JP2015124393A - 導電材用アルミニウム合金材およびその製造方法 - Google Patents

導電材用アルミニウム合金材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性、曲げ特性に優れ、輸送機材として使用する場合、繰り返し振動に対し板が座屈せず、大トルクでのネジ締めが可能となる。【解決手段】Si:0.40〜0.70%、Fe:0.25%以下、Mg:0.40〜0.70%、Mn:0.02〜0.08%、Cr:0.02〜0.08%、Cu:0.0001〜0.015%、Ti:0.0001〜0.015%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる合金を、均質化処理後に室温まで冷却することなく熱間圧延を開始し、熱間仕上げ圧延の開始温度を430℃以上、仕上り温度を270℃以下とし、熱間圧延仕上げ圧延から50%以上の圧下率で冷間圧延した後、80℃/秒以上で昇温、530℃以上、20秒以上保持する溶体化処理を行い、100℃/秒以上の冷却速度で冷却し、室温まで冷却させることなく65℃以上で50秒以上保持する焼入れを行い、25%以下で冷間圧延を行う。【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品などに用いられる導電材用アルミニウム合金材およびその製造方法に関するものである。
近年、電子材料などの導電材において、銅価格の高騰に伴い、銅合金の代替としてアルミニウム合金を使用する試みが検討されている。例えば、特許文献1では、電子部品集積部に用いることを想定した、熱伝導率、導電率、強度を確保するとともに、プレス成形性能と曲げ加工性に優れたAl−Si−Mg合金が提案されている。また、従来、主にバスバー用途に使用される合金として、JIS A1060合金板材やJIS A6101合金押出材が提案されている。A1060合金板材およびA6101合金押出材は、アルミニウムハンドブックに記載されているように、下記に示す引張特性を有している。
・A1060−H14 引張強さ100MPa、0.2%耐力90MPa、伸び12%、
・A6101−T6 引張強さ220MPa、0.2%耐力195MPa、伸び15%、
上記に示すように、A1060合金板材やA6101合金押出材は、55%IACSの導電率を確保している。また、A6101合金は押出用の合金であるが、連続のプレス加工用途などで使用される場合は生産性に優れる条の方が好ましいとされている。
特許4130613号
しかし、上記材料を輸送機材用途の導電部品(バスバー)などに用いる場合、強度や曲げ特性が十分でないという問題がある。
また、このようなアルミニウム合金を輸送機材用途の導電部品(バスバー)として用いる場合には、使用中の繰り返し振動に伴い、連続的な荷重を受けるので、導電部品を固定するネジなどが緩んでしまう問題がある。そのため、強いトルクでネジ止めをする必要があるが、上記材料ではかしめ状態での荷重に耐えることができず材料が座屈してしまう。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、導電性、および強度に優れ、曲げ特性に優れた材料を提供することを基本的な目的とし、さらには、輸送機材として使用した場合には、繰り返し振動に対しても材料が座屈することなく、大きいトルクでのネジ締めが可能で、輸送機材用の導電部品として最適な材料となる導電材用アルミニウム合金材およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の導電材用アルミニウム合金材のうち、第1の本発明は、質量%で、Si:0.40〜0.70%、Fe:0.25%以下、Mg:0.40〜0.70%、Mn:0.02〜0.08%、Cr:0.02〜0.08%、Cu:0.0001〜0.015%、Ti:0.0001〜0.015%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、導電率が53%IACS以上で、0.2%耐力が215MPa超であることを特徴とする。
