しかしながら、従来の二段圧縮機では、冷媒回路を流通する冷媒が1つの低段側圧縮機構にのみ吸入されるため、冷媒の吸入量が多くなり冷媒による脈動が大きくなってしまうことがある。また、低段側圧縮機構で圧縮されて吐出された中間圧の冷媒は、インジェクションされた中間圧の冷媒と合流した後に1つの高段側圧縮機構にのみ吸入されるため、高段側圧縮機構においても冷媒による脈動が大きくなってしまう。その結果、低段側圧縮機構及び高段側圧縮機構において、脈動に起因する振動が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の低段側圧縮機構及び複数の高段側圧縮機構に冷媒を分散して吸入させることで、各圧縮機構への冷媒の吸入量を減少させて振動を抑制することができる二段圧縮機を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明は、冷媒を複数の低段側圧縮機構に吸入させて圧縮し、圧縮された冷媒を複数の高段側圧縮機構に吸入させてさらに圧縮するようにした。
具体的に、本発明は、低圧の冷媒を中間圧となるまで圧縮した中間圧の冷媒をさらに圧縮して高圧の冷媒とする二段圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明に係る二段圧縮機は、シリンダ室(55)を有するシリンダ(51)と該シリンダ室(55)内に配置されたピストン(52)とを有し、該シリンダ室(55)に吸入された低圧の冷媒を、該ピストン(52)を該シリンダ(51)に対して偏心回転させることで圧縮して中間圧の冷媒を吐出する低段側圧縮機構(50)が複数設けられ、
シリンダ室(75)を有するシリンダ(71)と該シリンダ室(75)内に配置されたピストン(72)とを有し、前記複数の低段側圧縮機構(50)から吐出されて該シリンダ室(75)に吸入された中間圧の冷媒を、該ピストン(72)を該シリンダ(71)に対して偏心回転させることで圧縮して高圧の冷媒を吐出する高段側圧縮機構(70)が複数設けられており、
前記複数の低段側圧縮機構(50)及び前記複数の高段側圧縮機構(70)の前記各ピストン(52,72)に連結された駆動軸(32)と、
前記駆動軸(32)を介して前記各ピストン(52,72)を偏心回転させる電動機(30)と、
前記複数の低段側圧縮機構(50)と前記複数の高段側圧縮機構(70)とを収容し且つ底部に油溜まり(20)が設けられたケーシング(10)とを備え、
前記駆動軸(32)の軸方向の一端側には、前記複数の低段側圧縮機構(50)が配置される一方、その他端側には、前記複数の高段側圧縮機構(70)が配置され、
前記複数の低段側圧縮機構(50)と前記複数の高段側圧縮機構(70)との間には、前記電動機(30)が配置され、
前記ケーシング(10)内には、該ケーシング(10)内の上部に形成されて前記複数の低段側圧縮機構(50)から吐出された中間圧の冷媒が充満される中間圧空間(58)と、前記油溜まり(20)と該中間圧空間(58)との間に形成されて前記複数の高段側圧縮機構(70,70)から吐出された高圧の冷媒が充満される高圧空間(78)とが設けられ、
前記駆動軸(32)は、軸方向に貫通する給油路(34)の上端が前記中間圧空間(58)に開口する一方、その下端が前記油溜まり(20)に浸るように配置されていることを特徴とするものである。
第1の発明に係る二段圧縮機では、シリンダ室(55)を有するシリンダ(51)とシリンダ室(55)内に配置されたピストン(52)とを有する低段側圧縮機構(50)が複数設けられ、シリンダ室(75)を有するシリンダ(71)とシリンダ室(75)内に配置されたピストン(72)とを有する高段側圧縮機構(70)が複数設けられている。そして、低段側圧縮機構(50)は、シリンダ室(55)に吸入された低圧の冷媒を、ピストン(52)を偏心回転させて中間圧になるまで圧縮し、中間圧の冷媒を吐出するように構成されている。高段側圧縮機構(70)は、各低段側圧縮機構(50)から吐出されてシリンダ室(75)に吸入された中間圧の冷媒を、ピストン(72)を偏心回転させて高圧になるまで圧縮し、高圧の冷媒を吐出するように構成されている。
ここで、複数の低段側圧縮機構(50)は、駆動軸(32)の一端側に配置される一方、複数の高段側圧縮機構(70)は、他端側に配置されている。そして、電動機(30)は、複数の低段側圧縮機構(50)と複数の高段側圧縮機構(70)との間に配置されている。
そして、複数の低段側圧縮機構(50)から吐出された中間圧の冷媒は、ケーシング(10)内の上部の中間圧空間(58)に充満される。また、複数の高段側圧縮機構(70)から吐出された高圧の冷媒は、中間圧空間(58)と油溜まり(20)との間の高圧空間(78)に充満される。そして、駆動軸(32)は、ケーシング(10)内を上下方向に延び、且つ給油路(34)の上端が中間圧空間(58)に開口する一方、給油路(34)の下端が油溜まり(20)に浸るように配置されている。
