JP2007232280A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の圧縮室を有する圧縮機を備えた冷凍装置において、能力の制御幅が広く、広範囲の運転条件変化に追随して効率の高い運転を行うことができるようにする。
【解決手段】冷媒回路(10)には、第1から第3までの冷媒の流路(36,37,38,39)と、各流路(36,37,38,39)を開閉する第1から第3までの開閉機構(41,42,43)が設けられる。第1から第3までの開閉機構(41,42,43)が所定の状態となることで、冷媒を第1圧縮室(29)、第2圧縮室(30)の順に圧縮する二段圧縮動作と、冷媒を第2圧縮室(30)のみで単段圧縮する単独単段圧縮動作と、冷媒を第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)との双方でそれぞれ単段圧縮する並列単段圧縮動作とが切り換えて行われる。
【選択図】図1
【解決手段】冷媒回路(10)には、第1から第3までの冷媒の流路(36,37,38,39)と、各流路(36,37,38,39)を開閉する第1から第3までの開閉機構(41,42,43)が設けられる。第1から第3までの開閉機構(41,42,43)が所定の状態となることで、冷媒を第1圧縮室(29)、第2圧縮室(30)の順に圧縮する二段圧縮動作と、冷媒を第2圧縮室(30)のみで単段圧縮する単独単段圧縮動作と、冷媒を第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)との双方でそれぞれ単段圧縮する並列単段圧縮動作とが切り換えて行われる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の圧縮室を有する圧縮機を有する冷媒回路を備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置は、空調機等に広く利用されている。
例えば、特許文献1には、冷媒回路に複数の圧縮機が設けられた空調機が開示されている。この空調機の冷媒回路には、2台の圧縮機、室内熱交換器、膨張弁、及び室外熱交換器等が設けられている。
この空調機では、運転条件に応じて切換手段が冷媒の流路を切り換えることで、空調機の運転効率を高めるようにしている。具体的に、この空調機では、各圧縮機の圧縮室を直列に繋げて冷媒を二段圧縮する動作と、各圧縮機の圧縮室を並列に繋げて各圧縮室でそれぞれ冷媒を単段圧縮する動作とが切換可能となっている。即ち、この空調機では、運転条件に合わせて冷媒の圧縮動作を切り換えることで、効率の高い運転を行うようにしている。
特開平9−145189号公報
一方、特許文献1の空調機では、直列に繋がる2つの圧縮室で冷媒を二段圧縮する動作と、並列に繋がる2つの圧縮室で冷媒をそれぞれ単段圧縮する動作(以下、並列単段圧縮動作と称する)とが可能であるものの、この2つの動作だけでは必ずしも効率の高い運転を行うことができない場合もある。具体的に、例えば暖房運転時において、室外温度が比較的高く、室内の暖房負荷も小さい場合には、この空調機の暖房能力が過剰となることもある。また、この空調機で冷房運転を行う場合にも、運転条件に依っては冷房能力が過剰となることがある。従って、上述の特許文献1のような空調機では、全ての運転条件に応じた最適な運転を行うことができず、圧縮機の無駄な仕事に伴い成績係数(COP)の低下を招いてしまう恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の圧縮室を有する圧縮機を備えた冷凍装置において、能力の制御幅が広く、広範囲の運転条件の変化に追随して効率の高い運転を行うようにすることである。
第1の発明は、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)を有する圧縮機(20)が設けられると共に、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えた冷凍装置を前提としている。そして、この冷凍装置は、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)で冷媒を順に圧縮する二段圧縮動作と、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)のいずれか一方で冷媒を単段圧縮する単独単段圧縮動作と、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)でそれぞれ冷媒を単段圧縮する並列単段圧縮動作とを切り換える切換手段(41,42,43)を備えていることを特徴とするものである。
第1の発明では、冷媒回路(10)に第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とを有する圧縮機(20)が設けられる。この冷媒回路(10)では、各圧縮室(31,32)内で圧縮した冷媒を循環させることで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
ここで、本発明では、切換手段(41,42,43)によって冷媒回路(10)の冷媒の流路が変更されることで、以下のような二段圧縮動作と、単独単段圧縮動作と、並列単段圧縮動作とが切り換え可能となる。
上記二段圧縮動作では、冷媒が第1圧縮室(29)で圧縮された後、この吐出冷媒が更に第2圧縮室(30)で圧縮される。つまり、二段圧縮動作では、各圧縮室(31,32)によって冷媒が二段圧縮される。この二段圧縮動作は、冷媒回路(10)で比較的高低差圧の大きな冷凍サイクルが行う場合に適している。
上記単独単段圧縮動作では、冷媒が第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とのいずれか一方のみで圧縮される。つまり、単独単段圧縮動作では、一方の圧縮室のみで冷媒が単段圧縮される。その結果、この冷媒回路(10)では比較的少ない冷媒循環量での冷凍サイクルが行われる。
上記並列単段圧縮動作では、冷媒が第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)との双方でそれぞれ単段圧縮される。その結果、例えば上記単独単段圧縮動作と比較して、冷媒循環量の多い冷凍サイクルが行われる。
第2の発明は、第1の発明において、上記切換手段(41,42,43)が、上記二段圧縮動作時に第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とを直列に繋ぐ状態とし、上記単独単段圧縮動作時に第1圧縮室(29)の吸入側と該第1圧縮室(29)の吐出側とを繋ぐ状態とし、上記並列単段圧縮動作時に第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とを並列に繋ぐ状態とすることを特徴とするものである。
第2の発明では、二段圧縮動作時に第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とが直列に繋がることで、冷媒が第1圧縮室(29)、第2圧縮室(30)の順に圧縮される。また、単独単段圧縮動作時において第1圧縮室(29)の吸入側と吐出側とが繋がることで、第1圧縮室(29)で冷媒を圧縮せず、第2圧縮室(30)のみで冷媒を圧縮することが可能となる。更に、並列単段圧縮動作時において第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とが並列に繋がることで、第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とで冷媒がそれぞれ単段圧縮される。
