JP2013167281A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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達也 齋藤
Motoki Tabuchi
元樹 田淵
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Abstract

【課題】可動シーブに軸線方向の荷重が作用することに起因して、スラスト荷重が作用する軸受の耐久性を向上させ、あるいはその小型化を図ることができるベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】ベルト式無段変速機におけるプライマリプーリ7が、第1インナーレース20bを有する第1軸受20と、第1軸受20によって可動シーブ12と相対回転可能に保持されかつ第1軸受20を可動シーブ12側に押圧する押圧部材18と、押圧部材18を回転させる電動機と、回転軸6と一体化された第2インナーレース23aを有する第2軸受23と、押圧部材18が第1軸受20を押圧する荷重の反力を受け持ち、第2軸受23と連結された固定部材19と、第1軸受20と第2軸受23とが離隔する方向に荷重を作用させ、回転軸6の軸線方向における第1インナーレース20bと第2インナーレース23aとの間に配置された推力手段26とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、一対のプーリに巻き掛けられたベルトの巻き掛け半径を変化させることにより変速比を変化させて動力を伝達するベルト式無段変速機に関するものである。
従来知られたベルト式無段変速機は、一対のプーリと、それらのプーリに巻き掛けられたベルトとによって構成されている。また、各プーリは、回転軸と一体化された固定シーブと、その固定シーブに接近・離隔することができ、かつ回転軸と一体に回転することができるように構成された可動シーブと、その可動シーブを固定シーブ側に押圧する押圧機構とによって構成されている。その押圧機構は、供給される油圧や油量に応じて可動シーブを押圧する油圧アクチュエータや、伝達されるトルクに応じて可動シーブを押圧するトルクカムや、通電される電力に応じて可動シーブを押圧する電動アクチュエータなどによって構成されている。
特許文献1には、電動アクチュエータによって可動シーブを固定シーブ側に押圧するように構成されたベルト式無段変速機が記載されている。特許文献1に記載された電動アクチュエータは、電動機と、その電動機の動力が入力されて回転する往復歯車と、その往復歯車と噛み合いかつケースに固定された送りガイドとによって構成されている。また、往復歯車は、軸受を介してボス部材と軸線方向に一体に移動することができるように配置されている。したがって、特許文献1に記載された電動アクチュエータは、電動機から往復歯車に動力が伝達されることにより、往復歯車が回転しつつ送りガイドの軸線方向に沿って移動するので、可動シーブを軸線方向に移動させることができる。また、回転軸は、送りガイドの内周面側に設けられて軸受によって回転自在に保持されている。さらに、軸受のインナーレースと回転軸の外周面との間には、可動シーブを固定シーブ側に押圧するコイルスプリングの受け部材が設けられている。なお、ボス部材における往復歯車の内周側に隙間が形成されており、その隙間に挿入されたコイルスプリングによって可動シーブを固定シーブ側に押圧するように構成されている。すなわち、往復歯車を保持する軸受とコイルスプリングとが軸線方向において重なって配置されている。
特許文献2には、油圧アクチュエータと電動アクチュエータとによって可動シーブを固定シーブ側に押圧するように構成されたベルト式無段変速機が記載されている。特許文献2に記載された油圧アクチュエータは、可動シーブの背面に付設された油圧室の油圧を増減することにより、可動シーブを固定シーブ側に押圧する荷重を変化させるように構成されている。また、可動シーブの背面と対向した面が、可動シーブに接近・離隔するように、すなわちピストンとして機能するように構成されている。そのため、ピストンを軸線方向に移動させることによって、油圧室の容積を変化させることができる。したがって、油圧室の容積の変化に応じて油圧室の油圧が変化するので、可動シーブが軸線方向に移動する。