このような構成とすれば、各低段側圧縮機構(50)及び各高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(55,75)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動を低減させることができる。具体的に、従来の二段圧縮機では、低圧の冷媒は1つの低段側圧縮機構のシリンダ室にのみ吸入されていたため、そのシリンダ室に吸入される冷媒の吸入量が多くなり冷媒による脈動が大きくなってしまうおそれがあった。その結果、低段側圧縮機構において、脈動に起因する振動が大きくなってしまうという問題があった。
これに対して、本発明では、低圧の冷媒を複数の低段側圧縮機構(50)のシリンダ室(55)に分散して吸入させることで各シリンダ室(55)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して各低段側圧縮機構(50)が振動するのを抑制することができる。
また、各低段側圧縮機構(50)から吐出された中間圧の冷媒を、同様に、各高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(75)に分散して吸入させることで各シリンダ室(75)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して各高段側圧縮機構(70)が振動するのを抑制することができる。
また、複数の低段側圧縮機構(50)及び複数の高段側圧縮機構(70)を駆動軸(32)の一端側に配置することで振動が増大してしまうのを抑制することができる。具体的に、複数の低段側圧縮機構(50)及び複数の高段側圧縮機構(70)は、各ピストン(52,72)が偏心回転するのに伴って振動する。そのため、複数の低段側圧縮機構(50)及び複数の高段側圧縮機構(70)を駆動軸(32)の一端側に配置した場合には、振動が駆動軸(32)の一端側に偏ってしまい増大するおそれがある。
これに対して、本発明では、複数の低段側圧縮機構(50)を駆動軸(32)の一端側に配置する一方、複数の高段側圧縮機構(70)を他端側に配置したから、振動が増大するのを抑制することができる。また、複数の低段側圧縮機構(50)と複数の高段側圧縮機構(70)との間のスペースに電動機(30)を配置することで二段圧縮機(1)の小型化を図ることができる。
なお、複数の低段側圧縮機構(50)及び複数の高段側圧縮機構(70)を近接させた場合には、各低段側圧縮機構(50)と各高段側圧縮機構(70)との間のスペースが狭くなり、冷媒の吐出ポート(59,63,79,83)に吐出弁を取り付けることが困難となるが、本発明では、複数の低段側圧縮機構(50)と複数の高段側圧縮機構(70)との間にスペースを確保できるから、吐出弁を容易に取り付けることができる。
また、中間圧空間(58)と高圧空間(78)との差圧により油溜まり(20)の潤滑油を汲み上げて、駆動軸(32)の給油路(34)に流通させて駆動軸(32)と複数の低段側圧縮機構(50)及び複数の高段側圧縮機構(70)との摺動部分へ供給することができるから、摺動部分が摩耗したり焼き付いたりするのを抑制することができる。
第2の発明に係る二段圧縮機は、第1の発明に係る二段圧縮機において、
前記複数の低段側圧縮機構(50,50)の前記各ピストン(52,52)の偏心位置は、互いに異なる位相となるように設定され、
前記複数の高段側圧縮機構(70,70)の前記各ピストン(72,72)の偏心位置は、互いに異なる位相となるように設定されていることを特徴とするものである。
第2の発明に係る二段圧縮機では、複数の低段側圧縮機構(50,50)において、各ピストン(52,52)の1回転中における偏心位置は、互いに異なる位相となるように設定されている。また、複数の高段側圧縮機構(70,70)においても同様に各ピストン(72,72)の偏心位置は、互いに異なる位相となるように設定されている。
このような構成とすれば、各低段側圧縮機構(50,50)及び各高段側圧縮機構(70,70)において冷媒を圧縮するのに必要な圧縮トルクの変動が互いに相殺されるから、振動を抑制することができる。
具体的に、複数の低段側圧縮機構(50,50)及び複数の高段側圧縮機構(70,70)では、各ピストン(52,72)を偏心回転させて冷媒を圧縮するのに伴って圧縮トルクが発生する。この圧縮トルクは、ピストンが1回転する間に周期的に変動する。ここで、各ピストン(52,72)の偏心位置が同一に設定されて回転位相が同一になった場合には、圧縮トルクの変動周期も同一となり、そのトルク変動の極大点が重なることで振動が増大してしまう。
