JP2015124410A - 熱延鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における鋼組織が、ベイナイト50%以上、ポリゴナルフェライト2%以上30%未満、残留オーステナイト3%以上、残部が15.0%以下、残留オースナイトを除く鋼組織において15°以上の結晶方位差を有する粒界で囲まれる粒の平均粒径が15μm以下、Vαs>1.2Vαq,およびVγs>Vγqを満足する鋼組織を有し、板厚が1.2mm超6mm以下である熱延鋼板である。 Vαsは鋼板表面から100μm深さ位置でのフェライトの面積率(%)、Vγsは鋼板表面から100μm深さ位置での粒状の残留オーステナイトの面積率(%)、Vαqは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置でのフェライトの面積率(%)、Vγqは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置での粒状の残留オーステナイトの面積率(%)である。
【選択図】なし
Description
(1)質量%で、C:0.08%超0.30%未満、Si:0.10%以上3.0%以下、Mn:1.0%以上4.0%以下、P:0.10%以下、S:0.010%以下、sol.Al:0.010%以上3.0%以下、N:0.010%以下を含有し、かつSiとsol.Alの合計含有量(Si+sol.Al)が0.8%以上3.0%以下であり、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における鋼組織が、面積%で、ベイナイトを50%以上、ポリゴナルフェライトを2%以上30%未満、残留オーステナイトを3%以上有し、残部が15.0%以下であって、かつ残留オースナイトを除く鋼組織において15°以上の結晶方位差を有する粒界で囲まれる粒の平均粒径が15μm以下であるとともに、下記式(1)および式(2)を満足する鋼組織を有し、板厚が1.2mm超6mm以下であることを特徴とする熱延鋼板。
Vαsは鋼板表面から100μm深さ位置でのフェライトの面積率(%)であり、
Vγsは鋼板表面から100μm深さ位置での粒状の残留オーステナイトの面積率(%)であり、
Vαqは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置でのフェライトの面積率(%)であり、
Vγqは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置での粒状の残留オーステナイトの面積率(%)である。
(1−1)C:0.08%超0.30%未満
Cは、ベイナイトの生成を促進する作用と残留オーステナイトを安定化する作用とを有する。C含有量が0.08%以下では、目的とするベイナイト面積率や残留オーステナイト面積率を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.08%超とする。好ましくは0.10%以上、さらに好ましくは0.12%以上である。一方、C含有量が0.30%以上では、パーライトが優先的に生成してベイナイトや残留オーステナイトの生成が不十分となり、目的とするベイナイト面積率や残留オーステナイト面積率を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.30%未満とする。C含有量は好ましくは0.25%以下である。
Siは、Alと同様に、セメンタイトの析出を遅延させる作用を有し、これにより、オーステナイトが未変態で残留する量、すなわち残留オーステナイトの面積率を高めることを可能とするとともに、固溶強化により鋼板の強度を高めることを可能とする。また、Siは脱酸により鋼を健全化する作用を有する。Si含有量が0.10%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.10%以上とする。しかし、Si含有量が3.0%超では、鋼板の表面性状や化成処理性の劣化、さらには延性や溶接性の劣化が著しくなるとともに、A3変態点の著しい上昇を招き、安定した熱間圧延を困難にする場合がある。したがって、Si含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下である。後述するように、本発明ではSiおよびsol.Alの合計含有量(Si+sol.Al)が重要であるが、Siはsol.Alよりも固溶強化能が高いことから、より高い強度を求める場合には、Si含有量は、0.5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.8%以上であり、特に好ましくは1.0%以上である。
Mnは、フェライト変態を抑制してベイナイトの生成を促進する作用を有する。Mn含有量が1.0%未満では、目的とするベイナイト面積率を確保することが困難である。したがって、Mn含有量は1.0%以上とする。Mn含有量は、好ましくは1.5%以上であり、さらに好ましくは1.8%以上である。一方、Mn含有量が4.0%超では、フェライト変態が過度に抑制され、目的とするポリゴナルフェライト面積率を確保することが困難となる。また、Mn含有量が4.0%超では、ベイナイト変態の完了が遅延するためにオーステナイトへの炭素濃化が促進されず、残留オーステナイトの生成が不十分となり、目的とする残留オーステナイト面積率を確保することが困難となるとともに、残留オーステナイト中の炭素濃度を高めることが困難となる。したがって、Mn含有量は、4.0%以下であり、好ましくは3.6%以下であり、さらに好ましくは3.2%以下である。
