JP2015113808A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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明大 角田
Akihiro Sumida
明大 角田
啓治 小森
Keiji Komori
啓治 小森
弘毅 上石田
Koki Kamiishida
弘毅 上石田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、騒音を低減することができるロータリ圧縮機を提供することである。【解決手段】ロータリ圧縮機101は、ケーシング10と、ケーシング10の内部に設置される圧縮機構15とを備える。圧縮機構15は、シリンダ24と、ピストン21と、フロントヘッド23と、リアヘッド25とを備える。ピストン21は、シリンダ24の内部の空間を吸入室40aと吐出室40bとに区画する。フロントヘッド23は、第1シリンダ端面34a、および、第1ピストン端面31aと接する。リアヘッド25は、第2シリンダ端面34b、および、第2ピストン端面31bと接する。シリンダ24、ピストン21、フロントヘッド23およびリアヘッド25の少なくとも1つに、バイパス路が形成されている。バイパス路は、シリンダ24の内部でピストン21が回転する過程において吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通させる。【選択図】図5

Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関する。
従来、シリンダ内で偏心回転するピストンを利用して冷媒を圧縮するロータリ圧縮機が用いられている。ピストンは、シリンダの内部の空間を吸入空間と吐出空間とに区画する。ピストンが偏心回転することで、吸入空間に吸入された低圧の冷媒が、吐出空間で圧縮され、高圧の圧縮冷媒が、吐出ポートを介して吐出空間から吐出される。吐出ポートは、圧縮冷媒を吐出した後、ピストンによって一時的に閉じられる。このとき、吐出ポートには圧縮冷媒が残留している。その後、ピストンが偏心回転して、吐出ポートが吐出空間に連通すると、吐出ポート内の高圧の圧縮冷媒が、低圧の吐出空間に流れ込む。このとき、圧縮冷媒は、吐出空間で膨張して圧力波を発生させる。圧力波は、吐出空間を伝達して吐出空間の両端において反射する。そして、反射した圧力波が互いに干渉することで、圧力波のエネルギーが増幅されて、圧力脈動が発生する。圧力脈動は、運転中のロータリ圧縮機の騒音の原因となる。
圧縮冷媒の圧力脈動に起因する騒音を抑制するための機構を有するロータリ圧縮機が提案されている。例えば、特許文献1(特開平8−219051号公報)には、吐出空間における冷媒の圧縮が開始した後に、高圧の潤滑油をシリンダの内部空間に注入する機構を備えるロータリ圧縮機が開示されている。この圧縮機は、圧縮冷媒の膨張により発生する圧力波に高圧流体をぶつけて相互に干渉させることで、圧力脈動を低減することができる。また、特許文献2(特開平6−147178号公報)には、シリンダの内部空間においてピストンの回転に追従して往復運動するベーンに溝が形成されているロータリ圧縮機が開示されている。この圧縮機は、圧縮冷媒の圧力波をベーンの溝に吸収させることで、圧力脈動を低減することができる。
本発明の目的は、騒音を低減することができるロータリ圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係るロータリ圧縮機は、ケーシングと、ケーシングの内部に設置される圧縮機構とを備える。圧縮機構は、シリンダと、ピストンと、フロントヘッドと、リアヘッドとを備える。ピストンは、シリンダの内部に設置され、シリンダの内部の空間を吸入空間と吐出空間とに区画する。フロントヘッドは、シリンダの一方の端面である第1シリンダ端面、および、ピストンの一方の端面である第1ピストン端面と接する。リアヘッドは、シリンダの他方の端面である第2シリンダ端面、および、ピストンの他方の端面である第2ピストン端面と接する。シリンダ、ピストン、フロントヘッドおよびリアヘッドの少なくとも1つに、バイパス路が形成されている。バイパス路は、シリンダの内部でピストンが回転する過程において吸入空間と吐出空間とを一時的に連通させる。
このロータリ圧縮機では、シリンダ、ピストン、フロントヘッドおよびリアヘッドの少なくとも1つに、バイパス路が形成されている。バイパス路は、圧縮機構に残留している圧縮冷媒に起因する圧力脈動を低減するために形成されている。具体的には、ピストンが偏心回転する過程において、圧縮機構の吐出ポートに残留している高圧の圧縮冷媒が、低圧の吐出空間に流れ込み、吐出空間で膨張して圧力波を発生させる。圧力波は、吐出空間を伝達して吐出空間の両端において反射する。吐出空間において、反射した圧力波が互いに干渉して、圧力脈動が発生する。ピストンが偏心回転する過程において、圧力波の一部は、バイパス路を通過して、吐出空間から吸入空間に逃げることができる。これにより、吐出空間における圧力波の反射が抑制され、圧力脈動が低減される。圧力脈動は、運転中のロータリ圧縮機の騒音の原因となる。従って、本発明の第1観点に係るロータリ圧縮機は、騒音を低減することができる。
本発明の第2観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点に係るロータリ圧縮機であって、バイパス路は、シリンダバイパス溝、ピストンバイパス溝、およびヘッドバイパス溝の少なくとも1つである。シリンダバイパス溝は、第1シリンダ端面および第2シリンダ端面の少なくとも一方に形成される溝である。ピストンバイパス溝は、第1ピストン端面および第2ピストン端面の少なくとも一方に形成される溝である。ヘッドバイパス溝は、フロントヘッドのシリンダ側の端面、および、リアヘッドのシリンダ側の端面の少なくとも一方に形成される溝である。