これに対して、本発明では、複数の低段側圧縮機構(50,50)の各ピストン(52,52)の偏心位置を、例えば、等間隔で互いに異なるように設定することで各ピストン(52,52)のトルク変動の極大点と極小点とが重なって互いに相殺されるから、トルク変動による振動を抑制することができる。また、複数の高段側圧縮機構(70,70)の各ピストン(72,72)の偏心位置も同様に設定することで、各ピストン(72,72)のトルク変動が互いに相殺されるから、トルク変動による振動を抑制することができる。
第3の発明に係る二段圧縮機は、第1又は第2の発明に係る二段圧縮機において、
前記複数の低段側圧縮機構(50,50)の前記各ピストン(52,52)の偏心位置と前記複数の高段側圧縮機構(70,70)の前記各ピストン(72,72)の偏心位置とは、互いに異なる位相となるように設定されていることを特徴とするものである。
第3の発明に係る二段圧縮機では、複数の低段側圧縮機構(50,50)の各ピストン(52,52)の1回転中における偏心位置と、複数の高段側圧縮機構(70,70)の各ピストン(72,72)の1回転中における偏心位置とが、互いに異なる位相となるように設定されている。
このような構成とすれば、複数の低段側圧縮機構(50,50)において冷媒を圧縮するのに必要な圧縮トルクの変動と、複数の高段側圧縮機構(70,70)において冷媒を圧縮するのに必要な圧縮トルクの変動との位相が異なるから、これらのトルク変動が互いに相殺されてトルク変動による振動を抑制することができる。
具体的に、例えば、低段側圧縮機構(50)を2つ用いて各ピストン(52,52)の偏心位置を互いに180°異なるように設定し、各低段側圧縮機構(50,50)の圧縮トルクの変動を合成すると、合成したトルク変動の極大点は、180°の間隔で現れる。一方、合成したトルク変動の極大点から90°位相がずれてトルク変動の極小点が現れる。
同様に、高段側圧縮機構(70)を2つ用いて各ピストン(72,72)の偏心位置を互いに180°異なるように設定し、トルク変動を合成すると、合成したトルク変動の極大点は、180°の間隔で現れる。一方、合成したトルク変動の極大点から90°位相がずれてトルク変動の極小点が現れる。ここで、効果的にトルク変動による振動を抑制するためには、低段側圧縮機構(50,50)のトルク変動と、高段側圧縮機構(70,70)のトルク変動とを相殺させるのが好ましい。
そこで、本発明では、複数の低段側圧縮機構(50,50)の各ピストン(52,52)の偏心位置と、複数の高段側圧縮機構(70,70)の各ピストン(72,72)の偏心位置とを、例えば、90°の等間隔で互いに異なるように設定している。これにより、各低段側圧縮機構(50,50)における合成したトルク変動の極大点と、各高段側圧縮機構(70,70)における合成したトルク変動の極小点とが重なって互いに相殺されるから、複数の低段側圧縮機構(50,50)と複数の高段側圧縮機構(70,70)とのトルク変動による振動を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、低圧の冷媒を複数の低段側圧縮機構(50)のシリンダ室(55)に分散して吸入させることで各シリンダ室(55)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して各低段側圧縮機構(50)が振動するのを抑制することができる。
また、各低段側圧縮機構(50)から吐出された中間圧の冷媒を、同様に、各高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(75)に分散して吸入させることで各シリンダ室(75)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して各高段側圧縮機構(70)が振動するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る二段圧縮機の構成を示す縦断面図である。図1に示すように、この二段圧縮機(1)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上端部に固定された上部鏡板(12)と、胴部(11)の下端部に固定された下部鏡板(13)とから構成されている。
前記ケーシング(10)内部には、低圧の冷媒を圧縮する2つの低段側圧縮機構(50,50)、低段側圧縮機構(50,50)から吐出された中間圧の冷媒をさらに圧縮する2つの高段側圧縮機構(70,70)、ケーシング(10)内の略中央を上下方向に延び低段側圧縮機構(50,50)と高段側圧縮機構(70,70)とに連結される駆動軸(32)、及び駆動軸(32)を回転させる電動機(30)が収容されている。
前記2つの低段側圧縮機構(50,50)は、ケーシング(10)の内壁面に固定されたミドルプレート(61)を介して上下に重ねられて、駆動軸(32)の上端側に配置されている。上側の低段側圧縮機構(50)は、フロントヘッド(62)と、ミドルプレート(61)と、略円筒状のシリンダ(51)と、略円筒状のピストン(52)とを有している。シリンダ(51)は、フロントヘッド(62)と、ミドルプレート(61)とに挟み込まれている。
