JP2015118992A - 電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1個のプリプレグ層内にてガラスクロスを2層積層することにより、プリプレグ層の厚さ方向へのクラック進行を防止しつつ、厚い内層導体であっても、プリプレグ層における内層導体の埋め込み性を確保する。【解決手段】絶縁性の樹脂21を板状に成形してなるプリプレグ層20を有する配線基板1を備える電子装置であって、プリプレグ層20は、内層導体22および2層のガラスクロス24、25を有し、2層のガラスクロス24、25は一方のヤーン間開口部24b、25bが、他方の交差部24a、25aで完全に覆われるように積層されており、1層のガラスクロスにおいて、開口部24b、25bの面積と、交差部を除く部位S1におけるガラスフィラメント間の隙間S2の面積とが占める割合を開口率としたとき、各ガラスクロスにおいて開口率が25%以上50%以下であり、内層導体22の厚さが20μm以上80μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁性の樹脂を板状に成形してなるプリプレグ層を有する配線基板を備える電子装置に関する。
従来より、この種の電子装置としては、たとえば特許文献1に記載のものが提案されている。このものは、板状のコア層と、コア層に対して積層されたプリプレグ層とを有する配線基板を備える。ここで、プリプレグ層は、絶縁性の樹脂を板状に成形してなるものである。
プリプレグ層は、配線基板の内部側の板面を内面、当該内面とは反対側の板面を外面とするものであって、当該内面にパターニングされた内層導体を有する。この内層導体は、内面からプリプレグ層内に渡って位置するように樹脂に埋め込まれている。さらに、プリプレグ層における内層導体と外面との間には、1層のガラスクロスが、樹脂に埋め込まれている。
特開平8−181401号公報
ところで、基板の一部であるガラスクロスは、複数本のガラスフィラメントを束ねてなるヤーンを網目状に織って成るものであり、ヤーンに囲まれた隙間、つまりバスケットホールと呼ばれるヤーン間の開口部が存在する。
そのため、プリプレグ層の外面にてプリプレグ層の樹脂にクラックが発生すると、このヤーン間の開口部をクラックが通り抜け、プリプレグ層の内面側まで到達しやすい。それにより、クラックが基板厚さ方向に拡がってしまう可能性が高くなる。
これに対して、ガラスクロスをプリプレグ層の厚さ方向に積層された2層構成として、一方のガラスクロスにおけるヤーン間の開口部を他方のガラスクロスにおけるヤーンの交差部で完全に覆うようにすれば、この積層状態においてヤーン間の開口部を見かけ上、無くすことができ、クラック進行は防止できる。
しかし、埋め込まれる内層導体は、大電流化等のため厚くしたい、という要望がある。ここで、内層導体は、配線基板におけるプリプレグ層の下地層、たとえばコア層に内層導体を設けておき、そこにガラスクロスを樹脂で封止した状態のプリプレグ層を押しつけることにより、プリプレグ層における内面側の樹脂部分に埋め込まれる。
ここで、内層導体が薄い場合は、ガラスクロスよりも内面側の樹脂の流動のみにより、パターニングされた内層導体間の隙間を樹脂で埋めることが十分にできる。
しかし、内層導体が厚くなると、内層導体間の隙間容積も大きくなるので、ガラスクロスよりも内面側の樹脂だけでは足りなくなる。そのため、ガラスクロスよりも外面側の樹脂も、ガラスクロスを通って内層導体側まで流動させて、当該隙間を埋めることが必要となる。
この樹脂の流動の様子について、図6に示される本発明者による試作品を参照して述べる。上記したようなガラスクロス24、25を2層積層し、これを樹脂21で封止したプリプレグ層20においては、上下のガラスクロス24、25間に、若干の隙間がある。
そのため、プリプレグ層20における外面2b側の樹脂21は、図6中の矢印に示されるように、外面2b側(上側)のガラスクロス25におけるヤーン間の開口部25bから上下のガラスクロス24、25間を通って、内面2a側(下側)のガラスクロス24におけるヤーン間の開口部24bを通り、内層導体22の隙間へ流動する。
