JP2015121362A - 熱交換器 - Google Patents

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俊 吉岡
Takashi Yoshioka
俊 吉岡
尚吾 太田
Shogo Ota
尚吾 太田
絢人 楮原
Kento Kagohara
絢人 楮原
寛二 赤井
Kanji Akai
寛二 赤井
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Abstract

【課題】ヘッダ内で隣り合う集合空間でそれぞれ集合した冷媒が、互いに与える影響を低減させる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器は、複数の冷媒管40(140,240)と、第1の冷媒用ヘッダ41と、第2の冷媒用ヘッダと、を備える。第1の冷媒用ヘッダおよび第2の冷媒用ヘッダは、複数の冷媒管の長手方向に対して交差する交差方向に延び、複数の冷媒管の長手方向両端部にそれぞれ接続される。第1の冷媒用ヘッダが有する複数の集合空間は、第1端部側第1集合空間r1と、第1端部側第2集合空間r2とから構成される。第2の冷媒用ヘッダが有する複数の集合空間は、第2端部側第1集合空間から構成される。第1の冷媒用ヘッダは、第1端部側第1集合空間と第1端部側第2集合空間との間に、非閉鎖空間nr1を有する。非閉鎖空間は、外部空間に連通させる連通部分csによって囲まれる。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱交換器に関する。
従来、ヒートポンプ式給湯装置では、冷媒回路において、例えば、水と、冷媒(例えば、CO2冷媒)との間で熱交換を行わせる熱交換器が利用されている。例えば、特許文献1(特開2012−202608号公報)には、熱交換器として、プレート型熱交換器が記載されている。プレート型熱交換器では、水を通すための扁平管(水管)と、冷媒を通すための扁平管(冷媒管)とを接触させて、水と冷媒との間で熱交換させる。
ところで、熱交換器は、冷媒管を流れる冷媒を集合させるヘッダを備える。ヘッダの内部には、冷媒を集合させるための複数の集合空間が形成されている。複数の集合空間は、ヘッダ内部に設けられた仕切り部材によって形成されている。複数の集合空間は、ヘッダの長手方向に沿って並んで配置されている。冷媒は、冷媒管を流れて一の集合空間で集合すると、その後、流れ方向を変化させて、第1の方向に対向する第2の方向に流れる。
ここで、第1の集合空間と、第1の集合空間の隣に並ぶ第2の集合空間とは、仕切り部材によって仕切られているだけである。そのため、第1の集合空間と第2の集合空間との間で、仕切り部材を介して熱伝導が生じる。その結果、第1の集合空間で集合した冷媒は、第2の集合空間で集合した冷媒の温度によって、温度が下げられてしまう。すなわち、第1の集合空間で集合した冷媒および第2の集合空間で集合した冷媒は互いの温度に影響を与えてしまう。
本発明の課題は、ヘッダ内で隣り合う集合空間でそれぞれ集合した冷媒が、互いの温度に与える影響を低減させる熱交換器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る熱交換器は、複数の冷媒管と、第1の冷媒用ヘッダと、第2の冷媒用ヘッダと、を備える。複数の冷媒管は、冷媒を通す冷媒流路を有し、冷媒流路が長手方向に延びる。第1の冷媒用ヘッダは、複数の冷媒管の長手方向に対して交差する交差方向に延びる。また、第1の冷媒用ヘッダは、複数の冷媒管の第1の端部に接続される。さらに、第1の冷媒用ヘッダは、冷媒を集合させる第1端部側集合空間を有する。第2の冷媒用ヘッダは、交差方向に延びる。また、第2の冷媒用ヘッダは、複数の冷媒管の第2の端部に接続される。さらに、第2の冷媒用ヘッダは、冷媒を集合させる第2端部側集合空間を有する。第1端部側集合空間は、第1端部側第1集合空間と、第1端部側第2集合空間とから構成される。第1端部側第2集合空間は、第1端部側第1集合空間の隣の集合空間である。第2端部側集合空間は、第2端部側第1集合空間から構成される。第1の冷媒用ヘッダは、第2端部側第1集合空間で冷媒を集合させるために、第1端部側第1集合空間から第2端部側第1集合空間に向けて第1の方向へ冷媒を流す。第2の冷媒用ヘッダは、第1端部側第2集合空間で冷媒を集合させるために、第2端部側第1集合空間から第1端部側第2集合空間に向けて第2の方向へ冷媒を流す。第2の方向は、第1の方向に対向する方向である。第1の冷媒用ヘッダは、第1端部側第1集合空間と第1端部側第2集合空間との間に、非閉鎖空間を有する。非閉鎖空間は、外部空間に連通させる連通部分によって囲まれる。
本発明の第1観点に係る熱交換器では、第1の冷媒用ヘッダが有する第1端部側第1集合空間および第1端部側第2集合空間の間に、非閉鎖空間が形成されている。非閉鎖空間は、外部空間に連通させる連通部分によって囲まれる。
これにより、第1のヘッダ内で隣に並ぶ集合空間でそれぞれ集合した冷媒が、互いに与える影響を低減させることができる。
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、第1の冷媒用ヘッダは、筒状部材である。また、第1端部側第1集合空間と、非閉鎖空間と、第1端部側第2集合空間とは、共通の筒状部材によって形成された空間である。非閉鎖空間は、筒状部材の部分であって外部空間と連通する孔が形成された連通部分によって囲まれた空間である。
本発明の第2観点に係る熱交換器では、第1端部側第1集合空間、非閉鎖空間、および第1端部側第2集合空間のそれぞれが、共通の筒状部材によって形成された空間である。また、非閉鎖空間を形成する筒状部材に部分的に孔が形成された連通部分が含まれる。
これにより、複雑な構成を回避することができる。
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第2観点に係る熱交換器であって、第1の冷媒用ヘッダは、仕切り部材を有する。仕切り部材は、筒状部材によって形成される内部空間を仕切って第1のヘッダ内部に第1端部側集合空間を形成する。非閉鎖空間は、二つの仕切り部材と、連通部分を含む筒状部材とによって囲まれた空間である。
本発明の第3観点に係る熱交換器では、第1のヘッダの内部空間が仕切り部材によって仕切られる。その結果、第1のヘッダ内部に複数の集合空間が形成される。また、非閉鎖空間は、二つの仕切り部材と、連通部分を含む筒状部材とによって形成される。
これにより、簡易な構成により、第1端部側第1集合空間と第1端部側第2集合空間とを分離させることができる。
本発明の第4観点に係る熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかに係る熱交換器であって、第1の冷媒用ヘッダは、入口部をさらに有する。入口部は、長手方向第1端部に冷媒を入れるための部分である。第1端部側第1集合空間は、第1端部側集合空間を構成する複数の集合空間のうち、入口部の近傍に位置する集合空間である。
本発明の第4観点に係る熱交換器では、第1端部側第1集合空間は、第1端部側集合空間を構成する複数の集合空間のうち、入口部の近傍に位置する集合空間である。すなわち、第1の冷媒用ヘッダの冷媒の入口近傍にある集合空間(第1端部側第1集合空間)と、当該集合空間の隣にある第1端部側第2集合空間とが、非閉鎖空間によって分離される。
これにより、第1端部側第1集合空間で集合する過熱域の冷媒について、当該集合空間の隣にある第1端部側第2集合空間の冷媒による温度の低下を抑制することができる。
本発明の第5観点に係る熱交換器は、第4観点に係る熱交換器であって、第2の冷媒用ヘッダは、筒状部材である。また、第2の冷媒用ヘッダは、第2端部に、冷媒を排出するための出口部をさらに有する。第2端部は、長手方向において第1端部の反対側に位置する。第1端部側集合空間は、さらに、出口部の近傍に位置する第1端部側第3集合空間から構成される。第2端部側集合空間は、さらに、第2端部側第2集合空間と、第2端部側第3集合空間とから構成される。第2端部側第3集合空間は、第2端部側第2集合空間の隣にある集合空間であり、出口部の近傍に位置する。第2の冷媒用ヘッダは、第1端部側第3集合空間で冷媒を集合させるために、第2端部側第2集合空間から第1端部側第3集合空間に向けて第3の方向へ冷媒を流す。また、第1の冷媒用ヘッダは、第2端部側第3集合空間で冷媒を集合させるために、第1端部側第3集合空間から第2端部側第3集合空間に向けて第4の方向へ冷媒を流す。第4の方向は、第3の方向に対向する方向である。第2の冷媒用ヘッダは、第2端部側第2集合空間と、第2端部側第3集合空間との間に、非閉鎖空間を有する。非閉鎖空間は、筒状部材の部分であって外部空間と連通する孔が形成された連通部分を含む。
