JP2015116360A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸収体4、肌側シート2及び非肌側シート3を備えた吸収性物品1であり、吸収体4は、着用者の前後方向に長い形状を有し、セルロース繊維及び吸水性ポリマーを含む吸収性コア40と、上側コアラップシート41及び下側コアラップシート43を有する。上側コアラップシート41は、不織布からなり、凹凸領域44を有し、凸部71は表裏面が何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有する。上側コアラップシート41は、中央領域Mに肌側シート2に対して長手方向に長く固定された上側固定部42を有し、その両側の領域S1,S2に、凹凸領域44が肌側シート2に接合されない状態で存在する。下側コアラップシート43は、非肌側シート3に固定された下側固定部45,45を有する。
【選択図】図2
Description
特許文献1には、吸水性ポリマーを含み且つ親水性繊維を実質的に含まない吸収性コアを被覆する上側コアラップシートに、凹凸形状を有する凹凸領域を形成した吸収性物品が記載されている。
しかし、特許文献1における前記の凹凸領域は、着用者の肌と吸収性コアの形成材料との間に距離を大きくするために設けられており、同文献1の吸収性物品は、コアラップシートの破れやコアラップシートの接合部の破損等の防止に特に適した構成とはなっていなかった。
本発明の第1実施形態である使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)は、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2と、非肌対向面を形成する液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート3と、及び両シート2,3間に配置された吸収体4を具備する。第1実施形態のおむつ1においては、表面シート2が、吸収体4の肌対向面側に配された「肌側シート」であり、裏面シート3が、吸収体4の非肌対向面に配された「非肌側シート」である。
おむつ1における吸収体4は、おむつ1の長手方向Xと同方向に長い形状を有している。そのため、以下においては、吸収体4の長手方向にも、おむつ1の長手方向の符号と同一の符号「X」を付して説明する。
表面シート2及び裏面シート3は、図1及び図2に示すように、おむつの長手方向Xにおいて、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出している。表面シート2は、おむつの幅方向Yの寸法が、裏面シート3の幅方向Yの寸法よりも小さい。
なお、本実施形態のおむつ1は、長手方向Xに延びる中央線CLに対して左右対称の形状を有している。
上側コアラップシート41と下側コアラップシート43は、吸収性コア40の長手方向の両端40d,40eと同位置、又は該両端40d,40eから吸収体4の長手方向Xに若干延出した位置に両端を有している。
液吸収前の吸収体4の平面視においては、上側コアラップシート41と下側コアラップシート43とは、外形が同形状同寸法であり、吸収体4の長手方向X及び幅方向Yにおける長さが同じである。上側コアラップシートと下側コアラップシートが別体である場合、下側コアラップシートは不織布又は紙でもかまわない。
吸収性コア40は、セルロース繊維以外の親水性繊維を含んでいても良い。セルロース繊維以外の親水性繊維としては、合成繊維を必要に応じ界面活性剤等により親水化処理したもの等が挙げられる。例えば、合成繊維としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。
吸収容量増加の観点から、吸収性コア40は、セルロース繊維の含有量が、該吸収性コア40の全質量に対して、好ましくは10質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下であり、また、好ましくは10質量%以上80質量%以下、更に好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
吸収性コアは、吸水性ポリマーを含むことが、より充分な吸収容量を確保しつつ薄型化を図ることができる点から好ましいが、従来の吸収性物品においては、吸水性ポリマーの含有割合を高めにすると、膨潤状態で加圧されたときに、上述したコアラップシートの破れや接合部の破損に生じやすくなる。
この点、本発明においては、コアラップシートの破れや接合部の破損を生じにくくする工夫をしているため、吸水性ポリマーの含有割合を高めてもそのような不都合が生じない。
そのため、吸収性コア40の含有割合を高めに設定することも容易である。
吸収性コア40は、吸水性ポリマーの含有量が、該吸収性コア40の全質量に対して、好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下であり、また、好ましくは30質量%以上70質量%以下、更に好ましくは50質量%以上60質量%以下である。
