JP2015120959A - ZnOターゲット材及び透明導電膜 - Google Patents

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敦志 三谷
Atsushi Mitani
敦志 三谷
真人 財田
Masato Saita
真人 財田
寛明 久保
Hiroaki Kubo
寛明 久保
泰蔵 松永
Taizo Matsunaga
泰蔵 松永
真樹 田中
Maki Tanaka
真樹 田中
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Abstract

【課題】成膜された透明導電膜の体積抵抗率が低く、シート抵抗のばらつきが少ないZnOターゲット材及びこれを用いて成膜された抵抗均一性が向上した透明導電膜を提供する。
【解決手段】Al及びInから選択された一種以上をAl又はIn換算で総量1wt%以上5wt%未満、並びにSiをSiO換算で0.005wt%以上0.05wt%未満含むことを特徴とするZnOターゲット材である。また、このようなZnOターゲット材を用いて成膜されることを特徴とする透明導電膜である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ZnOターゲット材及び透明導電膜に関し、特に、AlやInとSiOとを含むZnOターゲット材及び透明導電膜に関する。
フラットパネルディスプレイや太陽電池、タッチパネルなどの分野では、基板上に透明導電膜を形成した透明電極が広く用いられている。一般に、透明導電膜は、その原料となる金属あるいは金属酸化物を焼結等により所定形状に成形したターゲット材を使用し、スパッタリング等の成膜技術を用いてターゲット材の金属あるいは金属酸化物を基板上に成膜することで形成される。
従来、透明導電膜としては、スズをドープした酸化インジウム(ITO)などの材料が用いられてきたが、インジウムは希少金属で高価であることから、近年、インジウムよりも安価な代替材料の研究開発が進んでいる。このような代替材料として、材料資源が比較的豊富な酸化亜鉛(ZnO)が注目され、それを用いたZnOターゲット材や透明導電膜が開発されている。
例えば特許文献1には、酸化亜鉛を主成分とし、Siを含有するZn−Si−O系酸化物焼結体において、Siの含有量がSi/(Zn+Si)原子数比で0.1〜10原子%であり、Si元素がウルツ鉱型酸化亜鉛相に固溶していると共に、SiO相および珪酸亜鉛(ZnSiO)であるスピネル型複合酸化物相を含有していないZn−Si−O系酸化物焼結体を用いることで、スパッタリングの際に異常放電が抑制され、低比抵抗の透明導電膜を、酸化亜鉛系材料を用いて安定して製造できることが記載されている。
国際公開第2013/042423号
しかしながら、透明導電膜は用いられるデバイスの高性能化に伴い一層の低抵抗率化が求められており、特許文献1に記載されたZn−Si−O系酸化物焼結体では、得られる透明導電膜の低体積抵抗率化が困難という問題がある。また、デバイス製造プロセスの大面積化に伴い、透明導電膜の抵抗均一性が求められている。
本発明の目的は、成膜された透明導電膜の体積抵抗率が低く、シート抵抗のばらつきが少ないZnOターゲット材及びこれを用いて成膜された抵抗均一性が向上した透明導電膜を提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、Al成分やIn成分とSi成分とを含有させ、その含有量を特定の範囲内としたときに、成膜された透明導電膜の体積抵抗率が低く、シート抵抗のばらつきを低減できることを見出した。すなわち、本発明は、Al及びInから選択された一種以上をAl又はIn換算で総量1wt%以上5wt%未満、並びにSiをSiO換算で0.005wt%以上0.05wt%未満含むことを特徴とするZnOターゲット材に関する。また、本発明は、上記のZnOターゲット材を用いて成膜されたことを特徴とする透明導電膜に関する。
本発明によれば、成膜された透明導電膜の体積抵抗率が低く、シート抵抗のばらつきが少ないZnOターゲット材及びこれを用いて成膜された抵抗均一性が向上した透明導電膜を提供することができる。
