JP2015124766A - クロスフローファンの翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】高負荷の場合においても低騒音かつ高効率なクロスフローファンを提供することのできるクロスフローファンの翼を得る。
【解決手段】翼40の前縁部42及び後縁部43は、前縁部42の半径R1が後縁部43の半径R2よりも大きくなるように形成されている。翼40の基部41は、後縁部43よりも前縁部42に近い最大肉厚位置Mxpで最大肉厚αを持ち、翼弦長中間位置CLmで肉厚βを持ちかつ翼弦の外周端CLpから翼弦長CLの5%だけ離れた位置CL5で肉厚γを持っている。基部41は、肉厚βを最大肉厚αで割った値が肉厚γを肉厚βで割った値よりも大きくなるように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、クロスフローファンの翼に関する。
空気調和機の室内機などでは、送風のために、クロスフローファンが多く用いられている。このようなクロスフローファンの翼断面形状に関しては、翼の圧力面及びその圧力面に対峙する負圧面が、ファン回転軸から翼の外側に向かうにしたがってファン回転方向に湾曲し、翼の中央付近が翼の内周部と外周部とを結ぶ直線に対して離れる弓形に形成されている。
従来から、この翼形状の肉厚分布について、最大肉厚位置が前縁と後縁の中間にあるものでは、前縁部での流れの剥離がおきて乱流が起き易いことが知られている。このような高い負荷がクロスフローファンに掛かったときの不安定な流れを改善するため、特許文献1(特許第3661579号公報)に記載の翼構造では、翼の最大肉厚位置が翼弦長の内周端から4%の箇所となるように形成するとともに、ブレードの最大肉厚位置から両端部へ向け肉厚を順次薄くしている。しかし、特許文献1に記載されている翼構造では、最大肉厚位置が翼弦長の内側から4%の箇所に在るため、ほぼ最大肉厚位置が内周端でありそのまま肉厚が外周端に向かって急激に薄くなる。このため、内周端で流れが衝突した後に、翼面の大きな曲率によりすぐに剥離し、翼中間位置より手前のファンの外周側で再付着せず下流側へ向け剥離したままとなる場合があった。
また、特許文献2(特開平5−79492号公報)に記載されている翼構造では、翼と翼の間の空気流の方向に対して垂直方向の翼間寸法がファンの外周側と内周側とで略等しくなるように、ファンの外周側に向かうに従って翼が薄肉になっている。特許文献2の翼では、負荷がかかった時に、曲率の大きい負圧面側で、ファンから吹出す流れが翼内周端から外周端に向かうにつれ剥離して乱流となりやすい。そのため、特許文献2の翼では、2次元流れが崩れることにより、極めて不快な「バサバサ」という断続的な異常音が発生しやすい。また、特許文献2の翼間内の流れが乱流になりやすくなることから、ファン回転の異音(低次数狭帯域周波数騒音(以下、N音という))が増大し、その音は低周波数での突出となって静音性を阻害する。さらに、特許文献2の翼に負荷がかかった時、著しく送風性能が劣化するため、冷房能力または暖房能力が低下する。
上述のように、従来の翼構造では、流れの剥離が起こって有効翼間距離が狭くなり、吹出風速が増加して騒音が大きくなる。また従来の翼構造では流れの剥離により翼面を有効に利用できず、送風効率が低下してしまう。
本発明の課題は、高負荷の場合においても低騒音かつ高効率なクロスフローファンを提供することのできるクロスフローファンの翼を得ることを目的とする。
本発明の第1観点に係るクロスフローファンの翼は、クロスフローファンの内周側に配置され、円弧状に形成されている前縁部と、クロスフローファンの外周側に配置され、円弧状に形成されている後縁部と、前縁部と後縁部との間に形成され、正圧を発生するための正圧面及び負圧を発生するための負圧面を有する基部とを備え、前縁部及び後縁部は、前縁部の半径が後縁部の半径よりも大きくなるように形成され、基部は、後縁部よりも前縁部に近い最大肉厚位置で最大肉厚を持ち、翼弦長中間位置で第1肉厚を持ちかつ翼弦の外周端から翼弦長の5%だけ離れた位置で第2肉厚を持ち、第1肉厚を最大肉厚で割った値が第2肉厚を第1肉厚で割った値よりも大きくなるように形成されている。
第1観点に係るクロスフローファンの翼によれば、吹出し時における翼付近の流れに関して、最大肉厚位置が翼中間よりも内周側に存在することで、翼の前縁部から後縁部までの負圧面での流れの剥離が抑制され、前縁部から後縁部への流れを促進して乱流が抑えられ、N音のような低周波狭帯域騒音が低減される。さらに、翼中間付近までは肉厚がなだらかに減少することから負圧面での翼面曲率が大きくならないので、負圧面側での流れの剥離が生じかけても気流が負圧面にすぐに再付着して翼中間までの剥離を抑えることができる。さらに翼中間から後縁部までは肉厚が急に薄くなるので、翼中間から後縁部まで翼間流路幅を広く維持することで効率よく広い流路幅を活用して翼間における吹出し風速が低減できる。