このように、このプリプレグ層20内のガラスクロス24、25を介した樹脂21の流動は、1層のガラスクロスにおけるヤーン間の開口部の大きさに依存し、このヤーン間の開口部が小さいと、当該樹脂21の流動が十分に行われない。すなわち、厚い内層導体22間の隙間にてボイドKが発生する恐れがあるため、内層導体22の埋め込み性が困難になる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、1個のプリプレグ層内にてガラスクロスを2層積層することにより、プリプレグ層の厚さ方向へのクラック進行を防止しつつ、厚い内層導体であっても、プリプレグ層における内層導体の埋め込み性を確保することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明者は、上記した内層導体の埋め込み時におけるプリプレグ層内の樹脂流動は、上述したヤーン間の開口部だけでなく、ヤーンにおけるガラスフィラメント間の隙間を樹脂が通ることによっても発生することに着目した。
ここで、ガラスクロスにおいては、ヤーンの交差部では、2層のヤーンが交差して重なっているため、ガラスフィラメント間の隙間を樹脂がほとんど通らないが、ヤーンのうち交差部を除く部位におけるガラスフィラメント間の隙間では、樹脂が通りやすい。
そこで、本発明者は、1層のガラスクロスにおいて、ヤーン間の開口部の面積と、ヤーンのうち交差部を除く部位におけるガラスフィラメント間の隙間の面積との、両面積が占める割合を1層のガラスクロスの開口率とした。
そして、上記開口率について、内層導体の厚さを考慮して実験検討を行った結果(後述の図5参照)、上記樹脂流動を確保して上記ボイド発生を防止するのに十分な開口率を見出した。このような検討結果に基づいて、本発明は創出されたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明では、絶縁性の樹脂(21)を板状に成形してなるプリプレグ層(20)を有する配線基板(1)を備える電子装置であって、
プリプレグ層は、配線基板の内部側の板面を内面(2a)、当該内面とは反対側の板面を外面(2b)とするものであって、当該内面にパターニングされた内層導体(22)を有するものであり、内層導体は、内面からプリプレグ層内に渡って位置するように樹脂に埋め込まれたものであり、
さらに、プリプレグ層における内層導体と外面との間には、プリプレグ層の厚さ方向に積層された2層のガラスクロス(24、25)が、樹脂に埋め込まれており、2層のガラスクロスはそれぞれ、複数本のガラスフィラメント(51)を束ねてなるヤーン(50)を網目状に織ってなるものであり、2層のガラスクロスは、一方のガラスクロスにおけるヤーン間の開口部(24b、25b)が、他方のガラスクロスにおけるヤーンの交差部(24a、25a)で完全に覆われるように、位置あわせした状態で積層されており、
1層のガラスクロスにおいて、開口部の面積と、ヤーンのうち交差部を除く部位(S1)におけるガラスフィラメント間の隙間(S2)の面積との、両面積が占める割合を当該1層のガラスクロスの開口率としたとき、2層のガラスクロスのそれぞれにおいて、開口率が25%以上50%以下であり、内層導体の厚さが、20μm以上80μm以下であることを特徴とする。
それによれば、2層のガラスクロスは、一方のガラスクロスにおけるヤーン間の開口部が、他方のガラスクロスにおけるヤーンの交差部で完全に覆われるように、位置あわせした状態で積層されているので、プリプレグ層における外面から内面側へのクラック進行を防止できる。
また、内層導体の厚さが20μm以上80μm以下の場合において、2層のガラスクロスのそれぞれにおける開口率が、25%以上であれば、上記樹脂流動を確保して上記ボイド発生を防止することができる。また、樹脂流動性の点からは、開口率は大きい程よいが、開口率が50%を超えると、2層構成のガラスクロスにおいて一方のヤーンの交差部が他方のヤーン間の開口部を完全に被覆することが困難となり、上記したクラック発生の懸念が再燃し、好ましくない。そこで、開口率は50%以下がよいと考えられる。
よって、本発明によれば、プリプレグ層の厚さ方向へのクラック進行を防止しつつ、厚い内層導体であっても、プリプレグ層における内層導体の埋め込み性を確保することができる。