本発明の第3観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点に係るロータリ圧縮機であって、バイパス路は、シリンダバイパス切欠、およびピストンバイパス切欠の少なくとも1つである。シリンダバイパス切欠は、第1シリンダ端面および第2シリンダ端面の少なくとも一方と、シリンダの内周面との間の角に形成される切欠である。ピストンバイパス切欠は、第1ピストン端面および第2ピストン端面の少なくとも一方と、ピストンの外周面との間の角に形成される切欠である。
本発明の第4観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点に係るロータリ圧縮機であって、バイパス路は、シリンダバイパス貫通溝、およびピストンバイパス貫通溝の少なくとも1つである。シリンダバイパス貫通溝は、第1シリンダ端面から第2シリンダ端面まで、シリンダの内周面に形成される溝である。ピストンバイパス貫通溝は、第1ピストン端面から第2ピストン端面まで、ピストンの外周面に形成される溝である。
本発明の第5観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点乃至第4観点のいずれか1つに係るロータリ圧縮機であって、バイパス路は、吸入空間と吐出空間とが一時的に連通する時におけるピストンの回転角度が90°〜270°となるように形成されている。
本発明の第6観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点乃至第5観点のいずれか1つに係るロータリ圧縮機であって、バイパス路は、第1回転角度と第2回転角度との差が20°〜30°となるように形成されている。第1回転角度は、吸入空間と吐出空間とが連通し始める時のピストンの回転角度である。第2回転角度は、吸入空間と吐出空間とが連通し終わる時のピストンの回転角度である。
本発明に係るロータリ圧縮機は、騒音を低減することができる。
第1実施形態に係るロータリ圧縮機の縦断面図である。 図1の線分II−IIにおける圧縮機構の断面図である。 ピストンの回転角度が0°の場合における、圧縮機構の断面図である。 第1実施形態に係るシリンダの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図5に示されるシリンダバイパス溝の近傍の拡大図である。 変形例1Aに係るピストンの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図8に示されるピストンバイパス溝の近傍の拡大図である。 変形例1Bに係るフロントヘッドの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図11に示されるヘッドバイパス溝の近傍の拡大図である。 変形例1Cに係るシリンダの外観図である。 第2実施形態に係るシリンダの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図15に示されるシリンダバイパス切欠の近傍の拡大図である。 変形例2Aに係るピストンの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図18に示されるピストンバイパス切欠の近傍の拡大図である。 第3実施形態に係るシリンダの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図21に示されるシリンダバイパス貫通溝の近傍の拡大図である。 変形例3Aに係るピストンの外観図である。 吸入室と吐出室とが連通している時における、圧縮機構の断面図である。 図24に示されるピストンバイパス貫通溝の近傍の拡大図である。
―第1実施形態―
本発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機について、図面を参照しながら説明する。ロータリ圧縮機は、シリンダの内部でピストンを偏心回転させて、シリンダの内部の空間の容積を変化させることにより、空気調和装置等の冷媒回路を循環する冷媒を圧縮する圧縮機である。
(1)ロータリ圧縮機の構成
図1は、本実施形態に係るロータリ圧縮機101の縦断面図である。ロータリ圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、駆動モータ16と、クランク軸17と、吸入管19と、吐出管20とを備える。ロータリ圧縮機101は、1シリンダタイプの圧縮機である。次に、ロータリ圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置されている。ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される油貯留部10aが設けられている。潤滑油は、ロータリ圧縮機101内部の摺動部を潤滑するために用いられる冷凍機油である。
ケーシング10は、主として、圧縮機構15と、圧縮機構15の上方に配置される駆動モータ16と、鉛直方向に延びるように配置されるクランク軸17とを収容している。圧縮機構15は、駆動モータ16と、クランク軸17によって連結されている。ケーシング10の壁部には、吸入管19および吐出管20が気密状に溶接されている。
(1−2)圧縮機構
図2は、図1の線分II―IIにおける圧縮機構15の断面図である。圧縮機構15は、主として、フロントヘッド23と、シリンダ24と、リアヘッド25と、ピストン21と、ブッシュ22とから構成されている。フロントヘッド23、シリンダ24、およびリアヘッド25は、ボルトによって一体的に締結されている。圧縮機構15の上方の空間は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が吐出される高圧空間S1である。
圧縮機構15は、油貯留部10aに貯留されている潤滑油に浸漬されている。油貯留部10aの潤滑油は、差圧等によって、圧縮機構15の摺動部に供給される。次に、圧縮機構15の各構成要素について説明する。
(1−2−1)シリンダ
シリンダ24は、主として、シリンダ孔24aと、吸入孔24bと、吐出路24cと、ブッシュ収容孔24dと、ブレード収容孔24eと、断熱孔24fとを有している。シリンダ24は、フロントヘッド23およびリアヘッド25と連結されている。シリンダ24の上側の端面である第1シリンダ端面34aは、フロントヘッド23の下面と接している。シリンダ24の下側の端面である第2シリンダ端面34bは、リアヘッド25の上面と接している。
