JP5679952B2 - 集電装置の揚力調整装置及び集電装置の揚力制御装置 - Google Patents
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Description
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図4及び図12に示すように、集電装置(3)に作用する揚力(±L)を調整する集電装置の揚力調整装置であって、前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦(F 11 )による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦(F 12 )を発生させる縦渦発生部(9)と、前記縦渦発生部の突出量(δ)を可変する突出量可変部(15)とを備え、前記突出量可変部は、前記集電装置の集電舟を上昇させる方向の揚力(+L)を増加させるときには前記縦渦発生部の突出量を減少させ、前記集電装置の集電舟を下降させる方向の揚力(−L)を増加させるときには前記縦渦発生部の突出量を増加させることを特徴とする集電装置の揚力調整装置(14)である。
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1〜図3に示す架線1は、線路上空に架設される架空電車線であり、所定の間隔をあけて支持点で支持されている。トロリ線1aは、集電装置3が接触移動する電線であり、集電装置3が摺動することによって、図2に示す車両2に負荷電流を供給する。車両2は、電車又は電気機関車などの電気車であり、例えば高速で走行する新幹線(登録商標)などの鉄道車両である。車体2aは、乗客又は貨物を積載し輸送するための構造物である。
図1〜図6に示す空力騒音抑制構造8を集電装置3が備えていない場合には、図2に示す車両2がA方向に走行すると、図4に示すように集電舟7の表面で気流F1が剥離して、この集電舟7の進行方向後側に気流F1が交互に回り込む。このため、上下の剥離せん断層から発生する渦の相互作用によってカルマン渦F11が発生し、このカルマン渦F11によって空力音が発生する。例えば、上側の渦が生成するとこの渦の圧力変動によって下側の剥離せん断層が刺激されて新しい渦が生じ、上側の渦が流下した後に下側の渦が成長して、今度は上下の渦の役割が逆転して同様の事象が生じる。このように渦が互いに影響を与えながら交互に生成することによって、エオルス音に起因する空力音が発生する。
(1) この第1実施形態では、集電装置3の進行方向後側に発生するカルマン渦F11による空力騒音を抑制するために、この集電装置3の集電舟7の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦F11を低減させる縦渦F12を縦渦発生部9が発生させる。このため、縦渦F12とカルマン渦F11との干渉作用によってこのカルマン渦F11の発生を抑制して、このカルマン渦F11に起因するエオルス音を低減することができる。
以下では、図1〜図6に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図7及び図8に示す空力騒音抑制構造8は、集電舟7の端面7fに着脱自在に装着されており、図1〜図6に示す空力騒音抑制構造8と同様に、表面が絶縁処理された合成樹脂又は軽量金属などによって形成されている。空力騒音抑制構造8は、外観形状が略三角錐の三次元形状の部材を気流F1の流れる方向に対して略直交するように、所定の間隔をあけて複数並べて集電舟7の端面7fに配置している。空力騒音抑制構造8は、図5及び図6に示す縦渦誘導部10が省略されており、図7及び図8に示す縦渦発生部9がデルタ翼部9bなどを備えている。
この第2実施形態では、集電装置3の集電舟7の長さ方向に所定の間隔をあけて、外観形状が略三角錐のデルタ翼部9bを縦渦発生部9が備えている。このため、よどみ点からの流れが効率よくデルタ翼部9bの翼端部に導かれて強い縦渦F12を誘起させることができる。
図9及び図10に示す空力騒音抑制構造8は、図1〜図6に示す空力騒音抑制構造8と同様に、集電舟7の下面7eに着脱自在に装着されており、表面が絶縁処理された合成樹脂又は軽量金属などによって形成されている。空力騒音抑制構造8は、図9及び図10に示すように、三角形状の凸部と台形状の凹部とを互い違いに連続して、この集電舟7の長さ方向に形成している。空力騒音抑制構造8は、例えば、平面形状が略長方形の板状部材の両縁部を所定の間隔をあけて鋭角な三角形状の凸部に形成することによって、全体を鋸刃状(ぎざぎざ)に形成しており、気流F1の流れる方向に対して略直交するように集電舟7の下面7eに配置されている。空力騒音抑制構造8は、図5及び図6に示す縦渦誘導部10が省略されており、図9及び図10に示す縦渦発生部9がデルタ翼部9cなどを備えている。
図11及び図12に示す集電装置3は、風洞試験装置11によって種々の試験が実施される試験対象物(供試体)である。集電装置3は、例えば、図1〜図3に示すような実際の鉄道車両の集電装置又はこの集電装置を模擬(縮小)した模型集電装置である。風洞試験装置11は、集電装置3が気流F1を受けるときに、この気流F1によって生ずるこの集電装置3の挙動を測定する装置である。風洞試験装置11は、例えば、図11及び図12に示すように、風洞測定部12内の集電装置3に空気を流し、この空気の流れによってこの集電装置3から発生する揚力又は空力騒音などを測定する開放胴型風洞試験装置である。風洞試験装置11は、風洞測定部12と風洞13などを備えている。
