JP2015125275A - 発泡弾性ローラ及び電子写真用プロセスカートリッジ - Google Patents

発泡弾性ローラ及び電子写真用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真用トナー供給ローラとして、長期使用した場合においても、トナー蓄積による発泡弾性層の高硬度化が抑制され、さらには、トナー掻き取り性に優れた多層構造の発泡弾性ローラを提供する。【解決手段】回転軸となる芯金と該芯金の外周面に、少なくともポリオール、ポリイソシアネートを含有する原料組成物から同時形成された発泡弾性層であって、表層と一層以上の内層を有し、発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向での物性が、概略漸増もしくは漸減するセル構造を含む境界領域が存在する発泡弾性ローラにおいて、表層硬度が45g/cm2以上100g/cm2以下、発泡弾性層の硬度が20g/cm2以上45g/cm2未満であり、且つ表層の通気量が40cc/cm2・sec以上100cc/cm2・sec以下であり、内層の通気量が1cc/cm2・sec以上20cc/cm2・sec未満であることを特徴とする発泡弾性ローラによる。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機などの電子写真画像形成装置に用いられる芯金と該芯金の外周面に形成された少なくとも二層以上の発泡弾性層を有する発泡弾性ローラに関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置には、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等のローラ類が用いられている。このようなローラ類には、金属等の芯金の外周上に弾性・導電性・通気性等の機能を持たせた種々の材料を配することにより得られる弾性ローラが使用されている。
例えば、感光ドラム上に形成した静電潜像を現像する現像装置においては、現像ローラに対してトナーの掻き取りをして、現像ローラ上に均一にトナーを供給するトナー供給ローラが用いられている。トナー供給ローラには、トナー供給と同時に、現像ローラにトナー供給ローラを擦りつけることによりトナーを摩擦帯電させる機能が求められる。
トナー供給ローラは、現像ローラに圧接されており、現像ローラと同一もしく逆方向に回転せしめることによって、それら両ローラの接触部において、現像ローラ表面に付着するトナーをトナー供給ローラにて掻き取り、除去する。一方、現像ローラ上には、新たに、均一にトナーが供給される。
また、前記機能を達成するため、トナー供給ローラには、適切な柔軟性と良好な表面セル開口が要求されることから、ポリウレタンフォームを使用した発泡弾性ローラが一般的に使用されている。
トナー供給ローラにて供給されるトナーに関しては、画質の向上とプリントスピードの向上のニーズから、従来よりも小粒径で低融点のものが用いられる傾向にあり、それに伴い、トナーが、帯電や長期放置によって、より凝集し易くなってきている。このために、トナー供給ローラの掻き取り性が不足している場合、現像ローラ上の残存するトナーを充分に除去できず、トナーが現像ローラ上に凝集、付着し、容易にトナーのフィルミング現象を惹起することとなる。
トナー供給ローラのトナーの掻き取り性を向上させるために、トナー供給ローラ自体の硬度を高める方法、現像ローラへの圧接量を大きくする方法等の対策が考えられる。しかしながら、何れの場合にあっても、掻き取り性は向上するものの、現像ローラとの摺擦力(摩擦力)が大きくなって、現像ローラに摩耗や傷が発生し、トナーの劣化(細粒化)が促進される。また、異常帯電が惹起されることにより、濃度低下、地汚れ等の画像不具合の問題が発生するようになるのである。
このような問題を解消する方法として、樹脂被覆層等をローラ表面に設けることで表面摩擦抵抗を規制したトナー供給ローラが提案されている(例えば、特許文献1)。このトナー供給ローラを長期間使用した際、発泡弾性層へ繰り返し加えられる機械的応力の影響(発泡弾性層の圧縮解放の繰り返し)により、発泡弾性層の内部にトナーが入り込み、蓄積してしまうことがある。その結果、発泡弾性層の硬度が上昇し、現像ローラとの摺擦力(摩擦力)が大きくなってしまい、それによって画像不具合が発生する恐れがある。
一方、発泡弾性層の内部へのトナー蓄積を抑制するために、複層構造の発泡弾性層を有するトナー供給ローラが検討されている。例えば、先ず、内層を与える大きさの成形キャビティを有する第一の成形型を用いて芯金の外周に内層を有するローラ(第一のローラ)を形成する。次いで、表層を与える大きさの成形キャビティを有する第二の成形型を用いて、この成形キャビティ内に前記第一のローラを配置する一方、所定のポリウレタン原料を導入して発泡成形せしめることにより、内層の周りに表層を一体的に形成する。このような製造方法では、発泡弾性層が、内層と表層との一体的な二層構造で構成され、それら二つの層間にスキン層を設けることが提案されている(例えば、特許文献2)。表層からトナーが侵入しても層間に設けたスキン層の存在によって、内層にトナーが侵入することがなく、トナー供給ローラが長期使用されても、発泡弾性層の硬度の上昇が効果的に抑制され、以てトナーの劣化、ひいては画像不具合の発生が効果的に抑制できる。
