JP2015120804A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2015120804A
JP2015120804A JP2013264278A JP2013264278A JP2015120804A JP 2015120804 A JP2015120804 A JP 2015120804A JP 2013264278 A JP2013264278 A JP 2013264278A JP 2013264278 A JP2013264278 A JP 2013264278A JP 2015120804 A JP2015120804 A JP 2015120804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rubber
tire
rubber composition
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013264278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6227999B2 (ja
Inventor
亜由子 山名
Ayuko Yamana
亜由子 山名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2013264278A priority Critical patent/JP6227999B2/ja
Publication of JP2015120804A publication Critical patent/JP2015120804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6227999B2 publication Critical patent/JP6227999B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】加工性、低燃費性、ゴム強度、耐亀裂進展性及び操縦安定性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】シス含量96質量%以上、重量平均分子量55万〜130万のブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点90〜140℃のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、CTAB比表面積30〜100m/gのカーボンブラックを10〜40質量部配合したタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
近年、省資源、省エネルギー、加えて環境保護の立場から、排出炭酸ガスの低減に対する社会的要求が強まっており、自動車に対しても軽量化、電気エネルギーの利用など、様々な対応策が検討されている。そのため、自動車用タイヤの転がり抵抗を低減し、低燃費性を高めることが要求され、同時に、加工性、ゴム強度、耐亀裂進展性及び操縦安定性などの性能を改善することも望まれている。
例えば、低燃費性を高める方法として、シリカ配合の採用、充填剤の減量、補強性の小さい充填剤の使用などの手法が知られているが、ゴム強度などが低下し、種々の性能が悪化する傾向がある。特許文献1には、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むポリブタジエンゴム等で、低燃費性等を改善することが開示されているが、耐亀裂進展性等の両立等の点で改善の余地がある。
また、高分子量のハイシスポリブタジエンゴムを用いて、低燃費性や耐亀裂進展性を改善することも挙げられるが、加工性が悪化するという問題があり、加工性、低燃費性、ゴム強度、耐亀裂進展性、操縦安定性をバランス良く改善するという点について更なる改善が望まれている。
特許第4402545号公報
本発明は、前記課題を解決し、加工性、低燃費性、ゴム強度、耐亀裂進展性及び操縦安定性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シス含量96質量%以上、重量平均分子量55万〜130万のブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点90〜140℃のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、CTAB比表面積30〜100m/gのカーボンブラックを10〜40質量部配合したタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記タイヤ用ゴム組成物は、温度70℃、動歪み2%での複素弾性率Eが4〜10MPaであることが好ましい。
前記ゴム成分100質量%中、前記ブタジエンゴム(a)の含有量が10〜80質量%、前記ブタジエンゴム(b)の含有量が1〜50質量%であることが好ましい。
前記ブタジエンゴム(b)の重量平均分子量(Mw)が5万〜50万であることが好ましい。
前記ブタジエンゴム(b)中の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の含有量が30〜50質量%であることが好ましい。
本発明はまた、前記タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、シス含量96質量%以上、重量平均分子量55万〜130万のブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点90〜140℃のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、CTAB比表面積30〜100m/gのカーボンブラックを10〜40質量部配合したタイヤ用ゴム組成物であるので、加工性、低燃費性、ゴム強度、耐亀裂進展性及び操縦安定性をバランス良く改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定シス含量及び重量平均分子量を有するブタジエンゴム(a)と、特定融点の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分に対して、特定CTAB比表面積のカーボンブラックを所定量配合したものである。
本発明は、先ず、前記ブタジエンゴム(a)を用いると、低燃費性、耐亀裂進展性が改善されるものの、加工性が悪化する傾向があり、前記ブタジエンゴム(b)を用いると、加工性、操縦安定性、ゴム強度が改善されるものの、低燃費性が悪化する懸念があるという課題を見出すとともに、次いで、当該課題について、更に前記カーボンブラックを比較的少量配合することで、低燃費性や加工性を改善したものである。従って、前記ブタジエンゴム(a)、(b)、少量の前記カーボンブラックを用いることにより、加工性、低燃費性、ゴム強度、耐亀裂進展性及び操縦安定性の性能バランスを相乗的に改善することが可能となる。
前記ブタジエンゴム(a)のシス含量は、96質量%以上である。96質量%未満であると、耐亀裂進展性の改善効果が得られない傾向がある。
なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ブタジエンゴム(a)の重量平均分子量(Mw)は、55万以上であり、好ましくは58万以上、より好ましくは70万以上、更に好ましくは80万以上、特に好ましくは90万以上である。また、該Mwは、130万以下であり、好ましくは125万以下、より好ましくは120万以下である。Mwが上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性をバランス良く改善できる。
ブタジエンゴム(a)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、好ましくは2.7以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下である。該Mw/Mnの下限は特に限定されないが、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.9以上、更に好ましくは2.0以上である。Mw/Mnが上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性をよりバランス良く改善できる。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
ブタジエンゴム(a)のビニル含量は、好ましくは1.8質量%以下、より好ましくは1.2質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは0.3質量%以下である。1.8質量%を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。ビニル含量の下限は特に限定されない。