実施例における透明導電膜を成膜した基板の、基板ホルダー中心(10mm)から端部(90mm)に向かって測定したシート抵抗を示すグラフである。 実施例7のZnOターゲット材のXRD測定における回折パターンを示すグラフである。
<ZnOターゲット材>
本発明のZnOターゲット材は、酸化亜鉛(ZnO)、Al及びInから選択された1種以上、並びにSiを含有するZnOターゲット材であり、Al及びInから選択された1種以上をAl又はIn換算で総量1wt%以上5wt%未満、SiをSiO換算で0.005wt%以上0.05wt%未満含むことを特徴とする。なお、「Al及びInから選択された1種以上がAl又はIn換算で総量1wt%以上5wt%未満」というのは、Alのみの場合には、Al成分がAl換算で1wt%以上5wt%未満あることを意味し、Inのみの場合には、In成分がIn換算で1wt%以上5wt%未満あることを意味し、Al及びInを併用した場合には、Al成分はAl換算し、In成分はIn換算し、その合計量が1wt%以上5wt%未満であることを意味する。
Al及びInから選択された1種以上の含有量がAl又はIn換算で総量1wt%未満であると、得られる透明導電膜の体積抵抗率やシート抵抗のばらつきが高くなりすぎる傾向がある。一方、Al又はIn換算で総量5wt%以上では、ZnOターゲット材の焼結性が悪くなる傾向があるため好ましくない。より好ましい含有量は、Al又はIn換算で総量1〜3wt%である。ZnOターゲット材に、Al及びInから選択された1種以上をAl又はIn換算で総量1wt%以上5wt%未満含有させることで、焼結性を維持しつつ得られる透明導電膜の体積抵抗率を下げることができるため好ましい。Al及びInは、原料価格が安価であり、Inが希少なことから、Alがより好ましい。以下、Alを含有した場合を例として説明する。
本発明のZnOターゲット材は、Alが固溶したZnO相(ZnO:Al相)と、ZnとAlを含むスピネル相とから構成され、Alが固溶したZnO相(ZnO:Al相)が結晶化されていることが好ましい。この場合において、SiをSiO換算で0.005wt%以上0.05wt%未満含有させると、ZnOターゲット材におけるZnO:Al相の結晶歪を小さくすることができる。
さらに、ZnOターゲット材にSiをSiO換算で0.005wt%以上0.05wt%未満含有させると、得られる透明導電膜の面方向におけるシート抵抗の分布を均質にすることが可能となり、例えば太陽電池などに用いた場合の性能のばらつきを低減することができる。Siの含有量がSiO換算で0.005wt%未満、又は0.05wt%以上であると、前記シート抵抗のばらつきが大きくなる傾向があるため好ましくない。より好ましい含有量は、SiO換算で0.005〜0.04wt%である。Siのターゲット材中の含有量は、ICP発光分光装置、ICP質量分析装置、原子吸光分析装置などにより、測定することができる。また、Si成分のターゲット材中の含有量には、ターゲット材の製造工程から混入するSiのコンタミ量も含まれる。ターゲット材の製造工程から混入するSiのコンタミ量は、ICP発光分光装置(バリアンテクノロジーズジャパンリミテッド製 720−ES)にて測定すると、0.002wt%程度である。
<ZnOターゲット材の製造方法>
本発明のZnOターゲット材は、公知の方法で製造することができる。一例としては、原料混合工程と、原料スラリーの乾燥造粒工程と、成形工程と、焼成工程と、外形加工工程と、を備えている。
(1)原料混合工程
ターゲット材の原料としては、ZnO、Al及び/又はIn、SiO粉末を用いることができる。各粉末の純度は高い方が好適であり、純度は少なくとも99%、より好ましくは99.9%、さらには好ましくは99.99%以上である。純度が99%を下回ると、不純物元素が多くなるため、透明導電膜とした場合の特性が悪化するからである。各粉末の粒子径は、特に限定されないが、ターゲット材を得るためには、粒子径が小さい方が好ましい。粒子径が小さいと、ZnOとAl、Inとの焼結時の反応を促進し、ZnO:Al相又はZnO:In相の高い結晶性を得やすく、また焼結性も良いため、好ましい。なお、アルミニウム(Al)、インジウム(In)及びケイ素(Si)成分の原料としては、上記材料に特定されるものではなく、硝酸塩等の工程中に酸化物となるものについても使用することができる。