吸水性ポリマーは、自重の10倍以上の水を保持可能であることが好ましく、より好ましくは自重の20倍以上、更に好ましくは自重の30倍以上の水を保持可能である。
おむつ1における凹凸領域44は、図2及び図4に示すように、吸収体4の長手方向X(一方向)に延びる複数本の畝部71(凸部)と畝部71,71間に位置する溝部72(凹部)を備えた畝溝構造を有している。また、畝部71と溝部72は、吸収体4の幅方向Yに交互に形成され、それぞれ複数本形成されている。畝溝構造における畝部の裏面側(非肌当接面)は肌面側に窪んでおり、溝部の裏面側(肌当接面)は吸収性コア側に突出して、凹凸が表裏一体となっている。
また、図2及び図4に示すように、凹凸領域44は、上側コアラップシート41を構成する不織布を、連続波状の断面を有するように変形させて形成されており、凹凸領域44の個々の畝部71(凸部)においては、上側コアラップシート41を構成する不織布の表裏面が何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有している。
凹凸領域44は、吸収体4の長手方向Xにおいては、おむつの全長L(図1参照)の1/3以上の長さに亘って形成されていることが好ましく、おむつ1の股下部Cの全長に亘って形成されていることがより好ましく、本実施形態におけるように、吸収性コア40の全長に亘って形成されていることが更に好ましい。
凹凸領域44は、吸収体4の幅方向Yにおいては、吸収性コア40の全幅W(図1参照)の、1/5以上の幅を有することが好ましく、1/3以上の幅を有することがより好ましく、1/2以上の幅を有することが更に好ましい。
ここでいう凹凸領域44の幅は、図7に示す実施形態のように、吸収体4の幅方向に、凹凸領域44が複数形成されている場合、それらの凹凸領域44の幅の合計値である。
凹凸加工は、凹凸領域44の凸部に対応する形状の凸部を備えた第1部材と、該凸部に対応して設けられ該凸部の先端が挿入される凹部(溝でも良い)を備えた第2部材との間に不織布を挟んで加圧する方法が好ましい。後述する図8や図9に示す凹凸領域7A,7Bの形成についても同様である。また、第1及び第2部材は、何れも非加熱の状態で凹凸加工を施しても良いが、何れか一方又は双方を加熱して行うことも好ましい。但し、その加熱温度は、上側コアラップシートを構成する不織布の主たる構成繊維の融点以下であることが好ましい。
下側コアラップシートは前記凹凸領域がないでもよいが、凹凸領域を備えていてもかまわない。好ましくは上記凹凸領域がない。凹凸領域がないとは、フラットなシートであり、上記凹凸を形成していない意味であり、不織布や紙のシートが通常有する程度の皺や部分的な突起などは凹凸領域とは言わない。凹凸領域がないことで、裏面シートとのずれが生じにくく装着感が良好となる。
前記2直線L1,L2は、吸収体4の幅方向の中央を通り該吸収体4の長手方向に延びる吸収体の中央線(本実施形態においてはおむつ1の中央線CLと同じ)と平行に引く。また、吸収体4の幅方向における前記2直線L1,L2を引く位置は、吸収性コア40の幅Wを3等分する位置であるが、その吸収性コア40の幅Wは、吸収性コア40の幅(幅方向Yの長さ)が最大となる部位における幅である。
なお、上側コアラップシート41と吸収性コア40の肌対向面との間は、スパイラルパターン塗工された接着剤によって接合されていることが、吸収体全体の柔軟性の観点から好ましい。また、吸収性コア40の非肌対向面と下側コアラップシート43との間も、スパイラルパターン塗工された接着剤によって接合されていることが、吸収体全体の柔軟性の観点から好ましい。
そのため、上下のコアラップシート41,43に加わる張力や、シート同士の接合部47に加わる剥離力が緩和され、それにより、コアラップシート41,43が破断したり、シート同士の接合部47が破損したりすることが防止される。また、それにより、膨潤した吸水性ポリマー等が漏れ出す等の不都合が生じることも防止される。
同様の観点から、畝部71(凸部)のピッチP(図4参照)は、好ましくは0.5mm以上であり、更に好ましくは1.5mm以上であり、また、好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以下である。
上側固定部42及び下側固定部45は、凹凸領域44と同様に、おむつの全長L(図1参照)の1/3以上の長さに亘って形成されていることが好ましく、おむつ1の股下部Cの全長に亘って形成されていることがより好ましく、本実施形態におけるように、吸収性コア40の全長に亘って形成されていることが更に好ましい。
また、下側固定部45を、吸収体4の幅方向に離間させて設ける場合、それらの離間距離W3(図5参照)は、吸収性コア40の前記幅Wの、好ましくは50%以下であり、更に好ましくは30%以下であり、また好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上であり、また、好ましくは10%以上50%以下であり、更に好ましくは20%以上30%以下である。