しかしながら、前記第一のローラの外周に表層を発泡成形する際に、発泡圧により、第二の成形型内が加圧されるため、内層が変形し、内層内部のエアーが押し出され、表層部に入り込み、ボイドやエアーだまり等の発泡欠陥を招く懸念がある。また、表層材料がスキン層に広がり、層間の部分が高密度になり、発泡弾性層としての柔軟性に欠けるという製造上の懸念があった。
上記懸念を解消するため、内層と表層を形成する発泡材料を、成形金型内でほぼ同時に発泡成形し、両層間に連続したセル構造を形成した二層構成のトナー供給ローラが提案されている(例えば、特許文献3)。この構成により層間部分のトナー蓄積による発泡弾性層の高硬度化が抑制されている。
しかしながら、内層と表層が連続したセル構造で形成されているため、長期間使用した際、内層へのトナー蓄積を防止するには不十分な場合がある。つまり、長期間使用による内層へのトナー蓄積による内層の高硬度化、すなわち発泡弾性層の高硬度化に繋がる可能性があることから、さらに改善の余地がある。
内層にトナーが蓄積することによる発泡弾性層の高硬度化を解消するために、表層の材料を高架橋化すると、発泡弾性層の硬度が高くなる。これは、トナー供給ローラ自体の硬度を高める方法と同様に、現像ローラへの当接圧が大きくなって、画像不具合が発生する問題点があった。逆に、表層の材料を低架橋化し、発泡弾性層全体の硬度を低くする方法では、現像ローラと接する表層表面のセル骨格部の強度が低いため、トナー掻き取り性が低下するという問題点があった。
特開2002−148931号公報 特開2000−104728号公報 特開2012−073332号公報
本発明は前記従来技術における問題点を解決するためのものである。その目的とするところは、電子写真用トナー供給ローラとして、長期使用した場合においても、トナー蓄積による発泡弾性層の高硬度化が抑制され、さらには、トナー掻き取り性に優れた発泡弾性ローラを提供することである。
前記課題は以下の本発明〔1〕〜〔5〕によって解決される。
〔1〕 回転軸となる芯金と該芯金の外周面に、少なくともポリオール、ポリイソシアネートを含有する原料組成物から同時形成された発泡弾性層であって、表層と一層以上の内層を有し、前記発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向での物性が、概略漸増もしくは漸減するセル構造を含む境界領域が存在する発泡弾性ローラにおいて、前記表層硬度が45g/cm以上100g/cm以下、前記発泡弾性層の硬度が20g/cm以上45g/cm未満、前記表層の通気量が40cc/cm・sec以上100cc/cm・sec以下、及び前記内層の通気量が1cc/cm・sec以上20cc/cm・sec未満であることを特徴とする発泡弾性ローラによる。
〔2〕 前記発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向で、前記発泡弾性層の厚みに対し、前記表層の厚みが15〜40%であることを特徴とする〔1〕記載の発泡弾性ローラによる。
〔3〕 前記表層を形成する少なくとも1つの前記ポリオールの溶解度パラメータ(X)と、前記内層を形成する少なくとも1つの前記ポリオールの溶解度パラメータ(Y)が関係式(1)を満たすことを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の発泡弾性ローラによる。
式(1):|X−Y|≧0.06
〔4〕 〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の発泡弾性ローラからなるトナー供給ローラによる。
〔5〕 電子写真画像形成装置に用いられる電子写真プロセスカートリッジにおいて、〔4〕記載のトナー供給ローラを含むことを特徴とする電子写真プロセスカートリッジによる。
本発明の発泡弾性ローラは、電子写真画像形成装置に搭載されるトナー供給ローラに適している。本発明の発泡弾性ローラにより、長期使用した場合においても、トナー蓄積による発泡弾性層の高硬度化が抑制され、さらには、トナー掻き取り性に優れた多層構造のトナー供給ローラを提供できる。
本発明の一実施形態になる発泡弾性ローラの断面図である 発泡弾性層の表層の硬度測定方法を示す概略図であり、(a)は側面から見た図、(b)は上面から見た図を示す。 発泡弾性層の硬度測定方法を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図を示す。 (a)は通気度測定方法の一例を示す概略図であり、(b)は発泡弾性ローラの断面図における通気度測定部位を示す。 本発明の一実施例になる発泡弾性ローラにおける発泡弾性層の通気量測定値を示すグラフである。 本発明で使用するローラ成型用金型及び発泡材料受け部の一例を示す概略図である。 本発明の製造手順の一例を示す図である。 ローラ成型用金型及び発泡材料受け部内の材料発泡状態を説明する図である 本発明に係る発泡弾性ローラをトナー供給ローラとして有する電子写真装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る発泡弾性ローラをトナー供給ローラとして搭載したプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
