JP2015112939A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】車両が側方衝突を受けシートバックが後方へ変位した場合でも、乗員に対して適切な位置にサイドエアバッグを展開する車両用シートを提供する。
【解決手段】車両用シート1は、シートクッション11とシートバック12とガイド機構30とインフレータ21とサイドエアバッグ22とヒンジ13と角度リンク機構40とを備える。ガイド機構30は、シートバック12に内蔵されるサイドフレーム121に設けられ、下部スロット31及び上部スロット32を有する。インフレータ21の連結部211は、下部スロット31及び上部スロット32に遊嵌される。サイドエアバッグ22は、インフレータ21の前方へガスによって展開される。角度リンク機構40は、シートバック12が後方へ傾倒する角度に比例して連結部211をガイド機構30に沿って上方へ移動させる。
【選択図】図3
【解決手段】車両用シート1は、シートクッション11とシートバック12とガイド機構30とインフレータ21とサイドエアバッグ22とヒンジ13と角度リンク機構40とを備える。ガイド機構30は、シートバック12に内蔵されるサイドフレーム121に設けられ、下部スロット31及び上部スロット32を有する。インフレータ21の連結部211は、下部スロット31及び上部スロット32に遊嵌される。サイドエアバッグ22は、インフレータ21の前方へガスによって展開される。角度リンク機構40は、シートバック12が後方へ傾倒する角度に比例して連結部211をガイド機構30に沿って上方へ移動させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の側方から衝撃を受けた場合に乗員と車体との間にサイドエアバッグを展開するサイドエアバッグ装置を装備する車両用シートに関する。
車両は、側方から衝撃を受けた場合に乗員を保護するサイドエアバッグを展開させる乗員保護装置としてサイドエアバッグ装置が知られている。サイドエアバッグ装置は、座席のシートバックに内蔵され、その座席に座る乗員と車体(多くの場合はドアパネル)との間にサイドエアバッグを展開させる。サイドエアバッグ装置は、インフレータとサイドエアバッグとを備える。インフレータは、シートバックのサイドフレームに直接またはリテーナを介して固定されており、側方の衝撃を検出した信号で雷管が点火され、ガスを噴出する。サイドエアバッグは、インフレータを内包する状態で折りたたまれてシートバックに収納されており、インフレータから噴出したガスで膨らまされて、乗員の側方へ展開される。
特許文献1に記載されたサイドエアバッグ装置において、インフレータは、肩と腰との間の高さでシートバックのサイドフレームに固定され、エアバッグは、乗員の腰から肩までの範囲に展開される。特許文献2に記載された乗員保護装置において、インフレータは、肩の高さでシートフレームに固定され、エアバッグは、車幅方向に少なくとも肩の外側を覆うように展開される。
ところで、車両側方が、例えば、立ち木や電柱などの柱状の物体に衝突するような衝突形態では、車体が局所的に変形して車室内へ侵入してくることが知られている。このような衝突形態において、座席のシートフレームの側部に位置するドアや車両中央ピラーが車室内へ侵入してきた場合、これら車体に押されて、シートバックが車両の後方へ倒されるように変位する可能性がある。仮に、側方衝突により、シートバック後方へ変位した場合、乗員は慣性力によってその場に留まろうとするため、乗員に対するシートバックの位置が相対的に後方にずれた位置となる。一方で、サイドエアバッグ装置は、シートバックに固定されているので、シートバックとともに乗員に対して相対的に後方へ移動される。そのため、サイドエアバッグ装置のエアバッグが乗員に対して後ろ寄りの位置で展開されてしまい、乗員に対して最適な位置でサイドエアバッグを展開することができない虞がある。
上述のような場合であっても、シートバックの変位量を加味してサイドエアバッグのサイズを大きくすることによって、乗員を適切に保護することが可能である。しかしながら、展開されるべきサイドエアバッグの容積が大きくなるので、サイドエアバッグが完全に膨張するまでに時間が掛るため、サイズの大型化はできるだけ避けたい。よって、より適切に衝撃を吸収するためには、乗員に対するサイドエアバッグの相対位置を維持できるようにしたい。
そこで、本発明は、車両が側方衝突を受けシートバックが後方へ変位した場合でも、乗員に対して適切な位置にサイドエアバッグを展開することが可能な車両用シートを提供する。
本発明に係る車両用シートは、サイドエアバッグ装置をシートバックに内蔵する。サイドエアバッグ装置は、車両の側方衝突時にガスを噴出するインフレータと、インフレータに固定されるとともにインフレータから噴出されたガスによって、乗員の側方に展開されるサイドエアバッグとを備える。この車両用シートは、サイドフレームと、ガイド機構と、ヒンジと、角度リンク機構とを備える。サイドフレームは、シートバック内で上下方向に延設され、インフレータが連結されている。ガイド機構は、サイドフレームに設けられ、インフレータの連結部が移動可能に遊嵌される長孔状の下部スロット及び上部スロットを有する。ヒンジは、サイドフレームの下端に設けられ、シートバックをシートクッションに対して傾倒可能に連結する。角度リンク機構は、車両の側方衝突時に、シートクッションに対してシートバックが後方へ傾倒される角度に比例して連結部をガイド機構に沿って上方へ移動させ、インフレータを次第に前方へ傾斜させる。