上側コアラップシート41の上側固定部42が接着剤42aにより表面シート2(肌側シート)に固定されていることは、表面シートと吸収体とのヨレ皺防止の観点から好ましいという利点があり、下側コアラップシート43の下側固定部45が、接着剤により裏面シート3(非肌側シート)に固定されていることは、吸収体のズレ防止の観点から好ましいという利点がある。
また、上側固定部42及び下側固定部45を固定する接着剤は、何れも、パターン塗工されていることが、充分な接着性と通気性、柔軟性の観点から好ましい。パターン塗工とは、接着剤の塗布部と非塗布部とが混在又は交互に形成されている塗工方法であり、例えば、長手方向に長い塗布形状として、スパイラル状、直線状、曲線状、面状等があり、これらの塗布形状が連続又は間欠して塗布されるパターンがある。これらの塗布パターンは、公知の塗布装置を用いて塗布することができる。例えば、ノードソン社製のホットメルト接着剤塗布装置を用いて、スパイラルスプレーガン及びサミットスプレーガンを用いてスパイラス状、曲線状に、ビードガンを用いて直線状に、スロットコートガンを用いて面状に、それぞれ塗布することができる。
吸水性ポリマーが、吸収性コア40の肌対向面側に偏在していると、吸液したときに吸収性コア40は、その肌対向面側が一層膨潤し易くなるが、本発明によれば、コアラップシートやその接合部に破損が生じることが防止されるため、吸水性ポリマーを、吸収性コア40の肌対向面側に偏在させることによって、吸収速度等を向上させることが可能である。吸収性コア40の肌対向面側に偏在しているか否かは、例えば、吸収性コア40を厚み方向の中央を通る平面より上側の部分と下側の部分とに区分して、それぞれに存在する吸水性ポリマーの坪量比を比較したときに、上側の部分の坪量が、下側の部分の坪量の1.0倍を超えるか否かにより判定することができる。
第2実施形態のおむつ1Aにおける上側コアラップシート41は、吸収体4の中央領域Mに、第1実施形態の吸収体と同様の凹凸領域44及び上側固定部42を有する一方、吸収性コア40の肌対向面側を覆う部分の両側部に、凹凸領域44が所定の幅に亘って形成されていない領域49を有している。
第3実施形態のおむつ1Bにおける上側コアラップシート41は、吸収体4の中央領域Mの中央部に、凹凸領域44が存在しない領域49を有しており、上側コアラップシート41は、その凹凸領域44ではない領域49に、接着剤を介して表面シート2(肌側シート)に接合された上側固定部42を有している。
第2及び第3実施形態のおむつ1A,1Bにおいても、上側コアラップシート41は、上側固定部42において表面シート2(腹側シート)に接合されている一方、上側固定部42を挟んでその両側に位置する領域は、吸収性コア40の肌対向面を覆う部分の全域、より具体的には、吸収体4の幅方向の両端に至るまでの全域が、表面シート2(腹側シート)部分に接合されておらず、その表面シート2(腹側シート)部分に固定されていない部分に凹凸領域44を有している。
そのため、第2及び第3実施形態のおむつ1A,1Bによっても、第1実施形態のおむつ1と同様の効果が奏される。
図8に示す凹凸領域7Aは、上側コアラップシート41を構成する不織布が、着用者の肌側に向かって突出する多数の凸部73及びそれらの間に位置する凹部74を有する凹凸形状を有している。凹凸領域7Aにおける個々の凸部73は、ドーム状を有しており、平面視形状が円形又は楕円形状である。また、個々の凸部73は、その表面73a及び裏面73bが、何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有している。
図9に示す凹凸領域7Bは、上側コアラップシート41を構成する不織布が、着用者の肌側に向かって突出する多数の凸部75及び複数個の凸部75に囲まれた凹部76を有する凹凸形状を有している。凹凸領域7Bにおける個々の凸部75は、下面が開放された立方体状を有しており、平面視形状は、正方形又は長方形状である。個々の凸部75は、その表裏両面が、何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有している。
図10に示す凹凸領域7Cは、上側コアラップシート41を構成する不織布が、着用者の肌側に向かって突出する皺状の凸部77を有している。皺状の凸部77は、概ね一方向に延びており、表裏両面が、何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有している。
図8〜図10に示す凹凸領域7A〜7Cは、例えば、上述したおむつ1,1A,1Bにおける凹凸領域44に代えて設けることができる。
サブレイヤーシートは、おむつの液吸収能を補強し、吸収体4に吸収された液が表面シート2側に戻る現象(ウエットバック)を低減させる効果がある。サブレイヤーシートは、吸収体4の肌対向面(上側コアラップシート41)の全域を被覆するように配置さしても良いし、吸収体4の肌対向面の一部のみを被覆するように配置されていても良い。例えば、吸収体4の肌対向面における、腹側部Aの長手方向端部近傍から股下部Cに位置する吸収体4の長手方向中央部に亘る部位のみを被覆するように配置し、背側部Bには配置しないことも好ましい。