第3の発明は、第2の発明において、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)が1つの駆動軸(23)の回転に伴い同時に拡縮されるように構成され、上記冷媒回路(10)には、第1圧縮室(29)の吸入側と第2圧縮室(30)の吸入側とを繋ぐ第1流路(36,37)と、第1圧縮室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吸入側とを繋ぐ第2流路(38)と、第1圧縮室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吐出側とを繋ぐ第3流路(39)とが設けられ、上記切換手段は、第1流路(36,37)を開閉する第1開閉機構(41)と、第2流路(38)を開閉する第2開閉機構(42)と、第3流路(39)を開閉する第3開閉機構(43)とを備え、上記二段圧縮動作では、第2開閉機構(42)が開状態となると同時に第1開閉機構(41)及び第3開閉機構(43)が閉状態となり、上記単独単段圧縮動作では、第1開閉機構(41)及び第2開閉機構(42)が開状態となると同時に第3開閉機構(43)が閉状態となり、上記並列単段圧縮動作では、第1開閉機構(41)及び第3開閉機構(43)が開状態となると同時に第2開閉機構(42)が閉状態となることを特徴とするものである。
第3の発明では、駆動軸(23)の回転に伴って各圧縮室(31,32)の容積が拡縮される。つまり、第3の発明の圧縮機(20)は、一方の圧縮室で冷媒が圧縮されようとすると、他方の圧縮室でも冷媒が圧縮される構成になる。また、冷媒回路(10)には、第1から第3までの冷媒流路(36,37,38,39)が設けられると共に、各流路(36,37,38,39)にそれぞれ第1から第3までの開閉機構(41,42,43)が設けられる。
二段圧縮動作では、第2開閉機構(42)のみが開状態となる。このため、二段圧縮動作時には、第1圧縮室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吸入側とが第2流路(38)を介して繋がる状態となり、冷媒が第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)内で順に圧縮される。
単独単段圧縮動作では、第1開閉機構(41)及び第2開閉機構(42)が開状態となる。このため、単独単段圧縮動作時には、第1圧縮室(29)の吸入側と第2圧縮室(30)の吸入側とが第1流路(36,37)を介して繋がる状態となると同時に、第1圧縮室(29)の吐出側と該第2圧縮室(30)の吸入側とが第2流路(38)を介して繋がる状態となる。つまり、単独単段圧縮動作時には、第1圧縮室(29)の吸入側と吐出側とが第1流路(36,37)及び第2流路(38)を介して繋がる状態となる。このように、第1圧縮室(29)の吸入側と吐出側とが繋がる状態となると、第1圧縮室(29)の吸入側の冷媒圧力と吐出側の冷媒圧力とが均圧することになる。このため、第1圧縮室(29)では、吐出弁の背圧が吸入圧となるため、第1圧縮室(29)内のピストンが公転して冷媒を圧縮しようとすると、すぐに吐出弁が開いてしまい、この冷媒は圧縮されずに、吐出側に流出することになる。従って、第1圧縮室(29)では、圧縮仕事がなされず、冷媒は第1圧縮室(29)をそのままの状態で通過することになる。以上のようにして第1圧縮室(29)を流出した冷媒は、第2流路(38)を経由して第2圧縮室(30)に吸入され、この第2圧縮室(30)で圧縮される。
並列単段圧縮動作では、第1開閉機構(41)及び第3開閉機構(43)が開状態となる。このため、並列単段圧縮動作時には、第1圧縮室(29)の吸入側と該第2圧縮室(30)の吸入側とが第1流路(36,37)を介して繋がると同時に、第1圧縮室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吐出側とが第3流路(39)を介して繋がる状態となる。従って、第1圧縮室(29)の吸入側の冷媒は、一部が第2圧縮室(30)に吸入されて該第2圧縮室(30)内で圧縮されると同時に、残りは第1圧縮室(29)内で圧縮されて第2圧縮室(30)の吐出側に送られる。その結果、冷媒は、第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とでそれぞれ単段圧縮される。
第4の発明は、第1開閉機構が、第1から第3までのポートを有する三方弁(41)で構成され、上記第1流路は、一端が第1圧縮室(29)の吸入側と接続し、他端が三方弁(41)の第1ポートと接続する第1配管(36)と、一端が三方弁(41)の第2ポートと接続し、他端が第2圧縮室(30)の吸入側と接続する第2配管(37)とで構成され、上記冷媒回路(10)には、中間圧冷媒が流れると共に三方弁(41)の第3ポートと接続する中間インジェクション配管(18)が設けられ、上記単独単段圧縮動作及び並列単段圧縮動作では、三方弁(41)の第1ポートと第2ポートとが連通する状態となり、二段圧縮動作では、三方弁(41)の第2ポートと第3ポートとが連通する状態となることを特徴とするものである。
第4の発明では、冷媒回路(10)に中間インジェクション配管(18)が設けられる。また、第1流路(36,37)には、第1開閉機構としての三方弁(41)が設けられる。
ここで、本発明では、単独単段圧縮動作及び並列単段圧縮動作において、三方弁(41)が第1ポート及び第2ポートを連通させる。このため、これらの動作においては、第1流路(36,37)が開の状態となるため、第3の発明のような単独単段圧縮動作及び並列単段圧縮動作が行われる。一方、これらの動作では、三方弁(41)の第3ポートが閉鎖されるので、中間インジェクション配管(18)からの中間圧冷媒が、第1流路側に送り込まれることはない。
一方、二段圧縮動作では、三方弁(41)が第1ポートを閉鎖することで、第1流路(36,37)が閉じた状態となる。このため、第3の発明のような二段圧縮動作が行われる。一方、この二段圧縮動作では、三方弁(41)の第2ポートと第3ポートとが連通する状態となる。このため、中間インジェクション配管(18)を流れる中間圧冷媒は、第2配管(37)を経由して第2圧縮室(30)の吸入側へ送られる。そして、この冷媒は、第1圧縮室(29)内で圧縮された冷媒と混合される。その結果、第1圧縮室(29)内で中間圧まで圧縮された冷媒は、中間インジェクション配管(18)から送られた冷媒によって冷却される。
第5の発明は、第3の発明において、上記第2開閉機構が電磁開閉弁(42)で構成されていることを特徴とするものである。
第5の発明では、第2流路(38)に第2開閉機構としての電磁開閉弁(42)が設けられる。この電磁開閉弁(42)は、上記並列単段圧縮動作時にのみ閉じた状態となる。
第6の発明は、第3の発明において、上記第3開閉機構が、第2圧縮室(30)の吐出側から第1圧縮室(29)の吐出側への冷媒の流れのみを禁止する逆止弁(43)で構成されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、第3流路(39)に第3開閉機構としての逆止弁(43)が設けられる。上記二段圧縮動作や単独単段圧縮動作では、第2圧縮室(30)の吐出側の圧力が、第1圧縮室(29)の吐出側の圧力よりも高くなる。一方、逆止弁(43)は、第2圧縮室(30)の吐出側から第1圧縮室(29)の吐出側への冷媒の流れを禁止するので、第2圧縮室(30)の吐出側の冷媒が第3流路(39)を逆流することはない。一方、上記並列単段圧縮動作では、第1圧縮室(29)の吐出側の圧力と、第2圧縮室(30)の吐出側の圧力とが同じような圧力となる。従って、第1圧縮室(29)の吐出側の冷媒は、開放状態の逆止弁(43)を通過して第2圧縮室(30)の吐出側へ送られる。
第7の発明は、第1から第6のいずれか1の発明において、冷媒回路(10)には、冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる熱交換器(13)が設けられ、上記並列単段圧縮動作時の高圧冷媒を熱交換器(13)内へ送ることで該熱交換器(13)の除霜を行うデフロスト運転が可能となっていることを特徴とするものである。
第7の発明では、上述したような並列単段圧縮動作で圧縮した冷媒が、熱交換器(13)の除霜に利用される。つまり、本発明の冷凍装置では、比較的冷媒循環量が多い条件で、熱交換器(13)のデフロスト運転が行われる。
