線屈曲面を透過することによって、光反射部の光線屈曲面に対する面対称位置に移動させた実体のない仮想鏡に映した位置に結像させる光学システムが提案されている(特許文献1参照)。
ところが、特許文献1記載の光学システムにおいては、反射型面対称結像素子からなる光線屈曲面の製造が極めて難しく、実用化に障害があった。
そこで、本発明者は、特許文献2に記載のような光学結像方法(装置)を完成した。この光学結像装置60を図6に示すが、この光学結像装置60は透明平板61、62の内部に、透明平板61、62の一方側の面に垂直に多数かつ帯状の平面光反射部63、64を並べて形成した第1及び第2の光制御パネル65、66を用い、第1及び第2の光制御パネル65、66のそれぞれの一面側を、それぞれの平面光反射部63、64を直交させた状態で向かい合わせて構成されている。
そして、第1の光制御パネル65の平面光反射部63に物体Nからの光h1、h2を入射させ、この平面光反射部63で反射した反射光k1、k2を第2の光制御パネル66の平面光反射部64で再度反射させた反射光j1、j2によって、物体Nの像をこの光学結像装置60の反対側に実像N’として結像させることができる。
特開2008−158114号公報 特許第4865088号公報
この特許文献2に記載されている光学結像方法には、平面光反射部63、64を一定ピッチで備えた第1、第2の光制御パネル65、66を用意することが必要である。この第1、第2の光制御パネル65、66の製造方法においては、特許文献2に記載のように、両面又は片面に鏡面処理(光反射面を形成する処理)を行った透明物質板(例えば、ガラス板、透明プラスチック板)を積層し、この積層体を薄幅で切断している。
しかしながら、第1、第2の光制御パネル65、66の切り出し面の角度や接着層の厚みにバラツキが生じ易く、これによって、形成された実像N’が歪む場合があるという問題があった。
また、積層体をスライスして製造するので、切断面を再度研磨する必要があり、大量に製造することは困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、安価に製造でき、しかも大量生産が可能な立体像形成装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る立体像形成装置は、一枚の透明板材の一側及び他側に、それぞれ帯状の光反射面が平行に立設された第1、第2の光制御部が設けられ、しかも前記第1の光制御部の光反射面と、前記第2の光制御部の光反射面は、平面視して直交状態で配置されている。
第1の発明に係る立体像形成装置において、前記第1、第2の光制御部の光反射面は、それぞれ平行配置された第1、第2の土手部によって形成される平行溝の両側面に形成されているのが好ましい。ここで、前記第1、第2の土手部はそれぞれ第1の透明物質で形成され、前記第1、第2の土手部が形成される前記平行溝はそれぞれ第2の透明物質で埋められているのが好ましく、更に前記第1、第2の透明物質は、それぞれ紫外線硬化樹脂からなるのが好ましい。
第2の発明に係る立体像形成装置の製造方法は、第1の発明に係る立体像形成装置の製造方法であって、前記透明板材の一側に形成される前記第1の光制御部は、
前記透明板材の一側に、紫外線硬化樹脂を均一厚みにコーティングして紫外線硬化樹脂層を形成する第1工程と、
前記紫外線硬化樹脂層の上を平行なスリットを有するマスクで被覆し、該マスクの上方から紫外線を照射し、露光部と非露光部を交互に形成する第2工程と、
前記マスクを除去し、更に現像して前記非露光部を除去し、平行な土手部によって形成される断面四角形の平行溝を形成する第3工程と、
前記土手部の表面と前記平行溝の底面を選択的に紫外線照射剥離樹脂で覆う第4工程と、
前記紫外線照射剥離樹脂で前記土手部の表面及び前記平行溝の底面が覆われた凹凸板材の表面を金属蒸着する第5工程と、
前記凹凸板材の裏面から紫外線を照射して、表面が金属蒸着された前記紫外線照射剥離樹脂を除去する第6工程と、
前記平行溝の対向して平行する側面に前記光反射面を形成した状態で、前記平行溝に透明樹脂を充填する第7工程とを有して製造され、