このとき、下部スロット及び上部スロットは、下部スロットの下端から上端に延びる線分よりも上部スロットの下端から上端に延びる線分のほうがサイドフレームに対して車両の前方斜め上に傾くよう設定される。
また、角度リンク機構は、リングギアと中間部材と中間ギアと遊星ギアと太陽ギアとアームとワイヤと係止機構とを備える。リングギアは、内周に歯が形成され、ヒンジを中心にシートバックとともに回動する。中間部材は、ヒンジを中心に回動可能に設けられる。遊星ギアは、中間部材に回動可能に取り付けられてリングギアに噛合する。太陽ギアは、ヒンジを中心に回動可能に配置されて遊星ギアに噛合する。アームは、太陽ギアに取り付けられ、前方へ延びている。ワイヤは、下部スロット及び上部スロットのそれぞれ上端を介して連結部をアームに接続する。係止機構は、中間部材をシートバック側に結合する連動状態から中間部材をシートクッション側に結合する係留状態へ側方衝突を検知した場合に切り換わる。このとき係止機構は、ヒンジの回動軸線に沿う方向へ移動することで連動状態から係留状態に切り換わる係止部材を備える。
または、角度リンク機構は、第1のギアと中間部材と第2のギアとアームとワイヤと係止機構とを備える。第1のギアは、ヒンジを中心にシートバックとともに回動する。中間部材は、ヒンジを中心に回動可能に設けられる。第2のギアは、中間部材に回動可能に取り付けられて第1のギアに噛合する。アームは、第2のギアに取り付けられて前方へ延びる。ワイヤは、下部スロット及び上部スロットのそれぞれ上端を介して連結部をアームに接続する。係止機構は、中間部材をシートバック側に結合する連動状態から中間部材をシートバック側から切り離す自由状態へ側方衝突を検知した場合に切り換わる。
また、ヒンジを中心に連動状態の角度リンク機構をシートバックとともに任意の回転角度で保持するアジャスタ機構をさらに備えてもよい。また、ガイド機構は、下部スロット及び上部スロットに沿って配置されたガイドと、連結部が固定されガイドに案内されるホルダと、ガイドの上端に配置されたプーリとを有する。ワイヤは、プーリを介してホルダをアームに接続する。また、角度リンク機構は、アームにワイヤが接続された位置を半径とするドラムを有し、ワイヤはドラムの外周面に巻き取る。角度リンク機構は、ドラムの外周面に沿ってワイヤの反対方向へ巻き掛けられて下部スロット及び上部スロットの下端を介してホルダに接続される補助ワイヤをさらに備えてもよい。
本発明に係る車両用シートによれば、角度リンク機構を備えており、この角度リンク機構によって、側方衝突の際にシートバックが後方へ傾倒した場合、傾倒する角度に比例して連結部をガイド機構に沿って上方へ移動させる。ガイド機構は、下部スロット及び上部スロットを有しており、インフレータの連結部は、この下部スロット及び上部スロットに遊嵌している。インフレータはガイド機構に沿って上方へ移動すると、次第に前方へ傾く。つまり、側方衝突の際にシートバックが後方へ傾倒した場合にこれを相殺するようにその角度に比例してインフレータが前方へ傾倒する。サイドエアバッグは、インフレータに固定されているので、側方衝突によってシートバックが後傾しても、シートバックが後傾しない場合と同様に乗員に対して展開される方向を維持できる。したがって、車両用シートは、乗員に対して適切な位置にサイドエアバッグを展開させることができる。
下部スロットの下端から上端に延びる線分よりも上部スロットの下端から上端に延びる線分のほうがサイドフレームに対して車両の前方斜め上に傾くように下部スロット及び上部スロットが設定される発明の車両用シートによれば、インフレータが下部スロット及び上部スロットに沿って下端から上端へ移動することによって、確実にインフレータの上端部が下端部よりも前方へ移動する、すなわちインフレータは、第1の姿勢から第2の姿勢へ向かうように変位する。
また、角度リンク機構が、リングギアと中間部材と中間ギアと太陽ギアとアームとワイヤと係止部材とを備える発明の車両用シートによれば、シートバックの回動中心となるヒンジの回動軸と同軸にアームの回動軸が配置される。したがって、機構部分がかさばることなく小さくまとまりやすい。
また、角度リンク機構が、第1のギアと中間部材と第2のギアとアームとワイヤと係止部材とを備える発明の車両用シートによれば、構造が簡素化されて部品点数が減るだけでなく、側方衝突の際に作動する信頼性が向上する。
係止部材がヒンジの回動軸線に沿う方向へ移動することで連動状態から係留状態に切り換わる発明の車両用シートによれば、係止部材の配置に自由度が増す。また、ヒンジを中心に連動状態の角度リンク機構をシートバックとともに任意の回転角度で保持するアジャスタ機構をさらに備える発明の車両用シートによれば、乗員がシートバックを任意の回転角度に調整しても、その位置から側方衝突によって後傾した角度に比例して、サイドエアバッグの位置が調整される。したがって、乗員に対して適切な位置にサイドエアバッグが展開される。
