JP2015119602A - パンタグラフ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気音が小さく、空力抵抗が小さいパンタグラフを提供する。
【解決手段】シングルアーム型のパンタグラフは、集電舟と、上枠3及び下枠4と、釣合棒5と、台枠6と、風防8とを有する。風防8は、台枠6と、下枠4の下部と、釣合棒5の下部とを覆う。上枠3は、中間ヒンジ9と、釣合棒5が風防8より上に突出する部分とを覆うための上枠カバー31が固定されている。下枠4は、風防8より上に突出する部分を覆うための下枠カバー41が固定されている。風防8は、上枠カバー31及び下枠カバー41が挿通される開口部81を有する。上枠カバー31は、平面視で、下枠カバー41によってコの字状に囲まれている。開口部81は、集電時における集電舟の上下変位にかかわらず、上枠カバー31及び下枠カバー41によって塞がれる。これにより、中間ヒンジ9が風防8の外にあっても空力音が小さくなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、鉄道車両に搭載されるシングルアーム型のパンタグラフに関する。
電化区間を走行する鉄道車両には、パンタグラフが搭載される。パンタグラフは、集電舟を架空電車線(架線)に接触して集電する。従来からシングルアーム型のパンタグラフが知られている(非特許文献1参照)。図12に示されるように、シングルアーム型のパンタグラフは、集電舟2を上下方向に変位自在に支持するためのリンク機構を有する。このリンク機構では、複数のリンクが回転対偶による平面連鎖を構成している。リンクは、上枠3、下枠4、釣合棒5、平衡棒30、及び舟支え21等である。上枠3及び下枠4は、集電舟2を支持する。上枠3及び下枠4の交差角θが変化することによって、集電舟2が上下に変位する。釣合棒5は、下枠4と並んで台枠6上に設けられ、釣合棒5の長さ設定によって集電舟2が上下変位する軌跡が調整される。中空の上枠3に内蔵される平衡棒30、及び集電舟2と上枠3との間に設けらる舟支え21によって、集電舟2の上下変位にかかわらず集電舟2の姿勢が一定に保たれ、集電舟2の上面が水平に維持される。シングルアーム型のパンタグラフは、菱形のパンタグラフと比べて、リンク機構を構成する棒状部材の数が少ないので、発生する空力音(空力騒音)が小さい。
シングルアーム型のパンタグラフとして、上枠と下枠の長さがほぼ等しいパンタグラフが知られている(例えば、特許文献1参照)。このパンタグラフは、中空の上枠に平衡棒を内蔵し、中空の下枠に釣合棒を内蔵することによって、空力音を低減している。集電舟が上下変位する軌跡は、通常、略鉛直となるように調整される(例えば、特許文献2参照)。上枠と下枠の長さがほぼ等しいパンタグラフは、上枠と下枠との連結箇所である中間ヒンジに対して、リンク機構がほぼ上下対称な形状になるので、集電舟の軌跡が略鉛直となるような調整が容易である。しかしながら、このようなパンタグラフでは、中間ヒンジが、台枠より高い位置にあるので、台枠を覆う風防内に収容されず、気流を受けて空力音を発生する。
シングルアーム型のパンタグラフにおいて、下枠を上枠よりも短くして中間ヒンジの台枠からの高さを低くしたものが知られている(例えば、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5参照)。このパンタグラフは、中空の上枠に平衡棒を内蔵し、台枠を覆う風防内に中間ヒンジ、下枠、及び釣合棒を収容することによって空力音を低減している。このようなパンタグラフにおいて、風防の空気抵抗の低減、風防から発生する空力音の低減、車両の屋根高さが高い場合にパンタグラフを車両限界内に収め易くする等のため、風防の厚みを低減することが望まれる。しかしながら、風防の厚みを低減すると、中間ヒンジ等が風防外に出るので、パンタグラフの空力音が大きくなる。
特開平7−322409号公報 特開平10−108303号公報 特開2004−187449号公報 特開2004−274986号公報 特開2005−130595号公報
JIS E 6302:2004「鉄道車両用パンタグラフ」
本発明は、上記問題を解決するものであり、空気音が小さく、空力抵抗が小さいパンタグラフを提供することを目的とする。
