JP2015123911A - シフトレバー装置 - Google Patents

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Yoshihiro Takigawa
喜博 滝川
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Abstract

【課題】操作レバーをベースブラケットに組付ける工程における組付作業性を改善することができるシフトレバー装置を提供する。【解決手段】軸受部材5の前端部に、周方向に対して等間隔に径方向に撓み変形が可能な複数の可撓縁部56aと、軸受収容部22内に軸受部材5が収容された状態で、可撓縁部56aと対向する側壁22aの底壁22bとの間の部位に、側壁22aから内方へ突出し、底壁22bに向かって内径が小さくなるように傾斜する壁側ガイド凸部22eとを備え、軸受部材5を軸受収容部22に収容する際に、可撓縁部56aが壁側ガイド凸部22eによって撓み変形させる。【選択図】図5

Description

本発明は、操作レバーが前後左右に揺動し、主にマニュアルトランスミッション(MT)に適用されるシフトレバー装置に関する。
従来、マニュアルトランスミッション(MT)用のシフトレバー装置は、操作レバーをベースブラケットに揺動可能に枢支することによって、操作レバーのシフト(車両前後)方向とセレクト(車両左右)方向の揺動をそれぞれケーブルを介してマニュアルトランスミッションに伝達する構成のものが、広く用いられている。
このようなシフトレバー装置において、特許文献1に記載の技術にあっては、ベースブラケットに配設され、内面に球面凹形状を有する軸受部材に、操作レバーの中間部に設けた球状凸部を枢支する構成が開示されている。
また、特許文献2に記載の技術にあっては、ベースブラケットに軸受部材を配設する手段として軸受部材に一体で形成した弾性爪部をベースブラケットに設けた段差部に係止することで、抜け止めを行なう構造が開示されている。
特開平6−94109号公報 特開平9−53708号公報 実開平6−49149号公報 特開昭62−273132号公報
ところが、軸受部材を弾性爪等を用いて組付ける場合、ベースブラケットと軸受部材との間に僅かでも隙間が生じると、操作レバーを操作した際にガタついてしまうため、Oリング等の軟質ゴム材を配置してガタ付きを解消している。
また、組付作業性に優れた軸受部材として、特許文献4に示される構成のものが提案されている。特許文献4に記載の技術にあっては、軸受部材が単一部品で構成され、半径方向に貫通する複数のスリットが一端面側から形成されている。このスリットによって、軸受部材が拡径可能となり、シフトレバーの球状軸支部を挿入可能としている。
ところが、軸受部材がベースブラケットに組付ける際に圧入され、あるいはOリング等の軟質ゴム材からの締付力を受けた際に、シフトレバーの球状凸部を支持する荷重が安定せず、操作レバーを操作する際の摺動抵抗がばらつくという問題が生じる。
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、別部品を設けることなくシフトレバーのガタ付きを防止するとともに、操作レバーを操作する際の軸受部分における摺動抵抗のばらつきを抑制することができるシフトレバー装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、ベースブラケットに設けられ、円筒状の穴の内周面を構成する側壁と、この穴の底面を構成する底壁とを有する軸受収容部と、この軸受収容部に収容され、内面に球状凹部を有する軸受部材と、上端部に操作部が設けられた操作レバーの下部に設けられ、前記該球状凹部内に回転摺動可能に嵌入される球状凸部とを有する軸支部を備え、該軸支部を介して、該操作レバーが揺動可能に該ベースブラケットに枢支されるシフトレバー装置であって、前記軸受収容部に挿入される前記軸受部材の挿入側の端部に、周方向に離間して配置した径方向に撓み変形が可能な複数の可撓縁部と、前記軸受収容部内に軸受部材が収容された状態で、該可撓縁部と対向する前記側壁と前記底壁との間の部位に設けられ、該側壁から内方に突出し、該底壁に向かって径が小さくなるように傾斜する壁側ガイド凸部とを備え、該軸受部材を該軸受収容部に収容する際に、該可撓縁部が該壁側ガイド凸部によって撓み