JP2004353510A - 遠心送風機及び遠心送風機を備えた空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遠心送風機において、電動機の冷却機能を損なうことなく、送風効率を向上させる。
【解決手段】遠心送風機4は、軸O−O方向から空気を吸入してシャフト41aに交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機であって、ファンモータ41と、円板状のハブ43と、複数の主ブレード44と、複数の冷却用ブレード52とを備えている。ハブ43は、ファンモータ41の近傍に形成された冷却用空気孔43aを有している。複数の主ブレード44は、ハブ43の反ファンモータ41側の面において、冷却用空気孔43aが形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられている。複数の冷却用ブレード52は、ハブ43のファンモータ41側の面において、冷却用空気孔43aが形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられており、主ブレード44よりも高静圧の性能を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】遠心送風機4は、軸O−O方向から空気を吸入してシャフト41aに交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機であって、ファンモータ41と、円板状のハブ43と、複数の主ブレード44と、複数の冷却用ブレード52とを備えている。ハブ43は、ファンモータ41の近傍に形成された冷却用空気孔43aを有している。複数の主ブレード44は、ハブ43の反ファンモータ41側の面において、冷却用空気孔43aが形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられている。複数の冷却用ブレード52は、ハブ43のファンモータ41側の面において、冷却用空気孔43aが形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられており、主ブレード44よりも高静圧の性能を有する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心送風機及び遠心送風機を備えた空気調和装置、特に、回転軸方向から空気を吸入して回転軸に交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機及びその遠心送風機を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置等に設けられた遠心送風機においては、従来から、運転時のファンモータの過熱を防止するために、ファンモータの冷却を促進するための工夫がなされている。
以下に、従来の遠心送風機のファンモータの冷却を促進するためのモータ冷却機構951を有する遠心送風機904を備えた天井埋込型の空気調和装置901について、図1〜3を用いて説明する。ここで、図1は、従来のモータ冷却機構951を有する遠心送風機904を備えた空気調和装置901の概略側面断面図である。図2は、図1の遠心送風機を拡大して示した図である。図3は、図2のA矢視図である。尚、図3の矢印Rは、遠心送風機904のターボ羽根車942(すなわち、ハブ943)の回転方向を示す。ここで、シャフト41aの回転軸線をO−Oとする。
【0003】
空気調和装置901は、内部に各種構成機器を収納するケーシング2と、ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3とを備えている。化粧パネル3の略中央には、空気吸入口31が設けられている。ケーシング2は、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されて配置されており、その内部に、空気吸入口31から空気を吸入して外周方向に吹き出す遠心送風機904と、遠心送風機904の外周を囲むように配置された熱交換器6とを備えている。
【0004】
遠心送風機904は、ケーシング2の天板21の略中央に固定されたファンモータ41と、ファンモータ41によって回転駆動されるターボ羽根車942とを有している。ターボ羽根車942は、主に、ファンモータ41のシャフト41aに連結されるハブ943と、ハブ943の反ファンモータ41側(すなわち、空気吸入口31側)に所定の間隔を空けて配置されるシュラウド45と、ハブ943とシュラウド45との間に円周方向に並んで配置される複数の主ブレード44とを有している。シュラウド45の略中央には、空気吸入口31に対向するように開口が設けられている。また、ハブ943の内周部分は、反ファンモータ41側に膨出されており、その膨出した部分に対応するようにファンモータ41が配置されている。さらに、ターボ羽根車942のハブ943には、ファンモータ41を冷却するためのモータ冷却機構951が設けられている。
【0005】
モータ冷却機構951は、図2及び図3に示すように、複数の冷却用空気孔943aと、冷却用空気孔943aに対応して設けられた複数の案内羽根952とから構成されている。冷却用空気孔943aは、ハブ943のシャフト41aの外周側で、かつ、複数の主ブレード44の内周側の位置に配置されている。案内羽根952は、放射状に突出した形状を有しており、ハブ943の反ファンモータ41側の面において、ハブ943との間に所定の間隔を空けた状態で冷却用空気孔943aを覆うハブカバー946に設けられている。
【0006】
