JP2015124817A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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元樹 田淵
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敏成 佐野
彬 伊地知
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Abstract

【課題】ベルト張力による回転軸の撓みを吸収するために送りねじ機構におけるねじ部同士の隙間を大きくする必要をなくす。
【解決手段】ベルトが巻き掛けられた一対のプーリと、可動シーブ12に推力を付与する送りねじ機構20とを備え、送りねじ機構20の雌ねじ21は可動シーブ12と相対回転可能かつ軸線方向に一体化させられ、かつ雌ねじ21に螺合する雄ねじ22が転がり軸受6によりプライマリシャフト2に支持された状態でハウジング壁40と嵌合させられているベルト式無段変速機1において、雄ねじ22の外周面22dは、回転中心軸線Aに対する凸曲面に形成され、ハウジング壁40の軸保持壁41と接する。
【選択図】図1

Description

この発明は、送りねじ機構により変速動作をするように構成されたベルト式無段変速機に関するものである。
例えば、特許文献1には、送りねじ機構により変速動作をするベルト式無段変速機が記載されている。その変速動作は、直流モータの出力したトルクが歯車列を介して第一送り機構に伝達されることにより行われる。そのモータトルクによって第一送り機構で推力を生じ、その推力を付与された可動フランジが軸線方向に移動して駆動Vプーリの溝幅を変化させるように構成されている。
また、特許文献2には、入力トルクが遊星歯車機構から伝達されるベルト式無段変速機が記載されている。遊星歯車機構のキャリヤ軸とプライマリシャフトとがトルク伝達可能に接続されている。その接続部分ではギヤ同士が噛み合っている。また、ギヤ歯同士の間には回転方向および径方向に所定の隙間が設けられている。
特開2002−130409号公報 特開2001−330089号公報
上記の特許文献1に記載された第一送り機構では、固定環体と可動環体とが螺合している。固定環体の大径部は、その内周面が当接する転がり軸受により入力軸に支持されているとともに、その外周面が当接するハウジングによって固定されて非回転状態に保持されている。つまり、固定環体の姿勢は、大径部の外周面が当接するハウジングによって決まる。一方、可動環体は転がり軸受を介して可動フランジの外周に取り付けられているため、可動環体の姿勢が可動フランジの姿勢すなわち入力軸の姿勢によって決まる。
ところで、特許文献1に記載された構成では、主動V溝プーリに巻き掛けられたベルトの張力によって入力軸が撓む場合がある。その場合、入力軸の軸線が傾斜することにより可動環体の軸線も傾斜するため、第一送り機構では固定環体の軸線に対して可動環体の軸線が傾斜する。例えば、特許文献1に記載された第一送り機構において、特許文献2に記載された構成を適用して、ねじ部同士の隙間(ガタ)を大きく設計することで入力軸の撓みを吸収して面圧や摩擦力を小さくするように構成とすることが考えられる。
しかしながら、前述したように特許文献1に記載された第一送り機構においてねじ部同士のガタを大きく設計した場合、そのガタ分だけ可動フランジが軸線方向で移動可能であるため運転者の意図しない変速幅が大きくなってしまう。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ベルト張力による回転軸の撓みが生じるとしても、その撓みによる所定箇所の面圧や摩擦力などを増大させることなく、さらには送りねじ機構におけるねじ部同士の隙間を増大させずに構成できるベルト式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、回転軸に一体化された固定シーブと、前記回転軸に嵌合しかつ当該回転軸の軸線方向で移動可能な可動シーブとをそれぞれに有する一対のプーリと、前記一対のプーリに巻き掛けられ動力源からのトルクを伝