JP2021002966A - 鉄道車両用集電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直線走行時の空気力特性および空力音特性を維持しながら、横風環境下において集電装置に作用する揚力を簡易に調整する鉄道車両用集電装置を提供する。【解決手段】鉄道車両に備えられる集電装置4は、揚力調整部11を主枠6の表面に有する。このため、主枠6に向かって空気の流れが生じた時、上枠6bの下方では圧力が大きくなり、上枠6bの上方では圧力が小さくなるから、この圧力差によって上枠6bには下方から上方に押し上げられる。この押し上げ力は、空気の流れによる上枠6bの下向きの押圧力を弱めることとなるため、走行時に作用する揚力を調整できる。【選択図】図6

Description

本発明は、鉄道車両用集電装置に関する。
鉄道車両の屋根上に設置される集電装置は、集電装置の上方に張り渡される架線から鉄道車両に供される電力を集電する装置である。安定的に集電を行うためには、走行風や横風の影響を回避しつつ、集電装置のすり板が架線に安定的に追随できる特性を備える必要がある。
例えば、特許文献1に、集電装置に作用する揚力を調整するために、架線と摺動するすり板を支持する集電舟の形状を、解析や風洞試験から算出された目的関数を用いて最適化する手法が開示されている。この手法によれば、目的関数に走行時の揚力値や、放射される空力音の大きさを取り入れることで、所定の空気力特性や空力音特性を満足する集電舟の形状を得ることができる。
また、特許文献2に、架線に摺動するすり板を保持する集電舟を支持する主枠に作用する空気力を調整する方法が開示されている。この方法によれば、主枠の表面にトリッピングワイヤなどを備え、主枠表面で発達する層流境界層を乱流境界層に遷移させることによって、主枠に生じる空気力を低減して、安定的な集電を実現することができる。
特許第5250250号公報 特開2014−3847号公報
集電装置が安定的に集電できる集電舟および枠体の形状は、集電舟や枠体に生じる揚力を数値解析、風洞試験、現車での試験走行等によって確認しながら設計される。しかしながら、営業運転時の集電装置は、鉄道車両の進行に伴って生じる走行風だけでなく、沿線周囲の地形条件や気候条件によっては横風等にさらされる場合がある。このため、横風等が吹く環境下においても、安定的に集電できる集電装置を実現することが望ましい。
本発明は、横風の有無に関わらず低騒音で且つ安定的に集電できる鉄道車両用集電装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、代表的な本発明にかかる鉄道車両用集電装置の一つは、屋根の幅方向の両端部に遮音壁が立設された鉄道車両の前記屋根において、前記遮音壁の側方に備えられ、架線から電力を集電する鉄道車両用集電装置であって、前記架線に接触して集電を行うすり板を保持する集電舟と、前記集電舟を支持する円筒状の主枠と、前記主枠を高さ方向に駆動する昇降装置と、前記昇降装置を備える台枠と、前記台枠を覆う風防カバーと、を有し、前記主枠の長手方向に交差する向きの風を受けた時に前記主枠に作用する揚力の低下を防止する板部を設けた揚力調整部を、前記主枠の下面に備える、ことにより達成される。
本発明によれば、横風の有無に関わらず低騒音で且つ安定的に集電できる鉄道車両用集電装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、横風環境下における鉄道車両用集電装置周りの流れを模式的に示す斜視図である。 図2は、横風環境下において、集電装置を押し下げる方向の空気流が生じる過程を示す正面図である。 図3は、横風環境下における従来の集電装置の主枠周りの流れを模式的に示す断面図である(図4のA−A断面相当)。 図4は、実施形態1による集電装置の側面図である。 図5は、実施形態1による集電装置の背面図である。 図6は、横風環境下における本実施形態による集電装置の主枠周りの流れを模式的に示す断面図である(図4のA−A断面相当)。 図7は、上枠に備えられた実施形態2による揚力調整部を示す図である(図4のA−A断面相当)。 図8は、上枠に備えられた実施形態3による揚力調整部を示す図である。 図9は、本実施形態にかかる鉄道車両用の集電装置の折り畳み時の側面図である。