変形することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載のシフトレバー装置において、前記軸受部材の挿入側の端面には周方向に間隔を空けて複数の凹溝が形成され、該凹溝を構成する外側側壁により前記可撓縁部が形成されていることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1、または請求項2に記載のシフトレバー装置において、前記軸受部材の外周面上に、軸方向に沿って立設する圧入リブを備えたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシフトレバー装置において、前記軸受部材の外周面には、周方向に離間して配置され、該軸受部材の径方向に弾性変形可能な弾性爪部と、隣合う弾性爪部の間に位置する該軸受部材の外周面の部位に、反挿入側の端面から軸方向に沿って形成されるスリットと、前記軸受収容部の内面に形成された前記弾性爪部が挿入される爪溝内に、該軸受部材が前記軸受収容部内に収容された状態で、該弾性爪部が係止される係止段部とを備えたことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項4に記載のシフトレバー装置において、前記スリットの延長上に位置する前記軸受部材の挿入側の端面の部位に突出する圧接突起を備えたことを特徴としている。
請求項6の発明は、ベースブラケットに設けられ、円筒状の穴の内周面を構成する側壁と、この穴の底面を構成する底壁とを有する軸受収容部と、この軸受収容部に収容され、内面に球状凹部を有する軸受部材と、上端部に操作部が設けられた操作レバーの下部に設けられ、前記該球状凹部内に回転摺動可能に嵌入される球状凸部とを有する軸支部を備え、該軸支部を介して、該操作レバーが揺動可能に該ベースブラケットに枢支されるシフトレバー装置であって、前記軸受収容部に挿入される前記軸受部材の挿入側の端部に、周方向に離間して配置した凹溝と、前記軸受収容部内に軸受部材が収容された状態で、該凹溝と対向する前記側壁と前記底壁との間の部位に設けられ、該底壁から凹溝へ向かって突出した先細の台形形状を有する複数の台形突起とを備え、該軸受部材を該軸受収容部に収容する際に、該凹溝が該台形突起によって、周方向に撓み変形することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6に記載のシフトレバー装置において、前記軸受部材の外周面には、周方向に離間して配置され、該軸受部材の径方向に弾性変形可能な弾性爪部と、前記軸受収容部の内面に形成された前記弾性爪部が挿入される爪溝内に、該軸受部材が前記軸受収容部内に収容された状態で、該弾性爪部が係止される係止段部とを備え、前記凹溝が、該弾性爪部と対向する該軸受部材の挿入側端部に配置されたことを特徴としている。
請求項1の発明において、軸受部材の挿入側の端部に、径方向に撓み変形可能な可撓縁部と、側壁と底壁との間に壁側ガイド凸部を配置し、軸受部材を軸受収容部に組付けた際に、可撓縁部が壁側ガイド凸部によって撓み変形する構成としたことで、別部品をもうけることなく、可撓縁部の復元力によって、軸受部材と軸受収容部との間のガタ付きを抑制することができる。
請求項2の発明において、軸受部材の前端面に形成される凹溝を構成する外側側壁によって可撓縁部を形成する構成としたことによって、可撓縁部の復元力によって軸受部材のガタ付きを抑制する構造であることから、球状凹部から球状凸部へ掛かる圧力に影響を与えないため、操作レバーを操作する際の軸受部分における摺動抵抗のばらつきを抑制することができる。また、可撓縁部の両端が、周方向に連結されるため、可撓縁部の復元力(撓み反力)が強力になり、軸受部材のガタ付きをより強く抑制することができる。
請求項3の発明において、軸受部材の外周面に軸方向に沿って圧入リブを設け、圧入リブを弾性変形させつつ、軸受収容部内に軸受部材を組付ける構成とすることで、軸受部材が軸受収容部内に圧入され、ガタ付きが抑制される。
請求項4の発明において、弾性爪部を係止段部に係止することで、軸受部材を軸受収容部内に固定する構成としたことで、別部品を用いることなく軸受部材を軸受収容部内に固定することができる。そして、弾性爪部で係止する場合でも、ガタ付きが抑制できる。