特許文献2に記載された電動アクチュエータは、前記ピストンを軸線方向に移動させるために設けられており、軸受を介してピストンを可動シーブ側に押圧するように、より具体的には軸受のアウターレースを押圧するように配置されている。なお、軸受のインナーレースが、上記油圧アクチュエータにおけるピストンと連結されている。また、電動アクチュエータは、電動機の動力が入力されることにより軸線方向に移動する送りねじ機構によって構成されており、その送りねじ機構は、電動機の動力が入力されるネジ部材と、そのネジ部材と噛み合い、かつハウジングに固定された内側ネジ部材とによって構成されている。そのため、特許文献2に記載された電動アクチュエータは、電動アクチュエータによって軸受を可動シーブ側に押圧することあるいは可動シーブから離隔させることにより、ピストンが軸線方向に移動するので、前記油圧アクチュエータの油圧を増減させることができる。
なお、特許文献3に記載されたベルト式無段変速機における油圧アクチュエータは、可動シーブを固定シーブ側に押圧するバネを油圧室内に設けることによって、油圧室に油圧が供給されていない場合であっても、各シーブによってベルトを挟み付ける挟圧力を所定の値以上に保つことができるように構成されている。
特開2006−29397号公報 特開2005−36855号公報 特開平10−205597号公報
特許文献1に記載されたように軸線方向において往復歯車とコイルスプリングとを重ねて配置すると、往復歯車の径が大きくなり、その結果、往復歯車と送りガイドとの噛み合い位置の有効径が大きくなる可能性がある。そのため、往復歯車によって可動シーブを押圧する荷重を発生させるために往復歯車に入力するトルクが大きくなってしまい、電動機が大型化してしまう可能性がある。また、噛み合い位置の有効径が大きくなることに伴って、往復歯車が回転する際の動力損失が増大してしまう可能性がある。
また、特許文献2に記載されたように軸受のアウターレースを押圧して、インナーレースと連結されたピストンに推力を伝達するように構成すると、インナーレースが受ける反力とアウターレースに作用させる荷重とが反対方向となる。すなわち、インナーレースは軸線方向における可動シーブから離れる方向に荷重を受け、アウターレースは、可動シーブ側に接近させられる方向に荷重を受ける。その結果、軸受の内周側と外周側とに作用する荷重の方向が反対方向となり、軸受に作用するスラスト荷重が増大する。したがって、軸受には、ラジアル荷重と同時にスラスト荷重が作用するので、軸受に作用するトータルとしての負荷が大きくなるため、軸受を大型化して搭載性が低下してしまう可能性がある。また、そのスラスト荷重によって軸受における動力損失が増大してしまう可能性がある。
なお、変速比を変化させる場合に限らず、すなわち電動機を駆動させてスライドギヤによって推力を発生させている場合に限らず、電動機を駆動させずに変速比を一定に保つ場合であっても、プーリとベルトとが動力を伝達するためには、ベルトに所定の張力が作用しているので、可動シーブがベルトから荷重を受ける。したがって、そのベルトから受ける荷重に基づいて軸受におけるインナーレースが、可動シーブから離隔する方向に荷重を受け、その荷重に対向する方向にアウターレースに反力が作用するため、軸受にはスラスト荷重が作用してしまう。
この発明は上述した事情を背景としてなされたものであって、可動シーブに軸線方向の荷重が作用することに起因して、スラスト荷重が作用する軸受の耐久性を向上させ、あるいはその小型化を図ることができるベルト式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸と一体化された固定シーブと、該固定シーブと対向して配置され、かつ回転軸線に沿って移動することおよび前記回転軸と一体となって回転することができるように前記回転軸に取り付けられた可動シーブとを有するプーリにベルトが巻き掛けられて動力を伝達するベルト式無段変