JP2015113745A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチを含む可変圧縮比機構を備え、クラッチのロックを解除することが困難な状態になることを回避する内燃機関を提供する。
【解決手段】内燃機関は、クランクケースに対するシリンダブロックの相対位置を変更する可変圧縮比機構を備える。可変圧縮比機構は、偏心軸を含むシャフトを回転させる駆動装置を含み、駆動装置は、モータの回転力をシャフトに伝達する駆動力伝達経路に配置され、逆入力を遮断するクラッチを含む。内燃機関は、機械圧縮比を低下させる場合には、筒内圧が極大点から極小点まで移行する期間中に、クラッチの入力軸の駆動を開始するように形成されている。クラッチの出力軸に加わる回転力の振動の振幅が予め定められた判定値未満の時には、機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に固定する。
【選択図】図14

Description

本発明は、内燃機関に関する。
内燃機関の燃焼室では、空気および燃料の混合気が圧縮された状態で点火される。混合気を圧縮するときの圧縮比は、内燃機関の出力および燃料消費量に影響を与えることが知られている。圧縮比を高くすることにより出力されるトルクを大きくすることができて、熱効率の向上を図ることができる。ところが、圧縮比を高くしすぎると、ノッキング等の異常燃焼が生じることが知られている。従来の技術においては、運転期間中に圧縮比を変更する内燃機関が知られている。
特開2005−214088号公報には、往復操作子を進退動作させることによりピストンが上死点に到達したときの位置を変更することができる可変圧縮比エンジンが開示されている。この可変圧縮比エンジンは、アクチュエータ機構により圧縮比が変更される。アクチュエータ機構は、ボールねじと、モータの回転をボールねじのナットに伝達する回転伝達系と、回転伝達系に介在させたクラッチとを備える。この公報には、モータの駆動が入力される入力部材からナットへの回転を伝達するが、ナットから入力部材への回転の伝達を遮断する逆入力制限型のクラッチを採用することが開示されている。
特開2005−214088号公報
圧縮比を変更する可変圧縮比機構としては、ピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積を変更する機構を採用することにより圧縮比を小さくすることができる。このような可変圧縮比機構を備える内燃機関では、燃料が燃焼すると、燃焼室の圧力、すなわち筒内圧は上昇する。また、燃焼室を構成する部材に対して燃焼室の容積が大きくなる方向に働く力が増大し、可変圧縮比機構に作用する力も増大する。
上記の特開2005−214088号公報に開示されているアクチュエータ機構の逆入力制限型のクラッチでは、アクチュエータが接続されている入力側からの回転力を出力側に伝達する一方で、出力側からの回転力は遮断するロック機能を有する。このような逆入力遮断クラッチは、気筒内の圧力により出力軸に加わる回転力は遮断するという特性を有する。
機械圧縮比を変更する場合には、逆入力遮断クラッチのロック状態を解除する必要がある。ところが、逆入力遮断クラッチの出力軸には、筒内圧による回転力が加わっている。筒内圧は時間とともに変化し、ロック機能を解除するためには逆入力遮断クラッチの入力軸に供給する回転力を大きくしなければならない場合があった。このために、駆動装置のモータは容量が大きく設定され、消費電力が大きくなったり、内燃機関の燃料の消費量が多くなったりしていた。更に、駆動装置のモータを配置する場所が大きくなったり、または、モータを配置する場所が制限されたりするという問題があった。
本発明は、クラッチを含む可変圧縮比機構を備え、機械圧縮比を低下させる場合にクラッチの入力軸に供給する回転力を小さくできる内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関は、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、ピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積を変更するための偏心軸と、偏心軸を回転させるための駆動装置とを含む。駆動装置は、回転機と、回転機の回転力を偏心軸に伝達する駆動力伝達経路に配置されているクラッチとを含む。クラッチは、機械圧縮比を低下させる回転方向の出力軸からの回転力を遮断するように形成されている。回転機は、機械圧縮比を低下させる場合には、筒内圧が極大点から極小点まで移行する期間中に、クラッチの入力軸の駆動を開始するように制御されている。内燃機関は、クラッチの出力軸に加わる回転力を推定する回転力推定手段を更に備え、クラッチの出力軸に加わる回転力の振動の振幅が予め定められた判定値未満の時には、機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に変更した後に機械圧縮比の変更を禁止する。
上記発明においては、クラッチの出力軸に加わる回転力の振動の極大点と極小点とを検出し、極大点と極小点とに基づいて振動の振幅を算出することができる。
上記発明においては、クランクケースを含む支持構造物と、支持構造物に支持されているシリンダブロックとを備え、可変圧縮比機構は、支持構造物とシリンダブロックとの間に介在し、偏心軸を含むシャフトと、シャフトを回転させる駆動装置とを含み、支持構造物に対するシリンダブロックの相対位置を変更することにより機械圧縮比を変更可能に形成されている。
本発明によれば、クラッチを含む可変圧縮比機構を備え、機械圧縮比を低下させる場合にクラッチの入力軸に供給する回転力を小さくできる内燃機関を提供することができる。