また、後端面に開口するスリットを設け、軸受部材の撓み変形を可能としたことによって、軸受部材を単一部品としつつ、操作レバーの球状凸部を球状凹部内に嵌入することができる。
請求項5の発明において、軸受部材を軸受収容部内に組付ける際に、圧接突起が底壁に押付けられることで、軸受部材を軸受収容部内に組付けた際にできる、係止段部と弾性爪部の間の軸方向の隙間が無くなり、ガタ付きが抑制される。
請求項6の発明において、軸受収容部に台形突起、軸受部材に凹溝を設け、軸受部材を軸受収容部に組付けた際に、台形突起が凹溝を押広げる構成としたことで、別部品を設けることなく、凹溝の復元力によって、軸受部材と軸受収容部との間のガタ付きを抑制することができる。
また、凹溝の復元力は、球状凹部から球状凸部へ掛かる圧力に影響を与えないため、操作レバーを操作する際の軸受部分における摺動抵抗のばらつきを抑制することができる。
請求項7の発明において、弾性爪部を係止段部に係止することで、軸受部材を軸受収容部内に固定する構成としたことで、別部品を用いることなく軸受部材を軸受収容部内に固定することができる。そして、弾性爪部で係止する場合でも、ガタ付きが抑制できる。
また、凹溝と台形突起が、弾性爪部と対向する軸受部材の前端面の部位、および軸受収容部の底壁の部位に設定されることで、台形突起が凹溝を押広げる力が弾性爪部に直接伝わるため、より強い力でガタ付きを抑制することができる。
本発明の第1実施形態を示し、シフトレバー装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、シフトレバー装置の要部断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、軸受収容部の斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、軸受部材の斜視図である。 第1実施形態の軸受部材を軸受収容部に組付ける前の様子を示す模式図である。 第1実施形態の軸受部材を軸受収容部に組付けた後の様子を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の別態様を示し、軸受部材の斜視図である。 第1実施形態の別態様の軸受部材を軸受収容部に組付けた後の様子を示す模式図である。 本発明の第2実施形態を示し、軸受部材の斜視図である。 第2実施形態の軸受部材を軸受収容部に組付ける前の様子を示す模式図である。
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態のシフトレバー装置1は、主にマニュアルトランスミッション(MT)に適用されるものである。シフトレバー装置1は、図1〜図6に示すように、ベースブラケット2、操作レバー3、およびセレクトレバー4を備え、後述する操作レバー支持部(軸支部)11を介して、ベースブラケット2に操作レバー3がシフト方向(車両前後方向)とセレクト方向(車両左右方向)に揺動可能に枢支されるとともに、後述するセレクトレバー支持部14を介して、セレクトレバー4がシフト方向に揺動可能に枢支される。そして、操作レバー3をシフト方向に操作することで、操作レバー3の一端(下端)に連係されるシフト側ケーブル(図示せず)を押引きし、操作レバー3をセレクト方向に操作することで、操作レバー3がセレクトレバー4を回動し、セレクトレバー4の一端に連係されるセレクト側ケーブル(図示せず)を押引きし、トランスミッション(図示せず)を切替える。なお、図1において、図の上下左右が、車両のセンターコンソール(図示せず)に取付けられた状態におけるシフトレバー装置1の上下左右に対応する。
ベースブラケット2は、ガラス繊維入りの硬質樹脂材を射出成形することによって、略矩形状の枠体に成形されている。ベースブラケット2は、下方四隅に設置孔21を備え、設置孔21を貫通するボルト(図示せず)によって、車体(図示せず)のフロアパネルに設置される。また、ベースブラケット2は、操作レバー支持部11を構成する軸受部材5を収容する軸受収容部22と、後述するセレクトレバー4を支持するセレクトレバー支持部14を構成するセレクト支持軸23とを備えている。