シリンダ孔24aは、第1シリンダ端面34aから第2シリンダ端面34bに向かって、鉛直方向にシリンダ24を貫通している円柱状の孔である。シリンダ孔24aは、シリンダ24の内周面であるシリンダ内周面34cによって囲まれる空間である。吸入孔24bは、シリンダ24の外周面であるシリンダ外周面34dからシリンダ内周面34cに向かって、シリンダ24の径方向に沿って貫通している孔である。吐出路24cは、シリンダ内周面34cの一部が切り欠かれることによって、鉛直方向にシリンダ24を貫通することなく形成される空間である。ブッシュ収容孔24dは、鉛直方向にシリンダ24を貫通し、かつ、鉛直方向に沿って見た場合において吸入孔24bと吐出路24cとの間に配置される孔である。ブレード収容孔24eは、鉛直方向にシリンダ24を貫通し、かつ、ブッシュ収容孔24dと連通する孔である。断熱孔24fは、シリンダ外周面34dとシリンダ内周面34cとの間において、鉛直方向にシリンダ24を貫通する孔である。シリンダ24は、複数の断熱孔24fを有する。
シリンダ孔24aは、クランク軸17の偏心軸部17a、および、ピストン21のローラ21aを収容する。ブッシュ収容孔24dは、ピストン21のブレード21bおよびブッシュ22を収容する。ブレード収容孔24eにピストン21のブレード部21bが収容されている状態において、吐出路24cは、フロントヘッド23側に形成されている。また、後述するように、シリンダ24の第1シリンダ端面34aには、シリンダバイパス溝34eが形成されている。
(1−2−2)ピストン
ピストン21は、シリンダ24のシリンダ孔24aに挿入される。ピストン21は、略円筒状のローラ21aと、ローラ21aの径方向外側に突出するブレード21bとを有する。ピストン21は、ローラ21aおよびブレード21bが一体となっている部材である。ピストン21の上側の端面である第1ピストン端面31aは、フロントヘッド23の下面と接している。ピストン21の下側の端面である第2ピストン端面31bは、リアヘッド25の上面と接している。
ローラ21aは、クランク軸17の偏心軸部17aに嵌合された状態で、シリンダ24のシリンダ孔24aに挿入される。これにより、ローラ21aは、クランク軸17の軸回転によって、クランク軸17の回転軸を中心とする公転運動を行う。ローラ21aは、圧縮機構15を上面視した場合に、時計回りに公転する。
ブレード部21bは、シリンダ24のブッシュ収容孔24dおよびブレード収容孔24eに収容される。これにより、ブレード部21bは、揺動しながら、その長手方向に沿って進退運動を行う。
圧縮機構15は、シリンダ24と、ピストン21と、フロントヘッド23と、リアヘッド25とによって囲まれる空間である圧縮室を有している。圧縮室は、ピストン21によって、吸入孔24bと連通する吸入室40aと、吐出路24cと連通する吐出室40bとに区画されている。図2において、吸入室40aおよび吐出室40bは、シリンダ内周面34cと、ピストン21の外周面であるピストン外周面31cとによって囲まれている領域として示されている。吸入室40aおよび吐出室40bの容積は、ピストン21の位置に応じて変化する。
(1−2−3)ブッシュ
ブッシュ22は、一対の略半円柱状の部材である。ブッシュ22は、ピストン21のブレード部21bを挟み込むようにして、シリンダ24のブッシュ収容孔24dに収容される。
(1−2−4)フロントヘッド
フロントヘッド23は、シリンダ24の第1シリンダ端面34aを覆う部材である。フロントヘッド23は、ボルト等によって、ケーシング10に締結されている。フロントヘッド23は、クランク軸17を支持するための上部軸受部23aを有する。フロントヘッド23は、吐出ポート23bを有している。吐出ポート23bは、吐出路24cおよび高圧空間S1と連通している。吐出ポート23bは、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を、吐出室40bから高圧空間S1に送るための流路である。フロントヘッド23の上面には、吐出ポート23bの上側の開口部を塞ぐ吐出弁23cが取り付けられている。吐出弁23cは、高圧空間S1から吐出室40bへの冷媒の逆流を防ぐための弁である。吐出弁23cは、吐出ポート23b内部の冷媒の圧力によって上方に持ち上げられる。これにより、吐出ポート23bは、高圧空間S1と連通する。
(1−2−5)リアヘッド
リアヘッド25は、シリンダ24の第2シリンダ端面34bを覆う部材である。リアヘッド25は、クランク軸17を支持するための下部軸受部25aを有する。シリンダ24のシリンダ孔24aは、フロントヘッド23およびリアヘッド25によって閉塞されている。
(1−3)駆動モータ
駆動モータ16は、ケーシング10の内部に収容され、圧縮機構15の上方に設置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主として、ケーシング10の内壁面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて回転自在に収容されるロータ52とから構成される。
ステータ51は、ステータコア61と、ステータコア61の鉛直方向の両端面に取り付けられる一対のインシュレータ62とを有する。ステータコア61は、円筒部と、円筒部の内周面から径方向内側に向かって突出している複数のティース(図示せず)とを有する。ステータコア61のティースは、一対のインシュレータ62と共に、導線が巻き付けられている。これにより、ステータコア61の各ティースには、コイル72aが形成されている。
ステータ51の外側面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、かつ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が設けられている。コアカット部は、胴部ケーシング部11とステータ51との間を鉛直方向に延びるモータ冷却通路を形成する。