本発明のパンタグラフは、集電舟と、前記集電舟を上下方向に変位自在に支持する上枠及び下枠と、前記下枠と並べて設けられる釣合棒と、前記下枠及び釣合棒を起倒自在に支持する台枠とを有するシングルアーム型のパンタグラフであって、前記台枠と、前記下枠の下部と、釣合棒の下部とを覆う風防を有し、前記上枠の下端は、下枠の上端と中間ヒンジで交差角可変に連結されており、前記上枠は、前記中間ヒンジと、前記釣合棒が前記風防より上に突出する部分とを覆うための上枠カバーが固定されており、前記下枠は、前記風防より上に突出する部分を覆うための下枠カバーが固定されており、前記風防は、前記上枠カバー及び下枠カバーが挿通される開口部を有し、前記上枠カバーは、平面視で、前記下枠カバーによってコの字状に囲まれており、前記開口部は、集電時における前記集電舟の上下変位にかかわらず、前記上枠カバー及び下枠カバーによって塞がれることを特徴とする。
このパンタグラフにおいて、前記下枠は、台枠に設けれらた主軸周りに起倒自在に軸支され、前記下枠カバーは、前記開口部における集電舟に近い側の周縁と対向する面が、側面視で、前記主軸を中心とする円弧状に形成されていることが好ましい。
このパンタグラフにおいて、前記下枠カバーは、前記開口部における集電舟から遠い側の周縁と対向する面が、側面視で、前記主軸を中心とする円弧状に形成されていることが好ましい。
このパンタグラフにおいて、前記上枠は、前記中間ヒンジのヒンジ軸周りに起倒自在に軸支され、前記上枠カバーは、集電舟に近い側にあって前記下枠カバーと対向する面が、前記ヒンジ軸を中心とする円弧状に形成されていることが好ましい。
このパンタグラフにおいて、前記上枠カバーは、前記開口部における集電舟から遠い側の周縁と対向する面が、側面視で、前記周縁との離隔が略一定となる形状に形成されていることが好ましい。
このパンタグラフにおいて、前記下枠カバーは、上面における前記上枠を下方に投影した部分に、下方に変位可能な可動部を有し、前記可動部は、前記上枠に押されることによって、下方に変位することが好ましい。
このパンタグラフにおいて、前記風防は、前記上枠に押されることによって下方に変位する収納カバーを有し、前記上枠の一部は、前記収納カバーが下方に変位することによって、前記風防内に収納されることが好ましい。
本発明のパンタグラフによれば、中間ヒンジと、釣合棒が風防より上に突出する部分とが、上枠カバーで覆われ、下枠が風防より上に突出する部分が、下枠カバーで覆われるので、空力音が小さくなる。上枠カバー及び下枠カバーが挿通される風防の開口部は、集電時における集電舟の上下変位にかかわらず、上枠カバー及び下枠カバーによって塞がれるので、開口部からの空力音の発生が防がれる。また、風防の上面の高さを中間ヒンジよりも低くすることができるので、気流に対する風防の断面積を小さくして、風防による空力音及び空気抵抗を低減することができる。また、風防の厚みを低減することができるので、車両の屋根高さが高くても、パンタグラフを車両限界内に収めることが容易になる。
本発明の一実施形態に係るパンタグラフの側面図。 同パンタグラフの平面図。 同パンタグラフの中央部付近の斜視図。 同パンタグラフの中央部付近の側面図。 同パンタグラフにおける風防の開口部周辺の平面図 同パンタグラフを透視した最高作用高さにおける側面図。 同パンタグラフを透視した標準作用高さにおける側面図。 同パンタグラフを透視した最低作用高さにおける側面図。 同パンタグラフを透視した折り畳み高さにおける側面図。 同パンタグラフにおける下枠カバーの可動部の下方変位を示す斜視図。 同パンタグラフにおける収納カバーの下方変位を示す斜視図。 シングルアーム型のパンタグラフのリンク機構を示す図。 本発明の実施例及び比較例のなびき方向の騒音データ。 本発明の実施例及び比較例の反なびき方向の騒音データ。
本発明の一実施形態に係るパンタグラフを図1乃至図12を参照して説明する。図1乃至図3に示されるように、本実施形態のパンタグラフ1は、シングルアーム型のパンタグラフである。
図12に示されるように、パンタグラフ1のリンク機構は、従来のシングルアームパンタグラフのリンク機構と同様に構成される。パンタグラフ1は、集電舟2と、上枠3及び下枠4と、釣合棒5と、台枠6とを有する。上枠3及び下枠4は、集電舟2を上下方向に変位自在に支持する。釣合棒5は、下枠4に内蔵されず、下枠4と並べて設けられる。台枠6は、下枠4及び釣合棒5を起倒自在に支持する。台枠6は、碍子7によって、鉄道車両の屋根上に支持され、屋根から絶縁される。
