JP2004274986A - パンタグラフ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 碍子17、17及びこれら各碍子17、17に支持された台枠、並びに、この台枠状に起倒自在に支持されたパンタグラフ枠21の上部を除く部分を、中間カバー20と、1対の端部カバー22、22とにより覆う。上記パンタグラフ枠21の上部は、このうちの中間カバー20に形成した透孔26を通じてこの中間カバー20の上方に突出させ、その上端部に集電舟装置7を支持する。この構成により、上記各カバー20、22に覆われた部分に風が当たらない様にして、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
図20に略示する様に、下枠4の長さL4 と上枠6の長さL6 とがほぼ等しい従来のパンタグラフ装置1の場合には、走行時に起立させた状態では、連結軸5及び釣り合い軸11部分の高さ位置が高くなる。パンタグラフ装置1を鉄道車両の屋根面に設置する場合には、図21に略示する様に、台枠2を屋根面16上に、碍子17、17を介して絶縁支持する。又、この屋根面16でこの台枠2を前後から挟む2個所位置には、前述した特許文献2〜9、非特許文献1に記載されている如く、パンタカバーと呼ばれる防風板18、18を設置する。
又、特許文献11〜13に記載されている様に、碍子の上方に設けたカバーにより、パンタグラフ枠の下部を覆う構造の場合には、パンタグラフ枠部分で発生する気流騒音を十分に抑えられないだけでなく、碍子部分で発生する気流騒音を抑える事もできない。
更に、特許文献14及び非特許文献2に記載されている様に、碍子を流線形にする代わりにカバーを省略した構造の場合には、パンタグラフ枠部分で発生する気流騒音を抑えられない。
このうちの台枠は、鉄道車両の屋根面上に碍子を介して絶縁支持される。
又、上記中間カバーは、絶縁材製で、一部に上下両面同士を連通させる透孔を有し、上記台枠の上方に設けられている。
又、上記パンタグラフ枠は、上記台枠の上面に起倒自在に設けられ、上記透孔を通じてその上部が、上記中間カバーの上方に突出している。
又、上記集電舟装置は、上記パンタグラフ枠の上端部に支持されている。
更に、上記両端部カバーは、絶縁材製で、上記屋根面上で上記鉄道車両の前後両側から上記中間カバーを挟む位置に設けられ、この中間カバーの下面と上記屋根面との間で上記碍子及び上記台枠を設置した空間の前後両端部を塞ぐ。
そして、上記両端部カバーの上面と上記中間カバーの上面とを、滑らかに連続させている。
この構成により、この左右両側開口部分で発生する気流騒音も低減できる。
このうちの下枠は、上記台枠上に設けられた第一の横軸により、その基端部を揺動自在に支持されたものとする。
又、上記上枠は、上記下枠の先端部に上記第一の横軸と平行に設けられた第二の横軸により、その基端部を揺動自在に支持されたものとする。
又、上記釣り合い腕は、上記上枠の基端部から突出する状態で設けられてこの上枠に対しその基端部を結合固定され、この上枠と共に上記第二の横軸を中心として揺動するものとする。
又、上記釣り合い腕は、上記釣り合い腕の先端部に上記第一、第二の横軸と平行に設けられた第三の横軸によりその先端部を揺動自在に支持され、これら第一〜第三の横軸と平行に設けられた第四の横軸によりその基端部を上記台枠に対し揺動自在に支持されたものとする。
そして、上記下枠の長さを、上記上枠の長さの1/6〜1/3倍とし、上記上枠を中間カバーに形成した透孔を通じてこの中間カバーの上方に突出させ、この上枠の上端部に集電舟装置を支持する。