ロータ52は、鉛直方向に積層された複数の金属板から構成される。ロータ52は、その回転中心を鉛直方向に貫通するクランク軸17に連結されている。ロータ52は、クランク軸17を介して、圧縮機構15と接続されている。
ロータ52は、鉛直方向に積層された複数の金属板から構成されるロータコア52aと、ロータコア52aに埋め込まれている複数の磁石52bとを有する。磁石52bは、ロータコア52aの周方向に沿って、等間隔に配置されている。
(1−4)クランク軸
クランク軸17は、ケーシング10の内部に収容され、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランク軸17は、駆動モータ16のロータ52、および、圧縮機構15のピストン21に連結されている。クランク軸17は、偏心軸部17aを有している。偏心軸部17aは、シリンダ24のシリンダ孔24aに挿入されるピストン21のローラ21aと連結している。クランク軸17の上側の端部は、駆動モータ16のロータ52と連結している。クランク軸17は、フロントヘッド23の上部軸受部23a、および、リアヘッド25の下部軸受部25aによって支持されている。
(1−5)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の胴部ケーシング部11を貫通する管である。ケーシング10の内部にある吸入管19の端部は、シリンダ24の吸入孔24bに嵌め込まれている。ケーシング10の外部にある吸入管19の端部は、冷媒回路に接続されている。吸入管19は、冷媒回路から圧縮機構15に冷媒を供給するための管である。
(1−6)吐出管
吐出管20は、ケーシング10の上壁部12を貫通する管である。ケーシング10の内部にある吐出管20の端部は、駆動モータ16の上方の空間に位置している。ケーシング10の外部にある吐出管20の端部は、冷媒回路に接続されている。吐出管20は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を冷媒回路に供給するための管である。
(2)ロータリ圧縮機の詳細な構成
最初に、ピストン21の回転角度を定義する。クランク軸17の回転によって、シリンダ孔24aに収容されているピストン21のローラ21aが偏心回転する。ローラ21aの偏心回転によって、吐出室40bの容積が減少し始めるときのピストン21の回転角度を0°と規定する。図3は、ピストン21の回転角度が0°の場合における、圧縮機構15の断面図である。図3において、ピストン21のブレード21b全体は、ブッシュ収容孔24dおよびブレード収容孔24eに収容されている。このとき、クランク軸17の回転によって、ローラ21aが時計回りに偏心回転すると、ピストン21の回転角度が0°から増加して、吐出室40bの容積が減少して、吸入室40aの容積が増加する。そして、ピストン21の回転角度が360°になると、ピストン21は、図3に示される状態に戻る。ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、ピストン外周面31cとシリンダ内周面34cとが互いに接しながら、ピストン21が時計回りに公転する。
シリンダ24の第1シリンダ端面34aには、シリンダバイパス溝34eが形成されている。図4は、シリンダ24の外観図である。図4に示されるように、シリンダバイパス溝34eは、第1シリンダ端面34aに形成される溝であって、かつ、シリンダ内周面34cに開口している。シリンダ内周面34cにおけるシリンダバイパス溝34eの2つの開口部を、それぞれ、第1シリンダ溝開口部34e1および第2シリンダ溝開口部34e2と呼ぶ。
シリンダバイパス溝34eは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図5は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図6は、図5に示されるシリンダバイパス溝34eの近傍の拡大図である。図5において、ピストン21の回転角度はθで示されている。図6に示されるように、シリンダバイパス溝34eの第1シリンダ溝開口部34e1は吸入室40aに開口し、シリンダバイパス溝34eの第2シリンダ溝開口部34e2は吐出室40bに開口している。シリンダバイパス溝34eは、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通させるバイパス路として機能する。吸入室40aと吐出室40bとが連通している時におけるピストン21の回転角度θは、90°〜270°の範囲内にあることが好ましく、125°〜145°の範囲内にあることがより好ましい。吸入室40aと吐出室40bとが連通し始める前において、シリンダバイパス溝34eは、吐出室40bのみと連通している。吸入室40aと吐出室40bとが連通し終わった後において、シリンダバイパス溝34eは、吸入室40aのみと連通している。
なお、シリンダバイパス溝34eは、第2シリンダ端面34bに形成されていてもよく、また、第1シリンダ端面34aおよび第2シリンダ端面34bの両方に形成されていてもよい。第1シリンダ端面34aおよび第2シリンダ端面34bの両方にシリンダバイパス溝34eが形成されている場合、シリンダ24を軸方向から見て、2つのシリンダバイパス溝34eは、第1シリンダ端面34aおよび第2シリンダ端面34bの同じ位置に形成されていてもよく、互いに異なる位置に形成されていてもよい。
(3)ロータリ圧縮機の動作
ロータリ圧縮機101の動作について説明する。駆動モータ16が始動すると、クランク軸17の偏心軸部17aは、クランク軸17の回転軸を中心に偏心回転する。これにより、偏心軸部17aに連結されているピストン21のローラ21aは、シリンダ孔24aにおいて公転する。ピストン外周面31cがシリンダ内周面34cと接しながら、ローラ21aは公転する。ローラ21aの公転によって、ピストン21のブレード21bは、その両側面をブッシュ22に挟まれながら進退する。