以下、本発明の好適な一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明は、回転軸となる芯金と芯金の外周面に、少なくともポリオール、ポリイソシアネートを含有する原料組成物からなる発泡弾性層が同時形成されており、前記発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直行方向での物性のうち少なくとも一つが、概略漸増又は漸減する境界領域が存在する表層と一層以上の内層を有した発泡弾性ローラにおいて、前記表層硬度が45g/cm以上100g/cm以下、前記発泡弾性層の硬度が20g/cm以上45g/cm未満、前記表層の通気量が40cc/cm・sec以上100cc/cm・sec以下、及び前記内層の通気量が1cc/cm・sec以上20cc/cm・sec未満であることを特徴とする発泡弾性ローラである。
以下の説明では発泡弾性層を表層と内層の二層構造で説明するが、三層以上で構成される事例は同様に説明できるものである。
図1に示すように、本発明における発泡弾性ローラ1は発泡弾性層2が多層構造であり、二層の境界領域が連続したセルで構成されている。また、境界領域部には接着剤等の接合部が存在せず、表層3と内層4を形成する発泡材料がそれぞれの層のセル内部に入り込むことはない。そして、該発泡弾性層外周面から芯金5に向かう直交方向での物性(平均セル径、セル数、通気度、密度、硬度等)のうち少なくとも一つが概略漸増もしくは漸減し、明確な境界を有さない二層境界領域となった多層構造の発泡弾性層である。例えば、連続したセルとは1つのセル構造壁の途中において、二層の材料の変化の様相が見られるものであり、通気量等の特性の変化を測定することによって、各層に分けることができる。
(表層硬度、及び発泡弾性層の硬度に関して)
本発明における発泡弾性ローラは、表層硬度が45g/cm以上100g/cm以下である。表層硬度が45g/cm未満であると、最外表面のセル骨格部の強度が低いことで、トナー掻き取り不足によるゴースト等の画像不良が発生する恐れがある。一方、100g/cmより大きいと、現像ローラとの摺擦力(摩擦力)が大きくなってしまい、それによって画像不具合が発生する恐れがある。
また、発泡弾性層の硬度は20g/cm以上45g/cm未満である。発泡弾性層の硬度が20g/cm未満であると、現像ローラへの当接圧が低すぎるため、トナー掻き取り性が悪くなる。一方、45g/cm以上であると、現像ローラへの当接圧が大きくなることで、トナー劣化を促進することになる。表層硬度及び発泡弾性層の硬度は、例えば、ポリイソシアネートのイソシアネートインデックス、発泡剤の添加量等により調整することが出来る。
表層硬度、及び発泡弾性層の硬度の測定方法について説明する。
表層硬度の測定方法は、まず、発泡弾性ローラ1を芯金5に向かう直交方向に幅10mmにカットし、図2に示すような測定片6を採取する。次に、圧縮試験機に板状押圧面を有する冶具7aを取り付ける。治具7aの幅8は、該表層の厚みよりやや狭い幅とする。次に、圧縮試験機(不図示)にて、温度23℃、相対湿度53%の環境下で、10mm/minの速度で冶具7aを移動させ、前記表層を1.1mm押圧変形させた。測定片6の発泡弾性層2の表層部分を芯金5と平行に押圧していく時の荷重−変形量曲線を測定した。このとき得られた荷重−変形量曲線から、押圧して変形量が1.0mmとなった時に表層にかかっている荷重(g)を求め、単位面積あたりの荷重を表層硬度(g/cm)とする。
発泡弾性層の硬度の測定方法は、図3に示すように、発泡弾性層2を芯金5に向かう直交方向に押圧していく時の荷重を測定する。発泡弾性体ローラ1の芯金5の両端部を支持し、圧縮試験機に長さ50mm×幅10mm×厚さ10mmの板状押圧面を有する冶具7bを取り付けた。次に、圧縮試験機(不図示)にて、温度23℃、相対湿度53%の環境下で、10mm/minの速度で冶具7bを移動させ、発泡弾性層2を1.1mm押圧変形させる。このとき得られた荷重−変形量曲線から、押圧して変形量が1mmとなった時に発泡弾性層にかかっている荷重(g)を求め、単位面積あたりの荷重を硬度(g/cm)とする。なお、測定を発泡弾性層2の長手方向に3箇所(中央、端部より約5cmのところ)行い、得られた測定値を平均して、発泡弾性層2の硬度とする。
(通気量に関して)
本発明においては、表層の通気量が40cc/cm・sec以上100cc/cm・sec以下であり、且つ内層の通気量が1cc/cm・sec以上20cc/cm・sec未満とすることで目的が達成される。好ましくは、表層の通気量が60cc/cm・sec以上100cc/cm・sec以下であり、且つ内層の通気量が10cc/cm・sec以上20cc/cm・sec未満である。表層の通気量が40cc/cm・sec未満であると、表層の内部にトナーが入り込みにくくなることで、トナー供給量が少なくなり、濃度薄等の画像不良が発生し易くなる。表層の通気量が100cc/cm・secよりも大きくなると、表層内部へのトナーの入り込みが多すぎてしまい、表層硬度が上昇し、現像ローラへの当接圧が大きくなることで、トナー劣化を促進することになる。