前記透明板材の他側に形成される前記第2の光制御部は、
前記透明板材の他側に、紫外線硬化樹脂を均一厚みにコーティングして紫外線硬化樹脂層を形成する第8工程の後、前記第2〜第7工程と同様の工程処理を行って形成される。
ここで、第2工程で照射する紫外線は平行光とするのが好ましく、これによって精度の高い(側面の平面性及び垂直性のよい)平行溝を形成できる。
また、第3の発明に係る立体像形成装置の製造方法は、第1の発明に係る立体像形成装置の製造方法であって、前記透明板材の一側に形成される前記第1の光制御部は、
一枚の前記透明板材の一面に変形可能な樹脂をコーティング又は接合して所定厚みの樹脂層を形成する第1工程と、
前記樹脂層に、断面矩形の凸部が所定ピッチで平行に配置されたモールド型を押し付けて、断面矩形の土手部及び該土手部によって形成される断面矩形の平行溝を形成する第2工程と、
前記土手部の表面と前記平行溝の底面を選択的に紫外線照射剥離樹脂で覆う第3工程と、
前記紫外線照射剥離樹脂で前記土手部の表面及び前記平行溝の底面が覆われた凹凸板材の表面を金属蒸着する第4工程と、
前記凹凸板材の裏面から紫外線を照射して、表面が金属蒸着された前記紫外線照射剥離樹脂を除去する第5工程と
前記平行溝の対向して平行する側面に前記光反射面を形成した状態で、前記平行溝に透明樹脂を充填する第6工程とを有して製造され、
前記第2の光制御部は、
前記透明板材の他面に、変形可能な樹脂をコーティング又は接合して所定厚みの樹脂層を形成する第7工程の後に、前記第2〜第6工程と同様な工程処理を行って形成される。
第3の発明に係る立体像形成装置の製造方法において、前記透明板材の一面及び他面にコーティングされる樹脂は、紫外線硬化樹脂又は熱可塑性樹脂であるのが好ましい。
第1の発明に係る立体像形成装置の平行溝の側面、第2、第3の発明に係る立体像形成装置の製造方法における前記平行溝の側面は、表面粗度Raが50nm(より好ましくは、30nm)以下の超平面であるのが好ましい。
そして、第2の発明に係る立体像形成装置の製造方法では第4工程で、第3の発明に係る立体像形成装置の製造方法では第3工程で、前記紫外線照射剥離樹脂を前記土手部の表面及び前記平行溝の底面のみに塗布するのは、インクジェットプリンター法によって行うのが好ましい。
また、第1〜第3の発明に係る立体像形成装置及びその製造方法において、平行溝の側面に蒸着する金属は反射率の高い銀を使用するのがよいが、他の金属(例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン等)であってもよい。
第2の発明に係る立体像形成装置の製造方法における第4工程(第3の発明に係る立体像形成装置の製造方法における第3工程も同様)では、紫外線照射剥離樹脂で平行溝の底面を覆うので、平行溝の下部には金属蒸着による金属面は形成されない。なお、断面四角形の平行溝は、金属蒸着面を形成していない溝の側面下部が断面四角形から外れて変形する場合も含む。
第1の発明に係る立体像形成装置、第2、第3の発明に係る立体像形成装置の製造方法は、透明板材の両面(一側及び他側)に、帯状の光反射面が平行に立設された第1、第2の光制御部を設けているので、製造工程が簡素化される。そして、従来のように第1、第2の光制御パネルを貼り合わせたものではないので、第1、第2の光制御部の中間に接着剤層がなく、光透過性が向上する。
また、その製造方法においても、従来のように、透明物質板の両面に光反射面を形成し、それを積層して積層方向にカットして第1、第2の光制御パネルを製造し、これらの平行光反射部を直交状態にして、貼り付ける等の複雑な作業が不要となる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る立体像形成装置の部分斜視図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像形成装置の動作説明図である。 (A)〜(D)は本発明の第1の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法の概略工程図である。 (E)〜(H)は本発明の第1の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法の概略工程図である。 (A)〜(E)は本発明の第2の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法の概略工程図である。 従来例に係る光学結像装置の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る立体像形成装置10は、一枚の透明板材11と、その一側及び他側にそれぞれ設けられた第1、第2の光制御部12、13とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
ガラス又は透明プラスチック(例えば、アクリル、ポリカーボネイト)からなる透明板材11は厚みhが、例えば0.02mm〜30mm程度となっている。第1の光制御部12は、透明板材11の一側に、幅がw1の断面矩形の第1の土手部14を所定間隔w2を有して複数平行に配置し、第1の土手部14によって形成される複数の断面矩形(又は断面四角形)の平行溝15の両側面26、27(図3参照)に光反射面16、17を形成して構成される。平行溝15の内側面26、27に形成されている光反射面16、17は、帯状で平行に立設され、例えば、その裏表の表面粗度Raが50nm(より好ましくは30nm)以下(以下、単に超平面という、以下の実施の形態においても同じ)に形成されている。また、平行溝15の底面19、及び第1の土手部14の上面20もこのような超平面に形成されている。
なお、この第1の土手部14の高さh1は、平行溝15の幅w2の例えば1〜4倍の範囲にあり、通常0.02〜20mmの範囲になる。なお、第1の土手部14の幅w1と平行溝15の幅w2は略等しいが、例えば、0.2〜5倍の範囲で比率を変えてもよい。
また、第1の土手部14は第1の透明物質、例えば、紫外線硬化樹脂でかつ透明樹脂によって形成されているのが好ましい。平行溝15には例えば、紫外線硬化する透明樹脂(第2の透明物質の一例)20aが充填され、結果として、板状の透明材の内部に光反射面16、17を形成する薄い金属膜が垂直かつ平行に一定間隔で配置された第1の光制御部12が形成されている。
透明板材11の他側には、第1の土手部14と平面視して直交する第2の土手部21が設けられている。この第2の土手部21は第1の透明物質の一例である紫外線硬化樹脂でかつ透明樹脂で形成されている。第2の土手部21の幅w3、間隔w4は及び高さh2は、第1の土手部14と同一とするのが好ましい。平行配置された第2の土手部21によって形成される平行溝22の側面26、27は超平面となって、鏡面処理された光反射面23、24が形成されている。第2の土手部21の露出面(図1(B)では下面)25、及び平行溝22の溝底面25aは平坦(超平面)となっている。これによって、透明板材11の他側に第2光制御部13が形成されている。また、平行溝22には例えば、紫外線硬化する透明樹脂(第2の透明物質の一例)20bが充填されている。ここで、透明板材11の一側、他側にそれぞれ形成されている光反射面16、17と光反射面23、24は平面視して直交している。
次に、図2(A)、(B)を参照しながら、立体像形成装置10の動作について説明する。透明板材11の表側及び裏側に第1、第2の光制御部12、13を有するので、特許文献2記載の光学結像装置と同様、立体像形成装置10の片側の物体ABが立体像形成装置10の対称位置に、立体像A’−B’として形成される。この場合の光の通路を図2(B)に示す。
続いて、図3(A)〜(D)、図4(E)〜(H)を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法について説明するが、この立体像形成装置10の製造にあっては、透明板材11の一側に第1の光制御部12を形成した後、上下反転して透明板材11の他側に第2の光制御部13を形成するので、この手順に沿って説明する。