軸受収容部22は、ベースブラケット2の上部に、略円筒状の穴の内周面を構成する側壁22aと、穴の底面を構成する底壁22bとによって、左右方向の一方が開口する凹部として形成されている。また、底壁22bは、環形状を有し、その中央部が開口している。さらに、円筒状の側壁22aの内周面における対向する上下2箇所に、軸方向に沿って爪溝22cが形成される。また爪溝22cの底壁22b近傍には、底壁22の裏側から軸方向に貫通し、爪溝22c内に径方向の段部からなる係止段部22dが形成される。なお、係止段部22dは、後述する弾性爪部53とともに軸受固定構造12を構成する。また、軸受固定構造12には、軸受収容部22と軸受部材5との間に、後述するガタ抑制構造13が設けられている。
セレクト支持軸23は、ベースブラケット2の上部に、左右方向の一方側に向かって突出する円筒状の突起で構成される。
操作レバー3は、円柱状の金属材であり、下部には角柱状に樹脂材が一体に成形されており、その上端部に操作部である操作ノブ(図示せず)が配置される。また、下端部にはシフト側連係部31が設けられ、トランスミッション(図示せず)から延設されるシフト側ケーブル(図示せず)の一端が連係される。さらに、操作レバー3の下部には、操作レバー3と一体に、且つ操作レバー3から左右方向の一方側へ突出するように、操作レバー支持軸32が突設されている。そして、操作レバー支持軸32の先端に、操作レバー支持部11を構成する球状凸部33が形成されている。また、操作レバー3から左右方向の他方側へ突出するように、操作レバー支持軸32と同軸上にセレクト側連係軸34が突設されている。そして、セレクト側連係軸34の先端には、セレクト連係部15を構成するセレクト球状突起35が形成されている。
セレクトレバー4は、硬質の樹脂材によって略三角形形状を有する厚板部材に形成されている。各角部には、セレクト軸孔41、セレクト側連係受孔42、およびセレクト側連係部43が形成され、セレクト軸孔41とセレクト側連係受孔42が上方に、セレクト側連係部43が下方に位置する逆三角形の状態で、ベースブラケット2に配設される。セレクト軸孔41は、セレクトレバー4を板厚方向に貫通する貫通孔で、ベースブラケット2のセレクト支持軸23に回動可能に支持され、セレクト支持軸23とともに、後述するセレクトレバー支持部14を構成している。セレクト側連係受孔42は、セレクトレバー4を板厚方向に貫通する貫通孔で、後述するセレクト連係部15を構成している。セレクト側連係部43は、トランスミッション(図示せず)から延設されるセレクト側ケーブル(図示せず)の一端が連係される。
軸受部材5は、軟質の樹脂材で形成され、内面に球状凸部33に対応する球状凹部51が形成された略円筒形状を有する筒壁52を備えている。また、軸受部材5は、筒壁52の外周に可撓性を有する弾性爪部53と、その筒壁52に軸方向に沿って一端側端面52bから形成された複数の軸受スリット54とを備える。また、筒壁52には、その他端側端面52a(図5、図6の左側端部)の、端面外周部に面取り状に形成された軸受側テーパー部55が形成されている。そして、軸受スリット54で区切られた筒壁52の他端側の端面52aには、筒壁52の周方向に沿って円弧状に開口する凹溝56が形成されている。また、凹溝56は、図5、図6に示すように、その径方向の断面が略V字形状を備えている。
弾性爪部53は、筒壁52の一端側外周面に、周方向に対して180度の間隔に2カ所配置され、径方向に可撓性を有し、軸受部材5の他端側に延設される可撓腕53aと、可撓腕53aの先端に径方向外側へ突設される爪突起53bとを備えている。
軸受スリット54は、2つの弾性爪部53に対して周方向で90度の位置(隣合う弾性爪部53の中間部)に位置する筒壁52の部位に、組付方向である軸方向に沿って、一端側の端面52bに開口する第1スリット(スリット)54aと、筒壁52における両第1スリット54a間の部位を3等分する位置に、第1スリット54aと同形状の第2スリット54bとで構成される。つまり、軸受スリット54は、軸受部材の外周面の部位に、軸方向に沿って一端側の端面52bに開口し、筒壁52の周方向に対して等間隔に6箇所形成されている。
操作レバー支持部11は、操作レバー3の球状凸部33と、軸受部材5とで構成される。軸受部材5を操作レバー3の球状凸部33に組付けた状態で、軸受部材5を軸受収容部22に組付けることで、球状凸部33がベースブラケット2に枢支される。なお、球状凸部33と球状凹部51は、球状凸部33の曲率の方がわずかに大きくなるように設定されているため、軸受部材5を操作レバー3の球状凸部33に組付けた状態で、球状凸部33は、軸受部材5に対して、ガタ付くことなく、回転摺動可能に枢支される。また、軸受部材5は、軸受固定構造12によって、軸受収容部22内に保持される。