本発明では、切換手段(41,42,43)で冷媒の流路を変更することで、各圧縮室(31,32)において、二段圧縮動作と、単独単段圧縮動作と、並列単段圧縮動作とを任意に切り換えられるようにしている。このため、例えばこの冷凍装置で室内の暖房運転を行う場合において、室外温度が極めて低い条件では、上記二段圧縮動作を行うことで、暖房能力の向上を図ることができる。また、例えば暖房運転において、暖房負荷が比較的大きい条件では、上記並列単段圧縮動作を行うことで、冷媒循環量を増大させて暖房能力の向上を図ることができる。更に、例えば暖房運転において、暖房負荷が比較的小さい条件では、上記単独単段圧縮動作を行うことで、暖房能力が過剰となってしまうのを防止できる。
以上のように、本発明では、運転条件に応じて、二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を切り換えて運転を行うことができる。従って、この冷凍装置の能力制御幅を拡大でき、広範囲の運転条件の変化に追随して効率の高い運転を行うことができる。
第2の発明では、切換手段(41,42,43)によって第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)の繋がる状態を適宜変更でき、上記二段圧縮動作と、単独単段圧縮動作と、並列単段圧縮動作とを選択的に切り換えることができる。
第3の発明では、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)が駆動軸(23)の回転に伴い同時に拡縮される構成となる場合にも、上記二段圧縮動作と、単独単段圧縮動作と、並列単段圧縮動作とを選択的に切り換えることができる。即ち、複数の圧縮室(31,32)が同じ軸に拡縮される場合、従来のものであれば、一つの圧縮室で冷媒が圧縮されると、他方の圧縮室でも冷媒が圧縮されてしまう。しかしながら、本発明の単独単段圧縮動作では、第1圧縮室(29)の吸入側と吐出側とを繋ぐことで、冷媒が第1圧縮室(29)をそのまま通過して第2圧縮室(30)の吸入側に送られる。その結果、第1圧縮室(29)で無駄な圧縮仕事を行うことなく、第2圧縮室(30)のみで冷媒を単段圧縮することができる。
第4の発明では、第1流路(36,37)に三方弁(41)を設けることで、二段圧縮動作のみに中間圧冷媒を第1圧縮室(29)の吐出側に送り、第1圧縮室(29)からの吐出冷媒温度を低くすることができる。また、この三方弁(41)は、中間圧冷媒のインジェクション動作の切換と、第1流路(36,37)の開閉動作の切換を同時に行うものである。従って、他の動作から二段圧縮動作へ切り換えると同時に、中間圧冷媒のインジェクション動作を確実に開始させることができる。
第5の発明によれば、第2流路(38)に電磁開閉弁(42)を設けるようにしたので、並列単段圧縮動作時において、第1圧縮室(29)からの吐出冷媒が、第2流路(38)を介して他の流路へ漏洩してしまうのを確実に防止することができる。
第6の発明によれば、第3流路(39)に逆止弁(43)を設けるようにしたので、特別な制御を施すことなく、また比較的単純な構成によって、第3流路(39)を開閉することができる。
第7の発明では、熱交換器(13)のデフロスト運転を行う場合に、上述した並列単段圧縮動作を行うようにしている。このため、デフロスト運転時の冷媒循環量を多くすることができ、熱交換器(13)の除霜を短期間で行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る冷凍装置は、室内の暖房と冷房とを切り換えて行う空調機(1)を構成している。この空調機(1)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えており、いわゆるヒートポンプ式の空調機を構成している。
図1に示すように、冷媒回路(10)には、主な構成機器として、圧縮機(20)、室内熱交換器(11)、膨張弁(12)、及び室外熱交換器(13)が設けられている。
上記室内熱交換器(11)は、室内機に設けられている。この室内熱交換器(11)は、室内ファンが送風する室内空気と冷媒とを熱交換させる。上記室外熱交換器(13)は、室外機に設けられている。この室外熱交換器(13)は、室外ファンが送風する室外空気と冷媒とを熱交換させる。上記膨張弁(12)は、冷媒回路(10)における室内熱交換器(11)と室外熱交換器(13)の間に設けられている。この膨張弁(12)は、その開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
冷媒回路(10)には、四路切換弁(14)、内部熱交換器(15)、減圧弁(16)、及び受液器(17)も設けられている。
上記四路切換弁(14)は、第1から第4までのポートを備えている。四路切換弁(14)は、その第1ポートが圧縮機(20)の吐出管(31)と接続し、その第2ポートが室内熱交換器(11)と接続し、その第3ポートが上記受液器(17)を介して圧縮機(20)の吸入管(32)と接続し、その第4ポートが室外熱交換器(13)と接続している。この四路切換弁(14)は、第1ポートと第2ポートが連通すると同時に第3ポートと第4ポートが連通する状態と、第1ポートと第4ポートが連通すると同時に第2ポートと第3ポートが連通する状態とに切り換え可能となっている。
上記内部熱交換器(15)は、第1熱交換用流路(15a)と第2熱交換用流路(15b)とを有する二重管熱交換器を構成している。第1熱交換用流路(15a)は、室内熱交換器(11)と膨張弁(12)の間の冷媒配管に跨るように配置されている。第2熱交換用流路(15b)は、内部熱交換器(15)と膨張弁(12)の間から分岐する中間インジェクション配管(18)に跨るように配置されている。中間インジェクション配管(18)には、内部熱交換器(15)の上流側に上記減圧弁(16)が設けられている。そして、内部熱交換器(15)では、第1熱交換用流路(15a)を流れる高圧液冷媒と、第2熱交換用流路(15b)を流れる中間圧冷媒とが熱交換可能となっている。
上述した圧縮機(20)は、密閉型のケーシング(21)内に、電動機(22)、駆動軸(23)、及び2つの圧縮機構(24,25)が収納されている。
上記電動機(22)は、ケーシング(21)の上部に配置されている。この電動機(22)の内部には、上記駆動軸(23)が上下に貫通している。駆動軸(23)は、電動機(22)に駆動されて回転可能となっている。
上記2つの圧縮機構(24,25)は、ケーシング(21)の下部に配置されている。これらの圧縮機構は、ケーシング(21)の底部側寄りの第1圧縮機構(24)と、電動機(22)側寄りの第2圧縮機構(25)とで構成されている。第1圧縮機構(24)と第2圧縮機構(25)とは、上記駆動軸(23)によって互いに連結されている。つまり、第1圧縮機構(24)と第2圧縮機構(25)とは、同じ軸によって駆動される。
また、第1圧縮機構(24)と第2圧縮機構(25)とは、ロータリー式のスイング型圧縮機構で構成されている。各圧縮機構(24,25)は、円柱状のシリンダ室(圧縮室)内にそれぞれ円柱状のピストンが収納されている。具体的に、第1圧縮機構(24)は、第1シリンダ室(第1圧縮室)(29)と、該第1シリンダ室(29)内に収納される第1ピストン(26)とを備えている。第2圧縮機構(25)は、第2シリンダ室(第2圧縮室)(30)と、該第2シリンダ室(30)内に収納される第2ピストン(27)が収納されている。そして、各ピストン(26,27)は、駆動軸(23)の軸心から偏心して各シリンダ室(29,30)をそれぞれ回転する。その結果、各シリンダ室(29,30)の容積が拡縮され、各圧縮機構(24,25)で冷媒が圧縮される。なお、本実施形態において、第1圧縮機構(24)の第1シリンダ室(29)の容積が、第2圧縮機構(25)の第2シリンダ室(30)の容積よりも大きく設定されている。
上記第1圧縮機構(24)には、冷媒を第1シリンダ室(29)内に吸入させるための上述した吸入管(32)と、第1シリンダ室(29)内で圧縮した冷媒を吐出させるための吐出連絡管(33)とが接続されている。吐出連絡管(33)は、ケーシング(21)を貫通して該ケーシング(21)の外部まで延びている。なお、第1圧縮機構(24)と吐出連絡管(33)の間には、図示しない吐出弁が設けられている。この吐出弁は、第1シリンダ室(29)内の冷媒圧力が吐出連絡管(33)側の圧力よりも大きくなると開放するように構成されている。