第2の本発明の導電材用アルミニウム合金材は、前記第1の本発明において、0.2%耐力値(MPa)×導電率(%IACS)が12,000以上であることを特徴とする。
第3の本発明の導電材用アルミニウム合金材は、前記第1または第2の本発明において、板厚断面方向における結晶粒個数が30個/mm以上であることを特徴とする。
第4の本発明の導電材用アルミニウム合金材の製造方法は、第1の本発明に記載の組成のアルミニウム合金を均質化処理後に室温まで冷却することなく熱間圧延を開始し、熱間仕上げ圧延の開始温度を430℃以上、熱間仕上げ圧延の仕上り温度を270℃以下とし、その後、そのまま、または熱間仕上げ圧延から50.0%以上の圧下率で冷間圧延した後、80℃/秒以上で昇温し、530℃以上で20秒以上保持する溶体化処理を行い、その後、100℃/秒以上の冷却速度で冷却をし、かつ室温まで冷却させることなく65℃以上で50秒以上保持する条件の焼入れを行い、その後、25.0%以下の圧下率で冷間圧延を行うことを特徴とする。
第5の本発明の導電材用アルミニウム合金材の製造方法は、前記第4の本発明において、熱間粗圧延を500℃以上で開始することを特徴とする。
第6の本発明の導電材用アルミニウム合金材の製造方法は、前記第4または第5の本発明において、最終の冷間圧延後、160〜200℃で3〜10時間の時効処理を施すことを特徴とする。
以下に、本発明における規定の限定理由について説明する。なお、成分量についてはいずれも質量%で示される。
Si:0.40〜0.70%
Siは、Mgと強化相β”−MgSi化合物を形成するための必須元素であるが、Si:0.40%未満では、化合物の形成が少ないため材料強度を高める効果が小さく、0.70%を超えると、SiはFeとの化合物も多く形成するので、曲げ加工性の低下を招く。そのため、Siの含有量は0.40〜0.70%の範囲とする。なお、同様の理由で下限を0.40%、上限を0.65%とするのが望ましい。
Fe:0.25%以下
Feは、Al−Fe、Al−Fe−Si系晶出物を形成し、材料中である程度の大きさを有すると、曲げ加工時に割れの伝播経路となるため好ましくない。しかし、Al合金中のFeは不可避的不純物であるので、完全に回避することは難しくできるだけ少ない方が好ましく、上限を0.25%とする。なお、同様の理由で上限を0.20%とするのが望ましい。
Mg:0.40〜0.70%
Mgは、Siと強化相β”−MgSi化合物を形成するための必須元素であるが、Mg含有量が0.40%未満の場合には化合物の形成が少なく時効硬化後に材料強度を達成することができず、一方で、Mgを0.70%超含有とするとSiとの組成バランスを考えて不均衡で固溶Mgが多くなり、導電性を大きく低下させる。よって、Mgの含有量は0.40〜0.70%の範囲とする。なお、同様の理由で下限を0.40%、上限を0.65%とするのが望ましい。
Mn:0.02〜0.08%
本合金中のMnは、必須の含有元素であり、0.02〜0.08%の含有で結晶粒の微細化効果を得ることができる。一方、含有量が多くなるとFe、Crなどと鋳造時に粗大な初晶が晶出し、曲げ特性等が低下すること、また添加に伴い導電性が低下するため、含有量を0.08%以下とした。一方、0.02%未満の含有ではその効果を得ることができない。なお、同様の理由で下限を0.03%、上限を0.07%とするのが望ましい。
Cr:0.02〜0.08%
本合金中のCrは、必須の含有元素であり、Mnと組み合わせて結晶粒の微細化効果を得ることができる。Mnと同様の理由で含有量を0.02〜0.08%の範囲に限定する。なお、同様の理由で下限を0.03%、上限を0.07%とするのが望ましい。
Cu:0.0001〜0.015%
Cuの含有は材料強度を高める作用があるが、本用途に対しては導電率を重視し、曲げ加工性等を両立する必要があるため、含有量をできるだけ制限する目的で0.0001〜0.015%の範囲に限定する。