本発明の第2観点に係るクロスフローファンの翼は、第1観点のクロスフローファンの翼において、基部は、最大肉厚位置が内周端から翼弦長の5%以上45%以下の範囲に位置する、ものである。
第2観点に係るクロスフローファンの翼によれば、最大肉厚位置が内周端から翼弦長の5%以上45%以下の範囲に位置することで、剥離の抑制と翼間の風速の低減による比較的良い効率の改善が見られる。
本発明の第3観点に係るクロスフローファンの翼は、第2観点のクロスフローファンの翼において、基部は、第1肉厚を最大肉厚で割った値に対する第2肉厚を第1肉厚で割った値の比の値が、0.85以下に設定されている、ものである。
第3観点に係るクロスフローファンの翼によれば、第1肉厚を最大肉厚で割った値に対する第2肉厚を第1肉厚で割った値の比の値が、0.85以下に設定されていることで、剥離の抑制と翼間の風速の低減による比較的良い効率の改善が見られる。
本発明の第1観点に係るクロスフローファンの翼では、クロスフローファンの低騒音化と高効率化が達成される。
本発明の第2観点に係るクロスフローファンの翼では、高効率化の向上が容易になる。
本発明の第3観点に係るクロスフローファンの翼では、高効率化の向上が容易になる。
空気調和装置の室内機の概要を示す断面図。 実施形態に係るクロスフローファンの羽根車の概要を示す斜視図。 実施形態の翼の断面形状を説明するための部分拡大平面図。 最大肉厚位置と効率改善量との関係を説明するためのグラフ。 (γ/β)と(β/α)の比と効率改善量との関係を説明するためのグラフ。 従来の翼の断面形状を説明するための部分拡大平面図。 低次数狭帯域周波数騒音の低減効果を説明するためのグラフ。 実施形態の翼の周囲を流れる気流を説明するための概念図。 従来の翼の周囲を流れる気流を説明するための概念図。 従来の翼の周囲を流れる気流を説明するための概念図。
(1)室内機内のクロスフローファン
以下、本発明の一実施形態に係る多翼ファンについて、空気調和装置の室内機に設置されるクロスフローファンを例に挙げて説明する。図1は、空気調和装置の室内機1の断面の概略を示す図である。室内機1は、本体ケーシング2とエアフィルタ3と室内熱交換器4とクロスフローファン10と垂直フラップ5及び水平フラップ6とを備えている。
図1に示されているように、本体ケーシング2の天面の吸込口2aの下流側には、吸込口2aに対向してエアフィルタ3が配置されている。エアフィルタ3のさらに下流側には室内熱交換器4が配置されている。室内熱交換器4は、前面側熱交換器4aと背面側熱交換器4bとが側面視において逆V字状になるように連結されて構成される。前面側熱交換器4aも背面側熱交換器4bも、多数のプレートフィンを室内機1の幅方向に互いに平行に並べて伝熱管に取り付けることにより構成されている。吸込口2aを通過して室内熱交換器4に到達する室内空気は、全てエアフィルタ3を通過して塵埃を除去される。そして、吸込口2aから吸込まれ、エアフィルタ3を通過した室内空気が前面側熱交換器4a及び背面側熱交換器4bのプレートフィンの間を通り抜ける際に熱交換が生じて空気調和が行われる。
室内熱交換器4の下流側には、略円筒形状のクロスフローファン10が、本体ケーシング2の幅方向に長く延びるように設けられている。このクロスフローファン10は、室内熱交換器4に平行に配置されている。クロスフローファン10は、逆V字状の室内熱交換器4に挟まれるように囲まれている空間に配置されている羽根車20と、羽根車20を駆動するためのファンモータ(図示せず)とを備えている。このクロスフローファン10は、図1の矢印が示す方向A1(時計回り)に羽根車20を回転して室内熱交換器4から吹出口2bに向かう気流を発生させる。つまり、クロスフローファン10は、気流がクロスフローファン10を横切る横流ファンである。
クロスフローファン10の下流の吹出口2bに繋がる吹出通路は、背面側をスクロール部材2cで構成されている。スクロール部材2cの下端は、吹出口2bの開口部の下辺に連結されている。スクロール部材2cの案内面は、クロスフローファン10から吹出される空気を吹出口2bにスムーズにかつ静かに導くために、断面視において、クロスフローファン10の側に曲率中心を持つ滑らかな曲線形状を呈している。クロスフローファン10の前面側には、舌部2dが形成されており、舌部2dから続く吹出通路の上面が吹出口2bの上辺に連結されている。吹出口2bから吹出される気流の方向は、垂直フラップ5と水平フラップ6によって調節される。
(2)クロスフローファンの羽根車の構造
図2には、クロスフローファン10の羽根車20の概略構造が示されている。羽根車20は、例えば、エンドプレート21,24と複数のファンブロック30とが接合されて構成される。この例では7つのファンブロック30が接合されている。羽根車20の一端にエンドプレート21が配置され、軸心O上に金属製の回転軸22を有している。そして、各ファンブロック30は、それぞれ、複数の翼40と円環状の支持プレート50とを備えている。