実施の形態における内燃機関の概略全体図である。 実施の形態における可変圧縮比機構の概略分解斜視図である。 実施の形態における機械圧縮比の変更を説明する可変圧縮比機構の第1の概略断面図である。 実施の形態における機械圧縮比の変更を説明する可変圧縮比機構の第2の概略断面図である。 実施の形態における機械圧縮比の変更を説明する可変圧縮比機構の第3の概略断面図である。 実施の形態におけるクラッチの第1の概略断面図である。 実施の形態におけるクラッチの第2の概略断面図である。 実施の形態における機械圧縮比を低下するときのクラッチの第1の概略断面図である。 実施の形態における機械圧縮比を低下するときのクラッチの第2の概略断面図である。 実施の形態における機械圧縮比を上昇するときのクラッチの概略断面図である。 実施の形態における内燃機関のクランク角度に対する筒内圧のグラフである。 変位角を説明するクラッチの拡大概略断面図である。 実施の形態における内燃機関のクランク角度に対するクラッチの逆入力トルクのグラフである。 実施の形態における内燃機関の運転制御のフローチャートである。
図1から図14を参照して、実施の形態における内燃機関について説明する。本実施の形態においては、車両に取り付けられている火花点火式の内燃機関を例示して説明する。本実施の形態における内燃機関は、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備える。
図1は、実施の形態における内燃機関の概略図である。内燃機関は、クランクケース1を含む支持構造物を備える。支持構造物は、クランクシャフトを支持するように形成されている。内燃機関は、シリンダブロック2、およびシリンダヘッド3を備える。シリンダブロック2の内部に形成された穴部には、ピストン4が配置されている。燃焼室5の頂面の中央部には、点火栓6が配置されている。本発明においては、任意のピストン4の位置において、ピストン4の冠面、シリンダブロック2の穴部、およびシリンダヘッド3に囲まれる空間を燃焼室と称する。また、燃焼室5の圧力、すなわち筒内圧を検出する筒内圧力検出器としての筒内圧センサ23が配置されている。
シリンダヘッド3には、吸気ポート8および排気ポート10が形成されている。吸気ポート8の端部には吸気弁7が配置されている。吸気弁7は、吸気カム49が回転することにより開閉する。排気ポート10の端部には、排気弁9が配置されている。吸気ポート8は、吸気枝管11を介してサージタンク12に連結されている。吸気枝管11には夫々対応する吸気ポート8内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁13が配置される。なお、燃料噴射弁13は吸気枝管11に取付ける代りに、各燃焼室5に直接的に燃料を噴射するように配置されていても構わない。
サージタンク12は、吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結されている。吸気ダクト14の内部にはアクチュエータ16によって駆動されるスロットル弁17が配置されている。また、吸気ダクト14の内部には、例えば熱線を用いた吸入空気量検出器18が配置される。一方、排気ポート10は、排気マニホールド19を介して例えば三元触媒を内蔵した触媒装置20に連結されている。排気マニホールド19には空燃比センサ21が配置されている。
本実施の形態における内燃機関は、ピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更可能な可変圧縮比機構Aを備える。可変圧縮比機構Aは、クランクケース1に対するシリンダブロック2のシリンダ軸線方向における相対位置を変化させるように形成されている。クランクケース1とシリンダブロック2との間には、付勢部材としてのスプリング65が配置されている。スプリング65は、クランクケース1から離れる向きにシリンダブロック2を付勢するように形成されている。
クランクケース1とシリンダブロック2には、クランクケース1に対するシリンダブロック2の相対位置を検出するための相対位置センサ22が取付けられている。相対位置センサ22からはクランクケース1とシリンダブロック2との間隔の変化を示す出力信号が出力される。スロットル弁駆動用のアクチュエータ16にはスロットル弁開度を示す出力信号を発生するスロットル開度センサ24が取付けられている。
本実施の形態における内燃機関の制御装置は、電子制御ユニット30を含む。本実施の形態における電子制御ユニット30は、デジタルコンピュータを含む。デジタルコンピュータは、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を含む。
吸入空気量検出器18、空燃比センサ21、相対位置センサ22、筒内圧センサ23、およびスロットル開度センサ24の出力信号は夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。負荷センサ41の出力により要求負荷を検出することができる。更に、入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続されている。クランク角センサ42の出力により、クランク角度および機関回転数を検出することができる。
一方、出力ポート36は、対応する駆動回路38を介して点火栓6、燃料噴射弁13、スロットル弁駆動用のアクチュエータ16、および可変圧縮比機構Aに接続される。これらの装置は、電子制御ユニット30により制御されている。
