JP2009036138A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】
貫流ファンに、単に柔毛材を適用しただけでは送風性能の低下を誘引するので、貫流ファン自体に柔毛材を配設する場合は、貫流ファンの特質な流れの状態に適合させる必要がある。本発明は、空気調和機用の貫流ファンに、工夫して柔毛材または多孔質材を用いることで騒音を低減することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】
上基本発明の目的は、熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、貫流ファンの羽根のうち内径側の端部近辺および外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設し、羽根のうち中央近辺の一部の表面には柔毛部または多孔質部を配設せずに羽根の母材をそのまま露出させたことを特徴とする空気調和機により達成される。
【選択図】図8
貫流ファンに、単に柔毛材を適用しただけでは送風性能の低下を誘引するので、貫流ファン自体に柔毛材を配設する場合は、貫流ファンの特質な流れの状態に適合させる必要がある。本発明は、空気調和機用の貫流ファンに、工夫して柔毛材または多孔質材を用いることで騒音を低減することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】
上基本発明の目的は、熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、貫流ファンの羽根のうち内径側の端部近辺および外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設し、羽根のうち中央近辺の一部の表面には柔毛部または多孔質部を配設せずに羽根の母材をそのまま露出させたことを特徴とする空気調和機により達成される。
【選択図】図8
Description
本発明は、主に貫流ファンを送風機として室内ユニットに用いる空気調和機に関するものである。
気流中の固体壁や翼面上に柔毛材を適用して騒音低減を行う技術として例えば特許文献1が知られている。この特許文献1に開示の技術は、空気調和機のスタビライザとケーシングに柔毛材を配設することにより、貫流ファンから放出される流体の微小渦を消失させ、スタビライザとケーシングの固体壁との圧力変動の干渉を緩和することで騒音低減を行っている。
貫流ファンが放出する流体の微小渦は貫流ファン自体の固体壁との干渉がより大きいため、上記特許文献1では貫流ファン自体からの騒音低減については効果が無い。このため、貫流ファンの固体壁に柔毛材を適用して騒音低減を行うことが考えられる。
しかし、空気調和機に用いられる貫流ファンは、熱交換器側から貫流ファンの中心側に向かって吸い込んだ流れを、吹出口から室内に吹き出すために貫流ファンの外側に送風するものであって、回転している間に羽根間の流れが逆転するような特質な流れを生ずる送風機である。また、貫流ファンは、羽根間の流路に対して羽根自体が占める領域が多く、無闇に柔毛材を適用すると流路を妨げることになるという特徴もある。
つまり、貫流ファンに、単に柔毛材を適用しただけでは送風性能の低下を誘引するので、貫流ファン自体に柔毛材を配設する場合は、貫流ファンの特質な流れの状態に適合させる必要がある。
本発明は、騒音を低減することができる空気調和機を提供することを目的とする。
上基本発明の目的は、
熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、
前記貫流ファンの羽根のうち外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設したことを特徴とする空気調和機
により達成される。
熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、
前記貫流ファンの羽根のうち外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設したことを特徴とする空気調和機
により達成される。
また、上基本発明の目的は、
熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、