Ti:0.0001〜0.015%
Tiは結晶粒微細化を目的に添加されるが、Tiの過剰な含有は導電性を大きく阻害する。本用途に対しては、できるだけ含有量を少なくする必要がある。したがって、含有量をできるだけ制限する目的で0.0001〜0.015%の範囲に規制する。また、Ti、Ti−Bの微細化処理なしでは熱間圧延後の組織は粗くなり、冷間圧延及び時効処理後の成形性に悪影響を及ぼすが、遷移元素Mn、Cr量を適切に含有させることによってこの不足を補っている。
0.2%耐力:215MPa超
本合金はバスバー用途に最適化させるため、押出材用途のA6101合金よりも材料強度、特に0.2%耐力値が高いものが好ましい。0.2%耐力が215MPa以下のものは、バスバー用途等でネジ止めの際に座屈する場合があり、導電部品用アルミニウム合金板としては不適である。
導電率:53%IACS以上
銅合金との材料置換を考えると比重差と断面積増を考慮して53%IACS程度の導電率が必要であり、53%IACS以上とする。
均質化処理後に室温まで冷却することなく熱間圧延を開始
押出材用の合金では、バッチ処理でまとめて均質化処理を実施するため不可能な工程であるが、板材を作製するメリットを生かして、スラブ鋳塊冷却中の溶質元素の拡散と化合物の析出を抑制して、時効処理後の材料強度と導電率を高くする目的でこの工程を実施することができる。高温熱処理後、平衡状態に近い冷却を行うと添加した溶質元素が材料の強化に寄与しない安定相として析出してしまう。本製造方法の趣旨は、高い導電性、曲げ性を確保するために、少ない溶質元素量で高い材料強度等を得ることが目的であるので、この段階ではできるだけ高い固溶度を保つ必要がある。よって、均質化処理後にそのまま熱間圧延を開始することが望ましい。
熱間圧延条件
500℃以上で熱間粗圧延を開始し、20〜50mmの厚さになった板に対して430℃以上で熱間仕上げ圧延を開始する。その仕上がりは、270℃以下とすることが望ましい。これは、板材の主要強化元素であるMg、Siの拡散が最も進み、安定相β−MgSiが析出する温度(ノーズ温度)での保持を可能な限り避けて製造することを目的とし、その結果、溶質元素の固溶状態を維持させることで、時効処理後に高い材料強度を得ることができる。
熱間粗圧延と熱間仕上げ圧延の区切りは、スラブ鋳塊から20〜50mm厚さまでの熱間圧延を熱間粗圧延、それ以下の板厚で圧延ロールギャップと張力の制御を伴い、板幅方向で高い平坦度(プロフィル)を可能とする熱間圧延を熱間仕上げ圧延と定義する。
熱間粗圧延を行い易いため、500℃以上で熱間粗圧延を開始する。430℃以上で熱間仕上げ圧延を開始し、仕上がりを270℃以下にコントロールすることで、溶質元素の高い固溶状態を保つことができる。
溶体化処理、焼入れ条件
溶体化処理は連続焼鈍炉で行い、80℃/秒以上で昇温し、530℃で、20秒以上保持し、100℃/秒以上で冷却し、室温まで冷却させることなく65℃以上で50秒以上保持する焼入れ処理を実施することが望ましい。
80℃/秒以上の急昇温によって、溶質元素の析出および結晶粒の粗大化を抑制し、530℃で、20秒以上という高い保持温度、保持時間で固溶量を増加させる。また、室温まで冷却せずに65℃以上、50秒以上で保持することで、その後少なくとも1時間以上は常温よりも高い温度で材料を保持することができる。この常温以上の熱処理では、時効処理時の強化相に結び付く組成のMg−Si−空孔クラスタ(有効クラスタ)を生成することができるため、時効処理時に高い材料強度と導電性を両立することが可能となる。一方、焼入れ後常温付近の温度で保持されると、SiリッチあるいはSi−空孔が凝集した強化には結びつかないクラスタ(有害クラスタ)が形成されるため、時効処理後の材料強度上昇幅が大きく低下する。
溶体化処理前の冷間圧延
上記溶体化処理は、熱間圧延仕上げ板厚から50%以上の冷間圧延を行った後に、溶体化処理を行う。50%以上の圧下率がないと溶体化処理によって結晶粒が粗大化し、曲げ性等が悪くなる。