また、内層の通気量が1cc/cm・sec未満であると、連通化度が低すぎるため、成型の際に、金型から脱型された発泡弾性層が収縮し、クラッシング処理等を行っても、製品が収縮したまま復元しにくくなる。また、発泡弾性層に歪みや変形が生じる場合がある。20cc/cm・sec以上であると、内層にトナーが入り込み易くなり、蓄積してしまうことで、発泡弾性層の硬度が上昇する。硬度の上昇は、現像ローラへの当接圧の増大を招き、それによって画像不具合が発生する恐れがある。
通気量の調整方法は、特に制限はなく、従来公知の方法で調整することが出来る。例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒及び整泡剤等を含有する原料組成物から形成される発泡弾性層で通気量を調整する場合、表層には形成されるセル(気泡)を連通させる作用の強い整泡剤を添加することで連通性の高いセル構造が得られる。例えば、「L−3415」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)や「F−606」(商品名、信越化学工業株式会社製)などの市販品が好ましく用いられる。一方、内層には、整泡性が良好な整泡剤を添加することにより、独泡性の高いセル構造を得ることが出来る。例えば、「L−3555」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが挙げられる。
勿論、発泡弾性層の通気量は、前述した整泡剤以外の成分においても調整することができ、例えば、発泡剤の添加量や触媒の種類・添加量により、発泡及び硬化反応を調節することで通気量を調整することが出来る。また、材料成分の調整以外にも、発泡弾性層に負荷応力を与えながらローラを回転させる方法、高圧エアーを吹き付けてセル骨格を形成する膜を表層近傍において破断させ、通気性に優れた連通セルを形成する製造方法等によっても通気量を調整することが出来る。
なお、発泡弾性層の通気量測定には、例えば、図4に示されているような測定装置を用いることができる。この測定装置は、発泡弾性ローラ1の通気度測定部位10に吸引ポンプ13に接続した吸引パイプ14の先端に設けた吸引ノズル9を圧接させる。吸引ポンプ13は、吸引力(圧力)が調整できるものを用いるのが好ましいが、一定吸引力を保持できるものであれば、特に限定されない。まず、発泡弾性ローラ1を芯金5に向かう直交方向に幅10mmにカットし、測定片6を採取する。測定片6の通気量測定部位10を吸引ノズル9に軽く接触する位置に固定し、吸引ポンプ13にて空気を吸引する。さらに、吸引パイプ14の内圧は吸引ポンプ13の減圧調整バルブ(不図示)を調整して一定圧力(125Pa)に減圧及び保持し、その状態にて、外気から測定片を経由した空気を流量計11にて測定する。吸引パイプ14の内圧は圧力計12にて測定する。
ここで、発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向に一定のピッチ幅で通気量を測定すると、例えば、図5に示すように、通気量測定値から、本発明でいう表層、内層及び境界領域の配置状態及び厚みが分かる。表層及び内層部分は通気量がほぼ一定値を示し、境界領域は、発泡弾性層外周面から芯金5に向かう直交方向での通気量が概略漸増もしくは漸減する。なお、吸引ノズル14の先端開口径や測定ピッチ幅は、特に制限はない。
(層厚に関して)
本発明において、発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向で、発泡弾性層の厚みに対し、表層の厚みは15〜40%が好ましく、20〜30%がより好ましい。
表層の厚みが15%以上の場合、表層が薄くなりすぎることがなく、発泡弾性層の内部に十分なトナーが入り込み、トナー供給量が低下することなく、濃度薄等の画像不良の発生が抑制される。また、40%以下の場合、表層の厚みが厚くなり過ぎることがなく、連続使用時に表層内部へ入り込むトナー量が適宜調整される。また、発泡弾性層全体の硬度が高硬度化することが抑制され、現像ローラへの当接圧が大きくなり、トナー劣化を促進する可能性が低減される。特に、20〜30%の範囲では、トナー量が最適化され、濃度ムラのない極めて良好な画像が得られる。
なお、表層の厚みについては、表層及び内層を形成するポリウレタン発泡材料におけるポリオール成分の種類等で制御することができ、以下に、ポリウレタン発泡材料の本発明における好適な範囲を示し、詳細に説明する。
(ポリオールの溶解度パラメータについて)
本発明において、表層を形成する少なくとも1つのポリオールの溶解度パラメータ(X)と、内層を形成する少なくとも1つの該ポリオールの溶解度パラメータ(Y)が関係式(1)を満たすことが好ましい。