図12(A)に示すように、集電舟7を上昇させる方向に作用する揚力+Lを増加させて、この集電舟7を下降させる方向に作用する揚力−Lを低下させるときには、固定部15cを緩めてスライド部15dをスライド可能な状態にする。次に、縦渦発生部9の突出量δを可変して、集電舟7の端面7fからこの縦渦発生部9を例えば突出量δ=δ1だけ突出させた後に、固定部15cを締め付けてこの縦渦発生部9を所定位置に固定する。一方、図12(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向に作用する揚力−Lを増加させて、この集電舟7を上昇させる方向に作用する揚力+Lを低下させるときには、固定部15cを緩めてスライド部15dをスライド可能な状態にする。次に、縦渦発生部9の突出量δを可変して、集電舟7の端面7fからこの縦渦発生部9を例えば突出量δ=δ2(δ2>δ1)だけ突出させた後に、固定部15cを締め付けてこの縦渦発生部9を所定位置に固定する。
図11に示すように、風洞試験装置11の風洞測定部12内に集電装置3を設置して図中矢印方向に気流F1を流すと、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lや集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが集電装置3に作用する。例えば、集電装置3全体として組み上げた状態で風洞試験を実施する場合には、集電舟7単体で風洞試験を実施する場合に比べて、枠組6などの他の部品と干渉して流れ場が変化する。その結果、集電装置3に作用する揚力±Lを適正値に調整するために、縦渦発生部9の突出量δを調整する必要がある。例えば、図12(A)に示す集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lを増加させる必要があるときには、突出量可変部15によって縦渦発生部9の突出量δが小さくなるように調整される。その結果、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが低下して、集電装置3に作用する揚力±Lが適正値に設定される。一方、図12(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lを増加させる必要があるときには、突出量可変部15によって縦渦発生部9の突出量δが大きくなるように調整される。その結果、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが低下して、集電装置3に作用する揚力±Lが適正値に設定される。
(1) この第4実施形態では、空力騒音抑制構造8の縦渦発生部9の突出量δを突出量可変部15が可変する。このため、例えば、集電舟7の開発の最終段階においてこの集電舟7に作用する揚力±Lを縦渦発生部9の突出量δを可変するだけで簡単に調整することができる。また、従来の揚力調整装置ではこの装置自体から空力騒音が発生していたが、この実施形態では縦渦発生部9が空力音の低減効果を発揮するため、空力音を増加させずに揚力を調整することができる。
図13に示す揚力調整装置14は、図1〜図10に示す空力騒音抑制構造8と、迎角変更部16などを備えている。揚力調整装置14は、空力騒音抑制構造8の縦渦発生部9の迎角θを迎角変更部16によって変更することによって集電舟7に作用する揚力を調整する。ここで、迎角θとは、縦渦発生部9の前後方向(幅方向)と気流F1の方向とのなす角である。図16に示すように、迎角θは、正の値(縦渦発生部9の前方から後方に向かって気流が斜め下方向)であるときには、この集電舟7を上昇させる方向を正とする揚力+Lがこの集電舟7に作用する。一方、迎角θは、負の値(縦渦発生部9の前方から後方に向かって気流が斜め上方向)であるときには、この集電舟7を下降させる方向を負とする揚力−Lがこの集電舟7に作用する。揚力調整装置14は、図13(A)に示すように、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lを増加させたいときには、迎角変更部16によって縦渦発生部9の迎角θを大きく調整する。一方、揚力調整装置14は、図13(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lを増加させたいときには、迎角変更部16によって縦渦発生部9の迎角θを小さく調整する。以下では、図9及び図10に示すデルタ翼部9cを備える縦渦発生部9の迎角θを揚力調整装置14によって調整する場合を例に挙げて説明する。
図13(A)に示すように、集電舟7を上昇させる方向に作用する揚力+Lを増加させるときには、固定部16cを緩めて軸部16aを回転中心として縦渦発生部9を回転可能な状態にする。次に、縦渦発生部9の前縁部が上方に傾斜するようにこの縦渦発生部9の迎角θを可変して、この縦渦発生部9を例えば迎角θ=+θ1だけ上向きに回転させた後に、固定部16cを締め付けてこの縦渦発生部9を所定の傾斜角度に固定する。一方、図13(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向に作用する揚力−Lを増加させるときには、固定部16cを緩めて軸部16aを回転中心として縦渦発生部9を回転可能な状態にする。次に、縦渦発生部9の前縁部が下方に傾斜するようにこの縦渦発生部9の迎角θを可変して、この縦渦発生部9を例えば迎角θ=−θ2だけ下向きに回転させた後に、固定部16cを締め付けてこの縦渦発生部9を所定の傾斜角度に固定する。