[実施形態1]
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
まず、以下の説明に供する鉄道車両に関係する各方向を、鉄道車両2(以下、車両2と記す)の長手方向(レール方向)をx方向(進行方向が正)、車両2の幅方向(枕木方向)をy方向(進行方向を向いて左方が正)、車両2のx方向およびy方向に直交する高さ方向をz方向(重力方向上方が正)とする。以下、単にx方向、y方向、z方向と記す。なお、x方向は車両2の進行方向と同義である。
図1は横風環境下における鉄道車両用集電装置周りの流れを模式的に示す斜視図である。車両2は、線路の上方の所定の高さに架設される架線1から、車体3をなす屋根3aに載置される集電装置4によって、車両2を駆動する電力を得る。
集電装置4は、架線1に摺動するすり板5aと、すり板5aを保持する集電舟5と、集電舟5をz方向に沿って移動可能に支持する主枠6と、主枠6を保持する台枠7と、台枠7と車両2とを電気的に絶縁する碍子8などから構成される。
集電舟5は、そのy方向に沿う両端部に、(−z)方向に湾曲したホーン部5bを有する。台枠7は、その下面のx方向の両端部で2つの碍子8に支持される。碍子8は、そのz方向に交差する断面形状が、x方向に沿う方向に長軸を配置する略楕円(長円)形状であり、空力騒音が生じにくい形状を備える。
台枠7は、集電舟5をz方向に沿って上昇あるいは下降する昇降装置を備える。主枠6は、集電舟5を水平に保持する舟支え部6aと、舟支え部6aを支持する円筒(断面が楕円形状であるものを含む)状の上枠6bと、上枠6bに関節部6dを介して接続する下枠6cと、から構成される。
昇降装置は、所定の押し上げ力で集電舟5に支持されるすり板5aを架線1に押し付けられるように、片持ちの態様で取り付けられた下枠6cに押し上げ力(トルク)を付与する主ばね(押し上げ用ばね)を内蔵している。このため、主枠6の関節部6dの屈曲の程度を制御して、架線1のz方向の変位に集電舟5を追随させるとともに、所定の押し上げ力ですり板5aを架線1に向かって押し上げることができる。
主枠6の表面6e(後述する図6参照)は主枠6の外周面であり、y方向及びz方向に沿う面で切断したときの断面形状はz方向に延びる略楕円状の湾曲面である。台枠7は、これら昇降装置等が台枠7の近傍を通過する空気流の乱れを大きくして、流体騒音や流体抵抗の増大を招来しないように、昇降装置等を覆う風防カバー7aを備える。風防カバー7aは、x方向に沿って比較的大きな寸法を有する。
集電舟5を支える主枠6は、架線1のほぼ直下の車体3(屋根3a)のy方向における中央部に位置する。主枠6を片持ちで支持する台枠7と、台枠7を覆う風防カバー7aは、車体3のy方向の中央部から、(+y)方向あるいは(−y)方向に偏寄して配置される。
集電装置4が車両2の走行によって生じる走行風210を受ける時の条件を、次のように決める。集電装置4の集電舟5から主枠6の関節部6dに向かう方向に車両2が進行する条件をなびき条件とし、これとは逆に関節部6dから集電舟5に向かう方向に車両2が進行する条件を反なびき条件とする。なびき条件のとき、風防カバー7aは、屋根3aのy方向の中央部より遮音板10aに近い側に備えられる。
遮音装置9は、屋根3aの上に設置されている集電装置4から発生する騒音が沿線に拡散することを抑制するために備えられる。遮音装置9は、屋根3aのy方向の両端部に屋根3aのx方向に沿って立設される一対の遮音板10a(10b)からなる。