式(1):|X−Y|≧0.06
上記関係式(1)を満たすポリオールを表層及び内層にそれぞれ使用することで、表層のポリウレタン発泡材料と内層のポリウレタン発泡材料が馴染みにくくなり、発泡弾性層外周面から芯金に向かう直交方向での境界領域の厚みが薄くなる。つまり、トナー掻き取り性能をさらに向上するために、該表層を高硬度化し、セル骨格部の強度を高めた場合においても、トナーを内部に蓄積する表層と境界領域の厚み(T2+T3)が薄くなる(小さくなる)。これにより、現像ローラへの当接圧が低くなるため、トナー劣化を防止することが出来る。
表層のポリウレタン発泡材料と内層のポリウレタン発泡材料を、より馴染みにくくするため、表層のポリオール成分全体に占める溶解度パラメータ(X)のポリオール成分の割合は50〜100%であることが好ましい。同様に、内層のポリオール成分全体に占める溶解度パラメータ(Y)のポリオール成分の割合は50〜100%であることが好ましい。なお、本発明における溶解度パラメータはSmallの式にて算出された値であり、下記式に従って計算することができる。
溶解度パラメータ(SP)=dΣG/M
d:密度
M:単位分子量
G:凝集エネルギー定数[(原子団・基に固有の定数)×(1分子当りの原子団・基の数)]
(発泡弾性ローラの製造方法について)
(金型等について)
本発明における発泡弾性ローラの製造方法について説明する。まず、成形金型としては、例えば図6に示すように、円筒状金型61と芯金5の保持部を有する上駒62と下駒63で形成されたローラ成型用金型60を用意する。下駒63には、注型機(不図示)より吐出されたポリウレタン発泡材料を受ける発泡材料受け部64を嵌合連結させ、注入孔65よりポリウレタン発泡材料を注入する構造であるものを使用することができる。
金型部材として特に限定されず、鉄などの鋼材にニッケルやクロムなどのメッキを施した金属部材、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属部材のほか、ポリカボネート、ポリアミドなどの合成樹脂やセラミックなどを適宜使用することができる。
ポリウレタン発泡材料は注型機等から吐出され、少なくとも2種類の組成配合であるポリウレタン発泡材料をポリウレタン発泡材料受け部64内の上部と下部に分離配置する。分離配置の方法については、特に制限はなく、例えば、図7に示すように行うことができる。ここでは、下部に配置するポリウレタン発泡材料(下部PUF)20を発泡材料受け部64に入れ、後から上部に配置するポリウレタン発泡材料(上部PUF)21を入れる。これにより、各ポリウレタン発泡材料を発泡材料受け部64内に分離配置することができる。
2種類のポリウレタン発泡材料を発泡材料受け部64内で分離配置し、円筒状金型61と芯金5の保持部を有する上駒62と下駒63で形成されたローラ成型用金型60の下駒63に発泡材料受け部64を結合する。発泡を開始すると、上部PUF21が先行して、注入孔65から円筒状金型61内へ注入される。
円筒状金型61内では、図8に示すように、発泡材料受け部64内の上部PUF21が、円筒状金型61の内部に充填されていく。円筒状金型61の内壁面近傍の上部PUF21は、壁面の抵抗により、流速が遅くなり、さらに金型側から加熱され硬化反応が進むことで内壁面側に密着しつつ上方に進行し、発泡弾性ローラ1の表層3を形成する。
発泡材料受け部64内の下部PUF20は、円筒状金型61内に注入された時点で内壁面近傍が上部PUF21で満たされているので、芯金5と上部PUF21の間を発泡して上方に向かっていき、発泡弾性ローラ1の内層4を形成する。また、上部PUF21が下部PUF20よりも密度が大きい場合は、上部PUF21を発泡材料受け部64内に後から入れても、密度が大きいことにより、下部に配置されてしまうことがある。この場合、上部PUF21の混合時間を長くするなど、発泡材料受け部64内に受ける前に発泡反応を進めて密度(密度)を小さくすることで、上部に配置できる。下部PUF20の密度が大きい場合には、2種類のポリウレタン発泡材料を同時に発泡材料受け部64内に受けても、密度の大きいほうが、速やかに下方に配置しようとするので、分離配置ができる。
換言すれば、上部PUF21とは先行して発泡するように調整されたものであり、下部PUF20とは、その後続けて発泡するように調整された材料である。
(ポリオールについて)
ポリオールとしては、特に制限は無く、ポリウレタンフォームの原料として従来公知の各種ポリオールの中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等の、公知のポリオール類の中から適宜選択して使用することができ、一種で又は二種以上を組み合せて用いても良い。なお、上記ポリオールのうち、ポリエーテルポリオールを用いると、耐湿熱耐久性に優れた軟質高弾性ポリウレタンフォームを製造するに好適である。
(ポリイソシアネートについて)