上記第2圧縮機構(25)には、冷媒を第2シリンダ室(30)内に吸入させる吸入連絡管(34)が接続している。また、第2圧縮機構(25)には、第2シリンダ室(30)で圧縮した冷媒を吐出させる吐出ポート(図示省略)が設けられている。この吐出ポートは、ケーシング(21)の内部空間に臨むように開口している。なお、吐出ポートにも、図示しない吐出弁が設けられている。この吐出弁は、第2シリンダ室(30)内の冷媒圧力が、ケーシング(21)の内部圧力よりも大きくなると開放するように構成されている。
圧縮機(20)のケーシング(21)には、その頂部に上述した吐出管(31)が接続されており、その胴部に分岐連絡管(35)が接続している。吐出管(31)及び分岐連絡管(35)は、その一端がケーシング(21)の内部空間にそれぞれ臨んでいる。
本発明の特徴として、圧縮機(20)は、詳細は後述する3つの圧縮動作を切換可能に構成されている。このため、冷媒回路(10)には、3つの冷媒の流路と、これらの冷媒流路を切り換えるための切換手段が設けられている。
第1冷媒流路は、第1シリンダ室(29)の吸入側と第2シリンダ室(30)の吸入側とを繋ぐための流路を構成している。具体的に、第1冷媒流路は、第1バイパス管(36)及び第2バイパス管(37)とで構成されている。また、第1冷媒流路には、3つのポートを有する三方弁(41)が設けられている。この三方弁(41)は、本発明の第1開閉機構を構成している。
上記第1バイパス管(36)は、一端が吸入管(32)と接続し、他端が三方弁(41)の第1ポートと接続している。上記第2バイパス管(37)は、一端が三方弁(41)の第2ポートと接続し、他端が吸入連絡管(34)と接続している。また、三方弁(41)の第3ポートには、上述した中間インジェクション配管(18)の流出端が接続している。この三方弁(41)は、第1ポートと第2ポートを連通させると同時に第3ポートを閉鎖する状態と、第2ポートと第3ポートを連通させると同時に第1ポートを閉鎖する状態とに切り換え可能となっている。
第2冷媒流路は、第1シリンダ室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吸入側とを繋ぐための流路を構成している。具体的に、第2冷媒流路は、第3バイパス管(38)で構成されている。第3バイパス管(38)は、一端が吐出連絡管(33)と接続し、他端が吸入連絡管(34)と接続している。また、第3バイパス管(38)には、冷媒の流路を開閉するための開閉弁(42)が設けられている。この開閉弁(42)は、電磁開閉弁であって、本発明の第2開閉機構を構成している。
第3冷媒流路は、第1シリンダ室(29)の吐出側と第2シリンダ室(30)の吐出側とを繋ぐための流路を構成している。具体的に、第3冷媒流路は、第4バイパス管(39)で構成されている。第4バイパス管(39)は、一端が吐出連絡管(33)と接続し、他端が分岐連絡管(35)と接続している。また、第4バイパス管(39)には、分岐連絡管(35)側から吐出連絡管(33)側への冷媒の流れを禁止し、その逆の流れを許容する逆止弁(43)が設けられている。この逆止弁(43)は、本発明の第3開閉機構を構成している。
−運転動作−
本実施形態に係る空調機(1)の運転動作について説明する。この空調機(1)では、以下に述べる暖房運転や冷房運転等が切り換え可能となっている。
本実施形態に係る空調機(1)の運転動作について説明する。この空調機(1)では、以下に述べる暖房運転や冷房運転等が切り換え可能となっている。
(暖房運転)
空調機(1)の暖房運転では、四路切換弁(14)が図2〜図4に示す状態に設定されると共に、膨張弁(12)の開度が適宜調節される。また、この暖房運転では、上述した第1から第3開閉機構(41,42,43)の設定を変更することで、圧縮機(20)による二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作が切り換え可能となっている。
空調機(1)の暖房運転では、四路切換弁(14)が図2〜図4に示す状態に設定されると共に、膨張弁(12)の開度が適宜調節される。また、この暖房運転では、上述した第1から第3開閉機構(41,42,43)の設定を変更することで、圧縮機(20)による二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作が切り換え可能となっている。
《二段圧縮動作》
暖房運転において、外気温度が極めて低いような場合には、圧縮機(20)が二段圧縮動作を行う。この二段圧縮動作では、三方弁(41)が図2に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が開の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)とは直列に繋がる状態となる。また、二段圧縮動作では、減圧弁(16)の開度が適宜調節される。
暖房運転において、外気温度が極めて低いような場合には、圧縮機(20)が二段圧縮動作を行う。この二段圧縮動作では、三方弁(41)が図2に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が開の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)とは直列に繋がる状態となる。また、二段圧縮動作では、減圧弁(16)の開度が適宜調節される。
図2に示すように、圧縮機(20)の吐出管(31)から吐出された冷媒は、四路切換弁(14)を経由して室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。その結果、室内の暖房が行われる。
室内熱交換器(11)で凝縮した冷媒は、内部熱交換器(15)の第1熱交換用流路(15a)を流れる。一方、内部熱交換器(15)では、中間インジェクション配管(18)へ分流して減圧弁(16)で中間圧まで減圧された冷媒が、第2熱交換用流路(15b)を流れる状態となっている。つまり、内部熱交換器(15)では、高圧の冷媒が第1熱交換用流路(15a)を流通しており、中間圧の冷媒が第2熱交換用流路(15b)を流通している。従って、内部熱交換器(15)では、第1熱交換用流路(15a)側の冷媒の熱が、第2熱交換用流路(15b)側の冷媒に付与され、この第2熱交換用流路(15b)側の冷媒が蒸発する。
一方、中間インジェクション配管(18)側へ分流しない残りの冷媒は、膨張弁(12)で低圧まで減圧された後、室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、受液器(17)を経由して圧縮機(20)の吸入側へ送られる。
圧縮機(20)の吸入側へ送られた冷媒は、吸入管(32)を流れて第1圧縮機構(24)の第1シリンダ室(29)内に吸入される。第1シリンダ室(29)では、第1ピストン(26)の公転運動に伴って冷媒が中間圧力まで昇圧される。第1シリンダ室(29)内で圧縮された冷媒は、吐出連絡管(33)よりケーシング(21)の外部へ排出される。この冷媒は、第3バイパス管(38)を通過する。
一方、上述のように、中間インジェクション配管(18)には、内部熱交換器(15)で蒸発した冷媒が流れている。従って、この冷媒は、三方弁(41)及び第2バイパス管(37)を流れた後、第3バイパス管(38)を通過した冷媒と合流する。以上のように、この二段圧縮動作では、第1圧縮機構(24)で圧縮した冷媒に、中間インジェクション配管(18)を介して中間圧冷媒を混合させることで、第1圧縮機構(24)の吐出冷媒温度を低下させるようにしている。