原料の混合には、湿式ボールミルを用いると好適である。溶媒は、水やアルコール等の有機溶媒を用いることができる。混合時間は、特に限定されないが、原料が均一に混合されるのに十分な時間行うことが望ましい。均一に混合されていない場合、ターゲット材に組成、密度ムラが生じ、材料強度が低下しやすくなる。また、原料混合の際には、必要に応じ分散剤を添加することができる。分散剤の種類は特に限定されないが、焼結で分解し、残留しない成分であることが好ましい。混合の際の原料濃度は、特に限定されないが、一般的には溶媒に対し、15〜75wt%が用いられる場合が多い。
(2)原料スラリーの乾燥造粒工程
次に、湿式ボールミルから原料が混合されたスラリーを取り出し、これを乾燥して成形に適する形状に造粒する。乾燥は、スプレードライヤーを用いることが好適である。この際、必要に応じて成形用助剤を加えても良い。助剤の種類は、特に限定されないが、一般的にはポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、セロゾール、パラフィン等が用いられる。
(3)成形工程
続いて、乾燥造粒粉を所定の形状に成形する。成形は、金型を用いた一軸成形、CIP(冷間等方加圧)成形などを単独、あるいは組み合わせて行うことができる。成形圧力は、特に限定されないが、一般的に100MPa以上の圧力をかけた場合、良好な成形体を得ることが可能であり、好ましい。
(4)焼成工程
次に、成形体を焼成する。この場合、常圧焼結で行うことが、製造コストが低減でき、大型化も容易であるため好ましい。焼成雰囲気は、大気雰囲気で行うことが好ましい。焼結温度は、特に限定されないが、一般的に低温の方が、製造コストが低減されるため、より低い温度で所望の密度を得ることが望ましい。焼成温度は、1550℃以下であれば、ZnOの揮発への対策を取る必要がなく、製造コストがより低減されるため好ましい。焼結時間は、特に限定されないが、一般的には1時間以上が望ましい。成形体が大型であれば均熱を得るための時間が必要なためである。
また、焼成を行う前に、分散剤、成形助剤を除去するため、脱脂を行うことが好ましい。脱脂温度条件は、特に限定されないが、分散剤、成形助剤が完全に分解する温度及び昇温速度であることが望ましい。
(5)外形加工工程
上記の焼成工程で得られた焼結体は、目的に応じて所望の形状に加工して用いることができる。外形加工の方法としては、表面研磨など公知の方法を用いることができる。また、外形加工後は、必要に応じてバッキングプレートへのボンディングなどを行うことで、スパッタリング用ターゲットとすることができる。
本発明のZnOターゲット材は、体積抵抗率が低く、従来のZnOターゲット材と比較して優れている。具体的には、体積抵抗率を4.0×10−3Ω・cm以下とすることができる。なお、体積抵抗率は、4探針測定法により求めることができる。
また、本発明のZnOターゲット材は、XRD解析の結果、Si成分を添加することにより構成相であるZnO:Al相のStrain(結晶の歪み)を小さくすることができるので、ターゲット材の結晶性が向上し、より良質な透明導電膜が形成できるようになる。
<透明導電膜>
本発明のZnOターゲット材を用いて公知の方法でスパッタリングや蒸着などを行うことで、透明導電膜を成膜することができる。本発明のZnOターゲット材を用いて成膜された透明導電膜は、燃料電池や液晶表示装置、タッチパネル、透明ヒーター等の透明電極などに好適に使用することができる。
特に、本発明のZnOターゲット材を用いて成膜することで、透明導電膜のシート抵抗のばらつきを20%以下に低減させることが可能であるため、透明導電膜として使用できる面積が拡大し、歩留まりが向上できる。なお、本発明においてシート抵抗のばらつきとは、後述する実施例に記載の方法で測定した結果を意味する。具体的には、スパッタ装置の基板ホルダー上に、50mm×100mmのガラス基板を、その長辺方向の一端が基板ホルダーの中心に位置するようにセットして、ガラス基板上に透明導電膜を膜厚220nm〜280nmで成膜し、この透明導電膜のシート抵抗を基板ホルダーの中心から10mm〜90mmの間で10mm間隔で9点測定し、その9点の平均値と標準偏差からばらつき(標準偏差/平均値)を測定した結果を意味する。シート抵抗のばらつきは、15%以下が特に好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