遮音板10a(10b)は、集電装置4のy方向の両側の車両限界内に、騒音源である集電装置4の側面を遮音する態様で屋根3aに備えられる。集電装置4から生じる空力音、摺動音、スパーク音は、(±y)方向に向かって空気中を伝播するが、遮音板10a(10b)がこれらの騒音を遮るので、沿線で観察される騒音を低減することができる。
図2は、横風環境下において、集電装置を押し下げる方向の空気流が生じる過程を示す正面図である。(−y)方向の横風220(すなわち(+y)方向側から(−y)方向側に向かう横風220)が吹く環境下(図1参照)で、車両2がなびき条件(関節部6dから集電舟5に向かう方向に車両2が進行する)であって、風防カバー7aが遮音板10aに近い位置にある場合、屋根3a上に設置される集電装置4は、(−y)方向の横風220と、車両2の走行に伴う(−x)方向の走行風210とが合成された斜め前方から流れる合成風200(図1参照)を受ける。
かかる合成風200は、車体3に乗り上がって屋根3aに流れ込む。合成風200の一部は、屋根3aの(+y)方向の端部に設置された遮音板10aの(+x)方向の端部を乗り越える前方流れ200aとなり、合成風200の他の一部は、遮音板10aのx方向に沿う中央部を乗り越える中央流れ200bとなる。
前方流れ200aから派生した前方派生流れ201aは、屋根3aに沿って(−y)方向に流れて碍子8に衝突する。碍子8に衝突した前方派生流れ201aは、(+z)方向に向きを変えようとするが、中央流れ200bから派生し風防カバー7aに衝突して(−z)方向に向かう中央派生流れ201bに押されて偏向され、屋根3aに沿う(+y)方向の流れとされた後、遮音板10aの内側面に沿って(+z)方向に駆け上がる流れとなる。碍子8はx方向に沿って長軸を置く楕円形状の低騒音形状であるため、(−y)方向の流れ201aをせき止めやすい。
一方、中央流れ200bから派生した中央派生流れ201bは、風防カバー7aに衝突して、屋根3aに向かって下降する(−z)方向の流れとなる。屋根3aに達した中央派生流れ201bは、向きを変えて屋根3aに沿って(+y)方向に向かう流れとなる。その後、中央派生流れ201bは、前方派生流れ201aと同様に遮音板10aの内側面に沿って(+z)方向に駆け上がる。
このため、集電装置4の風防カバー7aと遮音板10aとの間の空間には、碍子8にせき止められて折り返す前方派生流れ201aと、風防カバー7aに衝突する中央派生流れ201bとによって、(−x)方向に見たとき反時計回りの強い渦204Aが形成される。なお、集電装置4の台枠7に風防カバー7aが備えられる場合に、強い渦204Aが形成される過程を説明したが、台枠7に風防カバー7aが備えられていない場合であっても、同様に、強い渦204Aが形成される。
集電装置4は、遮音板10aの(+x)方向の端部を駆け上がるz方向成分を持つ前方派生流れ201aから更に派生した流れと、遮音板10aのx方向に沿った中央部を乗り越える中央流れ200bから更に派生した流れと、からなる末梢流れ205aを受ける。末梢流れ205aは、渦204Aにより(−z)方向に誘引されて下向きの流れとなって集電装置4に向かう。
図3は、横風環境下における従来の集電装置の主枠周りの流れを模式化して示す断面図であり、図4のA−A断面に相当する。遮音板10a(図2)を乗り越えて(−y)方向に向かうとともに(−z)方向の成分を有する下向きの末梢流れ205aは、集電装置4をなす主枠6(上枠6b)の中心軸に、ほぼ交差する態様で衝突する。
円筒(円柱)状の上枠6bは、末梢流れ205aにより、上枠6bを(−y)方向に押す力FS1と、上枠6bを(−z)方向に押す押圧力FD1を受ける。末梢流れ205aが上枠6bを(−z)方向に押圧力FD1で押すと、上枠6bに支持される集電舟5は(−z)方向に引き下げられる。この押圧力FD1が、昇降装置に備えられる主ばねがすり板5aを架線1に押し上げる力を上回ると、すり板5aは架線1から離線して安定的な集電が阻害される。
