JP2015110698A - 潤滑油用エステル基油及び潤滑油 - Google Patents
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Abstract
【課題】高粘度化が抑制され、かつ高温下での低蒸発性に優れ、低温から高温までの広い温度範囲で長期間使用できる潤滑油用基油及び潤滑油を提供する。【解決手段】2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とのエステルであって、該エステルの総炭素数が21〜33である潤滑油用エステル基油及びそれを含む潤滑油。【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油用エステル基油及び潤滑油に関する。
近年、環境問題の観点から、工場、輸送事業者等はこれまで以上に電力及び燃料消費量の削減が求められており、各種産業機械、自動車等に用いられる潤滑油にも省電力、省燃費効果が求められている。省電力、省燃費効果を得るための手段の一つとして、摩擦調整剤を添加して摩擦を低減する方法があるが、低粘度の基油を用いることも有効な方法である。また、冬場の寒冷地等の低温下で使用される各種機械は、低温始動性が良好であることが望まれるが、この低温始動性向上の手段としても低粘度の基油を用いることは有効である。
一方で、各種機械の高性能化、小型軽量化に伴い、潤滑油は高温下で使用されるケースが多くなってきている。このような箇所に使用される潤滑油は基油が蒸発しやすい傾向にあるため、基油の蒸発特性(低蒸発性)の向上が求められる。
ところで、一般に、基油の低蒸発性を改善しようとすると動粘度が高くなる傾向にある。一方、省電力、省燃費効果や低温始動性を基油で改善しようとすると基油の動粘度は低くなる傾向にある。すなわち、低蒸発性でありながら粘度が低く抑えられ、低温から高温までの広い温度範囲で長期間使用できる潤滑油に用いる基油が求められている。
例えば、特許文献1には脂肪族モノカルボン酸エステル油が、特許文献2には二塩基酸ジエステル油が、それぞれ開示されている。
また、特許文献3では、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数5〜12のカルボン酸とからなるエステル化合物を含む軸受用潤滑剤が開示されている。
また、特許文献3では、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数5〜12のカルボン酸とからなるエステル化合物を含む軸受用潤滑剤が開示されている。
各種機械の高性能化や小型化に伴って、より一層、粘度特性に優れるのと同時に低蒸発性にも優れた基油が求められている。
そこで、本発明は、高粘度化が抑制され、かつ高温下での低蒸発性に優れ、低温から高温までの広い温度範囲で長期間使用できる潤滑油用基油及び潤滑油を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明は、高粘度化が抑制され、かつ高温下での低蒸発性に優れ、低温から高温までの広い温度範囲で長期間使用できる潤滑油用基油及び潤滑油を提供することを目的とするものである。
本発明では、以下の潤滑油用基油及び潤滑油が提供される。
<1> 2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とのエステルであって、該エステルの総炭素数が21〜33である潤滑油用エステル基油。
<2> 前記エステルの総炭素数が25〜31である<1>に記載の潤滑油用エステル基油。
<3> 前記カルボン酸がモノカルボン酸である<1>又は<2>に記載の潤滑油用エステル基油。
<4> <1>〜<3>のいずれかに記載の潤滑油用エステル基油を含有する潤滑油。
<1> 2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とのエステルであって、該エステルの総炭素数が21〜33である潤滑油用エステル基油。
<2> 前記エステルの総炭素数が25〜31である<1>に記載の潤滑油用エステル基油。
<3> 前記カルボン酸がモノカルボン酸である<1>又は<2>に記載の潤滑油用エステル基油。
<4> <1>〜<3>のいずれかに記載の潤滑油用エステル基油を含有する潤滑油。
本発明によれば、高粘度化が抑制され、かつ高温下での低蒸発性に優れ、低温から高温までの広い温度範囲で長期間使用できる潤滑油用基油及び潤滑油が提供される。
以下、本発明の潤滑油用基油及び潤滑油について詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲を表す「〜」はその上限及び下限の数値を含む範囲を表す。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とがエステル結合し、該エステルの総炭素数が21〜33である潤滑油用エステル基油が、高粘度化が抑制され、かつ高温下での低蒸発性に優れることを見出して、本発明の完成に至った。
以下、本発明の潤滑油用エステル基油及びそれを含む潤滑油について具体的に説明する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とがエステル結合し、該エステルの総炭素数が21〜33である潤滑油用エステル基油が、高粘度化が抑制され、かつ高温下での低蒸発性に優れることを見出して、本発明の完成に至った。
以下、本発明の潤滑油用エステル基油及びそれを含む潤滑油について具体的に説明する。
<エステル基油>
本発明の潤滑油用エステル基油は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とのエステル化により得られる総炭素数が21〜33であるエステル油であり、下記一般式(1)で表される構造を有する。