合流後の冷媒は、吸入連絡管(34)を流れて第2圧縮機構(25)の第2シリンダ室(30)内に吸入される。第2シリンダ室(30)では、第2ピストン(27)の公転運動に伴って冷媒が高圧まで昇圧される。第2圧縮機構(25)で圧縮された冷媒は、吐出ポートよりケーシング(21)の内部空間に排出される。その結果、ケーシング(21)の内部空間は、高圧の冷媒で満たされる。このように、ケーシング(21)の内部空間が高圧となると、この内部空間から逆止弁(43)までの配管の内圧も高圧となる。従って、二段圧縮動作では、この逆止弁(43)は常時閉じた状態となる。以上のようにして、第1圧縮機構(24)、第2圧縮機構(25)の順で圧縮された冷媒は、吐出管(31)からケーシング(21)の外部へ排出される。
《単独単段圧縮動作》
暖房運転において、外気温度が比較的高く、室内の暖房負荷も小さい場合には、圧縮機(20)が単独単段圧縮動作を行う。この単独単段圧縮動作では、三方弁(41)が図3に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が開の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)の吸入側と吐出側とが繋がった状態となる。また、この単独単段圧縮動作では、減圧弁(16)が閉の状態となる。
暖房運転において、外気温度が比較的高く、室内の暖房負荷も小さい場合には、圧縮機(20)が単独単段圧縮動作を行う。この単独単段圧縮動作では、三方弁(41)が図3に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が開の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)の吸入側と吐出側とが繋がった状態となる。また、この単独単段圧縮動作では、減圧弁(16)が閉の状態となる。
図3に示すように、圧縮機(20)の吐出管(31)から吐出された冷媒は、四路切換弁(14)を経由して室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。その結果、室内の暖房が行われる。
室内熱交換器(11)で凝縮した冷媒は、内部熱交換器(15)の第1熱交換用流路(15a)をそのまま流れ、膨張弁(12)で低圧まで減圧された後、室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、受液器(17)を経由して圧縮機(20)の吸入側へ送られる。
圧縮機(20)の吸入側へ送られた冷媒は、吸入管(32)と第1バイパス管(36)とに分流する。吸入管(32)を流れる冷媒は、第1圧縮機構(24)の第1シリンダ室(29)内に吸入される。ここで、単独単段圧縮動作では、第1シリンダ室(29)の吸入側と吐出側とは、第1バイパス管(36)、第2バイパス管(37)、第3バイパス管(38)、及び吐出連絡管(33)を介して連通している。つまり、この単独単段圧縮動作では、第1圧縮機構(24)の吸入側の圧力と、吐出側の圧力とが均圧している。このため、第1圧縮機構(24)では、吐出側の圧力が小さいため、吐出弁が常時開放した状態となる。従って、第1ピストン(26)が公転して冷媒を圧縮しようとしても、この冷媒は開放状態の吐出弁を通過して吐出連絡管(33)へ流出する。つまり、単独単段圧縮動作時の第1シリンダ室(29)内では、圧縮仕事がなされず、冷媒は第1圧縮機構(24)をそのままの状態で通過することになる。
第1圧縮機構(24)を通過した冷媒と、第1,第2バイパス管(36,37)を通過した冷媒とは、吸入連絡管(34)で合流した後、第2圧縮機構(25)の第2シリンダ室(30)内に吸入される。第2シリンダ室(30)では、第2ピストン(27)の公転運動に伴って冷媒が高圧まで昇圧される。第2圧縮機構(25)で圧縮された冷媒は、吐出ポートよりケーシング(21)の内部空間に排出される。その結果、ケーシング(21)の内部空間は、高圧の冷媒で満たされる。このように、ケーシング(21)の内部空間が高圧となると、この内部空間から逆止弁(43)までの間の配管の内圧も高圧となる。従って、この単独単段圧縮動作においても、分岐連絡管(35)の逆止弁(43)は常時閉じた状態となる。以上のようにして、第2圧縮機構(25)のみで単段圧縮された冷媒は、吐出管(31)からケーシング(21)の外部へ排出される。
《並列単段圧縮動作》
暖房運転において、室内の暖房負荷が比較的高く、暖房能力が不足している場合には、圧縮機(20)が並列単段圧縮動作を行う。この並列単段圧縮動作では、三方弁(41)が図4に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が閉の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)とは並列に繋がる状態となる。また、並列単段圧縮動作では、減圧弁(16)の開度が閉の状態となる。
暖房運転において、室内の暖房負荷が比較的高く、暖房能力が不足している場合には、圧縮機(20)が並列単段圧縮動作を行う。この並列単段圧縮動作では、三方弁(41)が図4に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が閉の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)とは並列に繋がる状態となる。また、並列単段圧縮動作では、減圧弁(16)の開度が閉の状態となる。
図4に示すように、圧縮機(20)の吐出管(31)から吐出された冷媒は、上述の暖房運転の単独単段圧縮動作と同様に、室内熱交換器(11)、室外熱交換器(13)等を流れ、圧縮機(20)の吸入側へ送られる。
圧縮機(20)の吸入側へ送られた冷媒は、吸入管(32)と第1バイパス管(36)とに分流する。吸入管(32)より第1シリンダ室(29)内へ送られた冷媒は、高圧まで圧縮された後、吐出連絡管(33)よりケーシング(21)の外部へ排出される。この冷媒は、第4バイパス管(39)を流れて開放状態の逆止弁(43)を通過し、分岐連絡管(35)よりケーシング(21)の内部空間に流入する。
一方、第1バイパス管(36)に分流した冷媒は、第2バイパス管(37)及び吸入連絡管(34)を流れる。吸入連絡管(34)より第2シリンダ室(30)内へ送られた冷媒は、高圧まで圧縮された後、吐出口からケーシング(21)の内部空間へ排出される。以上のようにして、第1圧縮機構(24)及び第2圧縮機構(25)でそれぞれ単段圧縮された冷媒は、吐出管(31)からケーシング(21)の外部へ排出される。
(デフロスト運転)
ところで、上述のような暖房運転において、室外熱交換器(13)が蒸発器として機能すると、室外熱交換器(13)の表面に霜が付着し、暖房能力の低下を招いてしまう恐れがある。このため、この空調機(1)では、室外熱交換器(13)の霜を融かすために、デフロスト運転が可能となっている。以下には、このデフロスト運転について説明する。
ところで、上述のような暖房運転において、室外熱交換器(13)が蒸発器として機能すると、室外熱交換器(13)の表面に霜が付着し、暖房能力の低下を招いてしまう恐れがある。このため、この空調機(1)では、室外熱交換器(13)の霜を融かすために、デフロスト運転が可能となっている。以下には、このデフロスト運転について説明する。
このデフロスト運転では、四路切換弁(14)が図5に示す状態に切り換わる。また、このデフロスト運転では、三方弁(41)が図5に示す状態となり、第3バイパス管(38)の開閉弁(42)が閉の状態となる。その結果、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)とは並列に繋がる状態となる。つまり、このデフロスト運転では、上述の並列単段圧縮動作が行われる。
圧縮機(20)の吐出管(31)から吐出された高圧冷媒は、四路切換弁(14)を経由して室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、高圧高温の冷媒が該室外熱交換器(13)の表面の霜に熱を付与する。その結果、室外熱交換器(13)の表面の霜が次第に融解していく。
室外熱交換器(13)の除霜に利用された冷媒は、膨張弁(12)で減圧された後、室内熱交換器(11)を流れる。室内熱交換器(11)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(11)で蒸発した冷媒は、受液器(17)を経由して圧縮機(20)の吸入側へ送られる。