安定的な集電を継続するためには、横風等の外乱がある場合であっても、すり板5aが所定の押し上げ力で架線1に押し付けられることが望ましい。安定的な集電が阻害されるケースとしては、主枠6に(+z)方向の流体力が作用して、すり板5aに所定の押し上げ力より大きい力が作用して架線1に押し上げられる場合と、主枠6に(−z)方向の流体力が作用して、すり板5aが架線1から離れやすくなる場合のいずれかが考えられる。
ここで、すり板5aが、所定の押し上げ力より少し大きな力で架線1に押し付けられる場合は、すり板5aの摩耗が促進されて、想定より短い周期ですり板5aを交換する保守作業が生じるおそれがある。
これに対して、すり板5aが架線1から離れやすくなる場合は、すり板5aと架線1との間で大きな電流を伴うアーク放電が生じて電磁ノイズやスパーク音が生じたり、さらにはアーク放電時の高温による架線1やすり板5aが急速に劣化したりするなどのおそれがある。このため、安定的な集電を継続するためには、(−z)方向の主枠6に働く流体力の影響を受けにくくして、架線1からすり板5aを引き離す力を抑制することが優先される。
図4は、本実施形態による集電装置の側面図であり、図5は本実施形態による集電装置の背面図である。集電装置4をなす上枠6bは、横風220(図1)が吹く場合に、遮音板10aを乗り越えて、集電装置4に向かって(−z)方向に吹き降ろされる末梢流れ205a(図3)の影響を受けにくくする揚力調整部11を備える。
揚力調整部11は、集電装置4をなす主枠6(上枠6b等)が吹き降ろされる末梢流れ205a中に置かれる場合であっても、集電装置4の集電舟5等を(−z)方向に押し下げる方向に作用する流体力を低減できる。それにより、集電舟5に支持されるすり板5aが架線1に所定の押し上げ力で押し上げられる状態を維持して安定的な集電を可能にする。
図6は、横風環境下における本実施形態による集電装置の上枠周りの流れを模式化して示す断面図であり、図4のA−A断面に相当する。揚力調整部11は、板部(フィン部)11aからなり、円筒状の上枠6bの下面(−z方向の面)に形成され、上枠6bの軸方向に沿って延在している。
遮音板10aを乗り越えて集電装置4に向かう(−z)方向の成分を有する末梢流れ205aは、上枠6bの側面に衝突した後、(+z)方向および(−z)方向に分流して上枠6bの表面6eに沿って流れる。
下方(−z方向)に分流した流れは、上枠6bに一体に備えらえる揚力調整部11(板部11a)衝突して堰き止められるので、圧力が上昇するとともにその流量が減少する。一方、上方(+z方向)に分量した流れは、(−z)方向に分流した流れにおける減少した流量分に相当する流量が流入するため流速が高まる。
表面6eの上方(+z方向)の増速した流れは、上枠6bの頂部近傍で表面6eからはく離してはく離域を生じる。はく離域では、多数の渦が生じるため圧力が下がる。はく離域は上枠6bの長手方向(x方向)に沿って広く形成される。
以上より、上枠6bの下方(−z方向)では圧力が大きくなり、上枠6bの上方(+z方向)では圧力が小さくなるため、この圧力差によって上枠6bには下方(−z方向)から上方(+z方向)に押し上げられる。この押し上げ力は、末梢流れ205aによる下向き(−z方向)の押圧力FD2を弱めることとなる。
したがって、揚力調整部11によって末梢流れ205aの下向きの押圧力が弱められることにより、主枠6に接続する集電舟5に保持されるすり板5aは、架線1から離れることなく安定した集電を継続することができる。
また、集電装置4の主枠6をなす下枠6cも、同様に、末梢流れ205aにさらされる。下枠6cの近傍の末梢流れ205aは、風防カバー7a等の影響によって乱れている可能性があるが、上述した効果が期待できる場合は、下枠6cにも同様な揚力調整部11を備えて良い。
上述した揚力調整部11によって流れ205aの下向きの押圧力が弱められる作用は、遮音板10aと風防カバー7aおよび碍子8との位置関係を維持したままで、主枠6の関節部6dが集電舟5より(−x)方向に配置される反なびき条件においても、同様に期待できる。