ここで、請求項1の電子装置においては、請求項2に記載の発明のように、内層導体の厚さは、40μm以上80μm以下であることが好ましい。内層導体の厚さが40μm以上であれば、本発明者の要求する大電流化に適した厚さの内層導体を実現できる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の実施形態にかかる電子装置の要部を示す概略断面図である。 図1中の1層のガラスクロスについてガラスフィラメントまで表した概略平面図である。 (a)は、図1中の内層導体側のガラスクロスを示す概略平面図、(b)は、図1中の外層導体側のガラスクロスを示す概略平面図である。 図1中の2層のガラスクロスの積層状態を示す概略平面図である。 ガラスクロスの開口率および内層導体の厚さについてクラックおよびボイド発生の様子を検討した結果を示す図表である。 本発明者の試作品としての電子装置の要部を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、本明細書に記載した各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
本発明の実施形態にかかる電子装置について、図1〜図4を参照して述べる。この電子装置は、たとえば自動車などの車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための装置として適用されるものである。
本実施形態の電子装置は、大きくは、配線基板1と、配線基板1に実装された電子部品30と、電子部品30とともに配線基板1を封止するモールド樹脂60と、を備えて構成されている。配線基板1は、板状のコア層10と、コア層10の表面1aに対して積層されたビルドアップ層としてのプリプレグ層20と、を有する。
コア層10は、後述するように、プリプレグ層20に埋め込まれた内層導体22を形成するために、プリプレグ層20よりも基板内部側にプリプレグ層20の内面2aに接触する下地層として構成されている。
特に限定するものではないが、コア層10は、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂や、アルミナ等のセラミック、あるいは金属等よりなる。図1の例では、コア層10は樹脂よりなるものとしている。ここで、コア層10の表面1a側は図1に示されているが、裏面側は図示を省略してある。
そして、図1に示されるように、コア層10の表面1aに1個のプリプレグ層20が積層されている。このプリプレグ層20は、BTレジンやエポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂21を板状に成形してなるものであって、この樹脂21により本体が区画されて形成されたものとされている。
そして、プリプレグ層20は、後述する2層のガラスクロス24、25を当該樹脂21内に含有するものである。なお、本実施形態では、コア層10の表面1aに1個のプリプレグ層20が積層されているが、典型的には、コア層10の図示しない裏面にも、図1と同様の1個のプリプレグ層20が、積層された構成とされている。
あるいは、本実施形態の電子装置において、コア層10の図示しない裏面側には、プリプレグ層20は積層されずに、コア層10の裏面が配線基板1における外面とされていてもよい。つまり、本実施形態において、図1に示されるプリプレグ層20は、コア層10の表面1aおよび図示しない裏面の少なくとも一方の面に積層されていればよいものである。
プリプレグ層20は、配線基板1の内部側(ここではコア層10側)の板面を内面2a、当該内面2aとは反対側の板面を外面2bとするものである。そして、プリプレグ層20は、当該内面2aにパターニングされた内層導体22を有し、当該外面2bに外層導体23を有するものである。
これら内層導体22および外層導体23は、たとえばCu等の導体よりなるパターニングされた配線や、ランド、パッド等である。また、これら内層導体22および外層導体23は、プリプレグ層20に設けられた図示しないビアホール等により電気的に接続されている。
また、外層導体23は、プリプレグ層20の外面2b上に突出する形で設けられているが、内層導体22は、内面2aからプリプレグ層20内に渡って位置するように樹脂21に埋め込まれている。
この内層導体22は、後述するように下地層であるコア層10側に予め設けられたもので、これに対して、プリプレグ層20を押しつけることでプリプレグ層20内に埋め込まれたものである。