なお、本明細書において、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ブタジエンゴム(a)の100℃で測定したムーニー粘度(ムーニー粘度ML1+4(100℃))は、好ましくは35以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは50以上、特に好ましくは60以上である。また、該ムーニー粘度は、好ましくは90以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは75以下である。ムーニー粘度が上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランス良く改善できる。
なお、ムーニー粘度は、ISO289、JIS K6300に準じて測定される。
ブタジエンゴム(a)の調製方法は、特に限定されず、ブタジエンゴム(a)の所望の上記特性が定まれば、当業者であれば容易に上記特性を有するブタジエンゴム(a)を調製できる。また、LANXESS社製のCB21、CB22等の市販品も使用できる。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム(a)の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分なゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。80質量%を超えると、充分な加工性、ゴム強度、低燃費性が得られないおそれがある。
前記ブタジエンゴム(b)(1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含むブタジエンゴム:SPB含有BR)中におけるSPBの融点は、90℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上である。また、該融点は、140℃以下、好ましくは130℃以下である。SPBの融点が上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランス良く改善できる。
ブタジエンゴム(b)中におけるSPBの含有量は、好ましくは30質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。SPBの含有量が上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランス良く改善できる。
ブタジエンゴム(b)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上、より好ましくは7万以上、更に好ましくは10万以上、特に好ましくは15万以上である。該Mwは、好ましくは50万以下、より好ましくは40万以下、更に好ましくは30万以下である。ブタジエンゴム(b)のMwが上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランスよく改善できる。
ブタジエンゴム(b)の調製方法は、特に限定されず、ブタジエンゴム(b)の所望の上記特性が定まれば、当業者であれば容易に上記特性を有するブタジエンゴム(b)を調製できる。また、JSR(株)製のRB840、RB830、RB820等の市販品も使用できる。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム(b)の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上である。1質量%未満であると、充分な加工性及び操縦安定性が得られないおそれがある。該ブタジエンゴム(b)の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。50質量%を超えると、充分なゴム強度、耐亀裂進展性が得られないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム(a)及びブタジエンゴム(b)の合計含有量は、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%、更に好ましくは50〜70質量%である。ブタジエンゴム(a)及びブタジエンゴム(b)の合計含有量が上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランスよく改善できる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴムを含むことが好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。イソプレン系ゴムのなかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、NRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。20質量%未満であると、充分な加工性、ゴム強度、低燃費性及び耐亀裂進展性が得られないおそれがある。該イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。70質量%を超えると、充分な加工性、ゴム強度、低燃費性及び耐亀裂進展性が得られないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム(a)、ブタジエンゴム(b)及びイソプレン系ゴムの合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。ブタジエンゴム(a)、ブタジエンゴム(b)及びイソプレン系ゴムの合計含有量が上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランスよく改善できる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、ブタジエンゴム(a)、ブタジエンゴム(b)、イソプレン系ゴム以外にも、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムを使用してもよい。
前記カーボンブラックのCTAB比表面積(セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積)は、30m/g以上、好ましくは40m/g以上である。30m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分なゴム強度、耐亀裂進展性が得られないおそれがある。該CTAB比表面積は、100m/g以下、好ましくは70m/g以下、より好ましくは50m/g以下である。100m/gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのCTAB比表面積は、JIS K6217−3:2001によって求められる。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、40m/g以上がより好ましい。30m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分なゴム強度、耐亀裂進展性が得られないおそれがある。該NSAは、100m/g以下が好ましく、50m/g以下がより好ましい。100m/gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
前記カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られず、充分なゴム強度、耐亀裂進展性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、135ml/100g以下がより好ましい。200ml/100gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001によって求められる。
前記カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、充分なゴム強度、耐亀裂進展性が得られないおそれがある。また、該含有量は、ゴム成分100質量部に対して、40質量部以下、好ましくは30質量部以下である。40質量部を超えると、充分な低燃費性、ゴム強度、加工性が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、低燃費性向上の点で、シリカを含んでもよい。シリカとしては、特に制限はなく、湿式法または乾式法により調製されたものを用いることができる。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満では、ゴム強度が低下する傾向がある。該NSAは、250m/g以下が好ましく、210m/g以下がより好ましい。250m/gを超えると、加工性が悪化する傾向にある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81によって求められる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。シリカの含有量が上記範囲内であると、より良好な低燃費性が得られるとともに、補強効果もより得られる。
カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは25質量部以上である。また、該合計含有量は、好ましくは90質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは45質量部以下である。カーボンブラック及びシリカの合計含有量が上記範囲内であると、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性をよりバランス良く改善できる。
本発明のゴム組成物は、シリカとともに、シランカップリング剤を含んでもよい。シランカップリング剤としては、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、スルフィド系シランカップリング剤等が挙げられる。なお、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部である。
本発明のゴム組成物は、軟化剤を含んでもよい。軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、植物油、レジンを用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)等が挙げられる。軟化剤の含有量(特に、プロセスオイルの含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、TBBSが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.7質量部以上である。0.7質量部未満では、ゴム強度が充分に得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。5質量部を超えると、耐亀裂進展性が充分に得られないおそれがある。
前記ゴム組成物は、温度70℃、動歪み2%の条件下での複素弾性率Eが4〜10MPaであり、好ましくは4〜8Paである。上記範囲内であると、良好な操縦安定性が得られる。
なお、前記複素弾性率Eの測定方法は、後述の方法によって求められる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、サイドウォール、ベーストレッド)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造できる。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成できる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、たとえば乗用車用、トラック用、バス用、重車両用など、種々の用途に対して好適に使用でき、特に、乗用車用タイヤとしてより好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
NR:TSR20
BR1:LANXESS社製のCB21(ハイシスBR、Nd系触媒を用いて合成されたBR)(シス含量:96質量%、ムーニー粘度(100℃):73、Mw:120万、Mn:46万、Mw/Mn:2.56、ビニル含量:1.0質量%)
BR2:LANXESS社製のCB22(ハイシスBR、Nd系触媒を用いて合成されたBR)(シス含量:96質量%、ムーニー粘度(100℃):63、Mw:59万、Mn:37万、Mw/Mn:1.60、ビニル含量:0.6質量%)
BR3:JSR(株)製のBR51(ハイシスBR、Nd系触媒を用いて合成されたBR)(シス含量:96質量%、ムーニー粘度(100℃):45、Mw:47万、Mn:22万、Mw/Mn:2.20、ビニル含量:0.7質量%)
BR4:JSR(株)製のRB840(SPB含有BR)(SPB結晶の融点:126℃、SPB結晶の含有量:36質量%、Mw:200000)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN550(CTAB:43m/g、NSA:42m/g、DBP:115ml/100g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ステアリン酸:日油(株)製の「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1に示す。
<試験項目及び試験方法>
(加工性指数(ムーニー粘度))
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に準拠したムーニー粘度を130℃で測定した。比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した(ムーニー粘度指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
(ゴム強度指数)
JIS K 6251:2010に準じて引張試験を行い、破断時伸びを測定した。比較例1の破断時伸びを100とし、下記計算式により指数表示した(ゴム強度指数)。指数が大きいほど破断時伸びが高く、ゴム強度に優れることを示す。
(ゴム強度指数)=(各配合の破断時伸び)/(比較例1の破断時伸び)×100
(低燃費性指数)
得られた加硫ゴム組成物から所定サイズの試験片を切り出し、(株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、60℃における加硫ゴムシートの損失正接(tanδ)を測定した。比較例1のtanδを100とし、下記計算式により指数表示した(低燃費性指数)。指数が大きいほどtanδが低く、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(耐亀裂進展性指数)
得られた加硫ゴム組成物を用いて、JIS K6260に従って、屈曲亀裂発生試験を行なった。試験条件は50万回繰返し屈曲させたのち、クラックの状態を、比較例1の状態を100として指数で評価した。指数が大きいほど、耐亀裂進展性に優れることを示す。
(複素弾性率E(操縦安定性))
得られた加硫ゴム組成物から所定サイズの試験片を切り出し、(株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、70℃における加硫ゴムシートの複素弾性率E(操縦安定性)を測定した。
Figure 2015120804
表1より、特定のシス含量及び重量平均分子量を有するブタジエンゴム(a)と特定融点を持つSPB含有ブタジエンゴム(b)を含むブレンドゴムに、特定CTAB比表面積を有するカーボンブラックを所定量配合した実施例は、比較例と比べて、加工性、ゴム強度、低燃費性、耐亀裂進展性及び操縦安定性がバランス良く改善された。

Claims (6)

  1. シス含量96質量%以上、重量平均分子量55万〜130万のブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点90〜140℃のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、CTAB比表面積30〜100m/gのカーボンブラックを10〜40質量部配合したタイヤ用ゴム組成物。
  2. 温度70℃、動歪み2%での複素弾性率Eが4〜10MPaである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100質量%中、前記ブタジエンゴム(a)の含有量が10〜80質量%、前記ブタジエンゴム(b)の含有量が1〜50質量%である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ブタジエンゴム(b)の重量平均分子量(Mw)が5万〜50万である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記ブタジエンゴム(b)中の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の含有量が30〜50質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤ。