この遠心送風機904では、ファンモータ41を回転駆動すると、空気吸入口31及びシュラウド45の開口を介してターボ羽根車942の内部の空間S1に軸O−O方向(図2の矢印A方向)から空気が吸入される(図1及び図2の矢印F1参照、以下、吸入空気流F1とする)。そして、吸入空気流F1は、軸O−Oに交差する方向に流れの向きを変えて、複数の主ブレード44によって昇圧されてターボ羽根車942の外周側の空間S2に吹き出される(図1及び図2の矢印F2参照、以下、主空気流F2とする)。このターボ羽根車942の外周側に吹き出された空気の一部(図1及び図2の矢印F4参照、以下、冷却空気流F4とする)は、ハブ943のファンモータ41側の空間S3とハブ943の反ファンモータ41側の空間(すなわち、空間S1)との静圧差によって、ファンモータ41の近傍を通過して、ファンモータ41を冷却させた後、ハブ943の冷却用空気孔943aを通じて、再び、ターボ羽根車942の内部の空間S1に戻される。ここで、冷却空気流F4は、ハブカバー946の案内羽根952の送風作用によって、空間S3から冷却用空気孔943aを通じて空間S1に案内され易くなっている。そして、冷却空気流F4は、再び、吸入空気流F1に合流された後、複数の主ブレード44によって、主空気流F2として、空間S2に吹き出される。このように、従来のモータ冷却機構951を有する遠心送風機904では、ファンモータ41を冷却するために、複数の主ブレード44によって空間S2に吹き出された主空気流F2の一部(すなわち、冷却空気流F4)が、常に、空間S3及び冷却用空気孔943aを通じて、空間S1に戻されるようになっており、遠心送風機904全体(すなわち、空気調和装置901)としては、主空気流F2の風量から冷却空気流F4の風量を差し引いた空気流(図1の矢印F3参照、以下、吹出空気流F3とする)の風量が吹き出されることになる(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−101194号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のモータ冷却機構951を採用すると、ターボ羽根車942が主空気流F2の風量に相当する送風能力を有しているにもかかわらず、ファンモータ41の冷却に使用される冷却空気流F4の風量分だけ、遠心送風機904全体としての送風能力(吹出空気流F3の風量に相当)が低下していることになる。言い換えれば、上記のモータ冷却機構951を採用することによって、遠心送風機904全体としての送風効率が低下している。
【0009】
これに対して、冷却用空気孔943aやハブカバー946を省略してファンモータ41の冷却をしない構成にすれば、遠心送風機904全体としての送風能力が冷却空気流F4の風量の損失はなくなるが、ファンモータ41の冷却機能が損なわれてしまう。
本発明の課題は、遠心送風機において、電動機の冷却機能を損なうことなく、送風効率を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の遠心送風機は、回転軸方向から空気を吸入して回転軸に交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機であって、電動機と、円板状の主板と、複数の主翼と、複数の冷却用翼とを備えている。電動機は、回転軸を有する。主板は、電動機の近傍に形成された冷却用空気孔を有し、回転軸に連結されて回転駆動される。複数の主翼は、主板の反電動機側の面において、冷却用空気孔が形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられている。複数の冷却用翼は、主板の電動機側の面において、冷却用空気孔が形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられており、主翼よりも高静圧の性能を有する。
【0011】
この遠心送風機では、冷却用空気孔を設けるとともに、主板の電動機側の面に主翼よりも高静圧の性能を有する冷却用翼を設けているため、回転軸方向から吸入された空気流(図1及び図2の吸入空気流F1に相当)が、主翼に向かう主空気流と、冷却用空気孔を通じて電動機を冷却する冷却空気流との2つに分かれるようになる。そして、主空気流は、主翼によって昇圧されて外周側に吹き出される。一方、冷却空気流は、冷却用空気孔を通じて電動機近傍を通過した後、冷却用翼によって昇圧されて外周側に吹き出され、主空気流と合流するようになる。すなわち、電動機を冷却するための冷却空気流の流れ方向が従来の冷却空気流(図1及び図2の冷却空気流F4に相当)と逆の流れ方向となる。
【0012】
これにより、従来の遠心送風機における電動機の冷却に使用された冷却空気流の風量(図1及び図2のF4に相当)の分も、遠心送風機から送風されるようになるため、電動機の冷却機能を損なうことなく、遠心送風機全体としての送風効率を向上させることができる。
請求項2に記載の遠心送風機は、請求項1において、冷却用翼は、主翼よりも後傾した翼形状を有している。
【0013】
この遠心送風機では、冷却用翼を主翼よりも後傾した翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧化を実現している。
請求項3に記載の遠心送風機は、請求項1又は2において、冷却用翼は、主翼よりも翼弦長が長い翼形状を有している。
この遠心送風機では、冷却用翼を主翼よりも翼弦長が長い翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧化を実現している。
【0014】
請求項4に記載の空気調和装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の遠心送風機と、遠心送風機の外周側に配置された熱交換器と、遠心送風機及び熱交換器を収納するケーシングとを備えている。
この空気調和装置では、送風効率が向上された遠心送風機を備えているため、空気調和装置の空調性能を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
(1)空気調和装置の全体構成
図4に本発明の第1実施形態の遠心送風機4を備えた空気調和装置1の概略側面断面図を示す。空気調和装置1は、天井埋込型であり、内部に各種構成機器を収納するケーシング2と、ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3とを備えている。具体的には、空気調和装置1のケーシング2は、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル3は、天井Uの開口に嵌め込まれて配置されている。
【0016】
ケーシング2は、天板21と、天板21の周縁部から下方に延びる側板22とを有している。