また、ガイド機構がガイドとホルダとプーリとを有し、ワイヤがプーリを介してホルダをアームに接続する発明の車両用シートによれば、側方衝突によってシートバックが後傾するときにインフレータを移動させるための抵抗が軽減され、応答性能が向上する。角度リンク機構がアームにワイヤが接続された位置を半径とするドラムをさらに有し、ワイヤをこのドラムに巻き取るように構成された発明の車両用シートによれば、側方衝突によってシートバックが後傾するときにワイヤにかかる張力が均質化される。さらに、角度リンク機構がこのドラムの外周面に沿ってワイヤの反対方向へ巻き掛けられて下部スロット及び上部スロットの下端を介してホルダに接続される補助ワイヤをさらに備える発明の車両用シートによれば、側方衝突によってシートバックが後傾するときの速度(加速度)が大きい場合に、その勢いでインフレータが過度に上方へ移動することを防止することができる。つまり、この車両用シートは、乗員に対して適切な位置にサイドエアバッグを展開させることができる。
本発明に係る第1の実施形態の車両用シート1について、図1から図10を参照して説明する。本実施形態では、以下の説明の便宜上、車両100の進行方向を基準に「前」、「後」、「右」、「左」、重力が作用する方向を基準に「上」、「下」、車室の中心に向かう方向へ「内側」、中心から離れる方向へ「外側」をそれぞれ定義する。また、本実施形態では、運転席もしくは助手席に相当する前部シートに適用された場合を例に説明する。
図1は、車両100の右前部に設置される車両用シート1を示す。この車両用シート1は、シートクッション11と、シートバック12と、ヒンジ13と、サイドエアバッグ装置2とを備える。また、車両用シート1は、シートクッション11の下、車室の床との間に、前または後ろへ位置を調整できるスライド機構を備えている。シートバック12は、シートクッション11の後端にヒンジ13で連結されている。このヒンジ13には、ラチェット機能を有したアジャスタ機構が設置される。このアジャスタ機構は、シートクッション11の横に設けられたレバー131を操作することによって、回動軸線Aを中心にシートクッション11に対するシートバック12の角度を複数段階に調節することができる。
本実施形態において、車両用シート1は、車両100の車室の前後方向中央付近の外側部に設置されるサイドピラー101に対して、ヒンジ13が車幅方向に重なる位置に配置される。シートバック12は、シートクッション11に対する標準的な設定位置において、やや後方へ傾いた状態である。シートバック12は、図1及び図2に示すように一対のサイドフレーム121とトップフレーム122とが一体に形成されたシートフレーム120を内蔵しており、シートフレーム120の周囲にウレタンフォームやスポンジなどで外形が立体的に造形される。
サイドフレーム121は、シートバック12の幅方向の左右両側でそれぞれ上下方向に延設されており、トップフレーム122は、左右一対のサイドフレーム121の上端部間を繋ぐように幅方向に延設されている。
図2及び図3に示すように、車両100の幅方向外側に位置するシートフレーム120のサイドフレーム121には、後述するサイドエアバッグ装置2のインフレータ21が装着される。そして、サイドフレーム121には、インフレータ21の姿勢を通常の状態からインフレータ21の上方側が前方に傾斜した姿勢となるよう案内するためのガイド機構30が設けられている。
このガイド機構30は、車両100の幅方向にサイドフレーム121を貫通し、インフレータ21が移動可能に連結される下部スロット31及び上部スロット32を有している。下部スロット31及び上部スロット32は、図3に示すように、上下方向に延びる長孔状に形成されており、サイドフレーム121の延びる方向に対してそれぞれ斜めに角度を有して配置されている。下部スロット31の下端311から上端312に向かって延びる線分よりも上部スロット32の下端321から上端322に向かって延びる線分のほうが、サイドフレーム121の長手方向(上下方向)に延びる中心線Lに対して車両100の前方斜め上へ傾くように設定されている。本実施形態では、下部スロット31は、サイドフレーム121の中心線Lに対して後方斜め上方に傾斜され、上部スロット32は、下部スロット31の上方でサイドフレーム121の中心線Lに対して前方斜め上方に傾斜されている。
また、本実施形態の場合、下部スロット31の下端311はサイドフレーム121のほぼ中心線L上に位置し、上端312は下端311より後方斜め上に位置している。また、上部スロット32の下端321はサイドフレーム121のほぼ中心線L上に位置し、上端322は下端321よりも前方斜め上に位置している。
なお、下部スロット31の下端311から上端312に向かって延びる線分よりも上部スロット32の下端321から上端322に向かって延びる線分のほうが、サイドフレーム121に対して前方斜め上へ傾いていればよいので、下部スロット31及び上部スロット32の配置、角度、寸法、及びスロットの輪郭形状など、条件に応じてさまざまに変更可能である。本実施形態は、その一例であって、例えば、下部スロット31及び上部スロット32の両方とも下端311,321から上端312,322に向かって前方斜め上に延びていてもよいし、スロットが円弧状に湾曲していてもよい。また、下部スロット31及び上部スロット32は、サイドフレーム121に直接形成される代わりに、サイドフレーム121に固定される別部材、例えば、ブラケットに形成されていてもよい。
