JP2015119534A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】後嵌め工法によりステータコアのティースに巻線を組み付けるモータにおいて、小型化と巻線の巻数の増加の両立を図る。
【解決手段】モータ1は、円周方向に配列される複数のティース22を有しティース22どうしの間にスロット24が設けられるステータコア21と、ティース22に取付けられるコイル31とを有し、ステータコア21の軸線方向視において、コイル31は、ティース22の側面と、ステータコア21のバックヨーク23の内周面231と、ティース22の側面に所定の距離をおいて平行な第1辺L1と、第1辺L1とスロット24の中心線Cs上で交差する第2の辺L2と、ティース22の側面221に直角でティース22の内周面222の円周方向端を通過する第3の辺L3と、に囲まれる略五角形の巻線挿入領域Sに収まるように導線311が巻き回されている。
【選択図】図4
【解決手段】モータ1は、円周方向に配列される複数のティース22を有しティース22どうしの間にスロット24が設けられるステータコア21と、ティース22に取付けられるコイル31とを有し、ステータコア21の軸線方向視において、コイル31は、ティース22の側面と、ステータコア21のバックヨーク23の内周面231と、ティース22の側面に所定の距離をおいて平行な第1辺L1と、第1辺L1とスロット24の中心線Cs上で交差する第2の辺L2と、ティース22の側面221に直角でティース22の内周面222の円周方向端を通過する第3の辺L3と、に囲まれる略五角形の巻線挿入領域Sに収まるように導線311が巻き回されている。
【選択図】図4
Description
本発明はモータに関する。特には、コイルが取り付けられたステータコアを有し、コイルがステータコアに後嵌め工法により取り付けられるモータに関する。
コイルが取り付けられたステータコアを有するモータとして、SRモータ(switched reluctance motor)などのリラクタンスモータが知られている。リラクタンスモータは永久磁石を用いないため、永久磁石の原料である希土類金属などの調達や価格変動の影響を受けない。このため、リラクタンスモータが注目されてきている。そして、リラクタンスモータの小型化やコストダウンの要望が大きくなってきている。リラクタンスモータの小型化のため、分割ステータコアを用いる構成が知られている。また、コストダウンのため、あらかじめステータコアのティースに応じた形状の巻線を形成し、形成した巻線をティースに取付けるという後嵌め工法が知られている。たとえば、特許文献1参照には、分割ステータコアを用い、コイルをティースに後嵌めする構成が開示されている。
ところで、リラクタンスモータの性能は、巻線の占積率に依存する。このため、リラクタンスモータの高性能化のため、限られたスペースに多くの導線を巻くことによって占積率を高めたいという要望もある。
しかしながら、分割ステータコアを用いる構成では、部品点数が増加してコストが上昇するのみならず、分割ステータコアの組立において高い工作精度が要求される。一方、コストダウンのために後嵌め工法を用いる構成では、巻線をティースに組み付ける際に巻線どうしの干渉を防止しなければならず、その結果、巻線の大きさが制限されて占積率が低下する。このため、リラクタンスモータの要求仕様を充足するためには、ステータコアを大型化する必要があり、小型化に対応することが困難である。特許文献2には、ティースにおける磁気飽和を防止しつつ巻線の占積率を高めるための構成が開示されているが、導線を巻き回す領域を最大限確保するための構成は開示されていない。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、後嵌め工法によりステータコアのティースに巻線を組み付けるモータにおいて、小型化と巻線の巻数の増加の両立を図ることである。
前記課題を解決するため、本発明は、円周方向に配列される複数のティースを有し前記ティースどうしの間にスロットが設けられるステータコアと、前記ティースに取付けられるコイルとを有するモータであって、前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルは、前記ティースの側面と、前記ステータコアのバックヨークの内周面と、前記ティースの側面に所定の距離をおいて平行な第1の直線と、前記第1の直線と前記スロットの中心線上で交差し、前記ティースに隣接する他のティースの前記第1の直線の延長線に一致する第2の直線と、前記ティースの側面に直角で前記ティースの内周面の円周方向端を通過する第3の直線と、に囲まれる略五角形の領域に収まるように導線が巻き回されていることを特徴とする。
前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルに含まれる最上段で前記ステータコアの内周側端に位置する導線の外周面は、前記第2の直線に接している構成であってもよい。
前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルに含まれる最上段で前記ステータコアの内周側端に位置する導線の外周面は、前記第3の直線に接している構成であってもよい。
前記ティースと前記コイルとの間に介在するインシュレータをさらに有し、前記インシュレータには、前記導線の前記第2の直線に接している部分に係止する鍔部が設けられる構成であってもよい。
前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルに含まれる最上段で前記第1の直線と前記第2の直線との交点よりも外周側に位置する導線の外周面は、前記第1の直線に接している構成であってもよい。