図3(A)に示すように、0.02〜30mm程度の厚みのガラス又は透明プラスチックからなる透明板材11の一側に、0.2〜20mm厚の紫外線硬化樹脂(第1の透明物質の一例)を均一厚みにコーティング(又は接合)して、紫外線硬化樹脂層28を形成する。そして、図3(B)に示すように、複数のスリット27aを有するマスク28aを紫外線硬化樹脂層28の上に載せる。ここで、スリット27aはそれぞれが平行となって、例えば、その幅は0.02〜20mmの範囲にあり、スリット27aの幅は非スリット部29aの幅と同一である。また、非スリット部29a、即ちマスク28aは、紫外線が非通過の物質(例えば、金属板)等から構成されている。
この後、上方から紫外線をスリット27aに向けて発光する。この場合の紫外線は平行光とすることによって、より側面精度の高い平行溝15を得ることができる。
これによって、スリット27aの直下に配置された紫外線硬化樹脂層28は露光部となって紫外線硬化し、紫外線硬化樹脂層28の非露光部は硬化しないでそのまま残る。この露光部と非露光部は交互に形成されている。次に、マスク28aを除去した後、現像を行って紫外線硬化樹脂層28の非露光部を溶出させ、図3(C)に示すように、紫外線硬化樹脂による第1の土手部14を形成する。この平行な第1の土手部14によって、平行溝15が形成される。この平行溝15の底面19は透明板材11が露出し、平行溝15の両側面26、27に表面粗度Raが50nm(好ましくは30nm)以下の超平面を形成する。なお、溝幅が広い場合は、溝側面を研磨することもできる。
次に、図3(D)に示すように、第1の土手部14の表面(上面20)と平行溝15の底面19を選択的に紫外線照射剥離樹脂28bで覆う。この処理は精密なインクジェットプリンター法によって行う。
そして、図4(E)に示すように、紫外線照射剥離樹脂28bで土手部14の表面及び平行溝15の底面19が覆われた凹凸板材29の表面に金属蒸着する。
この後、図4(F)に示すように、凹凸板材29を裏面から紫外線照射を行い、表面が金属蒸着された紫外線照射剥離樹脂28bを平行溝15の底面19、及び第1の土手部14の表面から除去する。これによって、平行溝15の側面26、27に蒸着された金属膜が残る。この金属膜が光反射面16、17を形成する。
そして、図4(G)に示すように、平行溝15の対向して平行する側面26、27に光反射面16、17を形成した状態で、平行溝15に透明樹脂20aを充填し、透明板材11の片側に第1の光制御部12が形成された半製品31が製造される。なお、透明樹脂20aの上面及び土手部14の表面は同一平面となっている。
次に、図4(H)に示すようにこの半製品31を裏返し、透明板材11の他側に、紫外線硬化樹脂(第1の透明物質の一例)を塗布(コーティング)して、紫外線硬化樹脂層32を形成し、図3(B)〜(D)、図4(E)〜(G)と同一な工程処理を経て、透明板材11の他側に、第1の土手部14に直交する第2の土手部21を備えた第2の光制御部13を形成する。これによって、図1(A)、(B)に示す立体像形成装置10が製造される。
なお、立体像形成装置10の第1、第2の光制御部12、13の表面は研磨して平面とするのが好ましい。
また、前記実施の形態においては、透明板材11の上に紫外線を受けて硬化するポジ型の紫外線硬化樹脂層28を形成したが、紫外線を受ける部分が現像処理(エッチング)によって除去されるネガ型の樹脂を使用し、土手部(平行リブ)を形成することもできる。
続いて、図5(A)〜(E)を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法について説明する。なお、第1の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図5(A)に示すように、透明板材11(通常は透明ガラス板)の上(一面)に、変形可能な樹脂をコーティング又は接合して樹脂層34(通常は熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂を使用)を一定の厚みで形成する。
そして、予め製造されたそれぞれ断面矩形の凸部35aと凹部35bが所定ピッチで平行に配置されたモールド型35を用意し、樹脂層34に押し付けて固定し、樹脂の硬化後モールド型35を抜いて、平行配置された第1の土手部36を形成する。