この実施形態のガイド機構30は、さらに図3から図5に示すように、ガイド33とホルダ34とプーリ35とを備える。ガイド33は、下部スロット31及び上部スロット32のそれぞれ前側の縁に沿って配置される。ホルダ34は、後述する角度リンク機構40のワイヤ46に連結されており、ワイヤ46が引かれることでガイド33、すなわち下部スロット31及び上部スロット32に沿って移動される。プーリ35は、ガイド33の上端に配置され、車幅方向に平行に回転軸が設定されている。このプーリ35は、ホルダ34に連結されたワイヤ46が掛けられる。
サイドエアバッグ装置2は、インフレータ21とサイドエアバッグ22(図2参照)とを備える。このサイドエアバッグ装置2は、車両100が側方衝突した場合に乗員と車室の側壁との間にサイドエアバッグ22を展開し、乗員が相対的に車室の内壁に打ち付けられる時の衝撃を吸収することで、乗員を保護するために設けられる。サイドエアバッグ装置2は、図1に示すように車両100の幅方向外側に面したシートフレーム120のサイドフレーム121に取り付けられてシートバック12の中に組み込まれている。
インフレータ21は、図2に示すように連結部211と噴射口212とを有している。インフレータ21は、円筒型の容器にガス発生剤が充填され、雷管が埋め込まれている。雷管は、車両100のECU6に接続されている。ECU6は、サイドピラー101の下端の近傍に設置された側突検知センサ5に接続されており、あらかじめ設定された以上の加速度を側方衝突の際に側突検知センサ5が検知すると点火される。側突検知センサ5は、本実施形態では、側方衝突時の加速度を検知するものとする。インフレータ21は、雷管でガス発生剤が点火されるとサイドエアバッグ22を膨らませるのに十分な量のガスを発生する。発生したガスは、噴射口212から噴射される。噴射口212は、インフレータ21の下端に設けられており、下方に向かってガスを噴射する。
連結部211は、図3から図5に示すように、インフレータ21の側部に突出したボルト211A,211Bを含む。連結部211のボルト211A,211Bは、インフレータ21の長手方向に互いに間隔を空けて設けられる。この連結部211は、インフレータ21の外面に直接設けられていてもよいし、インフレータ21を保持するリテーナとして別途設けられ、インフレータ21に組み付けられたものであってもよい。連結部211は、図4に示すように、連結部211のボルト211A,211Bが下部スロット31及び上部スロット32に沿って移動可能に下部スロット31及び上部スロット32に遊嵌される。
下部スロット31及び上部スロット32に通されたボルト211A,211Bに、下部スロット31及び上部スロット32の幅よりも大きいナット213A,213Bが装着されることで、連結部211は、サイドフレーム121に組み付けられる。ナット213A,213Bは、かしめるなど、ボルト211A,211Bに対して弛まないように固定される。また、ナット213A,213Bから突出したボルト211A,211Bの先端は、ガイド機構30のホルダ34に固定される。つまり、連結部211は、ホルダ34とともに下部スロット31及び上部スロット32の前側の縁のガイド33に沿って移動可能とされている。連結部211は、下部スロット31に遊嵌されたボルト211Aが下端311にあるとき上部スロット32に遊嵌されたボルト211Bが下端321に位置する第1の姿勢S1になり、ボルト211Aが下部スロット31の上端312にあるときボルト211Bが上部スロット32の上端322に位置する第2の姿勢S2になる。
言い換えると、連結部211が下部スロット31及び上部スロット32の下端311,321に位置するとき、インフレータ21が第1の姿勢S1とされ、連結部211が下部スロット31及び上部スロット32の上端312,322に位置するとき、インフレータ21が第2の姿勢S2とされる。第1の姿勢S1は、通常時のインフレータ21の姿勢であり、第2の姿勢S2では、第1の姿勢S1よりインフレータ21の上方が前方に傾斜した状態となる。つまり、連結部211が下部スロット31及び上部スロット32の下端311,321から上端312,322側に移動する。したがって、インフレータ21の上方への傾斜が大きくなる仕組みとなっている。
サイドエアバッグ22は、図5に示すように、インフレータ21を包むように連結部211に固定されている。サイドエアバッグ22は、インフレータ21から噴出されるガスによって滞りなく膨張するよう折りたたまれ、シートバック12の内部に格納されている。サイドエアバッグ22がガスによって膨張すると、図2に示すように、インフレータ21の前方に展開されるとともに、上方及び下方にも展開される。このサイドエアバッグ22は、図8から図10に実線で示すように、本実施形態では、車両用シート1に着座している乗員Hの肩部H1から腰部H2にかけて車体と乗員Hとの間、サイドピラー101やドアパネル102と乗員Hとの間に展開される。
シートバック12の下方のヒンジ13には、アジャスタ機構の他に角度リンク機構40が設けられている。角度リンク機構40は、側方衝突などによって車体が変形したときにその影響を受けてシートクッション11に対してシートバック12が後方へ傾倒した場合に、シートバック12が後方へ傾倒する角度に比例してインフレータ21の連結部211をガイド機構30に沿って上方へ移動させる機構である。この角度リンク機構40は、いわゆる遊星ギア装置を基に構成されており、図6に示すように、リングギア41と、中間部材42と、遊星ギア43と、太陽ギア44と、アーム45と、ワイヤ46と、係止機構47とを備える。