軸受固定構造12は、軸受収容部22の係止段部22dと、軸受部材5の弾性爪部53とで構成されている。軸受部材5を軸受収容部22に挿入した際に、弾性爪部53が爪溝22cに挿入され、組付位置にて、係止段部22dに爪突起53bが係合し、軸受部材5が軸受収容部22内に保持される。また、軸受固定構造12は、軸受収容部22と軸受部材5との間に設定されたガタ抑制構造13によって、軸受部材5をガタ付くことなく軸受収容部22内に保持している。
ガタ抑制構造13は、可撓縁部56a、壁側ガイド凸部22e、および圧入リブ57で構成される。
可撓縁部56aは、凹溝56の略V字形状を構成する外側側壁からなり、軸受部材5が軟質の樹脂材で形成されることにより、径方向に撓み変形が可能な可撓性を有している。つまり、可撓縁部56aは、軸受部材5の挿入側(他端側)の端面52aに凹溝56を設けることで形成され、筒壁52に周方向に対して等間隔に6箇所形成されている。
壁側ガイド凸部22eは、軸受収容部22内に軸受部材5が収容された状態における、可撓縁部56aと対向する側壁22aの底壁22bとの間の部位に、底壁22bに向かって内径が小さくなるように側壁22aから内方へ突出する傾斜面を有するガイド突起からなる。なお、組付け方向を基準とする壁側ガイド凸部22eの傾斜角度は、軸受側テーパー部55の傾斜角度よりも大きくなるように設定されている。
圧入リブ57は、軸受スリット54によって6分割された筒壁52の内の弾性爪部53が配置されない4箇所における外周面上の各中央部に、軸方向に沿って立設するように形成されている。
ガタ抑制構造13をこのような構成とすることで、軸受部材5を軸受収容部22内に組付ける際に、圧入リブ57が潰れる方向に弾性変形しつつ、可撓縁部56aが壁側ガイド凸部22eに押付けられて、可撓縁部56aが径方向内側に倒れるように弾性変形する。そして、可撓縁部56aと圧入リブ57の復元力によって、軸受部材5を軸受収容部22内に組付けた際にできる、係止段部22dと弾性爪部53の間の軸方向の隙間が無くなり、ガタ付きが抑制される。また、圧入リブ57の復元力によって、軸受部材5を軸受収容部22内に組付けた際にできる、側壁22aと筒壁52の間の径方向の隙間が無くなり、ガタ付きが抑制される。
セレクトレバー支持部14は、セレクトレバー4を車両前後方向へ揺動可能にベースブラケット2に支持するための構成で、セレクト支持軸23、セレクト軸孔41、およびセレクト支持ピン61で構成される。
セレクト支持ピン61は、丸棒状のピン軸部61aの一端に、円盤状のピン係止部61bを備えるとともに、ピン軸部61aの他端に可撓性を有する二股状のピン係合部61cを備えている。ピン係止部61bは、先端にセレクト支持軸23の筒孔23a内で係合可能な鉤状の突起61dが形成されている。
セレクトレバー4は、セレクト軸孔41にセレクト支持軸23が挿通されて回動可能に支持される。次に、セレクト支持軸23の筒孔23a内にセレクト支持ピン61が挿入され、セレクト支持ピン61の突起61dがセレクト支持軸23の筒孔23a内に係合する。これにより、セレクト支持ピン61がセレクト支持軸23に固定され、セレクトレバー4が、ピン係止部61bにより軸方向への移動が規制された状態で、セレクト支持軸23の軸周りを、回動可能に軸支される。
セレクト連係部15は、操作レバー3のセレクト方向(車両左右方向)の動きを車両前後方向の動きに変換するための構成で、セレクト球状突起35と、セレクト側連係受孔42で構成される。セレクト球状突起35は、球状凸部33を中心として円弧状に移動することから、セレクト側連係受孔42内を摺動可能に隙間無く挿通される。操作レバー3のセレクト方向(車両左右方向)の動きによって、球状凸部33を中心として、セレクト球状突起35が左右方向の面に沿って上下方向に揺動する。そして、セレクト球状突起35の動きによって、セレクト支持軸23を中心として、セレクトレバー4が前後方向の面に沿って回動し、セレクト側連係部43が前後方向に揺動する。
