JP2015123019A - アルキルポリグリコシドの製造方法 - Google Patents

アルキルポリグリコシドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形質転換体を用いたアルキルポリグリコシドの製造方法の提供。【解決手段】アルコールオキシダーゼ遺伝子を欠失、変異又は発現抑制した形質転換体である微生物、特に酵母を第2級アルコール又はケトンと糖とを含有する培地で培養し、一般式(I)で表わされる化合物を得る方法。【選択図】なし

Description

本発明はアルキルポリグリコシドの製造方法に関する。また、本発明は新規アルキルポリグリコシドに関する。
アルキルポリグリコシドは、界面活性剤として各種の洗剤等に配合されている。アルキルポリグリコシドの工業的生産は、主に糖とアルコールを原料とした化学合成により行われているが、原料アルコールを多量に必要とし、高温・高圧下での反応を行うために原料グルコースが変性してしまう等の問題がある。
このような実情から、より効率のよい生産方法を求めて、微生物を用いたアルキルポリグリコシドの製造技術が検討されている。例えば、酵母の1種であるカンジダ・ボンビコーラ(Candida bombicola)を、糖とアルコールを含有する培地で培養すると、生産物としてアルキルポリグリコシドの一種であるアルキルソホロシドが得られることが知られている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
米国特許第6433152号明細書
Biotechnology Letters, Volume 20, No. 3, 1998, pp. 215-218
しかしながら、上述の微生物を用いた製造方法は、常温・常圧下でのアルキルポリグリコシド製造を可能とするものの、原料アルコールに対するアルキルポリグリコシドの収率が低いという問題がある。
そこで、本発明は、アルキルポリグリコシドを効率良く製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、微生物を用いたアルキルポリグリコシドの製造技術について鋭意検討したところ、カンジダ・ボンビコーラ由来のアルコールオキシダーゼ遺伝子の機能を低下させた形質転換体で、特定のアルキルポリグリコシドの産生率が有意に向上することを見出した。さらに、当該形質転換体により製造されたアルキルポリグリコシドの中に、新規のアルキルポリグリコシドを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、下記(1)及び(2)の工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)に関する。
(1)下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体を、第2級アルコール又はケトン、及び糖を含有する培地で培養する工程
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた培養物から下記一般式(I)で表される化合物を採取する工程
(一般式(I)中、R1は水素原子又はC2x+1で表されるアルキル基を表し、xは1以上3以下の整数を表す。R2は水素原子又はC2y+1で表されるアルキル基を表し、yは1以上3以下の整数を表す。但し、R1とR2とが同時に水素原子であることはない。nは7以上19以下の整数を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はアセチル基を表す。)
また、本発明は、下記一般式(II)で表される化合物に関する。
(一般式(II)中、nは7以上19以下の整数を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はアセチル基を表す。)
本発明によれば、前記一般式(I)で表される化合物を高収率で製造する方法を提供することができる。また、本発明によれば、新規のアルキルポリグリコシドを提供することができる。
実施例で作製したKSMΔura-ura株及びKSMΔAOX株の、菌体内アルコールオキシダーゼ活性を示した図である。 実施例で作製したa)KSMΔura-ura株及びb)KSMΔAOX株を、2-テトラデカノールを基質として培養した培養液のGC分析結果を示す図である。
1.一般式(I)で表される化合物
本発明の製造方法によれば、下記一般式(I)で表される化合物を高い収率で得ることができる。
一般式(I)中、R1は水素原子又はC2x+1で表されるアルキル基を表し、xは1以上3以下の整数を表す。R2は水素原子又はC2y+1で表されるアルキル基を表し、yは1以上3以下の整数を表す。但し、R1とR2とが同時に水素原子であることはない。nは7以上19以下の整数を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はアセチル基を表す。
一般式(I)において、xは好ましくは1以上2以下、より好ましくは1である。R1は水素原子又はメチル基が好ましい。
yは好ましくは1以上2以下、より好ましくは1である。R2は水素原子又はメチル基が好ましい。
nは好ましくは9以上15以下、より好ましくは9以上13以下である。
R1及びR2で置換されたアルキレン鎖中の総炭素原子数(R1及びR2がアルキル基の場合はその炭素原子を含む)は10以上22以下であることが好ましく、10以上18以下であることがより好ましく、12以上18以下であることがさらに好ましく、12以上16以下であることがよりさらに好ましい。
R3及びR4は、水素原子が好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物のうち、R1が水素原子でありR2がメチル基である化合物、すなわち下記一般式(II)で表される化合物は新規化合物である。
一般式(II)中、n、R3、R4はそれぞれ、前記一般式(I)のn、R3、R4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(I)及び(II)で表される化合物は、アルキル鎖に水酸基を有するアルキルポリグリコシドである。当該化合物は、界面活性剤として洗浄剤に、乳化剤や抗菌剤として香粧品等に用いることができる。特に、一般式(II)で表される化合物は直鎖アルキル基に水酸基が付加した構造を有し、このような構造を有する非イオン性界面活性剤は、乳化、分散、湿潤性に優れ、高い起泡性を示す。