この様に構成すれば、下枠の長さを短くした分、第二、第三の横軸の設置部分を低くできる。この為、上記中間カバーの高さ位置を低く抑えても、下枠及び上枠の起立状態での上記第二、第三の横軸の高さ位置を、上記中間カバーの下側に位置させる事ができる。この結果、この中間カバー及び端部カバーの高さを低く抑えて、高速走行時に発生する気流騒音のより一層の低減と、空気抵抗の低減とを図れる。
この様に構成すれば、端部カバー部分で発生する気流騒音を低減すると共に、パンタグラフ装置全体をコンパクトに構成し、降雨時に端部カバーの表面が濡れた場合でも、台枠と鉄道車両の屋根面との間の絶縁を十分に図れる。即ち、水平方向に存在する仮想平面に関する、各端部カバーの外周面の断面形状を流線形としている為、この端部カバー部分でカルマン渦が発生しにくく、上記気流騒音の低減を図れる。
又、これら各端部カバー表面の、鉛直方向に存在する仮想平面に関する断面形状を、これら各端部カバーの全周に亙って波形としている為、上記パンタグラフ装置全体のコンパクト化を図りつつ、上記絶縁を十分に図れる。即ち、このコンパクト化を図る為には、中間カバーの大きさを台枠の上方を覆えるだけの大きさとし、1対の端部カバーを、この中間カバーの前後両端に近接配置する必要がある。この様な構成を採用した場合に、降雨時に上記台枠及びこの台枠の上面に配設した導線や上記各端部カバーが濡れると、この導線からこれら各端部カバーの上部で上記中間カバーとの連続部に高電圧が印加される可能性を生じる。この様に上記各端部カバーの上部に高電圧が印加された場合に、これら各端部カバーの表面の上下方向に関する断面形状が直線状であると、上記連続部から上記屋根面にまで電流が流れる可能性がある。これに対して、上記各端部カバー表面の、鉛直方向に存在する仮想平面に関する断面形状を、これら各端部カバーの全周に亙って波形とすれば、上記連続部から上記屋根面までの、電気の流れる道のりが長くなり、この間の抵抗を十分に大きくして、この屋根面にまで電流が流れる事を防止できる。
このうちの台枠2aは、例えば前述の図16〜18に示した従来構造のパンタグラフ装置1を構成する台枠2と同様に、金属板を曲げ形成する等により造られたもので、鉄道車両の屋根面16上に、複数の碍子17、17を介して絶縁支持される。
具体的には、上記上枠6aの基端部に釣り合い腕10aの基端部を、この上枠6aの基端部から、この上枠6aの先端部とは逆方向に突出する状態で結合固定し、この釣り合い腕10aをこの上枠6aと共に、上記連結軸5aを中心として揺動する様にしている。又、この釣り合い腕10aの先端部に、請求項3に記載した第三の横軸である釣り合い軸11aを、上記揺動支持軸3a及び連結軸5aと平行に設け、この釣り合い軸11aに、釣り合い棒12aの先端部(上端部)を、揺動変位自在に支持している。又、この釣り合い棒12aの基端部(下端部)を前記台枠2aの上面に、請求項3に記載した第四の横軸であって上記釣り合い軸11aと平行に設けられた下部釣り合い軸13aにより、揺動変位自在に支持している。更に、上記集電舟装置7の下面に設けたリンク腕14の基端部と、上記下枠4aの先端部に固定された部分(この下枠4aの起伏に伴って揺動変位する部分)とに、ロッド15の両端部を揺動変位自在に連結している。
本例の場合、水平方向に存在する仮想平面に関する、上記両端部カバー22、22の外周面の断面形状を、流線形としている。即ち、これら両端部カバー22、22は、それぞれ鉄道車両の前後方向を長径方向とした楕円の両端寄り部分の如き平面形状を有する。上記両端部カバー22、22は、この楕円の両端寄り部分の如き平面形状を有する周壁部28、28により囲まれる空間の上方を、第二の天板部29、29により覆って成る。この様な上記両端部カバー22、22は、それぞれの凸面を互いに反対側に向け(凹面同士を互いに対向させ)、上記中間カバー20を前後両側から挟む状態で、上記屋根面16上に固定している。この状態で、上記各第二の天板部29、29の端縁は、前記中間カバー20を構成する天板部23の端縁に当接若しくは近接対向する。そして、この天板部23の上面と上記各第二の天板部29、29の上面とが、滑らかに連続(気流騒音の発生に繋がらない様な微小隙間が存在する状態を含む)する。