ポリイソシアネートとしては特に制限は無く、ポリウレタンフォームの原料として従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用することが出来る。例えば2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、およびカーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等を、単独で、又は二種以上を組み合せて用いても良い。なお、ポリイソシアネートを公知の活性水素化合物の1種または2種以上と反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーも、ポリイソシアネートとして使用することもできる。
(触媒について)
触媒としては特に制限は無く、従来公知の各種触媒の中から適宜選択して使用することが出来る。トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等、ポリウレタンフォーム製造の分野で従来公知の触媒が使用できる。
整泡剤としては特に制限は無く、ポリウレタンフォーム製造の分野で従来公知の各種整泡剤の中から適宜選択して使用することが出来る。
(その他材料について)
また、これらポリオール成分とポリイソシアネート成分とが配合されてなるポリウレタン原料には更に、従来と同様に架橋剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、破泡剤等を添加することができる。さらには、導電付与剤も公知の物を使用することができる。例えば導電付与剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、酸化錫などの導電性の金属酸化物、Cu、Agなどの金属、これら導電性材料を粒子表面に被覆して導電化した粒子などが挙げられる。これらの導電付与剤は単独、あるいは複数種を組み合せて用いることができる。特に、カーボンブラックは、比較的少量(質量比)の添加によって、所望の導電性を付与できる点で好ましい。その他添加剤として、難燃剤、減粘剤、顔料、安定剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤等を必要に応じて配合することが出来る。架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の従来公知のものが挙げられる。
また、本発明では、発泡弾性層として、上記のポリオールとポリイソシアネートを含有する原料組成物から同時形成される表層と一層以上の内層以外に、内層材料としてポリウレタンゴム以外の他のゴム組成物を用いることが出来る。他のゴム組成物としては、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等の汎用ゴムやアクリロニトリル、シリコーンゴム等のゴムを単独でまたは2種以上を併用して使用可能である。
図9に、以上のようにして形成された発泡弾性ローラ1をトナー供給ローラとして本体内部に組み込んだ電子写真画像形成装置の一例になる概略構成を示す。
図9において、符号31は画像形成体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。画像形成体31は、回転過程において、電源33に接続された帯電ローラ32により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段(不図示)からの画像露光光34を受ける。こうして画像形成体31の周面に静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段35の中のトナー(不図示)がトナー供給ローラ35b(本発明に係る発泡弾性ローラ1)から現像ローラ35aに供給され、現像ローラ35aによりトナー現像される。現像されたトナー像は、不図示の給紙部から、画像形成体31と転写手段37との間に画像形成体31の回転と同期取りされて給紙された転写材38に、転写手段37により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材38は、画像形成体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の画像形成体31の表面は、クリーニング手段36によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、繰り返し像形成に使用される。
上述の画像形成体31、帯電ローラ32、現像手段35およびクリーニング手段36などの構成要素のうち、複数のものを電子写真用プロセスカートリッジとして一体に結合して構成することができる。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。たとえば、図10に示すように、現像手段35およびクリーニング手段36を画像形成体31および帯電ローラ32と共に一体に支持してプロセスカートリッジ41とする。プロセスカートリッジ41は、装置本体のレール42などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能とすることができる。