例えば、長手方向に長い塗布形状として、スパイラル状、直線状、曲線状、面状等があり、これらの塗布形状が連続又は間欠して塗布されるパターンがある。これらの塗布パターンは、公知の塗布装置を用いて塗布することができる。例えば、ノードソン社製のホットメルト接着剤塗布装置を用いて、スパイラルスプレーガン及びサミットスプレーガンを用いてスパイラス状、曲線状に、ビードガンを用いて直線状に、スロットコートガンを用いて面状に、それぞれ塗布することができる。
図11(a)及び図11(b)は、それぞれ、低坪量部8,8を有する吸収性コア40の一例を示す図であり、何れもおむつの股下部Cに配される部分を含んで、吸収性コア40(吸収体)の長手方向Xに延びる低坪量部8,8を有している。低坪量部8は、吸収性コアの形成材料の坪量は、吸収性コアを形成する吸水性ポリマーとセルロース繊維との合計の坪量であり、更に任意に加えられる他の材料がある場合には、その坪量も加える。低坪量部8は、吸収性コアの形成材料が実質的にない非積繊部等であっても良いし、吸収性コアの形成材料の坪量が他の部位に比して少ない部位、例えば吸収性コアの形成材料の坪量が、他の部位の坪量の20%以下、より好ましくは10%以下の部位であっても良い。
上側コアラップシート41と下側コアラップシート43は、別体のシートに限られず、図12(a)に示すように、一枚のコアラップシートにおける、吸収性コアの肌当接面及び非肌当接面を覆う部分であっても良い。また、別体の上側コアラップシート41と下側コアラップシート43とを接合する態様は、図12(b)又は図12(c)に示す態様であっても良い。図12(a)〜図12(c)においては、コアラップシートどうしが、ホットメルト型接着剤等の接着剤46で接合されている。
また、上側固定部42は、吸収体4の中央領域Mに収まるように2本形成されていても良い。この場合2本は近接して形成されており、幅方向の離間幅(固定部のない領域)は、0.1〜3mmが好ましい。
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
<1>
吸収体、該吸収体の肌対向面側に配された肌側シート、及び該吸収体の非肌対向面に配された非肌側シートを備えた吸収性物品であって、
前記吸収体は、着用者の前後方向に対応する方向に長い形状を有し、且つ
セルロース繊維及び吸水性ポリマーを含む吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する上側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する下側コアラップシートとを有し、該上側コアラップシート及び該下側コアラップシートにより前記吸収性コアの全体が包まれており、
前記上側コアラップシートは、不織布からなり、凹凸形状を有する凹凸領域を有し、該凹凸領域の凸部は、前記不織布の表裏面が何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有しており、
前記上側コアラップシートは、前記吸収体を、前記吸収性コアの幅を3等分する相互に平行な2直線で中央領域及びその両側の側部領域に区分したときの該中央領域に、前記肌側シートに対して、前記吸収体の長手方向に長く固定された上側固定部を有しており、且つ該上側固定部を挟んでその両側に位置する領域に、前記凹凸領域が前記肌側シートに接合されない状態で存在しており、
下側コアラップシートは、前記非肌側シートに固定された下側固定部を有する、吸収性物品。
前記凹凸領域は、凸部が畝部で凹部が溝部であり、複数本の畝部と該畝部間に位置する溝部を備えて畝部と溝部が幅方向に交互に備えた畝溝構造を有する、<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記上側コアラップシートは、前記畝溝構造における畝部と溝部をそれぞれ複数本有し、前記畝部の合計数が4本以上50本以下であり、前記畝部の高さが0.5mm以上5.0mm以下である、<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記凹凸領域の凸部が、ドーム状、立方体状又は皺状の凸部である、<1>に記載の吸収性物品。
<5>