例えば、図13(A)に示すように、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lを増加させる必要があるときには、迎角変更部16によって縦渦発生部9が上向きになるように迎角θが調整される。その結果、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが増加して、集電装置3に作用する揚力±Lが適正値に設定される。一方、図13(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lを増加させる必要があるときには、迎角変更部16によって縦渦発生部9が下向きになるように迎角θが調整される。その結果、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加して、集電装置3に作用する揚力±Lが適正値に設定される。
(1) この第5実施形態では、空力騒音抑制構造8の縦渦発生部9の迎角θを迎角変更部16が変更する。このため、例えば、集電舟7の開発の最終段階においてこの集電舟7に作用する揚力±Lを縦渦発生部9の迎角θを変更するだけで簡単に調整することができる。また、従来の揚力調整装置ではこの装置自体から空力騒音が発生していたが、この実施形態では縦渦発生部9が空力音の低減効果を発揮するため、空力音を増加させずに揚力を調整することができる。
図14に示す揚力制御装置17は、集電装置3に作用する揚力±Lを制御する装置である。揚力制御装置17は、図2に示す車両2が軌道上を走行するときに集電装置3の集電舟7に作用する揚力±Lを自動的に調整する。揚力制御装置17は、図1〜図10に示す空力騒音抑制構造8と、接触力測定部18と、突出量可変部19と、制御部20などを備えている。揚力制御装置17は、すり板7aに作用する接触力Cを接触力測定部18によって測定し、この接触力Cの大きさに応じて縦渦発生部9の突出量δを突出量可変部19によって可変して、集電舟7に作用する揚力±Lを制御する。揚力制御装置17は、図14(A)に示すように、集電舟7に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなったときには、縦渦発生部9の突出量δが大きくなるように突出量可変部19を動作制御し、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lを大きくして接触力Cを低下させる。一方、揚力制御装置17は、図14(B)に示すように、集電舟7に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなったときには、縦渦発生部9の突出量δが小さくなるように突出量可変部19を動作制御し、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lを大きくして接触力Cを増加させる。以下では、図9及び図10に示すデルタ翼部9cを備える縦渦発生部9の突出量δを突出量可変部19によって可変する場合を例に挙げて説明する。
図2に示すように、車両2がA方向に走行すると集電舟7に揚力±Lが作用するため、図14に示すようにトロリ線1aとすり板7aとの間の接触力Cが変動する。例えば、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加すると、図14(B)に示すように集電舟7とすり板7aとの間の相対変位が大きくなって接触力Cが低下する。このため、トロリ線1aからすり板7aが離れる離線が発生し、トロリ線1aとすり板7aとの間にアークが発生する。一方、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが増加すると、図14(A)に示すように集電舟7とすり板7aとの間の相対変位が小さくなって接触力Cが増加する。このため、トロリ線1aとすり板7aとの間に発生する摩擦抵抗が過大になって、トロリ線1aやすり板7aが摩耗する。図2に示す車両2がA方向に走行して、図14に示すようにすり板7a及びすり板支持部7bを通じて接触力測定部18に接触力Cが伝達する。このため、集電舟7の撓み量又はすり板支持部7bの撓み量を接触力測定部18が測定し、この接触力Cに応じた接触力測定信号を制御部20に出力する。接触力測定信号が制御部20に入力するとこの接触力測定信号に基づいて制御部20が接触力Cを演算し、この接触力Cが所定値を超えているか否かを制御部20が判断する。
(1) この第6実施形態では、トロリ線1aとすり板7aとの間に作用する接触力Cを測定する接触力測定部18の測定結果に基づいて、縦渦発生部9の突出量δを可変する突出量可変部19を制御部20が動作制御する。このため、集電装置3に作用する揚力±Lを縦渦発生部9の突出量δを可変するだけで簡単に制御することができる。その結果、トロリ線1aからのすり板7aの離線を抑制することができるとともに、トロリ線1a及びすり板7aの摩耗を抑制することができる。また、従来の揚力制御装置ではこの装置自体から空力騒音が発生していたが、この実施形態では縦渦発生部9が空力音の低減効果を発揮するため、空力音を増加させずに揚力を調整することができる。