本発明によれば、後嵌め工法により組み付け可能な最大の領域に対して、導線を巻くことができる。このため、導線の巻数を増加させることができる。また、導線が最大限巻き付けられているかの確認が可能になる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係るモータの全体的な構成について、図1(a)(b)を参照して説明する。本実施形態に係るモータとして、SRモータ(switched reluctance motor)を例に示す。図1(a)は、モータの構成を模式的に示す図であり、回転軸の軸線方向に直角な面で切断した断面図である。図1(b)は、図1(a)のIB部拡大図であり、ティースおよびコイルの構成を模式的に示す図である。
図1(a)(b)に示すように、モータ1は、中空状のステータ2と、ステータ2の内部に回転可能に配置されるロータ101(回転子)と、ロータ101と一体に回転する回転軸102と、ステータ2およびロータ101を収容するハウジング103とを含んで構成される。なお、ロータ101と、回転軸102と、ハウジング103とは、従来公知の構成が適用できる。したがって、これらの説明は省略する。
まず、本発明の実施形態に係るモータの全体的な構成について、図1(a)(b)を参照して説明する。本実施形態に係るモータとして、SRモータ(switched reluctance motor)を例に示す。図1(a)は、モータの構成を模式的に示す図であり、回転軸の軸線方向に直角な面で切断した断面図である。図1(b)は、図1(a)のIB部拡大図であり、ティースおよびコイルの構成を模式的に示す図である。
図1(a)(b)に示すように、モータ1は、中空状のステータ2と、ステータ2の内部に回転可能に配置されるロータ101(回転子)と、ロータ101と一体に回転する回転軸102と、ステータ2およびロータ101を収容するハウジング103とを含んで構成される。なお、ロータ101と、回転軸102と、ハウジング103とは、従来公知の構成が適用できる。したがって、これらの説明は省略する。
ステータ2は、ステータコア21とコイル31とを含んで構成される。
ステータコア21は、円周方向に等間隔に配列される複数のティース22と、これらの複数のティース22の外周側に設けられる円筒状のバックヨーク23とを有する。円周方向に隣接するティース22どうしの間には、スロット24が形成される。なお、ステータコア21は、ティース22とバックヨーク23とが一体に形成された電磁鋼板が積層されて構成される。
図1(a)(b)に示すように、ティース22は、ステータ2の内周側に向かうにしたがって幅(円周方向寸法)が小さくなる先細り形状に形成される。ただし、ティース22は、このような形状に限定されるものではなく、たとえば、幅が均一な形状であってもよい。また、ティース22の数も限定されるものではない。
ティース22にはコイル31が取り付けられている。コイル31は、所望の断面形状および寸法を有する導線311が巻き回されて構成される。本実施形態では、図1(a)(b)に示すように、コイル31がインシュレータ32を介してティース22に取付けられる構成を示す。インシュレータ32は、導線311が巻き回される本体部321と、ステータの内周側端に設けられる鍔部322および外周側端に設けられる鍔部323とを含んで構成される(図1(b)参照)。なお、コイル31がインシュレータ32を介さずにティース22に取り付けられる構成であってもよい。また、コイル31とティース22との間に、絶縁紙が介在する構成であってもよい。
ステータコア21は、円周方向に等間隔に配列される複数のティース22と、これらの複数のティース22の外周側に設けられる円筒状のバックヨーク23とを有する。円周方向に隣接するティース22どうしの間には、スロット24が形成される。なお、ステータコア21は、ティース22とバックヨーク23とが一体に形成された電磁鋼板が積層されて構成される。
図1(a)(b)に示すように、ティース22は、ステータ2の内周側に向かうにしたがって幅(円周方向寸法)が小さくなる先細り形状に形成される。ただし、ティース22は、このような形状に限定されるものではなく、たとえば、幅が均一な形状であってもよい。また、ティース22の数も限定されるものではない。
ティース22にはコイル31が取り付けられている。コイル31は、所望の断面形状および寸法を有する導線311が巻き回されて構成される。本実施形態では、図1(a)(b)に示すように、コイル31がインシュレータ32を介してティース22に取付けられる構成を示す。インシュレータ32は、導線311が巻き回される本体部321と、ステータの内周側端に設けられる鍔部322および外周側端に設けられる鍔部323とを含んで構成される(図1(b)参照)。なお、コイル31がインシュレータ32を介さずにティース22に取り付けられる構成であってもよい。また、コイル31とティース22との間に、絶縁紙が介在する構成であってもよい。
次に、コイル31およびインシュレータ32の設計方法について説明する。本実施形態においては、ステータ2は後嵌め工法によって製造される。すなわち、インシュレータ32を用いる場合には、あらかじめインシュレータ32の外周に導線311を巻き回してコイル31を形成し、コイル31とインシュレータ32の組立体(以下、『ボビン3』と記す)をステータコア21に取付ける。一方、インシュレータ32を用いない場合には、導線311から所定の形状のコイル31を形成し、形成したコイル31をティース22に取付ける。
後嵌め工法においては、コイル31またはボビン3をティース22に取付ける際に、隣接するティース22に取付けられているコイル31やインシュレータ32と干渉しないようにする必要がある。このため、後嵌め工法を用いる場合には、コイル31とインシュレータ32の寸法および形状が、組み立て工程上の制限を受けることになる。一方、モータ1の設計においては、要求仕様を充足するように、導線311の線径とコイル31の巻数を確保しなければならない。さらに、モータ1の高性能化を図るためには、コイル31の巻数を増加させて占積率を高くする必要がある。