達するベルトと、前記可動シーブの背面側に配置され当該可動シーブを軸線方向に移動させる送りねじ機構とを備え、前記送りねじ機構における一方のねじ軸は前記可動シーブと相対回転可能かつ軸線方向に一体化させられ、かつ前記一方のねじ軸に螺合する他方のねじ軸が軸受により前記回転軸に支持された状態で所定の固定部に形成された軸保持部と嵌合させられているベルト式無段変速機において、前記他方のねじ軸の外周面および前記軸保持部の内周面のうち少なくともいずれか一方が、前記回転軸の中心軸線を含む平面内で凸曲面に形成され、前記凸曲面に形成された部分において前記他方のねじ軸と前記軸保持部とが接するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、凸曲面に形成された部分において他方のねじ軸と軸保持部とが当接しているので、他方のねじ軸の姿勢は固定部ではなく回転軸の姿勢によって決まる。そのため、ベルト張力による曲げ荷重により回転軸が撓む場合であってもねじ軸同士の軸線をほぼ同じ傾きにさせることができる。すなわち、回転軸の撓みをねじ軸同士の軸線の傾きによって吸収するので、ねじ軸同時の間にガタ(クリアランス)を特に大きくする必要がない。そのため、ねじ軸同士の間のガタが詰まることによる意図しない変速の幅を小さくすることができ、運転者の違和感を低減させることができる。
この発明の一例におけるベルト式無段変速機が備えるプライマリプーリを模式的に示した図である。 図1に示すプライマリプーリを有するベルト式無段変速機を搭載した車両を所定の走行条件で走行させた場合に、送りねじ機構の雌ねじに作用するスラスト荷重におけるベルト張力により生じるスラスト荷重とばねにより生じるスラスト荷重との差を示したタイムチャート図である。
以下、図1を参照して、この発明の一例におけるベルト式無段変速機について説明する。図1は、この具体例におけるベルト式無段変速機が備えるプライマリプーリを模式的に示している。図1に示すベルト式無段変速機1は、例えば車両の動力源から出力されたトルクを駆動輪へ向けて伝達する動力伝達装置に含まれ、一対のプーリを備え、両プーリに形成された断面V字状の溝(V溝)に巻き掛けられた図示しないベルトによりトルクを伝達するように構成されている。なお、ベルトは無端状に形成され、例えば乾式ベルトや乾式複合ベルトにより構成される。
具体的には、ベルト式無段変速機1は、入力軸となるプライマリシャフト2と一体回転するプライマリプーリ10と、図示しない出力軸となるセカンダリシャフトと一体回転するセカンダリプーリとを備えている。プライマリシャフト2とセカンダリシャフトとが互いに平行に配置されている。なお、図1に示すプライマリプーリ10は、プライマリシャフト2が撓んでいない状態を示している。そのため、この説明では、図1に一点鎖線で示すプライマリシャフト2の回転中心軸線Aを基準線にして説明する場合がある。なお、軸線方向とは、回転中心軸線Aと平行な方向である。
プライマリプーリ10は、プライマリシャフト2と一体化された固定シーブ11と、プライマリシャフト2に嵌合しかつプライマリシャフト2の軸線方向に前後動する可動シーブ12とを備えている。両シーブ11,12はプライマリシャフト2の径方向に突出するフランジ部を有し、そのフランジ部における固定シーブ11の傾斜面と可動シーブ12の傾斜面とが互いに対向してプライマリプーリ10のV溝を形成する。可動シーブ12が軸線方向で前後動することによりプライマリプーリ10のV溝幅が変化する。つまり、可動シーブ12の軸線方向の位置が変化することによりプライマリプーリ10におけるベルト巻き掛け径が変化してベルト式無段変速機1における変速比が変化する。
また、可動シーブ12は、前述したフランジ部と、中空円筒状に形成されたボス部12aとを有する。その可動シーブ12は、フランジ部の内周側に配置された滑り軸受3と、ボス部12aの内周側に配置された滑り軸受4とによってプライマリシャフト2に支持されている。滑り軸受3と滑り軸受4とは、軸線方向で異なる位置に設けられている。つまり、可動シーブ12の姿勢はプライマリシャフト2によって決まり、可動シーブ12の回転中心軸線が回転中心軸線Aと一致するように構成されている。
