JP5655712B2 - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
なかでも、残留オーステナイトを含有する鋼板は、変態誘起塑性(TRIP)現象により優れた延性を示すことから多くの検討がなされている。
特許文献2に記載された発明は、Cr含有量を1.0%以上とすることを必須としているため、化成処理性に問題がある。さらに、重要な成形性の指標の一つである伸びフランジ性について考慮されていない。
(a)高い強度を得るには鋼組織は硬質であることが好ましく、優れた伸びフランジ性を得るには鋼組織は均質であることが好ましい。したがって、高い強度と優れた伸びフランジ性とを兼備させるには、硬質かつ均質な組織であるベイナイトが最も適しており、ベイナイトを主体とする鋼組織とすることが重要である。
(c)そこで、適量のポリゴナルフェライトと残留オーステナイトとを含有させることにより、優れた延性をも兼備させる。
(f)ここで、残留オーステナイトは変態誘起塑性(TRIP)により延性を高める反面、変態誘起塑性(TRIP)により硬質なマルテンサイトに変態して伸びフランジ性を低下させる。このため、単に残留オーステナイトを含有させたのでは、ベイナイトを主体とする鋼組織とすることによる伸びフランジ性向上作用が減殺されてしまい、優れた伸びフランジ性を確保することが困難となる。
(1)質量%で、C:0.08%超0.30%未満、Mn:1.0%以上4.0%以下、Si:0.10%以上3.0%未満、sol.Al:0.01%以上3.0%以下、但し、Siおよびsol.Alの合計含有量が0.8%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有するスラブに、最終圧延パスにおける圧下率を5%以上50%以下として910℃以上1050℃以下の温度域で圧延を完了する多パス熱間圧延を施して1.2mm超6mm以下の板厚に仕上げた後、得られた鋼板を熱間圧延完了後1秒間以内に720℃以下の温度域まで冷却し、500℃超720℃以下の温度域に1秒間以上15秒間以下の時間だけ滞在させた後、350℃以上500℃以下の温度域で巻き取ることを特徴とする、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置において、ベイナイト面積率V B が40%以上、ポリゴナルフェライト面積率V α が2.0%以上50%未満、残留オーステナイト面積率V γ が3%以上、ベイナイト、ポリゴナルフェライトおよび残留オーステナイトを除く残部の面積率が10.0%以下であり、残留オースナイトを除く鋼組織において15°以上の結晶方位差を有する粒界で囲まれる粒の平均粒径が15μm以下であり、鋼板表面から100μm深さ位置における残留オーステナイト面積率V γs と、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における残留オーステナイト面積率V γ とが式(1)を満足する熱延鋼板の製造方法。
V γs >V γ (1)
(6)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Bi:0.020質量%以下を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
(C:0.08%超0.30%未満)
Cは、ベイナイトの生成を促進する作用と残留オーステナイトを安定化する作用とを有する。C含有量が0.08%以下では、目的とするベイナイト面積率や残留オーステナイト面積率を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.08%超とする。好ましくは0.10%以上である。一方、C含有量が0.30%以上では、パーライトが優先的に生成してしまう。その結果、ベイナイトや残留オーステナイトの生成が不十分となり、目的とするベイナイト面積率や残留オーステナイト面積率を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.30%未満とする。好ましくは0.25%以下、さらに好ましくは0.22%以下である。
Mnは、フェライト変態を抑制してベイナイトの生成を促進する作用を有する。Mn含有量が1.0%未満では、目的とするベイナイト面積率を確保することが困難である。したがって、Mn含有量は1.0%以上とする。好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは1.8%以上である。一方、Mn含有量が4.0%超では、フェライト変態が過度に抑制されてしまい、目的とするポリゴナルフェライト面積率を確保することが困難となる。また、ベイナイト変態の完了が遅延するためにオーステナイトへの炭素濃化が促進されず、残留オーステナイトの生成が不十分となり、目的とする残留オーステナイト面積率を確保することが困難となる。さらに、残留オーステナイト中の炭素濃度を高めることが困難となる。したがって、Mn含有量は4.0%以下とする。好ましくは3.6%以下、さらに好ましくは3.2%以下である。
Siは、鋼を脱酸して鋼板を健全化する作用を有するとともに、オーステナイトからのセメンタイトの析出を抑制することで残留オーステナイトの生成を促進する作用を有する。また、固溶強化により強度を高める作用を有する。Si含有量が0.10%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.10%以上とする。好ましくは0.5%以上である。一方、Si含有量が3.0%以上では、A3点の著しい上昇を招き、安定した熱間圧延を困難にする場合がある。また、延性や溶接性の劣化を招く。したがって、Si含有量は3.0%未満とする。好ましくは2.5%未満である。