ここで、本実施形態においては、プリプレグ層20の外面2bが、配線基板1において部品実装される外面、すなわち、配線基板1における部品実装面として構成されている。そして、この部品実装面としてのプリプレグ層20の外面2bにおける外層導体23上に、電子部品30が搭載されている。ここでは、電子部品30は1個示されているが、2個以上であってもよい。
この電子部品30は、配線基板1に実装可能なものであればよく、たとえばトランジスタ素子、ICチップ、マイコン等の半導体素子、あるいはコンデンサ等の受動素子などが挙げられる。ここでは、電子部品30は、ダイボンド材40を介して外層導体23に接続されている。このダイボンド材40としては、たとえば、はんだ、Agペースト、導電性接着剤等が挙げられる。
そして、本実施形態では、配線基板1の部品実装面すなわちプリプレグ層20の外面2b側は、当該外面2b上に搭載された電子部品30とともにモールド樹脂60によって封止されている。このモールド樹脂60は、エポキシ樹脂等の通常のモールド材料よりなるもので、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等により成形されたものである。
さらに、1個のプリプレグ層20における内層導体22と外層導体23との間には、2層のガラスクロス24、25が、樹脂21に埋め込まれた形で設けられている。この2層のガラスクロス24、25は、プリプレグ層20の厚さ方向に積層されたものであり、プリプレグ層20の樹脂21のうち内層導体22と外層導体23との間に位置する部位にて樹脂21に封止されている。
ここで、本実施形態では、プリプレグ層20のうち内層導体22よりも外面2b側の厚さAは40〜60μm、内層導体22の厚さBは20〜80μm、1層のガラスクロス24、25の厚さCは10〜50μm、2層のガラスクロス24、25間の隙間Dは5〜10μm程度である。上記各寸法の範囲は、もちろん、図1に示されるプリプレグ層20を適切に構成する範囲で変動するものである。
より具体的に、図2、図3を参照して、本実施形態の2層のガラスクロス24、25について述べる。本実施形態では、2層のガラスクロス24、25は、互いに同一の構成とされたものである。つまり、図2では、2層のガラスクロス24、25を共通の一図として示している。また、図3では、ガラスフィラメント51を省略した図としている。
2層のガラスクロス24、25はそれぞれ、複数本のガラスフィラメント51を束ねてなるヤーン50を網目状に織ってなるものである。ここでは、2層のガラスクロス24、25ともに同じ平織りで織られたものである。
ここで、2層のガラスクロス24、25のそれぞれにおいて、ヤーン50の交差部24a、25aは、経糸としてのヤーン50と緯糸としてのヤーン50とが重なっている部分であり、以下、これを単に交差部24a、25aということにする。
一方、ヤーン50間の開口部24b、25bについては、ヤーン50に囲まれた隙間であって、いわゆるバスケットホールを有するものとして構成されたものである。以下、このヤーン50間の開口部24b、25bを、ヤーン間開口部24b、25bということにする。
ここでは、2層のガラスクロス24、25共に、縦糸および横糸としてのヤーン50の幅は同じものであり、このヤーン50の幅は、限定しないが、たとえば200μm程度である。そして、2層のガラスクロス24、25共に、ヤーン間開口部24b、25bは正方形の開口形状をなし、これも限定するものではないが、たとえば100μm□程度の大きさである。
また、図2に示されるように、2層のガラスクロス24、25のそれぞれにおいて、ヤーン50のうち交差部24a、25aを除く部位S1におけるガラスフィラメント51間には隙間が存在する。ここで、特に、ヤーン50のうち交差部24a、25aを除く部位S1におけるガラスフィラメント51間の隙間を、符号S2を付して、ガラスフィラメント間隙間S2とする。
本実施形態では、2層のガラスクロス24、25共に、ガラスフィラメント間隙間S2、および、ガラスフィラメント51の太さについても同一である。限定するものではないが、たとえば前者の隙間S2については数μm程度、後者の太さについては直径で数μm程度である。