前記貫流ファンの羽根のうち内径側の端部近辺および外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設し、前記羽根のうち中央近辺の一部の表面には前記柔毛部または前記多孔質部を配設せずに前記羽根の母材をそのまま露出させたことを特徴とする空気調和機
により達成される。
熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、
前記貫流ファンの羽根のうち内径側の端部近辺および外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設し、前記羽根のうち中央近辺の一部の表面には前記柔毛部または前記多孔質部を配設せずに前記羽根の母材をそのまま露出させたことを特徴とする空気調和機
により達成される。
なお、前記羽根の母材を金属系材料とすることが好ましい。
なお、前記羽根の母材の心材を金属系材料とすることが好ましい。
なお、膜厚0.05mm以下の膜に柔毛が付着している薄膜柔毛シートを配設することで、前記柔毛部とすることが好ましい。
なお、接着材料を前記母材に塗布し、
柔毛を散布した空間中で前記母材へ柔毛を付着させることで、前記柔毛部とすることが好ましい。
柔毛を散布した空間中で前記母材へ柔毛を付着させることで、前記柔毛部とすることが好ましい。
なお、柔毛を超音波により溶着させることで、前記柔毛部とすることが好ましい。
なお、前記多孔質部を配設するにあたり、
前記羽根を金型で成形し、
当該成形する際に、多孔質材を配設する位置に気泡を注入し、
気泡を注入した領域を前記多孔質部とすることが好ましい。
前記羽根を金型で成形し、
当該成形する際に、多孔質材を配設する位置に気泡を注入し、
気泡を注入した領域を前記多孔質部とすることが好ましい。
なお、前記貫流ファンは、金型による羽根成形段階で、金属系材料の心材を金型内へ挿入することで製作された前記貫流ファンであることが好ましい。
また、前記羽根の背側および腹側であって前記外径側の端部から20%の領域に、前記柔毛部または前記多孔質部を配設することが好ましい。
なお、前記背側であって前記内径側の端部から50%の領域に、前記柔毛部または前記多孔質部を配設することが好ましい。
なお、前記腹側であって前記内径側の端部から35%の領域に、前記柔毛部または前記多孔質部を配設することが好ましい。
本発明によれば、騒音を低減することができる空気調和機を実現することができる。
以下に図を参照して、実施例を説明する。
本発明の実施形態は空気調和機の一例として、熱交換を行う熱交換器と、送風を行う貫流ファンとを室内ユニットに備えたセパレート型の空気調和機に適用したものである。
本発明に係る第1の実施形態の空気調和機の室内ユニットを図1〜図10に示す。
図1は空気調和機の室内ユニット全体の概略構造を示しており、正面からの室内ユニットを表している。図2は室内ユニットの側面からの概略構造を示しており、室内ユニットの側面断面を表している。
室内ユニットの前面側は前面パネル1が位置しており、上面側には上面グリル2が配設されている。前面パネル1の上部はユニット枠3に取付けられており、前面パネル1は上部を支点にして下部から開閉できるようになっている。また、それとは別にルームエアコンの運転中、前面パネル1は下部を支点にして上部が開口し、前面から空気を吸い込むようになっている。前面パネル1は上部をユニット枠3から取外すことで、脱着可能である。上面グリル2もユニット枠3に取付けられており、脱着可能である。室内ユニットの下面側には横風向板11が配設されており、この横風向板11はケーシング9に取付けられている。室内ユニットの空気の吹出口は、横風向板11が回転することで開閉できるようになっている。室内ユニットの概観としては、以上の前面パネル1,上面グリル2,ユニット枠3,横風向板11,ケーシング9等によってほぼ外形が構成されている。
室内ユニットの前面パネル1と上面グリル2の直ぐ内側にはプレフィルター4が位置している。プレフィルター4はユニット枠3に取付けられており、スライドさせることでユニット枠3からの脱着可能である。プレフィルター4の内側には空清フィルター5が配設され、室内ユニット前面側に位置するようになっている。空清フィルター5もユニット枠3に取付けられた形になっており、脱着可能である。