本発明の第5観点に係る熱交換器では、第2の冷媒用ヘッダの冷媒の出口近傍にある集合空間(第2端部側第3集合空間)と、当該集合空間の隣にある第2端部側第2集合空間とが、非閉鎖空間によって分離される。
これにより、第2端部側第3集合空間で集合する過冷却域の冷媒について、当該集合空間の隣にある第2端部側第2集合空間の冷媒の影響による温度の上昇を抑制することができる。
本発明の第6観点に係る熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかに係る熱交換器であって、水管と、水用ヘッダと、ダミー管とをさらに備える。水管は、水を通す水流路を有し、水流路が長手方向に延びる。水用ヘッダは、複数の水管の両端に接続されて、水を集合させる。ダミー管は、複数の冷媒管と同様に長手方向に延びて、第1の冷媒用ヘッダの非閉鎖空間に第1の端部が連結される。また、複数の冷媒管を流れる冷媒と、水管を流れる水との間で熱交換を行わせ、ダミー管は、第1の水管と、第1の水管の近傍の第2の水管との間に配置される。
本発明の第6観点に係る熱交換器では、非閉鎖空間に、ダミー管が接続される。また、ダミー管を挟んで上下に、二つの水管が配置される。
これにより、耐圧構造を確保することができる。
本発明の第7観点に係る熱交換器は、第1観点から第6観点のいずれかに係る熱交換器であって、冷媒は、R32冷媒である。
本発明の第7観点に係る熱交換器では、R32冷媒と水との間で熱交換が行われる。R32冷媒では、冷媒吐出温度が高い。これにより、特に有効な結果を得ることができる。
本発明の第8観点に係る給湯装置または暖房装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係る熱交換器を用いて温水を作る。これにより、効果的に温水を作ることができる。
本発明の第1観点に係る熱交換器では、第1のヘッダ内で隣に並ぶ集合空間でそれぞれ集合した冷媒が、互いに与える影響を低減させることができる。
本発明の第2観点に係る熱交換器では、複雑な構成を回避することができる。
本発明の第3観点に係る熱交換器では、簡易な構成により、第1端部側第1集合空間と第1端部側第2集合空間とを分離させることができる。
本発明の第4観点に係る熱交換器では、第1端部側第1集合空間で集合する過熱域の冷媒について、当該集合空間の隣にある第1端部側第2集合空間の冷媒による温度の低下を抑制することができる。
本発明の第5観点に係る熱交換器では、第2端部側第3集合空間で集合する過冷却域の冷媒について、当該集合空間の隣にある第2端部側第2集合空間の冷媒の影響による温度の上昇を抑制することができる。
本発明の第6観点に係る熱交換器では、耐圧構造を確保することができる。
本発明の第7観点に係る熱交換器では、特に有効な結果を得ることができる。
本発明の第8観点に係る給湯装置または暖房装置では、効果的に温水を作ることができる。
本発明に係る熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置の概要を示す回路図である。 本発明に係る熱交換器が配置される熱源ユニットの例を示す図である。 本発明に係る熱交換器の構成の概要を示す図である。 熱源ユニットに設置された状態(横たえた状態)の熱交換器を示す図である。また、流体の流れ方向および出入口部を示す模式図でもある。 図3に示す熱交換器のI−I断面の斜視図である。 図3に示す熱交換器の部分拡大図である。 図3に示す熱交換器の部分拡大図である。 金属プレートの概略平面図である。 折り曲げられた状態の金属プレートの概略平面図である。 図8のII−II断面図である。 図9のIII−III断面図である。 水管および水用ヘッダの部分断面図である。 図5に示す熱交換器のIV−IV断面図である。 冷媒温度および水温度の予測値と、従来の熱交換器により得られる水温度の実測値とを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明に係る熱交換器の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
なお、本発明に係る熱交換器10は、R410A,R32,R134a,HFOなどのフロン系冷媒や、CO2,プロパンなどの自然冷媒を対象とした水熱交換器である。以下の実施形態では、R32のフロン系冷媒を対象とする熱交換器10を例に挙げて説明する。
(1)ヒートポンプ式給湯装置の全体構成
図1は、本発明に係る熱交換器10が採用されたヒートポンプ式給湯装置1の概略構成図である。ヒートポンプ式給湯装置1は、主として、温水熱源ユニット2と、給湯ユニット3とを有している。
温水熱源ユニット2は、屋外に1台設置されている。温水熱源ユニット2は、主として、圧縮機4と、熱交換器10と、膨張弁5と、空気熱交換器6とを有しており、これらの機器が接続されることによって冷媒回路20を構成している。圧縮機4は、R32冷媒を圧縮する。熱交換器10は、R32冷媒と水との間で熱交換を行う。膨張弁5は、R32冷媒の減圧手段として機能する。空気熱交換器6は、外気とR32冷媒との間で熱交換を行う。
給湯ユニット3は、それぞれ屋内に1台ずつ設置されている。給湯ユニット3は、主として、給湯タンク31と、ポンプ32とを有している。給湯ユニット3は、給湯タンクおよびポンプ等からなる給湯回路を有する。給湯タンク31は、給湯に利用される水媒体としての水が溜められる。給湯タンクに溜められた水は、その後、蛇口やシャワー等に送られて使用される。ポンプ32は、水を送り出すために使用される。熱交換器10と給湯タンク31とポンプ32とが接続されることによって水循環回路30が構成されている。
(2)温水熱源ユニットの内部構造
図2は、熱交換器10が含まれる温水熱源ユニット2の内部構造を模式的に示す。図2において、断熱壁2cの右側区画が機械室2aであり、断熱壁2cの左側区画が送風機室2bである。機械室2aには、圧縮機4や膨張弁5が配置されている。送風機室2bには、ファン7が配置されている。空気熱交換器6は、図2において、送風機室2bの左側と背面側に配置されている。送風機室2bの下方には、断熱壁2dを隔てて熱交換器10が配置されている。熱交換器10では、冷媒回路を循環するR32冷媒と、給湯回路に送られる水との間で熱交換が行われる。機械室2aの上部には、制御ボックス9が配置されている。
熱交換器10は、温水熱源ユニット2において、後述するヘッダ41,42,51,52が延びる方向が水平面に対して平行に近い傾きになるように配置される。具体的に、熱交換器10は、図3に示す高さ方向が、設置面に対して略平行になるように配置される。より具体的に、熱交換器10は、温水熱源ユニット2に配置される際、側面視で図4に示すような態様を有する。すなわち、図3の高さ方向は、図4の奥行き方向に対応し、図3の奥行き方向は、図4の上下方向(高さ方向)に対応する。
以下、熱交換器10の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明において、図3に示す熱交換器10の態様を起立状態と呼び、図4に示す熱交換器10の態様を横たえた状態と呼ぶ。
(3)熱交換器の構成の概要
図3は、熱交換器10の全体構成図である。図4は、温水熱源ユニット2に設置された状態(横たえた状態)の熱交換器10の状態を示す図である。図5は、図3のI―I断面の部分拡大図である。図5において、仕切り部材41aは省略している。図6および図7は、図3の部分拡大図である。図3、図6、および図7では、流体(冷媒および水)の流れ方向が模式的に示されている。図8から図11は、熱交換器10を構成するための部材(金属プレート)80を説明するための図である。図12は、水管50および水用ヘッダ51,52を示す図である。図13は、複数の水管50および複数の冷媒管40が積層されている状態を示す。