速機において、前記可動シーブと一体化された第1インナーレースを有する第1軸受と、該第1軸受によって可動シーブと相対回転可能に保持されかつ第1軸受における第1アウターレースを可動シーブ側に押圧する押圧部材と、該押圧部材を回転させる電動機と、前記回転軸と一体化された第2インナーレースを有する第2軸受と、前記押圧部材と螺合しかつ前記第2軸受における第2アウターレースと連結された固定部材と、前記第1インナーレースと前記第2インナーレースとが離隔する方向に荷重を作用させ、前記回転軸の軸線方向における前記第1インナーレースと前記第2インナーレースとの間に配置された推力手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、第1軸受を押圧する押圧部材によって可動シーブを軸線方向に押圧することができる。すなわち、変速比を変化させることができる。また、回転軸と一体化された第2インナーレースを有する第2軸受が、押圧部材が第1アウターレースを押圧する荷重の反力を受け持つ固定部材と第2アウターレースによって連結され、第1軸受と第2軸受との各軸受におけるインナーレース同士が離隔する方向に荷重を作用させる推力手段が設けられているため、ベルトから可動シーブが受ける荷重に基づいて各軸受が受ける荷重を推力手段によって低下させることができる。その結果、各軸受に作用するスラスト荷重を低下させることができるので、各軸受の耐久性を向上させることができる。さらに、各軸受に作用するスラスト荷重を低下させることにより、各軸受の剛性を低下させることができるので、各軸受を小型化することができ、その結果、各軸受の搭載性を向上させることができる。
また、電動機を回転させることにより押圧部材を軸線方向に移動させることができる。その結果、電動機を制御することにより、変速比を制御することができる。また、推力手段によって各軸受を離隔する方向に荷重を作用させることにより、押圧部材と固定部材とが螺合する箇所に作用する軸線方向の荷重を低下させることができるので、押圧部材を回転させる際の摩擦抵抗を低下させることができる。
さらに、推力手段を回転軸の軸線方向における第1インナーレースと第2インナーレースとの間に配置することにより、第1軸受の径を小さくすることができる。そのため、第1軸受を押圧する押圧部材を小型化することができるので、押圧部材と固定部材との噛み合い位置の有効径を小さくすることができる。その結果、押圧部材に入力する動力を小さくすることができるため、押圧部材に動力を入力する電動機を小型化することができる。また、押圧部材と固定部材との噛み合い位置の有効径を小さくすることで、押圧部材が軸線方向に移動する際の動力損失を低下させることができる。
この発明に係るベルト式無段変速機の構成の一例を説明するための図であり、そのベルト式無段変速機におけるプライマリプーリの断面図である。 この発明に係るベルト式無段変速機を車両に搭載した場合の動力伝達経路の一例を示す図である。
つぎにこの発明に係るベルト式無段変速機の一例について説明する。図2は、この発明に係るベルト式無段変速機を車両に搭載した場合の動力伝達経路の一例を示しており、図2に示すベルト式無段変速機1は、エンジンや電動機などの動力源2から伝達されたトルクを変化させて、カウンタギヤユニット3およびデファレンシャルギヤ4を介して車輪5に出力するように構成されている。このベルト式無段変速機1は、動力源2から入力軸6を介して動力が伝達されて回転するプライマリプーリ7と、入力軸6と平行に配置された出力軸8にプライマリプーリ7から伝達された動力を出力するセカンダリプーリ9と、それらのプーリ7,9に巻き掛けられて相互のプーリ7,9に動力を伝達するベルト10とによって構成されている。