(3)クロスフローファンの翼の構造
図3には、一つのファンブロック30の支持プレート50上に固定されている複数の翼40が示されている。支持プレート50は、円環状であって、クロスフローファン10の内周側にある内周端51と外周側にある外周端52とを有している。各翼40は、基部41と前縁部42と後縁部43とを備えている。そして、一つのファンブロック30に配置されている全ての翼40には、支持プレート50に平行な平面で切断した断面において、次のような断面形状が共通に採用されている。一つのファンブロック30に配置されている全ての翼40は、内周端51及び外周端52と同心円状の一つの内接円IL及び一つの外接円OLに接するように配置されている。
前縁部42は、翼40の内周側に凸の滑らかな円弧状を描くように形成され、断面円弧状の表面を持っている。後縁部43は、翼40の外周側に凸の滑らかな円弧状を描くように形成され、断面円弧状の表面を持っている。基部41は、前縁部42と後縁部43との間に形成され、正圧面41pと負圧面41nとを有している。基部41は、正圧面41pで正圧を発生し、負圧面41nで負圧を発生する。
翼40は、クロスフローファン10の中心軸Oに直交し、中心軸Oから外周に向かって放射状に延びる放射状の線RLに対してθだけ傾いている。ここで、翼40の傾きθは、翼40の内周側の接線TLと放射状の線RLとのなす角で定義される。
翼40の正圧面41pも負圧面41nも、断面が外周側に膨らんだなだらかな弧を描くように湾曲している。翼40が放射状の線RLに対して傾きθを持っているため、正圧面41pの弧の曲率中心も、負圧面41nの弧の曲率中心も内周面側に位置している。
翼弦長CLは、前縁部42の前端から後縁部43の後端までの長さである。具体的には、翼40の内周側の接線TLを内周側と外周側に延長し、接線TLに立てた前縁部42と接する垂線PL1及び、接線TLに立てた後縁部43と接する垂線PL2を引く。これら垂線PL1から垂線PL2までの長さが翼弦長CLになる。
翼40は、基部41の肉厚、つまり正圧面41pと負圧面41nの距離が内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に変化している。そのため、基部41の肉厚が最大になるところが一箇所存在する。以下、基部41の肉厚が最大となる位置を最大肉厚位置と呼ぶ。なお、この明細書において基部41の肉厚とは、正圧面41pに対して垂直な方向における正圧面41pと負圧面41nの間隔と定義する。最大肉厚位置は、正圧面41pと負圧面41nの中間位置から翼弦長CLを定義する接線TLに下ろした垂線の足の位置で表す。
クロスフローファン10の性能は、翼40の断面形状に大きな影響を受ける。次に、クロスフローファン10の高い性能を引き出すための翼40の断面形状について説明する。各翼40は、前縁部42の円弧の半径R1が後縁部43の円弧の半径R2よりも大きくなるように形成されている。例えば、R1/R2>1.5、さらに好ましくはR1/R2>1.75の関係を持つように、前縁部42の円弧の半径R1と後縁部43の円弧の半径R2が設定されている。翼40の最大肉厚位置Mxpは、後縁部43よりも前縁部42に近い位置にある。つまり、最大肉厚位置Mxpは、翼弦長中間位置CLmよりも前縁部42に近い側に位置する。翼40は、翼弦長中間位置CLmにおける肉厚を中間肉厚βとして翼弦の外周端CLpから翼弦長CLの5%だけ離れた外周側位置CL5の肉厚を外周側肉厚γとすると、最大肉厚αとこれらの肉厚との間に、β/α>γ/βの関係が成り立つような断面形状を有している。
(4)翼の構造と効率改善の関係
図4には、最大肉厚位置Mxpと効率改善量との関係が示されている。横軸は、翼弦の内周端CLiを基準とする最大肉厚位置Mxpが翼弦長CLに対する比で表されている。また、縦軸は、図6に示されている従来の形状を持つ翼140の軸動力からの低下割合が表されている。つまり、所定の風量を得るのに必要な従来の翼140を用いた従来のクロスフローファン100の軸動力SPoとし、同じ風量を得るのに必要な翼40を用いたクロスフローファン10の軸動力SPnとすると、低下割合は、(SPo−SPn)/SPo×100(%)で与えられる。なお、図3に示されている翼40は、(γ/β)/(β/α)の値が0.64に設定されている。
図6に示されている従来のクロスフローファン100については、内接円IL9の半径がクロスフローファン10の内接円ILの半径にほぼ等しく、外接円OL9の半径がクロスフローファン10の外接円OLの半径にほぼ等しい。各翼140の翼弦長CL9も翼40の翼弦長CLにほぼ等しく、翼140の傾きθ9(翼140の内周側の接線TL9と放射状の線RL9とのなす角)も翼40の傾きθにほぼ等しい。図6の翼140は、前縁部142の半径R91と後縁部143の半径R92がほぼ同じである点が、図3の翼40と異なっている。また、翼140の最大肉厚位置Mxp9は、翼弦長CL9の中間位置CLm9の近傍であって中間位置CLm9よりも外周側に配置されている。このような配置になっているため、翼140は、内周側と外周側に向かって同じように肉厚が減少するような三日月形の断面形状になっている。