さらに、プライマリプーリ10のV溝に巻き掛けられたベルトには張力が生じるので、可動シーブ12を支持する各滑り軸受3,4はベルト張力によるラジアル荷重を受ける。つまり、そのベルト張力によるラジアル荷重(以下、曲げ荷重という)は、各滑り軸受3,4を介してプライマリシャフト2に作用するため、その曲げ荷重によりプライマリシャフト2が撓むことがある。
また、プライマリシャフト2と可動シーブ12とはスライドキー5によって一体回転するように構成されている。つまり、ベルト式無段変速機1によるトルク伝達時、動力源からプライマリシャフト2に伝達されたトルクがスライドキー5を介して可動シーブ12に伝達するように構成されている。
具体的には、プライマリシャフト2の外周面およびボス部12aの内周面には、軸線方向に伸びるキー溝が形成されている。スライドキー5は、前述した両キー溝内に埋め込まれ、プライマリシャフト2の回転方向で可動シーブ12およびプライマリシャフト2と噛み合う。なお、可動シーブ12が軸線方向で前後動する際、スライドキー5が可動シーブ12に対して摺動してもよく、もしくはスライドキー5がプライマリシャフト2に対して摺動してもよい。
さらに、プライマリプーリ10には、ベルト式無段変速機1における変速動作時に作動する送りねじ機構20が設けられている。送りねじ機構20は、可動シーブ12の背面側に配置され、軸線方向でその背面側から可動シーブ12を固定シーブ11側へ向けて押すように構成されている。送りねじ機構20から付与された推力(軸線方向の荷重)により可動シーブ12が軸線方向で前後動する。
具体的には、送りねじ機構20は、中空状の円筒部21aの内周面にねじ部21bが設けられた雌ねじ21と、ねじ部21bと螺合するねじ部22bを有する雄ねじ22とを備えている。ねじ部22bは、雄ねじ22が有する中空状の円筒部22aの外周面に設けられている。つまり、雌ねじ21および雄ねじ22はねじ軸に構成されている。また、雌ねじ21のねじ部21bと、雄ねじ22のねじ部22bとの隙間(ガタ,バックラッシ)は小さくなるように詰めて構成されている。
また、雄ねじ22は非回転状態に固定されており、雄ねじ22と螺合する雌ねじ21に回転方向の荷重が作用することにより、雌ねじ21は回転しながら軸線方向で前後動するように構成されている。つまり、図1に示す送りねじ機構20では、雌ねじ21の軸線と雄ねじ22の軸線とが互いに平行に配置され、かつそれらが回転中心軸線Aと平行に配置されている。
雌ねじ21は、転がり軸受6によって可動シーブ12に対して回転可能に支持される。転がり軸受6のインナーレース6aは、ナット31によって可動シーブ12の外周側に固定される。転がり軸受6のアウターレース6bは、雌ねじ21に一体化されたスナップリング32によって雌ねじ21の内周側に形成された段差部に固定されている。つまり、雌ねじ21と可動シーブ12とは転がり軸受6を介して軸線方向で一体化されている。すなわち、雌ねじ21の姿勢は可動シーブ12の姿勢によって決まる。
さらに、雌ねじ21には、円筒部21aから径方向外方に突出する外歯ギヤ21cが設けられている。外歯ギヤ21cは従動ギヤであって、図示しない駆動ギヤと噛み合っている。具体的には、所定の変速操作もしくは変速指示信号に応じて生じた回転力が駆動ギヤを介して従動ギヤの外歯ギヤ21cに作用することにより、雌ねじ21は回転して軸線方向に移動する。
例えば、変速用の動力源として電動モータを備える場合、その電動モータが出力したトルクが外歯ギヤ21cに伝達するように構成される。この場合、電動モータから外歯ギヤ21cに到るトルク伝達経路には減速ギヤ機構が設けられてもよい。つまり、図示しない電子制御装置により電動モータの動作が制御され、その電子制御装置から出力された変速指示信号に基づいて電動モータが駆動し送りねじ機構20で推力を生じるように構成される。