溶体化処理後に25%以下の冷間圧延
溶体化処理後に25%以下の冷間圧延を行うことが望ましい。冷間圧延に伴い大量の格子欠陥を導入し、時効処理に伴う溶質元素の拡散を速くする効果を得る。25%を超える圧下率で冷間圧延を加えると曲げ性の低下を招くおそれがある。
160〜200℃で3〜10時間の時効処理
本発明では、160〜200℃×3〜10時間の条件が、製造上リードタイムなどの問題もなく材料強度と導電率を高いレベルで得ることができる。材料強度と密着曲げ性に優れ、かつクリープ特性に優れたアルミニウム合金板を作製することができる。
以上説明したように、本発明によれば、良好な導電性と高い強度を有し、さらに曲げ特性が優れた導電材用アルミニウム合金材を提供することができる。また、ネジ止めの際の座屈を防ぎ、輸送機材として使用する場合の繰り返し振動に対しても板が座屈することなく、トルクでのネジ締めが可能となり、導電性、曲げ特性に優れる。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
本発明の組成としたアルミニウム合金は、所定の成分となるように調整して常法により溶製することができ、本発明としては溶製に至る工程が特に限定されるものではない。
上記で溶製されるアルミニウム合金は、熱間圧延に先立って均質化処理を行うのが望ましい。均質化処理は、550〜580℃で3〜12時間の条件で行うことができる。該条件は、鋳造時の合金成分を均一に拡散させることを目的に定められる。
均質化処理後に室温まで冷却することなく熱間圧延を開始するのが望ましい。熱間圧延条件は、500℃以上で熱間粗圧延を開始し、熱間仕上げ圧延の開始温度を430℃以上、熱間仕上げ圧延の仕上り温度を270℃以下として、例えば条に巻き上げる。
その後、熱間圧延仕上げ板厚から50%以上の圧下率で冷間圧延を行う。
第1の冷間圧延後には、溶体化処理を行う。溶体化処理は、連続焼鈍炉で行い、80℃/秒以上で急昇温し、530℃以上で20秒以上保持するのが望ましい。溶体化処理後、100℃/秒以上で急冷却し、室温まで冷却させることなく65℃以上で50秒以上保持する焼入れ処理を行う。その後、25%以下の第2の冷間圧延を行い、最終の冷間圧延後、160〜200℃で3〜10時間の時効処理を行う。
表1に示す各組成(残部Alおよびその他の不可避不純物)に調製した溶湯からアルミニウム合金鋳塊を半連続鋳造により作製した。なお、以下の製造方法の所定条件は表2に示している。上記アルミニウム合金鋳塊に均質化処理を行い、その際に室温まで冷却せず、そのまま熱間粗圧延(開始温度500℃以上)をして板厚30mmとした。なお、比較例No.12では、均質化処理後に室温まで冷却した後、熱間粗圧延を開始した。さらに熱間仕上げ圧延を開始温度430℃以上、終了温度270℃以下で実行し、4.0mmまたは5.4mmの板を作製した。
続いて、所定の圧下率で1.95mmまたは2.6mmの厚さまで第1の冷間圧延を行った。その後、所定の昇温速度で急昇温し、所定の保持温度、保持時間で保持する溶体化処理後、所定の冷却速度で急冷却し、室温まで冷却することなく表2に示す温度、時間で保持する焼入れ処理を実施した。
その後、所定の圧下率で冷間圧延を行い、1.5、2.0mmの板を作成し、155〜210℃で2.5〜12時間の時効処理を実施してT8処理に相当する板材を作製した。
これら試料を用いて、引張試験、密着曲げ試験、導電率、ネジ止め試験を実施し、評価を行った。試験結果を表2に示す。
引張強さ、0.2%耐力
JIS Z2241に準じてJIS5号試験片を作製して室温で引張試験機(島津製作所製 AG−100KNX)で初期ひずみ速度3.0×10-3/secにて引張試験を行い、引張強さが230MPa、0.2%耐力が215MPa以上のものを合格とした。
導電率(%IACS)
ダブルブリッジ法を用いて電気抵抗率を測定し、17.241nΩmを100%IACSとする換算式を用いて導電率を算出し、53%IACS以上を合格とした。