図2に示すベルト式無段変速機は、プライマリプーリ7により変速比を変化させ、セカンダリプーリ9によりベルトを挟み付ける挟圧力を制御するように構成されている。図1は、プライマリプーリ7の構成を説明するための断面図である。図1に示すプライマリプーリ7は、入力軸6と一体化された固定シーブ11と、その固定シーブ11と対向して配置された可動シーブ12と、可動シーブ12を固定シーブ11側に押圧する押圧機構13とによって構成されている。それら各シーブ11,12は、対向する面がテーパ状に形成されており、対向するテーパ面同士の隙間、すなわちテーパ面によって形成されたV溝にベルト10が挟まれるように構成されている。なお、図1に示す例では、ベルト10と各シーブ11,12におけるテーパ面との間には、潤滑油を供給せずに動力を伝達するように構成されている。つまり、図1に示すベルト10は、樹脂部材で形成され、あるいは樹脂被覆された、いわゆる乾式ベルトである。
また、図1に示す可動シーブ12は、入力軸6と回転方向の動力を伝達することができ、かつ入力軸6の軸線方向に移動することができるように、キーやスプラインなどによって連結されている。具体的には、可動シーブ12の背面側、すなわちテーパ面とは反対側の面の内周部には、可動シーブ12の固定シーブ11が設けられている方向とは反対の方向に延出したボス部14が形成されている。そして、可動シーブ12およびボス部14は、中空状に形成されていて、その中空部に入力軸6が挿入され、かつボス部14の内周面と入力軸6の外周面とがキーやスプラインなどの連結部材15によって連結されている。なお、可動シーブ12が摺動する際の摩擦力を低下させるために、キーやスプラインなどの連結部材15の表面は、樹脂材料によって被覆されている。
また、可動シーブ12の内周面と入力軸6の外周面との間には、樹脂材料によって被覆されたブッシュ16が設けられている。このブッシュ16は、可動シーブ12と入力軸6との隙間をなくすことにより可動シーブ12が傾いてしまうことを抑制もしくは防止するとともに、可動シーブ12が摺動する際の摩擦抵抗を低下させるために設けられている。さらに、ボス部14の内周面と入力軸6の外周面との間、より具体的には、ボス部14における可動シーブ12と一体化されていない側の先端部の内周面と入力軸6の外周面との間にも、ブッシュ16と同様に樹脂材料で被覆されたブッシュ17が設けられている。
つぎに、可動シーブ12を固定シーブ11側に押圧する押圧機構13の構成について説明する。図1に示す押圧機構13は、いわゆる電動アクチュエータであって、図示しない電動機のトルクを軸線方向への推力に変換して可動シーブ12を軸線方向に移動させるように構成されている。その押圧機構13の構成について具体的に説明する。まず、入力軸6の回転軸線を中心として配置された円筒状の押圧部材18が設けられている。この押圧部材18は、図示しない電動機の動力が伝達されて回転することにより、軸線方向に移動することができるように構成されている。すなわち、押圧部材18の外周面には、外周側に突出した動力伝達部18aが形成され、その動力伝達部18aの外周面に、図示しない電動機から伝達された動力が入力される歯18bが形成されている。また、押圧部材18の内周面、より具体的には、可動シーブ12が配置されている箇所とは反対側の端部側の内周面には、所定の長さを有する雌ネジ部18cが形成されている。
一方、ハウジングなどに固定され、入力軸6の回転軸線を中心として配置された円筒状の固定部材19が押圧部材18の端部側、すなわち雌ネジ部18cが形成されている端部側に設けられている。この固定部材19の端部、すなわち押圧部材18側の端部の外径は、押圧部材18の内径より小さく形成されており、その外周面に押圧部材18に形成された雌ネジ部18cと噛み合う雄ねじ部19aが形成されている。
したがって、押圧部材18に電動機から動力が伝達されて回転することにより、その押圧部材18が固定部材19から離隔あるいは接近する方向に移動する。すなわち、押圧部材18と固定部材19とは送りネジ機構によって連結されている。
一方、押圧部材18とボス部14とが相対回転することができるように、押圧部材18における可動シーブ12側の端部の内周面とボス部14との間に軸受20が設けられている。この軸受20は、押圧部材18によって可動シーブ12側に押圧されるように構成されている。すなわち、押圧部材18は、軸受20が設けられている箇所の内径が、可動シーブ12が設けられている側とは反対側の内径より大きく形成され、軸受20のアウターレース20aを押圧する段差部18dが形成されている。その段差部18dに軸受20が圧入されて、押圧部材18とアウターレース20aとが一体となって軸線方向に移動することができるように構成されている。なお、軸受20が軸線方向における可動シーブ12側に抜けてしまうことを防止するためのスナップリング21が、軸線方向における軸受20より可動シーブ12側に設けられている。