リングギア41は、サイドフレーム121の下端に取り付けられており、ヒンジ13を中心にシートバック12とともに回動するように設けられている。リングギア41は、内周に歯411が形成されており、車幅方向に開口している。中間部材42は、リングギア41と平行にサイドフレーム121の下端に対して車幅方向へ外側に配置され、ヒンジ13を中心に回動可能である。遊星ギア43は、中間部材42からリングギア41側に向かって突出したボス421に回動可能に装着され、リングギア41に噛合する。本実施形態の場合、遊星ギア43は、図3に示すように、ヒンジ13の回動軸線Aを中心に等配に3つ配置されている。
太陽ギア44は、ヒンジ13を中心に回動可能に配置され、遊星ギア43に噛合する。本実施形態の場合、遊星ギア43は、3つあるので、この3つの遊星ギア43のそれぞれに噛合する。アーム45は、太陽ギア44に取り付けられており車両の前方に延びている。このアーム45は、図6に示すようにサイドフレーム121の下端に対して車幅方向内側に配置されている。ワイヤ46は、連結部211とアーム45とを連結している。具体的には、ワイヤ46の一端がアーム45の回動端に連結され、他端が下部スロット31及び上部スロット32のそれぞれ上端312,322を介して連結部211に連結される。本実施形態の場合、連結部211のボルト211A,211Bがガイド機構30のホルダ34に固定されているので、ワイヤ46は、他端がガイド33の上端に配置されたプーリ35を介してホルダ34と連結されている。またこの実施形態の角度リンク機構40は、太陽ギア44及びアーム45に一体に設けられたドラム48を有している。このドラム48は、ヒンジ13の回動軸線Aを中心に、アーム45にワイヤ46が接続された位置を半径とする外周面を有している。太陽ギア44とともにアーム45が回動すると、ワイヤ46はドラム48の外周面に巻き取られる。ワイヤ46は、ドラム48の接線方向に引っ張られるので、ワイヤ46に加わる張力が安定する。
係止機構47は、図6に示すように、係止部材471と駆動装置472とで構成される。係止機構47は、中間部材42をシートバック12側に結合する連動状態P1から、中間部材42をシートクッション11側に結合する係留状態P2へ、切り換わるように設けられている。連動状態P1において中間部材42をシートバック12側に結合するために、係止部材471は、中間部材42側からサイドフレーム121の係合孔473に差し込まれる。また、係留状態P2において中間部材42をシートクッション11に結合するために、係止部材471は、シートクッション11側に設置されたアンカープレート474の係合孔475に差し込まれる。アンカープレート474の係合孔475は、アジャスタ機構130によって位置決めされるシートバック12の固定位置に対応するように設けられている。
係止機構47は、初期状態、すなわち車両が通常に利用されている状況において連動状態P1である。駆動装置472は、側方衝突を側突検知センサ5によって検知した場合に作動し、係止部材471をヒンジ13の回動軸線Aに沿う方向へ移動する。これにより、係止機構47は、連動状態P1から係留状態P2へ切り換わる。
駆動装置472は、簡単な構造で素早く係止部材471を動かして係止機構47を係留状態P2にするために、押し出し式のピストン構造を有しており、車幅方向に中間部材42の内側に配置されている。サイドフレーム121の係合孔473に差し込まれた係止部材471を中間部材42側へ引き抜くように作動させるために、シリンダから突出したプランジャの先端が折り返されている。押し出し式のピストン構造の代わりに引き込み式のピストン構造であってもよい。その場合は、駆動装置472は、中間部材42の外側に配置される。
以上の構成を有した角度リンク機構40において、係止機構47が連動状態P1である場合、中間部材42はサイドフレーム121に連結されているので、シートバック12が後方へ傾倒されると、中間部材42がサイドフレーム121と一緒に回動するので、遊星ギア43は回転せず、太陽ギア44も回転されない。そのため、アーム45は、サイドフレーム121に対して相対的に移動しない。すなわち、サイドフレーム121に対するアーム45の相対位置は変化されない。一方、係止機構47が係留状態P2である場合、中間部材42はサイドフレーム121に対して固定されておらずシートクッション11側に結合される。したがって、シートバック12が後方へ傾倒されても、中間部材42は回動せず、そのままの位置に係留された状態とされ、リングギア41のみがサイドフレーム121とともに回転する。中間部材42に対してリングギア41が回転すると、遊星ギア43が回転するので、太陽ギア44は、リングギア41と反対方向へ回転される。このため、アーム45がサイドフレーム121の回動方向(傾倒方向)と反対方向に回動され、サイドフレーム121に対するアーム45の相対位置が離れる方向に変化する。アーム45がサイドフレーム121に対して反対方向に移動することで、アーム45によってワイヤ46が引かれる。太陽ギア44が回転する角度は、リングギア41、遊星ギア43及び太陽ギア44のギア比に起因する。
なお、係止機構47が連動状態P1と係留状態P2になるために、本実施形態では、1つの係止部材471を採用しているが、連動状態P1と係留状態P2とをそれぞれ個別に制御するために、係止機構を分けて設けてもよい。その場合、係留状態P2にするための係止機構として、アジャスタ機構を流用してもよい。