図5(B)に示すように、第1の土手部36によって、複数の断面矩形の平行溝37が形成される。この平行溝37の高さ及び幅は、前記した実施の形態の平行溝15と同一となっている。
モールド型35はガラス又は金属からなって、薄板を上下に位置を変えて積層してもよいし、NC加工機を用いて凹部(溝)を研磨によって製造してもよい。又は、所定間隔で配置された円形刃物を回転駆動し、平行溝を形成するように、移動させてもよい。
これによって、樹脂層34の表面に平行溝37が形成される。この平行溝37の両側面39、40、底面41、第1の土手部36の表面の表面粗度Raはモールド型35の凸部35a及び凹部36bと同様、50nm以下となっている。
次に、この平行溝37の底面41、及び第1の土手部36の表面に、図4(B)に示すように、紫外線照射剥離樹脂38を印刷して凹凸板材を形成する。この印刷はインクジェットプリンター法によって行う。
次に、図5(C)に示すように、第1の土手部36の表面、平行溝37の両側面39、40及び底面41(即ち、凹凸板材の表面)に蒸着処理(真空蒸着処理)によって、銀、ニッケル、アルミ等の金属膜42を形成する。この状態で、透明板材11の他側(裏側)から紫外線を照射し、第1の土手部36の表面、平行溝37の底面41に付着している紫外線照射剥離樹脂38をその上に載っている金属膜42と共に除去する(図5(D)参照)。
平行溝37の両側面39、40に付着している金属膜42が光反射面16、17(図1参照)を形成する。この後、平行溝37に透明樹脂(第2の透明物質の一例)45を充填する。この透明樹脂45として、例えば加熱溶融した熱可塑性樹脂を用い、平行溝37を超えて、2点鎖線kで示すように、第1の土手部36を覆ってもよい。これによって、透明板材11の一側に第1の光制御部12が形成される。
次に、図5(E)に示すように、図5(D)までの工程を経て製造された半製品46を裏返して、透明板材11の上面(他面)を露出し、図5(A)〜(D)の工程を経て、透明板材11の他側に第2の光制御部13を形成する。第1の光制御部12の光反射面16、17と第2の光制御部13の光反射面23、24が平面視して直交している。
本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、本発明の第1、第2の実施の形態に係る立体像形成装置の製造方法の一部を組み合わせて、別の立体像形成装置の製造方法を実施することもできる。
また、前記実施の形態において、土手部の高さが低い場合は、更にその上に別の土手部を積み重ねることもできる。
平行溝の側面、底面、土手部の表面は機械研磨、又は電解研磨によって、表面粗Raを50nm以下とすることができる。
10:立体像形成装置、11:透明板材、12:第1の光制御部、13:第2の光制御部、14:第1の土手部、15:平行溝、16、17:光反射面、19:底面、20:上面、20a、20b:透明樹脂、21:第2の土手部、22:平行溝、23、24:光反射面、25:露出面(下面)、25a:溝底面、26、27:側面、27a:スリット、28:紫外線硬化樹脂層、28a:マスク、28b:紫外線照射剥離樹脂、29:凹凸板材、29a:非スリット部、31:半製品、32:紫外線硬化樹脂層、34:樹脂層、35:モールド型、35a:凸部、35b:凹部、36:第1の土手部、37:平行溝、38:紫外線照射剥離樹脂、39、40:側面、41:底面、42:金属膜、45:透明樹脂、46:半製品

Claims (9)

  1. 一枚の透明板材の一側及び他側に、それぞれ帯状の光反射面が平行に立設された第1、第2の光制御部が設けられ、しかも前記第1の光制御部の光反射面と、前記第2の光制御部の光反射面は、平面視して直交状態で配置されていることを特徴とする立体像形成装置。
  2. 請求項1記載の立体像形成装置において、前記第1、第2の光制御部の光反射面は、それぞれ平行配置された第1、第2の土手部によって形成される平行溝の両側面に形成されていることを特徴とする立体像形成装置。