Alは、Siと同様に、鋼を脱酸して鋼板を健全化する作用を有するとともに、オーステナイトからのセメンタイトの析出を抑制することで残留オーステナイトの生成を促進する作用を有する。sol.Al含有量が0.01%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、sol.Al含有量は0.01%以上とする。好ましくは0.10%以上、さらに好ましくは0.20%以上である。一方、sol.Al含有量が3.0%超では、A3点の著しい上昇を招いて、安定した熱間圧延を困難にする場合がある。したがって、sol.Al含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。
上述したように、SiおよびAlはともに残留オーステナイトの生成を促進する作用を有するため、目的とする残留オーステナイト面積率を確保する観点から、Siおよびsol.Alの合計含有量を規定する。
Pは、一般に不純物として含有される元素であるが、固溶強化により強度を高める作用を有する元素でもある。したがって、Pを積極的に含有させてもよい。しかし、Pは偏析し易い元素であり、その含有量が0.050%を超えると、粒界偏析に起因する成形性や靭性の低下が顕著となる。したがって、P含有量は0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下、さらに好ましくは0.020%以下である。P含有量の下限は特に規定する必要はないが、精錬コストの観点からは0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼中に硫化物系介在物を形成して成形性を低下させる。S含有量が0.010%を超えると、成形性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.010%以下とする。好ましくは0.0050%以下、さらに好ましくは0.0030%以下、最も好ましくは0.0010%以下である。S含有量の下限は特に規定する必要はないが、精錬コストの観点からは0.0001%以上とすることが好ましい。
Nは、不純物として含有される元素であり、鋼板の成形性を低下させる作用を有する。N含有量が0.010%超では成形性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.010%以下とする。好ましくは0.0080%以下、さらに好ましくは0.0070%以下である。N含有量の下限は特に規定する必要はないが、後述するようにTi、NbおよびVの1種または2種以上を含有させて鋼組織の微細化を図る場合を考慮すると、炭窒化物の析出を促進させるために0.0010%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.0020%以上である。
Ti、NbおよびVは、熱間圧延工程において微細炭窒化物を生成し、そのピン止め効果によって熱間圧延完了後かつ冷却による変態前におけるオーステナイトを微細化し、最終製品である熱延鋼板の鋼組織をも微細化する作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。
Cr、Mo、NiおよびBは、焼入性を高める作用を有する。また、CrおよびNiは残留オーステナイトを安定化させる作用を有し、Moは鋼中に炭化物を析出して強度を高める作用を有する。また、Niは、後述するようにCuを含有させる場合においては、Cuに起因するスラブの粒界割れを効果的に抑制する作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。
Ca、MgおよびREMは、介在物の形状を調整することにより、成形性を高める作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、これらの元素含有量が上記上限値を超えると、鋼中の介在物が過剰となり、却って成形性を低下させる場合がある。したがって、各々の元素の含有量は上記のとおりとする。それぞれの元素は、好ましくは0.010%以下、さらに好ましくは0.005%以下である。上記作用による効果をより確実に得るには上記元素のいずれかを0.0005%以上含有させることが好ましい。
Cuは、低温で析出して強度を高める作用を有するので、鋼中に含有させてもよい。しかし、Cu含有量が1.0%超では、スラブの粒界割れが生じる場合がある。したがって、Cu含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満である。上記作用による効果をより確実に得るにはCu含有量は0.05%以上とすることが好ましい。
Biは、凝固組織を微細化することにより成形性を高める作用を有するので、鋼中に含有させてもよい。しかし、Bi含有量を0.020%超としても、上記作用による効果は飽和してしまい、コスト的に不利となる。したがって、Bi含有量は0.020%以下とする。好ましくは0.010%以下である。上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
本発明に係る方法により製造される熱延鋼板は、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置において次に説明する鋼組織を有する。この深さ位置は鋼板の表面と板厚中心との中間点であり、熱延鋼板の平均的鋼組織を示している。