パンタグラフ1は、リンクとして、上枠3、下枠4、及び釣合棒5以外に、舟支え21及び平衡棒30を有する。集電舟2は、舟支え21を介して上枠3に支持される。平衡棒30は、中空の上枠3に内蔵される。平衡棒30及び舟支え21によって、集電舟2の上下変位にかかわらず集電舟2の姿勢が一定に保たれ、集電舟2の上面が水平に維持される。釣合棒5の長さ設定によって、集電舟2が上下方向に変位する軌跡が調整される。
パンタグラフ1は、風防8を有する(図1及び図2参照)。図4に示されるように、風防8は、台枠6と、下枠4の下部と、釣合棒5の下部とを覆う。上枠3の下端は、下枠4の上端と中間ヒンジ9で交差角可変に連結されている。上枠3は、上枠カバー31が固定されている。上枠カバー31は、中間ヒンジ9と、釣合棒5が風防8より上に突出する部分とを覆うためのものである。下枠4は、下枠カバー41が固定されている。下枠カバー41は、下枠4が風防8より上に突出する部分を覆うためのものである。
図5に示されるように、風防8は、上枠カバー31及び下枠カバー41が挿通される開口部81を有する。上枠カバー31は、平面視で、下枠カバー41によってコの字状に囲まれている。開口部81は、集電時における集電舟2の上下変位にかかわらず、上枠カバー31及び下枠カバー41によって塞がれる。
下枠4は、台枠6に設けれらた主軸61周りに起倒自在に軸支される(図4参照)。下枠カバー41は、開口部81における集電舟2に近い側の周縁811と対向する面411が、側面視で、主軸61を中心とする円弧状に形成されている。
下枠カバー41は、開口部81における集電舟2から遠い側の周縁812と対向する面412が、側面視で、主軸61を中心とする円弧状に形成されている。
上枠3は、中間ヒンジ9のヒンジ軸91周りに起倒自在に軸支される。上枠カバー31は、集電舟2に近い側にあって下枠カバー41と対向する面311が、ヒンジ軸91を中心とする円弧状に形成されている。
上枠カバー31は、開口部81における集電舟2から遠い側の周縁813と対向する面312が、側面視で、周縁813との離隔が略一定となる形状に形成されている。
パンタグラフ1の各構成をさらに詳述する。集電舟2の形状は、限定されるものではないが、空力音が小さい形状が望ましい。本実施形態では、集電舟2に、いわゆる翼型の舟体を用いている(図2参照)。上枠3の上端部及び舟支え21は、空力音を低減するため、滑らかな形状の頂点カバー32で覆われる。上枠3の外形は、円柱又は楕円柱等である。
風防8は、台枠6と、下枠4の下部と、釣合棒5の下部とを覆うものであり(図4参照)、集電舟2の高さが低いときには、下枠4の下部を含めた下枠4全体を覆う場合があり、釣合棒5の下部を含めた釣合棒5全体を覆う場合がある。風防8は、中空であり、上下に扁平で前後方向に延びる楕円体に似た滑らかな外形を有し、上部中央付近が滑らかに盛り上がっている(図1参照)。風防8の上部に前後方向に細長い開口部81が形成される。風防8は、複数の曲面部材で構成され、例えば、FRPを成形して作られる。風防8は、碍子7によって鉄道車両の屋根から絶縁されるので、絶縁物である必要は無く、例えば、金属板を成形して作ってもよい。なお、パンタグラフ1において前後方向とは、鉄道車両の長手方向である。
碍子7の形状は、限定されるものではないが、本実施形態では、空力音及び空気抵抗を低減するため、前後方向の長径を有する楕円柱形であり、沿面放電を防ぐため、ヒダを有する。
パンタグラフ1において、集電舟2の高さによって、下枠4及び釣合棒5は、開口部81を通って風防8より上に突出する(図4参照)。中間ヒンジ9は、下枠4の上端にあるので、下枠4が風防8より上に突出するとき、風防8より上に位置する。上枠カバー31及び下枠カバー41は、下枠4及び釣合棒5が風防8より上に突出する部分と、中間ヒンジ9とを覆うとともに、開口部81を塞ぐ。集電時における集電舟2の上下変位に伴って、上枠3及び下枠4が動くので、上枠カバー31及び下枠カバー41も動く。集電舟2が上下変位しても、開口部81は動かない。上枠カバー31及び下枠カバー41は、集電舟2が上下変位しても、開口部81を塞いだ状態を維持する形状を有する。上枠カバー31及び下枠カバー41の形状は、それら自体が発生する空力音が小さくなるように考慮されており、例えば、稜線に丸味を有する。上枠カバー31及び下枠カバー41は、例えば、FRPを成形して作られる。