ケーシング2内には、遠心送風機4が配置されている。遠心送風機4は、ターボファンであり、ケーシング2の天板21の中央部に設けられたファンモータ41と、ファンモータ41のシャフト41aに連結されて回転駆動されるターボ羽根車42とを有している。ここで、シャフト41aの回転軸線をO−Oとする。ターボ羽根車42は、ファンモータ41のシャフト41aに連結される円板状のハブ43と、ハブ43の下側の面(すなわち、反ファンモータ41側の面)の外周部に設けられた複数の主ブレード44と、主ブレード44の下側に設けられた中央に開口を有する円板状のシュラウド45とを有している。ハブ43の内周部分は、反ファンモータ側に膨出されており、その膨出した部分に対応するようにファンモータ41が配置されている。遠心送風機4は、複数の主ブレード44の回転によって、ターボ羽根車42の下側からシュラウド45の開口を通じて空調室内の空気を吸入し、ターボ羽根車42の外周側に吸入した空気を吹き出すようになっている。また、ターボ羽根車42のハブ43には、ファンモータ41を冷却するためのモータ冷却機構51が設けられているが、詳細は後述する。
【0017】
遠心送風機4の下側には、遠心送風機4へ空気を案内するためのベルマウス5が配置されている。
遠心送風機4の外周側には、遠心送風機4を取り囲むように、熱交換器6が配置されている。熱交換器6は、屋外等に設置された熱源ユニットに冷媒配管を介して接続されている。これにより、熱交換器6は、冷房運転時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮器として機能して、遠心送風機4から吹き出された空気の温度を調節することが可能である。
【0018】
熱交換器6の下側には、熱交換器6において空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン7が配置されている。
熱交換器6の上端部とケーシング2の天板21との間には、ケーシング断熱材8が挟まれるように配置されている。ケーシング断熱材8は、熱交換器6の上端部とケーシング2の天板21との間から外側に向かって延び、ケーシング2の側板22の内面全体を覆うように配置されている。これにより、ケーシング2の天板21や側板22から外部への熱損失やケーシング2の結露等を防いでいる。
【0019】
ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3は、その中央部に形成された空気吸入口31と、側縁部に形成された複数個(例えば、4個)の空気吹出口32とを有している。また、化粧パネル3の空気吸入口31には、空気吸込口31から吸込まれた空気中の塵埃を除去するためのフィルタ33が設けられている。さらに、化粧パネル3の上端部とケーシング2の下端部との間には、パネル断熱材9が設けられている。
【0020】
以上のように、空気調和装置1には、化粧パネル3の空気吸入口31からフィルタ33、ベルマウス5、遠心送風機4及び熱交換器6を経由して、空気吹出口32へ至る空気流路が形成されている。
(2)モータ冷却機構の構成
次に、モータ冷却機構51の構成について、図5〜図7を用いて説明する。ここで、図5は、図4の遠心送風機4を拡大して示した図である。図6は、図5のA矢視図である。図7は、図5のB矢視図(但し、ケーシング2及びファンモータ41を除く)である。尚、図6及び図7の矢印Rは、遠心送風機4のターボ羽根車42(すなわち、ハブ43)の回転方向を示す。
【0021】
モータ冷却機構51は、冷却用空気孔43aと、複数の冷却用ブレード52とから構成されている。
冷却用空気孔43aは、ターボ羽根車42によって外周側に吹き出された空気の一部をファンモータ41の近傍に導くために、ハブ43に設けられた孔であり、本実施形態において、ハブ43の同心円上に並んで複数個(本実施形態では、5個)形成された長孔である。また、冷却用空気孔43aは、主ブレード44が設けられた半径方向位置よりも内周側に形成されている。尚、冷却用空気孔43aは、従来の遠心送風機904のハブ943に形成された冷却用空気孔943aに比べて開口面積が大きくなっている(図6及び図7参照)。
【0022】
冷却用ブレード52は、冷却用空気孔43aの下面側(空気吸入口31側)からハブ43の上面側(ファンモータ41側)へ流れる空気を昇圧して外周側に向かって吹き出すことが可能である。冷却用ブレード52は、本実施形態において、ハブ43のファンモータ41側の面において、冷却用空気孔43aが形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられている。そして、冷却用ブレード52は、本実施形態において、その翼弦長L1が主ブレード44の翼弦長Lと同じであり、かつ、その後縁部の出口角度α1(ハブ43の外周縁における接線と冷却用ブレード52の後縁部とがなす角度、図7参照)が主ブレード44の後縁部の出口角度αよりも小さい、すなわち、主ブレード44よりも後傾した翼形状を有しており、主ブレード44よりも高静圧の性能を有している。
【0023】
(3)空気調和装置の動作
次に、空気調和装置1の動作について、図4〜5を用いて説明する。
まず、運転が開始されると、ファンモータ41が駆動されて、遠心送風機4のターボ羽根車42が回転する。また、ファンモータ41の駆動とともに、熱交換器6には冷媒が循環される。ここで、熱交換器6は、冷房運転時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮器として作用する。そして、ターボ羽根車42の回転に伴って、空調室内の空気が、化粧パネル3の空気吸入口31からフィルタ33及びベルマウス5を介して、遠心送風機4の下側から吸入される。この空気が、ターボ羽根車42によって外周側に吹き出されて熱交換器6に達し、熱交換器6において冷却又は加熱された後、各空気吹出口32から室内に向かって吹き出されて、室内の冷房又は暖房を行うことになる(図4の矢印F1’、F2’及びF3’参照)。
【0024】
ここで、遠心送風機4においては、空気吸入口31及びシュラウド45の開口を介してターボ羽根車42の内部の空間S1に軸O−O方向(図2の矢印A方向)から空気が吸入されている(図4及び図5の矢印F1’参照、以下、吸入空気流F1’とする)。そして、吸入空気流F1’は、主ブレード44に向かう主空気流F2’と、冷却用ブレード52の送風作用によって冷却用空気孔43aを通じてファンモータ41を冷却する冷却空気流F4’との2つに分かれるようになる。そして、主空気流F2’は、主ブレード44によって昇圧されて外周側の空間S2に吹き出される。一方、冷却空気流F4’は、ファンモータ41の近傍を通過した後、冷却用ブレード52によって昇圧されて外周側の空間S2に吹き出され、主空気流F2’に合流されている。その後、主空気流F2’及び冷却空気流F4’とが合流した空気流(図4の矢印F3’参照、以下、吹出空気流F3’とする)は、上記のように、熱交換器6を通過した後、空気吹出口32から吹き出されている。すなわち、ファンモータ41を冷却するための冷却空気流F4’は、主ブレード44よりも高静圧の性能を有する冷却用ブレード52によって、冷却用空気孔43aを通じて、空間S1から空間S3の方向に流れるようになっている。