ZnOターゲット材及び透明導電膜の特性測定法は以下のとおりである。
(1)ZnOターゲット材のSi成分(SiO)の含有量
ICP発光分光装置(バリアンテクノロジーズジャパンリミテッド製 720−ES)を用いて測定した。
(2)体積抵抗率の測定
低抵抗率計(ロレスタ 三菱化学製)を用い、4探針法にてZnOターゲット材の体積抵抗率を測定した。また、4探針法抵抗率測定器CRESBOX(ナプソン製)にて抵抗を測定し、得られた抵抗値とSEMで求めた膜厚から透明導電膜の体積抵抗率を算出した。
(3)XRD解析
作製したターゲット材をメノウ乳鉢にて粉砕し、得られた粉末についてXRD測定をBuruker AXS製D8ADVANCEを用いて行った。また、得られた回折パターンについて、リートベルト解析を解析ソフト(Buruker AXS製TopasVer4.2)を用いて行い、ZnO:Al相のStrain(結晶歪)を算出した。プロファイル関数は、Fundamental Parameterを使用した。
Strainは、ZnO:Al相の結晶歪を示す。値が大きい程、結晶歪が大きいことを示している。
(4)シート抵抗
4探針法抵抗率測定器CRESBOX(ナプソン製)にて抵抗を測定し、得られた抵抗値から、以下の式を用いてシート抵抗を算出した。
抵抗値×4.532=シート抵抗
(実験例1:透明導電膜の体積抵抗率及びシート抵抗のばらつきの測定)
(実施例1)
樹脂製ボールミル容器中にΦ11mmのナイロンボールと、コンタミ分を考慮してSi成分がSiO換算で0.005wt%となるように調製し、Al成分がAl換算で2wt%となるように調製したSiO、Al含有ZnO原料粉末を投入した。次に、原料粉末100重量部に対して、水を100重量部、分散剤を1重量部加えた。該ボールミル容器をボールミルで16時間混合し、原料スラリーを得た。調製した原料スラリーに、成形助剤(PVA)を原料含有量に対して1重量部加え、攪拌した後、該スラリーをSD(大河原化工機製 FL−12)にて乾燥した。乾燥は入り口温度220℃、出口温度105℃の設定で実施し、乾燥造粒粉を得た。
作製した乾燥造粒粉を110mmΦの金型に投入し、油圧式一軸成形機を用い面圧50MPaにて所定の形状にプレス成形した。次に、該プレス成形体をCIP(冷間等方加圧)成形機を用い圧力100MPaにて成形し、CIP成形体を得た。CIP成形体をアルミナセッターに投入し電気炉中に設置し、最高温度500℃の条件にて脱脂処理を行い、脱脂体を得た。得られた脱脂体をアルミナセッターに投入し電気炉中に設置し、最高温度1450℃、1時間保持の条件にて焼成し、ZnOターゲット材を作製した。また、得られたZnOターゲット材の体積抵抗率を測定したところ、8.0×10−4Ω・cmであった。
ZnOターゲット材をΦ80mm×厚み4mmに研削加工し、洗浄・乾燥後、バッキングプレートにボンディングした。ZnOターゲット材をスパッタ装置(ULVAC製CS−L)に設置し、ガラス基板上にスパッタ成膜を行い、透明導電膜を得た。スパッタ条件は、基板温度200℃、チャンバーの到達真空度8×10−5Pa以下、Arガス圧0.2Pa、出力RF100W、成膜時間90分とした。ガラス基板は、50mm×100mmの長辺がスパッタ装置の基板ホルダーの中心から端部になるようセットした。得られた透明導電膜(膜厚:250nm)のシート抵抗を、ガラス基板の長辺方向に、基板ホルダーの中心にあたる短辺を0mm、端部にあたる短辺を100mmとして、10mm〜90mmについて10mm間隔で測定した。その平均値と標準偏差からばらつき(標準偏差/平均値)を得た。また、体積抵抗率を40mmの位置で測定した。ZnOターゲット材含まれるSiO、Al等の量と透明導電膜の体積抵抗率及びシート抵抗の測定結果との関係を表1に示し、前記シート抵抗と測定した基板位置との関係を図1に示す。