前記一般式(I)及び(II)で表される化合物は、後述する本発明の製造方法により得ることができ、形質転換体の宿主、培地に含有させる糖、第2級アルコール、ケトンの種類を適宜選択することにより、種々の化合物を製造することができる。
2.製造方法
本発明の製造方法では、下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体を用いる。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
配列番号1に示すアミノ酸配列からなるタンパク質は、カンジダ・ボンビコーラ(Candida bombicola(別称:Starmerella bombicola又はTorulopsis bombicola))NBRC10243株由来のアルコールオキシダーゼである。アルコールオキシダーゼ(以下、「AOX」とも略記する)は、アルコール酸化酵素の1種で、アルコールをアルデヒドに酸化する反応を触媒する。後述の実施例で示すように、当該タンパク質を欠失した形質転換体は、アルコールオキシダーゼ活性が大幅に低下する。
本発明の製造方法では、前記(a)のタンパク質と機能的に均等な前記(b)及び(c)のタンパク質をコードする遺伝子も用いることができる
前記(b)において、アミノ酸配列の同一性は、前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
本発明においてアミノ酸配列の同一性とは、比較する2つのアミノ酸配列を必要に応じて間隙を導入して整列(アラインメント)させ、得られる最大のアミノ酸配列の同一性(%)をいう。アミノ酸配列の同一性は通常の方法により解析することができるが、本発明の同一性はリップマン−パーソン法(Lipman−Pearson法;Science,227,1435,(1985))によって計算され、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより測定する。
また、前記(c)において、「1又は数個のアミノ酸」は、前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、1〜10個のアミノ酸であることが好ましく、1〜5個のアミノ酸であることがより好ましく、1〜3個のアミノ酸であることがさらに好ましい。
前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の具体例として、下記(d)〜(f)のいずれかのDNAからなる遺伝子が挙げられる。
(d)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(e)配列番号2で表される塩基配列と55%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(f)配列番号2で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
配列番号2は、カンジダ・ボンビコーラNBRC10243株由来のアルコールオキシダーゼ遺伝子の塩基配列である。
前記(e)において、塩基配列の同一性は、前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
本発明において塩基配列の同一性とは、比較する2つの塩基配列を必要に応じて間隙を導入して整列(アラインメント)させ、得られる最大の塩基配列の同一性(%)をいう。塩基配列の同一性は通常の方法により解析することができるが、本発明の同一性はリップマン−パーソン法(Lipman−Pearson法;Science,227,1435,(1985))によって計算され、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより測定する。
また、前記(f)において、「ストリンジェントな条件」としては、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W.Russell.,Cold Spring Harbor Laboratory Press]記載のサザンハイブリダイゼーション法等が挙げられ、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート及び100mg/mLニシン精子DNAを含む溶液にプローブとともに42℃で8〜16時間恒温し、ハイブリダイズさせる条件が挙げられる。
前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の取得方法としては、特に制限されず、通常の遺伝子工学的手法により得ることができる。例えば、配列番号1に示すアミノ酸配列又は配列番号2に示す塩基配列に基づいて、人工合成により取得することができる。遺伝子の人工合成は、例えば、インビトロジェン社等のサービスを利用することができる。また、カンジダ・ボンビコーラ等の微生物からクローニングによって取得することもでき、例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W. Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)]記載の方法等により行うことができる。
配列番号1に示すアミノ酸配列又は配列番号2に示す塩基配列に変異を導入する場合、例えば、部位特異的な変異導入法が挙げられる。具体的な部位特異的変異の導入方法としては、Splicing overlap extension(SOE)PCR反応(Horton et al.,Gene 77,61−68,1989)を利用した方法、ODA法(Hashimoto-Gotoh et al.,Gene,152,271-276,1995))、Kunkel法(Kunkel,T. A.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1985,82,488)等が挙げられる。また、Site-Directed Mutagenesis System Mutan-SuperExpress Kmキット(タカラバイオ社)、Transformer TM Site-Directed Mutagenesisキット(Clonetech社)、KOD-Plus-Mutagenesis Kit(東洋紡社)等の市販のキットを利用することもできる。また、ランダムな遺伝子変異を与えた後、適当な方法により酵素活性の評価及び遺伝子解析を行うことにより目的遺伝子を取得することもできる。具体的には、ランダムにクローニングしたDNA断片を用いて相同組換えを起こさせる方法や、γ線等を照射することによりランダムな遺伝子の変異が可能である。