一方、雄ねじ22は、転がり軸受8によってプライマリシャフト2に支持されているとともに、ハウジング壁40に嵌合して非回転状態に保持されている。すなわち、径方向で転がり軸受8とハウジング壁40との間に雄ねじ22が挟まれている。転がり軸受8のインナーレース8aは、プライマリシャフト2の端部にねじ込んだナット33によってプライマリシャフト2の外周側に固定される。ハウジング壁40は、プライマリプーリ10の収容室を区画する壁部材であって固定部である。雄ねじ22はハウジング壁40によって径方向で固定される。つまり、プライマリシャフト2は転がり軸受8によりハウジング壁40に支持されている。また、プライマリシャフト2は固定シーブ11の背面側に配置された転がり軸受7により図示しないハウジング壁(固定部)に支持されている。つまり、転がり軸受7,8は軸線方向で固定シーブ11および可動シーブ12を挟むように配置されている。
具体的には、雄ねじ22は、ねじ部22bを有する円筒部22aよりも大径に形成された円筒状の大径部22cを有する。すなわち、円筒部22aと大径部22cとが段差部分を介して一連に形成されている。大径部22cの内周面は、転がり軸受8におけるアウターレース8bの外周面と面接触しており、その接触面積には少なくとも回転中心軸線Aと平行な直線状に面接触している部分が含まれる。雄ねじ22の段差部分は、アウターレース8bの側面と軸線方向で対向しかつ面接触している。
さらに、大径部22cはハウジング壁40に含まれる軸保持壁41によって保持されている。大径部22cの外周面22dは、太鼓状や樽状の凸曲面に形成され、軸保持壁41と密着嵌合している。すなわち、外周面22dは凸曲面に形成されている。さらに言い換えれば、外周面22dにおける回転中心軸線Aを含む縦断面形状は、回転中心軸線Aに対して凸曲線状に形成されている。
軸保持壁41は、ハウジング壁40の一部を構成し、プライマリシャフト2の端部を覆うように軸線方向に突出して形成されている。軸保持壁41の内壁面のうち、プライマリシャフト2の外周側を覆うように軸線方向で伸びる部分が内周面40aを形成する。その内周面40aが雄ねじ22の大径部22cと接している。すなわち、大径部22cと軸保持壁41とが円周方向で線接触した状態で、雄ねじ22がハウジング壁40に保持されている。
要するに、大径部22cは、アウターレース8bと軸線方向で面接触している状態で、凸曲面に形成された外周面22dがハウジング壁40の内周面40aと線接触している。また、アウターレース8bの外周側と大径部22cの内周側とは、軸線方向の荷重を受けるスナップリング34によって軸線方向で一体化されている。つまり、雄ねじ22はハウジング壁40の軸保持部41に嵌合している状態で、転がり軸受8のアウターレース8bと一体化されているため、雄ねじ22の姿勢が転がり軸受8の姿勢によって決まる。
なお、転がり軸受8は、接触角度を有するアンギュラ玉軸受により構成され、ラジアル荷重と両方向のスラスト荷重を負荷することができる。つまり、転がり軸受8は、雄ねじ22から作用されるラジカル荷重およびスラスト荷重を受ける。
図1に示す転がり軸受8は、いわゆる複列アンギュラ玉軸受により構成されており、アウターレース8bが一体形成され、かつインナーレース8aが一体形成されている。そのアウターレース8bは雄ねじ22と一体化されている。また、転がり軸受8の接触角度が、いわゆる背面合わせの接触角度となるように構成され、転がり軸受8はモーメント荷重を負荷できる。プライマリシャフト2は、固定シーブ11の背面側に配置された転がり軸受7を介して図示しないハウジング壁(固定部)に支持されている。
さらに、プライマリプーリ10の可動シーブ12には、ベルト張力により後退移動させるスラスト荷重(以下、ベルト荷重という)が作用している。その可動シーブ12に作用するベルト荷重は、転がり軸受け6を介して送りねじ機構20にも作用するため、送りねじ機構20での損失の要因となる。その損失を低減するために、プライマリプーリ10では、ベルト荷重を受けるばね50が設けられている。すなわち、ばね50は、軸線方向で伸縮し可動シーブ12を固定シーブ11側に押すように構成されている。可動シーブ12に作用する荷重において、ばね50からの軸線方向荷重(以下、ばね荷重という)とベルト荷重とは、軸線方向で荷重方向が反対向きである。なお、後退移動とは、可動シーブ12が固定シーブ11から離れるように移動することである。