また、軸受20におけるインナーレース20bによって可動シーブ12を固定シーブ11側に押圧することができるように軸受20のインナーレース20bとボス部14とが連結されている。具体的には、インナーレース20bの内径と略同一に外径が形成された嵌合部14aと、その嵌合部14aより可動シーブ12側にインナーレース20bによって可動シーブ12側に押圧される受圧部14b、すなわちインナーレース20bの内径以上でインナーレース20bの外径以下に外径が形成された受圧部14bとがボス部14に形成されている。したがって、軸受20をボス部14の先端からインナーレース20bと受圧部14bとが接触する位置まで組み付けて、そのインナーレース20bを受圧部14b側に押圧するようにナット22を組み付けることにより、インナーレース20bとボス部14とが一体となって回転あるいは軸線方向に移動することができる。すなわち、押圧部材18によって軸受20を可動シーブ12側に押圧することによって、軸受20がボス部14を押圧するように構成されている。
なお、図1に示すプライマリプーリ7における入力軸6は、固定部材19に圧入された軸受23によって回転自在に保持され、その軸受23におけるインナーレース23aは、入力軸6に形成された段差部6aに圧入されかつナット24によって段差部6aに押圧されることにより位置決めされている。また、軸受23におけるアウターレース23bは、固定部材19の内周面に圧入されており、そのアウターレース23bが押圧部材18から荷重を受けて可動シーブ12から離隔する方向に移動することを防止するためのスナップリング25が固定部材19の内周面に設けられている。なお、上述したようにベルト10が乾式ベルトによって構成されているため、各軸受20,23は、グリース封入型の軸受である。
したがって、図1に示す電動アクチュエータは、電動機を駆動することにより可動シーブ12を軸線方向に移動させることができる。言い換えると、電動機を制御することにより変速比を変化させることができる。
また、図1に示すプライマリプーリ7には、各軸受20,23におけるインナーレース20b,23a同士を離隔させる方向に荷重を作用させる推力手段26が、軸線方向における各軸受20,23の間に設けられている。より具体的には、軸受20の端面に当接して設けられたナット22の端面と、軸受23のインナーレース23aとの間に推力手段26が設けられている。この推力手段26は、可動シーブ12が設けられている方向への荷重を軸受20に作用させるとともに、可動シーブ12が設けられている方向とは反対方向への荷重を軸受23に作用させるように構成されたものであればよく、例えばバネなどの弾性部材あるいはアキュムレータなどの油圧を利用した装置やガススプリングなどの気体を利用した装置などを利用することができる。
なお、上述したようにセカンダリプーリ9は、ベルト10を挟み付ける挟圧力を得ることができれば良く、したがって、セカンダリプーリ9は、従来知られた油圧アクチュエータやトルクカムなどと同様の構成であればよい。
上述したベルト式無段変速機1は、押圧部材18を可動シーブ12側に移動させるように電動機を制御することにより、可動シーブ12が固定シーブ11側に押圧されて移動してベルト巻き掛け半径が増大し、その結果、変速比を減少させることができる。それとは反対に、押圧部材18を可動シーブ12から離隔する方向に移動させるように電動機を制御することにより、可動シーブ12が固定シーブ11から離隔してベルト巻き掛け半径が減少し、その結果、変速比を増大させることができる。