図4に示されているように、内周端CLiから最大肉厚位置Mxpまでの距離は、翼弦長CLの5%から45%の範囲に設定されることが好ましいことが分かる。内周端CLiから最大肉厚位置Mxpまでの距離が翼弦長CLの5%から45%の範囲にあると0.8〜1.3%程度の効率改善量が見込めるが、この範囲を外れると効率改善量が急激に低下するからである。
図5には、(γ/β)と(β/α)の比と効率改善量との関係が示されている。図5の改善量は、特許文献1の翼のように最大肉厚位置が4%の箇所にあって前縁部の半径が翼40の前縁部42の半径R1とほぼ等しくかつ後縁部の半径が翼40の後縁部43の半径R2とほぼ等しい比較対象の翼の軸動力からの低下割合である。この比較対象の翼は、最大肉厚位置と後縁部の間の正圧面及び負圧面の断面が一つの円弧を描き、一様に肉厚が減少するような断面形状を有している。なお、図3に示されている翼40は、最大肉厚位置Mxpが17%の箇所に設定されている。
図5から分かるように、(γ/β)/(β/α)が0.85以下に設定されると、効率改善量が1%より大きな値になる。このように(γ/β)/(β/α)は0.85以下であることが好ましい。
(5)特徴
以上説明したように、クロスフローファン10の翼40は、前縁部42の半径R1が後縁部43の半径R2よりも大きくなるように形成されている。また、翼40の基部41は、後縁部43よりも前縁部42に近い最大肉厚位置Mxpで最大肉厚αを持っている。また、翼40は、翼弦長中間位置CLmで肉厚β(第1肉厚の例)を持ちかつ翼弦の外周端CLpから翼弦長の5%だけ離れた外周側位置CL5で肉厚γ(第2肉厚の例)を持っている。そして、翼弦長中間位置CLmの箇所の肉厚βを最大肉厚αで割った値が外周側位置CL5の肉厚γを肉厚βで割った値よりも大きくなるように形成されている。つまり、β/α>γ/βの関係を持つように翼40の断面形状が形成されている。
そして、翼40の基部41は、最大肉厚位置αが内周端から翼弦長CLの5%以上45%以下の範囲に位置するように形成されている。つまり、5≦(内周端CLiから最大肉厚位置Mxp間での距離)/CL×100≦45の関係を持つように、基部41が形成されている。また、基部41は、翼弦長中間位置CLmの箇所の肉厚βを最大肉厚αで割った値に対する外周側位置CL5の肉厚γを肉厚βで割った値の比((γ/β)/(β/α))の値が、0.85以下に設定されている。
図8には、翼40の周囲を流れる気流が概念的に示されている。また、図9には、上述の図4の効率改善量の基準となった翼140(図6参照)の周囲を流れる気流が概念的に示されている。さらに、図10には、上述の図5の効率改善量の基準となった翼240の周囲を流れる気流が概念的に示されている。なお、図8、図9及び図10において、二点鎖線よりも翼側が比較的気流の速度の遅くなっている部分である。
翼40が上述のような形状を持っている結果、吹出し時における翼付近の流れに関して、最大肉厚位置Mxpが翼弦長中間位置CLmよりも前縁部42に近い位置つまり翼中間よりも内周側に存在することで、翼40の前縁部42から後縁部43までの負圧面41n(図8の領域Ar1)での流れの剥離が抑制される。さらに、翼中間付近までは肉厚がなだらかに減少することから負圧面での翼面曲率が大きくならないので、負圧面側での流れの剥離が生じかけても気流が負圧面にすぐに再付着して翼中間までの剥離を抑えることができる。それに対して、図9に示されている従来の翼140では、翼140の最大肉厚の部分から急激に肉厚が薄くなるため、この領域Ar2で剥離が生じ易い。図10に示されている従来の翼240では、翼240の最大肉厚の部分が前縁部に近くかつ最大肉厚の部分から肉厚が薄くなり始めるため、前縁部に流れが衝突した後の領域Ar3で、翼面の大きな曲率によりすぐに剥離が生じ、翼中間位置よりも外周側で再付着せずに下流側に向けて剥離したままの状態となる可能性が高くなっている。
上述の翼40では、前縁部42から後縁部43への流れが促進されて乱流が抑えられ、N音のような低周波狭帯域騒音が低減される。具体的に図3に示されている翼40と図6に示されている翼140を比較すると、低周波狭帯域騒音N音も図7に示されているように低減される。特に、図7の二点鎖線で囲まれている部分に、従来の翼140から実施形態の翼40に変更したことによるN音の顕著な低減効果が見られる。
10 クロスフローファン
30 ファンブロック
40 翼
41 基部
41p 正圧面
41n 負圧面
42 前縁部
43 後縁部
50 支持プレート
特許第3661579号公報 特開平5−79492号公報
本発明は、クロスフローファンの翼に関する。