また、電子写真画像形成装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化される。画像露光光34は、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜13、比較例3〜10)
〔1.発泡弾性ローラの作製〕
内面に離型剤が塗布された内径16.5mm、長さ260mmの鉄製の円筒状部材とステンレス製の芯金(外径5mm、長さ270mm)を上駒部材と下駒部材で保持し形成されたローラ成型用金型を準備した。下駒部材にはローラ成型用金型の内部に発泡材料を注入するための注入孔が設けられている。
表1に示す各成分で配合されたプレミックスポリオールとポリイソシアネートを注型機タンク内に入れた。そして、表1に示すNCOインデックスに計量されたプレミックスポリオールとポリイソシアネートを注型機ヘッドにて2〜10秒間撹拌混合し、発泡材料受け部内に発泡弾性層の内層を形成するポリウレタン発泡材料を3g入れた。
さらに、同様の手順で、発泡材料受け部内に発泡弾性層の表層を形成するポリウレタン発泡材料を3g入れ、発泡材料受け部内に2種類のポリウレタン発泡材料を上下部に分離配置した。なお、表層のポリウレタン発泡材料が先行して発泡するように調製されたものであり、内層のポリウレタン発泡材料は、その後続けて発泡するように調製された材料である。
上記の発泡材料受け部を下駒部材に結合し、ローラ成型用金型を70℃に温度調節した。この金型内で発泡材料を10分間硬化させ、発泡弾性ローラを作製した。
(比較例1)
まず、内面に離型剤が塗布された内径14.4mm、長さ260mmの鉄製の円筒状部材を使用し、実施例1の内層と同配合の発泡弾性層からなる直径14.0mmの発泡弾性ローラを作成した。この発泡弾性ローラを、実施例1と同様のローラ成形用金型内に配置した。次いで、実施例1の表層と同配合のポリウレタン発泡材料を発泡注入して、表層を形成せしめることにより、内層の周りに、表層を一体的に形成した二層構造の発泡弾性ローラを作製した。
(比較例2)
比較例1と同様に、実施例1の内層と同配合の発泡弾性層からなる発泡弾性ローラを形成した。この発泡弾性層を直径14.0mmになるように研磨した後、研磨面にウレタン系接着剤(KU661、KU662、コニシ(株)製)を塗布した。一方、実施例1の表層と同配合の発泡弾性層からなる発泡弾性ローラを形成し、内径12.0mm、外径14mmの円筒状に切り出して、これを前記発泡弾性層に被覆、接着して、二層構造の発泡弾性ローラを作製した。
なお、上記の実施例及び比較例の発泡弾性ローラは、発泡弾性層の外径が16mm、厚みが5.5mmとなる。また、各発泡弾性ローラの表層硬度、発泡弾性層の硬度、表層及び内層の通気量、表層の厚み、発泡弾性層の厚みに対する表層の厚み比(%)を表2に示した。
〔2.ポリウレタン発泡材料について〕
本実施例及び比較例において、以下に示す材料を使用し、各プレミックスポリオール成分の配合部数、及びポリイソシアネートのNCOインデックスを表1に示した。
(A):アクトコールEP−901P(商品名)三井化学(株)製、ポリエーテルポリオール、平均分子量7000、OH価24mgKOH/g、溶解度パラメータ8.60。
(B):アクトコールEP−3033(商品名)三井化学(株)製、ポリエーテルポリオール、平均分子量6600、OH価34mgKOH/g、溶解度パラメータ8.60。
(C):アクトコールEP−550N(商品名)三井化学(株)製、ポリエーテルポリオール、平均分子量3100、OH価54mgKOH/g、溶解度パラメータ8.66。
(D):ニューポールPE75(商品名)三洋化成工業(株)製、ポリエーテルポリオール。質量平均分子量4100、OH価32mgKOH/g、溶解度パラメータ8.73。
(E):アクトコールEP−240(商品名)三井化学(株)製、ポリエーテルポリオール、平均分子量7200、OH価23mgKOH/g、溶解度パラメータ8.55。
(F):L−3415(商品名)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、シリコーン整泡剤。
(G):L−3629(商品名)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、シリコーン整泡剤。
(H):TOYOCAT−ET(商品名)東ソー(株)製、ウレタン発泡用泡化触媒、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル。
(I):TEDA−L33(商品名)東ソー(株)製、ウレタン発泡用樹脂化触媒、トリエチレンジアミン。
(J):発泡剤(水)
(K):コスモネートTM20(商品名)三井化学(株)製、ポリイソシアネート混和物(MDI/TDI=20/80(質量比))、NCO%=45
〔3.画像評価〕
得られた発泡弾性ローラをトナー供給ローラとして使用し、画像評価を行った。なお、画像評価は次のように行った。トナー供給ローラを市販のレーザープリンタ(HP社製、Color Laser Jet CP3525dn)のトナーカートリッジに組み込み、15℃、10%RHに1日間保管後に、複写機にセットし、15℃、10%RH環境下において、通常の複写機用普通紙を用いて1%印字画出し10000枚の耐久試験を行った後、さらに、通常の複写機用普通紙を用いて耐久試験後画出しを行った。