本発明の方法に用いる形質転換体は、宿主中の前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を、欠失、変異又は発現抑制することで得られる。
形質転換体の宿主としては、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有するものであればよい。前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、宿主として好ましくは、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する微生物である。
当該微生物としては、取り扱い性の向上、前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、酵母が好ましい。当該酵母としては、カンジダ(Candida)属に属する菌類、ロドトルラ(Rhodotorula)属に属する菌類、ピチア(Pichia)属に属する菌類、ウィケルハミエラ(Wickerhamiella)属に属する菌類、又はスターメレラ(Starmerella)属に属する菌類等が挙げられる。
前記カンジダ(Candida)属に属する菌類としては、Candida bombicola(別名:Starmerella bombicola)、Candida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、又はCandida stellata等が挙げられる。
ロドトルラ(Rhodotorula)属に属する菌類、ピチア(Pichia)属に属する菌類、ウィケルハミエラ(Wickerhamiella)属に属する菌類、又はスターメレラ(Starmerella)属に属する菌類としては、Rhodotorula bogoriensisPichia anomala PY1、又はWickerhamiella domericqiae等が挙げられる。
これらのなかでも、前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、カンジダ(Candida)属に属する菌類が好ましく、Candida bombicolaCandida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、又はCandida stellataがより好ましく、Candida bombicolaがさらに好ましい。
なお、上記宿主微生物は、ATCC(American Type Culture Collection)、NBRC (Biological Resource Center, NITE)等の生物遺伝資源ストックセンター等から入手することができる。
宿主ゲノムから前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を欠失、変異又は発現抑制する方法としては、標的遺伝子の一部若しくは全部をゲノム中から除去する又は他の遺伝子と置き換える、当該遺伝子中に他のDNA断片を挿入する、当該遺伝子の転写・翻訳開始領域に変異を与える等の方法によって行うことができる。なかでも、本発明においては、前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を宿主ゲノムから物理的に欠失させた形質転換体であることが好ましい。
上記の欠失・変異・発現抑制方法は、相同組換えを用いて行うことができる。例えば、標的遺伝子の上流、下流領域を含むが標的遺伝子を含まない直鎖状のDNA断片をPCR等の方法によって構築し、これを宿主細胞内に取り込ませて宿主ゲノムの標的遺伝子上流側、下流側で2回交差の相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子を欠失あるいは他の遺伝子断片と置換させることができる。また、塩基置換や塩基挿入等の変異を導入した標的遺伝子をPCR等の方法によって構築し、これを宿主細胞内に取り込ませて宿主ゲノムの標的遺伝子内の変異箇所の外側の2ヶ所で2回交差の相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子の機能を低下又は消失させることができる。また、標的遺伝子の一部を含むDNA断片を適当なプラスミドベクターにクローニングして得られる環状の組換えプラスミドを宿主細胞内に取り込ませ、標的遺伝子の一部領域に於ける相同組換えによって宿主ゲノム上の標的遺伝子を分断して、その機能を低下又は消失させることができる。
このような相同組換えによる標的遺伝子の欠失・変異・発現抑制方法は、例えば、Besher et al., Methods in molecular biology 47,p.291-302, 1995等の文献を参考に行うことができる。
宿主に相同組換え用のDNA断片やプラスミドを導入する方法については、電気パルス法、プロトプラスト法、酢酸リチウム法、及びそれらの改変法等、酵母の形質転換に通常用いられている方法が挙げられる。
例えば電気パルス法により行う場合、対数増殖期まで増殖させた宿主細胞と、相同組換え用のDNA断片やプラスミドとをソルビトール溶液等に懸濁して、電気パルスを加えればよい。相同組換え用のDNA断片やプラスミドと宿主細胞とを接触させる際に、サーモンスパームDNA等のキャリアDNAや、ポリエチレングリコール等を添加することにより、形質転換頻度を高めることも好ましい。電気パルスの条件は、タイムコンスタント値(電圧が最大値の約37%にまで減衰するまでの時間)が約10から20ミリ秒で、パルス後の生菌率が約10〜40%となる条件とすることが好ましい。電気パルスを加えた後、菌液をソルビトール溶液を含む培地にまいて形質転換体を選択する。
目的遺伝子が欠失した形質転換体の選択は、形質転換体からゲノムDNAを抽出して、目的遺伝子部位を含む領域を対象としてPCRを行う方法、又は目的遺伝子領域に結合するDNAプローブを用いたサザンブロッティング法、等により行うことができる。
得られた形質転換体では、宿主(すなわち形質転換前の状態)に比べて、アルコールオキシダーゼ活性が低下している。なお、形質転換体でアルコールオキシダーゼ活性が低下することは、後述の実施例で用いた方法により確認できる。