室内ユニットの更に内側は熱交換器7が配設され、パイプとフィンで構成されている。熱交換器7は貫流ファン8を囲うように配設されており、図2に見られるように、室内ユニット上部側で一箇所、前面側で二箇所の合計三箇所で区切られている。
貫流ファン8はケーシング9に挟まれるように配設され、貫流ファン8の回転軸の端部はモータに連結されている。このモータにより貫流ファン8は図2において時計回りに回転する。縦風向板10はケーシング9に取付けられており、取付け部分を支点として回転するようになっている。冷媒用銅パイプ16は断熱材に覆われており、ケーシング9近くの室内ユニットの背面側に配管されている。電気品14は前面パネル1の背面側下部に配設され、前面パネル1を室内ユニットに覆い被せた際にLEDが光って見えるように配設してある。
図3は空気調和機の室内ユニットに備えられている貫流ファン8の斜視図であり、図4は貫流ファン8を構成している貫流ファンブロック8aを示している。貫流ファン8は、貫流ファンブロック8aを軸方向に複数個連結されることで構成され、軸受が取付けられた端板とモータへ連結するボスが取付けられた端板とを両端に配設した構造となっている。一つの貫流ファンブロック8aは、複数の貫流ファン羽根8bが取付いている仕切板8cから構成されている。仕切板8cにおいて、貫流ファン羽根8bが取付けられている板面と反対側の板面は、貫流ファンブロック8aを連結するときに他の貫流ファンブロックの貫流ファン羽根がはめ込めるように羽根形状に合わせた複数の溝(代表して1つを8c′で示す)が設けられている。
図6,図7は貫流ファンブロック8aを構成している貫流ファン羽根8bを示している。空気調和機の室内ユニットに備えられている貫流ファン8は、ファン径に対してファン幅が大きいため、強度と製造の面から貫流ファンブロック8aを複数連結させて形成されている。
貫流ファン羽根8bは、内径側において回転方向の羽根面上に配設された柔毛材8d,内径側において回転と反対方向の羽根面上に配設された柔毛材8e,外径側において回転方向の羽根面上に配設された柔毛材8f,外径側において回転と反対方向の羽根面上に配設された柔毛材8gとで構成されている。また、貫流ファン羽根8bの母材は金属系材料を用いている。
以上の構成による空気調和機の室内ユニットの機能及び動作について、主に冷房・暖房運転を行っている状態を想定して説明する。
前面パネル1の表示部の奥に位置する電気部品ユニットの電装部において、リモコンからの運転信号を受信することで空気調和機は運転を開始する。電装部の電光色は運転モードに合わせて変化し、前面パネル1の表示部から色彩を確認することで運転モードを判断することができる。運転が開始されると、前面パネル1は下部が支点となって前方に傾き、室内ユニットの上部が開口して前面から空気を吸い込む。
横風向板11は電気部品ユニットからの制御によって回転し、蓋をしていた室内ユニットの吹出口を開く。また、リモコンを操作することで横風向板11と縦風向板10は電気品14を介して制御され、室内ユニットの風向きを変化させることができる。室内ユニットが運転信号を受信すると室外ユニットも作動する。
室外ユニットから送り込まれてきた冷媒は冷媒用銅パイプ16を介して熱交換器7を循環する。貫流ファン8が連結しているモータは電気品14の制御により、運転状態に合わせて回転している。貫流ファン8は図2において時計回り方向に回転し、貫流ファン8が回転し始めると空気は主に前面パネル1の開口部と上面グリル2から吸い込まれ、プレフィルター4を通過して室内ユニットの内部に流れ込む。その室内ユニットの内部に流れ込む空気は、プレフィルター4を通過する際に埃等を取り除かれる。プレフィルター4の更に内側に配設している空清フィルター5は、空気の清浄を行っている。
以上の過程を経て、空気は熱交換器7へ流入し熱交換された後、貫流ファン8側へ流れていく。熱交換された空気は、貫流ファン8を軸方向へ幾つかに仕切っている仕切板8cによって分流されながら貫流ファン8に吸込まれていく。空気は貫流ファン羽根8bの間を通過し、外径側(外側,前縁)から内径側(中心側,後縁)へ流れる。貫流ファン8の内部に流れ込んだ空気はまた貫流ファン羽根8bの間を通過して内径側(中心側,前縁)から外径側(外側,後縁)へ向かい、ケーシング9側へ流れ出ていく。仕切板8cによって分流されていた空気は、ケーシング9側へ吹き出してきたときに再び合流する。空気はケーシング9の下流側に設けられた横風向板11と縦風向板10により風向きを制御され、室内ユニットの吹出口から吹き出していく。