下側の低段側圧縮機構(50)は、ミドルプレート(61)と、リアヘッド(60)と、略円筒状のシリンダ(51)と、略円筒状のピストン(52)とを有している。シリンダ(51)は、ミドルプレート(61)と、リアヘッド(60)とに挟み込まれている。そして、リアヘッド(60)、ミドルプレート(61)、フロントヘッド(62)には、それぞれの中央部を駆動軸(32)が貫通している。
前記フロントヘッド(62)は、ケーシング(10)の内壁面に固定されている。フロントヘッド(62)には、上側の低段側圧縮機構(50)の後述するシリンダ室(55)から上方に向かって貫通する吐出ポート(59)が形成されている。また、フロントヘッド(62)の中央部には、軸受部(62a)が形成されており、駆動軸(32)が回転自在に嵌合されている。吐出ポート(59)は、ケーシング(10)内の上部で且つリアヘッド(60)よりも上方に形成された中間圧空間(58)に連通している。また、吐出ポート(59)には、終端にリード弁からなる吐出弁(図示せず)が設けられており、この吐出弁によって開閉される。フロントヘッド(62)の上端面には、吐出ポート(59)及び後述する貫通路(64)の上方を覆うようにマフラ(66)が取り付けられている。
前記リアヘッド(60)は、ケーシング(10)の内壁面の全周に亘って固定されている。リアヘッド(60)には、下側の低段側圧縮機構(50)の後述するシリンダ室(55)から下方に向かって貫通する吐出ポート(63)が形成されている。また、リアヘッド(60)の中央部には、軸受部(60a)が形成されており、駆動軸(32)が回転自在に嵌合されている。リアヘッド(60)の外周面の凹溝には、シール部材(68)が設けられている。これによってケーシング(10)内は、中間圧空間(58)とリアヘッド(60)より下方で且つケーシング(10)の底部に設けられた油溜まり(20)よりも上方に形成された高圧空間(78)とに区画されている。
前記貫通路(64)は、リアヘッド(60)、下側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)、ミドルプレート(61)、上側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)、及びフロントヘッド(62)に亘って貫通して中間圧空間(58)に連通している。そして、吐出ポート(63)の下流側と貫通路(64)の上流側との間には、リアヘッド(60)の下端側を径方向に延びる連絡通路(69)が形成されて互いに連通している。リアヘッド(60)の下端面には、プレート(91)が配設されて連絡通路(69)の下端側を閉塞している。
図2は、低段側圧縮機構の横断面図である。図1及び図2に示すように、前記上側の低段側圧縮機構(50)は、冷媒を圧縮するためのものであり、揺動ピストン型のロータリ式圧縮機を構成している。
前記シリンダ(51)は、内部に冷媒を圧縮するためのシリンダ室(55)を有している。このシリンダ室(55)は、シリンダ(51)の上端がフロントヘッド(62)に、下端がミドルプレート(61)に閉塞されることで形成されている。また、シリンダ(51)には、厚さ方向に延びる円柱状のブッシュ孔(56)がその側周面の一部が厚さ方向に亘ってシリンダ室(55)に開口するように形成されている。また、シリンダ(51)には、吸入ポート(57)が形成されている。この吸入ポート(57)は、シリンダ(51)を半径方向に貫通し、終端がシリンダ室(55)内に開口している。また、吸入ポート(57)には、吸入配管(67)が接続されてケーシング(10)の外部から低圧の冷媒が吸入される。
前記ピストン(52)は、シリンダ室(55)内に配置されている。また、駆動軸(32)の上端側には、駆動軸(32)の軸心に対して偏心し且つ駆動軸(32)の軸径よりも大径の低段側偏心軸部(32a,32a)が上下に間隔をあけて形成されており、ピストン(52)の内側には、上側の低段側偏心軸部(32a)が回転自在に嵌合されている。ピストン(52)の側面には、平板状のブレード(53)が突設されており、このブレード(53)がブッシュ孔(56)に回転自在に嵌合された揺動ブッシュ(54)を介してシリンダ(51)に支持されている。また、このブレード(53)によって、図3(b)乃至(d)に示すように、シリンダ室(55)は吸入ポート(57)に開口する低圧側(Lp)と、吐出ポート(59)に開口する高圧側(Hp)とに区画されている。
なお、前記下側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)及びピストン(52)の構成は、上側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)及びピストン(52)の構成と同じであるため、異なる点について説明する。