図15に示す揚力制御装置17は、図1〜図10に示す空力騒音抑制構造8と、接触力測定部18と、迎角変更部21と、制御部22などを備えている。揚力制御装置17は、すり板7aに作用する接触力Cを接触力測定部18によって測定し、この接触力Cの大きさに応じて縦渦発生部9の迎角θを迎角変更部21によって変更して、集電舟7に作用する揚力±Lを制御する。揚力制御装置17は、図15(A)に示すように、集電舟7に作用する接触力Cが標準値よりも大きくなったときには、縦渦発生部9の迎角θが小さくなるように突出量可変部19を動作制御し、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lを大きくして接触力Cを低下させる。一方、揚力制御装置17は、図15(B)に示すように、集電舟7に作用する接触力Cが標準値よりも小さくなったときには、縦渦発生部9の迎角θが大きくなるように突出量可変部19を動作制御し、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lを大きくして接触力Cを増加させる。以下では、図9及び図10に示すデルタ翼部9cを備える縦渦発生部9の迎角θを迎角変更部21によって可変する場合を例に挙げて説明する。
図2に示す車両2がA方向に走行すると、図15に示す接触力Cに応じた接触力測定信号を制御部22に出力し、この接触力測定信号に基づいて制御部22が接触力Cを演算し、この接触力Cが所定値を超えているか否かを制御部22が判断する。接触力Cが所定値を超えると制御部22が判断したときには、図15(A)に示すように縦渦発生部9の迎角θが減少するように迎角変更部21を制御部22が動作制御する。このため、電動機21aに電気回路21bから駆動電流が供給されてこの電動機21aが正転し、駆動ギヤ21cから従動ギヤ21dに回転力が伝達されて、縦渦発生部9が下向き(迎角−θが大きくなる方向)に駆動する。その結果、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが減少し、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加して接触力Cが低下する。一方、接触力Cが所定値を下回ると制御部20が判断したときには、図15(B)に示すように縦渦発生部9の迎角θが増加するように迎角変更部21を制御部22が動作制御する。このため、電動機21aに電気回路21bから駆動電流が供給されてこの電動機21aが逆転し、駆動ギヤ21cから従動ギヤ21dに回転力が伝達されて、縦渦発生部9が上向き(迎角+θが大きくなる方向)に駆動する。その結果、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが減少し、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが増加して接触力Cが増加する。
(1) この第7実施形態では、すり板7aとトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを測定する接触力測定部18の測定結果に基づいて、縦渦発生部9の迎角θを変更する迎角変更部21を制御部22が動作制御する。このため、集電装置3に作用する揚力±Lを縦渦発生部9の迎角を変更するだけで簡単に制御することができる。その結果、トロリ線1aからのすり板7aの離線を抑制することができるとともに、トロリ線1a及びすり板7aの摩耗を抑制することができる。また、従来の揚力制御装置ではこの装置自体から空力騒音が発生していたが、この実施形態では縦渦発生部9が空力音の低減効果を発揮するため、空力音を増加させずに揚力を調整することができる。
図16に示す揚力制御装置17は、集電装置3に作用する揚力±Lを制御する装置である。揚力制御装置17は、図2に示す車両2が軌道上を走行するときに集電装置3の集電舟7に作用する揚力±Lを機械的に調整する。揚力制御装置17は、図14に示す制御部20が省略されており、図1〜図10に示す空力騒音抑制構造8と、突出量可変部23などを備えている。揚力制御装置17は、すり板7aに作用する接触力Cの大きさに応じて縦渦発生部9の突出量δを突出量可変部23によって可変して、集電舟7に作用する揚力±Lを制御する。以下では、図9及び図10に示すデルタ翼部9cを備える縦渦発生部9の突出量δを突出量可変部23によって可変する場合を例に挙げて説明する。
図16(A)に示すように、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが増加して接触力Cが増加すると、集電舟7とすり板7aとの間の相対変位が小さくなって、ピニオン23cが集電舟7と一体となって上昇する。このため、ラック23a,23bと噛み合いながらピニオン23cがB1方向に回転して、ラック23bと一体となって縦渦発生部9が突出し、この縦渦発生部9の突出量δが大きくなる。その結果、集電舟7を上昇させる方向の揚力+が減少し、この集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加して接触力Cが低下する。一方、図16(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加して接触力Cが減少すると、集電舟7とすり板7aとの間の相対変位が大きくなって、ピニオン23cが集電舟7と一体となって下降する。このため、ラック23a,23bと噛み合いながらピニオン23cがB1方向とは逆方向のB2方向に回転して、ラック23bと一体となって縦渦発生部9が引き込まれ、この縦渦発生部9の突出量δが小さくなる。その結果、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが低下し、この集電舟7を上昇させる方向の揚力+が増加して接触力Cが増加する。