この様に左右両端開口の一部を上記両カバー30により覆う事で、走行時にこの左右両端開口から上記空間27内に巻き込まれる空気の流量を少なく抑えて、走行時に発生する気流騒音をより低減できる。尚、図示の例では、上記両カバー30の外周面の断面形状を波形としている為、仮にこれら両カバー30に高電圧が印加された場合でも、上記屋根面16にまで電流が流れる事を防止できる。
2、2a 台枠
3、3a 揺動支持軸
4、4a 下枠
5、5a 連結軸
6、6a 上枠
7 集電舟装置
8 ばね
9 摺り板
10、10a 釣り合い腕
11、11a 釣り合い軸
12、12a 釣り合い棒
13、13a 下部釣り合い軸
14 リンク腕
15 ロッド
16 屋根面
17 碍子
18 防風板
19 カバー
20 中間カバー
21 パンタグラフ枠
22、22a、22b 端部カバー
23 天板部
24 側板部
25 膨出部
26 透孔
27 空間
28、28a、28b 周壁部
29 第二の天板部
30、30a 側方カバー
Claims (4)
- 鉄道車両の屋根面上に碍子を介して絶縁支持される台枠と、一部に上下両面同士を連通させる透孔を有し、この台枠の上方に設けられた、絶縁材製の中間カバーと、上記台枠の上面に起倒自在に設けられ、上記透孔を通じてその上部がこの中間カバーの上方に突出したパンタグラフ枠と、このパンタグラフ枠の上端部に支持された集電舟装置と、上記屋根面上で上記鉄道車両の前後両側から上記中間カバーを挟む位置に設けられ、この中間カバーの下面と上記屋根面との間で上記碍子及び上記台枠を設置した空間の前後両端部を塞ぐ、それぞれが絶縁材製である1対の端部カバーとを備え、これら両端部カバーの上面と上記中間カバーの上面とを滑らかに連続させたパンタグラフ装置。
- 碍子及び台枠を設置した空間の左右両側開口の少なくとも一部を塞ぐ側方カバーを設けた、請求項1に記載したパンタグラフ装置。
- 台枠上でパンタグラフ枠を起倒させる為に、このパンタグラフ枠を、この台枠上に設けられた第一の横軸によりその基端部を揺動自在に支持された下枠と、この下枠の先端部にこの第一の横軸と平行に設けられた第二の横軸によりその基端部を揺動自在に支持された上枠と、この上枠の基端部から突出する状態で設けられてこの上枠に対しその基端部を結合固定され、この上枠と共に上記第二の横軸を中心として揺動する釣り合い腕と、この釣り合い腕の先端部に上記第一、第二の横軸と平行に設けられた第三の横軸によりその先端部を揺動自在に支持され、これら第一〜第三の横軸と平行に設けられた第四の横軸によりその基端部を上記台枠に対し揺動自在に支持された釣り合い棒とから構成すると共に、上記下枠の長さを、上記上枠の長さの1/6〜1/3倍としており、上記上枠を中間カバーに形成した透孔を通じてこの中間カバーの上方に突出させて、この上枠の上端部に集電舟装置を支持している、請求項1〜2の何れかに記載したパンタグラフ装置。
- 水平方向に広がる仮想平面に関する、各端部カバーの外周面の断面形状を流線形とすると共に、これら各端部カバー表面の、鉛直方向に広がる仮想平面に関する断面形状を、これら各端部カバーの全周に亙って波形とした、請求項1〜3の何れかに記載したパンタグラフ装置。
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