図2に、本実施の形態における可変圧縮比機構の分解斜視図を示す。図3に本実施の形態における可変圧縮比機構の第1の概略断面図を示す。図2および図3を参照して、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されている。各突出部50には断面形状が円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース1の上壁には互いに間隔を隔てて、突出部50同士の間に嵌合される複数個の突出部52が形成されている。これらの突出部52にも断面形状が円形のカム挿入孔53が形成されている。
本実施の形態における可変圧縮比機構は、一対のカムシャフト54,55を含む。カムシャフト54,55は、クランクケース1とシリンダブロック2との間に介在する。各カムシャフト54,55上には、一つおきに各カム挿入孔53内に回転可能に挿入される円形カム58が配置されている。これらの円形カム58は各カムシャフト54,55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム58の両側には、図3に示すように各カムシャフト54,55の回転軸線に対して偏心して配置された偏心軸57が延びている。この偏心軸57には、別の円形カム56が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示されるように、円形カム56は、各円形カム58の両側に配置されている。これらの円形カム56は対応する各カム挿入孔51に回転可能に挿入されている。シリンダブロック2は、偏心軸57を含むカムシャフト54,55を介して、クランクケース1に支持されている。
図4に、本実施の形態における可変圧縮比機構の第2の概略断面図を示す。図5に、本実施の形態における可変圧縮比機構の第3の概略断面図を示す。図3から図5は、通常運転において機械圧縮比を変更するときの可変圧縮比機構の機能を説明する断面図である。図3に示す状態から各カムシャフト54,55上に配置された円形カム58を矢印68に示すように、互いに反対方向に回転させると偏心軸57が互いに近づく方向に移動する。偏心軸57は、それぞれのカムシャフト54,55の回転軸線の周りに回転する。シリンダブロック2は、矢印99に示すようにクランクケース1から離れる向きに移動する。このときに円形カム56は、カム挿入孔51内において回転し、図4に示されるように偏心軸57の位置が低い位置から中間高さ位置となる。次いで更に円形カム58を矢印68で示される方向に回転させると、シリンダブロック2は、矢印99に示すように更にクランクケース1から離れる向きに移動する。この結果、図5に示されるように偏心軸57は最も高い位置となる。
図3から図5には、それぞれの状態における円形カム58の中心aと偏心軸57の中心bと円形カム56の中心cとの位置関係が示されている。図3から図5を比較するとわかるように、クランクケース1とシリンダブロック2の相対位置は円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離によって定まる。円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離が大きくなるほど、シリンダブロック2はクランクケース1から離れる。即ち、可変圧縮比機構Aは回転するカムを用いたリンク機構によりクランクケース1とシリンダブロック2との間の相対位置が変化する。
シリンダブロック2がクランクケース1から離れると、ピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積は増大する。シリンダブロック2がクランクケース1に近づくと、ピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積は減少する。従って各カムシャフト54,55を回転させることによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更することができる。
図2に示されるように、カムシャフト54,55を夫々反対方向に回転させるように、回転軸60には螺旋方向が逆向きの一対のウォーム61,62が取付けられている。ウォーム61,62と噛合するウォームホイール63,64が夫々各カムシャフト54,55の端部に固定されている。この実施例では、モータ59を駆動することによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を広い範囲に亘って変更することができる。可変圧縮比機構は、電子制御ユニット30に制御されており、カムシャフト54,55を回転させるモータ59は、対応する駆動回路38を介して出力ポート36に接続されている。
このように、本実施の形態における可変圧縮比機構は、クランクケース1に対してシリンダブロック2が相対的に移動することにより、ピストンが上死点に到達したときの燃焼室5の容積が可変に形成されている。本実施の形態においては、下死点から上死点までのピストンの行程容積とピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積のみから定まる圧縮比を機械圧縮比と称する。機械圧縮比は、吸気弁の閉弁時期等に依存せずに、(機械圧縮比)=(ピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積+ピストンの行程容積)/(燃焼室の容積)にて示すことができる。
図3に示す状態では、燃焼室5の容積が小さくなっており、機械圧縮比が高い状態である。吸入空気量が常時一定の場合には実際の圧縮比が高くなる。これに対して、図5に示す状態では、燃焼室5の容積が大きくなっており、機械圧縮比が低い状態である。吸入空気量が常時一定の場合には実際の圧縮比が低くなる。