下枠カバー41の面411は、主軸61を中心とする半径R1の円弧面である。
下枠カバー41の面412は、主軸61を中心とする半径R2の円弧面である。
上枠カバー31の面311は、ヒンジ軸91を中心とする半径R3の円弧面である。
上枠カバー31の面312は、円弧面のような単純な形状ではなく、CADを用いて、集電舟2を上下変位させながら、周縁813との離隔が略一定となるように作図して得られる形状である。
上枠カバー31において、面311と面312との間を前後方向に接続する面313は、前後方向に平行な平面である(図5参照)。下枠カバー41において、面411と面412との間を前後方向に接続する面413は、前後方向に平行な平面であり、上枠カバー31の面313と対向する面414は、前後方向に平行な平面である。
開口部81において、周縁811と周縁812とを前後方向に接続する周縁814は、前後方向に平行な直線であり、周縁812と周縁813とを前後方向に接続する周縁815は、前後方向に平行な直線である。周縁811と周縁813は、平行である。一対の周縁814の間隔は、一対の周縁815の間隔よりも大きい。
図6乃至図8に示されるように、上記のように構成されたパンタグラフ1は、集電時の架線の高さ変化に追従するため、集電舟2が上下方向に変位する。パンタグラフが集電装置として機能するときのレールから集電舟の上面までの高さを、パンタグラフの作用高さという。パンタグラフを新幹線鉄道(全国新幹線整備法第二条で定義されている新幹線鉄道)において用いる場合、最高作用高さは5300mm(図6参照)、標準作用高さは5000mm(図7参照)、最低作用高さは4800mm(図8参照)である。標準作用高さの5000mmは、架線の標準高さと同じである。パンタグラフ1の集電時において、集電舟2は、最低作用高さから最高作用高さまでの範囲内で変位する。風防8の開口部81は、このような集電時における集電舟2の上下変位にかかわらず、上枠カバー31及び下枠カバー41によって塞がれる(図6乃至図8参照)。
なお、パンタグラフ1の集電舟2の上下方向の可動範囲は、最低作用高さから最高作用高さまでの範囲よりも広い。図9に示されるように、パンタグラフ1を折り畳むとき、集電舟2は、最低作用高さよりも低くなり、折り畳み高さになる。集電舟2は、架線等より高さが制限されないとき、最高作用高さよりも高くなり、突放し高さになる(図示せず)。集電舟2が最低作用高さから最高作用高さまでの範囲外にあるとき、風防8の開口部81は、上枠カバー31及び下枠カバー41によって塞がれてもよいが、塞がれなくても構わない。
パンタグラフ1が折り畳まれる時、側面視では、上枠3の一部が、下枠カバー41と干渉する位置関係となり、風防8と干渉する位置関係となる(図9参照)。このような折り畳み時の上枠3の干渉を回避するため、もし、単に下枠カバー41及び風防8にそれぞれ開口部を設けると、集電時に、それらの開口部から空力音が発生することになる。
パンタグラフ1において、図10に示されるように、下枠カバー41は、上面における上枠3を下方に投影した部分に、下方に変位可能な可動部415を有する。可動部415は、上枠3に押圧されることによって、下方に変位する。
集電舟2が作用高さにあるとき、可動部415は、上方に付勢され、周囲の面と同一面を成す。可動部415は、風防8内に設けられたアームの先端に支持されている。パンタグラフ1を折り畳む時、集電舟2が最低作用高さよりも低くなり、上枠3の下部が可動部415を下に押す。可動部415が上枠3に押されると、可動部415のアームが基端側を中心に回動することによって、可動部415が下方に変位する。なお、可動部415の下方変位は、回動による変位に限定されず、並進によって変位するように可動部415を構成してもよい。
パンタグラフ1において、図11に示されるように、風防8は、上枠3に押されることによって下方に変位する収納カバー82を有する。上枠3の一部は、収納カバー82が下方に変位することによって、風防8内に収納される。
収納カバー82は、下向きに開く片開き扉のように構成され、集電舟2が作用高さにあるとき、上方に付勢されて閉じており、周囲の面と同一面を成す。パンタグラフ1を折り畳む時、上枠3の下部が収納カバー82を下に押す。収納カバー82は、上枠3に押されると、下枠カバー41から遠い側(図11における右側)を中心に回動し、下枠カバー41に近い側(図11における左側)が下方に変位する。