本発明の潤滑油用エステル基油は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とのエステル化により得られる総炭素数が21〜33であるエステル油であり、下記一般式(1)で表される構造を有する。
一般式(1)中、R1,R2は、それぞれ独立して、炭素数5〜11の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基を表す。
本発明のエステル基油を構成するエステル化合物のジオール成分は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールである。
このエステル化合物のジオール成分は、1,3−プロパンジオールの2位の炭素にエチル基とブチル基が結合したものである。この構造は、アルコールのβ位の炭素が4級炭素であり、この構造により加水分解安定性や酸化安定性を向上させることができ、結果として低蒸発性を達成するものと考えられる。
また、同時にアルコール側鎖の炭素数を、エチル基とブチル基によって偶数で揃えることで、側鎖に位置する炭素数がメチル基とペンチル基の場合や、プロピル基とプロピル基の場合と比較して、低蒸発性を達成できるものと考えられる。
このエステル化合物のジオール成分は、1,3−プロパンジオールの2位の炭素にエチル基とブチル基が結合したものである。この構造は、アルコールのβ位の炭素が4級炭素であり、この構造により加水分解安定性や酸化安定性を向上させることができ、結果として低蒸発性を達成するものと考えられる。
また、同時にアルコール側鎖の炭素数を、エチル基とブチル基によって偶数で揃えることで、側鎖に位置する炭素数がメチル基とペンチル基の場合や、プロピル基とプロピル基の場合と比較して、低蒸発性を達成できるものと考えられる。
一方、本発明のエステル基油を構成するカルボン酸成分は、炭素数が6〜12であり、好ましくは8〜11、より好ましくは8〜10である。炭素数が少なすぎると蒸発し易くなり、炭素数が多すぎると粘度が高くなる傾向があるため、炭素数が上記範囲内のカルボン酸を用いてエステル基油を構成する。
本発明のエステル基油を構成するカルボン酸は、モノカルボン酸のほか、ジカルボン酸、トリカルボン酸など複数のカルボキシル基を持つカルボン酸のいずれであってもよい。また、本発明のエステル基油を構成するカルボン酸は、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、脂肪族、脂環式、又は芳香族のうち、いずれであってもよい。
飽和脂肪族モノカルボン酸は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体的には、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸が挙げられる。これらのカルボン酸は全ての異性体を含んでいる。
シクロヘキサンカルボン酸などの飽和脂環式カルボン酸なども挙げられる。
シクロヘキサンカルボン酸などの飽和脂環式カルボン酸なども挙げられる。
不飽和脂肪族モノカルボン酸は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体的には、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸が挙げられる。これらのカルボン酸は全ての異性体を含んでいる。
また、3−シクロヘキセンカルボン酸などの不飽和脂環式モノカルボン酸及び安息香酸やナフタレンカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸なども挙げられる。
また、3−シクロヘキセンカルボン酸などの不飽和脂環式モノカルボン酸及び安息香酸やナフタレンカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸なども挙げられる。
飽和脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が挙げられる。これら飽和脂肪酸は全ての異性体を含んでいる。
また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などの飽和脂環式ジカルボン酸なども挙げられる。
また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などの飽和脂環式ジカルボン酸なども挙げられる。
不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、ノネン二酸、デセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸、トリデセン二酸、テトラデセン二酸、ペンタデセン二酸が挙げられる。これら不飽和脂肪酸は全ての異性体を含んでいる。
また、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などの不飽和脂環式ジカルボン酸及びフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸なども挙げられる。
また、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などの不飽和脂環式ジカルボン酸及びフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸なども挙げられる。
トリカルボン酸としては、アコニット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、クエン酸、イソクエン酸などの脂肪族トリカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸などの芳香族トリカルボン酸などが挙げられる。
これらのカルボン酸の内、低温における始動性の観点から、モノカルボン酸が好ましく、脂肪族モノカルボン酸がより好ましく、飽和脂肪族直鎖モノカルボン酸が最も好ましい。
なお、炭素数が少なすぎると蒸発性が悪くなり、炭素数が多すぎると粘度が高くなる傾向があるため、いずれのモノカルボン酸でも、その炭素数が6〜12のものを用いるが、炭素数が8〜11のものが好ましく、8〜10のものが最も好ましい。
なお、炭素数が少なすぎると蒸発性が悪くなり、炭素数が多すぎると粘度が高くなる傾向があるため、いずれのモノカルボン酸でも、その炭素数が6〜12のものを用いるが、炭素数が8〜11のものが好ましく、8〜10のものが最も好ましい。
本発明の潤滑油用エステル基油は、上述のアルコールとカルボン酸とをエステル化することにより得られるエステル油であるが、炭素数が6〜12である2種以上のカルボン酸を用いてエステル化してもよい。
なお、本発明の潤滑油用エステル基油は、炭素数が少なすぎると蒸発性が悪くなり、炭素数が多すぎると粘度が高くなる傾向がある。そのため、本発明の潤滑油用エステル基油の総炭素数は21〜33であり、25〜31が好ましく、25〜29が最も好ましい。
<潤滑油>
本発明の潤滑油は、前記した本発明の潤滑油用エステル基油を含有して構成される。
本発明のエステル基油は、上記の構成を満たすことにより、高粘度化が抑制され、かつ低蒸発性のものとなり、1種単独で潤滑油用基油として使用することも、複数種のエステル基油を混合して潤滑油用基油として使用することもできる。例えば、炭素数が6〜12である2種以上のカルボン酸をそれぞれ別々に2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとエステル化して得た2種以上のエステル基油を混合してもよいし、炭素数が6〜12である2種以上のカルボン酸を併せて2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとエステル化して得た基油を用いてもよい。
本発明の潤滑油は、前記した本発明の潤滑油用エステル基油を含有して構成される。
本発明のエステル基油は、上記の構成を満たすことにより、高粘度化が抑制され、かつ低蒸発性のものとなり、1種単独で潤滑油用基油として使用することも、複数種のエステル基油を混合して潤滑油用基油として使用することもできる。例えば、炭素数が6〜12である2種以上のカルボン酸をそれぞれ別々に2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとエステル化して得た2種以上のエステル基油を混合してもよいし、炭素数が6〜12である2種以上のカルボン酸を併せて2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとエステル化して得た基油を用いてもよい。
本発明のエステル基油を用いて潤滑油を製造する場合には、求める動粘度と低蒸発性を損ねない範囲であれば、他の基油成分を含んでいてもよい。
鉱油系潤滑油基油としては、例えば原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製など適宜組み合わせて精製した基油が挙げられる。
合成系潤滑油基油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、ポリオールエステル類、アルキルベンゼン類、ポリグリコール類、フェニルエーテル類等が挙げられる。
鉱油系潤滑油基油としては、例えば原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製など適宜組み合わせて精製した基油が挙げられる。
合成系潤滑油基油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、ポリオールエステル類、アルキルベンゼン類、ポリグリコール類、フェニルエーテル類等が挙げられる。
ただし、本発明のエステル基油の性能を十分に発揮させ、低粘度と低蒸発性に優れる潤滑油を得るために、本発明のエステル基油を、基油全量に対して、30〜100質量%含有することが好ましく、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは70〜100質量%含有し、実質的に他の基油を含有しないことが好ましい。
本発明の潤滑油は、必要に応じて、各種添加剤を適宜配合することができる。
添加剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートなどの金属系清浄剤;
アルケニルこはく酸イミド、アルケニルこはく酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの分散剤;
亜鉛系、硫黄系、リン系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;
ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のアルキルフェノール類、4,4´−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類等の芳香族アミン化合物等の各種酸化防止剤;
硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛等の極圧剤;
ステアリン酸等のカルボン酸、ジカルボン酸部分エステル等の各種錆止め剤;
ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤などが挙げられる。
添加剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートなどの金属系清浄剤;
アルケニルこはく酸イミド、アルケニルこはく酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの分散剤;
亜鉛系、硫黄系、リン系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;
ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のアルキルフェノール類、4,4´−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類等の芳香族アミン化合物等の各種酸化防止剤;
硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛等の極圧剤;
ステアリン酸等のカルボン酸、ジカルボン酸部分エステル等の各種錆止め剤;
ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤などが挙げられる。
これらの添加剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、添加剤の添加量は、添加剤の効果を発揮させることができるとともに、本発明のエステル基油による高粘度化の抑制と低蒸発性を損なわない程度の量で適宜添加すればよい。
本発明の潤滑油は、低蒸発性で実用温度において粘度の上昇が抑えられ、特に各種産業用、自動車用に好適に用いることができる。
次に、本発明に係る潤滑油用基油及び潤滑油の実施例及び比較例について説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例では、以下に示す*1〜*4の各基油成分を評価した。
*1:ジエステル油A
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとデカン酸(炭素数10の飽和脂肪族モノカルボン酸)との、酸触媒存在下におけるフィッシャー・エステル合成反応により得られ、下記式で表されるエステル化合物をジエステル油Aとした。
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとデカン酸(炭素数10の飽和脂肪族モノカルボン酸)との、酸触媒存在下におけるフィッシャー・エステル合成反応により得られ、下記式で表されるエステル化合物をジエステル油Aとした。
上記式中、R3,R4は、それぞれ炭素数9の直鎖飽和炭化水素を表す。
*2:下記式で表されるジエステル油B
上記式中、R5,R6は、それぞれ炭素数7の直鎖飽和炭化水素を表す。
*3:下記式で表されるジエステル油C
上記式中、R7,R8は、それぞれ炭素数9の直鎖飽和炭化水素を表す。
*4:下記式で表されるジエステル油D
<評価方法>
(1)動粘度
動粘度は、JIS K 2283に制定されている動粘度試験方法により、40℃動粘度(mm2/s)を評価した。40℃動粘度が22mm2/s以下であれば低粘度であると評価できる。
(1)動粘度
動粘度は、JIS K 2283に制定されている動粘度試験方法により、40℃動粘度(mm2/s)を評価した。40℃動粘度が22mm2/s以下であれば低粘度であると評価できる。
(2)蒸発性
石油製品のGC蒸留試験法、ASTM D 2887に準拠した試験方法により、蒸留曲線を求めた。蒸留曲線から、50%留出温度を蒸発性の指標として評価した。
50%留出温度が高いほど蒸発性に優れると評価することができる。
石油製品のGC蒸留試験法、ASTM D 2887に準拠した試験方法により、蒸留曲線を求めた。蒸留曲線から、50%留出温度を蒸発性の指標として評価した。
50%留出温度が高いほど蒸発性に優れると評価することができる。
表1から、実施例1のエステル油は、比較例の基油に比べて蒸発量が少ないことが分かる。なお、実施例1のエステル油は比較例の基油に比べて40℃動粘度は高いが、許容範囲に抑えられている。
Claims (4)
- 2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと、炭素数が6〜12であるカルボン酸とのエステルであって、該エステルの総炭素数が21〜33である潤滑油用エステル基油。
- 前記エステルの総炭素数が25〜31である請求項1に記載の潤滑油用エステル基油。
- 前記カルボン酸がモノカルボン酸である請求項1又は請求項2に記載の潤滑油用エステル基油。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の潤滑油用エステル基油を含有する潤滑油。
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JPH03128991A (ja) * | 1989-07-05 | 1991-05-31 | Kiyouseki Seihin Gijutsu Kenkyusho:Kk | 潤滑油 |
JPH09100481A (ja) * | 1995-07-28 | 1997-04-15 | Chisso Corp | 潤滑油 |
JP2001518971A (ja) * | 1997-04-11 | 2001-10-16 | ネステ・ケミカルズ・オサケユキテュア | 特にフッ素化冷媒とともに使用するためのポリオールおよび複合エステル |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170912 |