本実施の形態における内燃機関は、運転期間中に機械圧縮比を変更することにより、実際の圧縮比を変更することができる。たとえば、内燃機関の運転状態に応じて、可変圧縮比機構により機械圧縮比を変更することができる。
図3から図5を参照して、偏心軸57は、カムシャフト54,55の回転軸、すなわち円形カム58の回転軸を中心に回転する。機械圧縮比を低下させる場合には、偏心軸57を矢印68に示す向きに回転させる。機械圧縮比を上昇させる場合には、偏心軸57を矢印69に示す向きに回転させる。
本実施の形態においては、クランクケース1に対してシリンダブロック2を離す向きに相対移動させるときの偏心軸57の回転方向を、一方の回転方向と称する。また、クランクケース1に対してシリンダブロック2を近づける向きに相対移動させるときの偏心軸57の回転方向を他方の回転方向と称する。本実施の形態においては、矢印68が一方の回転方向であり、矢印69が他方の回転方向である。
図2を参照して、本実施の形態における可変圧縮比機構は、モータ59の回転力をカムシャフト54,55に伝達する駆動力伝達経路に配置されているクラッチ70を含む。本実施の形態におけるクラッチ70は、入力側がモータ59の回転力を伝達する回転軸66に接続され、出力側がウォーム61,62を支持する回転軸60に接続されている。
本実施の形態におけるクラッチ70は、いわゆる逆入力遮断クラッチである。本実施の形態における逆入力遮断クラッチは、入力軸からの回転力を出力軸に伝達し、出力軸からの回転力を遮断するように形成されている。すなわち、クラッチ70は、モータ59から伝達される回転軸66の回転力はウォーム61,62に伝達し、ウォーム61,62から伝達される回転軸60の回転力は遮断して、モータ59に伝達しない構造を有する。
図6に、本実施の形態におけるクラッチ70の第1の概略断面図を示す。図7に、本実施の形態におけるクラッチ70の第2の概略断面図を示す。図7は、図6におけるX線に沿って切断したときの概略断面図である。
図6および図7を参照して、本実施の形態のクラッチ70は、外輪77を含む。外輪77は、ねじ85によりハウジング78に固定されている。外輪77は、クラッチ70が駆動している期間中にも移動せずに固定されている。クラッチ70は、出力軸74を有する。出力軸74は、ウォーム61,62が固定されている回転軸60に接続されている。出力軸74は、回転中心軸88を回転中心にして回転する。出力軸74には、穴部75が形成されている。穴部75は、出力軸74が回転する周方向に沿って複数個が形成されている。本実施の形態における出力軸74は、断面形状が多角形に形成されている。図6に示す例では、出力軸74は、断面形状が正八角形に形成されている。
クラッチ70は、入力軸71を含む。入力軸71は、回転中心軸88を回転中心にして回転する。入力軸71は、モータ59の回転力を伝達する回転軸66に接続されている。入力軸71は、挿入部72と保持部73とを有する。挿入部72および保持部73は、一体的に回転する。
複数の挿入部72は、出力軸74の複数の穴部75に対応する位置に形成されている。挿入部72は、出力軸74の穴部75に挿入されている。穴部75の内径は挿入部72の外径よりも大きくなるように形成されている。挿入部72と穴部75との間には隙間が形成されている。複数の保持部73は、外輪77と出力軸74との間に配置されている。また、保持部73はローラ80a,80bに対向し、偏心軸57が一方の回転方向に回転する向きに入力軸71が回転したときにローラ80aを押圧し、偏心軸57が他方の回転方向に回転する向きに入力軸71が回転したときにローラ80bを押圧するように形成されている。
出力軸74と外輪77との間の空間には、ローラ80a,80bが配置されている。本実施の形態におけるローラ80a,80bは円柱状に形成されている。ローラ80aとローラ80bとの間には、スプリング81が配置されている。スプリング81は、ローラ80a,80bを互いに離す向きに付勢する。
出力軸74と外輪77とにより、ローラ80a,80bを係止させるための係止部86a,86bが形成される。係止部86a,86bは、ローラ80a,80bが付勢されている向きに沿って、出力軸74の端面と外輪77の内面との間隔が徐々に狭くなっている部分である。また、係止部86a,86bは、ローラ80a,80bが通過しないように狭く形成されている。
次に、本実施の形態おけるクラッチ70の動作について説明する。本実施の形態におけるクラッチ70は、モータ59の回転力が入力軸71に入力されると、この回転力を出力軸74に伝達する。一方で、クラッチ70は、カムシャフト54,55の側からの回転力が出力軸74に伝達されると、ロックされてこの回転力を遮断する。特に、クラッチ70は、偏心軸57が一方の回転方向に回転する向きにてウォーム61,62から回転力が伝達されると、この回転力を遮断する。
図1を参照して、本実施の形態においては、スプリング65によって、シリンダブロック2がクランクケース1から離れる向きに付勢されている。内燃機関の運転期間中には、重力の影響や燃焼サイクルの吸気行程において燃焼室5が負圧になる影響により、クランクケース1に対してシリンダブロック2が近づく向きに力が作用する。しかしながら、スプリング65が配置されることにより、クランクケース1に対してシリンダブロック2が離れる向きに常に付勢され、シリンダブロック2に振動等が生じることを抑制できる。更に、燃焼室5において燃料の燃焼が行なわれごとに、筒内圧によりクランクケース1に対してシリンダブロック2が離れる方向に力が作用する。