Pは、一般に不純物として含有される元素であるが、固溶強化により強度を高める作用を有する元素でもある。したがって、Pを積極的に含有させてもよい。しかし、Pは、偏析し易い元素であり、その含有量が0.10%を超えると、粒界偏析に起因する成形性や靭性の低下が顕著となる。したがって、P含有量は、0.10%以下であり。好ましくは0.030%以下であり、さらに好ましくは0.020%以下である。P含有量の下限は、特に規定する必要はないが精錬コストの観点から、0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼中に硫化物系介在物を形成して熱延鋼板の成形性を低下させる。S含有量が0.010%を超えると、成形性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は、0.010%以下であり、好ましくは0.0050%以下であり、さらに好ましくは0.0030%以下であり、最も好ましくは0.0010%以下である。S含有量の下限は特に規定する必要はないが、精錬コストの観点からはS含有量は0.0001%以上とすることが好ましい。
Alは、Siと同様に、鋼を脱酸して鋼板を健全化する作用を有するとともに、オーステナイトからのセメンタイトの析出を抑制することで残留オーステナイトの生成を促進する作用を有する。sol.Al含有量が0.010%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、sol.Al含有量は、0.010%以上であり、好ましくは0.20%以上である。一方、sol.Al含有量が3.0%超では、A3変態点の著しい上昇を招いて、安定した熱間圧延を困難にする場合がある。したがって、sol.Al含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。
Nは、不純物として含有される元素であり、鋼板の成形性を低下させる作用を有する。N含有量が0.010%超では成形性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は、0.010%以下であり、好ましくは0.0080%以下であり、さらに好ましくは0.0070%以下である。N含有量の下限は特に規定する必要はないが、後述するようにTi、NbおよびVの1種または2種以上を含有させて鋼組織の微細化を図る場合を考慮すると、炭窒化物の析出を促進させるためにN含有量は0.0010%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.0020%以上である。
上述したように、SiおよびAlは、ともに、残留オーステナイトの生成を促進する作用を有するため、目的とする残留オーステナイト面積率を確保する観点から、Siおよびsol.Alの合計含有量(Si+sol.Al)を規定する。
Ti、NbおよびVは、いずれも、鋼中に炭化物または窒化物として析出し、そのピン止め効果によって鋼組織を微細化する作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、過剰に含有させても、上記作用による効果が飽和して不経済となる。したがって、Ti含有量は0.20%以下、Nb含有量は0.10%以下、V含有量は0.50%以下とする。これらの元素の上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.005%以上、Nb:0.002%以上、およびV:0.005%以上のいずれかを満足させることが好ましい。
Cr、Mo、NiおよびBは、いずれも、焼入性を高める作用を有する。また、CrおよびNiは残留オーステナイトを安定化させる作用を有し、Moは鋼中に炭化物を析出して強度を高める作用を有する。さらに、Niは、後述するように、Cuを含有させる場合においては、Cuに起因するスラブの粒界割れを効果的に抑制する作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。
Ca、MgおよびREMは、いずれも、介在物の形状を調整することにより、成形性を高める作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、これらの元素の含有量が上記上限値を超えると、鋼中の介在物が過剰となり、却って成形性を低下させる場合がある。したがって、各々の元素の含有量は上記のとおりとする。それぞれの元素は、好ましくは0.010%以下、さらに好ましくは0.005%以下である。上記作用による効果をより確実に得るには上記元素のいずれかを0.0005%以上含有させることが好ましい。
Cuは、低温で析出して強度を高める作用を有するので、鋼中に含有させてもよい。しかし、Cu含有量が1.0%超では、スラブの粒界割れが生じる場合がある。したがって、Cu含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満である。上記作用による効果をより確実に得るにはCu含有量は0.05%以上とすることが好ましい。
(Bi:0.020%以下)
Biは、凝固組織を微細化することにより成形性を高める作用を有するので、鋼中に含有させてもよい。しかし、Bi含有量を0.020%超としても、上記作用による効果は飽和してしまい、コスト的に不利となる。したがって、Bi含有量は0.020%以下とする。好ましくは0.010%以下である。上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
化学成分における上記以外の残部は、Feおよび不純物である。