前記一般式(I)で表される化合物の生産性向上の観点から、形質転換体のアルコールオキシダーゼ活性を宿主のアルコールオキシダーゼ活性に対し70%以下に低下させることが好ましく、50%以下に低下させることがより好ましく、30%以下に低下させることがさらに好ましく、20%以下に低下させることがよりさらに好ましく、10%以下に低下させることが特に好ましい。
前記(a)〜(c)のタンパク質をコードする遺伝子の欠失等によりアルコールオキシダーゼ活性が低下すると、形質転換体内のアルコール代謝経路(アルコールの酸化による脂肪酸合成経路)が阻害され、前記一般式(1)で表される化合物合成の原料となる第2級アルコールやケトンがアルコール代謝経路で消費されることなく有効利用されるため、前記一般式(1)で表される化合物の生産性が向上すると推測される。これまでカンジダ・ボンビコーラの第2級アルコール酸化経路についてはわかっておらず、前記(a)〜(c)のタンパク質をコードする遺伝子が第2級アルコールの酸化に関与することは、本発明者らにより今回新たに示された知見である。
本発明の製造方法は、前記形質転換体を用いて下記(1)及び(2)の工程により行われる。
(1)前記形質転換体を、第2級アルコール又はケトン、及び糖を含有する培地で培養する工程
(2)得られた培養物から前記一般式(I)で表される化合物を採取する工程
なお、本発明において形質転換体を培地で培養するとは、微生物や動植物あるいはその細胞・組織の培養はもちろん、植物体を土壌等で栽培することも含まれる。また、培養物には、培養・栽培等した培地及び形質転換体が含まれる。
形質転換体を培養する培地は、前記一般式(I)で表される化合物合成の原料として、第2級アルコール及びケトンの少なくとも一方、及び糖を含有する。
前記一般式(I)で表される化合物の直接の合成原料は第2級アルコールであるが、その前駆体であるケトンも同様に原料として利用することができる。例えば、文献:A. Brakemeierら Biotechnology Letters (1998) 20, 215-218には、カンジダ・ボンビコーラが第2級アルコールの前駆体であるケトンを利用し、当該第2級アルコールを含むアルキルポリグリコシドを合成することが報告されている。
第2級アルコール及びケトンは、得られた化合物を界面活性剤として用いる観点から、炭素原子数10以上が好ましく、12以上が好ましい。また、炭素原子数22以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましく、14以下がよりさらに好ましい。さらに、炭素原子数10以上22以下が好ましく、10以上18以下がより好ましく、12以上18以下がさらに好ましく、12以上16以下がよりさらに好ましく、12以上14以下が特に好ましい。
好ましい第2級アルコールの具体例としては、2−デカノール、2−ウンデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール、3−デカノール、3−ウンデカノール、3−ドデカノール、3−トリデカノール、3−テトラデカノール、3−ペンタデカノール、3−ヘキサデカノール、3−ヘプタデカノール、3−オクタデカノール、4−デカノール、4−ウンデカノール、4−ドデカノール、4−トリデカノール、4−テトラデカノール、4−ペンタデカノール、4−ヘキサデカノール、4−ヘプタデカノール、4−オクタデカノール等の2級飽和又は不飽和アルコール等が挙げられる。
好ましいケトンの具体例としては、2−デカノン、2−ウンデカノン、2−ドデカノン、2−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、2−オクタデカノン、3−デカノン、3−ウンデカノン、3−ドデカノン、3−トリデカノン、3−テトラデカノン、3−ペンタデカノン、3−ヘキサデカノン、3−ヘプタデカノン、3−オクタデカノン、4−デカノン、4−ウンデカノン、4−ドデカノン、4−トリデカノン、4−テトラデカノン、4−ペンタデカノン、4−ヘキサデカノン、4−ヘプタデカノン、4−オクタデカノンなどの飽和または不飽和ケトンが挙げられる。
なかでも炭素原子数10以上18以下の直鎖アルキル基の第2級アルコールを用いることが好ましく、2−ウンデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノールがより好ましく、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノールがさらに好ましく、2−テトラデカノールがよりさらに好ましい。
前記糖は、入手性及び取り扱い性の向上の観点から、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、デンプン加水分解物(水あめ)、セルロース加水分解物、又は廃糖蜜(モラセス)が好ましい。なかでも、得られた化合物を界面活性剤として用いる観点から、グルコース、マルトース、又は廃糖蜜がより好ましく、グルコースがさらに好ましい。
第2級アルコール、ケトン及び糖以外の培地成分は、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、宿主が微生物の場合、炭素源としてソルビトールやグリセリン等の糖アルコール類、クエン酸などの有機酸類等、窒素源として酵母エキス、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニア水、尿素、大豆タンパク質、麦芽エキス、アミノ酸、ペプトン、コーンスティーブリカー等、無機塩類としてマンガン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、鉄イオン、銅イオン、硫酸塩、リン酸塩等、ビタミン類としてビオチン、イノシトール等を用いることができる。
特に、宿主が酵母の場合には、窒素源として酵母エキス、塩化アンモニウム、尿素等、無機塩類として硫酸マグネシウム・7水和物、塩化ナトリウム、塩化カルシウム・2水和物、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2カリウム等を用いることが好ましい。場合によっては消泡剤などを添加してもよい。
形質転換体の培養条件も、宿主の種類に応じて適宜好ましい培養条件を選択することができる。
例えば、宿主が微生物の場合には、培地のpHは2.5〜9.0程度に調節することが好ましい。pHの調整は、無機又は有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行えばよい。培養温度は15〜35℃程度が好ましく、25〜32℃程度がより好ましい。培養時間は6〜200時間程度が好ましく、24〜148時間程度がより好ましい。必要により通気や攪拌を加えてもよい。