シリンダブロック2がクランクケース1から離れる向きの回転力は、カムシャフト54,55、ウォームホイール63,64およびウォーム61,62を介してクラッチ70に伝達される。図6を参照して、矢印100は、クランクケース1に対してシリンダブロック2が上昇する方向に対応する方向である。すなわち、機械圧縮比が小さくなり、ピストン4が上死点に到達したときの燃焼室5が大きくなる回転方向を示している。シリンダブロック2にはクランクケース1に対して離れる方向に常に力が加わり、出力軸74には矢印100に示す向きに力が加わっている。
ローラ80aは、スプリング81に押圧されて係止部86aに接触している。このために、ローラ80aに楔の効果が生じて、外輪77に対する出力軸74の回転が阻止され、出力軸74がロックされる。このように、クラッチ70は、クランクケース1に対してシリンダブロック2が離れる方向に対応する出力側からの回転力を遮断することができる。また、同様に、矢印100と反対向きの回転力が出力軸74に加わった場合には、ローラ80bが係止部86bに接触して出力軸74がロックされる。クラッチ70は、モータ59を駆動しない場合に、ローラ80a,80bが係止部86a,86bに係止して出力軸74をロックする。
図8は、機械圧縮比を低下させるときの動作を説明するクラッチ70の第1の概略断面図である。機械圧縮比を低下させる場合には、クランクケース1に対してシリンダブロック2を離す向きに移動させる。モータ59を駆動することにより、入力軸71の挿入部72は、矢印101に示す向きに回転する。挿入部72が穴部75の内面に接触する前に、保持部73がローラ80aに接触する。
図9は、機械圧縮比を低下させるときの動作を説明するクラッチ70の第2の概略断面図である。入力軸71を更に回転させることにより、保持部73がローラ80aを押圧する。ローラ80aは、係止部86aから離れる。すなわち、ローラ80aのくさび効果が消失する。このため、出力軸74は、ロックが解除され、外輪77に対して矢印101に示す方向に回転可能になる。入力軸71の挿入部72が、矢印101に示す向きに回転することにより、挿入部72が出力軸74の穴部75を押圧し、出力軸74を回転させることができる。このときに、出力軸74は、ローラ80bが係止部86bから離れる向きに回転するためにローラ80bによるロックも解除される。
図10は、機械圧縮比を上昇させるときの動作を説明するクラッチ70の概略断面図である。機械圧縮比を上昇させる場合には、クランクケース1に対してシリンダブロック2を近づける向きに移動させる。モータ59を駆動することにより、入力軸71の挿入部72および保持部73を、矢印102に示す向きに回転させる。
入力軸71の挿入部72および保持部73を矢印102に示す向きに回転させることにより、保持部73がローラ80bを押圧する。ローラ80bが係止部86bから脱離してローラ80bのくさび効果が消失する。次に、入力軸71の挿入部72が出力軸74の穴部75を押圧することにより、入力軸71の回転力を出力軸74に伝達することができる。出力軸74は、矢印102に示す向きに回転する。このときに、出力軸74は、ローラ80aが係止部86aから離れる向きに回転するために、ローラ80aによるロックも解除される。このように、入力軸71の回転力を出力軸74に伝達することができる。
図11に、本実施の形態の内燃機関におけるクランク角度と、筒内圧との関係を説明するグラフを示す。本実施の形態における内燃機関は、複数の気筒を有する。本実施の形態においては、4個の気筒が形成されている。それぞれの気筒には燃料と空気の混合気が供給されて、点火することにより燃料が燃焼し、筒内圧が上昇する。図11には、点火の順序に従って、第1気筒、第3気筒、第4気筒および第2気筒の筒内圧が記載されている。横軸のクランク角度は、時間に対応する。縦軸の筒内圧は、シリンダヘッド3を介してシリンダブロック2に作用する力に対応する。筒内圧には、燃料が燃焼することにより極大になる極大点91と、筒内圧が極小になる極小点92とが発現している。
図10を参照して、筒内圧およびスプリング65の付勢力により、出力軸74には、矢印100に示す向きに回転力が加わっている。すなわち、出力軸74には逆入力トルクが加わっている。機械圧縮比を上昇させる場合には、入力軸71が矢印102に示す向きに回転する。逆入力トルクをロックしている係止部86aにおいては、ローラ80aが係止部86aから離脱する方向に入力軸71が回転する。保持部73は、逆入力トルクを遮断していない側の係止部86bのローラ80bを押圧するために、容易にローラ80bを係止部86bから離脱させることができる。
図8および図9を参照して、機械圧縮比を低下させる場合には、入力軸71が矢印101に示す向きに回転する。入力軸71の回転方向は、矢印100に示す出力軸74に加わる回転力の回転方向と同じになる。出力軸74に加わる回転力は、筒内圧に依存し、筒内圧が高くなると、出力軸74に加わる回転力も大きくなる。
図12に、本実施の形態におけるクラッチの拡大概略断面図を示す。図12は、機械圧縮比を一定に維持している場合のクラッチの作動状況を説明している。出力軸74に加わる回転力が小さい時の出力軸74およびローラ80aの外縁を実線にて示している。また、出力軸74に加わる回転力が大きい時の出力軸74およびローラ80aの外縁を破線にて示している。
出力軸74に加わる回転力が増大することにより、出力軸74が入力軸71に対して、矢印100に示す向きに僅かに変形する。その後に出力軸74に加わる回転力が減少すると、出力軸74は元の状態に戻る。このように、出力軸74は、弾性的に変形し、更にローラ80aが係止部86aに食い込む。この結果、入力軸71に対する出力軸74の中心軸周りの変位角θ1が変化する。変位角θ1は、出力軸74に加わる回転力の大きさに応じて弾性的に変化する。変位角θ1は、ローラ80aが係止部86aに食い込むことにより回転する変位角θ11と、出力軸74自体が変形することによる変位角θ12とを含む。すなわち、変位角θ1は、変位角θ11と変位角θ12との和になる。