本発明に係る熱延鋼板の組織は、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置および鋼板表面から100μm深さ位置での鋼組織に特徴を有する。ここで、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置は、鋼板表面と鋼板の板厚中心との中間点であるので、この位置での鋼組織は鋼板の平均的な組織を示している。一方、鋼板表面から100μm(=0.1mm)深さの位置での鋼組織は、鋼板の表面近傍における組織を示す。表面から数十μm深さまでの表層は、酸化スケールや冷却の影響によって組織が乱れる可能性があるので、そのような乱れを避けるために、表面から100μm深さ位置での組織によって鋼板表面近傍の組織を規定する。
上述したように、ベイナイトは、硬質かつ均質な組織であり、高い強度と優れた伸びフランジ性とを兼備させるのに最も適した組織である。ベイナイト面積率が50%未満では高い強度と優れた伸びフランジ性とを鋼板に兼備させることが困難である。したがって、ベイナイト面積率は50%以上とする。好ましくは60%以上である。ベイナイト面積率の上限は特に規定する必要はない。しかし、後述する他の相や組織の面積率の下限値より、ベイナイト面積率は95%以下となる。なお、本発明におけるベイナイトには上部ベイナイトおよび下部ベイナイトの双方が含まれる。
軟質なポリゴナルフェライトを含有させることにより、鋼板の変形初期の加工硬化指数が向上する。さらに、反射的効果として残留オーステナイトへの炭素濃化が促進されるため、変形後期の加工硬化指数も向上する。その結果、鋼板の延性および伸びフランジ性が向上する。ポリゴナルフェライト面積率が2.0%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、ポリゴナルフェライト面積率は2.0%以上とする。
残留オーステナイトは、変態誘起塑性(TRIP)により延性を高める作用を有する。残留オーステナイト面積率が3%未満では、上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、残留オーステナイト面積率は3%以上とする。好ましくは4%以上、さらに好ましくは6%以上である。残留オーステナイト面積率の上限は特に規定する必要はないが、上記化学組成において確保し得る残留オーステナイト面積率は概ね40%未満である。
本発明に係る熱延鋼板の組織は、上述したベイナイト、ポリゴナルフェライトおよび残留オーステナイトから構成されることが成形性の観点から好ましいが、マルテンサイト、パーライト、セメンタイトなど上記以外の組織が混在したとしても、その面積率が15%以下であれば許容できる。上記残部の面積率は好ましくは10%以下である。
上述したように、残留オーステナイトは、主に15°以上の結晶方位差を有する粒の間とベイナイトラス間とに形成される。そして、前者の方が後者に比して粗大化する傾向にあるため、前者の残留オーステナイトを微細に分散させることが重要である。そのためには、15°以上の結晶方位差を有する粒の平均粒径を小さくして、残留オーステナイトの生成サイトを増加させることが有効である。
伸びフランジ成形や曲げ成形等のように、鋼板内部に比して鋼板表層部における歪量が大きい成形法では、鋼板表層部における変形能を高めるとともに、打ち抜き加工時の微小クラックの生成を抑制することが重要である。そのため、本発明に係る熱延鋼板の組織は、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における鋼組織を以上のように規定するほかに、鋼板表面から100μm深さ位置での鋼組織と板厚の1/4深さ位置での鋼組織との関係を以下のように規定する。
熱延鋼板の板厚は1.2mm超6mm以下である。熱延鋼板の板厚が1.2mm以下では、圧延完了温度の確保が困難になるとともに圧延荷重が過大となって、熱間圧延が困難となる場合がある。したがって、本発明に係る熱延鋼板の板厚は1.2mm超とする。好ましくは1.4mm以上である。一方、板厚が6mm超では、鋼組織の微細化が困難となり、上述した鋼組織を確保することが困難となる。また、上述した傾斜組織を得ることも困難となる。したがって、板厚は6mm以下とする。好ましくは5mm以下である。
(4−1)めっき層
上述した化学組成および鋼組織を有する本発明に係る熱延鋼板の表面には、耐食性の向上等を目的としてめっき層を備えさせて表面処理鋼板としてもよい。めっき層は電気めっき層であってもよく溶融めっき層であってもよい。電気めっき層としては、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等が例示される。溶融めっき層としては、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。めっき付着量は特に制限されず、従来と同様でよい。また、めっき後に適当な化成処理(例えば、シリケート系のクロムフリー化成処理液の塗布と乾燥)を施して、耐食性をさらに高めることも可能である。
本発明に係る熱延鋼板は、上述した化学組成と板厚方向の傾斜組織を含む鋼組織および板厚を有するものであればよく、その製造方法は特に限定されないが、本発明に係る熱延鋼板を得るのに好適な製造方法を以下に説明する。
t:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間時間(秒)
T:最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延完了温度(℃)
この製造方法を採用することにより、上記化学組成、板厚方向の傾斜組織を含む鋼組織および板厚を有する熱延鋼板を製造することが容易になる。以下に製造方法についてより詳しく説明する。
熱間圧延に供するスラブは、連続鋳造により得られたスラブや鋳造・分塊により得られたスラブなどを用いることができ、必要によってはそれらに熱間加工または冷間加工を加えたものを用いることができる。
最終圧延パスと1つ前の圧延パスおよび2つ前の圧延パスにおける圧下率は30%以上50%以下とすることが好ましい。