前記下側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ室(55)は、シリンダ(51)の上端がミドルプレート(61)に、下端がリアヘッド(60)に閉塞されることで形成されている。また、ピストン(52)の内側には、下側の低段側偏心軸部(32a)が回転自在に嵌合されている。
そして、前記上側の低段側圧縮機構(50)は、ピストン(52)をその外周面がシリンダ室(55)の側面と摺接するように偏心回転させることで、シリンダ室(55)の低圧側(Lp)に吸入された低圧の冷媒を高圧側(Hp)で中間圧となるまで圧縮するように構成されている。そして、上側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ室(55)で圧縮された中間圧の冷媒は、吐出ポート(59)から吐出されて中間圧空間(58)に充満される。
また、前記下側の低段側圧縮機構(50)は、ピストン(52)をその外周面がシリンダ室(55)の側面と摺接するように偏心回転させることで、シリンダ室(55)の低圧側(Lp)に吸入された低圧の冷媒を高圧側(Hp)で中間圧となるまで圧縮するように構成されている。そして、下側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ室(55)で圧縮された中間圧の冷媒は、吐出ポート(63)から吐出されて連絡通路(69)及び貫通路(64)を流通して中間圧空間(58)に充満される。
このように、低段側圧縮機構(50,50)を2つ設けて各シリンダ室(55,55)へ分散して低圧の冷媒を吸入させるようにすれば、各シリンダ室(55,55)への冷媒の吸入量が減少するから、低圧の冷媒による脈動が低減して各低段側圧縮機構(50,50)が振動するのを抑制することができる。
図4(a)は、従来の二段圧縮機の容積変化を示すグラフ図であり、図4(b)は、本実施形態に係る低段側圧縮機構の容積変化を示すグラフ図である。従来の二段圧縮機では、低段側圧縮機構及び高段側圧縮機構が1つしか設けられていなかった。すなわち、低圧の冷媒は、1つの低段側圧縮機構のシリンダ室にのみ吸入されていた。また、低段側圧縮機構で圧縮されて吐出された中間圧の冷媒は、1つの高段側圧縮機構のシリンダ室にのみ吸入されていた。そのため、図4(a)に示すように、シリンダ室の容積の変動が大きく、特に極大点における容積が大きくなっていた。その結果、シリンダ室への冷媒の吸入量が多くなり、冷媒による脈動も大きくなるおそれがあった。
これに対して、本発明では、低圧の冷媒を上側及び下側の低段側圧縮機構(50,50)の各シリンダ室(55,55)に分散して吸入させることで、図4(b)に示すように、各シリンダ室(55,55)の容積の変動が略均一化され、極大点における容積も小さくなる。これにより、各シリンダ室(55,55)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して各低段側圧縮機構(50,50)が振動するのを抑制することができる。
前記フロントヘッド(62)、上側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)、ミドルプレート(61)、及び下側の低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)の外周面とケーシング(10)の胴部(11)の内壁面との間には、中間圧空間(58)に充満された中間圧の冷媒が流通する冷媒通路(65)が形成されている。この冷媒通路(65)の下流側で且つケーシング(10)の胴部(11)には、中間圧の冷媒を2つの高段側圧縮機構(70,70)に向かって流通させる連通配管(87)が接続されている。
前記2つの高段側圧縮機構(70,70)は、ケーシング(10)の内壁面に固定されたミドルプレート(81)を介して上下に重ねられて、駆動軸(32)の下端側に配置されている。上側の高段側圧縮機構(70)は、フロントヘッド(82)と、ミドルプレート(81)と、シリンダ(71)と、ピストン(72)とを有している。シリンダ(71)は、フロントヘッド(82)と、ミドルプレート(81)とに挟み込まれている。
下側の高段側圧縮機構(70)は、ミドルプレート(81)と、リアヘッド(80)と、シリンダ(71)と、ピストン(72)とを有している。シリンダ(71)は、ミドルプレート(81)とリアヘッド(80)とに挟み込まれている。そして、リアヘッド(80)、ミドルプレート(61)、フロントヘッド(82)には、それぞれの中央部を駆動軸(32)が貫通している。
なお、高段側圧縮機構(70)のシリンダ(71)及びピストン(72)の構成は、低段側圧縮機構(50)のシリンダ(51)及びピストン(52)の構成と同じであるため説明を省略する。