【0025】
(4)モータ冷却機構、遠心送風機及び空気調和装置の特徴
本実施形態の遠心送風機4及び空気調和装置1、特に、遠心送風機4に設けられたモータ冷却機構51には、以下のような特徴がある。
(A)本実施形態のモータ冷却機構51では、冷却用ブレード52の送風作用によって、ファンモータ41を冷却するための冷却空気流F4’の流れ方向が従来の冷却空気流F4(図1及び図2参照)と逆の流れ方向となっており、従来の遠心送風機904におけるファンモータ41の冷却に使用された冷却空気流F4に相当する風量(具体的には、冷却空気流F4’)も、主空気流F2’に合流した吹出空気流F3’として、遠心送風機4から送風されるようになっているため、ファンモータ41の冷却機能を損なうことなく、遠心送風機4全体としての送風効率を向上させることができる。これに伴って、空気調和装置1の空調能力も向上することになる。
【0026】
(B)また、冷却用ブレード52は、従来の空気調和装置1においても存在していたケーシング2(具体的には、天板21)とハブ43との上下方向間の空間S3を利用して設けられているため、従来のターボ羽根車942と同じ設置スペースに配置することができる。しかも、この場合、主ブレード44から空間S2に吹き出される主空気流F2’の風量は、従来のターボ羽根車942において主ブレード44から空間S2に吹き出される主空気流F2の風量とほぼ同じとなるとともに、冷却用ブレード52によって空間S2に吹き出される冷却空気流F4’の風量分だけ、空間S1に吸入される吸入空気流F1’の風量が増加することになり、送風能力の向上にも寄与することできる。
【0027】
(C)さらに、冷却用空気孔43aは、従来の遠心送風機904のモータ冷却機構951を構成する冷却用空気孔943aよりも開口面積を大きくしているため、空間S1と空間S3との間の静圧差が小さくなり、吸入空気流F1’の一部が冷却空気流F4’として、スムーズに空間S3側に案内されるようになっている。
[第2実施形態]
第1実施形態の空気調和装置1の遠心送風機4においては、モータ冷却機構51を構成する冷却用ブレード52を主ブレード44よりも後傾した翼形状にして高静圧化しているが、冷却用ブレードの翼弦長を主ブレードの翼弦長よりも長くして高静圧化してもよい。
【0028】
具体的には、本実施形態の空気調和装置101の遠心送風機104は、図8及び図9に示すように、モータ冷却機構151を構成する冷却用ブレード152の後縁部の出口角度α2を主ブレード44の後縁部の出口角度αと同じにしたまま、翼弦長L2を主ブレード44の翼弦長Lよりも長くすることにより、高静圧化している。
【0029】
[第3実施形態]
第1実施形態の空気調和装置1の遠心送風機4においては、モータ冷却機構51を構成する冷却用ブレード52を主ブレード44よりも後傾した翼形状にして高静圧化し、第2実施形態の空気調和装置101の遠心送風機104においては、モータ冷却機構151を構成する冷却用ブレード152翼弦長L2を主ブレード44の翼弦長Lよりも長くして高静圧化しているが、冷却用ブレードを主ブレードよりも後傾した翼形状にするとともに、冷却用ブレードの翼弦長を主ブレードの翼弦長よりも長くして高静圧化してもよい。
【0030】
具体的には、本実施形態の空気調和装置201の遠心送風機204は、図10に示すように、第1実施形態と同様、モータ冷却機構251を構成する冷却用ブレード252の後縁部の出口角度α3を主ブレード44の後縁部の出口角度αよりも小さくして後傾した翼形状にするとともに、第2実施形態と同様、冷却用ブレード252の翼弦長L3を主ブレード44の翼弦長Lよりも長くすることにより、高静圧化している。
【0031】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)前記実施形態では、ターボ型の遠心送風機を例として説明したが、これに限定されず、ラジアル型等の種々のタイプの遠心送風機に適用することが可能である。
【0032】
(2)前記実施形態では、天井埋込型の空気調和装置を例として説明したが、これに限定されず、ケーシング内を流れる空気を利用して電動機を冷却するタイプの遠心送風機を有する種々の空気調和装置に適用することが可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
請求項1にかかる発明では、冷却用空気孔を設けるとともに、主板の電動機側の面に主翼よりも高静圧の性能を有する冷却用翼を設けているため、従来の遠心送風機における電動機の冷却に使用された冷却空気流の風量の分も、遠心送風機から送風されるようになるため、電動機の冷却機能を損なうことなく、遠心送風機全体としての送風効率を向上させることができる。
【0034】
請求項2にかかる発明では、冷却用翼を主翼よりも後傾した翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧性能化を実現している。
請求項3にかかる発明では、冷却用翼を主翼よりも翼弦長が長い翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧性能化を実現している。
請求項4にかかる発明では、送風効率が向上された遠心送風機を備えているため、空気調和装置の空調性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置の概略側面断面図。
【図2】図1の遠心送風機を拡大して示した図。
【図3】図2のA矢視図。
【図4】第1実施形態のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置の概略側面断面図。
【図5】図4の遠心送風機を拡大して示した図。
【図6】図5のA矢視図。
【図7】図5のB矢視図(但し、ケーシング及びファンモータを除く)。
【図8】第2実施形態のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置を示す図であって、図5に相当する図。
【図9】図8のB矢視図(但し、ケーシング及びファンモータを除く)。