(実施例2)
SiOの量を0.01wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
(実施例3)
SiOの量を0.03wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
(実施例4)
SiOの量を0.04wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
(実施例5)
Alの量を1wt%、SiOの量を0.01wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
Alの量を3wt%としたこと以外は実施例5と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
SiOを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。ただし、作製したZnOターゲット材には、製造工程から混入したSiOコンタミ分0.002wt%が含まれていた。結果を表1及び図1に示す。
(比較例2)
SiOの量を0.05wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
(比較例3)
SiOの量を0.1wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
(比較例4)
Alの量を0.5wt%、SiOの量を0.01wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
Alの量を5wt%、SiOの量を0.01wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材を作製したが、焼結性が悪いため、良好な成膜ができず評価を行えなかった。
(比較例6)
Alに代えて、Gaの量を3wt%としたこと以外は比較例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例7)
Alに代えて、Gaの量を3wt%に、及びSiOの量を0.03wt%としたこと以外は実施例1と同様の方法でZnOターゲット材の作製及び透明導電膜の作製と評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015120959
以上より、実施例1〜6のようにAlが1〜3wt%、SiOが0.005〜0.04wt%のZnOターゲット材は体積抵抗率が低く、シート抵抗のばらつきも20%以下であった。一方、比較例1のようにSiOが0.005wt%未満のZnOターゲット材はシート抵抗のばらつきが52.1%と大きく、比較例2、3のようにSiOを0.05wt%以上と過剰に添加した場合にも21.5%、23.7%とばらつきが大きくなることが分かった。また、比較例4のようにAlが少なすぎると体積抵抗率が高くなってしまい、比較例5のようにAlが多すぎると焼結性が悪く良好なZnOターゲット材が得られないため、評価対象となる良好な成膜が出来なかった。
また図1より、実施例1〜4は、基板位置が90mmの測定点で、それぞれシート抵抗が最も高くなっており、約15.5Ω/□(実施例4)〜12Ω/□(実施例3)である。これは実施例1〜4と同様の条件で成膜した場合に、基板ホルダーの中心周りの半径90mmの円内、即ち該中心周り8100πmmの領域で透明導電膜のシート抵抗をそれぞれ約15.5Ω/□以下〜12Ω/□以下に抑えられることを示している。
これに対して、比較例2と同様の条件で成膜した場合で、実施例1〜4の90mm位置におけるシート抵抗と同様のシート抵抗を得ようとすると、実施例1〜4において最も高い実施例4の15.5Ω/□と同様のシート抵抗で、75mm位置になる。これは、この場合におけるシート抵抗が約15.5Ω/□以下の領域が、基板ホルダーの中心周りの半径75mmの円内、即ち該中心周り5625πmmであることを示している。この領域と実施例4における領域とを比較すると、実施例4においては、同様のシート抵抗を示す面積が、比較例2の約1.4倍になる。