なお一般的には、前縁・後縁の文言は上記のような用いられ方をし、前縁は翼の上流側の縁、後縁は翼の下流側の縁である。しかし、羽根に対する相対的な流れが逆転する貫流ファンでは、上記のように前縁と後縁も逆転する。従って、前縁・後縁ではなく、内径側の端部・外径側の端部を用いることとする。
本発明の第1の実施形態の特徴とその効果について以下に説明する。
運転状態において、貫流ファン8近辺の空気のフローパターンは図5に示すように流れており、上流側から貫流ファン羽根8bの間を通過し、外径側から内径側へ向かう。貫流ファン8の内部に流れ込んできた空気は、内径側から外径側へ貫流ファン羽根8bの間を通過してケーシング9側へ流れていく。貫流ファン8のフローパターンは循環渦12を形成しており、この循環渦12の領域を通過するとき貫流ファン羽根8b周辺の流れは非常に複雑になっている。
図9は、図5に示す循環渦12内を通過する貫流ファン羽根8bの周辺を拡大した図である。貫流ファン羽根8bは、循環渦12を通過する前後で羽根間の流れが逆転(8b1,8b2参照)するため、図9の矢印に示すように貫流ファン羽根8bの内径側と外径側で空気の流入と流出が行われる。この流れの状態において、貫流ファン羽根8bの内径側と外径側では流体が複雑に乱れることで騒音源となる。
循環渦12を通過する貫流ファン羽根8bの羽根面周りの乱れの程度を図10に示す。横軸は羽根半径比率、縦軸は相対乱流運動エネルギを表している。横軸の羽根半径比率は、羽根内径(中心側,内径側)から羽根外径(外側,外径側)までの貫流ファン羽根8bの半径方向幅を「100%」としたときの羽根内径側からの半径方向位置を示している。縦軸の相対乱流運動エネルギは、データ中の最小値を基準エネルギとしたときの相対的な乱流運動エネルギを「dB」で示している。音の指標単位として一般的に用いられている「dB」は、基準音圧に対する音圧の対数表示であるため、音と相関がある乱流運動エネルギも対数表示とし、音への影響の程度を確認できるようにしている。
図10において、貫流ファン羽根8bの内径側と外径側で相対乱流運動エネルギが高くなっており、羽根中央近辺(60〜70%あたり)において低くなっている。相対乱流運動エネルギの上昇が際立つ3dB以上(エネルギ量としては基準エネルギの約2倍以上)の領域において、柔毛材を配設すれば有効に騒音低減の効果を得ることができる。
ここで、柔毛材が流体騒音を低減する効果について検討する。流体騒音の主な要因は「流体の乱れ(乱流渦など)」と「固体壁」とに分けられる。騒音、つまり音は空気の振動であり、この音を簡単なイメージとして捉えると、源が「流体の乱れ(乱流渦など)」、それを大きく発振させているものが「固体壁」である。従って、乱れが強い程、乱れから壁が近いほど騒音は大きくなる。柔毛材は、その「流体の乱れ(乱流渦など)」を減失させる効果と、その「固体壁」による発振を低減する効果の2つがあると考えられる。なお、この柔毛材の配設は、貫流ファン羽根8bの母材の表面を加工することと捉えることができる。
上記とは逆に、3dB以下の領域に柔毛材を配設したとしても騒音低減の効果はそれほど大きくないと考えられ、有効に騒音低減を図ることができない。そのような部分にまで柔毛材を配設することは貫流ファンの羽根同士の間の流れを妨げるという不都合を生じ得るため、むしろ柔毛材を配設しないことが好ましい。従って、貫流ファン羽根8bの内径側の端部近辺、外径側の端部付近に柔毛材を配設し、中央近辺には柔毛材を配設しないことが好ましい。このとき柔毛材を配設しない領域は、そのまま母材が露出することになる。
騒音は相対乱流運動エネルギに応じて大きくなるものであり、ほとんどの部分で相対乱流運動エネルギが小さくて騒音が無くても、相対乱流運動エネルギが大きい部分が存在すればそれによって騒音が生じることになる。つまり、相対乱流運動エネルギの大きい部分が騒音を支配していると考えることができる。
図10を更に詳細に検討すると、相対乱流運動エネルギが支配的な部分としては、腹側の外径側の端部から20%および背側の外径側の端部から20%の領域である。従って、この部分のみに加工を施すだけでも騒音低減の効果を奏することができる。また、背側の内径側の端部から50%の領域も比較的相対乱流運動エネルギが大きいので、更にこの部分に加工を施せば更に騒音低減の効果を得ることができる。また更に、腹側の内径側の端部から35%の領域にも加工を施せば更に騒音低減の効果を得ることができる。