【図10】第3実施形態のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置を示す図であって、図9に相当する図。
【符号の説明】
1、101、201 空気調和装置
2 ケーシング
4、104、204 遠心送風機
6 熱交換器
41 ファンモータ
41a シャフト
43 ハブ
43a 冷却用空気孔
44 主ブレード
52、152、252 冷却用ブレード
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心送風機及び遠心送風機を備えた空気調和装置、特に、回転軸方向から空気を吸入して回転軸に交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機及びその遠心送風機を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置等に設けられた遠心送風機においては、従来から、運転時のファンモータの過熱を防止するために、ファンモータの冷却を促進するための工夫がなされている。
以下に、従来の遠心送風機のファンモータの冷却を促進するためのモータ冷却機構951を有する遠心送風機904を備えた天井埋込型の空気調和装置901について、図1〜3を用いて説明する。ここで、図1は、従来のモータ冷却機構951を有する遠心送風機904を備えた空気調和装置901の概略側面断面図である。図2は、図1の遠心送風機を拡大して示した図である。図3は、図2のA矢視図である。尚、図3の矢印Rは、遠心送風機904のターボ羽根車942(すなわち、ハブ943)の回転方向を示す。ここで、シャフト41aの回転軸線をO−Oとする。
【0003】
空気調和装置901は、内部に各種構成機器を収納するケーシング2と、ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3とを備えている。化粧パネル3の略中央には、空気吸入口31が設けられている。ケーシング2は、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されて配置されており、その内部に、空気吸入口31から空気を吸入して外周方向に吹き出す遠心送風機904と、遠心送風機904の外周を囲むように配置された熱交換器6とを備えている。
【0004】
遠心送風機904は、ケーシング2の天板21の略中央に固定されたファンモータ41と、ファンモータ41によって回転駆動されるターボ羽根車942とを有している。ターボ羽根車942は、主に、ファンモータ41のシャフト41aに連結されるハブ943と、ハブ943の反ファンモータ41側(すなわち、空気吸入口31側)に所定の間隔を空けて配置されるシュラウド45と、ハブ943とシュラウド45との間に円周方向に並んで配置される複数の主ブレード44とを有している。シュラウド45の略中央には、空気吸入口31に対向するように開口が設けられている。また、ハブ943の内周部分は、反ファンモータ41側に膨出されており、その膨出した部分に対応するようにファンモータ41が配置されている。さらに、ターボ羽根車942のハブ943には、ファンモータ41を冷却するためのモータ冷却機構951が設けられている。
【0005】
モータ冷却機構951は、図2及び図3に示すように、複数の冷却用空気孔943aと、冷却用空気孔943aに対応して設けられた複数の案内羽根952とから構成されている。冷却用空気孔943aは、ハブ943のシャフト41aの外周側で、かつ、複数の主ブレード44の内周側の位置に配置されている。案内羽根952は、放射状に突出した形状を有しており、ハブ943の反ファンモータ41側の面において、ハブ943との間に所定の間隔を空けた状態で冷却用空気孔943aを覆うハブカバー946に設けられている。
【0006】
この遠心送風機904では、ファンモータ41を回転駆動すると、空気吸入口31及びシュラウド45の開口を介してターボ羽根車942の内部の空間S1に軸O−O方向(図2の矢印A方向)から空気が吸入される(図1及び図2の矢印F1参照、以下、吸入空気流F1とする)。そして、吸入空気流F1は、軸O−Oに交差する方向に流れの向きを変えて、複数の主ブレード44によって昇圧されてターボ羽根車942の外周側の空間S2に吹き出される(図1及び図2の矢印F2参照、以下、主空気流F2とする)。このターボ羽根車942の外周側に吹き出された空気の一部(図1及び図2の矢印F4参照、以下、冷却空気流F4とする)は、ハブ943のファンモータ41側の空間S3とハブ943の反ファンモータ41側の空間(すなわち、空間S1)との静圧差によって、ファンモータ41の近傍を通過して、ファンモータ41を冷却させた後、ハブ943の冷却用空気孔943aを通じて、再び、ターボ羽根車942の内部の空間S1に戻される。ここで、冷却空気流F4は、ハブカバー946の案内羽根952の送風作用によって、空間S3から冷却用空気孔943aを通じて空間S1に案内され易くなっている。そして、冷却空気流F4は、再び、吸入空気流F1に合流された後、複数の主ブレード44によって、主空気流F2として、空間S2に吹き出される。このように、従来のモータ冷却機構951を有する遠心送風機904では、ファンモータ41を冷却するために、複数の主ブレード44によって空間S2に吹き出された主空気流F2の一部(すなわち、冷却空気流F4)が、常に、空間S3及び冷却用空気孔943aを通じて、空間S1に戻されるようになっており、遠心送風機904全体(すなわち、空気調和装置901)としては、主空気流F2の風量から冷却空気流F4の風量を差し引いた空気流(図1の矢印F3参照、以下、吹出空気流F3とする)の風量が吹き出されることになる(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−101194号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のモータ冷却機構951を採用すると、ターボ羽根車942が主空気流F2の風量に相当する送風能力を有しているにもかかわらず、ファンモータ41の冷却に使用される冷却空気流F4の風量分だけ、遠心送風機904全体としての送風能力(吹出空気流F3の風量に相当)が低下していることになる。言い換えれば、上記のモータ冷却機構951を採用することによって、遠心送風機904全体としての送風効率が低下している。
【0009】