前記上側固定部及び前記下側固定部は、何れも接着剤を介して固定されており、該接着剤は長手方向にパターン塗工されている、<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記上側コアラップシートの方が前記下側コアラップシートよりも親水度が高い<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収性コアは、その肌対向面側に吸水性ポリマーが偏在している、<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記肌側シートは、その全体又は一部が、吸収性物品の肌対向面を形成する液透過性の表面シートと前記吸収体との間に配されたサブレイヤーシートである、<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収性コアは、前記吸収体における、前記上側固定部を挟んでその両側に位置する領域のそれぞれに、吸収性コアの形成材料の坪量が他の部分に比して少ない長手方向に延びる低坪量部を有する、<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記下側コアラップシートは、凹凸領域がない<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
前記吸収性コア40は、長手方向の両側縁40s,40sが内方に向けて凹状をなす括れ部40cと、吸収体の長手方向Xにおいて、該括れ部40cの前後に位置する腹側幅広部40a及び背側幅広部40bを有している<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記液吸収前の吸収体4の平面視においては、上側コアラップシート41と下側コアラップシート43とは、外形が同形状同寸法であり、吸収体4の長手方向X及び幅方向Yにおける長さが同じである<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記吸収性コア40は、セルロース繊維及び吸水性ポリマーを含んでおり、該セルロース繊維としては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプの木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプの非木材パルプの天然セルロース繊維(パルプ繊維)、レーヨン、キュプラの再生セルロース繊維の何れかを含み、再生セルロース繊維は、親水化処理したものであり、これらのセルロース繊維は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いた<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記吸収性コア40は、セルロース繊維の含有量が、該吸収性コア40の全質量に対して、10質量%以上、好ましくは30質量%以上であり、また、80質量%以下、好ましくは70質量%以下であり、また、10質量%以上80質量%以下、好ましくは30質量%以上70質量%以下である<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記吸収性コア40は、吸水性ポリマーの含有量が、該吸収性コア40の全質量に対して、30質量%以上、好ましくは50質量%以上であり、また、70質量%以下、好ましくは60質量%以下であり、また、30質量%以上70質量%以下、好ましくは50質量%以上60質量%以下である<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウムの何れかであり、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用い、粒子状のもの、繊維状のもの何れかであり、前記粒子状の吸水性ポリマーは、その形状が不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球粒凝集タイプ、球状タイプの何れかのタイプである、<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記吸水性ポリマーは、自重の10倍以上の水を保持可能であり、好ましくは自重の20倍以上、更に好ましくは自重の30倍以上の水を保持可能である<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記吸収性コア40の坪量(総ての形成材料の合計坪量)は、300g/m2以上、好ましくは450g/m2以上であり、また、700g/m2以下、好ましくは600g/m2以下である<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記凹凸領域44は、吸収体4の長手方向X(一方向)に延びる複数本の畝部71(凸部)と畝部71,71間に位置する溝部72(凹部)を備えた畝溝構造を有し、畝部71と溝部72は、吸収体4の幅方向Yに交互に形成され、それぞれ複数本形成されて畝溝構造における畝部の裏面側(非肌当接面)は肌面側に窪んでおり、溝部の裏面側(肌当接面)は吸収コア側に突出して、凹凸が表裏一体となって、凹凸領域44は、上側コアラップシート41を構成する不織布を、連続波状の断面を有するように変形させて形成されており、凹凸領域44の個々の畝部71(凸部)においては、上側コアラップシート41を構成する不織布の表裏面が何