圧縮機(20)では、上述と同様に並列単段圧縮動作が行われる。以上のように、このデフロスト運転では、いわゆる逆サイクルデフロストによって、室外熱交換器(13)の除霜が行われる。また、このデフロスト運転では、第1圧縮機構(24)と第2圧縮機構(25)とで冷媒をそれぞれ単段圧縮するようにしている。このため、デフロスト運転時における冷媒回路(10)の冷媒循環量が多くなるので、デフロスト時間の短縮化が図られる。
(冷房運転)
冷房運転では、上述したデフロスト運転と同様に、四路切換弁(14)が図5に示す状態に設定される。その結果、室内熱交換器(11)で冷媒が蒸発して室内の冷房が行われる。なお、この冷房運転の詳細な運転動作についての説明は省略するが、圧縮機(20)では、室内の冷房負荷に応じて上述の単独単段圧縮動作と並列単段圧縮動作とが切り換えて行われる。
冷房運転では、上述したデフロスト運転と同様に、四路切換弁(14)が図5に示す状態に設定される。その結果、室内熱交換器(11)で冷媒が蒸発して室内の冷房が行われる。なお、この冷房運転の詳細な運転動作についての説明は省略するが、圧縮機(20)では、室内の冷房負荷に応じて上述の単独単段圧縮動作と並列単段圧縮動作とが切り換えて行われる。
−実施形態の効果−
以上のように、上記実施形態では、切換手段(41,42,43)で冷媒の流路を変更することで、各圧縮機構(24,25)において、二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を適宜切り換えられるようにしている。このため、冬季に室外温度が極めて低い条件では、上述のような二段圧縮動作を行うことで暖房能力の向上を図ることができる。また、暖房負荷、あるいは冷房負荷が比較的大きい条件では、上述のような並列単段圧縮動作を行うことで、冷媒循環量を増大させて空調能力の向上を図ることができる。更に、暖房負荷や冷房負荷が比較的小さい条件では、上記単独単段圧縮動作を行うことで、無駄な圧縮動作を行ってしまったり、空調能力が過剰となってしまったりするのを防止できる。
以上のように、上記実施形態では、切換手段(41,42,43)で冷媒の流路を変更することで、各圧縮機構(24,25)において、二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を適宜切り換えられるようにしている。このため、冬季に室外温度が極めて低い条件では、上述のような二段圧縮動作を行うことで暖房能力の向上を図ることができる。また、暖房負荷、あるいは冷房負荷が比較的大きい条件では、上述のような並列単段圧縮動作を行うことで、冷媒循環量を増大させて空調能力の向上を図ることができる。更に、暖房負荷や冷房負荷が比較的小さい条件では、上記単独単段圧縮動作を行うことで、無駄な圧縮動作を行ってしまったり、空調能力が過剰となってしまったりするのを防止できる。
以上のように、上記実施形態の空調機(1)では、各運転条件に応じて、二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を切り換えて運転を行うことができる。従って、この空調機(1)の能力制御幅を拡大でき、広範囲の運転条件変化に追随して効率の高い運転を行うことができる。
また、上記実施形態によれば、第1圧縮機構(24)及び第2圧縮機構(25)が、それぞれロータリ式圧縮機構で構成され、両圧縮機構(24,25)が駆動軸(23)によって互いに連結されている場合にも、上記二段圧縮動作と、単独単段圧縮動作と、並列単段圧縮動作とを選択的に切り換えることができる。即ち、複数の圧縮機構(24,25)が同軸によって駆動される場合には、一つの圧縮機構が駆動されると、他の圧縮機構も駆動されてしまうことになるが、上記実施形態では、単独単段圧縮動作時に、第1圧縮機構(24)の吸入側と吐出側とを繋ぐことで、第1圧縮機構(24)で圧縮仕事をさせずに、第2圧縮機構(25)のみで冷媒を圧縮させることができる。
更に、上記実施形態によれば、三方弁(41)を切り換えることで、二段圧縮動作中に中間圧冷媒を第1圧縮機構(24)の吐出側に送ることができる。従って、第1圧縮機構(24)の吐出冷媒温度を低減することができる。ここで、上記三方弁(41)は、中間圧冷媒のインジェクション動作の切換と、第1流路(36,37)の開閉動作の切換を同時に行うものである。従って、他の動作から二段圧縮動作へ切り換えると同時に、中間圧冷媒のインジェクション動作を確実に開始させることができる。
また、上記実施形態では、第2流路(38)に電磁開閉弁から成る開閉弁(42)を設けるようにしたので、並列単段圧縮動作時において、第1圧縮機構(24)の吐出冷媒が、第2流路(38)を介して他の流路へ漏洩してしまうのを確実に防止することができる。
更に、上記実施形態では、第3流路(39)に逆止弁(43)を設けるようにしたので、特別な制御を施すことなく、また比較的単純な構成によって、第3流路(39)を開閉することができる。
−実施形態の変形例−
上述した実施形態については、以下に示す各変形例のような構成としても良い。なお、以下の変形例では、上記実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、以下に示す各変形例を互いに組み合わせた構成としても良い。
上述した実施形態については、以下に示す各変形例のような構成としても良い。なお、以下の変形例では、上記実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、以下に示す各変形例を互いに組み合わせた構成としても良い。
<変形例1>
図6に示すように、変形例1の空調機(1)は、上記実施形態の内部熱交換器(15)に代わって気液分離器(50)を設けるようにしたものである。変形例1の気液分離器(50)は、円筒型の密閉容器で構成されている。この気液分離器(50)には、その頂部に室内熱交換器(11)と接続する配管が接続され、その底部に室外熱交換器(13)と接続する配管が接続されている。更に、気液分離器(50)の頂部には、上述した実施形態と同様の中間インジェクション配管(18)の流入端が接続されている。また、この変形例1では、室内熱交換器(11)と気液分離器(50)の間の配管に中間膨張弁(51)が設けられている。
図6に示すように、変形例1の空調機(1)は、上記実施形態の内部熱交換器(15)に代わって気液分離器(50)を設けるようにしたものである。変形例1の気液分離器(50)は、円筒型の密閉容器で構成されている。この気液分離器(50)には、その頂部に室内熱交換器(11)と接続する配管が接続され、その底部に室外熱交換器(13)と接続する配管が接続されている。更に、気液分離器(50)の頂部には、上述した実施形態と同様の中間インジェクション配管(18)の流入端が接続されている。また、この変形例1では、室内熱交換器(11)と気液分離器(50)の間の配管に中間膨張弁(51)が設けられている。
この変形例1の空調機(1)の暖房運転時の二段圧縮動作では、室内熱交換器(11)で凝縮した後の冷媒が、中間膨張弁(51)によって中間圧まで減圧される。そして、この中間圧の冷媒が気液分離器(50)内に貯留される。この冷媒は、気液分離器(50)内で液冷媒とガス冷媒とに分離される。
ここで、この変形例1の二段圧縮動作では、上記実施形態と同様に、三方弁(41)の第2ポートと第3ポートとが連通する状態となる。従って、気液分離器(50)内の上部に溜まった中間圧のガス冷媒は、中間インジェクション配管(18)を経由して第2バイパス管(37)を流れ、第1シリンダ室(29)内で圧縮された冷媒と混合される。以上のように、この変形例1の二段圧縮動作においても、第1シリンダ室(29)内で圧縮した冷媒に中間圧のガス冷媒を混合させることで、第1圧縮機構(24)の吐出冷媒温度を低下させることができる。
<変形例2>
図7に示すように、変形例2の空調機(1)は、上記実施形態の圧縮機(20)の構成が異なるものである。この変形例2の圧縮機(20)では、駆動軸(23)に対して4つの圧縮機構が設けられている。