また、上述したベルト式無段変速機1は、ベルト10と各シーブ11,12との摩擦力によって動力を伝達するように構成されているため、各シーブ11,12がベルト10から反力Fを受ける。そのため、可動シーブ12と一体となって回転および移動するように設けられた軸受20にも可動シーブ12がベルト10から受ける軸線方向の荷重と同一の方向および同一の大きさの荷重が作用する。具体的には、軸受20におけるインナーレース20bが軸線方向における可動シーブ12から離隔する方向に受圧部14bから荷重を受ける。また、軸受20を軸受23から離隔させる方向に荷重を作用させる推力手段26が設けられていることから、軸受20は可動シーブ12側に荷重Wを受ける。すなわち、推力手段26によりナット22が可動シーブ12側に荷重Wを受け、その荷重Wがボス部14を介して軸受20に作用する。その結果、軸受20におけるインナーレース20bには、受圧部14bから受ける荷重とボス部14から受ける荷重とが作用し、それらの荷重は、互いに対抗する方向に作用するので、結局、インナーレース20bが受ける荷重fは、受圧部14bから受ける荷重とボス部14から受ける荷重との差となる。なお、図1には、各部材が受ける荷重の方向を矢印によって示している。
したがって、ボス部14から受ける荷重が受圧部14bから受ける荷重より大きい場合、すなわちベルト10の反力に基づく荷重Fより推力手段26に基づく荷重Wの方が大きい場合には、軸受20におけるインナーレース20bは、可動シーブ12側に荷重fを受け、それとは反対にボス部14から受ける荷重が受圧部14bから受ける荷重より小さい場合、すなわちベルト10の反力に基づく荷重Fより推力手段26に基づく荷重Wの方が小さい場合には、軸受20におけるインナーレース20bは、可動シーブ12から離隔する方向に荷重fを受ける。
一方、変速比が一定の場合、すなわち電動機によって動力を出力せず、上記軸受20におけるインナーレース20bに作用する荷重fを送りネジ機構によって受けて可動シーブ12が移動しない場合には、その送りネジ機構が受ける荷重は、インナーレース20bに作用する荷重fと同一となる。したがって、押圧部材18には、インナーレース20bが受ける荷重fと反対の方向の荷重が送りネジ機構から作用し、その結果、軸受20におけるアウターレース20aがインナーレース20bと対抗する方向に荷重fを受ける。
すなわち、軸受20が受ける荷重は、以下の式で表すことができる。なお、以下の式における左辺が、アウターレース20aが受ける荷重であり、右辺がインナーレース20bが受ける荷重である。
f=|F−W| …(1)
上記式(1)から分かるようにアウターレース20aが受ける荷重は、ベルト10から可動シーブ12が受ける荷重Fより小さくなる。つまり、f<Fとなる。
すなわち、推力手段26を設けることによって、軸受20におけるインナーレース20bおよびアウターレース20aが軸線方向に受ける荷重fを低下させること、すなわち軸受20に作用するスラスト荷重を低下させることができる。そのため、軸受20の耐久性を向上させること、あるいは小型化することによって搭載性を向上させることができる。また、上述したようにインナーレース20bに作用する荷重fを送りネジ機構によって受けているため、インナーレース20bに作用する荷重fを低下させることにより、変速する際に送りネジ機構の噛み合い位置に作用する軸線方向の荷重を低下させることができ、その結果、変速時の動力伝達効率を向上させることができる。
また、インナーレース20bに作用する荷重fを送りネジ機構によって受けるため、その送りネジ機構が受ける荷重と同一の方向の荷重が軸受23におけるアウターレース23bに作用する。さらに、軸受23におけるインナーレース23aには、推力手段26によって可動シーブ12と離隔する方向に荷重Wが作用する。一方、図1に示すようにベルト10から可動シーブ12が受ける軸線方向の荷重Fは、軸受23におけるインナーレース23aで受けることとなる。したがって、軸受23に作用する荷重は、以下の式で表すことができる。
F=f+W …(2)
上記式(2)をアウターレース23bが受ける荷重とインナーレース23aが受ける荷重とに整理すると、上記式(1)と同じになる。したがって、軸受20と同様に軸受23におけるインナーレース23bおよびアウターレース23aが軸線方向に受ける荷重fを低下させること、すなわち軸受23に作用するスラスト荷重を低下させることができる。そのため、軸受23の耐久性を向上させること、あるいは小型化することによって搭載性を向上させることができる。