0.2%耐力値(MPa)×導電率(%IACS)
バスバー用途の板材としてネジ止めの際の座屈を防止することと、高い導電率を確保することは最も重要なことである。よって、この2つの性能を同時に得ていることを評価する数値として12,000以上を合格とした。
曲げ特性
曲げ試験はJIS Z2248準拠の方法で行い、側面を機械加工で仕上げた3号試験片を使用して、Vブロック法により曲げ試験を実施し、曲げ加工性を評価した。曲げ角度90°、曲げ半径0.5mmの条件で行い、曲げ後の試料湾曲部外側を10倍のルーペで確認して、割れがなかったものは◎、一部割れがあったものの使用上問題のないものは○、湾曲部に強い肌荒れを生じて使用上問題があるものを△、割れが多く使用不可であるものは×として評価した。
板厚断面方向に対する結晶粒個数(個/mm)
光学顕微鏡を用いて、板厚断面方向に対する結晶粒個数を測定し、その結果を表2に示した。ネジ止めの際の座屈に対しては、板厚断面に対する結晶粒個数が重要である。板厚断面方向における結晶粒個数が30個/mm以上である場合は、結晶粒が板厚長手方向に伸長しているため、板上下方向からの加振に対してもネジがゆるむことなく耐えることができる。
ネジ締め・加振試験
幅20mm長さ150mmのバスバー形状の板を切出し、φ9mmのボルト穴を板両端にあけて、その間にM8のメッキ低炭素鋼ボルトをワッシャーを介して試験治具に固定した。この時ボルトを12N・mの一定トルクで締め付けて、試験治具ごと加振器上に設置して、加振力5kN、周波数20Hz、上下方向の振動を15分行う振動試験を行った。試験後その状態のまま120℃×168時間の環境に保持した。試験終了後、治具から板を取り外し、目視で観察し、表面に問題がなかったものは◎、表面に座屈を生じていたものは△、表面に座屈とネジのゆるみを生じたものを×として評価した。
Figure 2015124393
Figure 2015124393

Claims (6)

  1. 質量%で、Si:0.40〜0.70%、Fe:0.25%以下、Mg:0.40〜0.70%、Mn:0.02〜0.08%、Cr:0.02〜0.08%、Cu:0.0001〜0.015%、Ti:0.0001〜0.015%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、導電率が53%IACS以上で、0.2%耐力が215MPa超であることを特徴とする導電材用アルミニウム合金材。
  2. 0.2%耐力値(MPa)×導電率(%IACS)が12,000以上であることを特徴とする請求項1に記載の導電材用アルミニウム合金材。
  3. 板厚断面方向における結晶粒個数が30個/mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電材用アルミニウム合金材。
  4. 請求項1に記載の組成のアルミニウム合金を均質化処理後に室温まで冷却することなく熱間圧延を開始し、熱間仕上げ圧延の開始温度を430℃以上、熱間仕上げ圧延の仕上り温度を270℃以下とし、その後、そのまま、または熱間仕上げ圧延から50.0%以上の圧下率で冷間圧延した後、80℃/秒以上で昇温し、530℃以上で20秒以上保持する溶体化処理を行い、その後、100℃/秒以上の冷却速度で冷却をし、かつ室温まで冷却させることなく65℃以上で50秒以上保持する条件の焼入れを行い、その後、25.0%以下の圧下率で冷間圧延を行うことを特徴とする導電材用アルミニウム合金材の製造方法。
  5. 熱間粗圧延を500℃以上で開始することを特徴とする請求項4記載の導電材用アルミニウム合金材の製造方法。
  6. 最終の冷間圧延後、160〜200℃で3〜10時間の時効処理を施すことを特徴とする請求項4または5に記載の導電材用アルミニウム合金材の製造方法。
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