特に、宿主が酵母の場合には、培地のpHは用いる酵母が生育し得る範囲、例えば、pH3.0〜8.0程度に調節することが好ましい。培養温度は15〜35℃程度が好ましく、28〜32℃程度がより好ましい。培養時間は48〜148時間程度が好ましく、振盪又は通気撹拌培養することが好ましい。
形質転換体を培養し前記一般式(I)で表される化合物を産生させた後、培養物(培養体や培養液等)から当該化合物を単離、精製等して回収する。
前記一般式(I)で表される化合物を単離、回収する方法としては特に限定されず、通常微生物の培養上清からアルキルポリグリコシド成分を単離する際に用いられる方法により行うことができる。例えば、疎水やイオン交換樹脂による吸脱着、晶析による固液分離、膜処理等の方法を用いることができる。
本発明の製造方法は、アルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体を用いることで、原料の第2級アルコールやケトンに対し、高い収率でアルキルポリグリコシドを生産することができる。さらに、本発明の方法は、微生物等を用いた方法であり、常温・常圧下で行うことができる。そのため、原料である糖の変性が抑えられ、より効率的にアルキルポリグリコシドを生産することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の方法、化合物を開示する。
<1> 下記(1)及び(2)の工程を含む、前記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
(1)下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体を、第2級アルコール又はケトン、及び糖を含有する培地で培養する工程
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
(2)得られた培養物から前記一般式(I)で表される化合物を採取する工程
<2> 前記宿主が微生物である、<1>項記載の方法。
<3> 前記微生物が酵母である、<2>項記載の方法。
<4> 前記酵母がカンジダ(Candida)属に属する菌類である、<3>項記載の方法。
<5> 前記カンジダ(Candida)属に属する菌類が、Candida bombicolaCandida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、及びCandida stellataからなる群より選ばれる、<4>項記載の方法。
<6> 前記カンジダ(Candida)属に属する菌類が、Candida bombicolaである、<5>項記載の方法。
<7> 前記第2級アルコール又はケトンの炭素原子数が10以上、好ましくは12以上であり、22以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは14以下である、<1>〜<6>のいずれか1項記載の方法。
<8> 前記一般式(I)において、R1が水素原子又はメチル基である、<1>〜<7>のいずれか1項記載の方法。
<9> 前記一般式(I)において、R2が水素原子又はメチル基である、<1>〜<8>のいずれか1項記載の方法。
<10> 前記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子が、下記(d)〜(f)のいずれかのDNAからなる遺伝子である、<1>〜<9>のいずれか1項記載の方法。
(d)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(e)配列番号2で表される塩基配列と55%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
(f)配列番号2で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
<11> 前記一般式(II)で表される化合物。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[培地、培養条件]
カンジダ(Candida)属酵母の培養には、以下の培地を使用した。各培地は、121℃、20分のオートクレーブ後に混ぜ合わせて使用した。
また、前培養はφ24mm×200mm大型試験管(YPD培地5mL仕込み)にて30℃、250rpmで48時間振盪培養した種培養液を、φ24mm×200mm大型試験管(AG生産培地5mL仕込み)に2%(v/v)植菌し、30℃、250rpmで振盪培養した。

YPD培地: 1% (D)-グルコース、1% BactoTM Yeast Extract(日本BD社製)、1% BactoTM Tryptone(日本BD社製)
AG生産培地: 15% (D)-グルコース、0.41% クエン酸3ナトリウム(無水)、0.4% BactoTM Yeast Extract、0.154% 塩化アンモニウム、0.07% 硫酸マグネシウム・7水和物、0.05% 塩化ナトリウム、0.027% 塩化カルシウム・2水和物、0.1% リン酸2水素カリウム、0.012% リン酸水素2カリウム (1M HClにてpH 5.8に調整)
最小培地: 0.68% Yeast nitrogen base without amino acids(日本BD社製)、2%(D)-グルコース
アルコール資化培地: 0.68% Yeast nitrogen base without amino acids(日本BD社製)、0.05% BactoTM Yeast Extract、2%炭素源
[ゲノムDNA抽出]
カンジダ・ボンビコーラのゲノムDNAは、φ24mm×200mm大型試験管(YPD培地、5mL仕込み)にて30℃、250rpmにて48時間振盪培養した培養液を、4℃、15000rpmにて1分遠心分離し集めた菌体から、Genとるくん(酵母用)High Recovery(タカラバイオ社製)によって抽出した。
[PCR]
PCR反応にはPrimeStar Max DNA Polymelase(タカラバイオ社製)を用い、添付のプロトコールに従い操作した。
実施例
1.AOX1遺伝子欠損株の構築
(1)AOX1遺伝子欠失用プラスミドの構築
配列番号2に示すカンジダ・ボンビコーラのアルコールオキシダーゼ遺伝子(以下、AOX1遺伝子)欠失用プラスミドpUC-ΔAOXを、下記の手法で構築した。
pUC-ΔAOXは、AOX1遺伝子の上流約1000bp、及び下流約1000bpの領域と相補する配列を有し、当該領域間にura3遺伝子が挿入されるよう設計した。