つまり、本実施形態では、上述したように、2層のガラスクロス24、25は、互いに同一の構成とされたものであるが、このことは、2層のガラスクロス24、25について、織り方、ヤーン50の幅、ヤーン間開口部24b、25bの形状や大きさ、ガラスフィラメント51の太さ、ガラスフィラメント間隙間S2、さらには後述する開口率が同じことを意味する。なお、この同一構成については、ガラスクロス24、25の製造上の誤差の範囲内で同一であることを意味する。
そして、図4に示されるように、2層のガラスクロス24、25は、一方のガラスクロス24、25におけるヤーン間開口部24b、25bが、他方のガラスクロス24、25における交差部24a、25aで完全に覆われるように、位置あわせした状態で積層されている。つまり、2層のガラスクロス24、25共に、交差部24a、25aの面積がヤーン間開口部24b、25bの面積よりも大きいものである。
ここで、さらに、本実施形態では、2層のガラスクロス24、25の各1層において、上記したヤーン間開口部24b、25bの面積と、ヤーン50のうち交差部24a、25aを除く部位S1におけるガラスフィラメント間隙間S2の面積との、両面積が占める割合を当該1層のガラスクロス24、25の開口率とする。
より具体的には、この開口率とは、1層のガラスクロス24、25の外縁の内側の全面積に対して、ヤーン間開口部24b、25bおよび上記ガラスフィラメント間隙間S2の面積が占める割合である。たとえば、全体として平面矩形のガラスクロス24、25の場合、当該矩形の面積に対する当該矩形内に位置するヤーン間開口部24b、25bおよびガラスフィラメント間隙間S2の面積が占める割合が、開口率である。
ここで、本実施形態においても、上記図6に示されるように、内層導体22の埋め込み時には、2層のガラスクロス24、25のそれぞれを樹脂21が通過するが、これらヤーン間開口部24b、25b、および、上記部位S1におけるガラスフィラメント間隙間S2が、実質的に樹脂21が通過する部分である。逆に言えば、交差部24a、25aは実質的に樹脂21が通過しない部分である。
このとき、本実施形態では、内層導体22の厚さB(上記図1参照)が20μm以上80μm以下である場合において、2層のガラスクロス24、25のそれぞれにおいて、当該開口率が25%以上50%以下とされている。
この数値関係は、後述する本発明者の行った検討結果に基づくものであり、このような数値関係を満足する本実施形態によれば、厚い内層導体22であっても、プリプレグ層20における内層導体22の埋め込み性を確保することができるものである。
このようなプリプレグ層20の形成方法は、次の通りである。外層導体23側のガラスクロス25を樹脂21で封止し、且つ、外層導体23が形成された第1の素材層と、内層導体22側のガラスクロス24を樹脂21で封止してなる第2の素材層との2個の素材層を用意する。
そして、上述のように、一方のガラスクロスのヤーン間開口部24b、25bを他方のガラスクロスの交差部24a、25aで完全に覆うように位置合わせする。そして、これら両素材層を貼り合わせて樹脂21の部分にて熱圧着する。
こうすることで、当該両素材層における樹脂21の境界が無くなり、当該両素材層が一体化して1個のプリプレグ層20が形成される。ただし、この段階では、1個のプリプレグ層20において内層導体22は埋め込まれていない。
内層導体22は、下地であるコア層10側、ここではコア層10の表面1aに形成しておき、このコア層10の表面1aに対してプリプレグ層20を押しつけて熱圧着する。これにより、内層導体22は、プリプレグ層20の樹脂21に埋め込まれ、プリプレグ層20の内面2aから内部に渡って位置したものとなる。
こうして、コア層10とプリプレグ層20とが積層された配線基板1ができあがる。その後は、この配線基板1に対して電子部品30を搭載し、これをモールド樹脂60で封止してやることにより、図1に示されるような本実施形態の電子装置ができあがる。
ところで、本実施形態によれば、2層のガラスクロス24、25は、一方のガラスクロスにおけるヤーン間開口部24b、25bが、他方のガラスクロスにおける交差部24a、25aで完全に覆われるように、位置あわせした状態で積層されている。そのため、プリプレグ層20における外面2bから内面2a側へのクラック進行を防止できる。