後嵌め工法においては、コイル31またはボビン3をティース22に取付ける際に、隣接するティース22に取付けられているコイル31やインシュレータ32と干渉しないようにする必要がある。このため、後嵌め工法を用いる場合には、コイル31とインシュレータ32の寸法および形状が、組み立て工程上の制限を受けることになる。一方、モータ1の設計においては、要求仕様を充足するように、導線311の線径とコイル31の巻数を確保しなければならない。さらに、モータ1の高性能化を図るためには、コイル31の巻数を増加させて占積率を高くする必要がある。
本実施形態に係るコイル31およびインシュレータ32の設計方法の概略は、次のとおりである。なお、コイル31およびインシュレータ32の設計に先立ち、ティース22とスロット24の数と寸法と形状とが決められているものとする。
まず、(a)隣接するコイル31やインシュレータ32と干渉せずに導線311を巻き回すことができる最大の領域を算出する。次いで、(b)算出した領域に、占積率を高くできる所定の態様で導線311を巻き回すことができるか否かを判定する。(c)判定の結果、導線311を前記所定の態様で巻き回せない場合には、コイル31の導線311の線径などを変更する。なお、インシュレータ32を用いる場合には、インシュレータ32の各部の形状や寸法を変更してもよい。
そして、所定の態様でコイル31を巻き回すことができる判定されるまで、これらの工程を繰り返す。前記所定の態様でコイル31を巻き回すことができると判定された場合には、コイル31およびインシュレータ32の設計を終了する。
まず、(a)隣接するコイル31やインシュレータ32と干渉せずに導線311を巻き回すことができる最大の領域を算出する。次いで、(b)算出した領域に、占積率を高くできる所定の態様で導線311を巻き回すことができるか否かを判定する。(c)判定の結果、導線311を前記所定の態様で巻き回せない場合には、コイル31の導線311の線径などを変更する。なお、インシュレータ32を用いる場合には、インシュレータ32の各部の形状や寸法を変更してもよい。
そして、所定の態様でコイル31を巻き回すことができる判定されるまで、これらの工程を繰り返す。前記所定の態様でコイル31を巻き回すことができると判定された場合には、コイル31およびインシュレータ32の設計を終了する。
(a)導線311を巻き回すことができる最大の領域の算出
図2は、隣接するコイル31やインシュレータ32と干渉せずに導線311を巻き回すことができる領域Sを模式的に示す図であり、この領域Sを軸線方向に直角な面で切断した断面図である。便宜上、この領域Sを『巻線挿入領域』と称する。図2においては、巻線挿入領域Sに、破線でハッチングを施してある。図2に示すように、ステータコア21の軸線方向視において、巻線挿入領域Sの断面の外縁は、略五角形に形成される。略五角形の巻線挿入領域Sの外縁の5辺のうち、スロット24の中心線Cs側における外周側の辺を『第1辺』L1と称し、スロット24の中心線Csにおける内周側の辺を『第2辺』L2と称する。残りの3辺のうち、内周側の辺を『第3辺』L3と称し、ティース22側の辺(すなわち、ティース22の側面221)を『第4辺』L4と称し、バックヨーク23側の辺(すなわち、バックヨーク23の内周面231)を『第5辺』L5と称する。
なお、本発明の実施形態の説明においては、特に断らない限り、『内周側』と『外周側』とは、それぞれ、ステータの半径方向中心側(回転軸102側)と半径方向外側をいうものとする。
図2は、隣接するコイル31やインシュレータ32と干渉せずに導線311を巻き回すことができる領域Sを模式的に示す図であり、この領域Sを軸線方向に直角な面で切断した断面図である。便宜上、この領域Sを『巻線挿入領域』と称する。図2においては、巻線挿入領域Sに、破線でハッチングを施してある。図2に示すように、ステータコア21の軸線方向視において、巻線挿入領域Sの断面の外縁は、略五角形に形成される。略五角形の巻線挿入領域Sの外縁の5辺のうち、スロット24の中心線Cs側における外周側の辺を『第1辺』L1と称し、スロット24の中心線Csにおける内周側の辺を『第2辺』L2と称する。残りの3辺のうち、内周側の辺を『第3辺』L3と称し、ティース22側の辺(すなわち、ティース22の側面221)を『第4辺』L4と称し、バックヨーク23側の辺(すなわち、バックヨーク23の内周面231)を『第5辺』L5と称する。
なお、本発明の実施形態の説明においては、特に断らない限り、『内周側』と『外周側』とは、それぞれ、ステータの半径方向中心側(回転軸102側)と半径方向外側をいうものとする。
図2に示すように、第1辺L1はティース22の側面221(円周方向の面)に所定の距離をおいて平行である。第2辺L2は、スロット24の中心線Cs上の交点Xにおいて第1辺L1と交差しており、第1辺L1に対して所定の角度をもって傾斜している。具体的には、第2辺L2は、隣接する巻線挿入領域Sの第1辺L1の延長線と一致している。換言すると、第2辺L2は、スロット24の中心線Csに関して第1辺L1と線対称な直線の延長線と一致している。このため、巻線挿入領域Sは、交点Xよりも外周側においては、幅(円周方向寸法)が一定であり、交点Xよりも内周側においては、内周側に向かうにしたって幅が徐々に小さくなる先細り形状に形成される。第3辺L3は、ティース22の側面221と直角である。第3辺L3の一端は、ティース22の内周面222の円周方向端に位置する。第4辺L4は、ティース22の側面221に接している。このため、第1辺L1と第4辺L4は、所定の距離をおいて平行である。第5辺L5は、バックヨーク23の内周面231に接している。
なお、第1辺L1〜第4辺L4は直線である。一方、第5辺L5は、バックヨーク23の内周面231に倣った形状であればよく、直線でなくてもよい。たとえば、第5辺L5は、円弧などの曲線であってもよい。さらに、第5辺L5は、第4辺L4に直角でなくてもよい。このように、ステータ2の軸線方向視において、巻線挿入領域Sは直線の辺からのみ形成される五角形でなくてもよく、一部の辺に曲線を含む略五角形であってもよい。