ローラ21aの公転に伴い、吸入孔24bと連通する吸入室40aは、徐々に容積を増加させる。このとき、ケーシング10の外部から吸入管19を経由して、吸入室40aに低圧の冷媒が流入する。ローラ21aの公転に伴い、吸入室40aは、吐出路24cと連通する吐出室40bとなり、吐出室40bは、徐々に容積を減少させて、再び吸入室40aとなる。これにより、吸入管19から吸入孔24bを経由して吸入室40aに吸入された低圧の冷媒は、吐出室40bで圧縮される。吐出室40bで圧縮された高圧の冷媒は、吐出路24cおよび吐出ポート23bを経由して、高圧空間S1に吐出される。高圧空間S1に吐出された冷媒は、駆動モータ16のモータ冷却通路を通過して上方に向かって流れた後、吐出管20からケーシング10の外部に吐出される。
(4)特徴
本実施形態に係るロータリ圧縮機101では、シリンダ24の第1シリンダ端面34aに、シリンダバイパス溝34eが形成されている。シリンダバイパス溝34eは、圧縮機構15に残留している圧縮冷媒に起因する圧力脈動を低減するために形成されている。
ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吐出室40bの圧縮冷媒が高圧空間S1に吐出された後、吐出ポート23bの下側の開口部は、ピストン21の第1ピストン端面31aによって一時的に塞がれる。このとき、吐出ポート23bの上側の開口部は、吐出弁23cによって閉じられている。そのため、圧縮機構15から圧縮冷媒が高圧空間S1に吐出された直後において、吐出ポート23bには、高圧の圧縮冷媒が一時的に閉じ込められている。この状態で、ピストン21がさらに公転すると、吐出ポート23bは、吐出室40bと連通する。この時点で、ピストン21の公転によって、吐出室40bの容積は減少しており、吸入室40aの容積は増加している。
高圧の圧縮冷媒が閉じ込められている吐出ポート23bが吐出室40bと連通すると、吐出ポート23b内の圧縮冷媒は、低圧の吐出室40bに急激に流れ込む。このとき、圧縮冷媒は、吐出室40bで膨張して、圧力波を発生させる。圧力波は、吐出室40bを伝達して、吐出室40bの長手方向の両端において反射する。すなわち、圧力波は、吐出室40bの長手方向に沿って、吐出室40b内を往復する。そのため、吐出室40bにおいて、反射した圧力波が互いに干渉する。これにより、吐出室40bにおいて、圧力波のエネルギーが増幅されて、圧力脈動が発生する。圧力波のエネルギーは、圧力波の振幅の2乗に比例する。すなわち、圧力波の振幅が大きいほど、圧力脈動は激しい。
ロータリ圧縮機101では、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、圧力波の一部は、シリンダバイパス溝34eを通過して、吐出室40bから吸入室40aに逃げる。これにより、吐出室40bにおける圧力波の反射および干渉が抑制されるので、吐出室40bを伝達する圧力波の振幅が減衰し、吐出室40bで発生する圧力脈動が低減される。従って、シリンダ24にシリンダバイパス溝34eが形成されていることにより、ロータリ圧縮機101は、騒音を低減することができる。
また、吐出室40bで発生する圧力脈動が低減されることによって、吐出室40bで圧縮される冷媒の圧縮過程損失が低減される。従って、シリンダ24にシリンダバイパス溝34eが形成されていることにより、ロータリ圧縮機101は、圧縮機構15の効率を向上させることができる。
(5)変形例
本実施形態の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本実施形態に適用可能な変形例について説明する。
(5−1)変形例1A
本実施形態では、シリンダ24にバイパス路が形成されているが、シリンダバイパス溝34eの代わりに、ピストン21にバイパス路が形成されていてもよい。図7は、本変形例におけるピストン21の外観図である。図7に示されるように、ピストン21の第1ピストン端面31aには、ピストンバイパス溝31dが形成されている。ピストンバイパス溝31dは、第1ピストン端面31aに形成される溝であって、かつ、ピストン外周面31cに開口している。ピストン外周面31cにおけるピストンバイパス溝31dの2つの開口部を、それぞれ、第1ピストン溝開口部31d1および第2ピストン溝開口部31d2と呼ぶ。
ピストンバイパス溝31dは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図8は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図9は、図8に示されるピストンバイパス溝31dの近傍の拡大図である。図9に示されるように、ピストンバイパス溝31dの第1ピストン溝開口部31d1は吸入室40aに開口し、ピストンバイパス溝31dの第2ピストン溝開口部31d2は吐出室40bに開口する。ピストンバイパス溝31dは、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通させるバイパス路として機能する。吸入室40aと吐出室40bとが連通している時におけるピストン21の回転角度θは、90°〜270°であることが好ましく、125°〜145°であることがより好ましい。吸入室40aと吐出室40bとが連通し始める前において、ピストンバイパス溝31dは、吐出室40bのみと連通している。吸入室40aと吐出室40bとが連通し終わった後において、ピストンバイパス溝31dは、吸入室40aのみと連通している。
なお、ピストンバイパス溝31dは、第2ピストン端面31bに形成されていてもよく、また、第1ピストン端面31aおよび第2ピストン端面31bの両方に形成されていてもよい。第1ピストン端面31aおよび第2ピストン端面31bの両方にピストンバイパス溝31dが形成されている場合、シリンダ24を軸方向から見て、2つのピストンバイパス溝31dは、第1ピストン端面31aおよび第2ピストン端面31bの同じ位置に形成されていてもよく、互いに異なる位置に形成されていてもよい。
(5−2)変形例1B
本実施形態では、シリンダ24にバイパス路が形成されているが、シリンダバイパス溝34eの代わりに、フロントヘッド23にバイパス路が形成されていてもよい。図10は、本変形例におけるフロントヘッド23の外観図である。図10に示されるように、フロントヘッド23のシリンダ24側の端面であるフロントヘッド端面23dには、ヘッドバイパス溝23eが形成されている。フロントヘッド端面23dの中央部には、クランク軸17が貫通するクランク軸貫通孔23fが形成されている。クランク軸貫通孔23fの近傍には、圧縮冷媒が通過する空間である吐出ポート23bが形成されている。