耐久試験後画出しにより、トナー供給性が低下した場合に発生しやすい濃度ムラを目視により調べ、下記の基準で画像評価し、結果を表2にまとめた。
◎:濃度ムラが観察されず、極めて良好である。
○:濃度ムラが殆ど観察されず良好である。
△:濃度ムラがやや見られるが、使用するには気にならない程度である。
×:濃度ムラが観察され、使用不可である。
また、耐久試験により、トナー劣化を起こした場合に発生しやすい濃度薄を目視により調べ、下記の基準で画像評価し、結果を表2にまとめた。
◎:濃度薄が観察されず、極めて良好である。
○:濃度薄が殆ど観察されず良好である。
△:濃度薄がやや見られるが、使用するには気にならない程度である。
×:濃度薄が観察され、使用不可である。
さらに、トナー掻き取り性が低下した場合に発生しやすいゴースト不良を、下記の基準で画像評価し、結果を表2にまとめた。
◎:ゴーストが観察されず、極めて良好である。
○:ゴーストが殆ど観察されず良好である。
△:ゴーストがやや見られ、使用するには気にならない程度である。
×:ゴーストが観察され、使用不可である。
表2に示したように、本発明の実施例においては、現像ローラへのトナーの供給や掻き取りが安定して機能している。また、表層や第二層のトナー蓄積による発泡弾性層の高硬度化は発生せず、トナーの劣化を抑制し、ゴーストや濃度ムラがない良好な画像を得ることができた。
比較例1は、内層付きローラ上に表層を発泡成形する際に、内層内部のエアーが表層部に入り込み、エアーだまりの発泡欠陥が確認された。耐久試験の際にエアーだまり部にトナーが蓄積し、発泡弾性層の高硬度化を招き、結果的に画像評価において、濃度ムラ、濃度薄、ゴーストが顕著に観察された。
比較例2は、画像評価後の発泡弾性ローラを観察すると、層間剥離がみられ、その隙間にトナーが停滞していた。このトナー停滞による発泡弾性層の硬度上昇が、耐久試験後の画像評価において、画像不良を招く結果となった。
また、比較例9に関しては、成型の際に、金型から脱型された発泡弾性層が収縮し、発泡弾性層の一部分に変形が見られた影響により、画像不良が発生した。
Figure 2015125275
Figure 2015125275
1…発泡弾性ローラ
2…発泡弾性層
3…表層
4…内層
5…芯金
6…測定片
7a、7b…板状押圧面を有する治具
8…板状押圧面を有する治具の幅
9…吸引ノズル
10…通気度測定部位
11…流量計
12…圧力計
13…吸引ポンプ
14…吸引パイプ
60…ローラ成型用金型
61…円筒状金型
62…上駒
63…下駒
64…発泡材料受け部
65…注入孔
20…下部に配置するポリウレタン発泡材料(下部PUF)
21…上部に配置するポリウレタン発泡材料(上部PUF)
31…画像形成体
32…帯電ローラ
33…電源
34…画像露光光
35…現像手段
35a…現像ローラ
35b…トナー供給ローラ(発泡弾性ローラ1)
36…クリーニング手段
37…転写手段
38…転写材
41…プロセスカートリッジ
42…レール

Claims (5)

  1. 回転軸となる芯金と該芯金の外周面に、少なくともポリオール、ポリイソシアネートを含有する原料組成物から同時形成された発泡弾性層であって、表層と一層以上の内層を有し、前記発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向での物性が、概略漸増もしくは漸減するセル構造を含む境界領域が存在する発泡弾性ローラにおいて、
    表層硬度が45g/cm以上100g/cm以下、発泡弾性層の硬度が20g/cm以上45g/cm未満であり、且つ該表層の通気量が40cc/cm・sec以上100cc/cm・sec以下であり、前記内層の通気量が1cc/cm・sec以上20cc/cm・sec未満であることを特徴とする発泡弾性ローラ。
  2. 前記発泡弾性層の外周面から芯金に向かう直交方向で、前記発泡弾性層の厚みに対し、前記表層の厚みが15〜40%であることを特徴とする請求項1記載の発泡弾性ローラ。
  3. 前記表層を形成する少なくとも1つの前記ポリオールの溶解度パラメータ(X)と、前記内層を形成する少なくとも1つの前記ポリオールの溶解度パラメータ(Y)が関係式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の発泡弾性ローラ。
    式(1):|X−Y|≧0.06
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発泡弾性ローラからなるトナー供給ローラ。
  5. 電子写真画像形成装置に用いられる電子写真用プロセスカートリッジにおいて、請求項4記載のトナー供給ローラを含むことを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジ。
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