空気調和機の室内機などでは、送風のために、クロスフローファンが多く用いられている。このようなクロスフローファンの翼断面形状に関しては、翼の圧力面及びその圧力面に対峙する負圧面が、ファン回転軸から翼の外側に向かうにしたがってファン回転方向に湾曲し、翼の中央付近が翼の内周部と外周部とを結ぶ直線に対して離れる弓形に形成されている。
従来から、この翼形状の肉厚分布について、最大肉厚位置が前縁と後縁の中間にあるものでは、前縁部での流れの剥離がおきて乱流が起き易いことが知られている。このような高い負荷がクロスフローファンに掛かったときの不安定な流れを改善するため、特許文献1(特許第3661579号公報)に記載の翼構造では、翼の最大肉厚位置が翼弦長の内周端から4%の箇所となるように形成するとともに、ブレードの最大肉厚位置から両端部へ向け肉厚を順次薄くしている。しかし、特許文献1に記載されている翼構造では、最大肉厚位置が翼弦長の内側から4%の箇所に在るため、ほぼ最大肉厚位置が内周端でありそのまま肉厚が外周端に向かって急激に薄くなる。このため、内周端で流れが衝突した後に、翼面の大きな曲率によりすぐに剥離し、翼中間位置より手前のファンの外周側で再付着せず下流側へ向け剥離したままとなる場合があった。
また、特許文献2(特開平5−79492号公報)に記載されている翼構造では、翼と翼の間の空気流の方向に対して垂直方向の翼間寸法がファンの外周側と内周側とで略等しくなるように、ファンの外周側に向かうに従って翼が薄肉になっている。特許文献2の翼では、負荷がかかった時に、曲率の大きい負圧面側で、ファンから吹出す流れが翼内周端から外周端に向かうにつれ剥離して乱流となりやすい。そのため、特許文献2の翼では、2次元流れが崩れることにより、極めて不快な「バサバサ」という断続的な異常音が発生しやすい。また、特許文献2の翼間内の流れが乱流になりやすくなることから、ファン回転の異音(低次数狭帯域周波数騒音(以下、N音という))が増大し、その音は低周波数での突出となって静音性を阻害する。さらに、特許文献2の翼に負荷がかかった時、著しく送風性能が劣化するため、冷房能力または暖房能力が低下する。
上述のように、従来の翼構造では、流れの剥離が起こって有効翼間距離が狭くなり、吹出風速が増加して騒音が大きくなる。また従来の翼構造では流れの剥離により翼面を有効に利用できず、送風効率が低下してしまう。
本発明の課題は、高負荷の場合においても低騒音かつ高効率なクロスフローファンを提供することのできるクロスフローファンの翼を得ることを目的とする。
本発明の第1観点に係るクロスフローファンの翼は、クロスフローファンの内周側に配置され、円弧状に形成されている前縁部と、クロスフローファンの外周側に配置され、円弧状に形成されている後縁部と、前縁部と後縁部との間に形成され、正圧を発生するための正圧面及び負圧を発生するための負圧面を有し、正圧面と負圧面の距離が内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に変化している基部とを備え、前縁部及び後縁部は、前縁部の半径が後縁部の半径よりも大きくなるように形成され、基部は、後縁部よりも前縁部に近い最大肉厚位置で最大肉厚を持ち、翼弦長中間位置で第1肉厚を持ちかつ翼弦の外周端から翼弦長の5%だけ離れた位置で第2肉厚を持ち、第1肉厚を最大肉厚で割った値が第2肉厚を第1肉厚で割った値よりも大きくなるように形成されている。
第1観点に係るクロスフローファンの翼によれば、吹出し時における翼付近の流れに関して、最大肉厚位置が翼中間よりも内周側に存在することで、翼の前縁部から後縁部までの負圧面での流れの剥離が抑制され、前縁部から後縁部への流れを促進して乱流が抑えられ、N音のような低周波狭帯域騒音が低減される。さらに、翼中間付近までは肉厚がなだらかに減少することから負圧面での翼面曲率が大きくならないので、負圧面側での流れの剥離が生じかけても気流が負圧面にすぐに再付着して翼中間までの剥離を抑えることができる。さらに翼中間から後縁部までは肉厚が急に薄くなるので、翼中間から後縁部まで翼間流路幅を広く維持することで効率よく広い流路幅を活用して翼間における吹出し風速が低減できる。
また、基部は、最大肉厚位置が内周端から翼弦長の5%以上45%以下の範囲に位置する、ものである。
その結果、最大肉厚位置が内周端から翼弦長の5%以上45%以下の範囲に位置することで、剥離の抑制と翼間の風速の低減による比較的良い効率の改善が見られる。
また、基部は、第1肉厚を最大肉厚で割った値に対する第2肉厚を第1肉厚で割った値の比の値が、0.85以下に設定されている、ものである。
その結果、第1肉厚を最大肉厚で割った値に対する第2肉厚を第1肉厚で割った値の比の値が、0.85以下に設定されていることで、剥離の抑制と翼間の風速の低減による比較的良い効率の改善が見られる。
本発明の第1観点に係るクロスフローファンの翼では、クロスフローファンの低騒音化と高効率化が達成される。また、高効率化の向上が容易になる