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有している<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記上側コアラップシート41は、上側固定部42において表面シート2(腹側シート)に接合されている一方、上側固定部42を挟んでその両側に位置する領域S1,S2は、吸収性コア40の肌対向面を覆う部分の全域である吸収体4の幅方向の両端に至るまでの全域が、表面シート2(腹側シート)部分に接合されておらず、凹凸領域44は、上側固定部42を挟んでその両側に位置する、表面シート2(腹側シート)部分に固定されていない前記領域S1,S2にも存在し、また、前記下側コアラップシート43は、非肌側シートとしての裏面シート3に接着剤を介して固定された下側固定部45,45を有し、下側固定部45,45は、下側コアラップシート43における吸収性コア40の非肌対向面を被覆する部分に形成されており、吸収体4の平面視において、前記上側固定部42を挟んでその両側に位置する領域のそれぞれに、相互に離間した状態に一対形成されており、それらの下側固定部45,45は、吸収体4の側部領域S,Sのそれぞれに、相互に離間した状態に形成されている<1>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
上側コアラップシート41と下側コアラップシート43とが1枚のシート又は2枚のシートで形成される<1>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>
上側コアラップシート41と吸収性コア40の肌対向面との間は、スパイラルパターン塗工された接着剤によって接合されている<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
上側コアラップシート41及び下側コアラップシート43を構成する不織布は、それぞれ、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等の不織布;あるいはこれらの2種以上が積層された複合シートであり、該複合シートは、該複合シートを構成する各シートが接着剤によって互いに貼り合わされて構成されているものではなく、不織布の積層体であり、各シートの構成繊維どうしの絡み合い及び/又は熱融着によって各シートが一体化し、一枚のシートとなっている<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記下側コアラップシート43は、クレープ紙から構成されている<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記上側コアラップシート41を構成する不織布は、1層以上のスパンボンド不織布層と1層以上のメルトブローン不織布層との積層体であり、前記積層体は、各不織布層が互いに接合されて一体化しており、一枚の不織布であり、前記積層体における隣接する不織布層どうしは、接着剤によって互いに貼り合わされて一体化しているのではなく、各不織布層の構成繊維どうしの絡み合い及び/又は熱融着によって一体化しており、前記積層体(コアラップシート41,43を構成する不織布)として好ましいものは、2層のスパンボンド不織布層の間に1層のメルトブローン不織布層が配置された状態で一体化された不織布であり、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布、あるいは2層のスパンボンド不織布層の間に2層のメルトブローン不織布層が配置された状態で一体化された不織布である、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)不織布である<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記上側コアラップシート41は、凹凸領域44における畝部71(凸部)の本数が、4本以上であり、好ましくは12本以上であり、また、50本以下、好ましくは20本以下であり、また、4本以上50本以下、好ましくは12本以上20本以下であり、畝部71(凸部)の高さtは、0.5mm以上であり、好ましくは1.5mm以上であり、また、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下であり、また、0.5mm以上5.0mm以下、好ましくは1.5mm以上3.0mm以下であり、畝部71(凸部)のピッチPは0.5mm以上であり、好ましくは1.5mm以上であり、また、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下である<1>〜<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