なお、第1辺L1〜第4辺L4は直線である。一方、第5辺L5は、バックヨーク23の内周面231に倣った形状であればよく、直線でなくてもよい。たとえば、第5辺L5は、円弧などの曲線であってもよい。さらに、第5辺L5は、第4辺L4に直角でなくてもよい。このように、ステータ2の軸線方向視において、巻線挿入領域Sは直線の辺からのみ形成される五角形でなくてもよく、一部の辺に曲線を含む略五角形であってもよい。
本発明の実施形態に係るコイル31は、このような巻線挿入領域Sに収まる断面形状を有するように設計される。インシュレータ32を用いる場合には、インシュレータ32を含むボビン3が、巻線挿入領域Sに収まる断面形状を有するように設計される。なお、コイル31やボビン3に、導線311を保護するための部材や絶縁のための部材が取り付けられる場合には、これらの部材を含めて、巻線挿入領域Sに収まる断面形状を有するように設計される。
このような構成であると、隣接するコイル31やボビン3のインシュレータ32と干渉することなく、コイル31またはボビン3をティース22に取付けることができる。そして、この巻線挿入領域Sの面積が最大である場合に、バックヨーク23側の空間を有効利用でき、コイル31の巻数を最多にできる。このため、モータ1の小型化とコストダウンの両立を図ることができる。
そこで、巻線挿入領域Sの面積が最大になるような第3辺L3の長さA1と、第1辺L1と第4辺L4との距離B1とを算出する。ここで、第3辺L3の長さA1と、第1辺L1と第4辺L4との距離B1との算出方法について、図3(a)(b)を参照して説明する。図3(a)(b)は、第3辺L3の長さA1と、第1辺L1と第4辺L4との距離B1との算出方法を説明する模式図であり、巻線挿入領域Sとティース22との幾何学的関係を示す図である。なお、図3(b)は図3(a)のIIIB部の拡大図である。
このような構成であると、隣接するコイル31やボビン3のインシュレータ32と干渉することなく、コイル31またはボビン3をティース22に取付けることができる。そして、この巻線挿入領域Sの面積が最大である場合に、バックヨーク23側の空間を有効利用でき、コイル31の巻数を最多にできる。このため、モータ1の小型化とコストダウンの両立を図ることができる。
そこで、巻線挿入領域Sの面積が最大になるような第3辺L3の長さA1と、第1辺L1と第4辺L4との距離B1とを算出する。ここで、第3辺L3の長さA1と、第1辺L1と第4辺L4との距離B1との算出方法について、図3(a)(b)を参照して説明する。図3(a)(b)は、第3辺L3の長さA1と、第1辺L1と第4辺L4との距離B1との算出方法を説明する模式図であり、巻線挿入領域Sとティース22との幾何学的関係を示す図である。なお、図3(b)は図3(a)のIIIB部の拡大図である。
図3(a)(b)に示すように、
R :ティース22の内径
θ:隣り合うティース22の側面221どうしのなす角
θ’:ティース幅の角度
θ”:テーパ角
P:スロットの数
とする。ティース22の内径は、ステータ2の中心Oからティース22の内周面222までの距離を指す。ティース22の内周面222は、半径Rの円弧に形成される。隣り合うティース22の側面221どうしのなす角θは、 θ=(360/P−2×θ”)/2 により算出される。ティース幅の角度θ’は、ステータ2の中心Oとティース22の2つの円周方向端を通過する2本の直線がなす角である。テーパ角θ”は、ティース22の中心線Ctとティース22の側面221とのなす角である。
第1辺L1と第2辺L2とがスロット24の中心線Cs上で交差する構成であれば、図3に示す幾何学的関係から、長さA1のとり得る最大値A1maxは数式(1)で表され、距離B1のとり得る最大値B1maxは数式(2)で表される。
A1max=R×sin(180/P−θ’/2)/cos(180/P−θ”)
数式(1)
B1max=R×sin(180/P−θ’/2)/cos(180/P−θ”)+(R×sin(180/P−θ’/2)/cos(180/P−θ”)−A1)×cos2(180/P−θ”)
数式(2)
R :ティース22の内径
θ:隣り合うティース22の側面221どうしのなす角
θ’:ティース幅の角度
θ”:テーパ角
P:スロットの数
とする。ティース22の内径は、ステータ2の中心Oからティース22の内周面222までの距離を指す。ティース22の内周面222は、半径Rの円弧に形成される。隣り合うティース22の側面221どうしのなす角θは、 θ=(360/P−2×θ”)/2 により算出される。ティース幅の角度θ’は、ステータ2の中心Oとティース22の2つの円周方向端を通過する2本の直線がなす角である。テーパ角θ”は、ティース22の中心線Ctとティース22の側面221とのなす角である。
第1辺L1と第2辺L2とがスロット24の中心線Cs上で交差する構成であれば、図3に示す幾何学的関係から、長さA1のとり得る最大値A1maxは数式(1)で表され、距離B1のとり得る最大値B1maxは数式(2)で表される。
A1max=R×sin(180/P−θ’/2)/cos(180/P−θ”)
数式(1)
B1max=R×sin(180/P−θ’/2)/cos(180/P−θ”)+(R×sin(180/P−θ’/2)/cos(180/P−θ”)−A1)×cos2(180/P−θ”)
数式(2)
そして、0≦A1≦A1max、0≦B1≦B1maxの範囲で巻線挿入領域Sの面積が最大となるような長さA1と距離B1を算出する。なお、数式(2)に示すように、距離B1がとり得る最大値B1maxは、第3辺L3の長さA1を変数として含む。そこで、長さA1を数式(1)に規定する範囲内の数値に逐次選定し、選定した長さA1に応じて距離B1を算出する。そして、選定した長さA1と算出した距離B1とを用いて、巻線挿入領域Sの面積を算出する。これにより、面積が最大になる場合の巻線挿入領域Sの形状および寸法を確定する。