ヘッドバイパス溝23eは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図11は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図12は、図11に示されるヘッドバイパス溝23eの近傍の拡大図である。図11および図12において、ヘッドバイパス溝23eの位置は、点線で示されている。図12に示されるように、ヘッドバイパス溝23eは吸入室40aおよび吐出室40bに開口している。ヘッドバイパス溝23eは、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通させるバイパス路として機能する。吸入室40aと吐出室40bとが連通している時におけるピストン21の回転角度θは、90°〜270°であることが好ましく、125°〜145°であることがより好ましい。吸入室40aと吐出室40bとが連通し始める前において、ヘッドバイパス溝23eは、吐出室40bのみと連通している。吸入室40aと吐出室40bとが連通し終わった後において、ヘッドバイパス溝23eは、吸入室40aのみと連通している。
なお、ヘッドバイパス溝23eは、フロントヘッド23の代わりにリアヘッド25に形成されていてもよい。この場合、ヘッドバイパス溝23eは、リアヘッド25のシリンダ24側の端面であるリアヘッド端面に形成される溝である。
また、ヘッドバイパス溝23eは、フロントヘッド23およびリアヘッド25の両方に形成されていてもよい。フロントヘッド23およびリアヘッド25の両方にヘッドバイパス溝23eが形成されている場合、シリンダ24を軸方向から見て、2つのヘッドバイパス溝23eは、フロントヘッド端面23dおよびリアヘッド端面の同じ位置に形成されていてもよく、互いに異なる位置に形成されていてもよい。
(5−3)変形例1C
本実施形態および変形例1A,1Bでは、シリンダ24、ピストン21、フロントヘッド23およびリアヘッド25に、バイパス路として機能する溝が形成されている。しかし、シリンダ24、ピストン21、フロントヘッド23およびリアヘッド25に、バイパス路として機能する孔が形成されてもよい。一例として、図13は、シリンダ24に形成され、かつ、バイパス路として機能するシリンダバイパス孔34fを有するシリンダ24の外観図である。シリンダバイパス孔34fは、第1シリンダ孔開口部34f1および第2シリンダ孔開口部34f2を、シリンダ内周面34cに開口する。シリンダバイパス孔34fが吸入室40aと吐出室40bとを連通している時において、例えば、第1シリンダ孔開口部34f1は吸入室40aに開口し、第2シリンダ孔開口部34f2は吐出室40bに開口する。
―第2実施形態―
本発明の第2実施形態に係るロータリ圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のロータリ圧縮機は、圧縮機構15のシリンダ24およびピストン21を除いて、第1実施形態のロータリ圧縮機101と同じ構成要素を有する。図面において、第1実施形態のロータリ圧縮機101と共通する構成要素には、第1実施形態で用いられる参照符号と同じ参照符号が用いられている。また、本実施形態のロータリ圧縮機は、第1実施形態のロータリ圧縮機101と同じ動作を行う。以下、本実施形態と第1実施形態との間の相違点について主に説明する。
(1)ロータリ圧縮機の詳細な構成
図14は、本実施形態におけるシリンダ24の外観図である。第1実施形態では、シリンダ24の第1シリンダ端面34aに、シリンダバイパス溝34eが形成されている。一方、本実施形態では、シリンダ24に、シリンダバイパス切欠134eが形成されている。シリンダバイパス切欠134eは、第1シリンダ端面34aとシリンダ内周面34cとの間の角部に形成される切欠である。
シリンダバイパス切欠134eは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図15は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図16は、図15に示されるシリンダバイパス切欠134eの近傍の拡大図である。吸入室40aと吐出室40bとが連通している時におけるピストン21の回転角度θは、90°〜270°であることが好ましく、125°〜145°であることがより好ましい。
なお、シリンダバイパス切欠134eは、第2シリンダ端面34b側の角部に形成されていてもよく、また、第1シリンダ端面34a側の角部、および第2シリンダ端面34b側の角部の両方に形成されていてもよい。第1シリンダ端面34a側の角部、および第2シリンダ端面34b側の角部の両方にシリンダバイパス切欠134eが形成されている場合、シリンダ24を軸方向から見て、2つのシリンダバイパス切欠134eは、第1シリンダ端面34aおよび第2シリンダ端面34bの同じ位置に形成されてもよく、互いに異なる位置に形成されてもよい。
(2)特徴
本実施形態に係るロータリ圧縮機101では、シリンダ24に、シリンダバイパス切欠134eが形成されている。シリンダバイパス切欠134eは、第1実施形態のシリンダバイパス溝34eと同じ機能を有するバイパス路である。すなわち、シリンダバイパス切欠134eは、圧縮機構15に残留している圧縮冷媒に起因する圧力脈動を低減するために形成されている。
図16に示されるように、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、圧力波の一部は、シリンダバイパス切欠134eを通過して、吐出室40bから吸入室40aに逃げることができる。これにより、吐出室40bにおける圧力波の反射および干渉が抑制されるので、吐出室40bで発生する圧力脈動が低減される。従って、シリンダ24にシリンダバイパス切欠134eが形成されていることにより、ロータリ圧縮機101は、騒音を低減することができる。
