JP4421439B2 - コネクタ - Google Patents
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特許文献1に記載されているコネクタは、コネクタ本体と、そのコネクタ本体に装着されるリテーナとを備えている。コネクタ本体は、パイプ体を挿入可能に形成されている。また、リテーナは、コネクタ本体にパイプ体を挿入可能とする仮止め位置に位置決めされている。そして、リテーナは、コネクタ本体の正規の挿入位置へのパイプ体の挿入により位置決めが解除されることにより、該パイプ体を抜け止めするパイプ体抜止位置へ移動可能(スライド可能又は回動可能)となる。
また、コネクタ本体に対するパイプ体の挿入が不完全のときは、リテーナの位置決めが解除されないため、リテーナをパイプ体抜止位置へ移動操作することができない。この場合は、パイプ体をコネクタ本体の正規の挿入位置に挿入し直して、リテーナの位置決めを解除した後に、リテーナをパイプ体抜止位置へ移動操作すればよい。
したがって、作業者は、リテーナのパイプ体抜止位置への移動の可否により、コネクタ本体の正規の挿入位置にパイプ体が挿入されたか否かを容易に確認すなわち検知することができる。
このように構成すると、コネクタ本体の正規の挿入位置にパイプ体が挿入されることにより、リテーナの仮止め位置の位置決めが解除されると、ばね部材のばね力によってリテーナがパイプ体を抜け止めするパイプ体抜止位置へ移動される。したがって、作業者がリテーナを一々パイプ体抜止位置への移動操作する必要がないため、パイプ体の接続に係る作業工数を削減し、接続作業性を向上することができる。
ところで、コネクタ本体に対するパイプ体の挿入が不完全のときは、リテーナの位置決めが解除されないため、リテーナがパイプ体抜止位置へ移動されない。この場合は、パイプ体をコネクタ本体の正規の挿入位置に挿入し直して、リテーナの位置決めを解除すれば、ばね部材のばね力によって、リテーナがパイプ体を抜け止めするパイプ体抜止位置へ移動される。このように、作業者は、リテーナがパイプ体抜止位置へ移動されたか否かにより、コネクタ本体の正規の挿入位置にパイプ体が挿入されたか否かを容易に確認すなわち検知することができる。
このように構成すると、ばね部材に係る組付工数及びコネクタの部品点数を削減することができる。
本発明の実施例1について説明する。説明の都合上、コネクタに係る基本的構成を説明した後で、本実施例の要部の構成について説明する。
まず、コネクタに係る基本的構成から説明する。なお、本実施例におけるコネクタに係る基本的構成は、前記特許文献1の第3実施形態に例示された構成と同様の構成である。
図9に示すように、コネクタCは、パイプ体Pを接続するもので、コネクタ本体10と、スライド式のリテーナ30とを備えている。なお、パイプ体Pは、例えば金属製で、ほぼ丸パイプ状に形成されている。図10に示すように、パイプ体Pの先端寄りの位置すなわち先端面Paから所定間隔を隔てた位置には、外周面上に環状に突出するバルジ部Pvが形成されている(図1参照)。
図6に示すように、前壁部15は、前側壁17(図1参照)の左右両側縁部に連続しかつ左右平行状をなす両側板部15aと、前側壁17の下縁部に連続しかつ両側板部15aの下縁部の相互間をつなぐ底板部15bとを有しており、上面を開口する略チャンネル状に形成されている。
図7に示すように、後壁部16は、パイプ体接続部11(図1参照)に連続する中空円筒状に形成されている。後壁部16の上部を除く残りの部分の左右両側面は、前壁部15の両側板部15a(図6参照)の外側面と同一面をなしている。また、後壁部16の下面は、前壁部15の底板部15b(図6参照)の下面と同一面をなしている。
また、図6及び図7に示すように、仮止め孔20の内側部には、略水平状でかつ上下平行状をなす平坦面からなる上下の位置決め面20a,20bが形成されている。さらに、仮止め孔20の外側部には、上下の位置決め面20a,20bの外端部から外方へ略テーパ状に拡がる上下の案内斜面20c,20dが形成されている。
図1に示すように、基板部31は、左右方向へ延びる略長細板状に形成されている。基板部31の中央部の後側下面には、マイナスドライバー等の工具(図示省略)の先端部を挿入可能な凹所31aが形成されている(図13(b),(c)参照)。なお、リテーナ30が後述するパイプ体抜止位置に移動された状態(図9〜図11参照)において、凹所31a内にマイナスドライバー等の工具(図示省略)の先端部を挿入してリテーナ30を強制的に引き上げることにより、該リテーナ30を仮止め位置(後述する)に移動させることができる。
また、前記両検知爪部33は、両脚片部32の下端部から対向状に突出する略四角柱形状に形成されている。両検知爪部33は、前記コネクタ本体10の仮止め孔20内に嵌合可能な前面、後面、上面、下面及び先端面を有している(図2、図5〜図7参照)。図6及び図7に示すように、両検知爪部33の上面及び下面は、仮止め孔20の上下の両位置決め面20a,20bに面接触可能な上下の規制面33a,33bとなっている。
図13(a),(b),(c)に示すように、両検知爪部33の先端部の下部には、その先端部から下方へ略テーパ状に拡がる下向き案内斜面33cが形成されている。また、両検知爪部33の先端部の前部には、その先端部から前方へ略テーパ状に拡がる前向き案内斜面33dが形成されている。また、両検知爪部33は、基板部31が前記コネクタ本体10のリテーナ装着部14上に当接する状態で、該リテーナ装着部14の前壁部15及び後壁部16の下面に係合可能になっている(図10及び図11参照)。