図11を参照して、例えば、参考のクランク角度CAa,CAbにおける筒内圧を比較すると、クランク角度CAaにおける筒内圧よりもクランク角度CAbにおける筒内圧の方が高くなる。クランク角度CAaからクランク角度CAbに向かうにつれて、筒内圧が上昇する。図12を参照して、筒内圧が上昇するときには、変位角θ1が増大している。すなわち、ローラ80aは、係止部86aへの食い込み量が増大し、さらに、出力軸74自体の変形量が増大している。この時に、機械圧縮比を低下させるために、保持部73にてローラ80aを押圧してローラ80aのロックを解除しようとしても、大きな力が必要になる。
一方で、筒内圧が低下している場合には、変位角θ1は減少している。ローラ80aは、係止部86aから離脱する向きに相対移動している。この時に、保持部73によりローラ80aを押圧すると、係止部86aからのローラ80aの離脱を促進し、小さな力にてローラ80aの係止を解除することができる。
図11を参照して、例えばクランク角度CA1からクランク角度CA2までの期間Sにおいては、筒内圧が減少し、変位角θ1が減少している。機械圧縮比を低下させるために、筒内圧の極大点91から極小点92に移行する期間Sにおいて、ローラ80aの押圧を開始することにより、小さな力にてローラ80aの係止を解除することができる。本実施の形態においては、筒内圧の極大点91において、駆動装置のモータ59の作動を開始している。
ここで、期間Sを経過すると筒内圧が再び上昇する。筒内圧の上昇は、変位角θ1が増大する向きに作用する。このために、ローラ80aの係止部86aからの離脱は、筒内圧が減少する期間S内に終了することが好ましい。すなわち、期間Sの期間内に係止部86aからローラ80aが離れることが好ましい。本実施の形態の制御装置は、筒内圧の極大点91から極小点92に移行する期間Sが終了するまでに、係止部86aからローラ80aが離れるようにモータ59を制御している。
このように、筒内圧の極大点91から極小点92に移行する期間中にクラッチ70のロック状態を解除することにより、小さな駆動力にてクラッチ70のロック状態を解除することができる。小さな力にてクラッチ70のロックを解除することができて、モータ59の容量を小さくすることができる。または、モータ59を小型にすることができる。または、可変圧縮比機構を駆動する駆動装置の消費電力量を少なくすることができる。
ところで、内燃機関の使用を継続すると、可変圧縮比機構の異常や偏心軸を構成する部品の経年劣化等により、筒内圧の変動が十分にクラッチ70の出力軸74に伝達されない場合が生じ得る。たとえば、偏心軸の軸受けの摩耗や、かたぎによるウォームギヤの動力伝達効率の低下等により、筒内圧による回転力の変動がクラッチ70の出力軸74に十分に伝達されない場合がある。または、偏心軸の機構を潤滑する潤滑油の劣化により筒内圧の変動が出力軸74に十分に伝達されない場合がある。この結果、クラッチ70の出力軸74に加わる逆入力トルクの振動の振幅が小さくなる場合がある。
図13に、クランク角度とクラッチの出力軸に加わる逆入力トルクとのグラフを示す。図13には、可変圧縮比機構の使用開始時のグラフと経年劣化時のグラフとが示されている。出力軸74に加わる逆入力トルクは、筒内圧の振動の周期と同様の周期にて振動にする(図11参照)。可変圧縮比機構の使用開始時、たとえば新品の時には経年劣化がないために、逆入力トルクの振幅が大きくなる。これに対して、経年劣化時や可変圧縮比機構の異常時には、逆入力トルクの振幅が減少して小さくなる。
出力軸74の変位角θ1の変化量は、出力軸74に加わる逆入力トルクに対応する。逆入力トルクが小さくなるほど変位角θ1の変化量も小さくなる。このために、筒内圧の極大点91から極小点92に移行する期間中にクラッチ70のロック状態を解除する制御を実施している場合に、逆入力トルクの振動の振幅が小さくなると、クラッチ70のロック状態を解除することが困難になる。特に、機械圧縮比を低下する場合に、クラッチ70のロック状態を解除することが困難になる。
本実施の形態の内燃機関は、出力軸に加わる逆入力トルクの振動の振幅が予め定められた判定値よりも小さくなった場合には、機械圧縮比を予め定められた低い機械圧縮比に変更する。そして、機械圧縮比の変更を禁止する制御を実施する。すなわち、内燃機関の運転状態に関わらず、予め定められた低機械圧縮比に固定する制御を行う。
本実施の形態の内燃機関は、運転期間中にクラッチ70の出力軸74に加わる回転力を推定する回転力推定手段を備える。図2を参照して、本実施の形態の回転力推定手段は、クラッチ70の出力軸74の逆入力トルクを検出するトルク検出装置を含む。トルク検出装置は、トルク検出器89を含む。
本実施の形態のトルク検出器89は、出力軸74のねじれを検出し、検出したねじれに基づいて出力軸74に加わる逆入力トルクを検出する歪みゲージ式である。トルク検出装置としては、この形態に限られず、出力軸74に加わるトルクを測定する任意の装置を採用することができる。たとえば、トルク検出装置としては、磁歪式のトルクセンサを採用しても構わない。
図13を参照して、本実施の形態の内燃機関は、トルク検出装置にて検出した出力軸74のねじれ量を検出し、検出したねじれ量に基づいて極大点93の逆入力トルクおよび極小点94の逆入力トルクを推定する。そして、逆入力トルクの極大値および極小値に基づいて、逆入力トルクの振幅ATqを算出する。振幅ATqの算出においては、1つの極大点93と1つの極小点94とに基づいて1つの振幅ATqを算出することができる。または、複数個の極大点93および複数の極小点94に基づいて、複数の振幅ATqの平均値等を採用しても構わない。