図17に示す揚力制御装置17は、図15に示す制御部22などが省略されており、図1〜図10に示す空力騒音抑制構造8と、迎角変更部24などを備えている。揚力制御装置17は、すり板7aに作用する接触力Cの大きさに応じて縦渦発生部9の迎角θを迎角変更部24によって変更して、集電舟7に作用する揚力±Lを制御する。以下では、図9及び図10に示すデルタ翼部9cを備える縦渦発生部9の迎角θを迎角変更部24によって変更する場合を例に挙げて説明する。
図17(A)に示すように、集電舟7を上昇させる方向の揚力+Lが増加して接触力Cが増加すると、集電舟7とすり板7aとの間の相対変位が小さくなって、ピニオン24b,24cが集電舟7と一体となって上昇する。このため、ラック24aと噛み合いながらピニオン24bがB1方向に回転するとともに、このピニオン24bと噛み合いながら軸部16aを回転中心としてピニオン24cがB1方向とは逆方向のB2方向に回転し、縦渦発生部9の前縁部が上方に傾斜してこの縦渦発生部9の迎角θが減少する。その結果、集電舟7を上昇させる方向の揚力+が減少し、この集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加して接触力Cが低下する。一方、図17(B)に示すように、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが増加して接触力Cが減少すると、集電舟7とすり板7aとの間の相対変位が大きくなって、ピニオン24b,24cが集電舟7と一体となって下降する。このため、ラック24aと噛み合いながらピニオン24bがB2方向に回転するとともに、このピニオン24bと噛み合いながら軸部16aを回転中心としてピニオン24cがB1方向に回転し、縦渦発生部9の前縁部が下方に傾斜してこの縦渦発生部9の迎角θが増加する。その結果、集電舟7を下降させる方向の揚力−Lが低下し、この集電舟7を上昇させる方向の揚力+が増加して接触力Cが低下する。
図18に示す物体25は、流れ場に存在する部材である。物体25は、気体又は液体などの流体F2が流れる箇所にこの流体F2の流れを遮るように、水平方向、垂直方向又は斜め方向に配置されている。物体25は、中心軸に対して垂直な平面で切断したときの断面形状が略四角形の中実又は中空の角柱部材である。物体25は、上流側に位置して流体F2を受ける前面25aと、下流側に位置しこの前面25aとは反対側の後面25bと、流体F2の流れる方向に対して平行な側面25c,25dなどを備えている。物体25は、例えば、流体F2の速度を測定するピトー管、流体F2の温度又は圧力などの物性を測定するセンサ類を被覆する被覆管、鉄道の架線などの電車線、この電車線を支持する架線金具、住宅又は公園などの屋外に設置される手すり、電線、ケーブル、信号機、街灯、標識又は看板などを支持する支柱、鉄道の電車線を支持する電車線構造物、鉄塔、電柱、煙突、配管、整流フィン、橋桁、橋脚などである。
図18に示すカルマン渦低減構造26を物体25が備えていない場合には、流体F2が矢印方向に流れると物体25の表面で流体F2が剥離して、この物体25の下流側に流体F2が交互に回り込む。このため、側面25c,25d側の剥離せん断層から発生する渦の相互作用によってカルマン渦F21が発生し、このカルマン渦F21に起因する騒音や振動が発生する。一方、図18に示すカルマン渦低減構造26を物体25が備えている場合には、縦渦発生部27のデルタ翼部27aから強い縦渦F22が発生し、縦渦誘導部28の切欠部28aによってこの縦渦F22が物体25の側面25cに導かれる。このため、側面25c側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦F21と縦渦誘導部10から導かれる縦渦F22とが干渉して、側面25c側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦F21の強度がこの干渉作用によって弱められる。その結果、側面25d側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦F21の成長が妨げられて左右の渦の相互作用が弱まりカルマン渦F21の強度が弱まる。
(1) この第10実施形態では、カルマン渦F21を低減させる縦渦F22を縦渦発生部27が発生させ、物体25の長さ方向に所定の間隔をあけて、この物体25の表面から突出するデルタ翼部27aをこの縦渦発生部27が備えている。このため、縦渦F22とカルマン渦F21との干渉作用によってこのカルマン渦F21の発生を抑制して、このカルマン渦F21に起因する騒音や振動を低減することができる。
図19に示すデルタ翼部27bは、図7及び図8に示すデルタ翼部9bと同一構造であり、物体25の長さ方向に所定の間隔をあけて形成されており、外観形状が略三角錐に形成されている。この第11実施形態には、第10実施形態の効果に加えて、よどみ点からの流れが効率よくデルタ翼部27bの翼端部に導かれて強い縦渦F22を誘起させることができる。
図20に示すデルタ翼部27cは、図9及び図10に示すデルタ翼部9cと同一構造であり、物体25の長さ方向に所定の間隔をあけて形成されており、平面形状が略三角形に形成されている。この第12実施形態には、第10実施形態と同様の効果がある。
(空力音の測定結果)
図21に示す比較例は、図5〜図10に示すデルタ翼部9a〜9cを備えていない集電舟である。比較例は、断面形状が中心線に対して前後で非対称であり、下面の幅が60mmであり、スパン長さが600mmである。比較例は、実際の鉄道車両の集電装置の集電舟を模擬した形状であり、実際の集電舟よりも長さが短く形成されている。