以上、本実施形態に係るパンタグラフ1によれば、中間ヒンジ9と、釣合棒5が風防8より上に突出する部分とが、上枠カバー31で覆われ、下枠4が風防8より上に突出する部分が、下枠カバー41で覆われるので、空力音が小さくなる(図4参照)。上枠カバー31及び下枠カバー41が挿通される風防8の開口部81は、集電時における集電舟2の上下変位にかかわらず、上枠カバー31及び下枠カバー41によって塞がれるので、開口部81からの空力音の発生が防がれる。また、風防8の上面の高さを中間ヒンジ9よりも低くすることができるので、気流に対する風防8の断面積を小さくして、風防8による空力音及び空気抵抗を低減することができる。また、風防8の厚みを低減することができるので、車両の屋根高さが高くても、パンタグラフ1を車両限界内に収めることが容易になる。さらに、下枠4が風防8より上に出ても、下枠カバー41で覆われるので、空力音を小さくして下枠4を長くすることができる。これにより、下枠4を上枠3と比べて短くする程度が緩和され、リンク形状の上下非対称性が緩和されて、集電舟2の軌跡の調整が容易になる。
下枠カバー41は、開口部81における集電舟2に近い側の周縁811と対向する面411が、側面視で、主軸61を中心とする円弧状に形成されているので、集電舟2の上下変位に伴って下枠4が起伏しても、下枠カバー41の面411と開口部81の周縁811との間が拡がらない。これにより、面411と周縁811との間隙からの空力音の発生が防がれる。
下枠カバー41は、開口部81における集電舟2から遠い側の周縁812と対向する面412が、側面視で、主軸61を中心とする円弧状に形成されているので、集電舟2の上下変位に伴って下枠4が起伏しても、下枠カバー41の面412と開口部81の周縁812との間が拡がらない。これにより、面412と周縁812との間隙からの空力音の発生が防がれる。
上枠カバー31は、集電舟2に近い側にあって下枠カバー41と対向する面311が、ヒンジ軸91を中心とする円弧状に形成されているので、集電舟2の上下変位に伴って上枠3と下枠4との交差角が変化しても、上枠カバー31の面311と下枠カバー41との間が拡がらない。これにより、面311と下枠カバー41との間隙からの空力音の発生が防がれる。
上枠カバー31は、開口部81における集電舟2から遠い側の周縁813と対向する面312が、側面視で、周縁813との離隔が略一定となる形状に形成されているので、集電舟2の上下変位に伴って上枠3が起伏しても、上枠カバー31の面312と開口部81の周縁813との間が拡がらない。これにより、面312と周縁813との間隙からの空力音の発生が防がれる。
下枠カバー41は、上枠3に押されることによって下方に変位する可動部415を有するので、パンタグラフ1を折り畳む時、上枠3と下枠カバー41との干渉が避けられる。可動部415は、上枠3に押されていないときは、変位せず、下枠カバー41からの空力音の発生を防ぐことができる。
風防8は、上枠3に押されることによって下方に変位する収納カバー82を有するので、パンタグラフ1を折り畳む時、上枠3と風防8との干渉が避けられる。上枠3の一部は、収納カバー82が下方に変位することによって、風防8内に収納されるので、パンタグラフ1の折り畳み高さを低くすることができる。収納カバー82は、上枠3に押されていないときは、変位せず、風防8からの空力音の発生を防ぐことができる。
本発明の実施例として、本発明のパンタグラフ1の1/3縮尺模型を作成した(図1及び図2参照)。また、比較例として、特許文献5に記載されているパンタグラフの1/3縮尺模型を作成した。縮尺1/3は、パンタグラフを新幹線鉄道に用いる場合の実機の大きさに対する値である。これらの縮尺模型を用い、大型低騒音風洞(公益財団法人鉄道総合技術研究所風洞技術センター)で風洞実験を行った。
実施例及び比較例をそれぞれ風洞に入れ、普通騒音計を用い、同じ測定条件で騒音(音圧レベル)を測定した。風洞実験における風速は、300km/hとした。集電舟の高さは、標準作用高さとした。実施例では、中間ヒンジは、風防の外に出ている。比較例では、中間ヒンジは、風防内にある。