空気調和装置の室内機の概要を示す断面図。 実施形態に係るクロスフローファンの羽根車の概要を示す斜視図。 実施形態の翼の断面形状を説明するための部分拡大平面図。 最大肉厚位置と効率改善量との関係を説明するためのグラフ。 (γ/β)と(β/α)の比と効率改善量との関係を説明するためのグラフ。 従来の翼の断面形状を説明するための部分拡大平面図。 低次数狭帯域周波数騒音の低減効果を説明するためのグラフ。 実施形態の翼の周囲を流れる気流を説明するための概念図。 従来の翼の周囲を流れる気流を説明するための概念図。 従来の翼の周囲を流れる気流を説明するための概念図。
(1)室内機内のクロスフローファン
以下、本発明の一実施形態に係る多翼ファンについて、空気調和装置の室内機に設置されるクロスフローファンを例に挙げて説明する。図1は、空気調和装置の室内機1の断面の概略を示す図である。室内機1は、本体ケーシング2とエアフィルタ3と室内熱交換器4とクロスフローファン10と垂直フラップ5及び水平フラップ6とを備えている。
図1に示されているように、本体ケーシング2の天面の吸込口2aの下流側には、吸込口2aに対向してエアフィルタ3が配置されている。エアフィルタ3のさらに下流側には室内熱交換器4が配置されている。室内熱交換器4は、前面側熱交換器4aと背面側熱交換器4bとが側面視において逆V字状になるように連結されて構成される。前面側熱交換器4aも背面側熱交換器4bも、多数のプレートフィンを室内機1の幅方向に互いに平行に並べて伝熱管に取り付けることにより構成されている。吸込口2aを通過して室内熱交換器4に到達する室内空気は、全てエアフィルタ3を通過して塵埃を除去される。そして、吸込口2aから吸込まれ、エアフィルタ3を通過した室内空気が前面側熱交換器4a及び背面側熱交換器4bのプレートフィンの間を通り抜ける際に熱交換が生じて空気調和が行われる。
室内熱交換器4の下流側には、略円筒形状のクロスフローファン10が、本体ケーシング2の幅方向に長く延びるように設けられている。このクロスフローファン10は、室内熱交換器4に平行に配置されている。クロスフローファン10は、逆V字状の室内熱交換器4に挟まれるように囲まれている空間に配置されている羽根車20と、羽根車20を駆動するためのファンモータ(図示せず)とを備えている。このクロスフローファン10は、図1の矢印が示す方向A1(時計回り)に羽根車20を回転して室内熱交換器4から吹出口2bに向かう気流を発生させる。つまり、クロスフローファン10は、気流がクロスフローファン10を横切る横流ファンである。
クロスフローファン10の下流の吹出口2bに繋がる吹出通路は、背面側をスクロール部材2cで構成されている。スクロール部材2cの下端は、吹出口2bの開口部の下辺に連結されている。スクロール部材2cの案内面は、クロスフローファン10から吹出される空気を吹出口2bにスムーズにかつ静かに導くために、断面視において、クロスフローファン10の側に曲率中心を持つ滑らかな曲線形状を呈している。クロスフローファン10の前面側には、舌部2dが形成されており、舌部2dから続く吹出通路の上面が吹出口2bの上辺に連結されている。吹出口2bから吹出される気流の方向は、垂直フラップ5と水平フラップ6によって調節される。
(2)クロスフローファンの羽根車の構造
図2には、クロスフローファン10の羽根車20の概略構造が示されている。羽根車20は、例えば、エンドプレート21,24と複数のファンブロック30とが接合されて構成される。この例では7つのファンブロック30が接合されている。羽根車20の一端にエンドプレート21が配置され、軸心O上に金属製の回転軸22を有している。そして、各ファンブロック30は、それぞれ、複数の翼40と円環状の支持プレート50とを備えている。
(3)クロスフローファンの翼の構造
図3には、一つのファンブロック30の支持プレート50上に固定されている複数の翼40が示されている。支持プレート50は、円環状であって、クロスフローファン10の内周側にある内周端51と外周側にある外周端52とを有している。各翼40は、基部41と前縁部42と後縁部43とを備えている。そして、一つのファンブロック30に配置されている全ての翼40には、支持プレート50に平行な平面で切断した断面において、次のような断面形状が共通に採用されている。一つのファンブロック30に配置されている全ての翼40は、内周端51及び外周端52と同心円状の一つの内接円IL及び一つの外接円OLに接するように配置されている。
前縁部42は、翼40の内周側に凸の滑らかな円弧状を描くように形成され、断面円弧状の表面を持っている。後縁部43は、翼40の外周側に凸の滑らかな円弧状を描くように形成され、断面円弧状の表面を持っている。基部41は、前縁部42と後縁部43との間に形成され、正圧面41pと負圧面41nとを有している。基部41は、正圧面41pで正圧を発生し、負圧面41nで負圧を発生する。