ガラスフィラメント間隙間は、上記したように、ヤーン間開口部24b、25bよりも大幅に小さいものであるから、一方のガラスクロスの交差部24a、25bが他方のガラスクロスのヤーン間開口部24b、25bを完全に覆っている部分では、樹脂21の通過も、クラックの通過も発生しにくい。
また、内層導体22の厚さが20μm以上80μm以下の場合において、2層のガラスクロス24、25のそれぞれにおける開口率が、25%以上であるから、上記樹脂流動を確保して上記ボイド発生を防止することができる。
また、樹脂流動性の点からは、開口率は大きい程よいが、開口率が50%を超えると、2層構成のガラスクロス24、25において一方の交差部24a、25aが他方のヤーン間開口部24b、25bを完全に被覆することが困難となり、上記したクラック発生の懸念が再燃し、好ましくない。そこで、開口率は50%以下がよいと考えられ、本実施形態では開口率を50%以下としている。
このことについて、図5に示される本発明者の行った実験検討の結果をもとに、より具体的に述べる。図5に示されるように、本発明者は、図1に示される構成において、内層導体22の厚さB(導体厚:単位μm)と開口率(%)とを変えていき、プリプレグ層20におけるガラスクロス24、25を通過するクラックの発生、および、内層導体22間のボイドの発生について、実験検討を行った。ボイドの発生は内層導体22の埋め込み性が不十分であることを意味する。
ここで、図5において、白丸印は、クラックおよびボイドともに発生しないことを示す。白三角印は、クラックは発生しないが、ボイドが発生したことを示す。黒三角印は、クラックが発生するが、ボイドは発生しないことを示す。クロス(×)印は、クラックおよびボイドとも発生したことを示す。
図5に示されるように、内層導体22の厚さが20μm以上80μm以下の場合において、2層のガラスクロス24、25のそれぞれにおける開口率が25%以上50%以下のとき、クラックおよびボイドの発生が防止されている。
ここで、内層導体22の厚さは、40μm以上80μm以下であることが望ましい。内層導体22の厚さが40μm以上であれば、本発明者の要求する大電流化に適した厚さの内層導体22を実現できるためである。
また、開口率が25未満(図5では2%以下の例)の場合、内層導体22の埋め込み時における樹脂21の流動が不十分になるため、導体厚によらず、ボイドが発生しやすい。一方、開口率が50%を超える(図5では75%以上の例)場合、一方のガラスクロスの交差部24a、25aが他方のガラスクロスのヤーン間開口部24b、25bを完全に被覆することが困難となり、クラックが発生しやすくなる。
また、内層導体22の厚さB(導体厚)が80μmを超える(図5では100μmの例)ことは、内層導体22が不必要に厚くなることであり、この場合には、パターニングされた内層導体22の隙間が大きすぎてボイドが発生しやすくなる。
こうして、図5に示されるように、本実施形態では、内層導体22の厚さが20μm以上80μm以下の場合において、2層のガラスクロス24、25のそれぞれにおける開口率を、25%以上50%以下としている。
なお、図5に示される結果は、上記図1に示した寸法A:40〜60μm、寸法C:10〜50μm、寸法隙間D:5〜10μmの範囲で適切に実現されるものであるが、樹脂21の流動自体が上記開口率および内層導体22の厚さBに支配されることを鑑みれば、上記範囲に限定されるものではない。
以上述べたように、本実施形態の電子装置によれば、プリプレグ層20の厚さ方向へのクラック進行を防止しつつ、厚い内層導体22であっても、プリプレグ層20における内層導体22間のボイド発生を抑制し、当該内層導体22の埋め込み性を確保することができる。
また、本実施形態では、上述のように、2層のガラスクロス24、25は、同一構成のものとしている。それによれば、2層のガラスクロス24、25について、全く同じ構成のものを用意すればよく、構成が容易になるという利点がある。
さらに言えば、一方のガラスクロスにおけるヤーン間開口部24b、25bが、他方のガラスクロスにおける交差部24a、25aで完全に覆われるように、2層のガラスクロス24、25を位置あわせする場合に、両方のガラスクロス24、25が同じ構成であれば、異なる構成の場合よりも位置合わせが容易になる。
(他の実施形態)