図7に示すように、変形例2の空調機(1)は、上記実施形態の圧縮機(20)の構成が異なるものである。この変形例2の圧縮機(20)では、駆動軸(23)に対して4つの圧縮機構が設けられている。
具体的に、圧縮機(20)には、その底部より順に、第1下段側圧縮機構(24a)、第2下段側圧縮機構(25a)、第1上段側圧縮機構(24b)、及び第2上段側圧縮機構(25b)が設けられている。第1下段側圧縮機構(24a)は第1下段側シリンダ室(29a)内に第1下段側ピストン(26a)が収納され、第2下段側圧縮機構(25a)は第2下段側シリンダ室(30a)内に第2下段側ピストン(27a)が収納され、第1上段側圧縮機構(24b)は第1上段側シリンダ室(29b)内に第1上段側ピストン(26b)が収納され、第2上段側圧縮機構(25b)は第2上段側シリンダ室(30b)内に第2上段側ピストン(27b)が収納されている。そして、各ピストン(26a,26b,27a,27b)は、それぞれ同じ駆動軸(23)に連結されている。
第1下段側圧縮機構(24a)及び第1上段側圧縮機構(24b)は、互いに並列な関係の一組の圧縮機構を構成している。つまり、この変形例2では、吸入管が2つに分岐しており、一方の吸入管(32a)が第1下段側シリンダ室(29a)に接続され、他方の吸入管(32b)が第1上段側シリンダ室(29b)に接続されている。また、この変形例2では、吐出連絡管が2つに分岐しており、一方の吐出連絡管(33a)が第1下段側シリンダ室(29a)に接続され、他方の吐出連絡管(33b)が第1上段側シリンダ室(29b)に接続されている。
また、第2下段側圧縮機構(25a)及び第2上段側圧縮機構(25b)は、互いに並列な関係の一組の圧縮機構を構成している。つまり、この変形例2では、吸入連絡管が2つに分岐しており、一方の吸入連絡管(34a)が第2下段側シリンダ室(30a)に接続され、他方の吸入連絡管(34b)が第2上段側シリンダ室(30b)に接続されている。また、第2下段側圧縮機構(25a)及び第2上段側圧縮機構(25b)には、それぞれ吐出ポートが設けられており、各吐出ポートがケーシング(21)内の内部空間にそれぞれ臨んでいる。
また、各一組の圧縮機構では、各ピストンの位相が上段側と下段側とで180°ずれている。つまり、第1下段側ピストン(26a)と第1上段側ピストン(26b)とは、駆動軸(23)の軸心に対して180°位相がずれた状態で公転運動を行う。また、第2下段側ピストン(27a)と第2上段側ピストン(27b)とは、駆動軸(23)の軸心に対して180°位相がずれた状態で公転運動を行う。
この変形例2の空調機(1)では、上記実施形態とほぼ同様にして、二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作が行われる。
具体的に、この空調機(1)の二段圧縮動作では、第1下段側シリンダ室(29a)及び第1上段側シリンダ室(29b)内でそれぞれ中間圧まで圧縮された冷媒が、第3バイパス管(38)で合流した後、第2下段側シリンダ室(30a)及び第2上段側シリンダ室(30b)内へそれぞれ分流する。そして、各圧縮機構(25a,25b)でそれぞれ高圧まで圧縮された冷媒が、ケーシング(21)内の内部空間へ吐出される。なお、この二段圧縮動作時には、上記実施形態と同様にして、中間インジェクション配管(18)を流れた中間圧の冷媒が、第1下段側圧縮機構(24a)及び第1上段側圧縮機構(24b)でそれぞれ圧縮された中間圧冷媒と混合される。
また、この空調機(1)の単独単段圧縮動作では、第1下段側シリンダ室(29a)及び第1上段側シリンダ室(29b)の各吸入側と各吐出側とが、第1バイパス管(36)及び第2バイパス管(37)を介して連通する。従って、第1下段側圧縮機構(24a)及び第1上段側圧縮機構(24b)では、冷媒が圧縮されず、第2下段側圧縮機構(25a)及び第2上段側圧縮機構(25b)のみで冷媒がそれぞれ単段圧縮される。
更に、この空調機(1)の並列単段圧縮動作では、第1下段側シリンダ室(29a)及び第1上段側シリンダ室(29b)内でそれぞれ圧縮された冷媒が、第4バイパス管(39)を経由してケーシング(21)内の内部空間へ送り込まれる。同時に、第1バイパス管(36)及び第2バイパス管(37)を経由して第2下段側シリンダ室(30a)及び第2上段側シリンダ室(30b)へそれぞれ吸入された冷媒は、これらのシリンダ室(30a,30b)内でそれぞれ圧縮された後、各吐出ポートを介してケーシング(21)内の内部空間へ送り込まれる。
<変形例3>
図8に示すように、変形例3の空調機(1)は、三方弁(41)に代わって2つの開閉弁(44,45)を設けるようにしたものである。具体的に、この変形例3では、第1バイパス管(36)に第1電磁開閉弁(44)が、中間インジェクション配管(18)に第2電磁開閉弁(45)がそれぞれ設けられている。
図8に示すように、変形例3の空調機(1)は、三方弁(41)に代わって2つの開閉弁(44,45)を設けるようにしたものである。具体的に、この変形例3では、第1バイパス管(36)に第1電磁開閉弁(44)が、中間インジェクション配管(18)に第2電磁開閉弁(45)がそれぞれ設けられている。
この変形例3の空調機(1)では、二段圧縮動作時において、第1電磁開閉弁(44)が閉の状態となると同時に第2電磁開閉弁(45)が開の状態となる。その結果、この二段圧縮動作においても、上記実施形態と同様に中間圧冷媒のインジェクションを行うことができる。また、この変形例3では、単独単段圧縮動作及び並列単段圧縮動作時に、第1電磁開閉弁(44)が開の状態となると同時に第2電磁開閉弁(45)が閉の状態となる。その結果、この変形例3の構成においても、上記実施形態と同様の単独単段圧縮動作及び並列単段圧縮動作を行うことができる。
<変形例4>
図9に示すように、変形例4の空調機(1)は、暖房専用の空調機を構成するものである。この空調機(1)では、上記実施形態のような四路切換弁(14)が冷媒回路(10)に設けられていない。従って、この変形例4の空調機(1)では、室内熱交換器(11)が常に凝縮器となり、室外熱交換器(13)が常に蒸発器となる。この変形例4の空調機(1)の暖房運転においても、運転条件に応じて上記実施形態と同様の二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を切り換えることができる。
図9に示すように、変形例4の空調機(1)は、暖房専用の空調機を構成するものである。この空調機(1)では、上記実施形態のような四路切換弁(14)が冷媒回路(10)に設けられていない。従って、この変形例4の空調機(1)では、室内熱交換器(11)が常に凝縮器となり、室外熱交換器(13)が常に蒸発器となる。この変形例4の空調機(1)の暖房運転においても、運転条件に応じて上記実施形態と同様の二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を切り換えることができる。
<変形例5>
図10に示すように、変形例5の空調機(1)は、上記実施形態と圧縮機(20)の構成が異なるものである。変形例5の圧縮機(20)には、一つの圧縮機構(24)が設けられている。この圧縮機構(24)では、円筒状のシリンダ室が環状のピストン(26)によってその外周側に位置する第1シリンダ室(29)と、その内周側に位置する第2シリンダ室(30)とに仕切られている。つまり、この変形例5では、上記実施形態と同様の第1圧縮室及び第2圧縮室が1つの圧縮機構内に形成されている。上記ピストン(26)は、駆動軸(23)の軸心に対して偏心しながら該駆動軸(23)と連結されている。そして、駆動軸(23)の回転に伴いピストン(26)が公転すると、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)との容積が同時に拡縮される。なお、上記第1シリンダ室(29)の容積は、第2シリンダ室(30)の容積よりも大きく設定されている。