次に、逆入力トルクの振幅ATqが予め定められた振幅の判定値よりも小さいか否かを判別する。逆入力トルクの振幅ATqが予め定められた振幅の判定値よりも小さい場合には、機械圧縮比を低下させるためにクラッチ70のロック状態を解除する時の逆入力トルクの振動の振幅が不十分であると判別することができる。
クラッチ70のロック状態を解除するための逆入力トルクの振動の振幅が不十分であると判別された場合には、機械圧縮比を予め定められた低い機械圧縮に変更する制御を実施する。この時の機械圧縮比としては、たとえば10程度の低い機械圧縮比を採用することができる。次に、内燃機関の運転状態に関わらず、機械圧縮比をこの低い機械圧縮比にて固定する。すなわち、機械圧縮比の変更を禁止する制御を実施する。
内燃機関を低機械圧縮比に固定することにより、燃焼室にて異常燃焼の発現を抑制することができる。本実施の形態の内燃機関は、使用者に可変圧縮比機構の異常を通知する制御を実施する。たとえば、運転席前のインストルメンタルパネルに配置された警告灯を点灯させる制御を実施する。機械圧縮比が低い状態にて固定されるものの、修理工場まで自走することができて修理を依頼することができる。
上記の実施の形態においては、逆入力トルクの極大値と極小値とを推定して逆入力トルクの振幅ATqを算出しているが、この形態に限られず、逆入力トルクの振動の振幅が判定値未満であるか否かを判別可能な制御を実施することができる。たとえば、所定の内燃機関の運転状態において逆入力トルクの最大値(極大値)を検出し、検出した逆入力トルクの最大値が予め定められた最大値の判定値よりも小さい場合に、逆入力トルクの振動の振幅が予め定められた振幅の判定値未満であると判別することができる。
図14に、本実施の形態における内燃機関の運転制御のフローチャートを示す。この運転制御は、たとえば、予め定められた時間間隔ごとに繰り返して実施することができる。
ステップ121においては、機械圧縮比の変更要求があるか否かを判別する。機械圧縮比は内燃機関の運転状態に基づいて選定され、目標機械圧縮比が設定される。機械圧縮比は、例えば、機関回転数および燃料噴射量などを関数にして設定される。ステップ121において、機械圧縮比の変更要求がない場合には、この制御を終了する。ステップ121において、機械圧縮比の変更要求がある場合には、ステップ122に移行する。
ステップ122においては、目標機械圧縮比が現在の機械圧縮比よりも小さいか否かを判別する。すなわち、機械圧縮比を減少させるか否かを判別する。ステップ122において、目標機械圧縮比が現在の機械圧縮比よりも大きな場合には、ステップ125に移行する。すなわち、機械圧縮比を上昇させる場合には、ステップ125に移行する。ステップ125においては、機械圧縮比を目標機械圧縮比に変更する。
一方で、ステップ122において、目標機械圧縮比が現在の機械圧縮比未満である場合には、ステップ123に移行する。すなわち、機械圧縮比を低下させる場合には、ステップ123に移行する。
ステップ123においては、筒内圧およびスプリング65によりクラッチ70の出力軸74に加わる回転力の振動の振幅、すなわち、クラッチ70の出力軸に加わる逆入力トルクの振動の振幅を検出する。
次に、ステップ124においては、クラッチ70の出力軸に加わる逆入力トルクの振動の振幅が予め定められた振幅の判定値よりも大きいか否かを判別する。クラッチ70の出力軸に加わる逆入力トルクの振動の振幅が予め定められた振幅の判定値よりも大きい場合には、クラッチ70のロック状態の解除が可能であると判別することができる。この場合には、ステップ125に移行して、機械圧縮比を目標機械圧縮比まで変更する。
クラッチ70の出力軸に加わる逆入力トルクの振動の振幅が予め定められた振幅の判定値以下の場合には、クラッチ70のロック状態の解除が困難であると判別することができる。この場合には、ステップ126に移行する。
ステップ126においては、機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に変更する。そして、ステップ127においては、今後の機械圧縮比の変更を禁止する。機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に固定する制御を実施する。次に、ステップ128においては、可変圧縮比機構が異常であることを示す警告灯を点灯して、この制御を終了する。
本実施の形態における可変圧縮比機構の駆動装置は、回転機としてモータ59が採用されているが、この形態に限られず、クラッチ70の入力軸71を回転させる任意の回転機を採用することができる。
本実施の形態におけるクラッチ70は、モータ59と、ウォーム62との間に配置されているが、この形態に限られず、モータ59の回転力を偏心軸57に伝達する駆動力伝達経路に配置することができる。例えば、クラッチ70は、ウォームホイール63,64と、カムシャフト54,55との間に配置されていても構わない。この場合には、それぞれのカムシャフト54,55に対してクラッチが配置される。
本実施の形態におけるクラッチは、機械圧縮比が上昇する回転方向および機械圧縮比が低下する回転方向の両方向の入力軸からの回転力を出力軸に伝達し、出力軸からの両方向の回転力を遮断するように形成されている。クラッチとしては、この形態に限られず、入力軸からの両方向の回転力を出力側に伝達し、機械圧縮比が低下する回転方向の出力軸からの回転力を遮断するように形成されていれば構わない。