翼40は、クロスフローファン10の中心軸Oに直交し、中心軸Oから外周に向かって放射状に延びる放射状の線RLに対してθだけ傾いている。ここで、翼40の傾きθは、翼40の内周側の接線TLと放射状の線RLとのなす角で定義される。
翼40の正圧面41pも負圧面41nも、断面が外周側に膨らんだなだらかな弧を描くように湾曲している。翼40が放射状の線RLに対して傾きθを持っているため、正圧面41pの弧の曲率中心も、負圧面41nの弧の曲率中心も内周面側に位置している。
翼弦長CLは、前縁部42の前端から後縁部43の後端までの長さである。具体的には、翼40の内周側の接線TLを内周側と外周側に延長し、接線TLに立てた前縁部42と接する垂線PL1及び、接線TLに立てた後縁部43と接する垂線PL2を引く。これら垂線PL1から垂線PL2までの長さが翼弦長CLになる。
翼40は、基部41の肉厚、つまり正圧面41pと負圧面41nの距離が内周側から外周側に向かうにしたがって徐々に変化している。そのため、基部41の肉厚が最大になるところが一箇所存在する。以下、基部41の肉厚が最大となる位置を最大肉厚位置と呼ぶ。なお、この明細書において基部41の肉厚とは、正圧面41pに対して垂直な方向における正圧面41pと負圧面41nの間隔と定義する。最大肉厚位置は、正圧面41pと負圧面41nの中間位置から翼弦長CLを定義する接線TLに下ろした垂線の足の位置で表す。
クロスフローファン10の性能は、翼40の断面形状に大きな影響を受ける。次に、クロスフローファン10の高い性能を引き出すための翼40の断面形状について説明する。各翼40は、前縁部42の円弧の半径R1が後縁部43の円弧の半径R2よりも大きくなるように形成されている。例えば、R1/R2>1.5、さらに好ましくはR1/R2>1.75の関係を持つように、前縁部42の円弧の半径R1と後縁部43の円弧の半径R2が設定されている。翼40の最大肉厚位置Mxpは、後縁部43よりも前縁部42に近い位置にある。つまり、最大肉厚位置Mxpは、翼弦長中間位置CLmよりも前縁部42に近い側に位置する。翼40は、翼弦長中間位置CLmにおける肉厚を中間肉厚βとして翼弦の外周端CLpから翼弦長CLの5%だけ離れた外周側位置CL5の肉厚を外周側肉厚γとすると、最大肉厚αとこれらの肉厚との間に、β/α>γ/βの関係が成り立つような断面形状を有している。
(4)翼の構造と効率改善の関係
図4には、最大肉厚位置Mxpと効率改善量との関係が示されている。横軸は、翼弦の内周端CLiを基準とする最大肉厚位置Mxpが翼弦長CLに対する比で表されている。また、縦軸は、図6に示されている従来の形状を持つ翼140の軸動力からの低下割合が表されている。つまり、所定の風量を得るのに必要な従来の翼140を用いた従来のクロスフローファン100の軸動力SPoとし、同じ風量を得るのに必要な翼40を用いたクロスフローファン10の軸動力SPnとすると、低下割合は、(SPo−SPn)/SPo×100(%)で与えられる。なお、図3に示されている翼40は、(γ/β)/(β/α)の値が0.64に設定されている。
図6に示されている従来のクロスフローファン100については、内接円IL9の半径がクロスフローファン10の内接円ILの半径にほぼ等しく、外接円OL9の半径がクロスフローファン10の外接円OLの半径にほぼ等しい。各翼140の翼弦長CL9も翼40の翼弦長CLにほぼ等しく、翼140の傾きθ9(翼140の内周側の接線TL9と放射状の線RL9とのなす角)も翼40の傾きθにほぼ等しい。図6の翼140は、前縁部142の半径R91と後縁部143の半径R92がほぼ同じである点が、図3の翼40と異なっている。また、翼140の最大肉厚位置Mxp9は、翼弦長CL9の中間位置CLm9の近傍であって中間位置CLm9よりも外周側に配置されている。このような配置になっているため、翼140は、内周側と外周側に向かって同じように肉厚が減少するような三日月形の断面形状になっている。
図4に示されているように、内周端CLiから最大肉厚位置Mxpまでの距離は、翼弦長CLの5%から45%の範囲に設定されることが好ましいことが分かる。内周端CLiから最大肉厚位置Mxpまでの距離が翼弦長CLの5%から45%の範囲にあると0.8〜1.3%程度の効率改善量が見込めるが、この範囲を外れると効率改善量が急激に低下するからである。
図5には、(γ/β)と(β/α)の比と効率改善量との関係が示されている。図5の改善量は、特許文献1の翼のように最大肉厚位置が4%の箇所にあって前縁部の半径が翼40の前縁部42の半径R1とほぼ等しくかつ後縁部の半径が翼40の後縁部43の半径R2とほぼ等しい比較対象の翼の軸動力からの低下割合である。この比較対象の翼は、最大肉厚位置と後縁部の間の正圧面及び負圧面の断面が一つの円弧を描き、一様に肉厚が減少するような断面形状を有している。なお、図3に示されている翼40は、最大肉厚位置Mxpが17%の箇所に設定されている。