図29に示す縦軸は、揚力(N)であり、横軸は集電舟の迎角(deg)である。図29に示すように、実施例1〜3は比較例に比べて揚力の値が小さくなっており、図5〜図10に示すデルタ翼部9a〜9cによって生ずる縦渦による負圧によって集電舟7の下面7eが引き寄せられる影響や、デルタ翼部9a〜9cの上面でよどみ圧を受けて翼が下方に押し下げられる影響であると考えられる。一方、揚力の迎角依存性(揚力グラフの傾き)は、デルタ翼部9a〜9cを備えていない比較例とほとんど変わらず揚力の迎角依存性に変化がない。このため、実施例1〜3は、揚力の迎角依存性を維持したまま空力音の低減が可能であることが確認された。なお、揚力値の低減量自体は、例えば、図1及び図2に示す集電舟7の上面7d側や枠組6の形状を改良することによって調整可能であり、問題にはならないと考えられる。
図30(A)に示す実施例3は、デルタ翼部を上流側及び下流側に対称に設置した板厚が0.6mmの集電舟である。実施例4は、図26(A)(B)に示す実施例3のデルタ翼部を上流側のみに設置した板厚が0.6mmの集電舟である。実施例5は、図26(A)(B)に示す実施例3のデルタ翼部を上流側及び下流側に非対称に設置した板厚が0.6mmの集電舟である。下流側のデルタ翼部の有無及び配置が空力音の低減効果に与える影響を風洞試験によって確認した。その結果、図30(D)に示すように、実施例3〜6は比較例に比べて空力音の低減効果が大きいことが確認された。また、図31に示すように、実施例3,5,4の順にエオルス音ピークレベル及びオーバーオール値が大きくなることが確認された。このため、図30(A)に示す実施例3のようにデルタ翼部を前後に対称に設置した場合に、空力音の低減効果が最も大きくなることが確認された。下流側にもデルタ翼部を設置したほうが空力音の低減効果が大きくなるという事柄は、双方向に走行する鉄道車両にとって有利であると考えられる。なお、デルタ翼部を前後に対称に設置した場合に空力音の低減効果が大きくなる理由は、縦渦が下流側の下面角部から効率よく後流へ抜け、カルマン渦と干渉するようになるためであると考えられる。
図32(A)に示す実施例6は、図24(A)(B)に示す実施例1のデルタ翼部を上流側のみに設置した板厚0.6mmの集電舟である。図32(B)に示す実施例7は、図24(A)(B)に示す実施例1のデルタ翼部を上流側のみに設置した板厚1.6mmの集電舟であり、実施例6とデルタ翼部の形状が同じであるが板厚が厚く形成されている。翼厚の変化が空力音の低減効果に与える影響を風洞試験によって確認した。その結果、図32(C)に示すように、実施例6,7は比較例に比べて空力音が低減されていることが確認された。また、図33(A)に示すように、翼厚が厚い実施例7は翼厚が薄い実施例6に比べてエオルス音の低減量が大きいが、図32(C)に示すように翼厚が厚い実施例7は翼厚が薄い実施例6に比べてデルタ翼部自体から生ずる空力音が大きいことが確認された。図33(B)に示すように、オーバーオール値についてはエオルス音の低減と空力音の増加との相乗効果によって実施例6,7の両者とも値がほぼ同程度となっている。このため、デルタ翼部の厚みが増加するほどエオルス音が低減するが、デルタ翼部自身から発生する空力音が増加することが確認された。その結果、例えば、図5〜図10に示すデルタ翼部9a〜9cの厚みを変化させることによって、エオルス音の低減分と、デルタ翼部9a〜9cから発生する空力音の増加分とを調整して、オーバーオール値が最も低減する最適な厚みを選定可能であることが確認された。
図34(A)に示す実施例8は、図32(B)に示す実施例7と同一形状であり、一辺20mmのデルタ翼部の突出量を大きくし、デルタ翼部の三角形状の突出部を完全に突き出した板厚が1.6mmの集電舟である。図34(B)に示す実施例9は、実施例8のデルタ翼部の突出量の1/2であり板厚が1.6mmの集電舟である。図36に示す縦軸は、揚力平均値(N)であり、横軸は実施例8,9及び比較例である。デルタ翼部の突出量が空力音の低減効果に与える影響を風洞試験によって確認した。その結果、図34(C)に示すように、実施例8,9は比較例に比べて空力音が低減されていることが確認された。また、図35(A)に示すように、突出量が大きい実施例8は突出量が小さい実施例9に比べてエオルス音の低減量が小さく、図35(B)に示すようにデルタ翼部自体から生ずる空力音が大きいことが確認された。このため、図5〜図10及び図12に示すように、デルタ翼部9a〜9cを最適な突出量に選定することによって、空力音の低減効果が最も大きくなるデルタ翼部9a〜9cの形状に調整可能であることが確認された。さらに、図36に示すように、実施例8,9は比較例に比べてデルタ翼部を付与することによって揚力が低下しており、デルタ翼部の突出量が大きくなるほど揚力が減少することが確認された。このため、例えば、集電舟の開発の最終段階においてデルタ翼部の突出量を調整して、集電舟に作用する揚力を調整可能であることが確認された。以上より、図5〜図10に示すデルタ翼部9a〜9bによって揚力を調整及び制御する場合には、空力音の低減効果を図りながら揚力を調整及び制御可能であることが確認された。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、空力騒音抑制構造8を集電装置3に適用し、カルマン渦低減構造26を流れ場に適用した場合を例に挙げて説明したが、集電装置に限定するものではない。例えば、カルマン渦F11,F21に起因する空力音、作用力変動又は圧力変動などが問題となる鉄道車両、自動車、航空機、船舶又はプラントなどについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、集電舟7及び物体25の断面形状が四角形である場合を例に挙げて説明したが、断面形状が円形、楕円形、多角形又は前後非対称な形状である場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、デルタ翼部9a〜9c,27a〜27c及び切欠部10aのそれぞれの寸法及び設置間隔が同一である場合を例に挙げて説明したが、寸法、設置個数及び設置間隔を限定するものではない。例えば、デルタ翼部9a〜9c,27a〜27c及び切欠部10aのそれぞれについて寸法が異なるものを不等間隔で並べて配置したり、種々の寸法、設置個数及び設置間隔に設定したりすることもできる。