圧延完了温度は860℃以上1050℃以下とすることが好ましい。圧延完了温度を860℃以上とすることにより、圧延時の変形抵抗が低減され、圧延が容易になる。したがって、圧延完了温度は860℃以上とすることが好ましい。さらに好ましくは880℃以上、特に好ましくは900℃以上である。
上記式(4)を満足することにより、最終圧延パスの1つ前の圧延パスの圧延完了から最終圧延パスの圧延開始までのパス間において、オーステナイトの再結晶が促進されるとともにオーステナイトの粒成長が抑制されるため、圧延中の再結晶オーステナイト粒の微細化が図られ、これにより延性および穴拡げ性に好適な鋼組織となる。
圧延により導入した歪による駆動力を効率的に活用して変態させるため、圧延完了の一次冷却は0.3秒間以内に冷却を開始して、200℃/秒以上の冷却速度で850℃未満Ar3点以上の温度域まで冷却することが好ましい。
850℃未満Ar3点以上の温度域での滞留時間は1秒間以上3秒間未満とすることが好ましい。これによって、鋼板の表層近傍でのフェライト変態駆動力を残したまま、鋼板の内部の蓄積歪みを解放されることが可能となる。これにより、鋼板の表層近傍でのフェライト量が内部に比べて多いという延性および伸びフランジ性に好適な鋼組織を得ることができる。1秒間未満では、鋼板の内部の歪み解放が不十分なためフェライト生成量が増し、伸びフランジ性が低下する。一方、3秒間以上では鋼板の表面に導入された歪みが解放してしまい、延性が低下する。したがって、850℃未満Ar3点以上の温度域での滞留時間は1秒間以上3秒間未満とすることが好ましい。
上述した鋼板の表層近傍におけるフェライト面積率を確保するには、フェライト変態が活発となる600℃以上750℃未満の温度域まで20℃/秒以上の冷却速度で冷却し、この温度域にて1秒間以上15秒間以内滞在させることが好ましい。冷却速度が20℃/秒未満の場合、鋼板の内部で冷却中にフェライト変態が生じベイナイト主体の組織と成り難い。したがって、この温度域への冷却速度は20℃/秒以上とすることが好ましく、より好ましくは40℃/秒、さらに好ましくは60℃/秒、特に好ましくは80℃/秒である。
巻取温度は350℃以上500℃以下とすることが好ましい。巻取温度を350℃以上とすることにより、マルテンサイトの生成を抑制しつつ、圧延により導入した歪による駆動力を効率的に利用したベイナイト変態が実現され、50面積%以上のベイナイト面積率を確保するとともにベイナイトを微細なものとし、さらに、3面積%以上の残留オーステナイト面積率を確保することが容易になる。また、残留オーステナイト中の炭素濃度を高めることが容易になる。したがって、巻取温度は350℃以上とすることが好ましい。
光学顕微鏡やSEMによる観察像では、ベイナイト、残留オーステナイトおよびマルテンサイトの区別が困難な場合があるため、以下の方法で各々の相および組織の面積率を定量した。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.08%超0.30%未満、Si:0.10%以上3.0%以下、Mn:1.0%以上4.0%以下、P:0.10%以下、S:0.010%以下、sol.Al:0.010%以上3.0%以下、N:0.010%以下を含有し、かつSiとsol.Alの合計含有量(Si+sol.Al)が0.8%以上3.0%以下であり、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における鋼組織が、面積%で、ベイナイトを50%以上、ポリゴナルフェライトを2%以上30%未満、残留オーステナイトを3%以上有し、残部が15.0%以下であって、かつ残留オースナイトを除く鋼組織において15°以上の結晶方位差を有する粒界で囲まれる粒の平均粒径が15μm以下であるとともに、下記式(1)および式(2)を満足する鋼組織を有し、板厚が1.2mm超6mm以下であることを特徴とする熱延鋼板。
Vαsは鋼板表面から100μm深さ位置でのフェライトの面積率(%)であり、
Vγsは鋼板表面から100μm深さ位置での粒状の残留オーステナイトの面積率(%)であり、
Vαqは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置でのフェライトの面積率(%)であり、
Vγqは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置での粒状の残留オーステナイトの面積率(%)である。 - 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.20%以下、Nb:0.10%以下およびV:0.50%以下からなる群から選択される1種または2種以上を有する請求項1に記載の熱延鋼板。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1.0%未満、Mo:0.5%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.0050%以下からなる群から選択される1種または2種以上を有する請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.020%以下、Mg:0.020%以下およびREM:0.020%以下からなる群から選択される1種または2種以上を有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Cu:1.0質量%以下を有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Bi:0.020質量%以下を含有する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の熱延鋼板。
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