また、リテーナ30の抜止め部34の下部が、リテーナ装着部14の前壁部15の上面開口部内に挿入されているとともに、両スリット溝38内に前壁部15の両側板部15aの上端部が相対的に嵌合する(図5及び図6参照)。
上記のように、リテーナ30が仮止め位置に位置決めされた状態(図2〜図7参照)では、抜止め部34が待機位置(上方位置)にある。このため、コネクタ本体10のパイプ体接続部11が開口される結果、コネクタ本体10のパイプ体接続部11内にパイプ体P(図1参照)を挿入可能となる。
一方、パイプ体Pのバルジ部Pvが両検知爪部33の先端面の間に位置したときには、バルジ部Pvがパイプ体接続部11内のストッパリング23に当接する(図10参照)。これにより、パイプ体Pがコネクタ本体10の正規の挿入位置に挿入されたことになる。
本発明の実施例2について説明する。なお、本実施例及び以降の実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるので、同一部位に同一符号を付して重複する説明は省略し、変更部分について説明する。
本実施例のコネクタ本体10においては、前記実施例1における両リブ25,26(図12(a),(b)参照)が省略されている。そして、リテーナ装着部14の後端部上に係合突起27が突出されている。係合突起27は、台座部27aと、その台座部27a上に突出する係合軸部27bと、その先端部すなわち上端部に張り出す円板形状の係合鍔部27cとを同一軸線上に有している。なお、台座部27aと係合鍔部27cとの間隔は、所定間隔(詳しくは、後述するばね部材140の板ばね材の板厚とほぼ同じ寸法)を隔てて形成されている。
また、リテーナ30においては、前記実施例1における両掛止部35(図13(a),(c)参照)が省略されている。
本発明の実施例3について説明する。本実施例は、図16及び図17に示すように、前記実施例2におけるばね部材140をリテーナ30にインサート成形、接着等の結合手段により一体化したものである。また、ばね部材140は、樹脂によりリテーナ30と一体成形することもできる。
本発明の実施例4について説明する。
図18及び図19に示すように、本実施例のコネクタ本体10においては、前記実施例1における両リブ25,26(図12(a),(b)参照)は不要である。
また、リテーナ30においては、前記基板部31にその後方へ張り出すばね掛け部36が突出されており、そのばね掛け部36の両側面に前記両掛止部35が左右対称状に配置されている。
また、本実施例に係るばね部材(符号、240を付す。)は、金属製のコイルばねいわゆる引張ばねにより形成されている。ばね部材240はそれ自体がばね本体を構成しており、その両端部には略フック状に折り曲げられた引掛部243が形成されている。
本発明の実施例5について説明する。本実施例は、図20に示すように、前記実施例4(図18及び図19参照)におけるリテーナ30の両掛止部35を省略する一方、ばね部材240の両引掛部243を省略するとともにその両端部を連結して環状のばね部材(符号、240Aを付す。)としたものである。
したがって、本実施例のコネクタCによっても、前記実施例4と同様の作用・効果を奏することができる。また、環状のばね部材240Aを用いることにより、ばね部材240A自体及びリテーナ30の構成を簡素化することができる。
本発明の実施例6について説明する。本実施例は、図21に示すように、前記実施例1〜5で例示したスライド式リテーナ30を回動式リテーナ130に変更し、ばね部材(符号、340を付す。)としてトルクばねを用いたものである。なお、コネクタCの基本的構成は、前記特許文献1における第1実施形態として例示されたものであるから、簡単に説明するにとどめる。
図21に示すように、コネクタ本体10の基本的構成については、前記実施例1のものとほとんど同じ構成である。なお、本実施例では、両リブ25,26(図12(a),(b)参照)が省略されている。
また、コネクタ本体10のパイプ体接続部11の後方近くの上面には、ばね部材340(後述する)の引掛部343を掛止可能なばね掛け部29が形成されている。なお、ばね掛け部29は、ばね部材340(後述する)の個数に応じて形成されている。
30 リテーナ
40 ばね部材
130 リテーナ
140 ばね部材
240 ばね部材
240A ばね部材
340 ばね部材
C コネクタ
P パイプ体
Pv バルジ部
Claims (2)
- コネクタ本体と、そのコネクタ本体に装着されるリテーナとを備え、
前記コネクタ本体は、パイプ体を挿入可能に形成され、
前記リテーナは、前記コネクタ本体に前記パイプ体を挿入可能とする仮止め位置に位置決めされ、かつ前記コネクタ本体の正規の挿入位置への前記パイプ体の挿入により前記位置決めが解除されることにより該パイプ体を抜け止めするパイプ体抜止位置へ移動可能となる
コネクタであって、
前記コネクタ本体と前記リテーナとの間には、前記位置決めが解除された前記リテーナを前記パイプ体抜止位置へ移動させるためのばね力を有するばね部材が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 請求項1に記載のコネクタであって、
前記リテーナ又は前記コネクタ本体に前記ばね部材が一体化されていることを特徴とするコネクタ。
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