次に、本実施形態のシフトレバー装置1を組立てる手順を説明する。まず、操作レバー3の球状凸部33を軸受部材5に組付ける。球状凸部33を軸受部材5に組付けるには、球状凸部33を軸受部材5に、反挿入側の端面52b側(図5、図6における図の右側)から押込む。すると、球状凸部33の球面形状に沿って、軸受スリット54が拡がりつつ、筒壁52が拡径方向に撓み変形するとともに、球状凸部33が球状凹部51内に収容されたところで、筒壁52が元の形状に復帰する。
次に、操作レバー3とともに、軸受部材5をベースブラケット2の軸受収容部22に組付ける。軸受部材5を軸受収容部22に組付けるには、軸受部材5を軸受収容部22に、他端面側から押込む。すると、弾性爪部53が軸受収容部22に形成された爪溝22cの形状に沿って撓み変形し、組付位置にて弾性爪部53の爪突起53bが、係止段部22dに係合する。これによって、軸受部材5が軸受収容部22内に収容された状態で、保持される。また、軸受部材5を軸受収容部22に組付ける際に、ガタ抑制構造13が作用し、軸受部材5が軸受収容部22内に収容された状態でのガタ付きが防止される。つまり、圧入リブ57が、潰れる方向に弾性変形することで、圧入リブ57の復元力によって、軸受部材5の径方向のガタが吸収される。また、可撓縁部56aが壁側ガイド凸部22eに突き当たって径方向内側に弾性変形することで、可撓縁部56aの復元力によって、軸受部材5の軸方向と径方向のガタが吸収される。
次に、セレクトレバー4をベースブラケット2に組付ける。セレクトレバー4をベースブラケット2に組付けるには、ベースブラケット2のセレクト支持軸23をセレクトレバー4のセレクト軸孔41に挿入しつつ、操作レバー3のセレクト球状突起35をセレクトレバー4のセレクト側連係受孔42に挿入する。
最後に、セレクト支持ピン61をセレクト支持軸23の筒孔23aに挿入し、組付け作業は完了する。
なお、操作レバー3、軸受部材5をベースブラケット2に組付ける方向、セレクトレバー4をベースブラケット2に組付ける方向、および、セレクト支持ピン61をセレクト支持軸23に組付ける方向は、全て同じ方向(右側から左側に向かう方向)に設定されている。
以上の構成によって、運転者が、操作レバー3をシフト方向(前後方向)に揺動操作した際には、シフトケーブル(図示せず)を押引きし、運転者が操作レバー3をセレクト方向(左右方向)に揺動操作した際には、セレクトレバー4が前後方向に揺動し、シフトケーブル(図示せず)を押引きする。
上記本実施形態によれば、軸受部材5の挿入側端部に、径方向に撓み変形可能な可撓縁部56aを設けるとともに、側壁22aと底壁22bとの間に壁側ガイド凸部22eを配置することで、軸受部材5を軸受収容部22に組付けた際に、可撓縁部56aが壁側ガイド凸部22eによって撓み変形する構成としたことで、別部品をもうけることなく、可撓縁部56aの復元力によって、軸受部材5と軸受収容部22との間の軸方向、および径方向のガタ付きを抑制することができる。
また、可撓縁部56aの復元力によって軸受部材5のガタ付きを抑制する構造であることから、軸受部材5の挿入側となる他端面52aに形成される凹溝56を構成する外側側壁によって可撓縁部56aを形成する構成としたことによって、球状凹部51から球状凸部33へ掛かる圧力に影響を与えないため、操作レバー3を操作する際の軸受部分における摺動抵抗のばらつきを抑制することができる。また、可撓縁部56aの両端が、周方向に連結されているため、可撓縁部の両端が周方向で切離されている場合よりも、可撓縁部56aの復元力(撓み反力)が強力になり、軸受部材5のガタ付きをより強く抑制することができる。
軸受部材5の外周面に軸方向に沿って圧入リブ57を設け、圧入リブ57を弾性変形させつつ、軸受収容部22内に軸受部材5を組付ける構成とすることで、軸受部材5が軸受収容部22内に圧入され、ガタ付きが抑制される。
弾性爪部53を係止段部22dに係止することで、軸受部材5を軸受収容部22内に固定する構成としたことで、別部品を用いることなく軸受部材5を軸受収容部22内に固定することができる。
また、反挿入側となる一端面52bに開口する軸受スリット54を設け、軸受部材5の撓み変形を可能としたことによって、軸受部材5を単一部品としつつ、操作レバー3の球状凸部33を球状凹部51内に嵌入することができる。
さらに、シフトレバー装置1を組立てる際に、操作レバー支持部11、操作レバー3、およびセレクトレバー4をベースブラケット2に左右方向の一方側から順に組付けることができる。これにより、工程毎にベースブラケット2の向きを変える必要がないため、組付作業性を改善することができる。