これに対して、冷却用空気孔943aやハブカバー946を省略してファンモータ41の冷却をしない構成にすれば、遠心送風機904全体としての送風能力が冷却空気流F4の風量の損失はなくなるが、ファンモータ41の冷却機能が損なわれてしまう。
本発明の課題は、遠心送風機において、電動機の冷却機能を損なうことなく、送風効率を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の遠心送風機は、回転軸方向から空気を吸入して回転軸に交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機であって、電動機と、円板状の主板と、複数の主翼と、複数の冷却用翼とを備えている。電動機は、回転軸を有する。主板は、電動機の近傍に形成された冷却用空気孔を有し、回転軸に連結されて回転駆動される。複数の主翼は、主板の反電動機側の面において、冷却用空気孔が形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられている。複数の冷却用翼は、主板の電動機側の面において、冷却用空気孔が形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられており、主翼よりも高静圧の性能を有する。
【0011】
この遠心送風機では、冷却用空気孔を設けるとともに、主板の電動機側の面に主翼よりも高静圧の性能を有する冷却用翼を設けているため、回転軸方向から吸入された空気流(図1及び図2の吸入空気流F1に相当)が、主翼に向かう主空気流と、冷却用空気孔を通じて電動機を冷却する冷却空気流との2つに分かれるようになる。そして、主空気流は、主翼によって昇圧されて外周側に吹き出される。一方、冷却空気流は、冷却用空気孔を通じて電動機近傍を通過した後、冷却用翼によって昇圧されて外周側に吹き出され、主空気流と合流するようになる。すなわち、電動機を冷却するための冷却空気流の流れ方向が従来の冷却空気流(図1及び図2の冷却空気流F4に相当)と逆の流れ方向となる。
【0012】
これにより、従来の遠心送風機における電動機の冷却に使用された冷却空気流の風量(図1及び図2のF4に相当)の分も、遠心送風機から送風されるようになるため、電動機の冷却機能を損なうことなく、遠心送風機全体としての送風効率を向上させることができる。
請求項2に記載の遠心送風機は、請求項1において、冷却用翼は、主翼よりも後傾した翼形状を有している。
【0013】
この遠心送風機では、冷却用翼を主翼よりも後傾した翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧化を実現している。
請求項3に記載の遠心送風機は、請求項1又は2において、冷却用翼は、主翼よりも翼弦長が長い翼形状を有している。
この遠心送風機では、冷却用翼を主翼よりも翼弦長が長い翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧化を実現している。
【0014】
請求項4に記載の空気調和装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の遠心送風機と、遠心送風機の外周側に配置された熱交換器と、遠心送風機及び熱交換器を収納するケーシングとを備えている。
この空気調和装置では、送風効率が向上された遠心送風機を備えているため、空気調和装置の空調性能を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
(1)空気調和装置の全体構成
図4に本発明の第1実施形態の遠心送風機4を備えた空気調和装置1の概略側面断面図を示す。空気調和装置1は、天井埋込型であり、内部に各種構成機器を収納するケーシング2と、ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3とを備えている。具体的には、空気調和装置1のケーシング2は、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル3は、天井Uの開口に嵌め込まれて配置されている。
【0016】
ケーシング2は、天板21と、天板21の周縁部から下方に延びる側板22とを有している。
ケーシング2内には、遠心送風機4が配置されている。遠心送風機4は、ターボファンであり、ケーシング2の天板21の中央部に設けられたファンモータ41と、ファンモータ41のシャフト41aに連結されて回転駆動されるターボ羽根車42とを有している。ここで、シャフト41aの回転軸線をO−Oとする。ターボ羽根車42は、ファンモータ41のシャフト41aに連結される円板状のハブ43と、ハブ43の下側の面(すなわち、反ファンモータ41側の面)の外周部に設けられた複数の主ブレード44と、主ブレード44の下側に設けられた中央に開口を有する円板状のシュラウド45とを有している。ハブ43の内周部分は、反ファンモータ側に膨出されており、その膨出した部分に対応するようにファンモータ41が配置されている。遠心送風機4は、複数の主ブレード44の回転によって、ターボ羽根車42の下側からシュラウド45の開口を通じて空調室内の空気を吸入し、ターボ羽根車42の外周側に吸入した空気を吹き出すようになっている。また、ターボ羽根車42のハブ43には、ファンモータ41を冷却するためのモータ冷却機構51が設けられているが、詳細は後述する。
【0017】
遠心送風機4の下側には、遠心送風機4へ空気を案内するためのベルマウス5が配置されている。
遠心送風機4の外周側には、遠心送風機4を取り囲むように、熱交換器6が配置されている。熱交換器6は、屋外等に設置された熱源ユニットに冷媒配管を介して接続されている。これにより、熱交換器6は、冷房運転時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮器として機能して、遠心送風機4から吹き出された空気の温度を調節することが可能である。
【0018】
熱交換器6の下側には、熱交換器6において空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン7が配置されている。
熱交換器6の上端部とケーシング2の天板21との間には、ケーシング断熱材8が挟まれるように配置されている。ケーシング断熱材8は、熱交換器6の上端部とケーシング2の天板21との間から外側に向かって延び、ケーシング2の側板22の内面全体を覆うように配置されている。これにより、ケーシング2の天板21や側板22から外部への熱損失やケーシング2の結露等を防いでいる。