上側固定部42は、吸収体4の長手方向Xに延びる帯状に1本形成されており、下側固定部45も、同様に、吸収体4の長手方向Xに延びる帯状に1本形成されており、上側固定部42及び下側固定部45は、凹凸領域44と同様に、吸収性物品の全長L(図1参照)の1/3以上の長さに亘って形成されており、好ましくは、股下部Cの全長に亘って形成されている<1>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>
上側固定部42は、その幅W2が、吸収性コア40の前記幅Wの、25%以下であり、好ましくは10%以下であり、また、0.5%以上、好ましくは1%以上であり、また、0.5%以上20%以下であり、好ましくは1%以上10%以下であり、また、下側固定部45を、吸収体4の幅方向に離間させて設けており、それらの離間距離W3は、吸収性コア40の前記幅Wの、50%以下であり、好ましくは30%以下であり、また10%以上、好ましくは20%以上であり、また、10%以上50%以下であり、好ましくは20%以上30%以下である<1>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>
表面シート2と吸収体4との間にサブレイヤーシートが介在し、上側コアラップシート41の上側固定部42は、サブレイヤーシートに接着剤を介して固定し、その固定は、上側コアラップシート41及びサブレイヤーシートに接着剤をパターン塗工して行い、該パターン塗工は、長手方向に長い塗布形状として、スパイラル状、直線状、曲線状、面状いずれかであり、これらの塗布形状が連続又は間欠して塗布されるパターンがある<1>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>
前記サブレイヤーシートは、親水性繊維を主体とするシート(親水性繊維の含有量が好ましくは90質量%以上のシート)を用い、該シートとしては、紙、不織布、ウエブ何れかであり、親水性繊維としては、親水性表面を有する繊維であって、サブレイヤーシートの坪量は、20〜300g/m2、好ましくは60〜200g/m2であり、サブレイヤーシートの無荷重下における厚みは、0.5〜10mm、好ましくは3〜5mmである<1>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
前記吸収性物品が、使い捨ておむつである、前記<1>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<32>
前記使い捨ておむつは展開型の使い捨ておむつであり、背側部Bの両側縁部に、ファスニングテープ5,5が設けられ、腹側部Aの外表面にファスニングテープ5,5を止着するランディングゾーン51が設けられている前記<31>に記載の吸収性物品。
<33>
レッグギャザーを有する前記<32>記載の吸収性物品。
図2及び図3に示す形態の吸収体4を製造した。吸収性コア40は、パルプ繊維と吸水性ポリマーの混合積繊体として形成した。吸収性コア40における、パルプ繊維の坪量は60g/m2、吸水性ポリマーの坪量は170g/m2であった。パルプ繊維としては、通常のフラッフパルプを用いた。吸収性コア40の肌対向面側を被覆する上側のコアラップシート41及び非肌対向面側を被覆する下側のコアラップシート43としては、何れもSMS不織布を用いた。上側コアラップシート41は、畝溝構造を有する凹凸領域44を有するものを用い、凹凸領域44が、図2及び図3に示す位置に配されるように用いた。また、下側コアラップシート43は凹凸領域のないシートを用いた。
また、表面シート及び外層シートとしては下記のものを用いた。また、吸収体4の両側部において、上側コアラップシート41と下側コアラップシート43とを、図2に示すような接合部47が生じるように接着剤を介して接合した。
表面シート:坪量36g/m2のエアスルー不織布
裏面シート:坪量20g/m2のポリエチレンフィルムシート
実施例1と同様の上側コアラップシート及び下側コアラップシートを用いて吸収体を形成し、その吸収体を表面シートと裏面シートとの間に挟み、評価用のおむつとした。吸収体の上側コアラップシート41と表面シート2との間は接着剤を介さなかった。下側コアラップシート43と裏面シート3との間には、吸収体の平面視における上側固定部の両側に、一対の下側固定部45,45が形成されるように接着剤を介して接合した。
上記で用いた吸収体は、実施例1と同様に作成した。
また、表面シート及び外層シート、及び吸収体4の両側部において、上側コアラップシート41と下側コアラップシート43との接合は実施例1と同様に作成した。
実施例1と同様の上側コアラップシート及び下側コアラップシートを用いて吸収体を形成し、その吸収体を表面シートと裏面シートとの間に挟み、評価用のおむつとした。吸収体の上側コアラップシート41と表面シート2との間に、平面視した時に、下側固定部45,45に重なる位置において接着剤を介して固定した。更に下側コアラップシート43と裏面シート3との間には、図2に示す通り、一対の下側固定部45,45が形成されるように接着剤を介して接合した。
上記で用いた吸収体は、実施例1と同様に作成した。