以上のように構成された車両用シート1は、通常時において、角度リンク機構40の係止機構47が連動状態P1に保持されている。したがって、乗員がアジャスタ機構を操作してシートバック12の角度を任意に調整したとしても、遊星ギア43と太陽ギア44は、作動されず、アーム45は、サイドフレーム121とともに回動する。したがって、太陽ギア44に固定されたアーム45がワイヤ46を引っ張らない。つまり、乗員がアジャスタ機構を操作してシートバック12が後方へ倒されてもワイヤ46が引かれず、連結部211も移動されないので、インフレータ21の位置は、図3に示す第1の姿勢S1に保持される。
そして、立ち木や電柱、車両等、衝突対象物Mとの側方衝突によって、側方から衝撃を受けると、側突検知センサ5によって検出された加速度を基にECU6がサイドエアバッグ装置2を作動させるか否か判断する。サイドエアバッグ装置2を作動させる程度に衝突による加速度が大きい場合、インフレータ21を点火してガスを発生し、サイドエアバッグ22を図2に示すように展開させる。
このとき、本実施形態の車両用シート1では、角度リンク機構40の係止機構47の駆動装置472が作動して係止部材471が移動され、係止機構47は、連動状態P1から係留状態P2に切り換えられる。つまり、中間部材42は、シートバック12と切り離されており、シートクッション11側に結合された状態となる。この状態でシートバック12が後方へ傾倒すると、サイドフレーム121のリングギア41に噛合している遊星ギア43が回転し、太陽ギア44がリングギア41と反対方向に回転する。太陽ギア44が回転することで、太陽ギア44に固定されたアーム45が、サイドフレーム121(リングギア41)が回動する角度に比例してサイドフレーム121と反対方向に回動する。その結果、図7に示すように、アーム45がワイヤ46を引っ張り、インフレータ21の連結部211がガイド機構30によって下部スロット31及び上部スロット32の下端311,321から上端312,322へ向けて移動する。
本実施形態の場合、角度リンク機構40を備えているので、シートバック12が後方へ傾倒した角度に応じてワイヤ46が引っ張られ、連結部211を下部スロット31及び上部スロット32の下端311,321から引き上げる。つまり、シートバック12が後方へ傾いた角度に比例してインフレータ21の姿勢が前方へ傾くように変化する。そして、その角度は、インフレータ21が第1の姿勢S1である位置から、第2の姿勢S2である位置まで、無段階である。連結部211のボルト211A,211Bが上端312,322へ到達することで、インフレータ21は、最も傾斜した第2の姿勢S2になる。
なお、車両100が側方衝突を受けた場合でも、衝突対象物Mによって車体(この場合はサイドピラー101及びドアパネル102)が一様に変形し、車室の内側への侵入が少ない場合がある。このような場合、図8に示すようにシートバック12は車両前後方向に移動しないので、角度リンク機構40の係止部材471が係留状態P2であっても、インフレータ21は連結部211のボルト211A,211Bがそれぞれ下部スロット31及び上部スロット32の下端311,321に位置するので、サイドフレーム121に対する姿勢が初期の状態である第1の姿勢S1のままである。
また、図9に示すように、車両100が側方衝突によって、サイドピラー101やドアパネル102が車室の内側へ局所的に大きく侵入する場合、その影響を受けてシートバック12が後方へ傾倒することがある。このような場合、乗員Hはその場に残されシートバックのみが後方へ倒れるため、乗員Hとシートバック12に相対的なずれが生じる。この実施形態において車両用シート1は、角度リンク機構40を備えているので、上述の通り、シートバック12が後方へ傾倒した角度に対応した分だけインフレータ21が下部スロット31及び上部スロット32に沿って上端321,322側へ変位して、第1の姿勢S1よりもインフレータ21の上方側が前方に傾いた姿勢とされる。そして、乗員Hに対してどんな角度にシートバック12が後傾しても乗員Hとシートバック12との間にできた角度差が相殺される。乗員Hに対するインフレータ21の相対位置は、シートバック12が傾倒する前と後とでほぼ同じ状態に保たれる。すなわち、インフレータ21が下部スロット31及び上部スロット32に沿って移動されることで、インフレータ21(サイドエアバッグ22)のサイドフレーム121に対する姿勢が通常の状態である第1の姿勢S1よりインフレータ21の上方側が前方に傾斜した姿勢とされ、サイドエアバッグ22の展開方向と乗員Hに対する展開位置のずれが修正される。したがって、サイドエアバッグ22は、展開されるとき、乗員Hと車体(サイドピラー101及びドアパネル102)との間において、適切な位置に展開され、乗員Hを適切に保護する。
側方衝突によってシートバック12が後方へ傾倒する速度は速いので、ワイヤ46によって引き上げられたインフレータ21がガイド機構30によって過度に移動することを防止するために、角度リンク機構40は、さらに補助ワイヤを備えてもよい。補助ワイヤは、ドラム48の外周面に沿ってワイヤ46の反対方向に巻き掛けられて、下部スロット31及び上部スロット32の下端311,321を介してアーム45からホルダ34に接続される。