ところで、巻線挿入領域Sは、ティース22の内周面222よりも内周側に入り込むと、コイル31やインシュレータ32がロータ101に干渉するおそれがある。そこで、巻線挿入領域Sは、ティース22の内周面222よりも内周側に入り込んでいない必要がある。第3辺L3がティース22の側面221に直角である構成においては、テーパ角θ”がティース幅の角度θ’の1/2である場合に、第3辺L3がティース22の内周面222の円周方向端における接線に一致する。このため、テーパ角θ”がティース幅の角度θ’の1/2以下であれば、巻線挿入領域Sがティース22の内周面222から内周側に入り込まない。したがって、ティース22のテーパ角θ”は、 0≦θ”≦θ’/2 の範囲に規定される。
(b)巻線挿入領域Sに、占積率を高くできる所定の態様で導線311を巻き回すことができるか否かの判定
『占積率を高くできる所定の態様』とは、具体的には次のとおりである。図4〜図7は、コイル31の巻線構成およびインシュレータ32の構成を模式的に示す断面図である。図4と図5に示すように、インシュレータ32を用いる構成においては、コイル31の最上段の導線311のうち、内周側端に位置する部分(以下、この部分を、『導線311a』と記す)の外周面は、第2辺L2に接する。インシュレータ32を用いない構成においては、前述の導線311aの外周面は、第2辺L2および第3辺L3に接する。さらに、図6と図7に示すように、交点Xより外周側においては、コイル31を形成する導線311の最上段の部分(以下、この部分を『導線311b』と記す)の外周面は、第1辺L1に接する。なお、図6と図7では、インシュレータ32を用いる構成を示すが、インシュレータ32を用いない構成も同様である。
このように、インシュレータ32を用いる構成においては、最上段の内周側端の導線311aの外周面が第2辺L2に接し、最上段の交点Xよりも外周側に位置する導線311bの外周面が第1辺L1に接するように巻き回される。また、インシュレータ32を用いない構成においては、最上段の内周側端の導線311aの外周面が第2辺L2および第3辺L3に接し、最上段の交点Xよりも外周側に位置する導線311bの外周面が第1辺L1に接するように巻き回される。これらのような構成であると、インシュレータ32を用いる場合と用いない場合のそれぞれにおいて、導線311の巻数を最多にできる。したがって、このような態様で導線311が巻き回されてコイルが形成されると、占積率を高くできる。
『占積率を高くできる所定の態様』とは、具体的には次のとおりである。図4〜図7は、コイル31の巻線構成およびインシュレータ32の構成を模式的に示す断面図である。図4と図5に示すように、インシュレータ32を用いる構成においては、コイル31の最上段の導線311のうち、内周側端に位置する部分(以下、この部分を、『導線311a』と記す)の外周面は、第2辺L2に接する。インシュレータ32を用いない構成においては、前述の導線311aの外周面は、第2辺L2および第3辺L3に接する。さらに、図6と図7に示すように、交点Xより外周側においては、コイル31を形成する導線311の最上段の部分(以下、この部分を『導線311b』と記す)の外周面は、第1辺L1に接する。なお、図6と図7では、インシュレータ32を用いる構成を示すが、インシュレータ32を用いない構成も同様である。
このように、インシュレータ32を用いる構成においては、最上段の内周側端の導線311aの外周面が第2辺L2に接し、最上段の交点Xよりも外周側に位置する導線311bの外周面が第1辺L1に接するように巻き回される。また、インシュレータ32を用いない構成においては、最上段の内周側端の導線311aの外周面が第2辺L2および第3辺L3に接し、最上段の交点Xよりも外周側に位置する導線311bの外周面が第1辺L1に接するように巻き回される。これらのような構成であると、インシュレータ32を用いる場合と用いない場合のそれぞれにおいて、導線311の巻数を最多にできる。したがって、このような態様で導線311が巻き回されてコイルが形成されると、占積率を高くできる。
導線311をこのような態様に巻き回すことができるか否かを判定するため、まず、図4〜図7に示すように、内周側端における導線311の積層高さA2と、交点Xより外周側における導線311の積層高さB2とを算出する。これらの積層高さA2,B2は、インシュレータ32を用いる場合には、導線311の断面形状および寸法と、インシュレータ32の本体部321および鍔部322の寸法により決まる。インシュレータ32を用いない場合には、導線311の断面形状および寸法により決まる。
図4(a)に示すように、導線311の断面形状が円形である場合には、内周側端における積層高さA2は、次の数式(3)により算出される。
A2=t2+0.5×d2+(n−1)×0.5×30.5×d2
+0.5×d2/cosθ−(t1+0.5×d2)×tanθ
数式(3)
ここで、
θ:ティース22の側面221と第2辺L2とのなす角
d2:導線311の断面の直径
t1:インシュレータ32の鍔部322の厚さ
t2:インシュレータ32の本体部321の厚さ
n:内周側端における導線311の段数
である。なお、ティース22の側面221と第2辺L2とのなす角は、円周方向に隣り合うティース22の側面221どうしのなす角θと等しく、 θ=(360/P−2×θ”)/2 で算出される。
A2=t2+0.5×d2+(n−1)×0.5×30.5×d2
+0.5×d2/cosθ−(t1+0.5×d2)×tanθ
数式(3)
ここで、
θ:ティース22の側面221と第2辺L2とのなす角
d2:導線311の断面の直径
t1:インシュレータ32の鍔部322の厚さ
t2:インシュレータ32の本体部321の厚さ
n:内周側端における導線311の段数