前記フロントヘッド(82)は、ケーシング(10)の内壁面の全周に亘って固定されている。フロントヘッド(82)には、上側の高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(75)から上方に向かって貫通する吐出ポート(79)が形成されている。また、フロントヘッド(82)の中央部には、軸受部(82a)が上方に向かって突設されており、駆動軸(32)が回転自在に嵌合されている。吐出ポート(79)は、高圧空間(78)に連通している。フロントヘッド(82)の上端面には、吐出ポート(79)及び後述する貫通路(84)の上方を覆うようにマフラ(86)が取り付けられている。
前記リアヘッド(80)は、ケーシング(10)の内壁面の全周に亘って固定されている。リアヘッド(80)には、下側の高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(75)から下方に向かって貫通する吐出ポート(83)が形成されている。また、リアヘッド(80)の中央部には、軸受部(80a)が形成されており、駆動軸(32)が回転自在に嵌合されている。
前記貫通路(84)は、リアヘッド(80)、下側の高段側圧縮機構(70)のシリンダ(71)、ミドルプレート(81)、上側の高段側圧縮機構(70)のシリンダ(71)、及びフロントヘッド(82)に亘って貫通して高圧空間(78)に連通している。そして、吐出ポート(83)の下流側と貫通路(84)の上流側との間には、リアヘッド(80)の下端側を径方向に延びる連絡通路(89)が形成されて互いに連通している。リアヘッド(80)の下端面には、連絡通路(89)の下端側の一部が油溜まり(20)に開口するように開口孔(92a)が形成されたプレート(92)が配設されている。
また、前記駆動軸(32)の下端側には、駆動軸(32)の軸心に対して偏心し且つ駆動軸(32)の軸径よりも大径の高段側偏心軸部(32b,32b)が上下に間隔をあけて形成されており、上側の高段側圧縮機構(70)のピストン(72)の内側には、上側の高段側偏心軸部(32b)が回転自在に嵌合されている。また、下側の高段側圧縮機構(70)のピストン(72)の内側には、下側の高段側偏心軸部(32b)が回転自在に嵌合されている。
前記連通配管(87)は、その下流側で分岐しており、それぞれの終端が上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各シリンダ(71,71)に形成された吸入ポート(77,77)に接続されている。そして、中間圧空間(58)に充満された中間圧の冷媒は、連通配管(87)を介して上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各シリンダ室(75,75)に吸入されるようになっている。
そして、前記上側の高段側圧縮機構(70)は、ピストン(72)をその外周面がシリンダ室(75)の側面と摺接するように偏心回転させることで、シリンダ室(75)の低圧側(Lp)に吸入された中間圧の冷媒を高圧側(Hp)で高圧となるまで圧縮するように構成されている。そして、上側の高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(75)で圧縮された高圧の冷媒は、吐出ポート(79)から吐出されて高圧空間(78)に充満される。
また、前記下側の高段側圧縮機構(70)は、ピストン(72)をその外周面がシリンダ室(75)の側面と摺接するように偏心回転させることで、シリンダ室(75)の低圧側(Lp)に吸入された中間圧の冷媒を高圧側(Hp)で高圧となるまで圧縮するように構成されている。そして、下側の高段側圧縮機構(70)のシリンダ室(75)で圧縮された高圧の冷媒は、吐出ポート(83)から吐出されて、その冷媒の一部が連絡通路(89)及び貫通路(84)を流通して高圧空間(78)に充満される一方、残りの冷媒は、連絡通路(89)からプレート(92)の開口孔(92a)を介して流出して油溜まり(20)の潤滑油の液面を押しつけるようになっている。そして、高圧空間(78)に充満された高圧の冷媒は、電動機(30)の後述するステータ(35)の上方で且つケーシング(10)の胴部(11)に接続された吐出配管(88)からケーシング(10)の外部に吐出されるようになっている。
このように、高段側圧縮機構(70,70)を2つ設けて中間圧の冷媒を上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各シリンダ室(75,75)に分散して吸入させることで各シリンダ室(75,75)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して各高段側圧縮機構(70,70)が振動するのを抑制することができる。