次に、本発明に係る第2の実施形態の車両用シート1について、図11から図13を参照して説明する。第1の実施形態の車両用シート1の構成と同じ機能を有する構成は、各図中において同一の符号を付し、各部の説明は第1の実施形態の対応する記載を参酌することとする。第2の実施形態の車両用シート1は、角度リンク機構40の構造が第1の実施形態と異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同じである。
角度リンク機構40は、図11に示すように、第1のギア41Aと中間部材42と第2のギア44Aとアーム45とワイヤ46と係止機構47とを備える。第1のギア41Aは、サイドフレーム121の下端に取り付けられており、ヒンジ13を中心にシートバック12とともに回動する。この第1のギア41Aは、第1の実施形態のリングギア41に相当する。
中間部材42は、第1のギア41Aと平行に第1のギア41Aよりも車幅方向内側に配置され、ヒンジ13を中心に回動可能に設けられている。この中間部材42は、第1のギア41Aよりも直径が大きい円板である。
第2のギア44Aは、車両の進行方向に第1のギア41Aの前方部分の中間部材42から車幅方向に第1のギア41Aと同じ側へ突出したボス421に回動可能に装着され、第1のギア41Aに噛合する。第2のギア44Aは、第1の実施形態の太陽ギア44に相当する。
アーム45は、第2のギア44Aに取り付けられて前方へ延びている。本実施形態では、アーム45は、第2のギア44Aと同心に設けられるドラム48と一体に形成されている。ドラム48(アーム45)は、第2のギア44Aに対して中間部材42と車幅方向の反対側に配置されている。ワイヤ46は、下部スロット31及び上部スロット32のそれぞれ上端を介して連結部211をアーム45に接続する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、連結部211のボルト211A,211Bがガイド機構30のホルダ34に固定され、下部スロット31及び上部スロット32のそれぞれに沿って設けられたガイド33の上端にプーリ35が配置されている。そこで、ワイヤ46は、ボルト211A,211Bに固定されたホルダ34からプーリ35を介してアーム45の回動端に接続される。本実施形態では、ワイヤ46が接続されるアーム45の回動端の位置にボス421を中心とする円筒状のドラム48の外周面が形成されている。ドラム48が第2のギア44Aとともに回動すると、ワイヤ46は、ドラムの外周面に巻き取られる。
係止機構47は、図11に示すように、第1の係止機構47Aと第2の係止機構47Bとで構成される。第1の係止機構47Aは、第1の係止片471Aおよび駆動装置472を有している。第1の係止片471Aは、第1のギア41Aの半径方向に移動するよう中間部材42に取り付けられ、第1のギア41Aに係合している。駆動装置472は、作動すると第1の係止片471Aを第1のギア41Aから引き離す。したがって、第1の係止機構47Aは、中間部材42をサイドフレーム121に結合させており、駆動装置472が作動すると中間部材42とサイドフレーム121とを切り離す。
第2の係止機構47Bは、第2の係止片471Bおよび解除装置を有している。第2の係止片471Bは、中間部材42の半径方向に移動するようにシートクッション11側のフレーム11Aに取り付けられており、中間部材42の外周に設けられた係止部422に噛合する。解除装置は、中間部材42から離す方向へ第2の係止片471Bを移動させる。この第2の係止機構47Bは、第1の実施形態におけるアジャスタ機構として機能する。
以上のように構成された第2の実施形態の車両用シート1は、通常時には図11に示すように、シートクッション11に対して中間部材42が第2の係止機構47Bによって結合され、中間部材42に対してシートバック12が第1の係止機構47Aによって結合されている。そして、乗員がシートバック12の角度を調整したい場合には、図12に示すように、第2の係止機構47Bのレバーなどの解除装置を操作して、第2の係止片471Bを係止部422から切り離すことによって、シートバック12をシートクッション11に対して任意の角度に変えることができる。このとき第1の係止機構47Aが中間部材42とサイドフレーム121とを結合させた連動状態P1であるので、第2のギア44Aは、ボス421を中心に回転しない。つまり、ワイヤ46は引っ張られないので、インフレータ21は第1の姿勢S1のままである。
サイドエアバッグ装置2が作動するような側方衝突を車両が受けた場合、図13に示すように、駆動装置472が作動して第1の係止片471Aが第1のギア41Aから切り離される。これにより、サイドフレーム121は、中間部材42に対して自由に回動するようになる。側方衝突の衝撃が車体を変形させ、さらにシートバック12を後方へ傾倒させるほどに激しい場合、シートバック12が後方へ倒された角度、すなわち第1のギア41Aが回転した角度に比例して第2のギア44Aが回転される。その結果、ワイヤ46が引っ張られてインフレータ21の姿勢が、第2のギア44Aの回転角度の分だけ、すなわちシートバック12が後方へ倒れた角度に比例して、第1の姿勢S1から第2の姿勢S2の間で変更される。したがって、シートバック12が後方へ傾倒されても、乗員と車体との間の適正な位置にサイドエアバッグ22が展開される。