末梢流れ205aまたは横風220がない時、集電装置4の主枠6(上枠6b、下枠6c)は、主に車両2の走行に伴う走行風210を受ける。なびき条件時、ほぼ水平方向に流れる走行風210は、斜めに配置される上枠6bの上面に、上枠6bの軸に沿う方向に衝突する。同様に、反なびき条件時、ほぼ水平方向に流れる走行風210は、斜めに配置される上枠6bの下面に備えられる揚力調整部11に、上枠6bの軸に沿う方向に衝突する。
このため、集電装置4が走行風210に支配的にさらされる場合は、上枠6bの上方の圧力と下方の圧力と差が小さいので安定した集電を阻害するほどの大きな揚力等を生じない。さらに、なびき条件時および反なびき条件時に、走行風210がその軸方向に沿う態様で衝突するため、主枠6に備えられる揚力調整部11から大きな空力騒音が生じることもない。
[実施形態2]
図7は、上枠に備えられた実施形態2による揚力調整部の断面図であり、(+x)方向に見た状態を示す。上枠6bは、末梢流れ205aに伴う下向きの力を低減するために、その下面に揚力調整部11を備える。揚力調整部11は、上枠6bの下面の曲面に沿う基部11cと、基部11cのy方向の中央部から(−z)方向に突出する板部11aと、からなる。板部11aの頂部11bは、上枠6bおよび基部11cに沿って流れる流れ205aを堰き止める際に、空力音が生じないように丸みを有する。
本実施形態では、揚力調整部11が基部11cを備えるので、上枠6bとは別部品として製造した後、基部11cを利用して揚力調整部11を上枠6bに固定することができる。このため、集電装置4の異なる仕様の主枠6(上枠6bと下枠6c)にも同じ揚力調整部11を取り付けることができ、上枠6b等の製造コストを抑えることができる。なお、基部11cに代えて、板部11aの長手方向に沿って離散的にリベット(図示なし)で板部11aを上枠6bの下面に固定してもよい。
揚力調整部11を上枠6bとは別部品とすることにより、上枠6bが末梢流れ205a中に置かれた時の上枠6bに作用する(+z)方向の流体力(揚力)の程度を、揚力調整部11の全長で調整することができる。つまり、大きな揚力が望まれる場合は、許容できる(上限)長さの揚力調整部11を準備し、小さな揚力が要求される場合は、揚力調整部11を必要とされる長さに調整(切断)して、上枠6bの下面に固定すればよいので、主枠6に生じる揚力を簡単に調整することができ、設計工数を低減できる。
[実施形態3]
図8は、上枠に備えられた実施形態3による揚力調整部の部分斜視図である。揚力調整部11は、上枠6bの下面の曲面に沿う基部11cと、基部11cのy方向の中央部から(−z)方向に並行して突出する一対(2列)の板部11aと、からなる。各板部11aは、上枠6bの軸方向に沿って凸部11a1と、凹部11a2とを交互に備えており、一方の板部11aの凸部11a1に、他方の板部11aの凹部11a2が隣接する態様で、共通の基部11cに接続している。
この構成によって、上枠6bの側面に衝突して上枠6bの表面6eをその下面に向かって分流する末梢流れ205aの一部は、まず、一方の板部11aの凸部11a1に主に衝突したのち、一方の板部11aの凹部11a2を通過して他方の板部11aの凸部11a1に衝突する。この過程において、上枠6bの側面に衝突して分流した末梢流れ205aの一部はせき止められて、上枠6bの下方の圧力を高める。
揚力調整部11をなす一対(2列)の板部11aに堰き止められた末梢流れ205aの一部が、交互に備えられた凸部11a1と凹部11a2に当たることで、位相が揃った大規模な二次元性の強い流れ構造が上枠6bの下方に形成されにくくなる。これにより、空力音が発生することを抑制できる。
なお、板部11aに凸部11a1と凹部11a2を交互に備える構成は、図7を参照して説明した板部11aに適用しても、空力騒音の発生を抑制できる。