また、吐出室40bで発生する圧力脈動が低減されることによって、吐出室40bで圧縮される冷媒の圧縮過程損失が低減される。従って、シリンダ24にシリンダバイパス切欠134eが形成されていることにより、ロータリ圧縮機101は、圧縮機構15の効率を向上させることができる。
(3)変形例2A
本実施形態の変形例について説明する。本実施形態では、シリンダ24にバイパス路が形成されているが、シリンダバイパス切欠134eの代わりに、ピストン21にバイパス路が形成されていてもよい。図17は、本変形例におけるピストン21の外観図である。図17に示されるように、ピストン21には、ピストンバイパス切欠131dが形成されている。ピストンバイパス切欠131dは、第1ピストン端面31aとピストン外周面31cとの間の角部に形成される切欠である。
ピストンバイパス切欠131dは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図18は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図19は、図18に示されるピストンバイパス切欠131dの近傍の拡大図である。図19に示されるように、ピストンバイパス切欠131dは、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通させるバイパス路として機能する。
なお、ピストンバイパス切欠131dは、第2ピストン端面31b側の角部に形成されていてもよく、また、第1ピストン端面31a側の角部、および第2ピストン端面31b側の角部の両方に形成されていてもよい。第1ピストン端面31a側の角部、および第2ピストン端面31b側の角部の両方にピストンバイパス切欠131dが形成されている場合、シリンダ24を軸方向から見て、2つのピストンバイパス切欠131dは、第1ピストン端面31aおよび第2ピストン端面31bの同じ位置に形成されてもよく、互いに異なる位置に形成されてもよい。
―第3実施形態―
本発明の第3実施形態に係るロータリ圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のロータリ圧縮機は、圧縮機構15のシリンダ24およびピストン21を除いて、第1実施形態のロータリ圧縮機101と同じ構成要素を有する。図面において、第1実施形態のロータリ圧縮機101と共通する構成要素には、第1実施形態で用いられる参照符号と同じ参照符号が用いられている。また、本実施形態のロータリ圧縮機は、第1実施形態のロータリ圧縮機101と同じ動作を行う。以下、本実施形態と第1実施形態との間の相違点について主に説明する。
(1)ロータリ圧縮機の詳細な構成
図20は、本実施形態におけるシリンダ24の外観図である。第1実施形態では、シリンダ24の第1シリンダ端面34aに、シリンダバイパス溝34eが形成されている。一方、本実施形態では、シリンダ24に、シリンダバイパス貫通溝234eが形成されている。シリンダバイパス貫通溝234eは、第1シリンダ端面34aから第2シリンダ端面34bまで、シリンダ内周面34cに形成される溝である。シリンダバイパス貫通溝234eは、シリンダ24の軸方向に沿って形成されている。
シリンダバイパス貫通溝234eは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図21は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図22は、図21に示されるシリンダバイパス貫通溝234eの近傍の拡大図である。吸入室40aと吐出室40bとが連通している時におけるピストン21の回転角度θは、90°〜270°であることが好ましく、125°〜145°であることがより好ましい。
(2)特徴
本実施形態に係るロータリ圧縮機101では、シリンダ24に、シリンダバイパス貫通溝234eが形成されている。シリンダバイパス貫通溝234eは、第1実施形態のシリンダバイパス溝34eと同じ機能を有するバイパス路である。すなわち、シリンダバイパス貫通溝234eは、圧縮機構15に残留している圧縮冷媒に起因する圧力脈動を低減するために形成されている。
図22に示されるように、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、圧力波の一部は、シリンダバイパス貫通溝234eを通過して、吐出室40bから吸入室40aに逃げることができる。これにより、吐出室40bにおける圧力波の反射および干渉が抑制されるので、吐出室40bで発生する圧力脈動が低減される。従って、シリンダ24にシリンダバイパス貫通溝234eが形成されていることにより、ロータリ圧縮機101は、騒音を低減することができる。
また、吐出室40bで発生する圧力脈動が低減されることによって、吐出室40bで圧縮される冷媒の圧縮過程損失が低減される。従って、シリンダ24にシリンダバイパス貫通溝234eが形成されていることにより、ロータリ圧縮機101は、圧縮機構15の効率を向上させることができる。
(3)変形例3A
本実施形態の変形例について説明する。本実施形態では、シリンダ24にバイパス路が形成されているが、シリンダバイパス貫通溝234eの代わりに、ピストン21にバイパス路が形成されていてもよい。図23は、本変形例におけるピストン21の外観図である。図23に示されるように、ピストン21には、ピストンバイパス貫通溝231dが形成されている。ピストンバイパス貫通溝231dは、第1ピストン端面31aから第2ピストン端面31bまで、ピストン外周面31cに形成される溝である。ピストンバイパス貫通溝231dは、シリンダ24の軸方向に沿って形成されている。
ピストンバイパス貫通溝231dは、ピストン21の回転角度が0°から360°まで変化する過程において、吸入室40aと吐出室40bとが一時的に連通するように形成されている。図24は、吸入室40aと吐出室40bとが連通している時における、圧縮機構15の断面図である。図25は、図24に示されるピストンバイパス貫通溝231dの近傍の拡大図である。図25に示されるように、ピストンバイパス貫通溝231dは、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通させるバイパス路として機能する。