図3から図7のいずれかに示すように、熱交換器10は、主として、多数の冷媒管40と、冷媒用ヘッダ41,42と、多数の水管50と、水用ヘッダ51,52とから構成されている。冷媒管40および水管50は、いずれも扁平な面を有する管(扁平管)である。多数の冷媒管40および多数の水管50は、それぞれ、扁平な面が互いに対向するような状態で積層される。冷媒管40および水管50は、交互に積層されている。また、冷媒管40および水管50は、ロウ付け接合されて互いに密着する。これにより、熱交換器10では、冷媒管40の内部を流れる冷媒(ここでは、圧縮機4から吐出される冷媒)と、水管50の内部を流れる水と間で熱交換を行って、水管50の内部の水を加熱するように構成されている。
図3に示すように、熱交換器10が起立状態のとき、複数の冷媒管40および複数の水管50のそれぞれは、扁平な面が水平面に対して平行になるように配置される。さらに、図4に示すように、熱交換器10が横たえた状態(設置された状態)のとき、多数の冷媒管40および多数の水管50のそれぞれは、扁平な面が水平面に対して垂直に近い傾きになるように配置される。
なお、本実施形態における熱交換器10では、図3に示すように、18本の冷媒管40および17本の水管50が積層されている。積層される冷媒管40および水管50の数は、要求される性能などに応じて適宜選定されるものである。また、図3の例では、最下段と最上段に冷媒管40が配置されているが、水管50を最下段や最上段に配置することもできる。
(3−1)冷媒管
冷媒管40は、高圧により超臨界状態になっている冷媒が流れるような構成を有する。具体的に、冷媒管40は、扁平な形状を有する管である。また、冷媒管40は、多数の冷媒流路40aを有する。すなわち、冷媒管40は、いわゆる、多穴扁平管である。図5で示す冷媒管40は、13個の冷媒流路40aを有する。複数の冷媒流路40aは、冷媒管40の幅方向(図3、図6、および図7の奥行き方向)に一列に並ぶ。冷媒流路40aは、冷媒管40の長手方向に延びて貫通し、内部に冷媒を通す。なお、冷媒流路40aの数は、13個に限定されるものではない。
冷媒管40は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ステンレスなどで形成される。また、冷媒管40は、引き抜き加工や押し出し加工により製造されている。
なお、本実施形態に係る熱交換器10では、22本の冷媒管40のうち、2本の冷媒管40について、冷媒流路40aが塞がれている。以下、冷媒流路40aが塞がれていない冷媒管40は、第1冷媒管140として説明し、冷媒流路40aが塞がれた冷媒管40は、第2冷媒管(ダミー管)240として説明する。
(3−2)冷媒用ヘッダ
冷媒用ヘッダ41,42は、複数の第1冷媒管140の内部に通される冷媒を集合させる。また、冷媒用ヘッダ41,42は、内部に集合した冷媒を、複数の第1冷媒管140に分配する。
冷媒用ヘッダ41,42は、複数の冷媒管40の長手方向に対して交差する方向(交差方向)に延びる。すなわち、冷媒用ヘッダ41,42は、それぞれ、多数の冷媒管40が積層される方向に沿って延びる態様で配置される。冷媒用ヘッダ41,42は、多数の冷媒管40に接続される。
冷媒用ヘッダ41,42には、第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42が含まれる。第1の冷媒用ヘッダ41は、図3に示す熱交換器10において、冷媒管40の長手方向第1端側(左側)に配置されている。第1の冷媒用ヘッダ41は、多数の冷媒管40の長手方向第1端側で多数の冷媒管40に接続される。また、第2の冷媒用ヘッダ42は、図3に示す熱交換器10において、冷媒管40の長手方向第2端側(右側)に配置されている。第2の冷媒用ヘッダ42は、多数の冷媒管40の長手方向第2端側で多数の冷媒管40に接続される。
図4に示すように熱交換器10を横たえた状態のとき、第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42は、冷媒管40の長手方向における中心位置cpから最も遠い位置に配置される。言い換えると、第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42は、冷媒管40の先端に接続されている。
第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42は、それぞれ、主として、筒状部材と、冷媒用入口部41bおよび冷媒用出口部42bと、仕切り部材41a,42aとによって構成されている。以下、筒状部材と、冷媒用入口部41bおよび冷媒用出口部42bと、仕切り部材41a,42aとについて説明する。
(3−2−1)筒状部材
筒状部材は、複数の冷媒管40の長手方向に対して交差する方向に延びる内部空間を有する。内部空間は、後述する仕切り部材41a,42aによって複数の集合空間r1〜r3,r4〜r6へと形成される。
筒状部材は、連通部分csを含む(図6および図7参照)。図6および図7に示すように、連通部分csとは、筒状部材のうち、外部空間と連通する孔(連通孔)41c,42cが形成された部分である。すなわち、筒状部材には、連通孔41c,42cが形成されている。図3、図6、および図7では、連通部分csは、筒状部材が延びる方向に対して交差する方向に延びる連通孔41c,42cを有する。具体的に、連通部分csが有する連通孔41c,42cは、筒状部材が外周に沿って部分的に切り欠かれることによって形成される。また、連通孔41c,42cは、筒状部材のうち、非閉鎖空間nr1,nr2が設けられる高さ位置に対応する部分の外周に形成される。なお、連通部分csが有する連通孔41c,42cの形状は、どのような形状(例えば、矩形、円形等)であってもよい。
(3−2−2)冷媒用入口部および冷媒用出口部
冷媒用入口部41bは、熱交換器10への冷媒の入口を構成する。冷媒用入口部41bは、第1の冷媒用ヘッダ41に設けられている。冷媒用出口部42bは、熱交換器10の外側への冷媒の出口を構成する。冷媒用出口部42bは、第2の冷媒用ヘッダ42に設けられている。
具体的に、冷媒用入口部41bは、第1の冷媒用ヘッダ41の内部に冷媒を送るための部分である。冷媒用入口部41bは、第1の冷媒用ヘッダ41の長手方向第1端部の先端に設けられている。具体的に、図3では、冷媒用入口部41bは、第1の冷媒用ヘッダ41の上端部先端に設けられている。すなわち、第1の冷媒用ヘッダ41の内部には、冷媒用入口部41bから冷媒が入る。
冷媒用出口部42bは、第2の冷媒用ヘッダ42の内部から外部に向けて冷媒を排出するための部分である。冷媒用出口部42bは、第2の冷媒用ヘッダ42の長手方向第2端部の先端に設けられる。長手方向第2端部は、第1端部の反対側に位置する端部である。具体的に、図3では、冷媒用出口部42bは、第2の冷媒用ヘッダ42の下端部先端に設けられている。すなわち、第2の冷媒用ヘッダ42の内部の冷媒は、冷媒用出口部42bから排出される。
冷媒は、図3の実線矢印で示すように、冷媒用入口部41bを介して熱交換器10の内部に流れ込み、多数の冷媒管40の内部を通って、冷媒用出口部42bを介して熱交換器10の外側へ流れ出る。
(3−2−3)仕切り部材
仕切り部材41a,42aは、冷媒用ヘッダ41,42の内部空間を仕切るための部材である。仕切り部材41a,42aは、冷媒用ヘッダ41,42の内部に設けられ、冷媒用ヘッダ41,42の内部空間を、長手方向において分断する。仕切り部材41a,42aによって、第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42には、複数の集合空間r1〜r6と、非閉鎖空間nr1,nr2とが形成される。
具体的に、複数の集合空間r1〜r3,r4〜r6は、筒状部材と、仕切り部材41a,42aとによって形成される。言い換えると、複数の集合空間r1〜r3,r4〜r6は、筒状部材の内壁および仕切り部材41a,42aによって囲まれた閉鎖空間である。非閉鎖空間nr1,nr2もまた、筒状部材と仕切り部材41a,42aとによって形成される。すなわち、非閉鎖空間nr1,nr2は、複数の集合空間r1〜r3,r4〜r6を形成する筒状部材と共通の筒状部材を用いて形成される。但し、非閉鎖空間nr1,nr2は、筒状部材のうち連通部分csを含む部分と、仕切り部材41a,42aとによって形成される。