前記駆動軸(32)の中央部には、上下方向に貫通する給油路(34)が形成されている。給油路(34)の上端は、中間圧空間(58)に開口している。一方、下端は、駆動軸(32)の下端部に設けられた給油ノズル(33)を介して油溜まり(20)に浸っている。この給油ノズル(33)は、高圧空間(78)と中間圧空間(58)との差圧により潤滑油を汲み上げるように構成されている。そして、給油ノズル(33)から汲み上げられた潤滑油を給油路(34)に流通させて、給油路(34)の途中で駆動軸(32)の径方向に貫通する分岐路(34a)を介して低段側圧縮機構(50)及び高段側圧縮機構(70)の摺動部分や、軸受部(60a,62a,80a,82a)に供給するようにしている。
前記電動機(30)は、ケーシング(10)の内壁面に固定されたステータ(35)と、ステータ(35)の内側に配置されたロータ(36)とを備え、低段側圧縮機構(50)と高段側圧縮機構(70)との間に配置されている。ロータ(36)の中央部には、駆動軸(32)が連結されている。そして、電動機(30)を駆動させると、駆動軸(32)の低段側偏心軸部(32a)及び高段側偏心軸部(32b)を介して低段側圧縮機構(50)及び高段側圧縮機構(70)の各ピストン(52,72)をシリンダ(51,71)に対して偏心回転させるようになっている。ここで、駆動軸(32)の低段側偏心軸部(32a)及び高段側偏心軸部(32b)は、駆動軸(32)に対して互いに異なる位相となるように設定されているため、各ピストン(52,72)の偏心位置は、互いに異なる位相となるように設定されている。
具体的には、図3(a)乃至(d)に示すように、前記上側の低段側圧縮機構(50)のピストン(52)が図3(a)に示す状態にあるときに、下側の低段側圧縮機構(50)のピストン(52)は、そこから180°位相がずれて図3(c)に示す状態にある。また、このとき、上側の高段側圧縮機構(70)のピストン(72)は、上側の低段側圧縮機構(50)のピストン(52)より90°位相がずれて図3(b)に示す状態にある。そして、下側の高段側圧縮機構(70)のピストン(72)は、下側の低段側圧縮機構(50)のピストン(52)より90°位相がずれて図3(d)に示す状態にある。
すなわち、前記上側及び下側の低段側圧縮機構(50,50)の各ピストン(52,52)の偏心位置は、互いに180°位相がずれるように設定されている。また、上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各ピストン(72,72)の偏心位置は、互いに180°位相がずれるように設定されている。そして、上側及び下側の低段側圧縮機構(50,50)の各ピストン(52,52)と上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各ピストン(72,72)の偏心位置は、互いに90°位相がずれるように設定されている。
図5(a)は、従来の二段圧縮機のトルク変動を示すグラフ図であり、図5(b)は、本実施形態に係る低段側圧縮機構のトルク変動を示すグラフ図である。図5(a)に示すように、従来の二段圧縮機では、冷媒を圧縮するために必要な圧縮トルクの変動幅が大きいため、そのトルク変動により振動が大きくなってしまうおそれがある。
これに対して、本発明では、低段側圧縮機構(50)の各ピストン(52)の偏心位置が互いに180°異なるように設定されることで、図5(b)に示すように、圧縮トルクの変動幅が小さくなるから、トルク変動による振動を抑制することができる。同様に、高段側圧縮機構(70)においても、振動を抑制することができる。
また、本発明では、低段側圧縮機構(50)の各ピストン(52)と高段側圧縮機構(70)の各ピストン(72)との偏心位置が互いに90°異なるように設定されている。すなわち、図5(b)に示すトルク変動の位相が低段側圧縮機構(50)と高段側圧縮機構(70)とで互いに90°異なるように設定されている。これにより、低段側圧縮機構(50)のトルク変動の極大点と高段側圧縮機構(70)のトルク変動の極小点とが重なって互いに相殺されるから、二段圧縮機(1)の振動を効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態に係る二段圧縮機(1)の運転動作について説明する。まず、電動機(30)を駆動させると、ロータ(36)の回転が駆動軸(32)の低段側偏心軸部(32a)及び高段側偏心軸部(32b)を介して低段側圧縮機構(50)の各ピストン(52)と高段側圧縮機構(70)の各ピストン(72)とに伝達される。すると、各ピストン(52,72)がそれぞれシリンダ(51,71)に対して揺動しながら偏心回転し、低段側圧縮機構(50)と高段側圧縮機構(70)とが所定の圧縮動作を行う。
なお、上側及び下側の低段側圧縮機構(50,50)と上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)との圧縮動作は同じであるため、以下、主として上側の低段側圧縮機構(50)の動作について説明する。上側の低段側圧縮機構(50)は、図3に示すように、偏心回転する。