また、上述したように推力手段26を設けることにより、より具体的には、バネなどの弾性部材によって各軸受20,23を離隔させる方向に荷重を作用させるように構成することにより、変速比の変化に応じて各軸受20,23に作用させる荷重Wを変化させることができる。すなわち、可動シーブ12が固定シーブ11から離隔する方向に移動するに連れて、各軸受20,23に作用させる荷重Wを大きくすることができる。そのため、変速比が大きくなり伝達トルク容量が増大することによるベルト10から可動シーブ12が受ける荷重Fが増大した場合であっても、そのベルト10から可動シーブ12が受ける荷重Fの増大に伴って推力手段26により可動シーブ12を固定シーブ11側に押圧する荷重Wを大きくすることができる。その結果、変速比に応じて推力手段26により発生させる荷重を変化させて、各軸受20,23に作用する荷重を低下させることができる。
さらに、軸線方向においる各軸受20,23同士の間に推力手段26を設けることにより、各軸受20,23の外径を小さくすることができる。その結果、各軸受20,23に保持された押圧部材18や固定部材19の内径を小さくすることができるので、押圧部材18と固定部材19との噛み合い位置の有効径を小さくすることができる。そのため、可動シーブを軸線方向に移動させるために要する荷重を送りねじ機構によって発生させるために、押圧部材18に入力しなければならないトルクを低下させることができるので、電動機を小型化することができる。また、送りねじ機構の有効径を小さくすることにより、押圧部材18が軸線方向に移動する際に不可避的に生じる動力損失を低下させることができる。
なお、上述したベルト式無段変速機1は、プライマリプーリ7によって変速比を変化させ、セカンダリプーリ9によって挟圧力を変化させるように構成されているが、セカンダリプーリ9によって変速比を変化させ、プライマリプーリ7によって挟圧力を変化させるように構成されたベルト式無段変速機、あるいは各プーリ7,9によって変速比を変化させ、テンショナーなどによってベルト10の張力を発生させて摩擦力を得るように構成されたベルト式無段変速機であってもよい。また、上記押圧機構13に加えて油圧アクチュエータやトルクカムなどを設けることにより変速制御や挟圧力制御を行うように構成されたベルト式無段変速機であってもよい。さらに、乾式ベルトを使用したベルト式無段変速機に限らず、金属ベルトを使用し、そのベルトとプーリ面との間に潤滑油を供給する、いわゆる湿式ベルト式無段変速機であってもよい。
1…ベルト式無段変速機、 6…入力軸、 7…プライマリプーリ、 11…固定シーブ、 12…可動シーブ、 19…固定部材、 20,23…軸受、 20a,23b…アウターレース、 20b,23a…インナーレース、 26…推力手段。

Claims (1)

  1. 回転軸と一体化された固定シーブと、該固定シーブと対向して配置され、かつ回転軸線に沿って移動することおよび前記回転軸と一体となって回転することができるように前記回転軸に取り付けられた可動シーブとを有するプーリにベルトが巻き掛けられて動力を伝達するベルト式無段変速機において、
    前記可動シーブと一体化された第1インナーレースを有する第1軸受と、
    該第1軸受によって可動シーブと相対回転可能に保持されかつ第1軸受における第1アウターレースを可動シーブ側に押圧する押圧部材と、
    該押圧部材を回転させる電動機と、
    前記回転軸と一体化された第2インナーレースを有する第2軸受と、
    前記押圧部材と螺合しかつ前記第2軸受における第2アウターレースと連結された固定部材と、
    前記第1インナーレースと前記第2インナーレースとが離隔する方向に荷重を作用させ、前記回転軸の軸線方向における前記第1インナーレースと前記第2インナーレースとの間に配置された推力手段と
    を備えていることを特徴とするベルト式無段変速機。
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