以下、第1の冷媒用ヘッダ41の内部に形成される複数の集合空間r1〜r3および非閉鎖空間nr1と、第2の冷媒用ヘッダ42の内部に形成される複数の集合空間r4〜r6および非閉鎖空間nr2とに分けて詳細に説明する。
(a)第1の冷媒用ヘッダに形成される集合空間および非閉鎖空間
第1の冷媒用ヘッダ41の内部空間は、仕切り部材41aによって仕切られる。その結果、第1の冷媒用ヘッダ41は、内部に、複数の集合空間(第1端部側集合空間)r1〜r3と、非閉鎖空間nr1とが形成される。
複数の集合空間r1〜r3は、上述したように、筒状部材の内壁および仕切り部材41aによって囲まれた閉鎖空間である。冷媒は、各集合空間r1〜r3のそれぞれで集合する。非閉鎖空間nr1は、筒状部材のうち連通部分csを含む部分の内壁と、二つの仕切り部材41aとによって囲まれた空間である。非閉鎖空間nr1は、上述の連通孔41cを介して外部空間と連通する。すなわち、非閉鎖空間nr1は、冷媒を集合させない。
本実施形態において、第1端部側集合空間は、第1集合空間(第1端部側第1集合空間)r1と、第2集合空間(第1端部側第2集合空間)r2と、第3集合空間(第1端部側第3集合空間)r3と、から構成される。複数の集合空間r1〜r3および非閉鎖空間nr1は、第1の冷媒用ヘッダ41の長手方向に並ぶ。具体的に、第1の冷媒用ヘッダ41の内部において、冷媒用入口部41bの近傍から順に、第1集合空間r1、非閉鎖空間nr1、第2集合空間r2、および第3集合空間r3が配置される。
詳細に、図3において、第1集合空間r1は、第1の冷媒用ヘッダ41の最も上方に形成される。すなわち、第1集合空間r1は、上述した冷媒用入口部41bの近傍に位置する集合空間である。第1集合空間r1は、過熱域の冷媒を集合させる。
第2集合空間r2は、第1集合空間r1の下方に形成される。すなわち、第2集合空間r2は、第1集合空間r1の隣にある集合空間である。第2集合空間r2は、二相域の冷媒を集合させる。
第3集合空間r3は、第2集合空間r2の下方に形成される。すなわち、第3集合空間r3は、第2集合空間r2の隣にある集合空間である。第3集合空間r3は、第1の冷媒用ヘッダ41が有する複数の集合空間のうち、上述した冷媒用出口部42bに対して最も近い位置にある集合空間である。第3集合空間r3は、二相域の冷媒を集合させる。
非閉鎖空間nr1は、第1集合空間r1と、第2集合空間r2との間に配置される。具体的に、図3に示すように、非閉鎖空間nr1は、第1集合空間r1の下方であって、第2集合空間r2の上方に配置される。すなわち、非閉鎖空間nr1は、第1集合空間r1と、第2集合空間r2との間の距離を離す。言い換えると、第1の冷媒用ヘッダ41では、冷媒用入口部41bの近傍に位置する集合空間(第1集合空間)r1と、第1集合空間r1の隣にある集合空間である第2集合空間r2とが、非閉鎖空間nr1によって分離される。
(b)第2の冷媒用ヘッダに形成される集合空間および非閉鎖空間
第2の冷媒用ヘッダ42の内部空間は、仕切り部材42aによって仕切られる。その結果、第2の冷媒用ヘッダ42は、内部に、複数の集合空間(第2端部側集合空間)r4〜r6と、非閉鎖空間nr2とが形成される。
第1集合空間r4〜r6は、上述したように、筒状部材の内壁および仕切り部材42aによって囲まれた閉鎖空間であり、冷媒は、各集合空間r4〜r6のそれぞれで集合する。非閉鎖空間nr2は、筒状部材のうち連通部分csを含む部分の内壁と、二つの仕切り部材42aとによって囲まれた空間である。非閉鎖空間nr2は、上述の連通孔42cを介して外部空間と連通する。すなわち、非閉鎖空間nr2は、冷媒を集合させない。
本実施形態において、第2端部側集合空間は、第1集合空間(第2端部側第1集合空間)r4と、第2集合空間(第2端部側第2集合空間)r5と、第3集合空間(第2端部側第3集合空間)r6と、から構成される。複数の集合空間r4〜r6および非閉鎖空間nr2は、第2の冷媒用ヘッダ42の長手方向に並ぶ。具体的に、第2の冷媒用ヘッダ42の内部において、冷媒用出口部42bに遠い方から順に、第1集合空間r4、第2集合空間r5、非閉鎖空間nr2、および第3集合空間r6が配置される。
詳細に、図3において、第1集合空間r4は、第2の冷媒用ヘッダ42の最も上方に形成される。第1集合空間r4は、第2の冷媒用ヘッダ42が有する集合空間のうち、上述した冷媒用入口部41bに対して最も近い位置にある集合空間である。第1集合空間r4は、二相域の冷媒を集合させる。
第2集合空間r5は、第1集合空間r4の下方に形成される。すなわち、第2集合空間r5は、第1集合空間r4の隣にある集合空間である。第2集合空間r5もまた、二相域の冷媒を集合させる。
第3集合空間r6は、第2集合空間r5の下方に形成される。すなわち、第3集合空間r6は、第2集合空間r5の隣にある集合空間である。第3集合空間r6は、上述した冷媒用入口部41bの近傍に位置する集合空間である。第3集合空間r6は、過冷却域の冷媒を集合させる。
非閉鎖空間nr2は、第2集合空間r5と、第3集合空間r6との間に配置される。具体的に、図3に示すように、非閉鎖空間nr2は、第2集合空間r5の下方であって、第3集合空間r6の上方に配置される。すなわち、非閉鎖空間nr2は、第2集合空間r5と、第3集合空間r6との間の距離を離す。言い換えると、第2の冷媒用ヘッダ42では、冷媒用出口部42bの近傍に位置する集合空間(第3集合空間)r6と、第3集合空間r3の隣にある集合空間である第2集合空間r5とが、非閉鎖空間nr2によって分離される。
(3−2−4)冷媒の流れ
本実施形態に係る熱交換器10では、冷媒用入口部41bを介して第1の冷媒用ヘッダ41に流れ込んだ冷媒は、第1集合空間r1から、第1集合空間r1に隣接する4段の第1冷媒管140に分配される(図6の実線矢印参照)。具体的に、冷媒は、第1冷媒管140の内部を左から右(第1の方向)に流れて、第2の冷媒用ヘッダ42の第1集合空間r4で集合する(図3参照)。すなわち、第1の冷媒用ヘッダ41は、第1集合空間r4で冷媒を集合させるために、第1集合空間r1から第1集合空間r4に向けて第1の方向へ冷媒を流す。
第1集合空間r4で集合した冷媒は、第1集合空間r4に隣接する8段の冷媒管40のうち、下3段の第1冷媒管140に分配される。具体的に、冷媒は、第1冷媒管140の内部を右から左(第2の方向)に流れて、第1の冷媒用ヘッダ41の第2集合空間r2で集合する(図6の実線矢印参照)。すなわち、第2の冷媒用ヘッダ42は、第2集合空間r2で冷媒を集合させるために、第1集合空間r4から第2集合空間r2に向けて、第1の方向に対向する第2の方向へ冷媒を流す。
第2集合空間r2で集合した冷媒は、第2集合空間r2に隣接する6段の冷媒管40(第1冷媒管140)のうち、下3段の冷媒管40(第1冷媒管140)に分配される。具体的に、冷媒は、第1冷媒管140の内部を左から右(第1の方向)に流れて、第2の冷媒用ヘッダ42の第2集合空間r5で集合する(図7の実線矢印参照)。すなわち、第1の冷媒用ヘッダ41は、第2集合空間r5で冷媒を集合させるために、第2集合空間r2から第2集合空間r5に向けて第1の方向へ冷媒を流す。
第2集合空間r5で集合した冷媒は、第2集合空間r5に隣接する6段の冷媒管40(第1冷媒管140)のうち、下3段の冷媒管40(第1冷媒管140)に分配される。具体的に、冷媒は、第1冷媒管140の内部を右から左(第2の方向(第3の方向))に流れて、第1の冷媒用ヘッダ41の第3集合空間r3で集合する(図3および図7の実線矢印参照)。すなわち、第2の冷媒用ヘッダ42は、第3集合空間r3で冷媒を集合させるために、第2集合空間r5から第3集合空間r3に向けて第2の方向へ冷媒を流す。
第3集合空間r3で集合した冷媒は、第3集合空間r3に隣接する7段の冷媒管40のうち、下3段の第1冷媒管140に分配される。具体的に、冷媒は、第1冷媒管140の内部を左から右(第1の方向(第4の方向))に流れて、第2の冷媒用ヘッダ42の第3集合空間r6で集合する(図3および図7参照)。すなわち、第1の冷媒用ヘッダ41は、第3集合空間r6で冷媒を集合させるために、第3集合空間r3から第3集合空間r6に向けて第1の方向へ冷媒を流す。その後、冷媒は、冷媒用出口部42bを介して、第2の冷媒用ヘッダ42の外に流れ出る。