具体的には、ばね50は、可動シーブ12のボス部12aの外周側に配置され、軸線方向における一方端がナット31の側面と当接し、かつ他方端が転がり軸受8におけるインナーレース8aの側面と当接している。すなわち、ばね50は、軸線方向Aで転がり軸受6のインナーレース6aと転がり軸受8のインナーレース8aとにより挟まれた状態で伸縮する。
例えば、変速比が小さくなるように変速動作をする際、ベルト式無段変速機1では、送りねじ機構20の雌ねじ21が回転することにより生じる推力とばね50により生じるばね荷重とを加算した推力によって可動シーブ12を前進移動させる。一方、変速動作をしない場合には、送りねじ機構20による推力は生じない。そのため、非変速時には、可動シーブ12を前進移動させようとするスラスト荷重(推力)は、ばね荷重のみである。つまり、この具体例では、可動シーブ12においてばね荷重によりベルト荷重を減殺するように構成されている。そのため、送りねじ機構20で生じる推力の大きさが変化することにより、送りねじ機構20におけるバックラッシの位置が軸線方向で前後に入れ替わることがある。なお、前進移動とは、可動シーブ12が固定シーブ11に近づくように移動することである。
また、送りねじ機構20で推力を生じない場合すなわちその推力の大きさが固定されている場合であっても、可動シーブ12に作用するスラスト荷重においてベルト荷重の大きさからばね荷重の大きさを減じた合力(以下、単に合力という)の正負が入れ替わるたびに、送りねじ機構20におけるバックラッシの位置が軸線方向で前後に入れ替わることがある。合力の正負とは、可動シーブ12に作用する合力の方向(軸線方向)を表す。送りねじ機構20はねじ部21b,22b同士の隙間(ガタ)を有するため、非変速時には、正の合力では可動シーブ12が後退移動しようとし、負の合力では可動シーブ12が前進移動しようとし、合力がゼロでは可動シーブ12は移動しない。
ところで、この具体例では、ねじ部21b,22b同士の隙間が小さく詰められて構成されている。要するに、可動シーブ12の移動量が小さいので、バックラッシの前後位置が入れ替わっても合力に起因する変速比の変化量が小さくなるように構成されている。そのため、ベルト式無段変速機1は、合力が正負どちらの値になってもよいように構成できる。つまり、ベルト式無段変速機1を、車両の走行状態に応じて、合力がゼロを跨ぐように変位することを許容するように構成することができる。
次に、ベルト式無段変速機1においてベルト張力によりプライマリシャフト2が撓む場合について説明する。プライマリシャフト2は転がり軸受7,8によって固定部に支持されているため、曲げ荷重によりプライマリシャフト2が撓む場合、転がり軸受け7,8を支点にして撓む。その撓んだプライマリシャフト2の回転中心軸線は、図1に示す回転中心軸線Aからずれる。なお、各構成部材の中心軸線が回転中心軸線Aからずれることを回転中心軸線Aに対して傾斜すると記載して説明する場合がある。
この具体例におけるベルト式無段変速機1では、プライマリシャフト2に支持された軸状の構成部材の姿勢がプライマリシャフト2の姿勢によって決まるように構成されている。例えば、可動シーブ12の中心軸線と、転がり軸受6の中心軸線と、転がり軸受8の中心軸線と、雌ねじ21の中心軸線と、雄ねじ22の中心軸線とが、プライマリシャフト2の回転中心軸線とほぼ同じ傾斜となるように回転中心軸線Aに対して傾く。
特に送りねじ機構20において、雄ねじ22の大径部22cは、ハウジング壁40に保持されているものの、外周面22dが回転中心軸線Aに対する凸曲面に形成されているため、ハウジング壁40の内周面40aと円周方向に線接触している。そのため、雄ねじ22の中心軸線は転がり軸受8およびプライマリシャフト2の中心軸線とほぼ同じ傾斜となる。つまり、プライマリシャフト2が撓む場合であっても、雌ねじ21の中心軸線と雄ねじ22の中心軸線とは、ほぼ同じ傾斜となり平行に近い状態に保たれる。そのため、雌ねじ21のねじ部21bと雄ねじ22のねじ部22bとの隙間を特に大きくする必要がない。
以上説明した通り、この具体例におけるベルト式無段変速機によれば、プライマリシャフトが撓む場合であっても、送りねじ機構において雌ねじの軸線と雄ねじの軸線とがほぼ平行になるように構成されている。そのため、雄ねじおよび雌ねじの軸線の傾斜によりプライマリシャフトの撓みを吸収できるとともに、送りねじ機構のねじ部同士の隙間(ガタ)を軸線方向で特に大きくする必要がなくなる。