なお、配線基板1は、プリプレグ層20に埋め込まれた内層導体22を形成するために、プリプレグ層20よりも基板内部側にプリプレグ層20の内面2aに接触する下地層を有するものとなる。上記実施形態では、その下地層はコア層10であったが、通常のプリプレグ層であってもよい。
この場合、下地層としてのプリプレグ層は、ガラスクロスが1層の通常の構成でもよいし、単純にガラスクロスを2層としたものであってもよい。さらに、2層のガラスクロスの場合においては、上記実施形態に示した2層構成のガラスクロス24、25と同等のものを有するものであってもよい。
また、上記実施形態では、2層のガラスクロス24、25は、一方のガラスクロスにおけるヤーン間開口部24b、25bが、他方のガラスクロスにおける交差部24a、25aで完全に覆われるように、位置あわせした状態で積層されている。このような積層構成であれば、後は樹脂21の流動すなわちガラスクロス24、25の樹脂21の通過については、個々のガラスクロス24、25の開口率のみに依存するから、2層のガラスクロス24、25同士で、織り方や、ヤーンの寸法等は相違してもよい。
たとえば、2層のガラスクロス24、25の一方と他方とで、ガラスフィラメント51の太さが異なるものであってもよい。さらに、上記実施形態では、交差部24a、25aおよびヤーン間開口部24b、25bが共に、正方形をなすものであったが、長方形をなすものであってもよい。
また、上記実施形態では、配線基板1の部品実装面すなわちビルドアップ層20の外面2b側は、当該外面2b上に搭載された電子部品30とともにモールド樹脂60によって封止されていたが、場合によっては、このモールド樹脂60は省略された構成であってもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
1 配線基板
2a プリプレグ層の内面
2b プリプレグ層の外面
20 プリプレグ層
21 プリプレグ層の樹脂
22 内層導体
24、25 ガラスクロス
24a、25a ヤーンの交差部
24b、25b ヤーン間開口部
50 ヤーン
51 ガラスフィラメント
S1 ヤーンのうち交差部を除く部位
S2 ヤーンのうち交差部を除く部位におけるガラスフィラメント間の隙間

Claims (3)

  1. 絶縁性の樹脂(21)を板状に成形してなるプリプレグ層(20)を有する配線基板(1)を備える電子装置であって、
    前記プリプレグ層は、前記配線基板の内部側の板面を内面(2a)、当該内面とは反対側の板面を外面(2b)とするものであって、当該内面にパターニングされた内層導体(22)を有するものであり、
    前記内層導体は、前記内面から前記プリプレグ層内に渡って位置するように前記樹脂に埋め込まれたものであり、
    さらに、前記プリプレグ層における前記内層導体と前記外面との間には、前記プリプレグ層の厚さ方向に積層された2層のガラスクロス(24、25)が、前記樹脂に埋め込まれており、
    前記2層のガラスクロスはそれぞれ、複数本のガラスフィラメント(51)を束ねてなるヤーン(50)を網目状に織ってなるものであり、
    前記2層のガラスクロスは、一方の前記ガラスクロスにおける前記ヤーン間の開口部(24b、25b)が、他方の前記ガラスクロスにおける前記ヤーンの交差部(24a、25a)で完全に覆われるように、位置あわせした状態で積層されており、
    1層の前記ガラスクロスにおいて、前記開口部の面積と、前記ヤーンのうち前記交差部を除く部位(S1)における前記ガラスフィラメント間の隙間(S2)の面積との、両面積が占める割合を当該1層のガラスクロスの開口率としたとき、
    前記2層のガラスクロスのそれぞれにおいて、前記開口率が25%以上50%以下であり、
    前記内層導体の厚さが、20μm以上80μm以下であることを特徴とする電子装置。
  2. 前記内層導体の厚さは、40μm以上80μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記2層のガラスクロスは、同一構成のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
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