以上を踏まえ、柔毛材を配設する領域を図6と図7の貫流ファン羽根8bの断面である図8に示す。ここで内径側の端部αは、例えば航空機の翼のような一般的な翼の前縁のことであるが、貫流ファン8の内径の包絡線RSと貫流ファン羽根8bとの接点を内径側の端部と呼んでも良いことにする。また、外径側の端部βは、当該翼の後縁のことであるが、貫流ファン8の外径の包絡線RLと貫流ファン羽根8bとの接点を外径側の端部と呼んでも良いことにする。内径側の端部についても外径側の端部についても、それらの位置はほとんど変わらないからである。また、羽根半径比率の取り方はRSの位置が0%、RLの位置が100%だからであり、柔毛材の配設位置の基準がRSから、またはRLからだからである。
貫流ファン羽根8bの内径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜35%の領域で、回転方向の羽根面(つまり羽根の腹側,凹側)に柔毛材8dを配設する。貫流ファン羽根8bの内径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜50%の領域で、回転と反対方向の羽根面(つまり羽根の背側,凸側)に柔毛材8eを配設する。貫流ファン羽根8bの外径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜20%の領域で、回転方向の羽根面(つまり羽根の腹側,凹側)に柔毛材8fを配設する。貫流ファン羽根8bの外径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜20%の領域で、回転と反対方向の羽根面(つまり羽根の背側,凸側)に柔毛材8gを配設する。
図8に示す柔毛材の領域において、貫流ファン羽根8bの羽根間の複雑な流れから発生する流体の乱れや乱流渦とが柔毛材により減失され、また、その変動を吸収されることで騒音が低減される。また、流体の乱れや乱流渦を減失させることはできないが、図8に示す柔毛材の領域に多孔質材を配設することで、有効に流体の乱れや乱流渦の変動を吸収して騒音低減の効果を得ることもできる。前述の表現を借りると、多孔質材は、「流体の乱れ(乱流渦など)」を減失させる効果は無い、或いは小さいが、「固体壁」による発振を低減する効果があると考えられる。なお、この多孔質材の配設も、貫流ファン羽根8bの母材の表面を加工することと捉えることができる。
柔毛材または多孔質材を図8に示す領域に配設した場合、できる限り羽根間の流路を妨げることを避けるために羽根母材の薄肉化が考えられる。ここで考慮しなければならないのは、空調用貫流ファンは一般的にファン径に対するファン幅が長いため、大きな応力が貫流ファン羽根8bに作用するということである。従って、樹脂材料で構成された空調用貫流ファンでは強度が不十分となる可能性もあることから、樹脂製の貫流ファン羽根8bでは薄肉化は困難である。貫流ファン羽根8bの母材は金属系材料を適用することで、柔毛材または多孔質材を配設した場合を考慮して更に貫流ファン羽根8bの薄肉化を図ることができる。
以上のように、複雑な流れの状態に合わせ、柔毛材や多孔質材を空気調和機の主音源である貫流ファンに直接配設する構造とすることで、有効に騒音低減の効果を引き出す高性能な送風機能を実現できる。また、騒音を低減できることから、同一騒音時における風量を上げることができ、風量増加により空調性能を更に向上させた高性能な空気調和機を実現することができる。
本発明の第1の実施形態の製作法について以下に説明する。主に、柔毛部を有する貫流ファンの製作法である。
第1の製作法を次に示す。貫流ファン羽根8bにおいて、柔毛材8d,8e,8f,8gを配設予定の羽根面上に柔毛シートを配設してもよいが、シートの厚みが大き過ぎると送風性能が低下する可能性もある。そのため、可能な限り薄い柔毛シートを適用した方が良い。膜厚が0.05mm以下の膜に柔毛が付着している薄膜柔毛シートが存在しており、薄膜柔毛シートを羽根面上に配設して貫流ファン8を製作する。
第2の製作法を次に示す。貫流ファン羽根8bにおいて、柔毛材8d,8e,8f,8gを配設予定の羽根面上に接着材料を塗布し直接柔毛を散布させてもよいが、各部位によって柔毛の付着量が大きく異なる不均一付着により送風性能が低下する可能性も出てくる。そのため、羽根面上に接着材料を塗布し、柔毛散布空間にて柔毛を均一に拡散させ、これを付着させて貫流ファン8を製作する。