図10に示すように、変形例5の空調機(1)は、上記実施形態と圧縮機(20)の構成が異なるものである。変形例5の圧縮機(20)には、一つの圧縮機構(24)が設けられている。この圧縮機構(24)では、円筒状のシリンダ室が環状のピストン(26)によってその外周側に位置する第1シリンダ室(29)と、その内周側に位置する第2シリンダ室(30)とに仕切られている。つまり、この変形例5では、上記実施形態と同様の第1圧縮室及び第2圧縮室が1つの圧縮機構内に形成されている。上記ピストン(26)は、駆動軸(23)の軸心に対して偏心しながら該駆動軸(23)と連結されている。そして、駆動軸(23)の回転に伴いピストン(26)が公転すると、第1シリンダ室(29)と第2シリンダ室(30)との容積が同時に拡縮される。なお、上記第1シリンダ室(29)の容積は、第2シリンダ室(30)の容積よりも大きく設定されている。
この変形例5においても、上記実施形態と同様にして、第1から第3までの冷媒の流路と、これらの冷媒流路を切り換えるための切換手段が設けられている。従って、この変形例5においても、運転条件に応じて上記実施形態と同様の二段圧縮動作、単独単段圧縮動作、及び並列単段圧縮動作を切り換えることができる。なお、この変形例5では、環状のピストンが偏心回転する圧縮機構(24)を一つだけ設けているが、上記変形例2と同様にして、この圧縮機構を上下2列に設けるようにしても良い。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上述した実施形態や変形例では、圧縮機(20)の圧縮機構をロータリ式のスイング型圧縮機構や、環状のピストンが偏心回転する圧縮機構で構成している。しかしながら、これらの圧縮機構に代わって回転ピストン型のものや、それ以外の構成の圧縮機構を用いるようにしても良い。
また、上記実施形態の冷凍装置は、空気と冷媒とを熱交換させる空調機(1)に適用されている。しかしながら、例えば水などの熱媒体と冷媒とを熱交換させて冷水や温水を得る冷温水チラーや給湯器等に本発明の冷凍装置を適用するようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、複数の圧縮室を有する圧縮機を備え、冷凍サイクルを行う冷凍装置について有用である。
1 空調機
10 冷媒回路
11 室内熱交換器
13 室外熱交換器
18 中間インジェクション配管
20 圧縮機
23 駆動軸
24 第1圧縮機構
25 第2圧縮機構
29 第1シリンダ室(第1圧縮室)
30 第2シリンダ室(第2圧縮室)
36 第1バイパス管(第1流路)
37 第2バイパス管(第1流路)
38 第3バイパス管(第2流路)
39 第4バイパス管(第3流路)
41 三方弁(第1開閉機構)
42 開閉弁(第2開閉機構)
43 逆止弁(第3開閉機構)
10 冷媒回路
11 室内熱交換器
13 室外熱交換器
18 中間インジェクション配管
20 圧縮機
23 駆動軸
24 第1圧縮機構
25 第2圧縮機構
29 第1シリンダ室(第1圧縮室)
30 第2シリンダ室(第2圧縮室)
36 第1バイパス管(第1流路)
37 第2バイパス管(第1流路)
38 第3バイパス管(第2流路)
39 第4バイパス管(第3流路)
41 三方弁(第1開閉機構)
42 開閉弁(第2開閉機構)
43 逆止弁(第3開閉機構)
Claims (7)
- 第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)を有する圧縮機(20)が設けられると共に、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、
第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)で冷媒を順に圧縮する二段圧縮動作と、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)のいずれか一方で冷媒を単段圧縮する単独単段圧縮動作と、第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)でそれぞれ冷媒を単段圧縮する並列単段圧縮動作とを切り換える切換手段(41,42,43)を備えていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記切換手段(41,42,43)は、上記二段圧縮動作時に第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とを直列に繋ぐ状態とし、上記単独単段圧縮動作時に第1圧縮室(29)の吸入側と該第1圧縮室(29)の吐出側とを繋ぐ状態とし、上記並列単段圧縮動作時に第1圧縮室(29)と第2圧縮室(30)とを並列に繋ぐ状態とすることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2において、
第1圧縮室(29)及び第2圧縮室(30)は、1つの駆動軸(23)の回転に伴い同時に拡縮されるように構成され、
上記冷媒回路(10)には、第1圧縮室(29)の吸入側と第2圧縮室(30)の吸入側とを繋ぐ第1流路(36,37)と、第1圧縮室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吸入側とを繋ぐ第2流路(38)と、第1圧縮室(29)の吐出側と第2圧縮室(30)の吐出側とを繋ぐ第3流路(39)とが設けられ、
上記切換手段は、第1流路(36,37)を開閉する第1開閉機構(41)と、第2流路(38)を開閉する第2開閉機構(42)と、第3流路(39)を開閉する第3開閉機構(43)とを備え、
上記二段圧縮動作では、第2開閉機構(42)が開状態となると同時に第1開閉機構(41)及び第3開閉機構(43)が閉状態となり、上記単独単段圧縮動作では、第1開閉機構(41)及び第2開閉機構(42)が開状態となると同時に第3開閉機構(43)が閉状態となり、上記並列単段圧縮動作では、第1開閉機構(41)及び第3開閉機構(43)が開状態となると同時に第2開閉機構(42)が閉状態となることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
第1開閉機構は、第1から第3までのポートを有する三方弁(41)で構成され、
上記第1流路は、一端が第1圧縮室(29)の吸入側と接続し、他端が三方弁(41)の第1ポートと接続する第1配管(36)と、一端が三方弁(41)の第2ポートと接続し、他端が第2圧縮室(30)の吸入側と接続する第2配管(37)とで構成され、
上記冷媒回路(10)には、中間圧冷媒が流れると共に三方弁(41)の第3ポートと接続する中間インジェクション配管(18)が設けられ、
上記単独単段圧縮動作及び並列単段圧縮動作では、三方弁(41)の第1ポートと第2ポートとが連通する状態となり、二段圧縮動作では、三方弁(41)の第2ポートと第3ポートとが連通する状態となることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
上記第2開閉機構は、電磁開閉弁(42)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
上記第3開閉機構は、第2圧縮室(30)の吐出側から第1圧縮室(29)の吐出側への冷媒の流れのみを禁止する逆止弁(43)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1から6のいずれか1において、
冷媒回路(10)には、冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる熱交換器(13)が設けられ、
上記並列単段圧縮動作時の高圧冷媒を熱交換器(13)内へ送ることで該熱交換器(13)の除霜を行うデフロスト運転が可能となっていることを特徴とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
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- 2006-03-01 JP JP2006054944A patent/JP2007232280A/ja active Pending
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