図9は、本実施形態にかかる鉄道車両用の集電装置の折り畳み時の側面図である。集電装置4は、架線1から集電をしない時は、主枠6を、関節部6dを支点に折り畳み集電舟5を下げる。主枠6を(−z)方向に折りたたむ時に、上枠6bの下面に備える揚力調整部11が、下枠6cの上面と干渉しないことが望ましい。
このため、集電装置4を折りたたんだ時の各部との干渉等を顧慮すると、上枠6bの長さをLとしたときに、揚力調整部11は、舟支え部6aから0.4Lの位置と、関節部6dから0.15Lの位置との間に置かれ、その際の揚力調整部11の許容長さが0.45L程度であると好ましい。また、揚力調整部11をなす板部11aの高さ寸法H(図8参照)は、0.02L程度であると好ましい。
また、揚力調整部11の上枠6bの軸方向に沿う両端部の形状は、末梢流れ205aおよび走行風210に起因する空力騒音が生じないように、高さ寸法Hが両端部に向かって徐々に小さくなる形態(略三角形状など)であることが望ましい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。ここでは、集電装置4は、関節部6dを有するとともに、この関節部6dが屈曲する形態の主枠6を有する例を示した。しかし、主枠6は、屈曲する形態に限定されず、一方の端部が昇降装置に接続するとともに、その他方の端部が集電舟5を支持する棒状の形態であってもよい。
上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。またある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、またある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1…架線、 2…鉄道車両、
3…車体、 3a…屋根、
4…集電装置、 5…集電舟、
5a…すり板、 5b…ホーン部、
6…主枠、 6a…舟支え部、
6b…上枠、 6c…下枠、
6d…関節部、 7…台枠、
7a…風防カバー、 8…碍子、
10a、10b…遮音板、 11…揚力調整部、
11a…板部(フィン部)、 11a1…凸部、
11a2…凹部、 11b…頂部、
11c…基部、 200…合成風、
210…走行風、 220…横風、
x…長手(レール)方向、 y…幅(枕木)方向、
z…高さ方向

Claims (4)

  1. 屋根の幅方向の両端部に遮音壁が立設された鉄道車両の前記屋根において、前記遮音壁の側方に備えられ、架線から電力を集電する鉄道車両用集電装置であって、
    前記架線に接触して集電を行うすり板を保持する集電舟と、
    前記集電舟を支持する円筒状の主枠と、
    前記主枠を高さ方向に駆動する昇降装置と、
    前記昇降装置を備える台枠と、を有し、
    前記主枠の長手方向に交差する向きの風を受けた時に前記主枠に作用する揚力の低下を防止する板部を設けた揚力調整部を、前記主枠の下面に備える、
    ことを特徴とする鉄道車両用集電装置。
  2. 請求項1に記載された鉄道車両用集電装置において、
    前記主枠は、前記架線の真下に位置するとともに前記昇降装置を備える前記台枠に片持ちの態様で備えられる、
    ことを特徴とする鉄道車両用集電装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された鉄道車両用集電装置において、
    前記揚力調整部は、前記主枠の下面に当接される基部と、前記基部に接続する板部と、から構成される、
    ことを特徴とする鉄道車両用集電装置。
  4. 請求項2に記載された鉄道車両用集電装置において、
    前記揚力調整部は、前記主枠の下面に当接される基部と、前記主枠の下面に当接される基部に接続するとともに前記主枠の軸方向に沿って備えられる2列の板部と、から構成される、
    ことを特徴とする鉄道車両用集電装置。
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