上述したように、ベイナイトは硬質かつ均質な組織であり、高い強度と優れた伸びフランジ性とを兼備させるのに最も適した組織である。ベイナイト面積率が40%未満では高い強度と優れた伸びフランジ性とを鋼板に兼備させることが困難である。したがって、ベイナイト面積率は40%以上とする。好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。ベイナイト面積率の上限は特に規定する必要はない。しかし、後述する他の相や組織の面積率の下限値より、ベイナイト面積率は95%以下となる。なお、本発明のベイナイトには上部ベイナイトおよび下部ベイナイトの双方が含まれる。
軟質なポリゴナルフェライトを含有させることにより、鋼板の変形初期の加工硬化指数が向上する。さらに、反射的効果として残留オーステナイトへの炭素濃化が促進されるため、変形後期の加工硬化指数も向上する。その結果、鋼板の延性および伸びフランジ性が向上する。ポリゴナルフェライト面積率が2.0%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、ポリゴナルフェライト面積率は2.0%以上とする。好ましくは4.0%以上、さらに好ましくは6.0%以上である。
残留オーステナイトは、変態誘起塑性(TRIP)により延性を高める作用を有する。残留オーステナイト面積率が3%未満では、上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、残留オーステナイト面積率は3%以上とする。好ましくは4%以上、さらに好ましくは6%以上である。残留オーステナイト面積率の上限は特に規定する必要はないが、上記化学組成において確保し得る残留オーステナイト面積率は概ね40%未満である。
本発明の熱延鋼板の組織は、上述したベイナイト、ポリゴナルフェライトおよび残留オーステナイトから構成されることが成形性の観点から好ましいが、マルテンサイト、パーライト、セメンタイトなど上記以外の組織が混在したとしても、その面積率が15%以下であれば許容できる。残部の面積率は好ましくは10%以下である。
上述したように、残留オーステナイトは、主に15°以上の結晶方位差を有する粒の間とベイナイトラス間とに形成される。そして前者の方が後者に比して粗大化する傾向にあるため、前者の残留オーステナイトを微細に分散させることが重要である。そのためには、15°以上の結晶方位差を有する粒の平均粒径(D)を小さくして、残留オーステナイトの生成サイトを増加させることが有効である。
本発明に係る方法で製造される熱延鋼板の組織は、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における鋼組織が以上に述べたものであるが、さらに以下のような鋼組織とすることが好ましい。
ここで、Vγsは鋼板表面から100μm深さ位置における残留オーステナイト面積率、Vγは鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における残留オーステナイト面積率である。
熱延鋼板の板厚が1.2mm以下では、圧延完了温度の確保が困難になるとともに圧延荷重が過大となって、熱間圧延が困難となる場合がある。したがって、本発明の熱延鋼板の板厚は1.2mm超とする。好ましくは1.4mm以上である。一方、板厚が6mm超では、鋼組織の微細化が困難となり、上述した鋼組織を確保することが困難となる。また、上述した傾斜組織を得ることも困難となる。したがって、板厚は6mm以下とする。好ましくは5mm以下である。
(めっき層)
本発明に係る方法により製造される、上述した化学組成及び鋼組織を有する熱延鋼板の表面には、耐食性の向上等を目的としてめっき層を備えさせて表面処理鋼板としてもよい。めっき層は電気めっき層であってもよく溶融めっき層であってもよい。電気めっき層としては、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等が例示される。溶融めっき層としては、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。めっき付着量は特に制限されず、従来と同様でよい。また、めっき後に適当な化成処理(例えば、シリケート系のクロムフリー化成処理液の塗布と乾燥)を施して、耐食性をさらに高めることも可能である。
上述した化学組成及び鋼組織を有する熱延鋼板は、以下に説明する本発明に係る方法により製造することができる。なお、以下の説明における鋼組織および機械的性質は、特に断りのない限り、製造途上の鋼組織ではなく、最終製品段階である熱延鋼板の鋼組織および機械的性質である。また、鋼組織は板厚の1/4深さ位置における平均的な鋼組織のことである。
熱間圧延に供するスラブは、連続鋳造により得られたスラブや鋳造・分塊により得られたスラブなどを用いることができ、必要によってはそれらに熱間加工または冷間加工を加えたものを用いることができる。
最終圧延パスの圧下率は5%以上50%以下とする。
最終圧延パスの圧下率が5%未満では、圧延により導入する歪が十分でないため、フェライト変態およびベイナイト変態が十分に促進されず、最終製品である熱延鋼板について目的とする鋼組織を得ることが困難となる。したがって、最終圧延パスの圧下率は5%以上とする。好ましくは10%以上である。
圧延完了温度は860℃以上1050℃以下とする。