JP2013264278A 2013-12-20 2013-12-20 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Active JP6227999B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013264278A JP6227999B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013264278A JP6227999B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015120804A true JP2015120804A (ja) 2015-07-02
JP6227999B2 JP6227999B2 (ja) 2017-11-08

Family

ID=53532730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013264278A Active JP6227999B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6227999B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107312213A (zh) * 2017-08-25 2017-11-03 柳州市中配橡塑配件制造有限公司 用于汽车轮胎的高弹性橡胶
WO2019012945A1 (ja) * 2017-07-14 2019-01-17 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びタイヤ
JP2021031645A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤおよびゴム製品
WO2024157928A1 (ja) * 2023-01-27 2024-08-02 横浜ゴム株式会社 サイドトレッド用ゴム組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235191A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Jsr Corp ゴム組成物、及びタイヤ
JP2013082840A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 変性共役ジエン系重合体組成物、トレッド用組成物、サイドウォール用組成物及びタイヤ
JP2013185048A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Bridgestone Corp タイヤ用ゴム組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235191A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Jsr Corp ゴム組成物、及びタイヤ
JP2013082840A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Asahi Kasei Chemicals Corp 変性共役ジエン系重合体組成物、トレッド用組成物、サイドウォール用組成物及びタイヤ
JP2013185048A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Bridgestone Corp タイヤ用ゴム組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019012945A1 (ja) * 2017-07-14 2019-01-17 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びタイヤ
CN110869437A (zh) * 2017-07-14 2020-03-06 株式会社普利司通 橡胶组合物和轮胎
JPWO2019012945A1 (ja) * 2017-07-14 2020-06-18 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びタイヤ
JP6994034B2 (ja) 2017-07-14 2022-01-14 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びタイヤ
CN107312213A (zh) * 2017-08-25 2017-11-03 柳州市中配橡塑配件制造有限公司 用于汽车轮胎的高弹性橡胶
JP2021031645A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤおよびゴム製品
JP7409803B2 (ja) 2019-08-28 2024-01-09 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤおよびゴム製品
WO2024157928A1 (ja) * 2023-01-27 2024-08-02 横浜ゴム株式会社 サイドトレッド用ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6227999B2 (ja) 2017-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6009921B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物、及び空気入りタイヤ
JP5719823B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5727988B2 (ja) ビードエイペックス、サイドウォールパッキン、ベーストレッド又はブレーカークッション用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5820357B2 (ja) サイドウォール、ウイング、ベーストレッド、サイドウォールパッキン、ブレーカークッション又はタイガム用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019131648A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP5745491B2 (ja) ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JPWO2013014999A1 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6870482B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP6227999B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019131649A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP6310699B2 (ja) タイヤ
JP6030104B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法およびタイヤ
JP2014145060A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013035892A (ja) タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ
JP2016041787A (ja) タイヤおよびタイヤの製造方法
JP2019210398A (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019157043A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6496102B2 (ja) タイヤ
JP2019182898A (ja) トレッド用ゴム組成物およびタイヤ
JP5503684B2 (ja) サイドウォール又はベーストレッド用ゴム組成物、並びに空気入りタイヤ
JP2011068911A (ja) ゴム組成物およびそれからなるタイヤ
JP2019131647A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP2019157041A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP5480699B2 (ja) サイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6522091B2 (ja) タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171012

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6227999

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250