すなわち、冷媒用入口部41bを介して第1の冷媒用ヘッダ41に流れ込んだ冷媒は、各集合空間に達する度に進行方向を変更しながら、図3に示す熱交換器10の上方から下方へと流れ、冷媒用出口部42bを介して、第2の冷媒用ヘッダ42の外に流れ出る(図3の実線矢印参照)。冷媒は、第1冷媒管140の中を流れる間に、水管50の内部を流れる水によって熱を奪われて冷却される。
(3−3)水管
水管50は、給湯ユニット3に送られる給湯用の水を通す。水管50は、内部に通す水と、冷媒管40に通される冷媒との間で熱交換を行わせる。
水管50は、扁平な形状を有する管である。具体的に、水管50は、図3の左右方向に延びる長辺を有する。また、水管50は、図3の奥行き方向に延びる短辺を有する。さらに、水管50は、図3の上下方向に所定の厚みを有する。水管50の厚み寸法は、短辺の寸法(幅の寸法)よりも小さい。図3の左右方向は、図4の左右方向に対応し、図3の奥行き方向は、図4の上下方向に対応する。
図4に示すように、水管50の長辺の寸法d21は、冷媒管40の長辺の寸法d11よりも短い。一方、水管50の短辺の寸法d22は、冷媒管40の短辺の寸法d12よりも長い。水管50は、内部に給湯用水を通す流路p1を有する。流路p1は、水管50の長辺方向(長手方向)に延びる。
水管50は、水の腐食性を考慮して、ステンレスや銅合金を用いることが好ましい。ステンレスの種類としては、例えば、SUS304やSUS316などがある。水管50は、アルミニウムやアルミニウム合金からつくることもできる。但し、その場合には、内面に、アルマイト加工や樹脂コーティングなどの防食処理を施すことが好ましい。
水管50は、後述する金属プレート80を用いて、後述するヘッダ構成部50aと一体的に成形される(図11参照)。
(3−4)水用ヘッダ
水用ヘッダ51,52は、水管50の長手方向両端部近傍で、水管50に通される水を集合させる。水用ヘッダ51,52のそれぞれで集合した水は、複数の水管50に分配される。
図3に示すように、水用ヘッダ51,52は、それぞれ、多数の水管50が積層される方向に沿って延びる態様で設けられる。水用ヘッダ51,52は、第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52を含む。第1の水用ヘッダ51は、図3において、多数の水管50の長手方向第1端側(左側)で、多数の水管50と連結する。第2の水用ヘッダ52は、図3において、多数の水管50の長手方向第2端側(右側)で、多数の水管50と連結する。
なお、水用ヘッダ51,52は、多数の水管50の長手方向端部近傍において、冷媒用ヘッダ41,42と干渉しないような位置に配置される。具体的には、図4に示すように、水用ヘッダ51,52は、冷媒用ヘッダ41,42の近傍であって、冷媒管40の長手方向における中心位置cpに対して冷媒用ヘッダ41,42よりも近い位置に配置される。言い換えると、水用ヘッダ51,52は、熱交換器10の長手方向において、冷媒用ヘッダ41,42よりも内側に配置されている。
また、熱交換器10を横たえた状態のとき、水用ヘッダ51,52は、冷媒用ヘッダ41,42よりも、中心線clに対して外側に配置される。中心線clとは、熱交換器10を横たえた状態のとき、冷媒管40の高さ方向中心を通る線である。水用ヘッダ51,52は、中心線clに対して、冷媒用ヘッダ41,42よりも遠い位置に配置される。より具体的に、水用ヘッダ51,52は、中心線clに対して下方に配置される。すなわち、熱交換器10を横たえた状態のとき、水用ヘッダ51,52は、冷媒用ヘッダ41,42よりも下方に来るように配置される。
水用ヘッダ51,52は、主として、ヘッダ構成部50aによって構成されている(図12参照)。水用ヘッダ51,52には、それぞれ、水用入口部52bおよび水用出口部51bが取り付けられる(図3および図4参照)。また、水用ヘッダ51,52の内部には、仕切り部材が設けられる。
以下、ヘッダ構成部50aと、水用入口部52bおよび水用出口部51bと、仕切り部材とについて説明する。また、ヘッダ構成部50aを水管50と一体的に形成するための金属プレート80についてもあわせて説明する。
(3−4−1)ヘッダ構成部
ヘッダ構成部50aは、他のヘッダ構成部50aと連結されることによって、水用ヘッダ51,52を構成する部分である。ヘッダ構成部50aは、水管50の長辺方向(長手方向)において両端の近傍にそれぞれ配置される。具体的に、図9に示すように、ヘッダ構成部50aは、水管50の長辺方向の両端部近傍であって、上述の水管50の短辺方向における一端側に二箇所配置されている。
二つのヘッダ構成部50aは、それぞれ、上述の水管50の短辺方向外側に向けて弧を描くように突出した形状を有する(図9参照)。また、図9に示すように、ヘッダ構成部50aには、それぞれ、円形の開口部50cが形成されている。複数のヘッダ構成部50aが連結されることによって、開口部50cを介して、ヘッダ構成部50aの内部が連通する(図12参照)。すなわち、複数のヘッダ構成部50aが連結されることによって、水用ヘッダ51,52の内部空間が形成される。
なお、ヘッダ構成部50aは、上述したように、金属プレート80を用いて、水管50と一体的に形成される(図8参照)。
(3−4−2)水用入口部および水用出口部
水用入口部52bは、第2の水用ヘッダ52へと水を送るための部分である。また、水用出口部51bは、第1の水用ヘッダ51から水を排出するための部分である。具体的には、図3、図6、および図7に示すように、第2の水用ヘッダ52は、水の入口を構成する水用入口部52bを有し、第1の水用ヘッダ51は、水の出口を構成する水用出口部51bを有する。水用入口部52bは、第2の水用ヘッダ52の長手方向において第1端部の先端(ここでは、下端部先端)の位置に設けられる。水用出口部51bは、第1の水用ヘッダ51の長手方向において第2端部の先端(ここでは、上端部先端)の位置に設けられる。
水用入口部52bおよび水用出口部51bは、冷媒用出口部42bおよび冷媒用入口部41bの近傍にそれぞれ配置されている。また、熱交換器10を横たえたとき、水用入口部52bおよび水用出口部51bは、それぞれ、冷媒用出口部42bおよび冷媒用入口部41bよりも下方に配置される。
水は、図3、図6、および図7の破線矢印で示すように、水用入口部52bを介して熱交換器10の内部に流れ込み、多数の水管50の内部を通って、水用出口部51bを介して熱交換器10の外部へ流れ出る。
(3−4−3)仕切り部材
第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52もまた、第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42と同様に、それぞれ、内部に複数の仕切り部材(図示なし)を有する。仕切り部材によって、第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52の内部に流れ込む水の流動経路が変更される。
具体的に、仕切り部材は、第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52の内部空間を、長手方向において分断する。その結果、第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52の内部には、図3に示す第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52の長手方向に並ぶ、複数の集合空間が形成される。複数の集合空間は、それぞれ、水管50に送る水を集合させる空間である。
水用入口部52bを介して第2の水用ヘッダ52に流れ込んだ水は、各集合空間に達する度に進行方向を変更しながら、図3に示す熱交換器10の下方から上方へと流れ、水用出口部51bを介して、第1の水用ヘッダ51の外に流れ出る(図3、図6、および図7の破線矢印参照)。水は、水管50の中を流れる間に、冷媒管40内部を流れる冷媒から与えられる熱によって加熱される。なお、第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52内の仕切り部材は、水が、冷媒の流れ方向に対して、対向する方向に流れるように、第1の水用ヘッダ51および第2の水用ヘッダ52内に配置されている。
(3−5)金属プレートの構成