1a トロリ線(電車線)
2 車両
2a 車体
3 集電装置
6 枠組
6a 舟支え部
7 集電舟
7a すり板
7b すり板支持部
7e 下面
7f 端面
8 空力騒音抑制構造
9 縦渦発生部
9a〜9c デルタ翼部
10 縦渦誘導部
10a 切欠部
11 風洞試験装置
12 風洞測定部
14 揚力調整装置
15 突出量可変部
16 迎角変更部
17 揚力制御装置
18 接触力測定部
19 突出量可変部
20 制御部
21 迎角変更部
22 制御部
23 突出量可変部
24 迎角変更部
25 物体
25a 前面
25b 後面
25c,25d 側面
26 カルマン渦低減構造
27 縦渦発生部
27a〜27c デルタ翼部
28 縦渦誘導部
28a 切欠部
F1 気流
F11,F21 カルマン渦
F12,F22 縦渦
F2 流体
δ,δ1,δ2 突出量
±L 揚力
θ,+θ1,−θ2 迎角
C 接触力
Claims (24)
- 集電装置に作用する揚力を調整する集電装置の揚力調整装置であって、
前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦を発生させる縦渦発生部と、
前記縦渦発生部の突出量を可変する突出量可変部とを備え、
前記突出量可変部は、前記集電装置の集電舟を上昇させる方向の揚力を増加させるときには前記縦渦発生部の突出量を減少させ、前記集電装置の集電舟を下降させる方向の揚力を増加させるときには前記縦渦発生部の突出量を増加させること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 集電装置に作用する揚力を調整する集電装置の揚力調整装置であって、
前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦を発生させる縦渦発生部と、
前記縦渦発生部の迎角を変更する迎角変更部とを備え、
前記迎角変更部は、前記集電装置の集電舟を上昇させる方向の揚力を増加させるときには前記縦渦発生部の迎角を増加させ、前記集電装置の集電舟を下降させる方向の揚力を増加させるときには前記縦渦発生部の迎角を減少させること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の集電装置の揚力調整装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の下方に配置されていること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項3に記載の集電装置の揚力調整装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の長さ方向に所定の間隔をあけて、平面形状が略三角形のデルタ翼部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項3に記載の集電装置の揚力調整装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の長さ方向に所定の間隔をあけて、外観形状が略三角錐のデルタ翼部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力調整装置おいて、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の進行方向前側及び進行方向後側に対称に配置されていること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力調整装置において、
前記縦渦発生部が発生する前記縦渦を前記集電装置の集電舟の下方に導く縦渦誘導部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項7に記載の集電装置の揚力調整装置において、
前記縦渦誘導部は、前記集電装置の集電舟の長さ方向に所定の間隔をあけて、平面形状が略三角形の切欠部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の集電装置の揚力調整装置において、
前記縦渦誘導部は、前記集電装置の集電舟の進行方向前側及び進行方向後側に対称に配置されていること、
を特徴とする集電装置の揚力調整装置。 - 集電装置に作用する揚力を制御する集電装置の揚力制御装置であって、
前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦を発生させる縦渦発生部と、
前記集電装置のすり板とこのすり板が接触する電車線との間に作用する接触力を測定する接触力測定部と、
前記縦渦発生部の突出量を可変する突出量可変部と、
前記接触力測定部の測定結果に基づいて前記突出量可変部を動作制御する制御部と、