―変形例―
第1乃至第3実施形態の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、第1乃至第3実施形態に共通して適用可能な変形例について説明する。
(1)変形例A
第1乃至第3実施形態において、各バイパス路は、第1回転角度と第2回転角度との差が20°〜30°となるように形成されていてもよい。第1回転角度は、吸入室40aと吐出室40bとが連通し始める時のピストン21の回転角度である。第2回転角度は、吸入室40aと吐出室40bとが連通し終わる時のピストン21の回転角度である。
(2)変形例B
第1乃至第3実施形態に開示される各バイパス路は、適宜に組み合わせて用いられてもよい。例えば、圧縮機構15は、第1実施形態のシリンダバイパス溝34eを有するシリンダ24と、第1実施形態の変形例1Bのヘッドバイパス溝23eを有するフロントヘッド23とを有してもよい。また、圧縮機構15は、第2実施形態のシリンダバイパス切欠134eを有するシリンダ24と、第1実施形態の変形例1Bのヘッドバイパス溝23eを有するフロントヘッド23とを有してもよい。
(3)変形例C
本実施形態では、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通するバイパス路を有する圧縮機構15を備える圧縮機として、ロータリ圧縮機101が用いられているが、例えば、スクロール圧縮機およびレシプロ式圧縮機が用いられてもよい。
また、本実施形態では、吸入室40aと吐出室40bとを一時的に連通するバイパス路を有する圧縮機構15は、1シリンダタイプの圧縮機構であるが、2シリンダタイプの圧縮機構であってもよい。
本発明に係るロータリ圧縮機は、騒音を低減することができる。
10 ケーシング
15 圧縮機構
21 ピストン
23 フロントヘッド
23e ヘッドバイパス溝
24 シリンダ
25 リアヘッド
31a 第1ピストン端面
31b 第2ピストン端面
31d ピストンバイパス溝
34a 第1シリンダ端面
34b 第2シリンダ端面
34e シリンダバイパス溝
40a 吸入室(吸入空間)
40b 吐出室(吐出空間)
101 ロータリ圧縮機
131d ピストンバイパス切欠
134e シリンダバイパス切欠
231d ピストンバイパス貫通溝
234e シリンダバイパス貫通溝
特開平8−219051号公報 特開平6−147178号公報

Claims (6)

  1. ケーシング(10)と、前記ケーシングの内部に設置される圧縮機構(15)とを備えるロータリ圧縮機であって、
    前記圧縮機構は、
    シリンダ(24)と、
    前記シリンダの内部に設置され、前記シリンダの内部の空間を吸入空間(40a)と吐出空間(40b)とに区画するピストン(21)と、
    前記シリンダの一方の端面である第1シリンダ端面(34a)、および、前記ピストンの一方の端面である第1ピストン端面(31a)と接するフロントヘッド(23)と、
    前記シリンダの他方の端面である第2シリンダ端面(34b)、および、前記ピストンの他方の端面である第2ピストン端面(31b)と接するリアヘッド(25)と、
    を備え、
    前記シリンダ、前記ピストン、前記フロントヘッドおよび前記リアヘッドの少なくとも1つに、前記シリンダの内部で前記ピストンが回転する過程において前記吸入空間と前記吐出空間とを一時的に連通させるバイパス路が形成されている、
    ロータリ圧縮機(101)。
  2. 前記バイパス路は、
    前記第1シリンダ端面および前記第2シリンダ端面の少なくとも一方に形成される溝であるシリンダバイパス溝(34e)、
    前記第1ピストン端面および前記第2ピストン端面の少なくとも一方に形成される溝であるピストンバイパス溝(31d)、および、
    前記フロントヘッドの前記シリンダ側の端面、および、前記リアヘッドの前記シリンダ側の端面の少なくとも一方に形成される溝であるヘッドバイパス溝(23e)、
    の少なくとも1つである、
    請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記バイパス路は、
    前記第1シリンダ端面および前記第2シリンダ端面の少なくとも一方と、前記シリンダの内周面との間の角に形成される切欠であるシリンダバイパス切欠(134e)、および、
    前記第1ピストン端面および前記第2ピストン端面の少なくとも一方と、前記ピストンの外周面との間の角に形成される切欠であるピストンバイパス切欠(131d)、
    の少なくとも1つである、
    請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記バイパス路は、
    前記第1シリンダ端面から前記第2シリンダ端面まで、前記シリンダの内周面に形成される溝であるシリンダバイパス貫通溝(234e)、および、
    前記第1ピストン端面から前記第2ピストン端面まで、前記ピストンの外周面に形成される溝であるピストンバイパス貫通溝(231d)、
    の少なくとも1つである、
    請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記バイパス路は、前記吸入空間と前記吐出空間とが一時的に連通する時における前記ピストンの回転角度が90°〜270°となるように形成されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記バイパス路は、前記吸入空間と前記吐出空間とが連通し始める時の前記ピストンの回転角度である第1回転角度と、前記吸入空間と前記吐出空間とが連通し終わる時の前記ピストンの回転角度である第2回転角度との差が20°〜30°となるように形成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
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