次に、図8から図11を用いて、水管50およびヘッダ構成部50aを一体的に形成するための金属プレート80の構成について説明する。図8は、金属プレート80の概略平面図である。図9は、折り曲げられた状態の金属プレート80の概略平面図である。図10は、図8のII−II線断面図である。図11は、図9のIII−III線断面図である。
図8に示すように、金属プレート80は、主として、第1プレート801および第2プレート802からなる。第1プレート801および第2プレート802は、図8の紙面において、左右方向に延びる中心線C1を基準に、上下に対称の外形を有する。中心線C1に沿って、第1プレート801および第2プレート802のいずれか一方が折り曲げられることにより、図9に示すように、水管50およびヘッダ構成部50aが形成される。言い換えると、水管50およびヘッダ構成部50aは、金属プレート80が中心線C1に沿って折り曲げられることにより形成される。
具体的に、第1プレート801は、矩形部81および突出部86,87を有し、第2プレート802は、矩形部82および突出部88,89を有する。矩形部81,82は、図8において、左右に延びる部分である。突出部86〜89は、図8において、矩形部81,82から上下方向に突出する部分である。金属プレート80が折り曲げられたとき、矩形部81,82は、上述の水管50を構成し、突出部86〜89は、上述のヘッダ構成部50aを構成する。したがって、図8および図9に示すように、矩形部81,82の長辺寸法d21および短辺寸法d22は、水管50の長辺寸法d21および短辺寸法d22にそれぞれ対応し、突出部86〜89の突出方向の寸法d23は、ヘッダ構成部50aの突出方向の寸法d23に対応する。
突出部86,87は、第1プレート801の短辺方向一端側であって、中心線C1と対向する位置にある第1端に配置される。また、突出部86,87は、第1プレート801の長辺方向において両端の近傍にそれぞれ配置される。また、突出部88,89は、第2プレート802の短辺方向一端側であって、中心線C1と対向する位置にある第2端に配置される。また、突出部88,89は、第2プレート802の長辺方向において両端の近傍にそれぞれ配置される。
金属プレート80には、図8または図10に示すように、開口形成部91〜94、凸面部83、凹面部98、および平滑部95が形成されている。開口形成部91〜94、凸面部83、凹面部98、および平滑部95は、例えば、プレス加工によって形成される。
開口形成部91〜94は、金属プレート80が折り曲げられた際、開口部50cを構成する部分である(図9参照)。開口形成部91〜94は、各突出部86〜89に、それぞれ形成されている。4つの開口形成部91〜94の寸法は、全て同じである。開口形成部91〜94の寸法は、水管50に流す給湯用水の流量に合わせて設計される。開口形成部91〜94は、孔の周辺を取り囲む第1面を有する。第1面は、後述する凹面部98に対して交差する方向に延びる(図10参照)。
具体的に、金属プレート80が折り曲げられる前、第1プレート801の開口形成部91,92は、凹面部98に対して下向きに延びる第1面を有する(図8および図10参照)。また、第2プレート802の開口形成部93,94は、金属プレート80が折り曲げられる前、凹面部98に対して上向きに延びる第1面を有する(図8および図10参照)。
なお、図8に示す開口形成部91〜94の形状は、いずれも円形であるが、開口形成部91〜94の形状は、水漏れし難い形状であれば、円形以外の形状であってもよい。
凸面部83は、金属プレート80の外縁および中心線C1に沿って長手方向に延びる中央部分85に設けられている。凸面部83は、金属プレート80の他の部分に比べて最も上方の高さ位置で延びる面である。凹面部98は、開口形成部91〜94の周囲で延びる面である。凹面部98は、金属プレート80の他の部分に比べて最も下方の高さ位置で延びる。
平滑部95は、開口形成部91〜94、凸面部83、および凹面部98以外の部分である。平滑部95は、凸面部83よりも下の高さ位置に延び、凹面部98よりも上の高さ位置に延びる面である。平滑部95には、また、ディンプル25が設けられている。ディンプル25は、金属プレート80が折り曲げられたとき、上下方向に交互の平面位置にあるように、平滑部95に設けられる。
図11は、図9のIII−III断面図である。すなわち、図11は、図8および図10に示される金属プレート80が、中心線C1(すなわち、中央部分85の中心)に沿って折り曲げられた状態を示す。金属プレート80が折り曲げられると、図11に示すように、第1プレート801と第2プレート802とが対向し、凸面部83が重なる。重なり合った凸面部83は、二重巻締めによってシールされる。このとき、対向する第1プレート801および第2プレート802の間には、平滑部95によって、給湯用水が通る流路p1が形成される(図11参照)。流路p1は、ヘッダ構成部50aまで続く。金属プレート80を折り曲げた際に、金属プレート80のうち流路p1を形成する部分が、水管50となる。また、金属プレート80を折り曲げた際に、金属プレート80のうち開口部50cを構成する部分およびその周辺が、ヘッダ構成部50aとなる。折り曲げられた複数の金属プレート80を、図12に示すように重ね合わせることによって、ヘッダ構成部50aが重なり合い、水用ヘッダ51,52が形成される。
(4)冷媒管および水管の積層構造
図13には、熱交換器10の積層構造が模式的に示されている。図13に示すように、熱交換器10では、冷媒管40と水管50とが交互に積層される。すなわち、熱交換器10では、水管50の上下両方の面が、冷媒管40に接触するように、冷媒管40および水管50が積層される。
具体的に、熱交換器10では、第1冷媒管140と水管50とが交互に積層され、部分的に、第1冷媒管140に代えて第2冷媒管240が配置される。言い換えると、所定の高さ位置に配置されている第2冷媒管240を除き、第1冷媒管140と水管50とが接触するように積層されている。ここで、所定の高さ位置とは、非閉鎖空間nr1,nr2に隣接する高さ位置である。具体的に、所定の高さ位置とは、積層方向に隣接する二つの第1冷媒管140を流れる冷媒の流れ方向が変化する高さ位置である。特に、本実施形態では、過熱域の冷媒を通す第1冷媒管140と、過熱域の冷媒が流れる方向とは逆方向に流れる冷媒を通す第1冷媒管140との間に第2冷媒管240が配置される(図6参照)。さらに、本実施形態では、過冷却域の冷媒を通す第1冷媒管140と、過冷却域の冷媒が流れる方向とは逆方向に流れる冷媒を通す第1冷媒管140との間に第2冷媒管240が配置される(図7参照)。なお、本実施形態では、熱交換器10の構造を安定させるために、第2冷媒管240の上下方向には、水管50が積層されている。すなわち、第2冷媒管240は、水の流れ方向が異なる二つの水管50の間に挟まれる態様で積層される。
第2冷媒管240は、非閉鎖空間nr1,nr2に接続される。具体的に、第2冷媒管240は、第1の冷媒用ヘッダ41が有する非閉鎖空間nr1、または、第2の冷媒用ヘッダ42が有する非閉鎖空間nr2のいずれかに接続させる。すなわち、冷媒用ヘッダ41,42に接続される多数の冷媒管40のうち、第2冷媒管240は、長手方向一方の端部を非閉鎖空間nr1,nr2に接続させ、他方の端部を集合空間r3または集合空間r4に接続する。熱交換器10では、このような積層順序を有することによって、第1冷媒管140を通る冷媒と水管50を通る水との間の熱交換を行わせる。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態に係る熱交換器10では、第1の冷媒用ヘッダ41は、冷媒を集合させる複数の集合空間(第1端部側集合空間)r1〜r3を有し、第2の冷媒用ヘッダ42は、冷媒を集合させる複数の集合空間(第2端部側集合空間)r4〜r6を有する。第1の冷媒用ヘッダ41が有する第1集合空間r1〜r3は、第1集合空間r1と、第2集合空間r2とを含む。第2の冷媒用ヘッダ42が有する第1集合空間r4〜r6は、第1集合空間r1から送られる冷媒を集合させ、さらに、第2集合空間r2に冷媒を送る第1集合空間r4を含む。具体的に、第1の冷媒用ヘッダ41は、第1集合空間r4で冷媒を集合させるために、第1集合空間r1から第1集合空間r4に向けて第1の方向(左から右)へ冷媒を流す。第2の冷媒用ヘッダ42は、第2集合空間r2で冷媒を集合させるために、第1集合空間r4から第2集合空間r2に向けて第2の方向(右から左)へ冷媒を流す。第1の冷媒用ヘッダ41は、第1集合空間r1と第2集合空間r2との間に、非閉鎖空間nr1を有する。非閉鎖空間nr1は、外部空間に連通する連通部分csを含む。これにより、第1のヘッダ内で隣り合う集合空間でそれぞれ集合した冷媒が、互いに与える影響を低減させることができる。