また、プライマリシャフトの軸線方向で、送りねじ機構を支持する転がり軸受に挟まれたばねを備えていることにより、V溝に巻き掛けられたベルトから送りねじ機構に作用するスラスト荷重を低減させることができる。そのため、変速動作時において、ねじ部同士の摩擦力が小さくなる。加えて、各転がり軸受が受ける荷重が低減されるので、軸受損失を低減できる。
さらに、送りねじ機構におけるねじ部同士の隙間が小さくなっているため、ベルト張力により送りねじ機構に作用するスラスト荷重とばねによる荷重(ばね荷重)との大小関係が入れ替わったとしても、雌ねじが軸線方向に大きく変位することがない。つまり、それらの荷重変動によって運転手の意図しない大きな変速比の変化が生じないように構成されている。加えて、その大小関係が入れ替わることを許容するように構成されていることにより、ベルト式無段変速機における効率を向上させることができる。
加えて、前述した具体例のベルト式無段変速機の効果について、図2を参照して説明する。図2には、前述したベルト式無段変速機1を搭載した車両が所定の条件で走行した場合に、プライマリプーリ10の送りねじ機構20に作用するベルト荷重とばね荷重との差をタイムチャートで示してある。また、図2中には、三つの異なる構成におけるベルト式無段変速機が同一の走行条件で走行した場合について、それぞれをチャートI,II,IIIで示してある。
図2に示すチャートIは、ベルト式無段変速機1のうちばね50を有さないベルト式無段変速機について示している。そのベルト式無段変速機では、送りねじ機構20の雌ねじ21には可動シーブ12に作用するベルト荷重がそのまま作用する。つまり、チャートIは、前述したベルト式無段変速機1のようにばね荷重によりベルト荷重が減殺されることがない場合を示している。すなわち、チャートIにおける図2の縦軸は、可動シーブ12に作用するベルト荷重そのものを表す。そのチャートIでは、常にゼロ以上の合力が送りねじ機構20の雌ねじ21に作用している。したがって、送りねじ機構20のバックラッシは常に固定シーブ11側に生じてバックラッシの前後位置が入れ替わらないものの、雌ねじ21は可動シーブ12に作用するベルト荷重分そのままの反力を雄ねじ22から受けることになる。そのため、ねじ部同士の摩擦力が増大しベルト式無段変速機の伝達効率が低下してしまう。
図2に示すチャートIIは、ばね50を有するベルト式無段変速機1において、合力が常に正領域を推移しゼロを下回らないように設計した場合を示している。ベルト荷重からばね荷重を減じた値がゼロより大きい場合がチャートIIである。この場合、常に正の合力が雌ねじ21および可動シーブ12に作用しているため、雌ねじ21には常に図1の左側に向けて移動させるスラスト荷重が作用している。つまり、送りねじ機構20のバックラッシは常に固定シーブ11側に生じている。したがって、仮にねじ部21bとねじ部22bとの間のガタを大きく設計しても、チャートIIに示すような荷重変動により可動シーブ12が軸線方向で変位することがない。すなわち、その荷重変動による変速比の変動が生じない。
しかしながら、チャートIIに示すように、合力が正領域内のみで荷重変動をするように構成する場合、合力がゼロを跨がないようにするためには、ばね荷重を比較的小さく設定する必要がある。そのため、ばね荷重によるベルト荷重の減殺量が減ってしまう。そのため、チャートIIの構成ではチャートIの構成よりは伝達効率が向上するものの、依然として雌ねじ21に作用するベルト荷重が大きく、変速動作時における送りねじ機構20による仕事量や転がり軸受6の軸受損失を大きく低減させることができない。
図3に示すチャートIIIは、ばね50を有するベルト式無段変速機1において、合力がゼロを跨ぐことを許容するように構成された場合を示している。つまり、チャートIIの構成とチャートIIIの構成とでは、ばね50におけるばね荷重の設計値の大きさが相違する。チャートIIIの構成の場合、チャートIIの構成よりも大きいばね荷重を生じるばね50が設けられ、かつ合力が正領域と負領域とを行き来することを許容する構成である。例えば、合力がゼロより大きい場合、可動シーブ12および雌ねじ21は図1の左側に向けて移動(後退移動)し、その合力がゼロを下回ると可動シーブ12および雌ねじ21が図1の右側に向けて移動(前進移動)する。