である。なお、ティース22の側面221と第2辺L2とのなす角は、円周方向に隣り合うティース22の側面221どうしのなす角θと等しく、 θ=(360/P−2×θ”)/2 で算出される。
図4(b)に示すように、導線311の断面形状が四辺形である場合には、内周側端における積層高さA2は、次の数式(4)により算出される。
A2=t2+n×h−t1×tanθ 数式(4)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
である。θ、t1、t2、nは、数式(3)と同じである。
A2=t2+n×h−t1×tanθ 数式(4)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
である。θ、t1、t2、nは、数式(3)と同じである。
図5(a)に示すように、導線311の断面形状が正六角形である場合には、内周側端における積層高さA2は、次の数式(5)または数式(6)により算出される。
θ<30°の場合
A2=t2+0.75×h×n+0.25×h−(t1+0.5×b)×tanθ
数式(5)
θ≧30°の場合
A2=t2+0.75×h×n−t1×tanθ 数式(6)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
b:導線311の断面の幅
である。θ、t1、t2、nは、数式(3)と同じである。
θ<30°の場合
A2=t2+0.75×h×n+0.25×h−(t1+0.5×b)×tanθ
数式(5)
θ≧30°の場合
A2=t2+0.75×h×n−t1×tanθ 数式(6)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
b:導線311の断面の幅
である。θ、t1、t2、nは、数式(3)と同じである。
図5(b)に示すように、導線311の断面形状が楕円である場合には、内周側端における積層高さA2は、次の数式(7)により算出される。
A2=t2+0.5×g+(n−1)×0.5×30.5×f
+((0.5×f×tanθ)2+(0.5×g)2)0.5
−(t1+0.5×f)×tanθ
数式(7)
ここで、
f :導線311の断面の幅(長軸長さ)
g :導線311の断面の高さ(短軸長さ)
である。θ、t1、t2、nは、数式(3)と同じである。
A2=t2+0.5×g+(n−1)×0.5×30.5×f
+((0.5×f×tanθ)2+(0.5×g)2)0.5
−(t1+0.5×f)×tanθ
数式(7)
ここで、
f :導線311の断面の幅(長軸長さ)
g :導線311の断面の高さ(短軸長さ)
である。θ、t1、t2、nは、数式(3)と同じである。
図6(a)に示すように、導線311の断面形状が円形である場合には、交点Xより外周側における積層高さB2は、次の数式(8)で算出される。
B2=t3+d2+0.5×30.5×(m−1)×d2 数式(8)
ここで、
d2:導線311の断面の直径
t3:インシュレータ32の本体部321の厚さ
m:交点Xより外周側における導線311の段数
である。
B2=t3+d2+0.5×30.5×(m−1)×d2 数式(8)
ここで、
d2:導線311の断面の直径
t3:インシュレータ32の本体部321の厚さ
m:交点Xより外周側における導線311の段数
である。
図6(b)に示すように、導線311の断面形状が四辺形である場合には、交点Xより外周側における積層高さB2は、次の数式(9)で算出される。
B2=t3+h×m 数式(9)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
である。t3、mは、数式(8)と同じである。
B2=t3+h×m 数式(9)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
である。t3、mは、数式(8)と同じである。
図7(a)に示すように、導線311の断面形状が六角形である場合には、交点Xより外周側における積層高さB2は、次の数式(10)で算出される。
B2=t3+0.75×h×m+0.25×h 数式(10)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
である。t3、mは、数式(8)と同じである。
B2=t3+0.75×h×m+0.25×h 数式(10)
ここで、
h:導線311の断面の高さ
である。t3、mは、数式(8)と同じである。
図7(b)に示すように、導線311の断面形状が楕円形である場合には、交点Xより外周側における積層高さB2は、次の数式(11)で算出される。
B2=t3+g+0.5×30.5×(m−1)×f 数式(11)
ここで、
f :導線311の断面の幅(長軸長さ)
g :導線311の断面の高さ(短軸長さ)
である。t3、mは、数式(8)と同じである。
B2=t3+g+0.5×30.5×(m−1)×f 数式(11)
ここで、
f :導線311の断面の幅(長軸長さ)
g :導線311の断面の高さ(短軸長さ)
である。t3、mは、数式(8)と同じである。
なお、インシュレータ32を用いない構成の場合には、前記各数式(3)〜(11)においてt1、t2、t3に数値0を代入すればよい。また、絶縁紙を用いる構成においては、t1、t2、t3に絶縁紙の厚さを代入すればよい。
次いで、巻線挿入領域Sの高さA1と距離B1と、算出した積層高さA2,B2とが、次の数式(12)(13)を充足するか否かを判定する。
A1=A2 数式(12)
B1=B2 数式(13)
A1=A2 数式(12)
B1=B2 数式(13)
数式(12)(13)の両方を充足する場合には、前述の所定の態様になるように導線311を巻き回すことができる。そして、これらの関係を充足する場合には、充足しない場合に比較して、占積率を高くできる。
数式(12)(13)の少なくとも一方を充足しない場合には、次の(a)〜(c)の何れか、または全部を実行する。