また、表面シート及び外層シート、及び吸収体4の両側部において、上側コアラップシート41と下側コアラップシート43との接合は実施例1と同様に作成した。
以下の方法により、実施例及び比較例の各評価用のおむつについて、コアラップシート又はその接合部の破損防止性を評価した。
〔評価方向〕
赤く着色した人工尿30gを、吸収体の中央部の1点に注入し5分間放置した後、同じ場所に再び人工尿30gを注入して5分間放置した。
次いで、人工尿を注入した中心点を中心に位置させ、1辺が100mm、厚みが5mmの正方形状の60gのアクリル板をおき、更にその上に4kgの錘を90秒間載せた。このようにして吸液及び加圧を行った後のサンプルについて、吸水性ポリマーの漏れの有無、及びコアラップシートの破れについて目視にて調べた。
〔結果〕
結果は、実施例については、コアラップシート同士の接合部に破損は視られず、吸水性ポリマーの漏れも観察されなかった。これに対して、比較例1、2については、コアラップシート同士の接合部47の接着が一部剥がれ、その部分から吸水性ポリマーが漏れ出した状態が観察された。
2 表面シート(肌側シート)
3 裏面シート(非肌側シート)
4,4A,4B吸収体
40 吸収性コア
41 上側コアラップシート
42 上側固定部
43 下側コアラップシート
44,7A〜7C 凹凸領域
45 下側固定部
5 ファスニングテープ
6 立体ギャザー
8 低坪量部
71 畝部(凸部)
72 溝部(凹部)
Claims (10)
- 吸収体、該吸収体の肌対向面側に配された肌側シート、及び該吸収体の非肌対向面に配された非肌側シートを備えた吸収性物品であって、
前記吸収体は、着用者の前後方向に対応する方向に長い形状を有し、且つ
セルロース繊維及び吸水性ポリマーを含む吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する上側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する下側コアラップシートとを有し、該上側コアラップシート及び該下側コアラップシートにより前記吸収性コアの全体が包まれており、
前記上側コアラップシートは、不織布からなり、凹凸形状を有する凹凸領域を有し、該凹凸領域の凸部は、前記不織布の表裏面が何れも着用者の肌側に向かって凸の断面形状を有しており、
前記上側コアラップシートは、前記吸収体を、前記吸収性コアの幅を3等分する相互に平行な2直線で中央領域及びその両側の側部領域に区分したときの該中央領域に、前記肌側シートに対して、前記吸収体の長手方向に長く固定された上側固定部を有しており、且つ該上側固定部を挟んでその両側に位置する領域に、前記凹凸領域が前記肌側シートに接合されない状態で存在しており、
下側コアラップシートは、前記非肌側シートに固定された下側固定部を有する、吸収性物品。 - 前記凹凸領域は、凸部が畝部で凹部が溝部であり、複数本の畝部と該畝部間に位置する溝部を備えて畝部と溝部が幅方向に交互に備えた畝溝構造を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記上側コアラップシートは、前記畝溝構造における畝部と溝部をそれぞれ複数本有し、前記畝部の合計数が4本以上50本以下であり、前記畝部の高さが0.5mm以上5.0mm以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記凹凸領域の凸部が、ドーム状、立方体状又は皺状の凸部である、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記上側固定部及び前記下側固定部は、何れも接着剤を介して固定されており、該接着剤は長手方向にパターン塗工されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記上側コアラップシートの方が前記下側コアラップシートよりも親水度が高い請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性コアは、その肌対向面側に吸水性ポリマーが偏在している、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記肌側シートは、その全体又は一部が、吸収性物品の肌対向面を形成する液透過性の表面シートと前記吸収体との間に配されたサブレイヤーシートである、請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性コアは、前記吸収体における、前記上側固定部を挟んでその両側に位置する領域のそれぞれに、吸収性コアの形成材料の坪量が他の部分に比して少ない長手方向に延びる低坪量部を有する、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記下側コアラップシートは、凹凸領域がない請求項1〜9何れか1項に記載の吸収性物品。
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