軸受の弾性爪部53をベースブラケット2の軸受収容部22に形成された係止段部22dに係合し、操作レバー支持部11を軸受収容部22に配置する構成とすることで、操作レバー支持部11を1工程でベースブラケット2に組付けることができるため、組付作業性を改善することができる。また、このような構成によって、従来のようにベースブラケット、補助部材、固定ボルトでベースブラケット側球状部を固定する必要が無くなるため、さらに部品点数を削減できる。
次に、本発明の第1実施形態の別態様について、図面を参照して説明する。本態様のシフトレバー装置1Aは、図7、図8に示すように、ベースブラケット2、操作レバー3、およびセレクトレバー4で構成される点は、上記第1実施形態と同様である。本態様と第1実施形態で、大きく異なる点は、ガタ抑制構造13Aの構成である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本態様のガタ抑制構造13Aは、可撓縁部56a、壁側ガイド凸部22e、および圧入リブ57に加え、圧接突起58を備えている。
圧接突起58は、第1スリット54aの延長上に位置する軸受部材5Aの挿入側の他端面52aの部位に軸方向に突出する突起である。圧接突起58は、軸受部材5Aと同じ軟質の樹脂材で、一対の弾性爪部53に対して周方向に90度の位置に軸受部材5Aと一体に形成されている。
ガタ抑制構造13Aをこのような構成とすることで、軸受部材5Aを軸受収容部22内に組付ける際に、圧接突起58が底壁22bに押付けられ、圧接突起58に対して周方向に90度の位置にある弾性爪部53をさらに軸方向に押込むことで、スリット54a,54bが広がるように弾性変形しつつ、スリット54a,54bの底部54aa,54baが撓み変形する。そして、この状態で係止段部22dに爪突起53bが係止されることで、底部54aa,54baの復元力によって、軸受部材5Aを軸受収容部22内に組付けた際にできる、係止段部22dと弾性爪部53の間の軸方向の隙間が無くなり、上記第1実施形態に対して、さらにガタ付きが抑制される。
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態のシフトレバー装置1Bは、図9、図10に示すように、ベースブラケット2、操作レバー3、およびセレクトレバー4で構成される点は、上記第1実施形態と同様である。本実施形態と第1実施形態で、大きく異なる点は、ガタ抑制構造13Bの構成である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態のガタ抑制構造13Bは、凹溝としてのV溝59と台形突起24で構成されている。
V溝59は、弾性爪部53と対向する軸受部材5Bの挿入側の他端面52aの部位に開口する略V字形状を有するスリット状の溝である。つまり、V溝59は、軸受部材5の挿入側の端面52aにおける弾性爪部53と同じ方向の部位に、周方向に対して180度の等間隔に2カ所配置されている。
台形突起24は、V溝59に対向する底壁22bの部位に、V溝59に向かって突設された先細の台形形状を有する突起である。また、台形突起24は、V溝59よりも幅広に設定されている。
ガタ抑制構造13Bをこのような構成とすることで、軸受部材5Bを軸受収容部22内に組付ける際に、V溝59が台形突起24に押付けられて、V溝59が押広げられる。これによって、軸受部材5Bを軸受収容部22内に組付けた際にできる、係止段部22dと弾性爪部53の間の軸方向の隙間が無くなり、ガタ付きが抑制される。
また、V溝59と台形突起24が、弾性爪部53と対向する軸受部材5Bの挿入側の一端面52aの部位、および軸受収容部22の底壁22bの部位に設定されることで、V溝59と弾性爪部53との間にスリットが形成されないため、台形突起24がV溝59を押広げる力が弾性爪部53に直接伝わるため、より強い力でガタ付きを抑制することができる。
なお、本実施形態では、V溝59が軸受部材5Bの挿入側の一端面52aに、台形突起24が軸受収容部22の底壁22bに、それぞれ設定されているが、V溝を底壁に、台形突起を軸受部材の前端面に設定する構成としても同様の作用効果が得られる。
1、1A、1B…シフトレバー装置
2…ベースブラケット
3…操作レバー
5、5A、5B…軸受部材