圧延完了温度が860℃未満では、圧延時の変形抵抗が著しく高くなり、圧延が困難になる場合がある。また、熱間圧延後冷却前におけるオーステナイトが著しく扁平となり、最終製品である熱延鋼板においてベイナイトが圧延方向に伸長した形態を呈するようになり、塑性異方性が大きくなって成形性が低下する場合がある。したがって、圧延完了温度は860℃以上とする。好ましくは880℃以上、さらに好ましくは900℃以上、特に好ましくは910℃以上である。
圧延完了から720℃以下の温度域までの冷却時間は1秒間以内とする。
上述したように、最終圧延パスにより導入する歪の量をある程度制限するため、圧延により導入した歪による駆動力を効率的に活用することが必要となる。
500℃超720℃以下の温度域における滞在時間は1秒間以上15秒間以内とする。
上述したフェライト面積率を確保するには、フェライト変態が活発となる温度域において冷却を一時停止するか、又は冷却速度を低下させることにより、上記温度域に適度な時間滞在させることが必要である。上記化学組成を有し、上記圧延および冷却処理が施された熱延鋼板において、フェライト変態が活発となる温度域は500℃超720℃以下の温度域であるから、上記温度域における滞在時間が重要となる。
巻取温度は350℃以上500℃以下とする。
巻取温度が350℃未満では、マルテンサイトが過度に生成してしまい、40面積%以上のベイナイト面積率や3面積%以上の残留オーステナイト面積率を確保することが困難となる。また、残留オーステナイト中の炭素濃度を高めることが困難となる。したがって、巻取温度は350℃以上とする。
最終圧延パスの1つ前の圧延パスでの圧下率は20%以上50%以下とすることが好ましい。
また、最終圧延パスの1つ前の圧延パスでの圧下率は50%以下とすることにより、圧延荷重の増加を抑制することができ、圧延が容易になる。したがって、最終圧延パスの1つ前における圧延パスでの圧下率は50%以下とすることが好ましい。好ましくは45%以下である。
機械特性として、引張特性および伸びフランジ性を評価した。引張特性は、JIS Z 2201およびJIS Z 2241に準拠して引張試験を行ない、引張強度(TS)と全伸び(El)を測定した。伸びフランジ性は、日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001に準拠して穴拡げ試験を行ない、穴拡げ率(λ)を求めた。
Claims (7)
- 質量%で、C:0.08%超0.30%未満、Mn:1.0%以上4.0%以下、Si:0.10%以上3.0%未満、sol.Al:0.01%以上3.0%以下、但し、Siおよびsol.Alの合計含有量が0.8%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有するスラブに、最終圧延パスにおける圧下率を5%以上50%以下として910℃以上1050℃以下の温度域で圧延を完了する多パス熱間圧延を施して1.2mm超6mm以下の板厚に仕上げた後、得られた鋼板を熱間圧延完了後1秒間以内に720℃以下の温度域まで冷却し、500℃超720℃以下の温度域に1秒間以上20秒間以下の滞在時間で滞在させた後、350℃以上500℃以下の温度域で巻き取ることを特徴とする、
鋼板表面から板厚の1/4深さ位置において、ベイナイト面積率V B が40%以上、ポリゴナルフェライト面積率V α が2.0%以上50%未満、残留オーステナイト面積率V γ が3%以上、ベイナイト、ポリゴナルフェライトおよび残留オーステナイトを除く残部の面積率が10.0%以下であり、残留オースナイトを除く鋼組織において15°以上の結晶方位差を有する粒界で囲まれる粒の平均粒径が15μm以下であり、鋼板表面から100μm深さ位置における残留オーステナイト面積率V γs と、鋼板表面から板厚の1/4深さ位置における残留オーステナイト面積率V γ とが式(1)を満足する熱延鋼板の製造方法。
V γs >V γ (1) - 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.10%以下、Nb:0.10%以下およびV:0.50%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1に記載の熱延鋼板の製造方法。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1.0%未満、Mo:0.5%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.0050%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板の製造方法。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.020%以下、Mg:0.020%以下およびREM:0.020%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Cu:1.0質量%以下を含有する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
- 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Bi:0.020質量%以下を含有する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
- 前記多パス熱間圧延において、最終圧延パスの1つ前の圧延パスにおける圧下率が20%以上50%以下である、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
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