(a)巻線挿入領域Sの第3辺L3の長さA1を前述の範囲内で変更するとともに、変更した第3辺L3の長さA1を用いて第1辺L1と第4辺L4との距離B1を再計算する。
(b)導線311の断面形状および寸法、段数を変更し、変更した断面形状および寸法、段数を用いて、積層高さA2,B2を再計算する。
(c)インシュレータ32の本体部321の厚さt2,t3と鍔部322の厚さt1のいずれかまたは全部を変更し、積層高さA2,B2を再計算する。
そして、変更した数値や再計算した数値を用いて、再び、数式(12)(13)の両方を充足するか否かを判定する。このような変更や再計算を、数式(12)(13)の両方を充足するまで行う。
(a)巻線挿入領域Sの第3辺L3の長さA1を前述の範囲内で変更するとともに、変更した第3辺L3の長さA1を用いて第1辺L1と第4辺L4との距離B1を再計算する。
(b)導線311の断面形状および寸法、段数を変更し、変更した断面形状および寸法、段数を用いて、積層高さA2,B2を再計算する。
(c)インシュレータ32の本体部321の厚さt2,t3と鍔部322の厚さt1のいずれかまたは全部を変更し、積層高さA2,B2を再計算する。
そして、変更した数値や再計算した数値を用いて、再び、数式(12)(13)の両方を充足するか否かを判定する。このような変更や再計算を、数式(12)(13)の両方を充足するまで行う。
数式(12)(13)の両方を充足した場合には、導線311の断面形状および寸法と、内周側端における導線311の段数と、交点Xより外周側における導線311の段数が決まる。そこで次に、内周側端と交点Xとの間の範囲について、導線311が巻線挿入領域Sに収まるような巻き回し構成を決定する。すなわち、コイル31の第n段から第m段の間における導線311の巻数と位置を、導線311が第2辺L2からはみ出さないように決定する。これにより、コイル31の設計が終了する。
さらに、インシュレータ32を用いる構成の場合には、インシュレータ32の鍔部322が、半径方向の中心側端の導線311を支持できるように設計する。図8(a)は、インシュレータ32の鍔部322の構成を模式的に示す断面図である。図8(b)は、比較例の構成を示す。
図8(b)の比較例に示すように、鍔部322の先端面(円周方向の端面)が第4辺L4に平行であると、導線311のうち、最上段の内周端側に位置する導線311aが鍔部322に支持されないことがある。そうすると、ここから導線311が巻き崩れるおそれがある。そこで、図8(a)に示すように、鍔部322の先端面を、第2辺L2と一致させる。すなわち、鍔部322を、外周側に向かうにしたがって幅(円周方向寸法)が大きくなるように形成する。このような構成であると、インシュレータ32の鍔部322は、最上段の内周側端に位置する導線311aに係止する。このため、最上段の内周側端に位置する導線311aを支持できる。
図8(b)の比較例に示すように、鍔部322の先端面(円周方向の端面)が第4辺L4に平行であると、導線311のうち、最上段の内周端側に位置する導線311aが鍔部322に支持されないことがある。そうすると、ここから導線311が巻き崩れるおそれがある。そこで、図8(a)に示すように、鍔部322の先端面を、第2辺L2と一致させる。すなわち、鍔部322を、外周側に向かうにしたがって幅(円周方向寸法)が大きくなるように形成する。このような構成であると、インシュレータ32の鍔部322は、最上段の内周側端に位置する導線311aに係止する。このため、最上段の内周側端に位置する導線311aを支持できる。
次に、上述のように設計されたコイル31の製造方法について説明する。図9(a)(b)は、コイル31の製造方法を模式的に示す図である。図9(a)(b)中の矢印は、導線311を巻いていく順序を模式的に示す。
図9(a)に示すように、内周側端における導線311の段数nが奇数である場合には、外周側端を起点として導線311の巻き回しを開始する。一方、図9(b)に示すように、内周側端における導線311の段数nが偶数である場合には、内周側端を起点として導線311の巻き回しを開始する。このような構成であれば、インシュレータ32を用いる場合には、最上段の内周側端に位置する導線311aの外周面が、第2辺L2に接する。インシュレータ32を用いない場合には、最上段の内周側端に位置する導線311aの外周面が、第2辺L2および第3辺L3に接する。なお、図9(a)(b)においては、導線311の断面形状が円形である構成を示したが、導線311の断面形状が六角形または楕円形であっても同様である。
また、導線311を巻き回す際に、導線311の巻き崩れが生じないように、最下段の導線311は、樹脂などによって互いに接合される構成であってもよい。さらに、インシュレータ32の本体部321の外周面に、導線311の巻き崩れを防止する(または位置決めする)ための凹凸が、導線311の幅と同じピッチで形成される構成であってもよい。
図9(a)に示すように、内周側端における導線311の段数nが奇数である場合には、外周側端を起点として導線311の巻き回しを開始する。一方、図9(b)に示すように、内周側端における導線311の段数nが偶数である場合には、内周側端を起点として導線311の巻き回しを開始する。このような構成であれば、インシュレータ32を用いる場合には、最上段の内周側端に位置する導線311aの外周面が、第2辺L2に接する。インシュレータ32を用いない場合には、最上段の内周側端に位置する導線311aの外周面が、第2辺L2および第3辺L3に接する。なお、図9(a)(b)においては、導線311の断面形状が円形である構成を示したが、導線311の断面形状が六角形または楕円形であっても同様である。
また、導線311を巻き回す際に、導線311の巻き崩れが生じないように、最下段の導線311は、樹脂などによって互いに接合される構成であってもよい。さらに、インシュレータ32の本体部321の外周面に、導線311の巻き崩れを防止する(または位置決めする)ための凹凸が、導線311の幅と同じピッチで形成される構成であってもよい。