11…操作レバー支持部
22…軸受収容部
22a…側壁
22b…底壁
22d…係止段部
22e…壁側ガイド凸部
33…球状凸部
51…球状凹部
52a…挿入側の端面
52b…反挿入側の端面
53…弾性爪部
54a…スリット
56…凹溝
56a…可撓縁部
57…圧入リブ
58…圧接突起
59…V溝
61d…台形突起

Claims (7)

  1. ベースブラケットに設けられ、円筒状の穴の内周面を構成する側壁と、この穴の底面を構成する底壁とを有する軸受収容部と、
    この軸受収容部に収容され、内面に球状凹部を有する軸受部材と、
    上端部に操作部が設けられた操作レバーの下部に設けられ、前記該球状凹部内に回転摺動可能に嵌入される球状凸部とを有する軸支部を備え、
    該軸支部を介して、該操作レバーが揺動可能に該ベースブラケットに枢支されるシフトレバー装置であって、
    前記軸受収容部に挿入される前記軸受部材の挿入側の端部に、周方向に離間して配置した径方向に撓み変形が可能な複数の可撓縁部と、
    前記軸受収容部内に軸受部材が収容された状態で、該可撓縁部と対向する前記側壁と前記底壁との間の部位に設けられ、該側壁から内方に突出し、該底壁に向かって径が小さくなるように傾斜する壁側ガイド凸部とを備え、
    該軸受部材を該軸受収容部に収容する際に、該可撓縁部が該壁側ガイド凸部によって撓み変形することを特徴とするシフトレバー装置。
  2. 請求項1に記載のシフトレバー装置において、
    前記軸受部材の挿入側の端面には周方向に間隔を空けて複数の凹溝が形成され、
    該凹溝を構成する外側側壁により前記可撓縁部が形成されていることを特徴とするシフトレバー装置。
  3. 請求項1、または請求項2に記載のシフトレバー装置において、
    前記軸受部材の外周面上に、軸方向に沿って立設する圧入リブを備えたことを特徴とするシフトレバー装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシフトレバー装置において、
    前記軸受部材の外周面には、周方向に離間して配置され、該軸受部材の径方向に弾性変形可能な弾性爪部と、
    隣合う弾性爪部の間に位置する該軸受部材の外周面の部位に、反挿入側の端面から軸方向に沿って形成されるスリットと、
    前記軸受収容部の内面に形成された前記弾性爪部が挿入される爪溝内に、該軸受部材が前記軸受収容部内に収容された状態で、該弾性爪部が係止される係止段部とを備えたことを特徴とするシフトレバー装置。
  5. 請求項4に記載のシフトレバー装置において、
    前記スリットの延長上に位置する前記軸受部材の挿入前の端面の部位に突出する圧接突起を備えたことを特徴とするシフトレバー装置。
  6. ベースブラケットに設けられ、円筒状の穴の内周面を構成する側壁と、この穴の底面を構成する底壁とを有する軸受収容部と、
    この軸受収容部に収容され、内面に球状凹部を有する軸受部材と、
    上端部に操作部が設けられた操作レバーの下部に設けられ、前記該球状凹部内に回転摺動可能に嵌入される球状凸部とを有する軸支部を備え、
    該軸支部を介して、該操作レバーが揺動可能に該ベースブラケットに枢支されるシフトレバー装置であって、
    前記軸受収容部に挿入される前記軸受部材の挿入側の端部に、周方向に離間して配置した凹溝と、
    前記軸受収容部内に軸受部材が収容された状態で、該凹溝と対向する前記側壁と前記底壁との間の部位に設けられ、該底壁から凹溝へ向かって突出した先細の台形形状を有する複数の台形突起とを備え、
    該軸受部材を該軸受収容部に収容する際に、該凹溝が該台形突起によって、周方向に撓み変形することを特徴とするシフトレバー装置。
  7. 請求項6に記載のシフトレバー装置において、
    前記軸受部材の外周面には、周方向に離間して配置され、該軸受部材の径方向に弾性変形可能な弾性爪部と、
    前記軸受収容部の内面に形成された前記弾性爪部が挿入される爪溝内に、該軸受部材が前記軸受収容部内に収容された状態で、該弾性爪部が係止される係止段部とを備え、
    前記凹溝が、該弾性爪部と対向する該軸受部材の挿入側端部に配置されたことを特徴とするシフトレバー装置。
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