  3. 請求項2記載の立体像形成装置において、前記第1、第2の土手部はそれぞれ第1の透明物質で形成され、前記第1、第2の土手部が形成される前記平行溝はそれぞれ第2の透明物質で埋められていることを特徴とする立体像形成装置。
  4. 請求項3記載の立体像形成装置において、前記第1、第2の透明物質は、それぞれ紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする立体像形成装置。
  5. 請求項1記載の立体像形成装置の製造方法であって、前記透明板材の一側に形成される前記第1の光制御部は、
    前記透明板材の一側に、紫外線硬化樹脂を均一厚みにコーティングして紫外線硬化樹脂層を形成する第1工程と、
    前記紫外線硬化樹脂層の上を平行なスリットを有するマスクで被覆し、該マスクの上方から紫外線を照射し、露光部と非露光部を交互に形成する第2工程と、
    前記マスクを除去し、更に現像して前記非露光部を除去し、平行な土手部によって形成される断面四角形の平行溝を形成する第3工程と、
    前記土手部の表面と前記平行溝の底面を選択的に紫外線照射剥離樹脂で覆う第4工程と、
    前記紫外線照射剥離樹脂で前記土手部の表面及び前記平行溝の底面が覆われた凹凸板材の表面を金属蒸着する第5工程と、
    前記凹凸板材の裏面から紫外線を照射して、表面が金属蒸着された前記紫外線照射剥離樹脂を除去する第6工程と、
    前記平行溝の対向して平行する側面に前記光反射面を形成した状態で、前記平行溝に透明樹脂を充填する第7工程とを有して製造され、
    前記透明板材の他側に形成される前記第2の光制御部は、
    前記透明板材の他側に、紫外線硬化樹脂を均一厚みにコーティングして紫外線硬化樹脂層を形成する第8工程の後、前記第2〜第7工程と同様の工程処理を行って、形成されることを特徴とする立体像形成装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の立体像形成装置の製造方法であって、前記透明板材の一側に形成される前記第1の光制御部は、
    一枚の前記透明板材の一面に変形可能な樹脂をコーティング又は接合して所定厚みの樹脂層を形成する第1工程と、
    前記樹脂層に、断面矩形の凸部が所定ピッチで平行に配置されたモールド型を押し付けて、断面矩形の土手部及び該土手部によって形成される断面矩形の平行溝を形成する第2工程と、
    前記土手部の表面と前記平行溝の底面を選択的に紫外線照射剥離樹脂で覆う第3工程と、
    前記紫外線照射剥離樹脂で前記土手部の表面及び前記平行溝の底面が覆われた凹凸板材の表面を金属蒸着する第4工程と、
    前記凹凸板材の裏面から紫外線を照射して、表面が金属蒸着された前記紫外線照射剥離樹脂を除去する第5工程と
    前記平行溝の対向して平行する側面に前記光反射面を形成した状態で、前記平行溝に透明樹脂を充填する第6工程とを有して製造され、
    前記第2の光制御部は、
    前記透明板材の他面に、変形可能な樹脂をコーティング又は接合して所定厚みの樹脂層を形成する第7工程の後に、前記第2〜第6工程と同様な工程処理を行って形成されることを特徴とする立体像形成装置の製造方法。
  7. 請求項6記載の立体像形成装置の製造方法において、前記透明板材の一面及び他面にコーティングされる樹脂は、紫外線硬化樹脂又は熱可塑性樹脂であることを特徴とする立体像形成装置の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1記載の立体像形成装置の製造方法において、前記平行溝の側面は、表面粗度Raが50nm以下の超平面であることを特徴とする立体像形成装置の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1記載の立体像形成装置の製造方法において、前記紫外線照射剥離樹脂はインクジェットプリンター法によって、前記土手部の表面及び前記平行溝の底面のみに塗布されていることを特徴とする立体像形成装置の製造方法。
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