第3の製作法を次に示す。貫流ファン羽根8bにおいて、柔毛材8d,8e,8f,8gを配設予定の羽根面上に柔毛を直接溶着させてもよいが、化学的反応による溶着では溶解領域を明確に定めるのは難しく、意図しない領域まで溶解して送風性能が低下する可能性も出てくる。そのため、羽根面と柔毛とを密着させ位置を明確に定めてから超音波により柔毛を溶着させて貫流ファン8を製作する。
本発明に係る第2の実施形態を図11に示す。
第2の実施形態は、図1〜図10の空気調和機の室内ユニットと構成から機能及び動作,製作法までほぼ同じ形態となっている。既に説明している点については省略し、特徴とその効果について以下に説明する。
図11は、図6と図7の貫流ファン羽根8bの断面であり、柔毛材を配設する領域を示している。貫流ファン羽根8bは、内径側において回転方向の羽根面上に配設された柔毛材8d,内径側において回転と反対方向の羽根面上に配設された柔毛材8e,外径側において回転方向の羽根面上に配設された柔毛材8f,外径側において回転と反対方向の羽根面上に配設された柔毛材8gとで構成されている。また、貫流ファン羽根8bの母材は樹脂系材料であるが、羽根心材8hに金属系材料を用いている。
貫流ファン羽根8bの内径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜35%の領域で、回転方向の羽根面上に柔毛材8dを配設する。貫流ファン羽根8bの内径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜50%の領域で、回転と反対方向の羽根面上に柔毛材8eを配設する。貫流ファン羽根8bの外径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜20%の領域で、回転方向の羽根面上に柔毛材8fを配設する。貫流ファン羽根8bの外径側から、貫流ファン羽根8bの半径方向幅0〜20%の領域で、回転と反対方向の羽根面上に柔毛材8gを配設する。図11に示す柔毛材の領域において、貫流ファン羽根8bの羽根間の複雑な流れから発生する流体の乱れや乱流渦とが柔毛材により減失され、また、その変動を吸収されることで騒音が低減される。また、流体の乱れや乱流渦を減失させることはできないが、図11に示す柔毛材の領域に多孔質材を配設することで、有効に流体の乱れや乱流渦の変動を吸収して騒音低減の効果を得ることもできる。
柔毛材または多孔質材を図11に示す領域に配設した場合、できる限り羽根間の流路を妨げることを避けるために羽根母材の薄肉化が考えられる。空調用貫流ファンは一般的にファン径に対するファン幅が長いため、大きな応力が貫流ファン羽根8bに作用する。仮に、羽根母材を樹脂材料のみで構成した空調用貫流ファンでは、強度が不十分となる可能性もあることから、樹脂製の貫流ファン羽根8bでは薄肉化は困難である。貫流ファン羽根8bの羽根心材8hに金属系材料を適用することで、柔毛材または多孔質材を配設した場合を考慮して更に貫流ファン羽根8bの薄肉化を図ることができる。また、表面側は樹脂系材料であるため、羽根母材を金属系材料のみとした場合に比べ、軽量化にも繋がり、羽根形状の成形性も向上し、更には柔毛も付着させやすくなる。
以上のように、複雑な流れの状態に合わせ、柔毛材を空気調和機の主音源である貫流ファンに直接配設する構造とすることで、有効に騒音低減の効果を引き出す高性能な送風機能を実現できる。また、騒音を低減できることから、同一騒音時における風量を上げることができ、風量増加により空調性能を更に向上させた高性能な空気調和機を実現することができる。
本発明の第2の実施形態の製作法について以下に説明する。主に、多孔質部を有する貫流ファンの製作法である。
第1の製作法を次に示す。貫流ファン羽根8bにおいて、多孔質材8d,8e,8f,8gを配設予定の羽根位置に金型による羽根成形後に配設してもよいが、製作工程が長くなるとともに多孔質材の配設位置の羽根形状が異なることで送風性能が低下する可能性も出てくる。そのため、金型による羽根成形段階で微小な気泡を注入し、その微小な気泡が注入された領域が凝結時に多孔質材8d,8e,8f,8gとなるよう貫流ファン8を製作する。できあがった貫流ファンを見れば、結果的に、その微小な気泡が注入された領域が多孔質材となっている。