カンジダ・ボンビコーラ KSM36株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、表1に示すPCRプライマーAOX1 US in F1(配列番号3)及びAOX1 US-ura R(配列番号4)、Pura3 F(配列番号5)及びura3 R(配列番号6)、ura-AOX1 LS F(配列番号7)、AOX1 LS in R1(配列番号8)を用い、AOX1遺伝子の上流約1000bpの領域、ura3遺伝子、AOX1遺伝子の下流約1000bpの領域のDNA断片を増幅した。
次に、プラスミドpUC118を鋳型とし、表1に示すPCRプライマーpUC in F2(配列番号9)及びpUC in R2(配列番号10)を用いてプラスミド領域を増幅し、これをInfusion HD Cloning Kit(Clontech社製)を用いて、上記のDNA断片と結合した。得られたプラスミドを、大腸菌DH5αに導入し、100ppmのアンピシリンナトリウム塩を含むLB寒天培地上にて培養し、生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体からプラスミドを抽出して、目的のAOX1遺伝子欠失用プラスミドpUC-ΔAOXを得た。
(2)カンジダ・ボンビコーラ AOX1遺伝子欠失株の構築
M. D. DE. Backerら, Yeast(1999), 15,p.1609-1618.の手法に従い、pUC-ΔAOXを用いてKSMΔura3株を形質転換した。
I. V. Bogaertら, Yeast(2008),25,p.273−278.に記載の手法により、カンジダ・ボンビコーラ KSM36株より、ウラシル要求性株を選抜した。さらに、ウラシル要求性株の中から、ura3遺伝子領域に変異が挿入された株を選抜し、KSMΔura3株とした。
KSM36株とKSMΔura3株のura3遺伝子領域の配列を解析したところ、KSMΔura3株では、一塩基変異により、54位のシステイン(Cys)がチロシン(Tyr)に変化していた。KSMΔura3株は最小培地では生育できず、5-フルオロオロチン酸添加YPD培地、及びウラシル添加最小培地にて生育可能であった。また、KSMΔura3株に、カンジダ・ボンビコーラ NBRC10243株由来の野生型ura3遺伝子を、上記IAN Van Bogaertらの手法にて導入したところ、最小培地にて生育可能となった。また、本菌株は、培地にウラシルを添加した場合、ソホロリピッド生産能は親株であるKSM36株と同等であった。
KSMΔura3株を300ppmのウラシルを添加したYPD培地5mLに植菌し、30℃、250rpm、48時間前培養した。培養液0.5mLを300ppmのウラシルを添加したYPD培地50mLに接種し、30℃、120rpmで約6時間培養した。生育した菌体を集菌した後、氷冷した滅菌水20mLで菌体を2回洗浄した。菌体を、氷冷した1mLの1M ソルビトール溶液に懸濁し、5000rpmで5分間遠心し、上清を捨てた後、400μLの1M ソルビトールを加えて懸濁した。菌体懸濁液を50μLずつ分注し、pUC-ΔAOXを2.5μg加えた。菌体懸濁液を、BIO-RAD GENE PULSER II(バイオラッド社製)を用いてエレクトロポレーションした後、1M ソルビトールを含む最小培地にまいて、30℃で1週間培養した。
得られた形質転換体から、PCR法により、AOX1遺伝子の上流及び下流領域での二重交叉による相同組換えが生じた株を選抜した。得られた形質転換体よりゲノムDNAを抽出し、表1に示すプライマーAOX1 US in F1(配列番号3)及びAOX1 LS in R1(配列番号8)を用いてPCRを行った。この結果、得られた形質転換体あたり70%の確率で二重交叉による相同組換え株が得られ、これをKSMΔAOX株とした。
(3)カンジダ・ボンビコーラ ウラシル遺伝子導入株の構築
AOX1遺伝子欠失株の対照菌株として、KSMΔura株に、AOX1遺伝子が欠失しないように、野生型ura3遺伝子をKSMΔura株の変異ura3領域に導入した株を作製した。
カンジダ・ボンビコーラ KSM36株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、表1に示すプライマーPura3 F(配列番号5)、及びura3 R2(配列番号11)を用いて、PCR法にてura3領域のDNA断片を増幅した。得られたDNA断片を、Mighty Cloning Reagent Set Blunt End(タカラバイオ社製)を用いて、pUC118DNA HincII/BAP(タカラバイオ社製)へ挿入し、プラスミドpUC-ura3を得た。
プラスミドpUC-ura3を用い、上記(2)と同様の手法にてKSMΔura株に導入した。得られた形質転換体よりゲノムDNAを抽出し、プラスミド領域に設計したプライマーpUC seq 1(配列番号12)及びpUC seq 2(配列番号13)を用いて、PCRによる組換えの確認を行った。この結果、得られた形質転換体あたり11%の確率で二重交叉による相同組換え株が得られ、これをKSMΔura-ura株とした。
2.アルコールオキシダーゼ活性の測定
カンジダ・ボンビコーラ KSMΔura-ura株、及びKSMΔAOX株を、YPD培地にて30℃、250rpm、48時間、前培養した。前培養液を、炭素源として(D)-グルコース、及び1-ヘキサデカノールを10g/Lずつ添加したアルコール資化培地に1%植菌し、30℃、250rpmにて48時間培養した。培養後の菌体からミクロソーム膜タンパク質画分を調製し、アルコールオキシダーゼ活性(AOX活性)を測定した。なお、微生物のアルコールオキシダーゼは膜タンパク質画分に局在することが知られている。
ミクロソーム膜タンパク質画分の調製、及びアルコールオキシダーゼ活性の測定は、G. D. Kempら,Appl. Microbiol. Biotechnol. (1988), 29,p.370-374記載の方法に従い行った。
[ミクロソーム膜タンパク質画分の調製]
培養後の菌体20mLを、8000rpm、4℃にて10min遠心して集菌した後、菌体を10mLの生理食塩水で2回洗浄した。菌体を1/15M リン酸バッファー(pH7.4) 500μLを加え懸濁し、マルチビーズショッカー(安井器械製)、及び媒体に0.5mmグラスビーズを用いて破砕した。500μLの1/15M リン酸バッファー(pH7.4)を添加、混合し、破砕液を4℃、3000gで5分遠心し、破砕されなかった菌体を除去した。上清を4℃、20000gで60分遠心し、ミトコンドリアとペルオキシソーム画分を除去した。残った上清を回収し、4℃、100000gで90分遠心し、沈殿を回収し200μLの1/15M リン酸バッファー(pH7.4)を添加し懸濁した。この懸濁液を、ミクロソーム膜タンパク質画分として、以下のアルコールオキシダーゼ活性の測定に用いた。