本発明の実施形態によれば、バックヨーク23側のスペースを有効利用でき、巻数の増加による占積率の向上を図ることができる。このため、モータ1の小型化を図ることができる。また、ステータ2を後嵌め工法により製造できるから、コストダウンを図ることができる。したがって、モータ1の小型化とコストダウンの両立を図ることができる。
特に、本発明の実施形態によれば、分割コアを用いることなく、巻数の増加を図ることができる。すなわち、リラクタンスモータに分割コアを適用すると、ステータコアの分割箇所における損失が大きくなる。これに対して、本発明の実施形態によれば、分割コアを用いなくてもよい構成であるから、損失を防止しつつ、巻数の増加を図ることができる。
特に、本発明の実施形態によれば、分割コアを用いることなく、巻数の増加を図ることができる。すなわち、リラクタンスモータに分割コアを適用すると、ステータコアの分割箇所における損失が大きくなる。これに対して、本発明の実施形態によれば、分割コアを用いなくてもよい構成であるから、損失を防止しつつ、巻数の増加を図ることができる。
また、本発明の実施形態によれば、後嵌め工法により製造するステータ2において、導線311を巻き回すことができる最大の領域と、その最大の領域に巻き回すことができる導線の巻数の最大値を決定できる。したがって、占積率を高くしてモータの性能の向上を図ることができる。
さらに、たとえば導線311の断面形状および寸法をあらかじめ決定した場合に、どれだけの巻数を確保できるかを確認することができる。したがって、設計したモータ1が所望の要求仕様を充足するか否かを確認することができる。また、巻数が要求仕様を充足する場合において、導線311の断面積をどれだけ大きくできるかを算出することもできる。
さらに、たとえば導線311の断面形状および寸法をあらかじめ決定した場合に、どれだけの巻数を確保できるかを確認することができる。したがって、設計したモータ1が所望の要求仕様を充足するか否かを確認することができる。また、巻数が要求仕様を充足する場合において、導線311の断面積をどれだけ大きくできるかを算出することもできる。
以上、本発明の実施形態および実施例を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態および実施例は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、前記実施形態においては、モータの例としてSRモータを示したが、本発明はSRモータに限定されるものではない。SRモータ以外のリラクタンスモータにも適用できる。さらに、本発明はリラクタンスモータに限定されるものではなく、コイルが取り付けられたステータを有するインナロータ型のモータであれば適用できる。
本発明は、モータに有効な技術である。そして、本発明によれば、モータの小型化と導線の巻数の増加との両立を図ることができる。
1:モータ、101:ロータ、102:回転軸、103:ハウジング、2:ステータ、21:ステータコア、22:ティース、221:ティースの側面、222:ティースの内周面、23:バックヨーク、233:バックヨークの内周面、3:ボビン、31:コイル、311:導線、32:インシュレータ、321:インシュレータの本体部、322:インシュレータの内周側の鍔部、323:インシュレータの外周側の鍔部、S:巻線挿入領域、L1:巻線挿入領域の第1辺、L2:巻線挿入領域の第2辺、L3:巻線挿入領域の第3辺、L4:巻線挿入領域の第4辺、L5:巻線挿入領域の第5辺
Claims (5)
- 円周方向に配列される複数のティースを有し前記ティースどうしの間にスロットが設けられるステータコアと、前記ティースに取付けられるコイルとを有するモータであって、
前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルは、
前記ティースの側面と、
前記ステータコアのバックヨークの内周面と、
前記ティースの側面に所定の距離をおいて平行な第1の直線と、
前記第1の直線と前記スロットの中心線上で交差し、前記ティースに隣接する他のティースの前記第1の直線の延長線に一致する第2の直線と、
前記ティースの側面に直角で前記ティースの内周面の円周方向端を通過する第3の直線と、
に囲まれる略五角形の領域に収まるように導線が巻き回されていることを特徴とするモータ。 - 前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルに含まれる最上段で前記ステータコアの内周側端に位置する導線の外周面は、前記第2の直線に接していることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
- 前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルに含まれる最上段で前記ステータコアの内周側端に位置する導線の外周面は、前記第3の直線に接していることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
- 前記ティースと前記コイルとの間に介在するインシュレータをさらに有し、
前記インシュレータには、前記導線の前記第2の直線に接している部分に係止する鍔部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のモータ。 - 前記ステータコアの軸線方向視において、前記コイルに含まれる最上段で前記第1の直線と前記第2の直線との交点よりも外周側に位置する導線の外周面は、前記第1の直線に接していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ。
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