を備える集電装置の揚力制御装置。 - 請求項10に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記制御部は、前記接触力が所定値を越えるときには前記縦渦発生部の突出量が増加するように前記突出量可変部を動作制御し、前記接触力が所定値を下回るときには前記縦渦発生部の突出量が減少するように前記突出量可変部を動作制御すること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 集電装置に作用する揚力を制御する集電装置の揚力制御装置であって、
前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦を発生させる縦渦発生部と、
前記集電装置のすり板とこのすり板が接触する電車線との間に作用する接触力を測定する接触力測定部と、
前記縦渦発生部の迎角を変更する迎角変更部と、
前記接触力測定部の測定結果に基づいて前記迎角変更部を動作制御する制御部と、
を備える集電装置の揚力制御装置。 - 請求項12に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記制御部は、前記接触力が所定値を越えるときには前記縦渦発生部の迎角が減少するように前記迎角変更部を動作制御し、前記接触力が所定値を下回るときには前記縦渦発生部の迎角が増加するように前記迎角変更部を動作制御すること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 集電装置に作用する揚力を制御する集電装置の揚力制御装置であって、
前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦を発生させる縦渦発生部と、
前記集電装置のすり板とこのすり板が接触する電車線との間に作用する接触力に応じて、前記縦渦発生部の突出量を可変する突出量可変部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項14に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記突出量可変部は、前記接触力が所定値を越えるときには前記縦渦発生部の突出量を増加させ、前記接触力が所定値を下回るときには前記縦渦発生部の突出量を減少させること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 集電装置に作用する揚力を制御する集電装置の揚力制御装置であって、
前記集電装置の進行方向後側に発生するカルマン渦による空力騒音を抑制するために、この集電装置の集電舟の下側の剥離せん断層を発生源とするカルマン渦を低減させる縦渦を発生させる縦渦発生部と、
前記集電装置のすり板とこのすり板が接触する電車線との間に作用する接触力に応じて、前記縦渦発生部の迎角を変更する迎角変更部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項16に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記迎角変更部は、前記接触力が所定値を越えるときには前記縦渦発生部の迎角を減少させ、前記接触力が所定値を下回るときには前記縦渦発生部の迎角を増加させること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項10から請求項17までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の下方に配置されていること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項18に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の長さ方向に所定の間隔をあけて、平面形状が略三角形のデルタ翼部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項18に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の長さ方向に所定の間隔をあけて、外観形状が略三角錐のデルタ翼部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項10から請求項20までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦発生部は、前記集電装置の集電舟の進行方向前側及び進行方向後側に対称に配置されていること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項10から請求項21までのいずれか1項に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦発生部が発生する前記縦渦を前記集電装置の集電舟の下方に導く縦渦誘導部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項22に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦誘導部は、前記集電装置の集電舟の長さ方向に所定の間隔をあけて、平面形状が略三角形の切欠部を備えること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。 - 請求項22又は請求項23に記載の集電装置の揚力制御装置において、
前記縦渦誘導部は、前記集電装置の集電舟の進行方向前側及び進行方向後側に対称に配置されていること、
を特徴とする集電装置の揚力制御装置。
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