具体的に、ピストン(52)の偏心回転角度は、平面視において、駆動軸(32)から半径方向に延びる直線上に揺動ブッシュ(54)の揺動中心とピストン(52)の軸心(上側の低段側偏心軸部(32a)の軸心)とが並んだ(すなわち、駆動軸(32)と揺動ブッシュ(54)とを結ぶ線分上にピストン(52)の軸心が位置する)時点における偏心回転角度を0°とする。(a)はピストン(52)の偏心回転角度が0°又は360°の状態を、(b)はピストン(52)の偏心回転角度が90°の状態を、(c)はピストン(52)の偏心回転角度が180°の状態を、(d)はピストン(52)の偏心回転角度が270°の状態をそれぞれ示している。
シリンダ室(55)では、図3(a)の状態のときに、ピストン(52)の外周面によって吸入配管(67)の低圧側(Lp)と吐出ポート(59)の高圧側(Hp)とが閉塞されている。ここから駆動軸(32)が図の時計回りに回転して図3(b)の状態に変化するときに高圧側(Hp)が吐出ポートに開口するとともに、低圧側(Lp)が吸入配管(67)に開口し、そこから図3(c),(d),(a)の状態へ変化するのに伴って低圧側(Lp)の容積が増大することで、低圧の冷媒が、吸入配管(67)から低圧側(Lp)に吸入される。
駆動軸(32)が一回転して、ピストン(52)が図3(a)の状態のときに、低圧側(Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧側(Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧側(Hp)となる一方、ブレード(53)を隔てて再び低圧側(Lp)が吸入配管(67)に開口する。駆動軸(32)がさらに回転すると、低圧側(Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧側(Hp)の容積が減少し、高圧側(Hp)で冷媒が圧縮される。そして、高圧側(Hp)の圧力が所定値に達すると、高圧側(Hp)の中間圧の冷媒によって吐出弁(図示せず)が開き、中間圧の冷媒が吐出ポート(59)から中間圧空間(58)へ吐出される。
また、下側の低段側圧縮機構(50)のピストン(52)は、上側の低段側圧縮機構(50)のピストン(52)と回転位相が180°ずれて同様の動作を行う。そして、高圧側(Hp)で圧縮された中間圧の冷媒は、吐出ポート(63)から吐出されて連絡通路(69)及び貫通路(64)を流通して中間圧空間(58)へ流出される。そして、上側の低段側圧縮機構(50)から吐出された中間圧の冷媒と合流して中間圧空間(58)が充満される。
そして、中間圧空間(58)に充満された中間圧の冷媒は、冷媒通路(65)から連通配管(87)を流通して、上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各シリンダ室(75,75)に分散して吸入される。なお、上側及び下側の高段側圧縮機構(70,70)の各ピストン(72,72)は、低段側圧縮機構(50)の各ピストン(52)と回転位相が90°ずれて同様の動作を行う。そして、上側の高段側圧縮機構(70)で圧縮された高圧の冷媒は、吐出ポート(79)から吐出されて高圧空間(78)に充満される。また、下側の高段側圧縮機構(70)で圧縮された高圧の冷媒は、吐出ポート(83)から吐出されて、その一部が連絡通路(89)及び貫通路(84)を流通して高圧空間(78)へ流出される。そして、上側の高段側圧縮機構(70)から吐出された高圧の冷媒と合流して高圧空間(78)が充満される。その後、高圧空間(78)に充満された高圧の冷媒は、吐出配管(88)からケーシング(10)の外部へ吐出される。
一方、連絡通路(89)を流通する残りの高圧の冷媒は、連絡通路(89)からプレート(92)の開口孔(92a)を介して流出して油溜まり(20)の潤滑油の液面を押しつける。すると、中間圧空間(58)に充満された中間圧の冷媒と、高圧空間(78)に充満された高圧の冷媒との差圧により油溜まり(20)の潤滑油が汲み上げられる。そして、潤滑油は、給油路(34)及び分岐路(34a)を流通し、低段側圧縮機構(50)や高段側圧縮機構(70)の各摺動部分や、リアヘッド(60,80)及びフロントヘッド(62,82)の軸受部(60a,62a,80a,82a)に供給される。これにより、各摺動部分が摩耗したり焼き付いたりするのを抑制するとともに、駆動軸(32)の回転の抵抗を低減させることができる。
以上のように、本実施形態に係る二段圧縮機(1)では、2つの低段側圧縮機構(50,50)と2つの高段側圧縮機構(70,70)とに分散して冷媒を吸入させることで各シリンダ室(55,75)への冷媒の吸入量が減少するから、冷媒による脈動が低減して脈動に起因する振動を抑制することができる。
なお、本実施形態では、2つの低段側圧縮機構(50,50)と2つの高段側圧縮機構(70,70)とを用いた構成について説明したが、低段側圧縮機構(50)と高段側圧縮機構(70)とをそれぞれ3つ以上用いた構成としても良い。