なお、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態のいずれにおいても、角度リンク機構40のアーム45から、インフレータ21の連結部211を保持するガイド機構30のホルダ34まで、ワイヤ46によって、シートバック12の角度変化を伝達している。ワイヤ46を採用する代わりに、カムやロッドなどによってシートバック12の角度変化を伝達してもよいし、ワイヤ46とカムやロッドなどを組み合わせてもよい。構造が単純で動作の信頼性が高いものが選択される。
1…車両用シート、11…シートクッション、12…シートバック、13…ヒンジ、21…インフレータ、211…連結部、212…噴射口、22…サイドエアバッグ、30…ガイド機構、31…下部スロット、311…(下部スロットの)下端、312…(下部スロットの)上端、32…上部スロット、321…(上部スロットの)下端、322…(上部スロットの)上端、33…ガイド、34…ホルダ、35…プーリ、40…角度リンク機構、41…リングギア、41A…第1のギア、42…中間部材、43…遊星ギア、44…太陽ギア、44A…第2のギア、45…アーム、46…ワイヤ、47…係止機構、471…係止部材。
Claims (8)
- 車両の側方衝突時にガスを噴出するインフレータと、前記インフレータに固定されるとともに前記インフレータから噴出されたガスによって乗員の側方に展開されるサイドエアバッグとを備えたサイドエアバッグ装置を、シートバックに内蔵する車両用シートであって、
前記シートバック内で上下方向に延設されて前記インフレータが連結されるサイドフレームと、
前記サイドフレームに設けられ、前記インフレータの連結部が移動可能に遊嵌される長孔状の下部スロット及び上部スロットを有するガイド機構と、
前記サイドフレームの下端に設けられ、前記シートバックをシートクッションに対して、傾倒可能に連結するヒンジと、
前記車両の側方衝突時に、前記シートクッションに対して前記シートバックが後方へ傾倒される角度に比例して前記連結部を前記ガイド機構に沿って上方へ移動させ前記インフレータを次第に前方へ傾斜させる角度リンク機構と、
を備えることを特徴とする車両用シート。 - 前記下部スロット及び上部スロットは、前記下部スロットの下端から上端に延びる線分よりも前記上部スロットの下端から上端に延びる線分のほうが前記サイドフレームに対して車両の前方斜め上に傾くよう設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載された車両用シート。 - 前記角度リンク機構は、
前記ヒンジを中心に前記シートバックとともに回動する内周に歯が形成されたリングギアと、
前記ヒンジを中心に回動可能に設けられた中間部材と、
前記中間部材に回動可能に取り付けられて前記リングギアに噛合する遊星ギアと、
前記ヒンジを中心に回動可能に配置されて前記遊星ギアに噛合する太陽ギアと、
前記太陽ギアに取り付けられて前方へ延びるアームと、
前記下部スロット及び前記上部スロットのそれぞれ上端を介して前記連結部を前記アームに接続するワイヤと、
前記側方衝突を検知した場合に、前記中間部材を前記シートバック側に結合する連動状態から前記中間部材を前記シートクッション側に結合する係留状態に切り換わる係止機構と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載された車両用シート。 - 前記係止機構は、前記ヒンジの回動軸線に沿う方向に移動することで前記連動状態から前記係留状態に切り換わる係止部材を備える
ことを特徴とする請求項3に記載された車両用シート。 - 前記角度リンク機構は、
前記ヒンジを中心に前記シートバックとともに回動する第1のギアと、
前記ヒンジを中心に回動可能に設けられた中間部材と、
前記中間部材に回動可能に取り付けられて前記第1のギアに噛合する第2のギアと、
前記第2のギアに取り付けられて前方に延びたアームと、
前記下部スロット及び前記上部スロットのそれぞれ上端を介して前記連結部を前記アームに接続するワイヤと、
前記側方衝突を検知した場合に、前記中間部材を前記シートバック側に結合する連動状態から前記中間部材を前記シートバック側から切り離す自由状態へ切り換わる係止機構と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載された車両用シート。 - 前記ヒンジを中心に前記連動状態の前記角度リンク機構を前記シートバックとともに任意の回転角度で保持するアジャスタ機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載された車両用シート。 - 前記ガイド機構は、前記下部スロット及び前記上部スロットに沿って配置されたガイドと、前記連結部が固定され前記ガイドに案内されるホルダと、前記ガイドの上端に配置されたプーリとを有し、
前記ワイヤは、前記プーリを介して前記ホルダを前記アームに接続する
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載された車両用シート。 - 前記角度リンク機構は、前記アームに前記ワイヤが接続された位置を半径とするドラムを有し、
前記ワイヤは、前記ドラムの外周面に沿って巻き取られる
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載された車両用シート。
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