前述した通り、ベルト式無段変速機1では、送りねじ機構20ではガタを小さく設計することが可能であるため、雌ねじ21が軸線方向に変動することによる変速比の変動量を小さくできる。そのため、チャートIIIの構成のように、合力がゼロを跨ぐことを許容するように構成された場合であっても、運転者の意図しない変速比の変化を低減できる。仮に送りねじ機構20のねじ部同士のガタが大きく設計された場合には、合力方向が入れ替わるたびに可動シーブが軸線方向にガタ分だけ大きく移動し、運転者の意図しない大きな変速比の変化が生じてしまうが、前述した具体例のベルト式無段変速機1によれば、そのような意図しない変速による運転者の違和感を低減できる。
さらに、チャートIIIの構成では、チャートIIの構成よりもばね荷重によるベルト荷重の減殺量が増大している。そのため、チャートIIIのように構成されたベルト式無段変速機1によれば、チャートIIの構成よりも送りねじ機構20による仕事量を低減でき、かつ転がり軸受6の軸受損失を低減できるので、伝達効率を向上させることができる。つまり、図2に示すチャートI,II,IIIとなるようにそれぞれ車両を走行させた場合、ベルト式無段変速機の伝達効率は、チャートIIIに示す走行状態が最も高効率となり、チャートII、チャートIの順に効率が低下する。要するに、チャートI,II,IIIに示したように、ばね50の有無に拘わらずベルトからのスラスト荷重は可動シーブ12にそのまま作用しており、ばね50の有無によってベルト荷重に対する反力を送りねじ機構20のみで受け持つかあるいは送りねじ機構20とばね50との両者で受け持つかが相違する。
なお、この発明に係るベルト式無段変速機は、前述した具体例に限定されず、この発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、前述した具体例では、雄ねじにおける大径部の外周面が凸曲面に形成された構成について説明したが、この発明では、その大径部の外周面と軸保持壁の内周面とのうち少なくともいずれか一方が凸曲面に形成されていればよい。つまり、軸保持壁の内周面がプライマリシャフト側に凸状の凸曲面に形成されてもよい。要は、その凸曲面により形成された部分において雄ねじとハウジング壁との接触部分が構成されていればよい。
1…ベルト式無段変速機、 2…プライマリシャフト、 3,4…滑り軸受、 5…スライドキー、 6,7,8…転がり軸受、 10…プライマリプーリ、 11…固定シーブ、 12…可動シーブ、 20…送りねじ機構、 21…雌ねじ、 21b…ねじ部、 21c…外歯ギヤ、 22…雄ねじ、 22b…ねじ部、 22c…大径部、 22d…外周面、 31,33…ナット、 32,34…スナップリング、 40…ハウジング壁、 40a…内周面(壁面)、 41…軸保持壁、 50…ばね、 A…回転中心軸線(基準線)。

Claims (1)

  1. 回転軸に一体化された固定シーブと、前記回転軸に嵌合しかつ当該回転軸の軸線方向で移動可能な可動シーブとをそれぞれに有する一対のプーリと、
    前記一対のプーリに巻き掛けられ動力源からのトルクを伝達するベルトと、
    前記可動シーブの背面側に配置され当該可動シーブを軸線方向に移動させる送りねじ機構とを備え、
    前記送りねじ機構における一方のねじ軸は前記可動シーブと相対回転可能かつ軸線方向に一体化させられ、かつ前記一方のねじ軸に螺合する他方のねじ軸が軸受により前記回転軸に支持された状態で所定の固定部に形成された軸保持部と嵌合させられているベルト式無段変速機において、
    前記他方のねじ軸の外周面および前記軸保持部の内周面のうち少なくともいずれか一方が、前記回転軸の中心軸線を含む平面内で凸曲面に形成され、
    前記凸曲面に形成された部分において前記他方のねじ軸と前記軸保持部とが接するように構成されていることを特徴とするベルト式無段変速機。
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