一般的に、熱交換器では、冷媒が、第1のヘッダの第1集合空間(第1集合空間r1)から分配されると、その後、冷媒管40を第1の方向(例えば、右から左)に流れて第2のヘッダの第1集合空間(例えば、第1集合空間r4)で集合する。その後、冷媒は、流れ方向を変化させて第2の方向(例えば、左から右)に流れて、第1のヘッダ内部の次の集合空間(すなわち、第1集合空間の下方に並ぶ第2集合空間)で集合する。ここで、第1集合空間r1と第2集合空間とは、仕切り部材によって仕切られているだけである。したがって、第1集合空間と第2の集合空間との間で、仕切り部材を介して熱伝導が生じる。その結果、第1集合空間で集合した冷媒の温度は、第2集合空間で集合した冷媒の温度の影響を受け、温度が下げられてしまう。すなわち、第1集合空間で集合した冷媒および第2集合空間で集合した冷媒は互いに影響を与えてしまう。その結果、当初想定した所望の熱交換効果を得られない場合がある。
しかし、上記実施形態に係る熱交換器10は、第1集合空間r1と第2集合空間r2との間に非閉鎖空間nr1が設けられている。非閉鎖空間nr1は、筒状部材の部分であって外部空間と連通する孔(連通孔)41c,42cが形成された連通部分csによって囲まれる。これによって、非閉鎖空間nr1の内部の圧力を調整することができる。また、仕切り部材41a,42aを介した熱伝導による熱のロスを大幅に抑制することができる。すなわち、第2集合空間r2で集合している冷媒の熱が、第1集合空間r1で集合している冷媒の温度に与える影響を低減することができる。
(5−2)
上記実施形態に係る熱交換器10では、第1の冷媒用ヘッダ41は、筒状部材である。また、第1集合空間(第1端部側第1集合空間)r1と、非閉鎖空間nr1と、第2集合空間(第1端部側第2集合空間)r2とは、共通の筒状部材によって形成された空間である。非閉鎖空間nr1は、筒状部材の部分であって外部空間と連通する連通孔41cが形成された連通部分csによって囲まれた空間である。
第1の冷媒用ヘッダ41を構成する筒状部材が、連通部分csを含み、連通部分csに連通孔41cが形成されている。すなわち、筒状部材に部分的に形成されている連通孔41cによって、非閉鎖空間nr1が形成されている。これにより、熱交換器10の構成が複雑になることを回避することができる。
(5−3)
上記実施形態に係る熱交換器10では、第1の冷媒用ヘッダ41の内部空間が、仕切り部材41aによって仕切られている。すなわち、筒状部材によって形成される内部空間が仕切り部材41aによって仕切られ、第1の冷媒用ヘッダ41の内部に複数の集合空間r1〜r3が形成される。非閉鎖空間nr1は、二つの仕切り部材41a,41aと、連通部分csを含む筒状部材と、によって囲まれた空間である。
これにより、簡易な構成により、第1集合空間r1と第2集合空間r2とを分離させることができる。
(5−4)
上記実施形態に係る熱交換器10では、第1の冷媒用ヘッダ41の長手方向第1端部(上端部)に、冷媒を入れるための冷媒用入口部41bが形成されている。第1集合空間r1は、第1の冷媒用ヘッダ41の内部に形成されている複数の集合空間のうち、冷媒用入口部41bの近傍に位置する集合空間である。すなわち、第1の冷媒用ヘッダ41の冷媒の入口近傍にある第1集合空間r1と、第1集合空間r1の隣にある第2集合空間r2とが、非閉鎖空間nr1によって分離される。
第1集合空間r1は、過熱域の冷媒(すなわち、高温のガス冷媒)が集合する空間である。過熱域の冷媒の温度制御を正確に行うことは、熱交換器において所望の温度分布を実現するために、非常に重要である。しかし、従来の熱交換器では、第1集合空間と第2集合空間とが仕切り部材を挟んで隣り合っていた。したがって、第2集合空間の冷媒の温度に影響を受けて、第1集合空間の冷媒の温度制御を好適に行うことは困難であった(図14参照)。
しかし、上記実施形態に係る熱交換器10では、過熱域の冷媒が集合する第1集合空間r1と、第2集合空間r2との間に、非閉鎖空間nr1を設けて、第1集合空間r1と第2集合空間r2とを離間させた。これにより、第1集合空間r1で集合する高温の冷媒について、当該第1集合空間r1の隣の第2集合空間r2の冷媒による温度の低下を抑制することができる。その結果、熱交換器10の温度制御を好適に行うことが可能になる。
(5−5)
上記実施形態に係る熱交換器10では、第2の冷媒用ヘッダ42は、筒状部材である。また、第2の冷媒用ヘッダ42の長手方向において第2端部に、冷媒を排出するための冷媒用出口部42bをさらに有する。すなわち、第1の冷媒用ヘッダ41に設けられた冷媒用入口部41bに対して、第2の冷媒用ヘッダ42の長手方向反対側の端部に冷媒用出口部42bが設けられる。第1の冷媒用ヘッダ41が有する複数の集合空間には、さらに、冷媒用出口部42bの近傍に位置する第3集合空間r3が含まれる。第2の冷媒用ヘッダ42が有する複数の集合空間は、さらに、第2集合空間(第2端部側第2集合空間)r5と、第3集合空間(第2端部側第3集合空間)r6とから構成される。第3集合空間r6は、第2集合空間r5の隣にある集合空間であり冷媒用出口部42bの近傍に位置する。第2の冷媒用ヘッダ42は、第1の冷媒用ヘッダ41の第3集合空間r3で冷媒を集合させるために、第2集合空間r5から第3集合空間r3に向けて、図3に示すように、右から左(第3の方向)へ冷媒を流す。また、第1の冷媒用ヘッダ41は、第2の冷媒用ヘッダ42の第3集合空間r6で冷媒を集合させるために、第3集合空間r3から第3集合空間r6に向けて、図3に示すように、左から右(第4の方向)へ冷媒を流す。第2の冷媒用ヘッダ42は、第2集合空間r5と、第3集合空間r6との間に、非閉鎖空間nr2を有する。非閉鎖空間nr2は、筒状部材の部分であって外部空間と連通する孔(連通孔)42cが形成された連通部分csによって囲まれる。
すなわち、上記実施形態に係る熱交換器10では、冷媒用出口部42bの近傍にある第3集合空間r6と、当該第3集合空間r6と隣り合う第2集合空間r5とが、非閉鎖空間nr2によって分離される。冷媒用出口部42b近傍の集合空間(第2の冷媒用ヘッダ42の第3集合空間r6)には、過冷却域の冷媒(すなわち、低温の液冷媒)が集合する。また、当該集合空間の隣の集合空間には、二相域の冷媒が集合する。従来の熱交換器では、過冷却域の冷媒が集合する第3集合空間r6と、二相域の冷媒が集合する第2集合空間r5とが、仕切り部材によって仕切られているだけであった。そのため、仕切り部材を介して、第2集合空間r5と第3集合空間r5との間で熱伝導が行われていた。その結果、熱交換器における温度制御を好適に行うことができなかった。
しかし、上記実施形態に係る熱交換器10では、第2の冷媒用ヘッダ42においても、冷媒用出口部42b近傍にある第3集合空間r6と、第3集合空間r6の隣にある第2集合空間r5との間にも、非閉鎖空間nr2が設けられる。これにより、第3集合空間r6および第2集合空間r5のそれぞれで集合する冷媒が互いに与える影響を大幅に抑制することができる。その結果、第3集合空間r6で集合する低温の冷媒について、当該第3集合空間r6の隣にある第2集合空間r5の冷媒の影響による、温度の上昇を抑制することができる。また、第2集合空間r5の冷媒の温度が、第3集合空間r6の冷媒の温度によって下がりすぎることを抑制することもできる。
(5−6)
上記実施形態に係る熱交換器10は、水管50と、水用ヘッダ51,52と、ダミー管として用いる冷媒管(第2冷媒管)240とをさらに備える。水管50は、水を通す流路p1を有し、流路p1が長手方向に延びる。水用ヘッダ51,52は、複数の水管50の両端に接続されて、水を集合させる。ダミー管240は、第1冷媒管140と同様に長手方向に延びて、第1の冷媒用ヘッダ41または第2の冷媒用ヘッダ42の非閉鎖空間nr1,nr2に一方の端部が連結される。また、冷媒管を流れる冷媒と、水管を流れる水との間で熱交換を行わせ、ダミー管240は、第1の水管50と、第1の水管の近傍の第2の水管50との間に配置される。すなわち、非閉鎖空間nr1,nr2に、ダミー管240が接続され、ダミー管240を挟んで上下に、二つの水管50が配置される。冷媒用ヘッダ41,42は、非閉鎖空間nr1,nr2を囲む筒状部材の部分に連通孔41c,42cが形成されている。非閉鎖空間nr1,nr2の部分に、何も接続させない場合には、構造が安定しない。しかし、上記実施形態に係る熱交換器10では、非閉鎖空間nr1,nr2に、ダミー管240が接続される。これにより、耐圧構造を確保することができる。