A特性の総合音(OA値)では、実施例は、比較例と比べて、なびき方向(図1における右向き)の気流を受けた場合、及び、反なびき方向(図1における左向き)の気流を受けた場合のいずれの場合においても音圧レベルが小さかった。なお、A特性とは、普通騒音計における、人間の聴覚を考慮した周波数の重み付け特性である。
音圧レベルを周波数分析すると、図13に示されるように、なびき方向では、200Hz付近を除くほぼ全ての周波数において、実施例が比較例よりも音圧レベルが小さかった。図14に示されるように、反なびき方向でも、なびき方向と同様に、200Hz付近を除くほぼ全ての周波数において、実施例が比較例よりも音圧レベルが小さかった。すなわち、本発明のパンタグラフ1は、中間ヒンジ9が風防8の外にあっても、中間ヒンジが風防内にある従来のパンタグラフよりも空力音が小さいことが確認された。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、台枠6を支持する碍子7は、円形柱にヒダを有する形状であってもよい。
1 パンタグラフ
2 集電舟
3 上枠
31 上枠カバー
311 上枠カバーの面
312 上枠カバーの面
4 下枠
41 下枠カバー
411 下枠カバーの面
412 下枠カバーの面
415 可動部
5 釣合棒
6 台枠
61 主軸
8 風防
81 開口部
811 開口部の周縁
812 開口部の周縁
813 開口部の周縁
82 収納カバー
9 中間ヒンジ
91 ヒンジ軸
θ 交差角

Claims (7)

  1. 集電舟と、前記集電舟を上下方向に変位自在に支持する上枠及び下枠と、前記下枠と並べて設けられる釣合棒と、前記下枠及び釣合棒を起倒自在に支持する台枠とを有するシングルアーム型のパンタグラフであって、
    前記台枠と、前記下枠の下部と、釣合棒の下部とを覆う風防を有し、
    前記上枠の下端は、下枠の上端と中間ヒンジで交差角可変に連結されており、
    前記上枠は、前記中間ヒンジと、前記釣合棒が前記風防より上に突出する部分とを覆うための上枠カバーが固定されており、
    前記下枠は、前記風防より上に突出する部分を覆うための下枠カバーが固定されており、
    前記風防は、前記上枠カバー及び下枠カバーが挿通される開口部を有し、
    前記上枠カバーは、平面視で、前記下枠カバーによってコの字状に囲まれており、
    前記開口部は、集電時における前記集電舟の上下変位にかかわらず、前記上枠カバー及び下枠カバーによって塞がれることを特徴とするパンタグラフ。
  2. 前記下枠は、台枠に設けれらた主軸周りに起倒自在に軸支され、
    前記下枠カバーは、前記開口部における集電舟に近い側の周縁と対向する面が、側面視で、前記主軸を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパンタグラフ。
  3. 前記下枠カバーは、前記開口部における集電舟から遠い側の周縁と対向する面が、側面視で、前記主軸を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のパンタグラフ。
  4. 前記上枠は、前記中間ヒンジのヒンジ軸周りに起倒自在に軸支され、
    前記上枠カバーは、集電舟に近い側にあって前記下枠カバーと対向する面が、前記ヒンジ軸を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のパンタグラフ。
  5. 前記上枠カバーは、前記開口部における集電舟から遠い側の周縁と対向する面が、側面視で、前記周縁との離隔が略一定となる形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のパンタグラフ。
  6. 前記下枠カバーは、上面における前記上枠を下方に投影した部分に、下方に変位可能な可動部を有し、
    前記可動部は、前記上枠に押されることによって、下方に変位することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のパンタグラフ。
  7. 前記風防は、前記上枠に押されることによって下方に変位する収納カバーを有し、
    前記上枠の一部は、前記収納カバーが下方に変位することによって、前記風防内に収納されることを特徴とする請求項6に記載のパンタグラフ。
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