更に、本実施の形態の可変圧縮比機構は、支持構造物とシリンダブロックとの間に介在し、偏心軸を含むシャフトを含み、支持構造物に対するシリンダブロックの相対位置を変更することにより機械圧縮比を変更可能に形成されているが、この形態に限られず、ピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積を変更するための偏心軸と、偏心軸を回転させるための駆動装置とを含む可変圧縮比機構に本発明を適用することができる。
本実施の形態においては、車両に取り付けられている内燃機関を例示して説明を行なったが、この形態に限られず、任意の装置や設備等に配置されている内燃機関に本発明を適用することができる。
上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。また、上述のそれぞれの制御においては、機能および作用が変更されない範囲において適宜ステップの順序を変更することができる。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に示される変更が含まれている。
1 クランクケース
2 シリンダブロック
4 ピストン
5 燃焼室
22 相対位置センサ
30 電子制御ユニット
42 クランク角センサ
54,55 カムシャフト
56,58 円形カム
57 偏心軸
59 モータ
65 スプリング
70 クラッチ
71 入力軸
73 保持部
74 出力軸
80a,80b ローラ
86a,86b 係止部
89 トルク検出器
91 極大点
92 極小点
A 可変圧縮比機構
本発明は、可変圧縮比機構の異常や偏心軸を構成する部品の経年劣化等によって、クラッチのロックを解除することが困難な状態になることを回避する内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関は、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、ピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積を変更するための偏心軸と、偏心軸を回転させるための駆動装置とを含む。駆動装置は、回転機と、回転機の回転力を偏心軸に伝達する駆動力伝達経路に配置されているクラッチとを含む。クラッチは、出力軸に伝わる機械圧縮比を低下させる回転力を遮断するように形成されている。回転機は、機械圧縮比を低下させる場合には、筒内圧が極大点から極小点まで移行する期間中に、クラッチの入力軸の駆動を開始するように制御されている。内燃機関は、クラッチの出力軸に加わる回転力を推定する回転力推定手段を更に備え、クラッチの出力軸に加わる回転力の振動の振幅が予め定められた判定値未満の時には、機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に固定する。
上記発明においては、クラッチの出力軸に加わる回転力の振動の振幅が予め定められた判定値未満の時には、機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に変更した後に機械圧縮比の変更を禁止することができる。また、上記発明においては、クラッチの出力軸に加わる回転力の振動の極大点と極小点とを検出し、極大点と極小点とに基づいて振動の振幅を算出することができる。
上記発明においては、クランクケースを含む支持構造物と、支持構造物に支持されているシリンダブロックとを備え、可変圧縮比機構は、支持構造物とシリンダブロックとの間に介在し、偏心軸を含むシャフトと、シャフトを回転させる駆動装置とを含み、支持構造物に対するシリンダブロックの相対位置を変更することにより機械圧縮比を変更可能に形成することができる
本発明によれば、可変圧縮比機構の異常や偏心軸を構成する部品の経年劣化等によって、クラッチのロックを解除することが困難な状態になることを回避する内燃機関を提供することができる。

Claims (3)

  1. 機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、
    可変圧縮比機構は、ピストンが上死点に到達したときの燃焼室の容積を変更するための偏心軸と、偏心軸を回転させるための駆動装置とを含み、
    駆動装置は、回転機と、前記回転機の回転力を偏心軸に伝達する駆動力伝達経路に配置されているクラッチとを含み、
    前記クラッチは、機械圧縮比を低下させる回転方向の出力軸からの回転力を遮断するように形成されており、
    前記回転機は、前記機械圧縮比を低下させる場合には、筒内圧が極大点から極小点まで移行する期間中に、前記クラッチの入力軸の駆動を開始するように制御されており、
    前記クラッチの前記出力軸に加わる回転力を推定する回転力推定手段を更に備え、
    前記クラッチの前記出力軸に加わる回転力の振動の振幅が予め定められた判定値未満の時には、前記機械圧縮比を予め定められた低機械圧縮比に変更した後に機械圧縮比の変更を禁止することを特徴とする、内燃機関。
  2. 前記クラッチの前記出力軸に加わる回転力の振動の極大点と極小点とを検出し、前記極大点と前記極小点とに基づいて振動の振幅を算出する、請求項1に記載の内燃機関。
  3. クランクケースを含む支持構造物と、
    前記支持構造物に支持されているシリンダブロックとを備え、
    前記可変圧縮比機構は、前記支持構造物と前記シリンダブロックとの間に介在し、偏心軸を含むシャフトと、前記シャフトを回転させる前記駆動装置とを含み、前記支持構造物に対する前記シリンダブロックの相対位置を変更することにより機械圧縮比を変更可能に形成されている、請求項1または2に記載の内燃機関。
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