(6)変形例
(6−1)変形例A
上記実施形態に係る熱交換器10では、図3に示すように、仕切り部材41a,42aによって、冷媒用ヘッダ41,42の内部空間がそれぞれ3つの第1集合空間r1〜r3,r4〜r6と、1つの非閉鎖空間nr1,nr2とに区切られた例を挙げて説明した。
ここで、冷媒用ヘッダ41,42の内部空間を仕切る仕切り部材41a,42aの数は、図3に示すものに限られない。
(6−2)変形例B
上記実施形態に係る熱交換器10では、第1の冷媒用ヘッダ41に、非閉鎖空間nr1が形成され、第2の冷媒用ヘッダ42に、非閉鎖空間nr2が形成されている。
ここで、第1の冷媒用ヘッダ41および第2の冷媒用ヘッダ42のいずれか一方にのみ、非閉鎖空間nr1,nr2が形成されていてもよい。例えば、熱交換器10は、第1の冷媒用ヘッダ41のみが非閉鎖空間nr1を有する構成であってもよいし、第2の冷媒用ヘッダ42のみが非閉鎖空間nr2を有する構成であってもよい。
(6−3)変形例C
上記実施形態では、熱交換器10が給湯装置1に採用された例を説明した。これにより、給湯装置1において、効果的に温水を作ることができた。ここで、上記実施形態に係る熱交換器10は、暖房装置に採用されてもよい。これにより、暖房装置においても、効果的に温水を作ることができる。
10 熱交換器
40 冷媒管
41,42 冷媒用ヘッダ(第1の冷媒用ヘッダ,第2の冷媒用ヘッダ)
41a,42a 仕切り部材
41b 冷媒用入口部
42b 冷媒用出口部
41c,42c 連通孔
cs 連通部分
50 水管
50a ヘッダ構成部
50c 開口部
50d 継ぎ部
51,52 水用ヘッダ(第1の水用ヘッダ、第2の水用ヘッダ)
51b 水用出口部
52b 水用入口部
80 金属プレート
r1〜r3,r4〜r6 複数の集合空間(第1端部側集合空間、第2端部側集合空間)
r1 第1集合空間(第1端部側第1集合空間)
r2 第2集合空間(第1端部側第2集合空間)
r3 第3集合空間(第1端部側第3集合空間)
r4 第1集合空間(第2端部側第1集合空間)
r5 第2集合空間(第2端部側第2集合空間)
r6 第3集合空間(第2端部側第3集合空間)
nr1,nr2 非閉鎖空間
特開2012−202608号公報

Claims (8)

  1. 冷媒を通す冷媒流路(40a)を有し、前記冷媒流路が長手方向に延びる複数の冷媒管(40(140,240))と、
    前記複数の冷媒管の長手方向に対して交差する交差方向に延び、前記複数の冷媒管の第1の端部に接続されて、前記冷媒を集合させる第1端部側集合空間を有する第1の冷媒用ヘッダ(41)と、
    前記交差方向に延び、前記複数の冷媒管の第2の端部に接続されて、前記冷媒を集合させる第2端部側集合空間を有する第2の冷媒用ヘッダ(42)と、
    を備え、
    前記第1端部側集合空間は、第1端部側第1集合空間(r1)と、前記第1端部側第1集合空間の隣の集合空間である第1端部側第2集合空間(r2)とから構成され、
    前記第2端部側集合空間は、第2端部側第1集合空間(r4)から構成され、
    前記第1の冷媒用ヘッダは、前記第2端部側第1集合空間で前記冷媒を集合させるために、前記第1端部側第1集合空間から前記第2端部側第1集合空間に向けて第1の方向へ前記冷媒を流し、
    前記第2の冷媒用ヘッダは、前記第1端部側第2集合空間で前記冷媒を集合させるために、前記第2端部側第1集合空間から前記第1端部側第2集合空間に向けて前記第1の方向に対向する第2の方向へ前記冷媒を流し、
    前記第1の冷媒用ヘッダは、前記第1端部側第1集合空間と前記第1端部側第2集合空間との間に、外部空間に連通させる連通部分(cs)によって囲まれる非閉鎖空間(nr1)を有する、
    熱交換器。
  2. 前記第1の冷媒用ヘッダは、筒状部材であり、
    前記第1端部側第1集合空間と、前記非閉鎖空間と、前記第1端部側第2集合空間とは、共通の前記筒状部材によって形成された空間であり、
    前記非閉鎖空間は、前記筒状部材の部分であって前記外部空間と連通する孔(41c)が形成された前記連通部分によって囲まれる空間である、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第1の冷媒用ヘッダは、前記筒状部材によって形成される内部空間を仕切って前記第1のヘッダ内部に前記第1端部側集合空間を形成する仕切り部材(41a)を有し、
    前記非閉鎖空間は、二つの前記仕切り部材と、前記連通部分を含む前記筒状部材とによって囲まれた空間である、
    請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記第1の冷媒用ヘッダは、長手方向第1端部に前記冷媒を入れるための入口部(41b)をさらに有し、
    前記第1端部側第1集合空間は、前記第1端部側集合空間を構成する複数の集合空間のうち、前記入口部の近傍に位置する集合空間である、
    請求項1から3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 前記第2の冷媒用ヘッダは、筒状部材であり、
    前記第2の冷媒用ヘッダは、長手方向において前記第1端部の反対側に位置する第2端部に、前記冷媒を排出するための出口部(42b)をさらに有し、
    前記第1端部側集合空間は、さらに、前記出口部の近傍に位置する第1端部側第3集合空間(r3)から構成され、
    前記第2端部側集合空間は、さらに、第2端部側第2集合空間(r5)と、前記第2端部側第2集合空間の隣にある集合空間であり前記出口部の近傍に位置する第2端部側第3集合空間(r6)とから構成され、
    前記第2の冷媒用ヘッダは、前記第1端部側第3集合空間で前記冷媒を集合させるために、前記第2端部側第2集合空間から前記第1端部側第3集合空間に向けて第3の方向へ前記冷媒を流し、
    前記第1の冷媒用ヘッダは、前記第2端部側第3集合空間で前記冷媒を集合させるために、前記第1端部側第3集合空間から前記第2端部側第3集合空間に向けて前記第3の方向に対向する第4の方向へ前記冷媒を流し、
    前記第2の冷媒用ヘッダは、前記第2端部側第2集合空間と、前記第2端部側第3集合空間との間に、前記筒状部材の部分であって外部空間と連通する孔(42c)が形成された連通部分(cs)によって囲まれる非閉鎖空間(nr2)を有する、
    請求項4に記載の熱交換器。
  6. 水を通す水流路を有し、前記水流路が長手方向に延びる水管(50)と、
    複数の前記水管の両端に接続されて、前記水を集合させる水用ヘッダ(51,52)と、
    前記複数の冷媒管と同様に長手方向に延びて、前記第1の冷媒用ヘッダの前記非閉鎖空間に第1の端部が連結されるダミー管(240)と、
    をさらに備え、
    前記複数の冷媒管を流れる前記冷媒と、前記水管を流れる前記水との間で熱交換を行わせ、
    前記ダミー管は、第1の前記水管と、前記第1の水管の近傍の第2の水管との間に配置される、
    請求項1から5のいずれかに記載の熱交換器。
  7. 前記冷媒は、R32冷媒である、
    請求項1から6のいずれかに記載の熱交換器。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の熱交換器を用いて温水を作る、
    給湯装置または暖房装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017213164A1 (ja) * 2016-06-10 2017-12-14 サンデンホールディングス株式会社 車両用熱交換器

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