【0019】
ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3は、その中央部に形成された空気吸入口31と、側縁部に形成された複数個(例えば、4個)の空気吹出口32とを有している。また、化粧パネル3の空気吸入口31には、空気吸込口31から吸込まれた空気中の塵埃を除去するためのフィルタ33が設けられている。さらに、化粧パネル3の上端部とケーシング2の下端部との間には、パネル断熱材9が設けられている。
【0020】
以上のように、空気調和装置1には、化粧パネル3の空気吸入口31からフィルタ33、ベルマウス5、遠心送風機4及び熱交換器6を経由して、空気吹出口32へ至る空気流路が形成されている。
(2)モータ冷却機構の構成
次に、モータ冷却機構51の構成について、図5〜図7を用いて説明する。ここで、図5は、図4の遠心送風機4を拡大して示した図である。図6は、図5のA矢視図である。図7は、図5のB矢視図(但し、ケーシング2及びファンモータ41を除く)である。尚、図6及び図7の矢印Rは、遠心送風機4のターボ羽根車42(すなわち、ハブ43)の回転方向を示す。
【0021】
モータ冷却機構51は、冷却用空気孔43aと、複数の冷却用ブレード52とから構成されている。
冷却用空気孔43aは、ターボ羽根車42によって外周側に吹き出された空気の一部をファンモータ41の近傍に導くために、ハブ43に設けられた孔であり、本実施形態において、ハブ43の同心円上に並んで複数個(本実施形態では、5個)形成された長孔である。また、冷却用空気孔43aは、主ブレード44が設けられた半径方向位置よりも内周側に形成されている。尚、冷却用空気孔43aは、従来の遠心送風機904のハブ943に形成された冷却用空気孔943aに比べて開口面積が大きくなっている(図6及び図7参照)。
【0022】
冷却用ブレード52は、冷却用空気孔43aの下面側(空気吸入口31側)からハブ43の上面側(ファンモータ41側)へ流れる空気を昇圧して外周側に向かって吹き出すことが可能である。冷却用ブレード52は、本実施形態において、ハブ43のファンモータ41側の面において、冷却用空気孔43aが形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられている。そして、冷却用ブレード52は、本実施形態において、その翼弦長L1が主ブレード44の翼弦長Lと同じであり、かつ、その後縁部の出口角度α1(ハブ43の外周縁における接線と冷却用ブレード52の後縁部とがなす角度、図7参照)が主ブレード44の後縁部の出口角度αよりも小さい、すなわち、主ブレード44よりも後傾した翼形状を有しており、主ブレード44よりも高静圧の性能を有している。
【0023】
(3)空気調和装置の動作
次に、空気調和装置1の動作について、図4〜5を用いて説明する。
まず、運転が開始されると、ファンモータ41が駆動されて、遠心送風機4のターボ羽根車42が回転する。また、ファンモータ41の駆動とともに、熱交換器6には冷媒が循環される。ここで、熱交換器6は、冷房運転時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮器として作用する。そして、ターボ羽根車42の回転に伴って、空調室内の空気が、化粧パネル3の空気吸入口31からフィルタ33及びベルマウス5を介して、遠心送風機4の下側から吸入される。この空気が、ターボ羽根車42によって外周側に吹き出されて熱交換器6に達し、熱交換器6において冷却又は加熱された後、各空気吹出口32から室内に向かって吹き出されて、室内の冷房又は暖房を行うことになる(図4の矢印F1’、F2’及びF3’参照)。
【0024】
ここで、遠心送風機4においては、空気吸入口31及びシュラウド45の開口を介してターボ羽根車42の内部の空間S1に軸O−O方向(図2の矢印A方向)から空気が吸入されている(図4及び図5の矢印F1’参照、以下、吸入空気流F1’とする)。そして、吸入空気流F1’は、主ブレード44に向かう主空気流F2’と、冷却用ブレード52の送風作用によって冷却用空気孔43aを通じてファンモータ41を冷却する冷却空気流F4’との2つに分かれるようになる。そして、主空気流F2’は、主ブレード44によって昇圧されて外周側の空間S2に吹き出される。一方、冷却空気流F4’は、ファンモータ41の近傍を通過した後、冷却用ブレード52によって昇圧されて外周側の空間S2に吹き出され、主空気流F2’に合流されている。その後、主空気流F2’及び冷却空気流F4’とが合流した空気流(図4の矢印F3’参照、以下、吹出空気流F3’とする)は、上記のように、熱交換器6を通過した後、空気吹出口32から吹き出されている。すなわち、ファンモータ41を冷却するための冷却空気流F4’は、主ブレード44よりも高静圧の性能を有する冷却用ブレード52によって、冷却用空気孔43aを通じて、空間S1から空間S3の方向に流れるようになっている。
【0025】
(4)モータ冷却機構、遠心送風機及び空気調和装置の特徴
本実施形態の遠心送風機4及び空気調和装置1、特に、遠心送風機4に設けられたモータ冷却機構51には、以下のような特徴がある。
(A)本実施形態のモータ冷却機構51では、冷却用ブレード52の送風作用によって、ファンモータ41を冷却するための冷却空気流F4’の流れ方向が従来の冷却空気流F4(図1及び図2参照)と逆の流れ方向となっており、従来の遠心送風機904におけるファンモータ41の冷却に使用された冷却空気流F4に相当する風量(具体的には、冷却空気流F4’)も、主空気流F2’に合流した吹出空気流F3’として、遠心送風機4から送風されるようになっているため、ファンモータ41の冷却機能を損なうことなく、遠心送風機4全体としての送風効率を向上させることができる。これに伴って、空気調和装置1の空調能力も向上することになる。
【0026】
(B)また、冷却用ブレード52は、従来の空気調和装置1においても存在していたケーシング2(具体的には、天板21)とハブ43との上下方向間の空間S3を利用して設けられているため、従来のターボ羽根車942と同じ設置スペースに配置することができる。しかも、この場合、主ブレード44から空間S2に吹き出される主空気流F2’の風量は、従来のターボ羽根車942において主ブレード44から空間S2に吹き出される主空気流F2の風量とほぼ同じとなるとともに、冷却用ブレード52によって空間S2に吹き出される冷却空気流F4’の風量分だけ、空間S1に吸入される吸入空気流F1’の風量が増加することになり、送風能力の向上にも寄与することできる。