図5から分かるように、(γ/β)/(β/α)が0.85以下に設定されると、効率改善量が1%より大きな値になる。このように(γ/β)/(β/α)は0.85以下であることが好ましい。
(5)特徴
以上説明したように、クロスフローファン10の翼40は、前縁部42の半径R1が後縁部43の半径R2よりも大きくなるように形成されている。また、翼40の基部41は、後縁部43よりも前縁部42に近い最大肉厚位置Mxpで最大肉厚αを持っている。また、翼40は、翼弦長中間位置CLmで肉厚β(第1肉厚の例)を持ちかつ翼弦の外周端CLpから翼弦長の5%だけ離れた外周側位置CL5で肉厚γ(第2肉厚の例)を持っている。そして、翼弦長中間位置CLmの箇所の肉厚βを最大肉厚αで割った値が外周側位置CL5の肉厚γを肉厚βで割った値よりも大きくなるように形成されている。つまり、β/α>γ/βの関係を持つように翼40の断面形状が形成されている。
そして、翼40の基部41は、最大肉厚αが内周端から翼弦長CLの5%以上45%以下の範囲に位置するように形成されている。つまり、5≦(内周端CLiから最大肉厚位置Mxp間での距離)/CL×100≦45の関係を持つように、基部41が形成されている。また、基部41は、翼弦長中間位置CLmの箇所の肉厚βを最大肉厚αで割った値に対する外周側位置CL5の肉厚γを肉厚βで割った値の比((γ/β)/(β/α))の値が、0.85以下に設定されている。
図8には、翼40の周囲を流れる気流が概念的に示されている。また、図9には、上述の図4の効率改善量の基準となった翼140(図6参照)の周囲を流れる気流が概念的に示されている。さらに、図10には、上述の図5の効率改善量の基準となった翼240の周囲を流れる気流が概念的に示されている。なお、図8、図9及び図10において、二点鎖線よりも翼側が比較的気流の速度の遅くなっている部分である。
翼40が上述のような形状を持っている結果、吹出し時における翼付近の流れに関して、最大肉厚位置Mxpが翼弦長中間位置CLmよりも前縁部42に近い位置つまり翼中間よりも内周側に存在することで、翼40の前縁部42から後縁部43までの負圧面41n(図8の領域Ar1)での流れの剥離が抑制される。さらに、翼中間付近までは肉厚がなだらかに減少することから負圧面での翼面曲率が大きくならないので、負圧面側での流れの剥離が生じかけても気流が負圧面にすぐに再付着して翼中間までの剥離を抑えることができる。それに対して、図9に示されている従来の翼140では、翼140の最大肉厚の部分から急激に肉厚が薄くなるため、この領域Ar2で剥離が生じ易い。図10に示されている従来の翼240では、翼240の最大肉厚の部分が前縁部に近くかつ最大肉厚の部分から肉厚が薄くなり始めるため、前縁部に流れが衝突した後の領域Ar3で、翼面の大きな曲率によりすぐに剥離が生じ、翼中間位置よりも外周側で再付着せずに下流側に向けて剥離したままの状態となる可能性が高くなっている。
上述の翼40では、前縁部42から後縁部43への流れが促進されて乱流が抑えられ、N音のような低周波狭帯域騒音が低減される。具体的に図3に示されている翼40と図6に示されている翼140を比較すると、低周波狭帯域騒音N音も図7に示されているように低減される。特に、図7の二点鎖線で囲まれている部分に、従来の翼140から実施形態の翼40に変更したことによるN音の顕著な低減効果が見られる。
10 クロスフローファン
30 ファンブロック
40 翼
41 基部
41p 正圧面
41n 負圧面
42 前縁部
43 後縁部
50 支持プレート
特許第3661579号公報 特開平5−79492号公報

Claims (3)

  1. クロスフローファン(10)の内周側に配置され、円弧状に形成されている前縁部(42)と、
    前記クロスフローファンの外周側に配置され、円弧状に形成されている後縁部(43)と、
    前記前縁部と前記後縁部との間に形成され、正圧を発生するための正圧面(41p)及び負圧を発生するための負圧面(42n)を有する基部(41)と
    を備え、
    前記前縁部及び前記後縁部は、前記前縁部の半径が前記後縁部の半径よりも大きくなるように形成され、
    前記基部は、前記後縁部よりも前記前縁部に近い最大肉厚位置で最大肉厚を持ち、翼弦長中間位置で第1肉厚を持ちかつ翼弦の外周端から翼弦長の5%だけ離れた位置で第2肉厚を持ち、前記第1肉厚を前記最大肉厚で割った値が前記第2肉厚を第1肉厚で割った値よりも大きくなるように形成されている、クロスフローファンの翼。
  2. 前記基部は、前記最大肉厚位置が内周端から翼弦長の5%以上45%以下の範囲に位置する、
    請求項1に記載のクロスフローファンの翼。
  3. 前記基部は、前記第1肉厚を前記最大肉厚で割った値に対する前記第2肉厚を第1肉厚で割った値の比の値が、0.85以下に設定されている、
    請求項1又は請求項2に記載のクロスフローファンの翼。
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