[アルコールオキシダーゼ活性の測定]
0.1M リン酸バッファー(pH7.4) 100μL、2.8g/L 2,2’-azino-di [3-ethylbenzothiazoline-(6)-sulfonic acid](ABTS)溶液 50μL、horseradish peroxidase 47units/mL溶液 30μL、及びミクロソーム膜タンパク質画分 10μLを混合し、30℃で5分インキュベートした。その後、5mM 1-ドデカノール DMSO溶液 10μLを添加し、0分、及び5分後の405nmにおける吸光度を測定した。アルコールオキシダーゼは、1μmolのアルコールを酸化し、2μmolのラジカルカチオンを産生する。1mMのラジカルカチオン型ABTSは405nmで18.4の吸光度を示すが、これは0.5mMの酸化された基質と同義である。そこで、1分間に0.0368の吸光度変化を、アルコールオキシダーゼ活性の1Uと定義した。
ミクロソーム膜タンパク質1gあたりのアルコールオキシダーゼ活性を図1に示す。
図1から明らかなように、AOX1遺伝子が欠失したKSMΔAOX株は、KSMΔura-ura株と比べて、アルコールオキシダーゼ活性が大幅に低下した。
3.KSMΔAOX株のジオール型アルキルポリグリコシド生産性
KSMΔura-ura株、及びKSMΔAOX株を、YPD培地にて、30℃、250rpmで48時間前培養した。前培養液を、AG生産培地30mL仕込み500mL坂口フラスコに2%植菌し、30℃、120rpmにて48時間培養した後、基質として2-テトラデカノールを10g/Lとなるよう添加した。
基質添加から72時間培養後の培養液を、下記のLC-MS分析及びGC分析に供した。
[LC-MS分析]
装置はUFLC 20A-LCMS 2020(島津製作所社製)を用い、カラムとしてL-column ODS 4.6 x 150mm, 5μm(化学物質評価研究機構)を用いた。溶離液Aに0.01M 酢酸アンモニウム水溶液、溶離液Bに0.01M酢酸アンモニウムメタノール溶液を用い、流量1mL/分、カラムオーブン温度40℃、50%(5分)→20%/min→90%→95%(5分)→100%(30分)のタイムプログラムにて行った。検出はネガティブイオンモードにて行った。
LC-MS分析の結果、KSMΔura-ura株の培養液では、10.5分に[M-H]:579.5、11分に[M-H]:621.5のピークが確認された。KSMΔAOX株の培養液では、上記の2ピークに加え、9分に[M-H]:637.5のピークが確認された。文献:S. Fleurackers., et. al., (2010) Eur. J. Lipid Sci. Technol., 112, 655-662によれば、ジアセチルドデシルソホロシドがカンジダ・ボンビコーラにより生成し、その分子量が594であると報告されている。これらのことから、11分のピークはジアセチル-2-テトラデシルソホロシド、10.5分のピークはアセチル-2-テトラデシルソホロシドと考えられた。一方、KSMΔAOX株でのみ認められた9分の[M-H−]:637.5のピークは、ジアセチル-2-テトラデシルソホロシドに分子量16が付加され、かつピークの溶出位置が高極性側にシフトしていることから、ジアセチル-2-テトラデシルソホロシドのいずれかの位置に水酸基が付加されたものと考えられた。そこで次に、水酸基の付加位置をGC-MS分析により解析した。
[GC-MS分析]
培養液5mLより内部標準として1-オクタデカノールを0.05%添加した1-ブタノール2.5mLにて2回抽出を行った。次に、遠心エヴァポレーターにて乾固し、1M NaOH水溶液を添加し、100℃で4時間処理した。続いて、1-ブタノール2.5mLにて2回抽出を行った後、遠心エヴァポレーターにて乾固し、トリメチルシリル(TMS)化試薬を用いて誘導体化した。TMS化したサンプルを以下のGC-FID、及びGC-MS法にて解析し、アルキルポリグリコシド生産量、及び残存基質量を得た。
GCは、装置として7890A(アジレント・テクノロジー社製)、カラムとしてDB-1 ms 25m×0.20mm×330μm(J&W scientific社製)、移動相に高純度ヘリウムを用い、流量1mL/min、昇温プログラム100℃(1分)→10℃/分→300℃(10分)にて行った。標準物質としてn−ドデシルマルトシド(CALBIOCHEM社製)を用い、18分から22分に検出されるアルキルポリグルコシド由来のピークを積算し、アルキルポリグルコシド量として算出した。
GC-MSは、装置として7890A-5975C(アジレント・テクノロジー社製)、カラムとしてDB-1 ms 25m×0.20mm×330μm(J&W scientific社製)、移動相に高純度ヘリウムを用い、流量1mL/min、昇温プログラム100℃(1min)→10℃/min→300℃(20min)にて行った。
GC分析の結果を図2に示す。なお、図2において、2-C14olは2−テトラデカノール、ISは内部標準として用いた1−オクタデカノール、2-C14ol由来AGは2−テトラデカノールにソホロシドが付加した下記構造式Aで表される化合物由来のピークをそれぞれ示す。
図2に示すように、第2級アルコールである2-テトラデカノールを原料とした場合、KSMΔura-ura株では、2-C14ol由来AGのメインピーク以外に、高沸点側に副産物ピーク3が確認された。3のピークは野生株であるKSM36株の培養時にも観察された(図示せず)。一方、KSMΔAOX株では、KSMΔura-ura株と同様に3のピークが確認された他、KSMΔura-ura株にはないピーク4及び5が高沸点側に確認された。さらに、2-テトラデカノールと内部標準である1-オクタデカノールの間に、ピーク1及び2が確認された。
次に、GC-MS解析により、上記ピーク1〜5の各化合物(以下、ピーク1化合物等という)の水酸基の位置を決定した。
水酸基を有する脂肪酸類をTMS化した後にGC-MS解析を行った場合、水酸基の位置に寄らず常に水酸基を含むアルキル末端側のフラグメントイオンが得られる。フラグメントイオンの例を表2に示した。