第2の製作法を次に示す。貫流ファン羽根8bにおいて、金型による羽根成形後に金属系材料の羽根心材8hを羽根内部に挿入してもよいが、羽根成形後に挿入すると嵌め合わせが悪く、変形等も生じることから送風性能が低下する可能性も出てくる。そのため、金型による羽根成形段階で金属系材料の羽根心材8hが金型内へ挿入されるように貫流ファン8を製作する。
なお、本発明に係る貫流ファンの製作法を、本発明の第1の実施形態の製作法・第2の実施形態の製作法として別々に記載しているが、上記記載のみの製作法に限定するものではない。心材の有無に関わらず、柔毛材または多孔質材を有する貫流ファンを製作できれば良いからである。
1 前面パネル
2 上面グリル
3 ユニット枠
4 プレフィルター
5 空清フィルター
7 熱交換器
8 貫流ファン
8a 貫流ファンブロック
8b 貫流ファン羽根
8c 貫流ファン仕切板
8d,8e,8f,8g 柔毛材、または多孔質材
8h 羽根心材
9 ケーシング
10 縦風向板
11 横風向板
12 循環渦
14 電気品
16 冷媒用銅パイプ
2 上面グリル
3 ユニット枠
4 プレフィルター
5 空清フィルター
7 熱交換器
8 貫流ファン
8a 貫流ファンブロック
8b 貫流ファン羽根
8c 貫流ファン仕切板
8d,8e,8f,8g 柔毛材、または多孔質材
8h 羽根心材
9 ケーシング
10 縦風向板
11 横風向板
12 循環渦
14 電気品
16 冷媒用銅パイプ
Claims (12)
- 熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、
前記貫流ファンの羽根のうち外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設したことを特徴とする空気調和機。 - 熱交換器で冷却または加温した空気を貫流ファンで室内に吹き出す空気調和機において、
前記貫流ファンの羽根のうち内径側の端部近辺および外径側の端部近辺に柔毛部または多孔質部を配設し、前記羽根のうち中央近辺の一部の表面には前記柔毛部または前記多孔質部を配設せずに前記羽根の母材をそのまま露出させたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
前記羽根の母材を金属系材料としたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
前記羽根の母材の心材を金属系材料としたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
膜厚0.05mm以下の膜に柔毛が付着している薄膜柔毛シートを配設することで、前記柔毛部としたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
接着材料を前記母材に塗布し、
柔毛を散布した空間中で前記母材へ柔毛を付着させることで、前記柔毛部としたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
柔毛を超音波により溶着させることで、前記柔毛部としたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
前記多孔質部を配設するにあたり、
前記羽根を金型で成形し、
当該成形する際に、多孔質材を配設する位置に気泡を注入し、
気泡を注入した領域を前記多孔質部としたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
前記貫流ファンは、金型による羽根成形段階で、金属系材料の心材を金型内へ挿入することで製作された前記貫流ファンであることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1または2において、
前記羽根の背側および腹側であって前記外径側の端部から20%の領域に、前記柔毛部または前記多孔質部を配設したことを特徴とする空気調和機。 - 請求項10において、
前記背側であって前記内径側の端部から50%の領域に、前記柔毛部または前記多孔質部を配設したことを特徴とする空気調和機。 - 請求項11において、
前記腹側であって前記内径側の端部から35%の領域に、前記柔毛部または前記多孔質部を配設したことを特徴とする空気調和機。
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