実施例1〜4において最も低い実施例3の12Ω/□と同様のシート抵抗では、これと同様のシート抵抗を得ようとすると、比較例1〜3の各々において約55mm位置になる。これは、比較例1〜3でシート抵抗が約12Ω/□以下の領域は、基板ホルダーの中心周りの半径55mmの円内、即ち該中心周り3025πmmであることを示している。この領域と実施例3における領域とを比較すると、実施例3においては、同様のシート抵抗を示す面積が比較例3の約2.7倍になる。
なお、表1において、比較例6、7から分かるように、Alの代わりにGaを用いた場合には、SiOを少量添加したことによる本発明の効果が得られなかった。
したがって、Al成分、Si成分の含有量を本発明の範囲内とすることで、体積抵抗率が低いZnOターゲット材を得られ、それを用いて成膜すると、シート抵抗のばらつきが20%以下である良好な特性の透明導電膜が得られること、及び前記含有量が本発明の範囲外の場合に比べて同様のシート抵抗を示す領域を少なくとも約1.4〜2.7倍として歩留りが良くなったことが分かる。
(実験例2:ZnOターゲット材におけるXRD解析)
(実施例7)
樹脂製ボールミル容器中にΦ11mmのナイロンボールと、コンタミ分を考慮してSi成分がSiO換算で0.01wt%、Al成分がAl換算で2wt%となるように調製したSiO、Al含有ZnO原料粉末を投入した。次に、原料粉末100重量部に対して、水を100重量部、分散剤を1重量部加えた。該ボールミル容器をボールミルで16時間混合し、原料スラリーを得た。調製した原料スラリーに、成形助剤(PVA)を原料含有量に対して1重量部加え、攪拌した後、該スラリーをSD(大河原化工機製 FL−12)にて乾燥した。乾燥は入り口温度220℃、出口温度105℃の設定で実施し、乾燥造粒粉を得た。
作製した乾燥造粒粉を76mmΦの金型に投入し、油圧式一軸成形機を用い面圧500kg/cmにて所定の形状にプレス成形した。次に、該プレス成形体をCIP(冷間等方加圧)成形機を用い圧力1000kg/cmにて成形し、CIP成形体を得た。CIP成形体をアルミナセッターに投入し電気炉中に設置し、最高温度500℃の条件にて脱脂処理を行い、脱脂体を得た。得られた脱脂体をアルミナセッターに投入し電気炉中に設置し、最高温度1500℃、1時間保持の条件にて焼成し、ZnOターゲット材を作製した。得られたZnOターゲット材のXRD解析を行い、図2の回折パターンを得た。回折パターンから、ZnOターゲット材はウルツ鉱型構造を持つ結晶化したZnO:Al相とスピネル相とを含むことが示された。この回折パターンをリートベルト解析し、ZnO:Al相のStrainの値を、後述の比較例8のStrainの値を1とした相対値で示すと0.80であった。
(比較例8)
SiOを添加しなかったこと以外は実施例7と同様の方法でZnOターゲット材を作製し評価を行った。得られたZnO:Al相のStrainの値を1とした。
Figure 2015120959
以上より、Si成分を含有することでStrain(結晶の歪み)が小さくなり結晶性の高いZnOターゲット材ができていることが分かる。

Claims (4)

  1. Al及びInから選択された一種以上をAl又はIn換算で総量1wt%以上5wt%未満、並びにSiをSiO換算で0.005wt%以上0.05wt%未満含むことを特徴とするZnOターゲット材。
  2. 前記Al及びInから選択された1種以上が、Alであることを特徴とする請求項1記載のZnOターゲット材。
  3. Alが固溶したZnO相(ZnO:Al相)を含み、前記ZnO:Al相が結晶化されていることを特徴とする請求項2記載のZnOターゲット材。
  4. 請求項1乃至3いずれか記載のZnOターゲット材を用いて成膜されたことを特徴とする透明導電膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014181155A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 酸化亜鉛系焼結体とその製造方法およびスパッタリングターゲットと透明導電膜

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