GC-MS解析の結果、ピーク1化合物ではフラグメントイオンとして73及び117が、ピーク2化合物は73、103及び117が認められた。また、ピーク1及び2化合物は、2-テトラデカノールのTMS化物と内標である1-オクタデカノールのTMS化物の間に検出されるため、沸点もこの両者の中間と推定される。これらのことから、ピーク1化合物は2-テトラデカノールのω-1位が水酸化された2,13-テトラデカンジオールであり、ピーク2化合物は2-テトラデカノールのω末端が水酸化された1,13-テトラデカンジオールであると考えられた。
また、ピーク3化合物では73、117及び271.1、ピーク4化合物では73及び103、ピーク5化合物では73、117及び271.1がフラグメントイオンとして確認された。
ピーク4化合物では103のフラグメントイオンが認められることから、ピーク2化合物である1,13-テトラデカンジオールに糖転移したジオール型アルキルポリグリコシドと考えられた。さらに、117のピークが検出されないため、1,13-テトラデカンジオールの13位の水酸基に糖が転移されていると考えられた。これらの結果から、ピーク4化合物は、下記構造式4で示されるジオール型アルキルポリグリコシド(13-hydroxy-1-methyl-1-O-tridecyl-(2’-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranoside))のTMS化体であると考えられた。
ピーク3化合物とピーク5化合物は同じフラグメントイオンパターンを示した。ピーク5化合物はKSMΔAOX株培養時にのみ認められた。また、KSMΔAOX株ではAOX1遺伝子欠損により、1級アルコールを含むジオールが蓄積すると考えられる。これらのことから、KSMΔAOX株のみで認められたピーク5化合物は、ピーク2化合物である1,13-テトラデカンジオールの1位の水酸基に糖付加したジオール型アルキルポリグリコシド(13-hydroxy-1-O-tetradecyl-(2’-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranoside)、下記構造式5)のTMS化体であり、他方、ピーク3化合物は、ピーク1化合物である2,13-テトラデカンジオールのどちらかの水酸基に糖転移したジオール型アルキルポリグリコシド(12-hydroxy-1-methyl-1-O-tridecyl-(2’-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranoside)、下記構造式3)のTMS化体であると考えられた。
上記考察は、カンジダ・ボンビコーラ野生株を用いて第2級アルコールと糖を反応させると、構造式3に示す化合物が生産されるとの報告(文献:EP0745608参照)とも一致するものであった。また、構造式5の化合物は新規化合物であった。
以上の結果から、KSMΔAOX株では、アルキル鎖のω末端又はω-1末端に水酸基を有するジオール型アルキルポリグリコシドが複数種類生産されることがわかった(ピーク3、4及び5化合物)。さらに、KSMΔAOX株は、KSMΔura-ura株では生産されないジオール型アルキルポリグリコシド(ピーク4及び5化合物)を生産できることがわかった。
GC−FID分析の結果、各ジオール型アルキルポリグリコシド量の合計は、KSMΔura-ura株で0.57g/L、KSMΔAOX株では7.65g/Lであった。
以上の結果から、KSMΔAOX株は、糖及び第2級アルコールを基質として、ω末端又はω-1末端に水酸基を有するジオール型アルキルポリグリコシドを高い収率で生産できることがわかった。

Claims (9)

  1. 下記(1)及び(2)の工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
    (1)下記(a)〜(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子を有する宿主において、当該遺伝子が欠失、変異又は発現抑制され、該宿主と比べてアルコールオキシダーゼ活性が低下した形質転換体を、第2級アルコール又はケトン、及び糖を含有する培地で培養する工程
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
    (c)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつアルコールオキシダーゼ活性を有するタンパク質
    (2)得られた培養物から下記一般式(I)で表される化合物を採取する工程
    (一般式(I)中、R1は水素原子又はC2x+1で表されるアルキル基を表し、xは1以上3以下の整数を表す。R2は水素原子又はC2y+1で表されるアルキル基を表し、yは1以上3以下の整数を表す。但し、R1とR2とが同時に水素原子であることはない。nは7以上19以下の整数を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はアセチル基を表す。)
  2. 前記宿主が微生物である、請求項1記載の方法。
  3. 前記微生物が酵母である、請求項2記載の方法。
  4. 前記酵母がカンジダ(Candida)属に属する菌類である、請求項3記載の方法。
  5. 前記カンジダ(Candida)属に属する菌類が、Candida bombicolaCandida apicolaCandida batistaeCandida floricolaCandida riodocensis、及びCandida stellataからなる群より選ばれる、請求項4記載の方法。
  6. 前記第2級アルコール又はケトンの炭素原子数が10以上22以下である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記一般式(I)において、R1が水素原子又はメチル基である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記一般式(I)において、R2が水素原子又はメチル基である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 下記一般式(II)で表される化合物。
    (一般式(II)中、nは7以上19以下の整数を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はアセチル基を表す。)
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