【0027】
(C)さらに、冷却用空気孔43aは、従来の遠心送風機904のモータ冷却機構951を構成する冷却用空気孔943aよりも開口面積を大きくしているため、空間S1と空間S3との間の静圧差が小さくなり、吸入空気流F1’の一部が冷却空気流F4’として、スムーズに空間S3側に案内されるようになっている。
[第2実施形態]
第1実施形態の空気調和装置1の遠心送風機4においては、モータ冷却機構51を構成する冷却用ブレード52を主ブレード44よりも後傾した翼形状にして高静圧化しているが、冷却用ブレードの翼弦長を主ブレードの翼弦長よりも長くして高静圧化してもよい。
【0028】
具体的には、本実施形態の空気調和装置101の遠心送風機104は、図8及び図9に示すように、モータ冷却機構151を構成する冷却用ブレード152の後縁部の出口角度α2を主ブレード44の後縁部の出口角度αと同じにしたまま、翼弦長L2を主ブレード44の翼弦長Lよりも長くすることにより、高静圧化している。
【0029】
[第3実施形態]
第1実施形態の空気調和装置1の遠心送風機4においては、モータ冷却機構51を構成する冷却用ブレード52を主ブレード44よりも後傾した翼形状にして高静圧化し、第2実施形態の空気調和装置101の遠心送風機104においては、モータ冷却機構151を構成する冷却用ブレード152翼弦長L2を主ブレード44の翼弦長Lよりも長くして高静圧化しているが、冷却用ブレードを主ブレードよりも後傾した翼形状にするとともに、冷却用ブレードの翼弦長を主ブレードの翼弦長よりも長くして高静圧化してもよい。
【0030】
具体的には、本実施形態の空気調和装置201の遠心送風機204は、図10に示すように、第1実施形態と同様、モータ冷却機構251を構成する冷却用ブレード252の後縁部の出口角度α3を主ブレード44の後縁部の出口角度αよりも小さくして後傾した翼形状にするとともに、第2実施形態と同様、冷却用ブレード252の翼弦長L3を主ブレード44の翼弦長Lよりも長くすることにより、高静圧化している。
【0031】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)前記実施形態では、ターボ型の遠心送風機を例として説明したが、これに限定されず、ラジアル型等の種々のタイプの遠心送風機に適用することが可能である。
【0032】
(2)前記実施形態では、天井埋込型の空気調和装置を例として説明したが、これに限定されず、ケーシング内を流れる空気を利用して電動機を冷却するタイプの遠心送風機を有する種々の空気調和装置に適用することが可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
請求項1にかかる発明では、冷却用空気孔を設けるとともに、主板の電動機側の面に主翼よりも高静圧の性能を有する冷却用翼を設けているため、従来の遠心送風機における電動機の冷却に使用された冷却空気流の風量の分も、遠心送風機から送風されるようになるため、電動機の冷却機能を損なうことなく、遠心送風機全体としての送風効率を向上させることができる。
【0034】
請求項2にかかる発明では、冷却用翼を主翼よりも後傾した翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧性能化を実現している。
請求項3にかかる発明では、冷却用翼を主翼よりも翼弦長が長い翼形状にすることによって、冷却用翼の高静圧性能化を実現している。
請求項4にかかる発明では、送風効率が向上された遠心送風機を備えているため、空気調和装置の空調性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置の概略側面断面図。
【図2】図1の遠心送風機を拡大して示した図。
【図3】図2のA矢視図。
【図4】第1実施形態のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置の概略側面断面図。
【図5】図4の遠心送風機を拡大して示した図。
【図6】図5のA矢視図。
【図7】図5のB矢視図(但し、ケーシング及びファンモータを除く)。
【図8】第2実施形態のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置を示す図であって、図5に相当する図。
【図9】図8のB矢視図(但し、ケーシング及びファンモータを除く)。
【図10】第3実施形態のモータ冷却機構を有する遠心送風機を備えた空気調和装置を示す図であって、図9に相当する図。
【符号の説明】
1、101、201 空気調和装置
2 ケーシング
4、104、204 遠心送風機
6 熱交換器
41 ファンモータ
41a シャフト
43 ハブ
43a 冷却用空気孔
44 主ブレード
52、152、252 冷却用ブレード
Claims (4)
- 回転軸方向から空気を吸入して回転軸(41a)に交差する方向に空気を吹き出す遠心送風機(4、104、204)であって、
前記回転軸を有する電動機(41)と、
前記電動機の近傍に形成された冷却用空気孔(43a)を有し、前記回転軸に連結されて回転駆動される円板状の主板(43)と、
前記主板の反電動機側の面において、前記冷却用空気孔が形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられた複数の主翼(44)と、
前記主板の電動機側の面において、前記冷却用空気孔が形成された半径方向位置よりも外周側の位置に設けられ、前記主翼よりも高静圧の性能を有する複数の冷却用翼(52、152、252)と、
を備えた遠心送風機(4、104、204)。 - 前記冷却用翼(52、252)は、前記主翼(44)よりも後傾した翼形状を有している、請求項1に記載の遠心送風機(4、204)。
- 前記冷却用翼(152、252)は、前記主翼(44)よりも翼弦長が長い翼形状を有している、請求項1又は2に記載の遠心送風機(104、204)。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の遠心送風機(4、104、204)と、
前記遠心送風機の外周側に配置された熱交換器(6)と、
前記遠心送風機及び前記熱交換器を収納するケーシング(2)と、
を備えた空気調和装置(1、101、201)。
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